JP2504145Y2 - 層間紙巻き取り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は層間紙巻き取り装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】リードフレームを連続加工したりする場
合にはリール状に巻回したリードフレームを加工機にセ
ットして加工することがなされるが、リールに巻回した
際にリードフレームが相互に擦れることを防止するため
層間紙を挟んで巻回するようにする場合がある。このよ
うに層間紙を挟んで巻回したリードフレームを加工機に
かける場合は、層間紙をリードフレームとは別に引き出
して巻き取り、リードフレームのみを加工機にかけるよ
うにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】図３に従来用いられて
いる層間紙の巻き取り装置を示す。この巻き取り装置は
シャフト２に円板状のガイド３を取り付けたものでモー
タ４の駆動力によってシャフト２を回転して層間紙を巻
き取るものである。ところが、この従来の巻き取り装置
では層間紙を巻き取った後にシャフト２から層間紙を取
り外すことが簡単にできないという問題点があった。こ
れは、シャフト２がモータ４の駆動軸に固定されている
ため取扱いにくいことと、層間紙の締付け力によってシ
ャフト２から抜けにくくなることによっている。

【０００４】また、従来の巻き取り装置ではシャフト２
にガイド３を取り付けたことにより、その慣性で層間紙
の巻き取りが追従しにくくなり、巻き取り時に層間紙が
たるんだり、強く引っ張られすぎて層間紙が切れてしま
うといった問題点があった。そこで、本考案は上記問題
点を解消すべくなされたものであり、その目的とすると
ころは、層間紙を巻き取る際のテンション調節が容易に
できて層間紙のたるみや層間紙が切れるといった問題を
解消することができ、かつ巻き取り後の層間紙の取り外
しが容易にできて取扱いの容易な層間紙巻き取り装置を
提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、リードフレーム
等の長尺体の加工機に付設され、加工機から繰り出され
る層間紙を円筒形に形成した巻き取り部の外周面に巻き
つけて巻き取り操作を行う層間紙巻き取り装置におい
て、前記巻き取り部を巻き取り方向に回転駆動する駆動
モータを設け、前記巻き取り部と前記駆動モータの駆動
軸とを前記層間紙を所要のテンションを加えて前記巻き
取り部に巻き取るためのすべりクラッチを介して連結
し、前記巻き取り部の他端側に、巻き取り部の外周面の
径寸法に合わせて周方向に等間隔で複数本のピンを立設
したピン取り付け体を、前記ピンを前記巻き取り部の軸
線方向と平行に巻き取り部の他端側から基端側にかけて
前記巻き取り部に外挿することにより脱着自在に装着し
たことを特徴とする。

【０００６】

【作用】層間紙を巻き取る際には巻き取り部の外端部に
ピン取り付け体を装着し、ピン取り付け体のピンを巻き
取り部の外面に弾接させた状態で層間紙を巻き取る。層
間紙の巻き取りが終了したら、ピン取り付け体ごと巻き
終わった層間紙を巻き取り部から取り外す。層間紙から
取り外したピン取り付け体は、再び巻き取り部に装着し
て次の巻き取り作業を行う。すべりクラッチは駆動モー
タの回転駆動力が一定以上になった場合には、層間紙に
過度にテンションが作用しないように保護する。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。図１は本考案に係る層間紙巻き
取り装置の一実施例の構成を示す。本実施例の巻き取り
装置は支持台１０と支持台１０に立設した支持プレート
１２と、支持プレート１２の上部側面に駆動軸を水平方
向にして取り付けた駆動モータ１４と、駆動モータ１４
の駆動軸に連繋して取り付けたシャフト１６と、シャフ
ト１６の端部に同軸で固定した円筒状の巻き取り部１８
と、巻き取り部１８の外端面からソケット状に脱着自在
に取り付けたピン取り付け体２０と、支持プレート１２
から層間紙の引き出し方向の前方に延出させて設けたア
ーム２２に取り付けた層間紙のガイド２４とを有する。

【０００８】前記シャフト１６は図１に示すように支持
プレート１２を厚み方向に貫通して回動自在に軸支さ
れ、シャフト１６の一端は駆動モータ１４の駆動軸に連
結するすべりクラッチ２６に固定される。また、シャフ
ト１６の他端は軸径よりも拡径した円板状に形成され、
この円板部に一端面を当接させて前記巻き取り部１８が
固定される。巻き取り部１８はシャフト１６に支持され
て水平に取り付けられる。実施例の巻き取り部１８はプ
ラスチック製である。

【０００９】前記ピン取り付け体２０は巻き取り部１８
の他端に脱着自在に取り付けるリング部２０ａと、リン
グ部２０ａに基端部を埋設させて立設したピン３０とを
有する。実施例では巻き取り部１８の他端部はやや縮径
して形成され、リング部２０ａの内周にはこの縮径部に
外挿して軽圧入するスチールリング３２を嵌入してい
る。すなわち、ピン取り付け体２０はリング部２０ａを
巻き取り部１８の外端面に軽圧入することによって巻き
取り部１８に装着する。

【００１０】前記ピン３０はリング部２０ａを巻き取り
部１８に装着した際に、巻き取り部１８の外周面に弾接
する配置で設置するもので、巻き取り部１８の周方向に
等間隔で複数本設置する。実施例では周方向に４本のピ
ン３０をリング部２０ａに固定した。図１に示すように
ピン３０はリング部２０ａを巻き取り部１８に装着した
際にピン３０の先端が巻き取り部１８の基端側まで延出
する長さにする。図２にピン取り付け体２０を側面方向
から見た状態を示す。リング部２０ａに等間隔で４本の
ピン３０を取り付けた状態がわかる。また、スチールリ
ング３２がリング部２０ａと同心に設けられていること
がわかる。

【００１１】前記アーム２２は、図２に示すように支持
プレート１２から前方に延出するとともに、図１に示す
ようにその前端部で層間紙の走行方向と直角にＬ形に折
曲させて設ける。前記ガイド２４はこのＬ形に折曲した
アーム２２の前端部にアーム２２上で移動可能に取り付
ける。ガイド２４は層間紙の幅に応じて調節可能とする
ものであり、層間紙の両側縁部をガイドすべく一対配置
する。

【００１２】上記実施例の層間紙巻き取り装置を使用す
る場合は、図１に示すように巻き取り部１８の外端部か
らピン取り付け体２０を外挿するようにして装着して巻
き取り開始する。層間紙はこの巻き取り開始の際に、ピ
ン３０と巻き取り部１８の外面との間に挟み込むように
して巻き取り開始する。駆動モータ１４は一定の回転駆
動力によって巻き取り部１８を回転駆動して層間紙を巻
き取る。層間紙を巻いていくことによってピン取り付け
体２０に締付け力が作用し、回転止めして巻き取りする
ことができる。すべりクラッチ部２６を設けたことによ
って、駆動モータ１４による回転駆動力が一定以上にな
った場合には自動的にすべりが生じ、層間紙に過度のテ
ンションを作用させずに巻き取りを行うことができる。

【００１３】図２は巻き取り部１８に層間紙４０を巻き
取っている様子を示す。層間紙４０はガイド２４で案内
されて順次巻き取られる。層間紙の巻き取りが終了した
ら、巻き取り部１８からピン取り付け体２０を抜くよう
にして巻きおわった層間紙４０とピン取り付け体２０を
巻き取り部１８から取り外す。ピン取り付け体２０はピ
ン３０が巻き取り部１８の外面に接しているだけだか
ら、簡単に巻き取り部１８から引き抜くことができる。
そして、層間紙４０とともに引き抜いたピン取り付け体
２０はピン３０が中側にたわんで簡単に層間紙４０から
外れる。こうして、ピン取り付け体２０を取り外した
後、再びピン取り付け体２０を図１に示すように巻き取
り部１８に装着することによって次の巻き取り作業を開
始することができる。

【００１４】以上のように、本発明に係る層間紙巻き取
り装置によれば、ピン取り付け体２０を巻き取り部１８
の外面にピン３０部分で脱着自在に装着するようにした
ことによって、巻き取り後の層間紙を取り外す作業をき
わめて容易にすることができる。これにより、層間紙の
巻き取り操作を続けて行うような場合でも能率的に操作
することが可能になった。また、実施例の巻き取り装置
ではすべりクラッチ２６を設けることによって巻き取り
時に層間紙に過度のテンションが加わらないようにする
ことができ、一定の巻き取り力で巻き取りを行うことに
よって層間紙が切れたり、巻き取りが円滑に行われない
といった問題を解消することができる。

【００１５】

【考案の効果】本考案に係る層間紙巻き取り装置は、上
述したように、層間紙の巻き取り装置として簡易な構成
とすることができるとともに、層間紙の巻き取り操作と
巻き取り後の層間紙を巻き取り部から取り外すといった
操作がきわめて手軽にでき、取り扱いやすい装置として
提供することができる。また、すべりクラッチの作用に
より層間紙の巻き取り操作を円滑に行うことを可能にす
る等の著効を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】層間紙巻き取り装置の実施例の構成を示す説明
図である。

【図２】層間紙巻き取り装置の側面図である。

【図３】層間紙巻き取り装置の従来例を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１０ 支持台 １２ 支持プレート １４ 駆動モータ １６ シャフト １８ 巻き取り部 ２０ ピン取り付け体 ２０ａ リング部 ２２ アーム ２４ ガイド ２６ すべりクラッチ ３０ ピン ３２ スチールリング ４０ 層間紙

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 リードフレーム等の長尺体の加工機に付
   設され、加工機から繰り出される層間紙を円筒形に形成
   した巻き取り部の外周面に巻きつけて巻き取り操作を行
   う層間紙巻き取り装置において、前記巻き取り部を巻き取り方向に回転駆動する駆動モー
   タを設け、 前記巻き取り部と前記駆動モータの駆動軸とを前記層間
   紙を所要のテンションを加えて前記巻き取り部に巻き取
   るためのすべりクラッチを介して連結し、 前記巻き取り部の他端側に、巻き取り部の外周面の径寸
   法に合わせて周方向に等間隔で複数本のピンを立設した
   ピン取り付け体を、前記ピンを前記巻き取り部の軸線方
   向と平行に巻き取り部の他端側から基端側にかけて前記
   巻き取り部に外挿することにより脱着自在に装着したこ
   と を特徴とする層間紙巻取り装置。