JPH0522425Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、車両のドア構造に関し、更に詳しく
は、開閉自在な三角窓を備えたドア構造に関す
る。

（従来技術及びその問題点） この種ドア構造としては、実開昭59−85717号
公報開示の如く、三角形のウインドガラスをその
上下方向でドア開口部に枢支することにより車室
内外方向に開閉回動自在に取付けたものが一般的
である。而して、このウインドガラスは、ドアサ
ツシユ内周に取付けられた断面略Ｕ字状のウエザ
ーストリツプの開口縁間にその周縁を嵌装するこ
とにより、車室内外のシール性を確保した状態で
閉成されると共に、開成時には、ウエザーストリ
ツプの開口縁を越えてウインドガラス周縁が揺動
するようになつているものである。

しかし乍ら、この構成のものでは、閉成時のウ
インドガラス外面がウエザーストリツプの開口縁
内側に位置することとなる為、ウインドガラス外
面とドアサツシユ外面との間に段差が生じること
となる。従つて、空気抵抗の抑制乃至車体外観デ
ザイン自由度向上の観点から、車体外面を略面一
な構成とする所謂フラツシユサーフエイス構造と
する場合には採用出来ないものである。

この為、実開昭60−98518号公報開示の如く、
ドアサツシユの外面に断面逆Ｌ字状の段下げ部を
形成し、この段下げ部内にウインドガラスの端縁
を収容することにより、ウインドガラス閉成時
に、ドアサツシユの外面とウインドガラスの外面
とが略面一となるよう構成したものがある。

しかし乍ら、ドアサツシユは、その内縁全周に
亘つて凹状の溝が形成されているのが通常であ
り、上記ドア構造実施の為には、それ専用の特別
加工をサツシユに施こすことが必要となるので、
コスト的、工程的に不利となる。

（考案の目的） 本考案は、上記の如き事情に鑑み、ドアサツシ
ユの形状を変えることなく、ウインドガラス閉成
時に、ウインドガラスの外面とドアサツシユ外面
とを略面一と為し得る車両のドア構造の提供を目
的とする。

（考案の構成） この為、本考案に係る車両のドア構造は、ドア
本体とドアサツシユとにより形成された略三角形
状の開口部の内縁に、その内周方向に沿つて凹状
のウエザーストリツプ支持溝が形成され、前記ウ
エザーストリツプ支持溝に前記開口部内周縁より
内周側に突出して装着されたウエザーストリツプ
と、弾性材料によつて前記ウエザーストリツプの
外周面を囲む形状に形成され一端が前記ウインド
ガラスに固定されると共に他端が前記ドアサツシ
ユの前記ウエザーストリツプ支持溝より車室側の
縁部に固定されたヒンジ部材と、を備え、前記ド
アサツシユの少なくとも前記ヒンジ部材が固定さ
れる車室側の縁部には閉断面が形成されており、
前記ウインドガラスは、前記ヒンジ部材の弾性変
形によつて開閉可能に支持され閉成時にはその周
縁が前記ウエザーストリツプの突出部外面と密接
し、ドアサツシユ及びドア本体の外面とウインド
ガラス外面とが略面一となるよう構成されてい
る。

（考案の実施例） 第１図示車両は、ドア本体１０とドアサツシユ
２０により形成される略三角形状の開口部３０に
車幅方向開閉自在なウインドガラス４０を取付け
たサイドドア１００を備えている。

ドアサツシユ２０は、第２図示の如く、板材を
屈曲してＵ字状断面に形成された内縁部材２０Ａ
が、外板２０１と、該外板２０１の内面に接合さ
れたリテーナー２０２で固定支持されており、ウ
エザーストリツプ支持溝としての凹状のウエザー
ストリツプ取付部２１が、ドアサツシユ２０の内
周方向に開口し、該内周方向に沿つて延設形成さ
れている。

内縁部材２０Ａの車外側の垂立縁２５と、外板
２０１とは、接合されてウエルト２４により被覆
されている。

内縁部材２０Ａの車室側の垂立縁２８は、その
上縁が幅方向に所定量延設された後Ｕ字状の深さ
方向に屈折され、更にＵ字状の底部と対応するま
で延設されて当該部位がスポツト溶接で接合され
ており、閉断面２９を形成している。尚、内縁部
材２０Ａの両垂立縁２５，２８の高さは、略同一
となつている。

リテーナー２０２は、内縁部材２０Ａの底部を
支持している。

ウエザーストリツプ取付部２１には、ガセツト
２２を介してウエザーストリツプ２３の基端側が
嵌着されている。

ウエザーストリツプ２３は、ウエザーストリツ
プ取付部２１の内周側の縁（内縁部材２０Ａの垂
立縁２５，２８の上縁）より所定量突出してい
る。この突出部位には、内部にスペース２３ｂを
残して折返し縁部２３ａがその外面側に形成され
ている。

ウインドガラス４０は、その前縁側２箇所でド
アサツシユ２０に板バネヒンジ５０を介して結合
され、その閉成時には、その周縁の内面が、ウエ
ザーストリツプ２３の上記折返し縁部２３ａの外
面に密接するよう配置されている。又、この時、
当該ウインドガラス４０の外面は、ウエルト２４
の外面と略面一となるように設定されている。

板バネヒンジ５０は、第２及び３図示の如く、
略Ｔ字状の弾性材料の板材を屈曲して形成され、
一端の側方張出し部５０ａが、内縁部材２０Ａの
車室側の垂立縁２８の内周側の面（閉断面２９の
上面）のヒンジ結合部２６に螺子２７で固定さ
れ、他端５０ｂが取付ピン５１にてウインドガラ
ス４０に固定されている。尚、５２はヒンジカバ
ーである。

板バネヒンジ５０の形状は、図２に示す如く、
ヒンジ結合部２６との結合部分は内縁部材２０Ａ
の車室側外面（閉断面２９の車室側外面）と略面
一でウエザーストリツプ２３の内周側先端部と対
応する位置迄延設された後、略直角にウインドガ
ラス４０に向けて屈曲して形成されている。つま
り、略、ウエザーストリツプ２３をその外周面に
沿つて囲むような形状に形成されているものであ
る。

上記の如き板バネヒンジ５０によるウインドガ
ラス４０の支持構成により、ウインドガラス４０
は、ヒンジピン５１の弾性変形によつて車室内側
（第２図時計回り方向）へ揺動して開成可能とな
つている。この開成時には、ウインドガラス４０
の前縁側がウエザーストリツプ２３の折返し縁部
２３と共に上記スペース２３ｂ内へ押入される。

ウインドガラス４０の後方下部には、第４図示
の如く、取付ピン６０の車室内側端部６０ａに上
下回動可能に枢支されたロツクレバー６１が設け
られており、その下方回動位置にて、ドア本体１
０のインナパネル１１上部に取付けたストツパー
６２によりロツクされるようになつている。而し
て、ウインドガラス４０のロツクレバー取付ピン
６０は、ウインドガラス開閉の為に要する力を最
小とする為、各ヒンジピン５１，５１の取付位置
から夫々等距離となる位置に配置されている。

尚、第５図示の如く、ドア本体１０のインナパ
ネル１１とアウタパネル１２の上縁側にもドアサ
ツシユ２０のウエザーストリツプ取付部２１と同
様な凹状のウエザーストリツプ取付部１３が形成
されており、ガセツト２２を介してウエザースト
リツプ２３の基端側が嵌着されるようになつてい
る。又、１４はレインフオースメントパネルであ
る。

このように構成するものでは、ウインドガラス
４０の周縁が、ドアサツシユ２０の内周縁より更
に内周側に位置すると共に、閉成時に、ウエザー
ストリツプ２３の外面側に密接するよう設置され
る為、ドアサツシユ２０の外面とウインドガラス
４０の外面とがウエザーストリツプ２３の外面に
よつて位置揃えされることとなり、両者が略面一
に連続する構成と為し得るものである。

（考案の効果） 上記の如き本考案に係る車両のドア構造に依れ
ば、ドアサツシユの形状を変えることなく、ウイ
ンドガラス閉成時にウインドガラスの外面とドア
サツシユ外面とが略面一に連続するよう構成し得
るものである。

又、ウエザーストリツプ支持溝の車室側の縁部
に閉断面を形成すると共に、この閉断面部位にヒ
ンジ部材を固定することで、ウインドガラスの支
持剛性を高めることができる。

更に、ヒンジ部材をウエザーストリツプの外周
面を囲む形状とし、ウエザーストリツプ支持溝の
車室側の縁部とウインドガラスを結合したことに
より、ヒンジ部分を極めてコンパクトに構成でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るドア構造の一実施例を採
用した車両の前部斜視図、第２図は第１図の−
線矢視断面図、第３図はヒンジ部の要部構成斜
視図、第４図は第１図の−線矢視断面図、第
５図は第１図の−線矢視断面図である。 １０……ドア本体、２０……ドアサツシユ、２
１……ウエザーストリツプ取付部（ウエザースト
リツプ支持溝）、２３……ウエザーストリツプ、
２９……閉断面、３０……開口部、４０……ウイ
ンドガラス、５０……板バネヒンジ（ヒンジ部
材）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドア本体とドアサツシユとにより略三角形状の
   開口部が形成され、該開口部に、前縁側で前記ド
   アサツシユにヒンジ結合されて開閉可能に取付ら
   れたウインドガラスを備えるものに於いて、 前記開口部の内縁には、その内周方向に沿つて
   凹状のウエザーストリツプ支持溝が形成され、 前記ウエザーストリツプ支持溝に前記開口部内
   周縁より内周側に突出して装着されたウエザース
   トリツプと、 弾性材料によつて前記ウエザーストリツプの外
   周面を囲む形状に形成され、一端が前記ウインド
   ガラスに固定されると共に、他端が前記ドアサツ
   シユの前記ウエザーストリツプ支持溝より車室側
   の縁部に固定されたヒンジ部材と、 を備え、 前記ドアサツシユの、少なくとも前記ヒンジ部
   材が固定される車室側の縁部には閉断面が形成さ
   れており、 前記ウインドガラスは、前記ヒンジ部材の弾性
   変形によつて開閉可能に支持され、閉成時には、
   その周縁が前記ウエザーストリツプの突出部外面
   と密接し、ドアサツシユ及びドア本体の外面とウ
   インドガラス外面とが略面一となるよう構成され
   ていること、を特徴とする車両のドア構造。