JP5130472B2 - 耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法 - Google Patents

耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、引張強さが570N/mm以上の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法に関する。
近年、構造物の大型化により、引張強さが570N/mm以上の高張力鋼が用いられる機会が増加している。一般に、高張力鋼は強度向上の目的から多くの合金元素が添加されているため、耐溶接割れ性が低いという問題点がある。そこで、従来、下記数式(1)で表され、耐溶接割れ性を表す指標であるPcm値を、低く抑制した鋼が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、特許文献1に記載の高張力鋼材の製造方法においては、下記数式1で定義されるPcmを0.25%以下にした鋼を加熱した後、熱間圧延し、その後直ちにAr点以上の温度から5℃/秒以上の冷却速度で350〜650℃の温度領域まで冷却することにより、450Pa以上の高い降伏点をもつ高張力鋼材を製造している。
Figure 0005130472
一方、引張強度が570N/mm以上の高張力鋼では、鋼の焼入性を確保するためにMn、Ni及びB等の焼入れ性を高める合金元素を、多く添加する必要がある。しかしながら、このような合金元素を添加すると、溶接部の硬度が上昇したり、溶接部にマルテンサイト−オーステナイト混合物(以下、M−A混合物と略記)と呼ばれる炭素原子を極めて高濃度に含有し、非常に硬質か又は硬質になりうる靱性に有害な金属組織の形成が促進されたりするため、鋼材及びその溶接部の靱性が低下するという問題点がある。
このような靱性の低下を改善する方法として、従来、鋼中のTi含有量を0.005質量%未満に制限することにより、母材(高張力鋼板)の靱性を向上させる等の方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。例えば、特許文献2に記載の高張力鋼材は、600N/mm級高張力鋼材において、Ti含有量を0.005質量%未満にすると共に、上記数式1で定義されるPcmを0.2%以下にすることにより、溶接割れ感受性を低下させ、大入熱溶接性を向上させている。
特開2002-220622号公報 特開平08-176727号公報
しかしながら、Ti含有量を低減しただけでは、高張力鋼の靱性を向上させる効果が十分ではない。前述の特許文献2に記載されているように、Ti含有量を低減して溶接部の靱性向上を図ると、溶接部の強度が低下する。このため、特許文献2に記載の技術のように、靱性改善の主要因が溶接部の強度低下にある場合は、溶接部の強度を確保するために、合金元素を添加する必要がある。そうすると、特許文献2に記載の技術をもってしても、やはりM−A混合物を低減することは困難であり、鋼材及び鋼材の溶接部の靱性、特に溶接部靱性が十分に得られないという問題点がある。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、引張り強さが570N/mm以上で、且つ耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法を提供することにある。
本発明に係る耐溶接割れ性に優れた高張力鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.002〜0.124%、Si:0.001〜0.30%、Mn:0.001%〜0.47%を含有し、更に、Cu:0.2〜2%、Ni:0.1〜3%及びCr:0.20〜2%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Cu含有量(%)を[Cu]、Ni含有量(%)を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]、V含有量(%)を[V]、B含有量(%)を[B]としたとき、下記数式(A)で定義されるPcmが0.26%以下である組成を有する鋼を、鋳造する工程と、前記鋳造後の鋼素材を、冷却することなくそのまま圧延するか、又は一旦室温まで冷却した後で950〜1250℃に再加熱して圧延し、Ar3点以上の温度で前記圧延を終了する工程と、前記圧延後の圧延鋼材を、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで強制冷却し、引張強さが570N/mm2以上の高張力鋼材を得ることを特徴とする。
Figure 0005130472
本発明においては、上記数式(2)により定義され、耐溶接割れ性を示すPcmを0.26%以下に制限しているため、製造される高張力鋼材の耐溶接割れ性を改善できる。また、圧延終了後に、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで強制冷却を行っているため、鋼の金属組織がベイナイト及び/又はマルテンサイト等になり、製造される高張力鋼材が変態組織強化される。これにより、上記数式(2)で定義されるPcmを低下させたことにより想定される焼き入れ性及び強度の低下を防止することができる。更に、目標とする鋼材の強度に応じて、Pcmの上限を超えない範囲で固溶元素及び析出元素を添加しているため、製造される高張力鋼材をより強化することができる。更にまた、鋼中のMn含有量を0.5%以下に規制しているため、M−A混合物の生成が抑制され、靱性劣化量が低減する。これにより、溶接部の靱性を改善することができる。その結果、耐溶接割れ性が優れ、製造安定性及び溶接部靱性を兼ね備えた高張力鋼材が得られる。
前記鋼は、更に、質量%で、Mo:0.001〜0.20%を含有していてもよい。
また、前記鋼は、更に、質量%で、V:0.0001〜0.2%、Nb:0.0001〜0.1%及びTi:0.0001〜0.1%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有していてもよい。
更に、前記鋼は、更に、質量%で、REM:0.0001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.02%及びCa:0.0001〜0.02%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有していてもよい。
更にまた、前記鋼は、更に、質量%で、Al:0.0001〜0.1%、Zr:0.0001〜0.3%、Hf:0.0001〜0.3%及びTa:0.0001〜0.3%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有していてもよい。
更にまた、前記鋼は、更に、質量%で、N:0.0001〜0.01%を含有していてもよい。
更にまた、前記鋼は、更に、質量%で、B:0.0001〜0.002%を含有していてもよい。
更にまた、前記鋼は、更に、質量%で、S:0.0005〜0.02%を含有していてもよい。
更にまた、前記圧延鋼材を強制冷却した後で、100〜700℃の温度で焼戻すこともできる。
本発明によれば、耐溶接割れ性を示すPcmを一定値以下に制限することにより鋼材の耐溶接割れ性を向上させつつ、Mn含有量を0.5質量%未満にすると共に圧延後の冷却条件を最適化することにより、靱性及び強度の低下を防止しているため、溶接部低温靱性が良好で、引張り強度が570N/mm以上の高張力鋼材を製造することができる。従って、本発明によれば、橋梁及び建築物等に代表される大型構造物の主要部材への適用に際して十分な特性を有する鋼材を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、詳細に説明する。以下の説明においては、組成における質量%は、単に%と記載する。本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。先ず、高張力鋼材の耐溶接割れ性を改善するために、下記数式(3)により定義され、耐溶接割れ性を示すPcmを一定値以下に制限する。なお、下記数式(3)における[C]はC含有量(%)、[Si]はSi含有量(%)、[Mn]はMn含有量(%)、[C]はCu含有量(%)、[Ni]はNi含有量(%)、[Cr]はCr含有量(%)、[Mo]はMo含有量(%)、[V]はV含有量(%)、[B]はB含有量(%)である。このPcmの値は、小さければ小さいほど耐溶接割れ性を改善する効果が高く、溶接する前に行う鋼材の予熱温度を低下させることができ、作業効率を増加させることができる。具体的には、Pcmが0.26%以下になると予熱温度が室温程度となり、予熱が不要となる。従って、本発明の高張力鋼材の製造方法においては、Pcmの上限を0.26%とする。
Figure 0005130472
その一方で、上記数式(3)により定義されるPcmの値を低下させることは、焼入れ性を高める効果がある元素、固溶強化及び析出強化により強度に寄与する元素を低減することであるため、鋼材の強度を低下させてしまう。そこで、本発明の高張力鋼材の製造方法においては、鋼材を強化するため、圧延終了後の圧延鋼材を、圧延終了温度、即ち、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで強制冷却することにより、鋼の組織をベイナイト及び/又はマルテンサイト等(フェライト及び/又はパーライトを含む場合有)にする変態組織強化を行う。
また、目標とする鋼材の強度に応じて、Pcmが0.26%を超えない範囲で固溶元素及び/又は析出元素を添加し、強化効果を向上させる。このとき、M−A混合物の生成及びその生成物の靱性に対する影響は、各合金元素によって大きく異なっていることが推定される。そこで、本発明者等は、鋼材におけるM−A混合物の生成、及び各元素が溶接部靱性に及ぼす影響について調査した。その結果、Mn含有量を従来通常の使用範囲よりも少なくして、具体的には0.5%未満に制限して添加することにより、M−A混合物の生成を抑制させることが可能であり、母材及び溶接部の靱性を改善できることが判明した。即ち、Mn添加量を制限し、焼入れ性はNi、Cr及びCu等のMn以外の元素で補うことにより、鋼材及びその溶接部の靱性を良好にすることができる。これは、Mnの固有の特性に基づくものと考えられる。具体的には、Mnは、凝固時の偏析濃度差が大きく、局所的に高濃度の領域ができやすい。また、Mnは、金属組織がオーステナイトからフェライト及び/又はベイナイトに変態する際に、残部オーステナイトに分配される割合が大きく、オーステナイトを安定化しやすくすると共に、残部オーステナイト中の炭素原子濃度を増加させる。その結果、M−A混合物がより硬質になるため、Mnは他の元素に比べて靱性を劣化させやすいと考えられる。
このMn含有量低減による効果の原因は明確ではないが、Mn含有量を0.5%未満と従来ないレベルに制限することによって、鋼材及びその溶接部におけるM−A生成を抑制すると共に、Mn以外の元素により焼入性を補うことにより、鋼材の強度及び靱性と溶接部の靱性の相反する特性を両立することができたと考えられる。
本発明の高張力鋼材の製造方法は、上述した構成によって、耐溶接割れ性が優れ、製造安定性及び溶接部靱性を兼ね備えた高張力鋼材を得ることができる。なお、本発明における高張力鋼材とは、いわゆる高張力鋼板のことであり、厚鋼板及び熱延鋼板等を含むものである。
以下、これらの思想を実現するために必要な条件について説明する。先ず、鋼材の化学組成に関して、各成分の添加理由及び数値限定理由について説明する。
C:0.002〜0.124
Cは、焼入れ性の制御及びセメンタイトをはじめとする炭化物の生成によって、鋼材の強度を向上させるために添加する。しかしながら、このCを過剰に含有させると、パーライト、マルテンサイト及びセメンタイトといった硬質の第2相組織の形成量が増加して、鋼材の延性及び靱性の低下を招くと共に、鋼材の溶接性及び溶接部の靱性が劣化する。具体的には、C含有量が0.20%を超えると、加工性、溶接性及び靭性が著しく劣化する。一方、C含有量が0.002%未満の場合、強度向上の効果が得られず、鋼材を高強度化することができない。よって、C含有量は0.002〜0.20%とする。なお、C含有量の上限は、実施例に基づいて、0.124%以下とする。
Si:0.001〜0.30
Siは、鋼材の脱酸元素であり、通常Mnと共に鋼材の酸素濃度を低減する目的で添加される。また、このSiは、固溶強化元素として、強度の上昇に寄与する。しかしながら、Si含有量が0.001%未満では、上述した固溶強化を図ることができない。また、Si含有量が2%を超えると、低温靱性及び鋼の表面性状が劣化する。このため、Si含有量は0.001〜2%とする。なお、Si含有量の上限は、実施例に基づいて、0.30%以下とする。
Mn:0.001%〜0.47%
Mnは、Siと同様に脱酸にも効用があるが、鋼中にあって材料の焼き入れ性を高め、強度向上に寄与する元素である。また、このMnは、安価であることからCに次いで活用される元素である。しかしながら、Mn含有量が5%以上の場合、凝固時に生成するミクロ偏析が顕著となり、鋼材中に添加量以上に濃縮している部位の存在が多くなる。このようにMnが凝集している部位は、焼き入れ性が高く、また溶接部靱性を劣化させるM−A混合物を生成しやすい。一方、Mn含有量が0.001%未満の場合、鋼中に存在していても材料の焼入れ性を高めることができない。そこで、M−A混合物の生成回避の観点から、Mn含有量は0.001%以上0.5%未満とする。なお、M−A混合物の生成しやすさ及び鋼材の硬さは、C含有量とMn含有量とのバランスで変化するので、C含有量が0.03%以上の場合には、Mn含有量を0.2%以下とすることが望ましい。なお、Mn含有量の上限は、実施例に基づいて、0.47%以下とする。
Pcm:0.26%以下
上記数式(3)により定義され、耐溶接割れ性を示すPcmは0.26%以下とする。このPcmの値を0.26%以下にすることにより、溶接に先立って行う鋼材の予熱温度が室温程度となり、予熱作業が不要となる。なお、鋼材の強度が低い程、Pcmの値を小さくすることが可能となるため、目標強度に応じて、Pcmをできるだけ小さくすることが望ましい。但し、Pcmを0.18%未満にしても、予熱が不要であることに変わりはないため、Pcmの下限値は0.18%とすることが望ましい。
また、本発明で使用する鋼には、上記各成分に加えて、Cu、Ni及びCrからなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加する。更に、Moを添加することができる。これにより、鋼材の焼き入れ性及び強度を向上させることができる。以下、これらの元素の含有量の好ましい範囲及びその数値限定理由について説明する。
Cu:0.2〜2%
Cuは、焼入れ性の向上に有効であり、またフェライト中に固溶し、この固溶強化によって、鋼材の強度を向上させる効果がある。また、Cuは、析出強化に有効な元素であり、金属Cuの析出相を形成し、微細組織の形成を促進すると共に、延性の劣化を抑制する効果もある。しかしながら、Cu含有量が0.001%未満の場合、析出量が不十分となり、前述した効果が得られない。また、Cu含有量が2%を超える場合には、析出強化が著しくなり、鋳造時に粒界に析出して内部割れを引き起こし、圧延製造工程中に鋼塊及び鋼板で疵が発生しやすくなり、更には鋼材の熱間加工性等を劣化させる要因ともなる。よって、Cuを添加する場合は、その含有量を0.001〜2%とする。なお、Cu含有量の下限は、実施例に基づいて、0.2%以上とする。
Ni:0.1〜3%
Niは、強度を向上させる作用を有し、特に靭性を低下させることなく強度向上が図れる点で有用な元素である。しかしながら、Ni含有量が0.001%未満では、強度向上にはほとんど機能しない。即ち、Ni含有量が0.001%未満の場合、強度を向上させる効果が得られない。また、3%を超える量のNiを含有させても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利になると共に、焼入れ強化による強度上昇が顕著となり、靱性及び延性の劣化を招く。よって、Niを添加する場合は、その含有量を0.001〜3%とする。なお、Ni含有量の下限は、実施例に基づいて0.1%以上とする。
Cr:0.20〜2%
Crは、焼入れ性の向上と析出硬化とにより、母材(鋼材)の強度向上に有効な元素である。このCrの含有量が0.001%未満の場合、上述した強度上昇効果は充分に発揮されず、また2%を超えると靭性が低下する。従って、Crを添加する場合は、その含有量を0.001〜2%とする。なお、Cr含有量の下限は、実施例に基づいて、0.20%以上とする。
Mo:0.001〜0.20
Moは、焼入れ性の向上、及び析出強化に寄与して強度を向上させる効果がある。Mo含有量が0.001%未満では、析出強化に寄与することができず、十分な強度が確保できない。これに対して、Mo含有量が1%を超えてしまうと、合金コストが上昇するだけでなく、強度が顕著に上昇して靭性の劣化が生じる。従って、Moを添加する場合は、その含有量を0.001〜1%にする。なお、Mo含有量の上限は、実施例に基づいて、0.20%以下とする。
更に、本発明で使用する鋼には、上記各成分に加えて、V:0.0001〜0.2%、Nb:0.0001〜0.1%及びTi:0.0001〜0.1%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加することもできる。V及びNbは、結晶粒を微細化すると共に、析出強化の面で有効に機能するため、靭性を劣化させない範囲で選択的に添加することができる。このとき、V含有量が0.2%を超えるか、又は、Nb含有量が0.1%を超えると、鋼材の靭性が低下する。また、これらの元素の含有量が0.0001%未満の場合、前述した効果が得られない。よって、Vを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.2%とし、Nbを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.1%とする。
また、TiはPcmを大幅に増加させることなく、金属組織を細粒化して鋼材の靱性を改善したり、細粒化強化及び析出強化により鋼材を強化したりする元素である。その一方で、Tiは鋼材の金属組織を過度に細粒化するため、鋼の焼入れ性が低下し、M−A混合物を多く発生させてしまう。そこで、M−A混合物による鋼材及びその溶接部の靱性劣化を回避する観点から、Tiの含有量は制限される方が好ましい。具体的には、Ti含有量が0.1%を超えると、靭性が著しく劣化する。一方、Ti含有量が0.0001%未満では、上述した効果が得られない。よって、Tiを添加する場合には、その含有量を0.0001〜0.1%とする。なお、Ti含有量は0.002%未満に制限することが望ましい。これによって、鋼材及びその溶接部のM−A生成を抑制し、靱性を改善することができる。
更にまた、本発明で使用する鋼には、必要に応じて、REM:0.0001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.02%及びCa:0.0001〜0.02%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加してもよい。REM、Mg及びCaは、Sの無害化に有効であるため選択的に添加できるが、過度の添加は靭性を損なう。そこで、これらの元素を添加する場合は、REMについてはその含有量を0.10%以下、Mg及びCaについてはその含有量を夫々0.02%以下に限定する。また、これらの元素の含有量の下限値を0.0001%以上としたのは、これ以下では効果が得られないからである。
更にまた、本発明で使用する鋼には、必要に応じて、Al:0.0001〜0.1%、Zr:0.0001〜0.3%、Hf:0.0001〜0.3%及びTa:0.0001〜0.3%からなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加することもできる。Al、Zr、Ta及びHfは、脱酸元素又は炭窒化物形成元素として選択的に添加できる。しかしながら、Al含有量が0.1%を超えるか、又はZr、Ta及びHfの含有量が夫々0.3質量%を超えると、鋼材の靱性及び表面性状が劣化する。よって、これらの元素を添加する場合は、その含有量が夫々0.3%以下になるようにする。また、Al、Zr、Ta及びHfの含有量の下限値を夫々0.0001%としたのは、これ以下では脱酸及び炭窒化物形成の効果が得られないからである。
更にまた、本発明で使用する鋼は、上記各成分に加えて、N:0.0001〜0.01%を含有していてもよい。Nは、Ti、Al、Zr、Ta及びHfと窒化物を形成し、オーステナイトの細粒化及びフェライトの再結晶粒の微細化に有効に作用する。このため、Nは靭性を劣化させない範囲で選択的に添加できる。具体的には、N含有量が0.01%を超えると、靭性が低下する。また、N含有量が0.0001%未満の場合、前述した効果が得られない、よって、Nを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.01%とする。
更にまた、本発明で使用する鋼は、必要に応じて、B:0.0001〜0.002%を添加することができる。Bは、Pcmを大幅に増加させることなく、鋼材の焼き入れ性を増加させ、所望の強度を得やすくする元素である。しかしながら、B含有量が0.002%を超えると、焼入れ性が過度となる。よって、Bを添加する場合は、その含有量の上限を0.002%とする。また、Bは極めて微量でその効果を発揮するので、その下限値は現在の分析限界である0.0001%とする。但し、B含有量が0.0001%未満の場合でも効果が得られる可能性がある。
更にまた、本発明で使用する鋼は、必要に応じて、S:0.0005〜0.02%を添加することができる。Sは、鋼中でMnと結合してMnSを生成する。このMnSは、鋼中に微細な析出物として分散するため、圧延前の再加熱時における結晶粒の成長を抑制したり、圧延後の冷却時にこのMnS析出物(異質物)上にフェライト等の変態組織が多数に不均一(異質物)核生成することにより、最終的な鋼の金属組織(結晶粒)を微細化し、鋼の強度及び靭性を向上させる効果がある。また、本発明者の検討により、MnSは、鋼の靭性を劣化させるM−A混合物の生成を抑制する効果もあることが確認された。その理由は必ずしも明確ではないが、鋼材の冷却過程において、MnS粒子が未変態オーステナイトからのパーライト変態及び鉄炭化物(セメンタイト)の生成を促進したためであると思われる。Sは、極めて微量の添加で上述した効果を発揮するが、S含有量が0.0005%未満の場合、これらの効果が得られない。一方、S含有量が0.02%を超えると、MnSが析出しようとする駆動力が極度に増加するため、MnS粒子の粗大化が生じ、これが破壊の起点となってしまうため、却って靭性が劣化する。よって、Sを添加する場合は、その含有量を0.0005〜0.02%とする。
なお、本発明で使用する鋼の上記各成分以外の成分は、Fe及び不可避的不純物である。この不可避的不純物としては、例えば、P及びO等が挙げられるが、これらの元素の含有量は、夫々P:0.02%以下、O:0.01%以下とすることが好ましい。
次に、鋼材の製造条件について説明する。本発明の高張力鋼材の製造方法においては、先ず、鋼組成を上述の範囲に調整した後、鋳造する。その後、鋳造した鋼素材を、室温まで冷却することなくそのまま圧延するか、又は鋳造後に一旦室温まで冷却した後950〜1250℃に再加熱して圧延する。このとき、Ar3点以上の温度で圧延を終了する。次に、圧延後の圧延鋼材を、圧延終了温度、即ち、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで強制冷却を行って、高張力鋼材を製造する。以下、上述した製造条件の数値限定理由について説明する。
圧延前の再加熱温度:950〜1250℃
圧延前の再加熱温度が950℃未満の場合、鋼材の金属組織がオーステナイト単相にならない。また、圧延前の再加熱温度が1250℃を超えると、オーステナイト結晶粒の成長が早くなり、オーステナイト結晶粒が粗大となるため、鋼材の靱性が劣化する。よって、圧延前に鋼素材を再加熱する場合は、その加熱温度を950〜1250℃の範囲とする。
圧延終了温度:Ar3点以上
本発明においては、圧延の条件は特に規定しないが、鋼材のAr3点以上で圧延を終了する必要がある。これは、Ar3温度未満で圧延した場合、金属組織中に加工されたフェライトが混在し、鋼材の靱性が劣化するからである。
冷却開始温度:Ar3点以上
Ar3点未満の温度から冷却を行った場合、冷却開始前に粗大なフェライトが生成し、鋼材の強度が低下すると共に靱性が劣化する。よって、圧延後の圧延鋼板は、Ar3点以上の温度から冷却する。
冷却終了温度:室温以上650℃以下
圧延後の圧延鋼板の冷却は、水冷によって実施するのが望ましいが、これと同等の冷却速度が得られればどのような方法でもよい。また、冷却の終了温度が650℃を超えると、金属組織にフェライトが増加するため、鋼材の強度を高められない。一方、水冷等の現在の設備能力では、圧延鋼板を室温より低い温度まで冷却することは困難である。よって、圧延鋼板の冷却終了温度は、室温以上650℃以下とする。なお、圧延鋼板の冷却終了温度については、狙いとする強度レベルによって適宜調整することができる。
また、本発明の高張力鋼材の製造方法においては、前述の条件で圧延鋼材を強制冷却した後、100〜700℃の温度で焼戻し処理を行ってもよい。この100℃〜700℃の温度での熱処理については、目標とする強制冷却の終了温度以下であれば、室温を含みそこまで放冷されている過程のどのようなタイミングで実施してもよい。但し、このような場合は、実施可能な熱処理温度の選択範囲が制限されることになるが、その効果は変わらない。また、焼戻し処理の温度範囲を100℃以上とした理由は、この温度であれば固溶炭素原子及び窒素原子による転位の固着が生じ、所謂、時効硬化による強化が得られるからである。更に、100℃以上の温度で焼戻しすると、セメンタイト及びその他の炭窒化物の析出による析出強化が得られると共に、強度の調整等によって靱性の改善がもたらされる。しかしながら、その一方で極度に高温の熱処理を行うと、セメンタイト、その他の炭窒化物及び金属結晶粒の成長並びに粗大化により、強度の低下及び靱性の劣化をもたらす。そこで、焼戻し処理の最高温度は700℃とした。なお、焼戻し時の昇温速度、保持時間及び冷却方法については特に規定を設けないが、急速加熱及び保持時間の短縮、並びに熱処理後の強制冷却はいずれも鋼材の強度を増加させ、靱性を改善するので、必要に応じて適宜条件を選択し、調整すればよい。
本発明においては、上記数式(3)により定義されるPcmを0.26%以下に制限しているため、鋼材の耐溶接割れ性を改善できると共に、溶接前に行う鋼材の予熱温度を低下させて作業効率を向上させることができる。また、圧延後の圧延鋼板を、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで強制冷却しているため、フェライトの生成を抑制して、鋼材の強度及び靭性の低下を防止することができる。これにより、Pcmを低下させたことにより想定される焼き入れ性及び強度の低下を防止することができる。更に、鋼中のMn含有量を0.5%未満に規制しているため、M−A混合物の生成を抑制して、鋼材における靱性の劣化を低減し、溶接部の靱性を改善することができる。その結果、耐溶接割れ性が優れ、製造安定性及び溶接部靱性を兼ね備えた高張力鋼材が得られる。
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例においては、下記表1〜4に示す組成の鋼を、上述した方法により、鋼素材厚、最終的に得られた鋼板の厚さ(製品板厚)及び製造条件を変えて、実施例及び比較例の各鋼板を作製した。ちなみに、製造条件に関しては、上述した鋼材の製造プロセスに沿って、再加熱温度、圧延終了温度、冷却開始温度、冷却終了温度及び焼戻し温度について、条件を異ならせている。なお、下記表1〜3に示す鋼P1、P2、P4〜P71、P73〜P76、P78〜P83、P85〜P104は本発明の範囲内の実施例であり、下記表4に示す鋼A1〜A21はいずれも本発明の範囲から外れる比較例であり、下記表4における下線は、本発明の範囲外であることを示す。具体的には、鋼A1〜A9はMn含有量が過剰である。また、鋼A10及び鋼A11はPcmの値が規定値を超えており、更に鋼A10はC含有量も過剰である。更に、鋼A12〜A15は、夫々Mo、Cr、Cu及びNiの含有量が過剰であり、鋼A16〜A18は、夫々V、Ti及びNbの含有量が過剰である。更にまた、鋼A19及び鋼A21は、S含有量が過剰であり、鋼A20はMn含有量が過剰であると共にPcmの値が規定値を超えている。
Figure 0005130472
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次に、実施例及び比較例の各鋼板の機械的特性を評価した。具体的には、母材(鋼板)の強度(降伏応力YS,引張り強度TS)及び靱性(シャルピー試験における延性−脆性破面遷移温度vTrs)、溶接入熱を7KJ/mmにしてサブマージアーク溶接したときの溶接部の靱性(シャルピー試験の−5℃における吸収エネルギー)、並びに斜めy型割れについて評価した。
母材の強度は、各鋼板(母材)から作製したJIS4号試験片を使用して、引張り試験により測定した。また、靱性は、各鋼板(母材)及び溶接部から切り出したJIS4号試験片を使用し、Vノッチシャルピー試験によって測定した。更に、斜めy型割れ試験は、JIS Z3158に規定されているy型溶接割れ試験法に基づき、低水素溶材を使用して室温で行った。以上の結果を下記表5〜9にまとめて示す。なお、下記表5〜9に示す斜めy割れ試験結果において、◎は割れ無し、×は割れ有りを表している。また、記表4〜7においては、本発明の範囲外となっている項目について、下線を付して示している。但し、特性の評価結果については、一定の評価を行うため、降伏応力YPについては450N/mm未満、引張り強度TSについては550N/mm未満、延性−脆性破面遷移温度vTrsについては−10℃未満、溶接部靱性vE−5℃については100J未満の場合に、夫々下線を付している。更に、下記表5〜9には、鋼素材の厚さ、製品板厚及び各種製造条件についても併せて示す。
Figure 0005130472
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上記表5〜9に示すように、比較例No.3の鋼板は、再加熱温度、圧延終了温度及び冷却開始温度が本発明の範囲よりも低いため、圧延中にフェライトが析出し、その状態で加工されたため、加工硬化等により強度は高くなったが、靱性は極めて劣っていた。比較例No.7の鋼板は、圧延終了温度は規定どおりであったが、冷却開始温度が本発明の範囲よりも低かったため、強制冷却前にフェライトが析出しており、これにより強度低下及び靱性の劣化が生じた。比較例No.9の鋼板は、再加熱温度は本発明の範囲内であったが、圧延終了温度及び冷却開始温度が本発明の範囲よりも低かったため、比較例No.3の鋼板と同様に、靱性が著しく低下していた。比較例No.10の鋼板は、強制冷却開始までは本発明の範囲内の条件であったが、強制冷却の終了温度が高すぎたため、鋼の焼き入れ強化(厳密には組織強化)が十分に得られず、強度が低く、更に、このような高温で冷却を終了すると、粗大なフェライトが析出するため、靱性値も低かった。
また、比較例No.23、25、41の鋼板は、強制冷却までは本発明の範囲内であったが、焼戻しの温度が高すぎたため、金属組織、炭化物及び析出物の粗大化が生じ、強度が低下すると共に靱性も劣化した。比較例No.49の鋼板は、比較例No.7の鋼板と同様に圧延終了温度は本発明の範囲内であったが、冷却開始温度が本発明の範囲よりも低かったため、強制冷却前にフェライトが析出しており、これによる強度低下及び靱性の劣化が生じた。比較例No.50及び比較例No.79の鋼板は、冷却終了温度が高すぎるため、十分な強度及び靱性が得られなかった。比較例No.78の鋼板は、圧延終了温度及び冷却開始温度が本発明の範囲よりも低いため、圧延中にフェライトが析出した状態で加工されたため、加工硬化等により強度は高くなったが、靱性は極めて劣っていた。比較例No.80の鋼板は、焼戻し温度が本発明の範囲よりも高いため、十分な強度及び靱性が得られなかった。
No.121〜141の鋼板は、いずれも鋼組成が本発明の範囲から外れている比較例である。具体的には、比較例No.121〜129の鋼板は、Mn含有量が過剰であるため、強度及び溶接割れ性は良好であったが、溶接部の靱性が劣っており、更に、母材靱性が劣っているものもあった。比較例No.130の鋼板は、Cが過剰であるため、M−A混合物等の硬質相の生成が助長され、母材の靱性及び溶接部の靱性が劣っていた。更に、この鋼板は、Pcmも本発明の範囲を超えているため、溶接割れが生じた。比較例No.131の鋼板は、比較例No.130の鋼板と同様に、Pcmが本発明の範囲を超えているため、溶接割れが生じた。また、比較例No.132〜135の鋼板は、夫々Mo、Cr、Cu及びNiの含有量が過剰であったため、鋼の焼き入れ性が過剰に増加し、母材及び溶接部の硬さが顕著に増加するため、母材及び溶接部の靱性が劣化した。但し、Niを過剰に添加した比較例No.135の鋼板では、Ni添加による靱性向上の効果で、溶接部の靱性は劣化していなかった。なお、比較例No.133及び比較例No.135の鋼板では、Pcmも本発明の範囲を超えているため、溶接割れが生じた。比較例No.136〜138の鋼板は、夫々V、Ti及びNbが本発明の範囲を超えて過剰に添加されているため、これらによる過剰な析出強化及び粗大析出物により、母材の靱性及び溶接部の靱性が劣化し、特に溶接部の靱性の劣化が顕著であった。
比較例No.139及びNo.141の鋼板は、S含有量が過剰であったため、本来期待されたS添加の効果が得られず、粗大なMnSが生成したために母材の靭性及び溶接部の靭性が劣化した。比較例No.140の鋼板は、Mn含有量が過剰であったため、強度は良好であったが、M−Aの生成及び粗大MnSの生成により溶接部の靭性が劣化すると共に、母材の靭性も劣っていた。更に、比較例No.140の鋼板は、Pcmの値も本発明の範囲を超えているため、y割れ試験において割れが発生していた。
これに対して、本発明の範囲内で製造した実施例の鋼板は、母材の強度及び靭性、溶接部の靭性、並びに耐割れ性のいずれの特性も優れていた。これらの結果から、上述した知見を確認することができ、また、上述した各鋼成分の限定の根拠を裏付けることが可能となる。

Claims (9)

  1. 質量%で、C:0.002〜0.124%、Si:0.001〜0.30%、Mn:0.001%〜0.47%を含有し、更に、Cu:0.2〜2%、Ni:0.1〜3%及びCr:0.20〜2%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、C含有量(%)を[C]、Si含有量(%)を[Si]、Mn含有量(%)を[Mn]、Cu含有量(%)を[Cu]、Ni含有量(%)を[Ni]、Cr含有量(%)を[Cr]、Mo含有量(%)を[Mo]、V含有量(%)を[V]、B含有量(%)を[B]としたとき、下記数式(A)で定義されるPcmが0.26%以下である組成を有する鋼を、鋳造する工程と、
    前記鋳造後の鋼素材を、冷却することなくそのまま圧延するか、又は一旦室温まで冷却した後で950〜1250℃に再加熱して圧延し、Ar3点以上の温度で前記圧延を終了する工程と、
    前記圧延後の圧延鋼材を、Ar3点以上の温度から室温以上650℃以下の範囲にまで強制冷却し、引張強さが570N/mm2以上の高張力鋼材を得ることを特徴とする耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
    Figure 0005130472
  2. 前記鋼は、更に、質量%で、Mo:0.001〜0.20%を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  3. 前記鋼は、更に、質量%で、V:0.0001〜0.2%、Nb:0.0001〜0.1%及びTi:0.0001〜0.1%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  4. 前記鋼は、更に、質量%で、REM:0.0001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.02%及びCa:0.0001〜0.02%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  5. 前記鋼は、更に、質量%で、Al:0.0001〜0.1%、Zr:0.0001〜0.3%、Hf:0.0001〜0.3%及びTa:0.0001〜0.3%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  6. 前記鋼は、更に、質量%で、N:0.0001〜0.01%を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  7. 前記鋼は、更に、質量%で、B:0.0001〜0.002%を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  8. 前記鋼は、更に、質量%で、S:0.0005〜0.02%を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
  9. 前記圧延鋼材を強制冷却した後で、100〜700℃の温度で焼戻すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の耐溶接割れ性が優れた高張力鋼材の製造方法。
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