JPH0522531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、フアクシミリ等に用いられるロール
状記録紙等のロール紙を装填するためのロール紙
用スプールに関する。

従来の技術 従来この種の装置は、第２図Ａ，Ｂに示すよう
に、剛質の紙材または軽量な木材からなる円筒状
に形成された基材１１上に巻装されたロール状記
録紙１２と、前記円筒状の基材１１内に圧入保持
される固定部１４が一体に形成されてなる樹脂製
の軸１３と、該軸１３の両端が夫々圧入等により
着脱自在に保持されるべく樹脂材により形成され
た一対のスプール１５，１５′と、該スプール１
５，１５′等に保持されたロール状記録紙１２が
図示せぬフアクシミリ本体の所定の装填部に装填
されて使用される際に、ロール状記録紙１２の紙
送りを制御すべく前記スプール１５，１５′の少
なくとも片方の外周面に当接すべく、回動軸１７
に保持されると共にバネ１８が前記回動軸１７に
当接して所望のトルクが付与されてなるゴム製の
トルクリミツター１６とから構成されている。そ
して、ロール状記録紙１２が図示せぬ搬送駆動機
構の駆動力を受けて繰り出されると、その動きに
合わせて、前記図示せぬ所定の装填部内でスプー
ル１５，１５′も同様に回転することにより、ロ
ール状記録紙１２が繰り出されていた。この時、
スプール１５，１５′の回転が所望の回転量より
大きくなつてロール状記録紙１２を繰り出し過ぎ
てしまわないようにするために、バネ１８により
一定のトルクが付与されているトルクリミツター
１６を介して、該トルクリミツター１６と当接し
ているスプール１５にもそのトルクを伝達するこ
とにより、スプール１５，１５′の回転に一定の
秩序を持たせていた。

考案が解決しようとする課題 しかし、かかる構成によれば、スプールの長期
にわたる使用とともに、トルクリミツターと接す
るスプールの外周面が一様でなくなり、安定した
ロール状記録紙の送りができなくなるといつた課
題があつた。

上述の課題は以下の理由で生ずる。すなわち、
ロール状記録紙の交換の際に、スプールを軸から
取りはずしたり装着したりする交換作業を手荒ら
に行うことがあり、特にスプールと軸とを圧入す
るといつた交換作業に力を要する場合などには、
特にスプールの外周面を利用して、何かに引つか
けたり、何かを支えにして作業を行なうことがよ
くあるため、樹脂材にて形成されているスプール
の外周面に傷や凹凸が簡単に生じてしまうからで
ある。

本考案は、上述の課題に鑑みて為されたもの
で、長期間使用しても、スプールの外周面に簡単
に傷や凹凸が生じることなく、安定したロール状
記録の送りを行なうことができるロール紙用スプ
ールを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案は上述の課題を解決するため、ロール紙
が巻装された円筒上の基材に圧入保持される固定
部を有する軸と、該軸の両端部に着脱自在に保持
される一対のスプールとを備え、該スプールの外
周面上に大径部と小径部とから成る段差を形成す
ると共に該段差の小径部にトルクリミツターを当
接すべく配設した構成を備えたものである。

作 用 本考案は上述の構成によつて、ロール紙の繰り
出しに対し一定のトルクをスプールに与える場合
には小径部の外周部にトルクリミツターを当接さ
せることにより行ない、また、ロール紙の交換に
際してはスプールの大径部を利用して軸の着脱が
行なわれるために、スプール自体に一定のトルク
を与えることは従来通り可能となり、更に、従来
スプールの交換時にトルクリミツターが当接する
外周面に傷や凹凸がつくといつた不都合さは、本
考案においては、トルクリミツターが当接しない
大径部の外周面にのみ傷や凹凸が発生するがトル
クリミツターが当接する小径部の外周面には傷や
凹凸がほとんど生じることがなく、長期間同じス
プールを使用しても、トルクリミツターが当接す
る小径部の外周面が一様に維持することができ、
安定したロール紙の繰り出しが可能となる。

実施例 次に、本考案の一実施例について、図面を参照
して説明する。

第１図Ａ，Ｂは本考案の一実施例によるロール
紙用スプールの概略構成を示すものであつて、同
図Ａはロール状記録紙のセツト状態を示す断面図
であり、同図Ｂは矢印Ｃ方向から見た側面図であ
る。第１図Ａにおいて、１は剛質の紙材または軽
量木材からなる円筒状の基板、２は基材１に巻装
されたロール状記録紙、３は所定の間隔を有して
突出した固定部４が一体に形成された樹脂製の
軸、５は前記軸３の両端に圧入されて着脱自在に
保持されると共に大径部５ａと小径部５ｂとが形
成されている樹脂製のスプール、６は前記小径部
５ｂに当接するように図示せぬフアクシミリ本体
に回動自在に装着された回転軸７に圧入保持され
てなるゴム製のトルクリミツター、８は前記トル
クリミツター６に一定のトルクを付与するように
前記回転軸７に当接すべく前記フアクシミリ本体
に配設されたバネである。

以上のように構成されたロール紙用スプールに
ついて、以下その動作を説明する。

基材１に巻装されたロール状記録紙２は、通
常、固定部４が一体に形成された軸３が圧入され
た状態にある。そして、このロール状記録紙２を
スプール５に装着する場合には、軸３の両端をス
プール５に形成された図示せぬ穴に圧入して第１
図Ａのように装着する。その後、図示せぬフアク
シミリ本体の装填部内に、ロール状記録紙２を装
填すると、その装填部内にトルクリミツター６が
配設されており、該トルクリミツター６と前記ス
プール５の小径部５ｂの外周面とが当接した状態
に維持される。そこで、フアクシミリが作動し
て、図示せぬ搬送駆動機構に駆動されて、ロール
状記録紙２が繰り出されると、スプール５が、ト
ルクリミツター６とスプール５の小径部５ｂとが
接触しているため、一定のトルクを受けつつ回転
し、安定したロール状記録紙２の繰り出しが行な
われる。

また、ロール状記録紙２を新しいものと交換す
る場合などには、フアクシミリの装填部から基材
１とスプール５を取り出し、例えば机の上などに
多少手荒において、交換する場合でも、トルクリ
ミツター６が接触するスプール５の小径部５ｂが
直接机等に接触することなく、大径部５ａが接触
し、更に、スプール５から軸を取りはずす場合な
どにもスプール５の小径部５ｂを利用することな
く大径部５ａを例えば机の端にひつかけて抜いた
りすることから、ロール状記録紙２の交換の際
に、トルクリミツター６が当接する小径部５ｂに
傷や凹凸が生じることが少なくなり、長期間同一
のスプール５を使用しても、トルクリミツター６
がスプール５の小径部５ｂと絶えず安定した接触
状態を維持することができ、ロール状記録紙２の
安定した繰り出しを維持することが可能となる。

尚、上記実施例の説明では、トルクリミツター
６を１個だけ使用した場合について説明したが、
２個のトルクリミツターを両端のスプール５に当
接するように配設して使用しても良い。

また、第１図Ａに示すスプール５に形成された
小径部５ｂとしては、スプール５の両端に一対の
大径部を形成すると共に中間に小径部を形成し
て、その断面が凹字型にすることも可能であり、
このように形成することにより、スプールの左右
への揺れや移動を防止することができ、安定した
ロール紙の繰り出し効果を一層高めることができ
る。

また、最後に、上記の如く、従来のスプールに
小径部を形成すると共にその小径部にトルクリミ
ツターを当接させることにより、従来のものに比
べて、ロール状記録紙等の装填部のスペースの高
さの寸法を低くすることも可能となる。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案は、ロ
ール紙が巻装された円筒上の基材に圧入保持され
る固定部を有する軸と、該軸の両端部にて着脱自
在に保持される一対のスプールとを備え、該スプ
ールの外周面上に大径部と小径部とから成る段差
を形成すると共に該段差の小径部にトルクリミツ
ターを当接すべく配設した構成により、ロール紙
の交換に際しても、トルクリミツターが当接する
小径部が大径部により保護されるために、同一の
スプールを長期間使用してもトルクリミツターが
当接する小径部に傷や凹凸が生じることなく、ト
ルクリミツターと一定の接触状態を保つことがで
き、ロール紙の安定した繰り出しが可能となり、
また、スプールの小径部にトルクリミツターを当
接するように配設されていることから、ロール状
記録紙等の装填部の寸法を小さくでき薄型化が可
能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案の一実施例を示すロール紙用
スプールにロール状記録紙をセツトした状態を示
す断面図、第１図Ｂは第１図Ａに於ける矢印Ｃ方
向から見た側面図、第２図Ａ，Ｂは夫々従来のロ
ール紙用スプールに関し、第２図Ａはロール状記
録紙をセツトした状態を示す断面図、第２図Ｂは
第２図Ａに於ける矢印Ｃ方向から見た側面図であ
る。 １……基材、２……ロール状記録紙、３……
軸、４……固定部、５……スプール、５ａ……大
径部、５ｂ……小径部、６……トルクリミツタ
ー、７……回動軸、８……バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロール紙が巻装された円筒上の基材に圧入保持
   される固定部を有する軸と、該軸の両端部にて着
   脱自在に保持される一対のスプールとを備え、該
   スプールの外周面上に大径部と小径部とから成る
   段差を形成すると共に該段差の小径部にトルクリ
   ミツターを当接すべく配設したことを特徴とする
   ロール紙用スプール。