JPH0522474Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、揺動して後輪をクツシヨン可能に
懸架するオートバイのスイングアームに関する。

〔考案の技術的背景と問題点〕

オートバイのスイングアームは、左右のアーム
の前端をピボツト筒の両端に溶着し、ピボツト筒
をフレーム下部に揺動可能に軸着し、左右のアー
ムの後端に後輪車軸を取付けて、後輪がクツシヨ
ンできるようにしている。特に荒地を走行する種
類のオートバイでは、クツシヨンも激しく行われ
るので、スイングアームの剛性と軽量化が求めら
れる。そこで、スイングアームを軽合金製にする
等、軽量化が行れているが、十分でない。又、後
輪とエンジンは、チエンで連結され、後輪のクツ
シヨンに伴つてチエンが激しく振動するので、ス
イングアームの前部に、弾性体のチエンバツフア
ーを取付けて、これにチエンを当てるようにし
て、振動を止めるようにしているが、取付けたチ
エンバツフアーでスイングアームを重くしていて
好ましくない。

〔考案の目的〕

この考案は、かかる点に鑑み、カーボンフアイ
バーで成形した補強片でスイングアームの左右の
アーム前部を補強し、併せて補強片がチエンバツ
フアーになり、剛性が高く軽量なオートバイのス
イングアームを得ることを目的とする。

〔考案の構成〕

以下、本考案を図面に示す実施例について説明
する。

スイングアームを構成する左右のアーム１は、
断面角形の軽合金パイプ製で、前端をピボツト筒
２の両端に溶着する。又、左右のアーム１の前部
には、横方向に渡したブリツジ片３が溶着してあ
る。補強片４は、アーム１の断面形状に合せて、
左右側面と下側が凹字状につながつた断面Ｕ字状
にカーボンフアイバーで成形され、左右のアーム
１の左右側面に合せて接着する。補強片４の後輪
５を駆動するチエン６が通る側は、補強片４の前
下面に前方に向かつて上方に傾斜する傾斜面７を
設けてチエンバツフアーにしてある。そしてピボ
ツト筒２は、フレーム下部に揺動自在に軸着し、
左右のアーム１の後端には、後輪車軸８を取付け
て、後輪５を懸架する。

スイングアームの左右のアーム１の剛性を必要
とする前部は、軽量なカーボンフアイバー製の補
強片４が接着されて補強され、剛性が高く軽量に
できる。そして、チエン６が通る側は、チエン６
の通る位置に近接するように、補強片４の前下面
に前方に向かつて上方に傾斜する傾斜面７が設け
てあり、チエン６が振動したときに当つて止るチ
エンバツフアーになり、傾斜面７が補強片４と一
体で軽量にできる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案は、左右のアー
ムの前端をピボツト筒の両端に溶着し、左右のア
ームの後端に後輪車軸を取着するスイングアーム
に於て、断面凹字状のカーボンフアイバーで成形
した補強片を、左右のアーム前部に下方から装着
して左右側面に接着固定し、一方のチエンの通る
側は、補強片の前下面に前方に向かつて上方に傾
斜する傾斜面を形成してチエンバツフアーとした
ので、補強片の材料特性により、剛性が高く軽量
なスイングアームとすることが可能となり、併せ
て補強片に設けた傾斜面がチエンバツフアーとし
て、チエンの振動止めになり、一層軽量化ができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は平面図、第３図は第２図Ａ−Ａ矢視
拡大横断面図である。 １……アーム、２……ピボツト筒、４……補強
片、６……チエン、７……傾斜面、８……後輪車
軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右のアームの前端をピボツト筒の両端に溶着
   し、左右のアームの後端に後輪車軸を取着するス
   イングアームに於て、断面凹字状のカーボンフア
   イバーで成形した補強片を、左右のアーム前部に
   下方から装着し左右側面に接着固定し、一方のチ
   エンを通る側は、補強片の前下面に前方に向かつ
   て上方に傾斜する傾斜面を形成してチエンバツフ
   アーとしたことを特徴とするオートバイのスイン
   グアーム。