JPH05222453A - 低温靱性及び溶接性に優れた高強度厚肉鋼板の製造方法 - Google Patents

低温靱性及び溶接性に優れた高強度厚肉鋼板の製造方法

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JPH05222453A
JPH05222453A JP2124792A JP2124792A JPH05222453A JP H05222453 A JPH05222453 A JP H05222453A JP 2124792 A JP2124792 A JP 2124792A JP 2124792 A JP2124792 A JP 2124792A JP H05222453 A JPH05222453 A JP H05222453A
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JP
Japan
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formula
weldability
toughness
steel plate
steel
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JP2124792A
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Inventor
Masato Shimizu
眞人 清水
Toyoaki Shiaku
豊明 塩飽
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 C:0.03〜0.08%, Si:0.05〜0.50%, Mn:0.5 〜
2.0%,S:0.005%以下, Al:0.005〜0.10%,Cu:0.1〜1.5%,
Ni:2.0〜4.0%, Cr:0.1〜1.0%, Mo:0.1〜1.0%, Nb:0.01
〜0.05%,Ti:0.005〜0.020%, N:0.0030〜0.0080% を含有
し且つDI ≧0.28/C+0.07t-4の式を満足する鋼片を、
950 〜1150℃加熱後熱間圧延し、次いでγ域から直接焼
入した後、Ac1 点以下の温度で焼戻す低温靱性及び溶接
性に優れた高強度厚肉鋼板の製造方法。尚、上記式にお
いて、C はC 量(%)、t は厚肉鋼板厚み(mm)、DI は焼
入評価尺度の理想臨界直径(inch)である。 【効果】 板厚≧50mmでYS≧70Kgf/mm2 、vTrs≦−80
℃、vE-80 ≧6 Kgf・m を満足し、且つ溶接性に優れた
鋼板を、従来のHSLA-100製造の場合よりも高生産性且つ
低熱エネルギーの条件下で製造し得るようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温靱性及び溶接性に
優れた高強度厚肉鋼板の製造方法に関し、詳細には、板
厚:50mm以上で降伏強さ(以降、YSという):70kgf/mm2
以上であり、溶接性に優れ、板厚中央部の靱性としてシ
ャルピ衝撃試験での破面遷移温度(以降、vTrsとい
う):−80℃以下、−80℃での吸収エネルギー(以降、
vE-80 という):6 kgf・m 以上を満足する鋼板の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、溶接性に優れた高強度鋼板、
即ち、高強度で溶接性が良好な鋼板として、Cu析出強化
型高張力鋼が知られており、米国特許第3692514 号及び
ASTM規格A710にその例を見ることができる。
【0003】又、刊行物〔 B.A. Graville, 「Cold Cra
cking in Weld in HSLA Steels」,Welding of HSLA (Mi
croalloyed) Structural Steels, ASM, Rome, Italy, N
ov.9-12, 1976〕には、図3に示す如く、C含有量を約
0.08% 以下にしておけば、合金元素を相当量添加しても
HAZ 割れを確実に防止し得、溶接性が良好となることが
提示されている。この考え方に基づき、米国では HSLA-
80やHSLA-100が開発されている。尚、図3において、ZO
NE1は全溶接条件下で HAZ割れを生じない領域、ZONE2
は溶接条件により HAZ割れを生じたり、生じなかったり
する領域、ZONE3は全溶接条件下で HAZ割れを生じる領
域を示すものである。又、上記 HSLA-80のYSは56Kgf/mm
2 以上、HSLA-100のYSは70Kgf/mm2 以上である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
Cu析出強化型高張力鋼(ASTM A710鋼)においては、YS
が56Kgf/mm2 程度であって低く、YS:70Kgf/mm2 以上を
要する用途には不充分である。又、前記 HSLA-80も前述
の如くYS:56Kgf/mm2 以上であり、70Kgf/mm2 以上を要
する用途には不充分である。
【0005】一方、前記HSLA-100は、前述の如くYSが70
Kgf/mm2 以上であって高いが、その製造に際して生産性
が悪く、且つ多大な熱エネルギーを要するという問題点
がある。即ち、HSLA-100の製造は、鋼片を加熱して熱間
圧延ラインで熱間圧延した後、オフラインの熱処理炉に
より焼入処理を2回行い、次いで焼戻し処理するという
3回の熱処理を実施することにより行われるものであ
り、従って、生産性が悪く、且つ多大な熱エネルギーを
要するという問題点がある。
【0006】上記生産性を向上し且つ熱エネルギーを低
減する方法として、前記オフラインの熱処理炉での焼入
処理に代えて、オンラインの直接焼入れ(以降、DQとい
う)を行う方法がある。即ち、鋼片を加熱して熱間圧延
し、次いでこれが冷えきらないうちに高温から冷却して
焼入処理した後、焼戻し処理することにより鋼板を製造
する方法がある。しかし、この方法により一般に生産さ
れているHT80鋼板(DQ型HT80鋼板)は、焼入性確保のた
めC:0.10wt% 以上を含有させており、そのため溶接性
が充分でない。
【0007】そこで、上記溶接性を改善するため、かか
るDQ型HT80鋼板においてC含有量を0.07wt% 程度まで低
減している例も報告されている。しかし、こうした鋼板
は、板厚が50mmより薄い鋼板を対象としたものであり、
板厚:50mm以上の厚肉鋼板とした場合は板厚中央部の靱
性が不充分であって、vTrs:−80℃以下、vE-80 :6Kg
f ・m 以上を確保するのは困難である。
【0008】本発明は、このような事情に着目してなさ
れたものであって、その目的は従来のものがもつ以上の
ような問題点を解消し、HSLA-100製造の場合よりも生産
性に優れ且つ所要熱エネルギーが少なく、HSLA-100と同
等もしくはそれ以上の特性を有する高強度厚肉鋼板を製
造し得る製造方法、即ち、板厚:50mm以上でYS:70Kgf/
mm2 以上であり、溶接性に優れ、板厚中央部の靱性とし
てシャルピ衝撃試験でのvTrs:−80℃以下、vE-80 :6
Kgf・m 以上を満足する鋼板を高生産性且つ低熱エネル
ギーの条件下で製造し得る低温靱性及び溶接性に優れた
高強度厚肉鋼板の製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は上記目
的を達成するために、厚肉鋼板の各種特性に及ぼす鋼の
化学成分、熱間圧延後の直接焼入条件、焼戻し条件等の
影響について鋭意研究を重ね、実験を繰り返した結果、
良好な溶接性を確保するためにC含有量を低減し、この
低Cの条件下で合金元素を過度に含有させず、最適な合
金元素の添加を行うと共に、熱間圧延後の直接焼入条
件、焼戻し条件を最適制御することによって、低温靱性
及び溶接性に優れた高強度厚肉鋼板を高生産性且つ低熱
エネルギーの条件下で製造することが可能であるという
知見を得、ここに本発明を完成するに至ったものであ
り、本発明は次のような構成の低温靱性及び溶接性に優
れた高強度厚肉鋼板の製造方法としている。
【0010】即ち、請求項1記載の高強度厚肉鋼板の製
造方法は、C:0.03〜0.08wt%, Si:0.05〜0.50wt%, M
n:0.5〜2.0wt%,S:0.005wt%以下,Al:0.005〜0.10wt
%, Cu:0.1 〜1.5wt%, Ni:2.0〜4.0wt%, Cr:0.1〜1.0wt
%, Mo:0.1〜1.0wt%, Nb:0.01 〜0.05wt%, Ti:0.005 〜
0.020wt%, N:0.0030〜0.0080wt% を含有し、残部がFe
及び不可避的不純物からなると共に、下記式を満足す
る鋼片を、950 〜1150℃に加熱し、熱間圧延し、次いで
オーステナイト域から直接焼入した後、Ac1点以下の温
度で焼戻すことを特徴とする低温靱性及び溶接性に優れ
た高強度厚肉鋼板の製造方法である。 DI ≧0.28/C+0.07t−4 ---- 式 但し、上記式において、Cは鋼片のC含有量(wt%)、
tは熱間圧延後の厚肉鋼板の板厚(mm)であり、DI
下記式又は式より求められる値(inch)であり、又、
下記式及び式において各元素記号は各元素含有量
(wt%)である。Mn≦1.2wt%のとき、 DI =1.16(C/10)1/2×(0.7Si+1)×(3.33Mn+1)×(0.35Cu+1) ×(0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.0Mo+1) ---- 式 Mn>1.2wt%のとき、 DI =1.16(C/10)1/2×(0.7Si+1)×{ 5.1(Mn−1.2)+5 }× (0.35Cu+1)×(0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.0Mo+1) ---- 式
【0011】請求項2記載の高強度厚肉鋼板の製造方法
は、C:0.03〜0.08wt%, Si:0.05〜0.50wt%, Mn:0.5〜
2.0wt%,S:0.005wt%以下,Al:0.005〜0.10wt%, Cu:0.
1 〜1.5wt%, Ni:2.0〜4.0wt%, Cr:0.1〜1.0wt%, Mo:0.1
〜1.0wt%, Nb:0.01 〜0.05wt%, Ti:0.005 〜0.020wt%,
N:0.0030〜0.0080wt% を含有し、更にV:0.005 〜0.
10wt%, Ca:0.0005〜0.005wt%, 稀土類元素:0.005 〜0.
05wt% の1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可
避的不純物からなると共に、下記式を満足する鋼片
を、950 〜1150℃に加熱し、熱間圧延し、次いでオース
テナイト域から直接焼入した後、Ac1点以下の温度で焼
戻すことを特徴とする低温靱性及び溶接性に優れた高強
度厚肉鋼板の製造方法である。 DI ≧0.28/C+0.07t−4 ---- 式 但し、上記式において、Cは鋼片のC含有量(wt%)、
tは熱間圧延後の厚肉鋼板の板厚(mm)であり、DI
下記式又は式より求められる値(inch)であり、又、
下記式及び式において各元素記号は各元素含有量
(wt%)である。Mn≦1.2wt%のとき、 DI =1.16(C/10)1/2×(0.7Si+1)×(3.33Mn+1)×(0.35Cu+1)× (0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.0Mo+1)×(1.75V+1) ---- 式 Mn>1.2wt%のとき、 DI =1.16(C/10)1/2×(0.7Si+1)×{ 5.1(Mn−1.2)+5 } ×(0.35Cu+1)×(0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.0Mo+1) ×(1.75V+1) ---- 式
【0012】
【作用】本発明に係る高強度厚肉鋼板の製造方法におい
て鋼組成を前記の如くしている理由を以下説明する。
【0013】Cは、図1に示した如く溶接性に対して重
要な元素であって、C量の低減によりHAZ の硬化組織が
軟化し、溶接HAZ 部の割れ防止に極めて有効に作用する
が、そのためには0.08wt% 以下にする必要がある。一
方、強度を確保するため少なくとも0.03wt% 以上含有さ
せる必要がある。故に、C:0.03〜0.08wt% とする。
【0014】Siは鋼の脱酸及び強化のため0.05wt% 以上
添加するが、0.50wt% 超では溶接性及び靱性が劣化する
ので、0.05〜0.50wt% とする。
【0015】Mnは強度確保のため0.5wt%以上添加する
が、2.0wt%超では溶接性が劣化するので、0.5 〜2.0wt%
とする。
【0016】Sは MnS介在物の生成によりシャルピ吸収
エネルギーを低下させる元素であるため、0.005wt%以下
とする必要がある。
【0017】Alは脱酸のため0.005wt%以上添加するが、
0.10wt% 超では介在物の形成により靱性が劣化するの
で、0.005 〜0.10wt% とする。
【0018】Cuは、熱間圧延、焼入後の焼戻し処理を通
じて大きな析出強化作用を示す元素であり、この元素の
活用により低Cでも高強度厚肉鋼板の製造が可能とな
る。又、Cuは母材の組織を変えずに強度の調整ができる
元素であるため、先ず組織を高靱性が得られる組織とし
た上で、Cu量の調整により目標の強度にすることが可能
となる。即ち、母材組織が靱性の良くない上部ベイナイ
ト主体の組織になることを避け、微細フェライト、アシ
キュラーフェライト主体の組織にするか、或いは下部ベ
イナイト及びマルテンサイト主体の組織にするかである
が、板厚:50mm以上でYS:70kgf/mm2以上とするには、前
者の組織にするのは極めて難しいため、後者の下部ベイ
ナイト及びマルテンサイト主体の組織にした上で、Cu量
の調整を行う。しかし、1.5wt%超では靱性が劣化するの
で上限を1.5wt%とする。一方、強度が高くなり過ぎる場
合は析出強化がないようにCu量を低減するが、目標の組
織にするためには、Cuの焼入性向上硬化を活用し、0.1w
t%以上の添加が必要である。
【0019】Niは靱性向上に最も有効であり、板厚:50
mm以上でvTrs:−80℃以下とするには、2.0wt%以上必要
であるが、4.0wt%超では経済性の悪化を招くので、Ni:
2.0〜4.0wt%とする。
【0020】Crは強度上昇に有効であり、0.1wt%以上で
その効果を発揮するが、1.0wt%超では溶接性の劣化を招
くので、0.1 〜1.0wt%とする。
【0021】Moは強度上昇に有効であり、0.1wt%以上で
その効果を発揮するが、1.0wt%超では溶接性を害するの
で、Mo:0.1〜1.0wt%とする。
【0022】Nbは、圧延時の結晶粒微細化による靱性向
上及び圧延冷却後の析出強化の作用を示す元素であり、
0.01wt% 以上でその効果を発揮するが、0.05wt% 超では
靱性が劣化するので、0.01〜0.05wt% とする。
【0023】Tiは、TiN の微細析出による結晶粒微細化
により靱性を向上させる作用を示す元素であり、0.005w
t%以上でその効果を発揮するが、0.020wt%超では靱性が
劣化するので、0.005 〜0.020wt%とする。Nは、Tiとと
もにTiN の微細析出による低温靱性の向上に効果があ
り、0.0030wt% 以上でその効果を発揮するが、0.0080wt
% 超では靱性が劣化するので、0.0030〜0.0080wt% とす
る。
【0024】鋼組成を以上の如くすると共に、更に前記
式を満足する組成にする必要がある。これは実験結果
に基づくものであって下記の如くvE-80 ≧6 Kgf・m を
満足させるためである。
【0025】即ち、一般に焼入性評価尺度として用いら
れるDI (理想臨界直径)は前記式又は式(Vを含
有するときは式又は式)により求められるが、C≦
0.08wt% という低C領域においては、DI が同等になる
ように成分調整してもC量が異なるとき、C量の低い方
が焼入深度が浅くなるため、靱性確保が難しいことが判
った。そこで、種々実験を重ねたところ、vE-80 ≧6 K
gf・m を満足させるために最低限必要なDI は厚肉鋼板
の板厚t及びC量に応じて変化し、かかるDI値は前記
式を満足するDI であるという知見が得られた。例え
ば、図1は板厚95mmの場合のC量、DI とvE-80 との関
係、図2は板厚75mmの場合の同様の関係を示すものであ
り、いづれの場合も前記式、即ちDI ≧0.28/C+0.
07t−4の式を満足するときvE-80 ≧6 Kgf・m を満足
している。
【0026】次に、本発明に係る高強度厚肉鋼板の製造
方法において鋼片の加熱、熱間圧延後の焼入、焼戻しの
条件を前述の如く特定している理由を以下説明する。
【0027】鋼片の加熱温度については、加熱時のオー
ステナイト結晶粒の粗大化を防止するため上限温度を11
50℃とし、熱間圧延中の結晶粒微細化及び圧延後の析出
強化に有効なNbを固溶させるため下限温度を950 ℃とす
る。
【0028】熱間圧延後、オーステナイト域から直接焼
入するのは、組織全体の焼入性を確保するためである。
【0029】直接焼入後の焼戻しは靱性確保のため必要
であるが、焼戻し温度をAc1点超にすると、組織の一部
がオーステナイト化し、YSの低下を招いて材質が不安定
となるので、Ac1点以下の温度で焼戻す必要がある。
【0030】以上の如く、溶接性を良好にするためC量
を低減し、C量及び板厚に応じて最適な鋼組成を特定す
ると共に、生産性の向上及び所要熱エネルギーの低減の
ため直接焼入法を採用し、更に鋼片の加熱、熱間圧延後
の焼入、焼戻しの条件を特定しているので、本発明に係
る高強度厚肉鋼板の製造方法によれば、板厚:50mm以上
でYS≧70Kgf/mm2 、vTrs≦−80℃、vE-80 ≧6 Kgf・m
を満足し、且つ溶接性に優れた鋼板を、HSLA-100製造の
場合よりも高生産性且つ低熱エネルギーの条件下で製造
し得るようになる。
【0031】ところで、鋼成分として更にV,Ca,稀土
類元素の1種又は2種以上を含有させると、靱性等をよ
り一層向上し得るので、必要に応じて添加することが好
ましい。このとき、添加量は下記の如くする必要があ
る。
【0032】即ち、Vは0.005wt%以上で強度上昇の効果
を発揮するが、0.10wt% 超では溶接性、靱性が劣化する
ので、0.005 〜0.10wt% とする。
【0033】Caは MnSの形態制御をして靱性及び板厚方
向の延性を向上させる元素であり、そのためには0.0005
wt% 以上の添加が必要であるが、0.005wt%超では靱性が
劣化するので、0.0005〜0.005wt%とする必要がある。
【0034】稀土類元素はCaと同様に靱性及び延性向上
に有効であり、0.005wt%以上でその効果を発揮するが、
0.05wt% 超ではその向上効果が飽和するので、0.005 〜
0.05wt% とする。
【0035】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明するが、本発明
は該実施例に限定されるものでないことは、いうまでも
ない。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表1に、使用した8種類(A〜H)の鋼の化学
成分及びDI を示す。 A〜D の鋼は本発明に係る鋼組成
範囲内の組成を有するもの、 F〜H の鋼は比較例に係る
ものである。DI は前記式、式より求めた値であ
る。
【0039】上記鋼を常法により溶製、鋳造し、得られ
た鋼片を表2に示す製造条件に従って加熱、熱間圧延し
た後、直接焼入し、200 ℃迄冷却し、次いで焼戻し処理
を行って厚肉鋼板を製造した。これら鋼板について試験
片を採取し、引張試験及び2mmVノッチシャルピ衝撃試
験を行った。この試験結果を表2の右欄に示す。尚、引
張試験片は板厚1/4 位置から圧延直角方向に採取し、丸
棒試験片に加工したものである。シャルピ衝撃試験片は
板厚中央位置から圧延直角方向に採取した。表2におい
て目標のDI 下限値は、下限DI =0.28/C+0.07t−
4の式より求めたものである。
【0040】表2から判る如く、本発明の実施例に係る
もの(実験No.1, 2, 5〜10)は全てYS≧70Kgf/mm2 、引
張強さ(TS)≧80Kgf/mm2 の強度を示し、又、vTrs≦−85
℃、vE-80 ≧6 Kgf・m という良好な靱性を有してい
る。
【0041】これに対し比較例に係るもの(No.3, 4, 11
〜13)は、いづれも材質が劣って不充分である。即ち、
No.3は、加熱温度が1200℃であって高いため、靱性(vE
-80,vTrs)の点で劣り、No.4は、焼戻し温度が 700℃で
あってAc1点(668℃)よりも高いため、YSが低くて劣っ
ている。又、No.11 〜13は鋼組成が前記式を満足する
組成になっていないため、靱性(vE-80, vTrs)の点で劣
って不充分である。尚、Ac1点は、Ac1(℃)= 723−
14Mn(wt%)+ 22Si(wt%)−14.4Ni(wt%) +23.3Cr(wt%)
の式により求めた。
【0042】
【発明の効果】本発明に係る高強度厚肉鋼板の製造方法
によれば、板厚:50mm以上でYS≧70Kgf/mm2 、vTrs≦−
80℃、vE-80 ≧6 Kgf・m を満足し、且つ溶接性に優れ
た鋼板を、HSLA-100製造の場合よりも高生産性且つ低熱
エネルギーの条件下で製造し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 板厚95mmの場合のC量、DI とvE-80 との関
係を示す図である。
【図2】 板厚75mmの場合のC量、DI とvE-80 との関
係を示す図である。
【図3】 C量、CE(C当量)と溶接性との関係を示す
図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.03〜0.08wt%, Si:0.05〜0.50wt%,
    Mn:0.5〜2.0wt%,S:0.005wt%以下,Al:0.005〜0.10
    wt%, Cu:0.1 〜1.5wt%, Ni:2.0 〜4.0wt%,Cr:0.1〜1.0
    wt%, Mo:0.1〜1.0wt%, Nb:0.01 〜0.05wt%, Ti:0.005
    〜0.020wt%,N:0.0030〜0.0080wt% を含有し、残部がF
    e及び不可避的不純物からなると共に、下記式を満足
    する鋼片を、950 〜1150℃に加熱し、熱間圧延し、次い
    でオーステナイト域から直接焼入した後、Ac1点以下の
    温度で焼戻すことを特徴とする低温靱性及び溶接性に優
    れた高強度厚肉鋼板の製造方法。 DI ≧0.28/C+0.07t−4 ---- 式 但し、上記式において、Cは鋼片のC含有量(wt%)、
    tは熱間圧延後の厚肉鋼板の板厚(mm)であり、DI
    下記式又は式より求められる値(inch)であり、又、
    下記式及び式において各元素記号は各元素含有量
    (wt%)である。Mn≦1.2wt%のとき、 DI =1.16(C/10)1/2×(0.7Si+1)×(3.33Mn+1)×(0.35Cu+1) ×(0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.0Mo+1) ---- 式 Mn>1.2wt%のとき、 DI =1.16(C/10)1/2×(0.7Si+1)×{ 5.1(Mn−1.2)+5 }× (0.35Cu+1)×(0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.0Mo+1) ---- 式
  2. 【請求項2】 C:0.03〜0.08wt%, Si:0.05〜0.50wt%,
    Mn:0.5〜2.0wt%,S:0.005wt%以下,Al:0.005〜0.10
    wt%, Cu:0.1 〜1.5wt%, Ni:2.0 〜4.0wt%,Cr:0.1〜1.0
    wt%, Mo:0.1〜1.0wt%, Nb:0.01 〜0.05wt%, Ti:0.005
    〜0.020wt%,N:0.0030〜0.0080wt% を含有し、更にV:
    0.005〜0.10wt%, Ca:0.0005〜0.005wt%, 稀土類元素:
    0.005 〜0.05wt% の1種又は2種以上を含有し、残部が
    Fe及び不可避的不純物からなると共に、下記式を満足
    する鋼片を、950 〜1150℃に加熱し、熱間圧延し、次い
    でオーステナイト域から直接焼入した後、Ac1点以下の
    温度で焼戻すことを特徴とする低温靱性及び溶接性に優
    れた高強度厚肉鋼板の製造方法。 DI ≧0.28/C+0.07t−4 ---- 式 但し、上記式において、Cは鋼片のC含有量(wt%)、
    tは熱間圧延後の厚肉鋼板の板厚(mm)であり、DI
    下記式又は式より求められる値(inch)であり、又、
    下記式及び式において各元素記号は各元素含有量
    (wt%)である。Mn≦1.2wt%のとき、 DI =1.16(C/10)1/2×(0.7Si+1)×(3.33Mn+1)×(0.35Cu+1)× (0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.0Mo+1)×(1.75V+1) ---- 式 Mn>1.2wt%のとき、 DI =1.16(C/10)1/2×(0.7Si+1)×{ 5.1(Mn−1.2)+5 } ×(0.35Cu+1)×(0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.0Mo+1) ×(1.75V+1) ---- 式
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05255743A (ja) * 1992-03-09 1993-10-05 Nippon Steel Corp 急速焼戻しによる高張力鋼板の製造方法
JP2018512508A (ja) * 2015-03-20 2018-05-17 宝山鋼鉄股▲分▼有限公司 低温衝撃靱性に優れた低降伏比高強靭厚鋼板及びその製造方法

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US11180836B2 (en) 2015-03-20 2021-11-23 Baoshan Iron & Steel Co., Ltd. Low-yield-ratio high-strength-toughness thick steel plate with excellent low-temperature impact toughness and manufacturing method therefor

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