JP2970872B2 - 自転車車体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自転車車体に関するものであり、閉鎖型中空
断面形状を持ち、その車体に取り付ける後車輪の取付構
造に特徴を有するものである。

（従来の技術） 自転車の車体の形状は各種あるが、これらは主として
パイプを結合して構成するものである。車体の側面全体
を強化プラスチック・ディスクで覆ったものがあるが
（実開平１−57978号）これはパイプで構成したダイヤ
モンド型フレームをカバーしたものである。

車体の全体を繊維強化プラスチックを材料とする閉鎖
型中空断面形状のものも見られるが（国際公開第87/069
01号、同89/04789号）これらは従来のダイヤモンド型フ
レームと同様に上、下パイプ、立パイプ、バックホーク
を持つ構造を前記材料により構成したものである。

後車輪の取付構造に関しては、チェンステーおよびバ
ックホークは車輪を両側から後ツメ部により支持するも
のであり、後ツメ部により車輪を固定し、車輪に固定さ
れた後ハブが回転するものである。

（発明が解決しようとする課題） 本発明の目的は、競技中および運搬の際の後車輪の取
外しを容易にしようとするものであり、また全体の重量
の軽減と、空気抵抗を減少しようとするものである。

さらに他の目的はパイプの熔接、歪の是正などの作業
を省き、車体を一体構造として大量生産することを可能
としようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は、先端にヘッドパイプ取付部、後端に後ツメ
部を有し中央上部にはシートポスト取付部、中央下部に
はハンガーパイプ取付部を有する繊維強化プラスチック
を材料とする閉鎖型中空断面形状の車体において、車体
を、その中央部より後ツメ部までの後車輪の取り付けら
れる範囲において車体の前後方向の中心線の一方側のみ
に存するようにし、後ツメ部は後車輪を、その一側面に
おいて支持するようにしたものであり、後車輪の後ツメ
部への取付は、後車輪に固定した車軸の一方側に軸受部
材を嵌合し、車体の後ツメ部と、前記軸受部とを取外し
可能に結合したことにより行い、このような構造を採用
することにより、後車輪を車体の一側面において支持で
きるようにしたものである。

（実施例） 第１図および第２図は本発明の自転車の車体１を示す
もので、各々、側面図、平面図であり、この自転車の車
体は、繊維強化プラスチックを材料として閉鎖型中空断
面形状に構成したものである。繊維強化プラスチックと
しては、補強繊維として、炭素繊維、ガラス繊維、全芳
香族ポリアミド繊維等を適当とし、強化樹脂としては、
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いるものである。

車体１は、先端部にヘッドパイプ取付部2,後端部には
後ツメ部３を有し、中央上部にはシートポスト取付部４
が、中央下部にはハンガーパイプ取付部５が各々構成さ
れており、全体の側面形状はスタッカード形またはルー
プ形の車体の外形と近似している。６は、車体１の側面
に存する膨出部であって、強度の補強および空気抵抗を
軽減するため適宜設けられるものであり、その形状、位
置に特に限定はない。また、本発明の車体は閉鎖型中空
断面形状であるが、一部においては充填材を入れて強度
を増大することも必要に応じて行うものである。

本発明の特徴は後車輪の支持であり、第２図に示すよ
うに後ツメ部３は後車輪７を一方側においてのみ支持し
ており、そのため、車体１の中央部より後端部までは、
後車輪７の存する範囲内においては、車体の前後方向の
中心線の一方側にのみ存する構造となっている。

第３図、第４図は、後車輪７の取付構造を示すもので
あり、ディスク構造の後車輪７には車軸８が固定されて
いる。９は従動ギアであり、前記車軸８にねじ込まれて
おり、実施例では踏み切りであるがフリーホイルを採用
しても良い。10は軸受部材であり、前記車軸８と軸受け
を介して嵌合しており、本実施例では後車輪７と従動ギ
ア９の中間に位置するが、従動ギア９と後車輪７を挟ん
で反対側に嵌合することも可能である。

軸受部材10は板状をなし、対称位置に段部11を設け、
この段部11に存する孔12により、前記車体の後ツメ部３
に存する長孔13と、ボルト14により取外し可能に結合す
るものである。なお本実施例では、後車輪にディスク構
造のものを示したが、スポーク車輪でも用いることが出
来る。

（効 果） 本発明は以上のように車体は繊維強化プラスチックを
材料とした閉鎖型中空断面形状であるので、軽量で、し
かも強度を充分に持つことが出来るのは勿論、後車輪は
一方側において車体の後ツメ部により支持するので、駆
動ギアと従動ギアとの間に係止されるチェンが車体と交
叉せず、従って、その取外しがきわめて容易である利点
がある。

さらに、車体の後ツメ部による後車輪の支持が、後車
輪の車軸に嵌合した軸受部材と、後ツメ部の結合のみで
行われるので、その取外しが容易であると共に軸受が単
体となり部品数の減少の効果も存するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は車体の側面図、第２図は同平面図、第３図は後
車輪の取付構造を示す断面図、第４図は同部分の部品の
組立て状態を示す斜視図である。 １……車体、２……ヘッドパイプ取付部 ３……後ツメ部、４……シートポスト取付部 ５……ハンガーパイプ取付部、６……膨出部 ７……後車輪、８……車軸 ９……従動ギア、10……軸受部材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】先端にヘッドパイプ取付部２、後端に後ツ
   メ部３を有し、中央上部にはシートポスト取付部４、中
   央下部にはハンガーパイプ取付部５を有する繊維強化プ
   ラスチックを材料とする閉鎖型中空断面形状の車体１に
   おいて、車体１を、その中央部より後ツメ部３までの後
   車輪の取り付けられる範囲において車体の前後方向の中
   心線の一方側のみに存するようにし、後車輪７に固定し
   た車軸８の一方側に嵌合した軸受部材10を車体の後ツメ
   部３と取外し可能に結合することにより、後車輪７を車
   体の一側面において支持するようにしたことを特徴とす
   る自転車車体。