JPH0326973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ある一つの車体に形成された窓開
口に対して窓ガラスを開閉自在に取り付ける場合
と、上記窓開口と同形状の窓開口に対して開動作
を不能として窓開口を閉じるように窓ガラスを取
り付ける場合のいずれにおいても車体の外観上の
体裁を良好に保つようにした自動車のリヤクオー
タウインドに関する。

（従来の技術） 自動車のリヤクオータウインドには、従来よ
り、窓開口を開閉することがきる開閉式のもの
（例えば実公昭52−7606号公報）と、窓開口を開
動作不能に閉じる固定式のものとがある。そし
て、これらは、通常、ある一つの車体に形成され
た窓開口に対してこの窓開口を開閉自在に閉じる
状態と、この窓開口を開動作不能に閉じる状態の
いずれか一方を選択してこの窓開口に窓ガラスを
取り付けることによつて構成される。

上記構成において、従来、開閉式における窓ガ
ラスが窓開口を閉じた状態では、窓ガラスが窓開
口に設けられるウエザーストリツプの車体外側方
側の面に当接するため、この窓ガラスはウエザー
ストリツプの厚みの分だけ窓開口から車体の外側
方に比較的大きく離されることとなる。一方、固
定式のものでは、窓ガラスはウエザーストリツプ
の内周部に嵌め込まれるため、この窓ガラスは上
記の開閉式のものに比較して窓開口に接近するこ
ととなる。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、車体の外面を平坦化することによつ
て、車体の外観上の体裁を向上させようとする場
合には、例えば閉状態における開閉式の窓ガラス
の外面を車体の外面に合致させることが考えられ
る。しかし、この窓開口に対して前記した如く固
定式の窓ガラスを取り付ければ、この窓ガラスの
外面は車体の外面よりも窪んだ形状となる。この
ため、上記窓開口に固定式の窓ガラスを取り付け
た場合には車体の外観上の体裁が低下することと
なつて好ましくない。

（考案の目的） この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、窓開口に対して開閉式と固定式のい
ずれを選択して窓ガラスを取り付けた場合でも、
両者間で車体の外観に変化が生じないようにし、
これによつて、その外観上の体裁をいずれも良好
に保つことができるようにし、しかも、上記固定
式のものが簡単な構成で得られるようにすると共
に、窓ガラスとウエザーストリツプとの間のシー
ルが確実になされるようにすることを目的とす
る。

（考案の構成） 上記目的を達成するためのこの考案の特徴とす
るところは、車体後部の外側板に窓開口を形成
し、窓ガラスの前縁を上記窓開口の前部開口縁の
車内側の面に連結させる弾性の連結板を設け、こ
の連結板をヒンジとして窓ガラスの後縁側を回動
可能とした自動車のリヤクオータウインドにおい
て、上記窓ガラスの回動端と窓開口の開口縁の車
内側の面とにそれぞれ締結具により着脱自在に架
設されて上記窓ガラスの回動端を窓開口の開口縁
に固定させる弾性の固定板を設けた点にある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

図において、１は自動車で、その車体２にはド
ア３が設けられる、４は前輪、５は後輪である。

上記車体２後部の外側板７には開閉式のリヤク
オータウインド８が設けられる。以下、このリヤ
クオータウインド８について説明する。

上記外側板７には窓開口９が形成され、この窓
開口９の開口縁９ａにはウエザーストリツプ１０
が取り付けられる。

そして、上記窓開口９にはこの窓開口９を開閉
自在に閉じる状態と、この窓開口９を開動作不能
に閉じる状態のいずれか一方を選択してこの窓開
口９に窓ガラス１２が取り付け可能とされる。

第１図から第３図は、窓開口９に対し開閉自在
に窓ガラス１２を取り付けた開閉式のものを示し
ている。

即ち、上記窓ガラス１２の前縁は上下一対の連
結手段１３，１３で窓開口９の開口縁９ａに連結
される。この各連結手段１３は弾性変形可能な連
結板１４を有し、この連結板１４の前端は第１締
結具１５により窓開口９の開口縁９ａの車内側の
面にねじ止めされ、同上連結板１４の後端は第２
締結具１６により窓ガラス１２の前縁にねじ止め
される。また、上記窓開口９を開閉するように窓
ガラス１２の後縁が上記連結板１４の弾性変形に
よつて車幅方向に回動自在とされる。つまり、連
結板１４が窓ガラス１２のヒンジとして機能す
る。

１７はトグルラツチ式の窓開閉手段で、この窓
開閉手段１７は窓開口９の閉の状態や開の状態に
保持するものである。この窓開閉手段１７につい
て説明すると、上記窓ガラス１２の回動端には第
３締結具１９によりブラケツト２０がねじ止めさ
れ、このブラケツト２０に操作レバー２１が枢支
される。一方、窓開口９の開口縁９ａの車内側の
面には第４締結具２２により他のブラケツト２３
がねじ止めされ、このブラケツト２３と上記操作
レバー２１とがトグルリンク２４で連結される。
なお、上記の場合、第１締結具１５と第４締結具
２２、および第２締結具１６と第３締結具１９は
それぞれ同じ構成とされている。

そして、この窓開閉手段１７における操作レバ
ー２１の回動操作によつて窓ガラス１２を車内側
に回動させれば、窓ガラス１２はウエザーストリ
ツプ１０の外側面に当接して窓開口９が閉とされ
る（第２図中実線図示）。また、同上操作レバー
２１の操作によつて窓ガラス１２を車外側に回動
させれば、窓開口９が開とされる（同図中二点鎖
線図示）。

第４図は、上記したと同形状の窓開口９に対し
この窓開口９を開動作不能に閉じるように窓ガラ
ス１２を取り付けた固定式のものを示している。

上記の場合、窓開口９を閉じた状態における固
定式窓ガラス１２と前記開閉式窓ガラス１２の各
外面位置が窓開口９から車体２の外側方に対し互
いにほぼ同一位置とされている。

即ち、図示の固定式のものでは、窓開口９を閉
じた状態の前記窓開閉手段１７に代えて固定手段
２６が取り付けられ、窓ガラス１２の取り付け位
置に変化が生じないようにされている。

上記固定手段２６は窓ガラス１２の回動端を窓
開口９の開口縁９ａに固定させるを固定板２７を
有している。この固定板２７は前記連結板１４と
同構成とされ、前記固定手段２６には窓開閉手段
１７における第３締結具１９と第４締結具２２と
が兼用されている。

（実施例の効果） 上記実施例の構成によれば、窓開閉手段１７と
固定手段２６のいずれか一方の所望の手段が窓開
口９の開口縁９ａと窓ガラス１２の回動端との間
に架設可能とされたため、ある一つの窓開口９に
対して開閉式と固定式のいずれかの窓ガラス１２
を取り付ける場合、ウエザーストリツプ１０や連
結手段１３の部品を共用させることができる。従
つて、部品点数を減少させることができ、組立上
も便宜である。

（考案の効果） この考案によれば、開閉式の窓ガラスの回動端
と窓開口の開口縁とにそれぞれ締結具により着脱
自在に架設されて上記窓ガラスの回動端を窓開口
の開口縁の車内側の面に固定させる固定板を設け
たため、開閉式の窓ガラスと、窓開口の開口縁と
に対し単に固定板を取り付けることにより、固定
式の窓ガラスが得られるのであつて、ある一つの
窓開口に対して取り付けられる窓ガラスを開閉
式、もしくは固定式のいずれにしたとしても、窓
開口に対する各窓ガラスの相対位置はほぼ同じで
あり、車体の外観に変化が生じることはない。即
ち、リヤクオータウインドを開閉式と固定式のい
ずれにした場合でも、その車体の外観上の体裁を
一定、かつ、良好に保つことができる。

しかも、上記連結板や固定板は共に弾性を有し
ているため、窓開口、ウエザーストリツプ、およ
び窓ガラスの間に多少の誤差があつても、これは
上記連結板や固定板で吸収させることができる。
よつて、上記窓開口等のそれぞれに高精度が要求
されない分だけ、固定式のリヤクオータウインド
の構成を簡単にするとができる。

しかも、上記したように連結板や固定板はいず
れも弾性を有しているため、この弾性力によつて
窓ガラスをウエザーストリツプに当接させること
により、これら両者間のシールをより確実にする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は自動車
の全体側面図、第２図は第１図の−線矢視断
面図、第３図は連結手段の展開斜視図、第４図は
リヤクオータウインドを固定式とした場合の第１
図の−線矢視相当の断面図である。 １……自動車、２……車体、７……外側板、８
……リヤクオータウインド、９……窓開口、９ａ
……開口縁、１０……ウエザーストリツプ、１２
……窓ガラス、１４……連結板、２７……固定
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体後部の外側板に窓開口を形成し、窓ガラス
   の前縁を上記窓開口の前部開口縁の車内側の面に
   連結させる弾性の連結板を設け、この連結板をヒ
   ンジとして窓ガラスの後縁側を回動可能とした自
   動車のリヤクオータウインドにおいて、上記窓ガ
   ラスの回動端と窓開口の開口縁の車内側の面とに
   それぞれ締結具により着脱自在に架設されて上記
   窓ガラスの回動端を窓開口の開口縁に固定させる
   弾性の固定板を設けた自動車のリヤクオータウイ
   ンド。