JPH05222142A - 乳化物およびその硬化体 - Google Patents

乳化物およびその硬化体

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JPH05222142A
JPH05222142A JP2796792A JP2796792A JPH05222142A JP H05222142 A JPH05222142 A JP H05222142A JP 2796792 A JP2796792 A JP 2796792A JP 2796792 A JP2796792 A JP 2796792A JP H05222142 A JPH05222142 A JP H05222142A
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meth
acrylate
curable
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JP2796792A
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Inventor
Hiroyuki Ando
博之 安藤
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定性が優れ、しかも密着性,表面硬度,耐
擦傷性,耐汚染性,耐熱性に優れた硬化樹脂表面層を形
成することができる乳化物および該乳化物から形成され
た硬化樹脂表面層を有する硬化体の開発。 【構成】 (A)硬化性ホスファゼン化合物,(B)乳
化剤及び(C)水を主成分とする乳化物および該乳化物
を基材の表面に、塗布、硬化させて硬化樹脂表面層を形
成してなる硬化体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳化物およびその硬化体
に関し、詳しくは安定性が優れ、しかも密着性,表面硬
度,耐擦傷性,耐汚染性,耐熱性に優れた硬化樹脂表面
層を形成することができる乳化物および該乳化物から形
成された硬化樹脂表面層を有する硬化体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、各種コーティング材、保護膜形成材、充填硬化材な
どとして、エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ア
ルキッド樹脂,フェノール樹脂,ユリア樹脂,メラミン
樹脂,シリコーン樹脂等の硬化性樹脂またはその硬化性
樹脂組成物が広く用いられている。これは、これらの硬
化性樹脂またはその硬化性樹脂組成物が、熱線や活性エ
ネルギー線(可視光線,紫外線,電子線,X線,γ線な
ど)の照射などによって容易に硬化し、硬化樹脂表面層
を得ることができるからである。そして、近時、例え
ば、特開昭2−129210号公報に開示されているよ
うに、硬化性ホスファゼン化合物を主体として形成され
た硬化樹脂表面層は、機械的特性,耐熱性などに優れる
とともに、特に高硬度の硬化樹脂表面層を得ることがで
きる点とから、その有用性が認められている。従来、広
く用いられて来たこれらの硬化性樹脂またはその硬化性
樹脂組成物は、水に難溶性であることから、コーティン
グ材等として使用する場合、有機溶剤に分散、希釈した
乳化物として一般的に使用されている。しかるに、有機
溶剤を使用した場合、有機溶剤の蒸発に伴う大気汚染に
伴う環境保護上に、また作業者の健康障害など作業環境
の悪化等に幾多の問題を抱えている。このために、その
有用性が認められている硬化性樹脂または硬化性樹脂組
成物には、既に有機溶剤を含有しないか、もしくはその
含有量の少なく、使用し易い乳化物が開発されている。
しかし、特に高硬度の硬化樹脂表面層を得ることができ
注目されている硬化性ホスファゼン化合物を主成分と
し、有機溶剤を含有しないか、もしくはその含有量の少
ない乳化物は、未だ使用されておらず、その開発が望ま
れている。
【0003】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
記状況を鑑み、その問題点を解決すべく鋭意研究を重ね
た。その結果、硬化性樹脂のなかでも特に有用性が認め
られている硬化性ホスファゼン化合物を主成分とする乳
化物が、上述の目的に適うものであることを見出し、本
発明を完成させた。すなわち、本発明は、(A)硬化性
ホスファゼン化合物,(B)乳化剤及び(C)水を主成
分とする乳化物を提供するものである。また、本発明
は、基材の表面に、(A)硬化性ホスファゼン化合物,
(B)乳化剤及び(C)水を主成分とする乳化物を塗
布、硬化させて硬化樹脂表面層を形成してなる硬化体を
も提供するものである。
【0004】先ず、本発明の乳化物に用いられる(A)
成分の硬化性ホスファゼン化合物としては、例えば一般
式(I)
【0005】
【化1】
【0006】〔式中、Aは重合硬化性基を示し、Bは非
重合硬化性基を示す。また、a,bは、0<a,0≦b
であり、かつa+b=2を満たす実数を示す。〕で表さ
れる繰返し単位をもつホスファゼン化合物などが挙げら
れ、各置換基の種類により様々なものがある。式中、A
は重合硬化性基を示すが、この重合硬化性基とは、紫外
線,可視光線や電子線の照射,化学的硬化剤の使用ある
いは加熱等により反応して硬化する官能基を意味し、通
常は反応性二重結合を有する基である。この反応性二重
結合を有する基としては、各種のものがある。例えば、
アクリロイル基,メタクリロイル基,ビニル基あるいは
アリル基を含む官能基が挙げられる。上記アクリロイル
基を含む官能基あるいはメタクリロイル基を含む官能基
は、アクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基、
さらには一般式(II)
【0007】
【化2】
【0008】〔式中、R1 は水素原子またはメチル基を
示し、R2 は炭素数1〜12(好ましくは1〜5) のア
ルキレン基(分岐アルキレン基を含む)を示す。〕で表
されるものである。
【0009】この一般式(II)で表される基の具体例と
しては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート,3−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート,2−ヒドロキシブチルメタクリレ
ート,3−ヒドロキシブチルメタクリレート,4−ヒド
ロキシブチルメタクリレート,5−ヒドロキシペンチル
メタクリレート,6−ヒドロキシ−3−メチルヘキシル
メタクリレート,5−ヒドロキシヘキシルメタクリレー
ト,3−ヒドロキシ−2−t−ブチルプロピルメタクリ
レート,3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルヘキシルメ
タクリレート,3−ヒドロキシ−2−メチル−2−エチ
ルプロピルメタクリレートおよび12−ヒドロキシドデ
シルメタクリレートなどのメタクリレート類中の水酸基
から水素原子を除いた残基、並びに2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト,3−ヒドロキシプロピルアクリレート,2−ヒドロ
キシブチルアクリレート,3−ヒドロキシブチルアクリ
レート,4−ヒドロキシブチルアクリレート,5−ヒド
ロキシペンチルアクリレート,6−ヒドロキシ−3−メ
チルヘキシルアクリレート,5−ヒドロキシヘキシルア
クリレート,3−ヒドロキシ−2−t−ブチルプロピル
アクリレート,3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルヘキ
シルアクリレート,3−ヒドロキシ−2−メチル−2−
エチルプロピルアクリレートおよび12−ヒドロキシド
デシルアクリレートなどのアクリレート類中の水酸基か
ら水素原子を除いた残基を挙げることができる。特に好
ましい基は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート残基
および2−ヒドロキシエチルアクリレート残基である。
また、このアクリロイル基やメタクリロイル基を含む官
能基は、上述の一般式(II)のもののほかに、一般式(I
II)
【0010】
【化3】
【0011】〔式中、R1 およびR2 は前記と同じであ
る。〕で表される官能基、すなわちヒドロキシアルキル
置換(メタ)アクリルアミドの水酸基から水素原子を除
いた残基、さらに一般式(IV)
【0012】
【化4】
【0013】〔式中、R1 は前記と同じである。〕で表
される官能基、即ち、アクリルアミドやメタクリルアミ
ドのアミノ基から水素原子を一個除いた残基をあげるこ
とができる。さらに、アリル基を含む官能基としては、
アリル基そのもののほか、例えば、アリルオキシ基( C
2 =CH−CH2 O− )があるが、このアリルオキシ
基に限らず、広く、一般式(V)〜(VII)
【0014】
【化5】
【0015】〔式中、R1 ,R3 ,R4 は前記と同じで
ある。〕で表される官能基、即ち水酸基を一個有するア
リル化合物の水酸基から水素原子を除いた残基をあげる
ことができる。この一般式(V)〜(VII)で表される官
能基の具体例としては、
【0016】
【化6】
【0017】などのアリル化合物中の水酸基から水素原
子を除いた残基がある。一方、一般式(I)中のBは、
前述の如く一般式(VIII),(IX)
【0018】
【化7】
【0019】〔式中、Mは酸素原子,硫黄原子またはイ
ミノ基を示し、R5 は炭素数1〜18のアルキル基ある
いは炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基を示す。ま
た、R 6 〜R10はそれぞれ独立に水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のハ
ロゲン化アルキル基を示す。〕で表される基を示す。一
般式(VIII)の具体例としては、メトキシ基,エトキシ
基,プロポキシ基,ブトキシ基,ペンチルオキシ基,ヘ
キシルオキシ基,ヘプチルオキシ基,オクチルオキシ基
などのアルコキシ基,ハロゲン(例えばフッ素、塩素、
臭素など)で置換された同様のアルコキシ基,メチルチ
オ基,エチルチオ基,プロピルチオ基,ブチルチオ基,
ペンチルチオ基,ヘプチルチオ基,オクチルチオ基など
のアルキルチオ基,ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭
素など)で置換された同様のアルキルチオ基,メチルイ
ミノ基,エチルイミノ基,プロピルイミノ基,ブチルイ
ミノ基,ペンチルイミノ基,ヘキシルイミノ基,ヘプチ
ルイミノ基,オクチルイミノ基などのアルキルイミノ
基,ハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素など)で置換
された同様のアルキルイミノ基等を挙げることができ
る。式(IX)の基は、具体的には、フェノキシ基,チオ
フェニル基,ハロゲン化フェノキシ基(2, 4, 6−ト
リブロモフェノキシ基,4−ブロモフェノキシ基,2−
クロロフェノキシ基,2,4−ジクロロフェノキシ基な
ど)およびハロゲン化チオフェニル基(4−クロロフェ
ニルチオ基など)、あるいはアニリンおよびハロゲン化
アニリン(2−クロロアニリン,2,4−ジクロロアニ
リン,2,4,6−トリブロモアニリンなど)のアミノ
基より水素原子を取り除いた残基などを挙げることがで
きる。
【0020】また、前述の一般式(I)中のa,bにつ
いては、0<a≦2,0≦b<2であり、かつa+b=
2を満たす実数であればよいが、好ましくは0.6≦a≦
2,0≦b≦1.4である。なお置換基Aは、一般式
(I)のホスファゼン化合物を重合(硬化)する際に、
硬化作用を奏する基であり、また置換基Bは、その重合
物の物性を調節するとともに、重合性能を調節する作用
を示す基である。但し、a=0のものは硬化性を有しな
いので、このようなホスファゼン化合物は、本発明の対
象からは除外される。しかし、a=2,b=0のもの、
即ち、
【0021】
【化8】
【0022】〔式中、Aは前記と同じである。〕で表さ
れる繰返し単位を有するホスファゼン化合物は、本発明
の乳化物や硬化体を得るときの、原料として利用でき、
硬化性の点において本発明をより効果的にすることがで
きる。本発明に用いる硬化性ホスファゼン化合物の好ま
しいものとしては、上述の一般式(I)の繰返し単位を
有するものであるが、その重合度は3以上、好ましくは
3〜10,000の範囲、さらに好ましくは3〜18の範
囲であり、とりわけ3あるいは4もしくはそれらの混合
物が最適である。また、一般式(I)の繰返し単位が鎖
状に結合(重合)したものもあるが、好ましくは環状に
結合(重合)したものである。このような硬化性ホスフ
ァゼン化合物の具体例をあげると、次の如くである。
【0023】
【化9】
【0024】このような硬化性ホスファゼン化合物は、
様々な方法により製造することができ、特に制限はな
い。例えば、置換基Aとして、一般式(II)で表される
基を導入したいときには、この一般式(II)に対応する
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、即ち一般式
【0025】
【化10】
【0026】〔式中、R1 およびR2 は前記と同じ。〕
で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを
用い、また置換基Aとして一般式(III)で表される基を
導入したいときには、これに対応する一般式
【0027】
【化11】
【0028】〔式中、R1 およびR2 は前記と同じ。〕
で表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド
を用い、また置換基Aとして一般式(IV)で表される基
を導入したいときには、これに対応する一般式
【0029】
【化12】
【0030】〔式中、R1 は前記と同じ。〕で表される
(メタ)アクリルアミドを用い、あるいは置換基Aとし
て一般式(V)〜(VIII)で表される基を導入したいと
きには、これに対応する一般式
【0031】
【化13】
【0032】〔式中、R1 ,R3 およびR4 は前記と同
じ。〕で表されるアリルアルコール,アリルフェノー
ル,ヒドロキシ安息香酸のアリルエステルあるいはその
誘導体を用いる。一方、置換基Bとして導入する一般式
(VIII)で表される基において、Mが酸素原子のときは R5 OH 〔式中R5 は前記と同じ。〕で表されるアルカノール,
ハロゲン化アルカノールあるいはその誘導体を用い、M
が硫黄原子のときは R5 SH 〔式中R5 は前記と同じ。〕で表されるアルキルメルカ
プタン,ハロゲン化アルキルメルカプタンあるいはその
誘導体を用い、Mがイミド基のときは R5 NH2 〔式中R5 は前記と同じ。〕で表されるアルキルアミ
ン,ハロゲン化アルキルアミンあるいはその誘導体を用
いる。また、置換基Bとして導入する一般式(IX)で表
される基において、Mが酸素原子のときは一般式
【0033】
【化14】
【0034】〔式中、R6 〜R10は前記と同じ。〕で表
されるフェノール類を用い、またMが硫黄原子のとき
は、一般式
【0035】
【化15】
【0036】〔式中、R6 〜R10は前記と同じ。〕で表
されるチオフェノール類を用い、またMがイミド基のと
きは、一般式
【0037】
【化16】
【0038】〔式中、R6 〜R10は前記と同じ。〕で表
されるアニリンあるいはその誘導体を用いる。これらの
置換基Aを形成する化合物と置換基Bを形成する化合物
とを、クロロホスファゼン(式(NPCl2)n で表され
る環状化合物あるいは式Cl4 P・(NPCl2)n-1 ・ N
PCl3 で表される鎖状化合物(nは3以上の整数、好
ましくは3〜18)などと反応させれば、所望する一般
式(I)の硬化性ホスファゼン化合物が得られる。な
お、上記の置換基Bを形成する化合物が、アルコール
類,メルカプタン類,フェノール類やチオフェノール類
のときは、予め金属ナトリウムや金属カリウム等のアル
カリ金属を反応させてアルコラート類,フェノラート
類,メルカプチド,チオフェノラート類としておいても
よい。また、上述の置換基A,Bをそれぞれ形成する化
合物とクロロホスファゼンとの反応にあたっては、第三
級アミン等の脱ハロゲン化水素剤を用いることが好まし
い。この第三級アミンとしては、例えばトリメチルアミ
ン,トリエチルアミン,トリイソプロピルアミン,トリ
−n−プロピルアミン,トリ−n−ブチルアミンおよび
ピリジンなどを挙げることができるが、このなかでもピ
リジンが好適である。さらに、この反応は通常有機溶媒
中で行われる。有機溶媒としては、例えば、ベンゼン,
トルエン,キシレン,クロロホルム,シクロヘキサン,
塩化メチレン,テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサ
ンなどをあげることができる。これらを単独であるいは
組合せて使用することができる。なお、上記反応により
得られる硬化性ホスファゼン化合物は、原料であるクロ
ロホスファゼンの塩素原子が、上述した置換基で全てが
置換されていることが好ましいが、一部塩素が残留して
いてもよい。
【0039】本発明の乳化物は、前記(A)成分の硬化
性ホスファゼン化合物を必須成分として、その他必要に
応じて前記(A)成分の硬化性ホスファゼン化合物と共
重合可能な単量体(共重合用単量体)あるいはその他の
添加剤として、紫外線吸収剤,帯電防止剤,防曇剤,潤
滑剤等を配合し、(B)成分の乳化剤を用いて(C).
水に分散させることによって得ることができる。ここ
で、(A),(B),(C)およびその他の各成分を分
散させるにあたって、それぞれの組成比には、特に限定
はないが、硬化性ホスファゼン化合物の固形分濃度とし
ては、通常5〜80重量%である。そして、(A)成分
の硬化性ホスファゼン化合物と共重合可能な単量体(共
重合用単量体)としては、シリコーン変性硬化性化合
物、重合性プレポリマー、さらにはアクリロイル基,メ
タクリロイル基,ビニル基あるいはアリル基をもつ重合
性単量体など、反応性二重結合を有する化合物をあげる
ことができる。ここで、シリコーン変性硬化性化合物と
して、1分子中にシリコーン(シラン)基と好ましくは
(メタ)アクリレート基とを有する化合物であれば特に
制限がない。
【0040】シリコーン変性硬化性化合物の具体例とし
ては、シリコーン変性ウレタンアクリレート,(メタ)
アクリロキシシラン化合物および(メタ)アクリレート
変性ポリシロキサンなどを挙げることができる。また、
(メタ)アクリロキシシラン化合物として、例えばγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げ
られる。(メタ)アクリレート変性ポリシロキサンとし
ては、1分子中にシリコーン(シラン)基と(メタ)ア
クリレート基を含有する化合物がある。上記硬化性ホス
ファゼン化合物とシリコーン変性硬化性化合物との配合
割合は、特に制限がなく、シリコーン変性硬化性化合物
の種類により適宜選定すればよい。通常は、硬化性ホス
ファゼン化合物20〜99.5重量部、シリコーン変性硬
化性化合物0.5〜80重量部である。好ましくは、硬化
性ホスファゼン化合物40〜99重量部、シリコーン変
性硬化性化合物1〜60重量部である。
【0041】また、アクリロイル基,メタクリロイル基
などを有する重合性単量体の具体例としては、メチル
(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート,2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト,2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど
の単官能基、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート,1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト,1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト,エチレングリコールジ(メタ)アクリレート,ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート,トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート,テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート,ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート,ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート,ヒドロキシビバリン酸エス
テルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートな
どの2官能基、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート,ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート,ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レートなどの3官能基以上の多官能化合物を挙げること
ができる。
【0042】一方、重合性プレポリマーとしては、例え
ば、ポリエステル(メタ)アクリレート,ポリウレタン
(メタ)アクリレート,エポキシ(メタ)アクリレー
ト,ポリエーテル(メタ)アクリレート,メラミン(メ
タ)アクリレート,オリゴ(メタ)アクリレート,アル
キド(メタ)アクリレート,ポリオール(メタ)アクリ
レート,シリコン(メタ)アクリレートなど(メタ)ア
クリロイル基を少なくとも1個有するプレポリマーが挙
げられる。特に好ましいプレポリマーはポリエステル,
エポキシ,ポリウレタンの各(メタ)アクリレートであ
る。上記ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、
例えば、エチレングリコール,1,4−ブタジオール,
1,6−ヘキサンジオール,ジエチレングリコールトリ
メチロールプロパン,ジプロピレングリコール,ポリエ
チレングリコール,ポリプロピレングリコール,ペンタ
エリスリトール,ジペンタエリスリトールなどの多価ア
ルコールと、フタル酸,アジピン酸,マレイン酸,トリ
メリット酸,イタコン酸,コハク酸,テレフタル酸,ア
ルケニルコハク酸などの多塩基酸とからポリエステルを
得、次いで、これを(メタ)アクリル化したものが挙げ
られる。 上記(メタ)アクリル化したものとしては、
アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール/(メタ)アク
リル酸系、無水フタル酸/プロピレンオキシド/(メ
タ)アクリル酸系、トリメリット酸/ジエチレングリコ
ール/アクリル酸系などのポリエステル(メタ)アクリ
レートを挙げることができる。エポキシ(メタ)アクリ
レートは、エポキシ樹脂のエポキシ基を(メタ)アクリ
ル酸でエステル化し、官能基を(メタ)アクリロイル基
としたものである。この具体例としては、ビスフェノー
ルA−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂/(メタ)ア
クリル酸系、フェノールノボラック−エピクロルヒドリ
ン型エポキシ樹脂/(メタ)アクリル酸系、脂環型エポ
キシ樹脂/(メタ)アクリル酸系などのエポキシ(メ
タ)アクリレートが挙げられる。上記ポリウレタン(メ
タ)アクリレートとしては、例えば、トリレンジイソシ
アネートのようなイソシアネート化合物と、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートのようなヒドロキシル
基を有する(メタ)アクリレートとを反応させることに
より得られる。この場合、分子の中央部はポリエステル
構造をもち、両端にイソシアネート基を配置し(メタ)
アクリル化することが多い。また、ウレタン化合物とし
ては、例えば油変性ポリウレタン樹脂系,湿気硬化性ポ
リウレタン樹脂系,ブロック型ポリウレタン樹脂系およ
び触媒硬化ポリウレタン樹脂系などが挙げられる。エポ
キシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂に適当な硬
化剤を添加したもの、エポキシ樹脂と脂肪酸との反応に
よってエステル化したもの、エポキシ樹脂とアルキド樹
脂とを併用したものなどが挙げられる。シリコーン化合
物としては、例えば、モノメチルまたはモノエチルトリ
クロロシランに少量のジメチルジクロロシラン,ジエチ
ルジクロロシランを混合し、反応させて得られた初期縮
合物などが挙げられる。得られた初期縮合物は、通常、
適当な溶剤に溶解し、必要に応じて可溶性脂肪酸塩やジ
ンクオクチネートなど硬化促進剤を添加して用いられ
る。
【0043】また、(B)成分の乳化剤としては、通常
使用されている各種の界面活性剤を用いることができ
る。具体的には、例えば、陰イオン界面活性剤,陽イオ
ン界面活性剤,非イオン界面活性剤あるいは両性イオン
界面活性剤を挙げることができる。すなわち、陰イオン
界面活性剤としては、例えば、RCOOM(式中、Mは
アルカリ金属である)で表される脂肪酸塩(たとえば、
RCOONaのセッケン),アルキル硫酸ナトリウム
(RSO4 Na),アルキルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム等を挙げることができる。また、陽イオン界面活性
剤としては、例えば、アルキルアンモニウムクロリド,
トリメチルアルキルアンモニウムブロミド,アルキルピ
リジウムクロリド等を挙げることができる。さらに、非
イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル,ポリオキシエチレンソルビタンアルキル
エステル等を挙げることができる。そして、両性イオン
界面活性剤としては、例えば、アルキルアミノ酸等であ
る。これらの各種界面活性剤において、アルキル基とし
ては、炭素数8〜18の飽和または不飽和炭化水素基で
ある。
【0044】さらに、本発明の乳化物には、(C)成分
である水の他に、有機溶剤として,例えば、メチルエチ
ルケトン,メチルイメブチルケトンなどのケトン類、2
−プロパノール,1−ブタノールなどのアルコール類、
セロソルブル類、酢酸エステル類、エーテル類、芳香族
炭化水素などを単独で、あるいは適宜混合して用いるこ
ともできる。ここで、有機溶剤を用いる場合、水に対す
る有機溶剤の配合量は、環境汚染や作業環境に悪影響を
及ぼさず、かつ(A)硬化性ホスファゼン化合物の硬化
重合を妨げない範囲で可及的に少なくすべきであって、
水100重量部に対して0〜100重量部で、好ましく
は0〜50重量部である。そして、本発明の乳化物に
は、目的を損なわない範囲で各種の添加剤を配合しても
よい。ここで、添加剤としては、通常の紫外線吸収剤,
帯電防止剤,防曇剤,発色剤,無機充填剤,有機充填
剤,潤滑剤などがあげられる。無機充填剤としては、微
粉末状のシリカ,タルク,アルミナ,ガラス,ケイ酸バ
リウム,窒化ケイ素,炭化ケイ素,セラミック等(溶剤
分散型でもよい)を使用することができる。また、有機
充填剤としては、微粉末状のアクリル樹脂,ベンゾグア
ニミン樹脂,メラミン樹脂系の硬化樹脂などが挙げられ
る。そして、充填剤を用いることによって、硬化性表面
層の光沢は、完全クリアから、通常の艶消剤の添加によ
って完全艶消し迄制御することができる。潤滑剤として
は、液体,固体,グリース状のいかなる性状のものでも
よく、シリコーン系,フッ素系、その他合成潤滑剤、あ
るいはテフロン微粒子,二硫化モリブデンなどを用いる
ことができる。
【0045】本発明の硬化体は、基材の表面に、前記乳
化物を塗布し、(A)硬化性ホスファゼン化合物を重合
し、硬化させて硬化樹脂表面層を形成することによって
得られる。この乳化物を基材の表面に、塗布し、硬化さ
せるには、常温硬化方法を利用することもできるが、得
られる硬化樹脂表面層の特性を考慮すると、加熱硬化方
法および活性エネルギー線(可視光線,紫外線,電子
線,X線,γ線など)を照射して硬化する方法を利用す
るのが好ましい。したがって、この乳化物を調製するあ
たっては、(A)成分の硬化性ホスファゼン化合物の重
合あるいは共重合後の硬化方法によってその調製方法を
変えることになる。すなわち、上記重合あるいは共重合
を行う際、加熱硬化方法を利用する場合には、必要に応
じ、重合開始剤として過酸化物系の化合物,アゾ化合物
を単独または組み合わせて使用することが好ましい。こ
こで、過酸化物系の化合物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド;p−クロロベンゾイルパーオキサイ
ド;2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド;t−
ブチルヒドロパーオキサイド;ジ−t−ブチルパーオキ
サイド;ジクミルパーオキサイド;t−ブチルパーオキ
シアセテート;t−ブチルパーオキシベンゾエートなど
を挙げることができる。また、他の過酸化物(過硫酸
塩,レドックス系)も使用することができ、この過硫酸
塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム,過硫酸カリ
ウムなど、レドックス系としては、過酸化水素−金属
塩,有機過酸化物−金属塩,有機過酸化物−脂肪族また
は脂環式ポリアミン化合物,有機過酸化物−ジメチルア
ニリン,重クロム酸カリウム−金属酸化物など、アゾ化
合物としては、芳香族ジアゾアミノ化合物,芳香族ジア
ゾチオエーテル,芳香族ジアゾオキシ化合物,脂肪族ジ
アゾ化合物などを挙げることができる。なお、加熱硬化
方法では、硬化性組成物の塗布量や塗布スピード等の条
件によって相違するが、100℃以上で完全に硬化させ
ればよい。
【0046】一方、上記重合あるいは共重合を行う際、
紫外線,電子線あるいは可視光線等の活性エネルギー線
による硬化方法を利用する場合には、必要に応じ、重合
開始剤(光増感剤)を使用することが好ましい。かかる
重合開始剤としては、各種のものを用いることができ
る。具体的には、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン,ジベンゾイル,ベンゾイル,ベンゾ
インメチルエーテル,ベンゾインエチルエーテル,p−
クロロベンゾフェノン,p−メトキシベンゾフェノン,
ベンゾイルパーオキサイド,ジ−t−ブチルパーオキサ
イド及びカンファキノン等を挙げることができる。これ
らの反応開始剤は、単独であるいは組合わせて用いるこ
とができる。これらの重合開始剤の配合量は、硬化性ホ
スファゼン化合物100重量部に対して、通常は0.05
〜5.0重量部の範囲で用いられる。なお、この活性エネ
ルギー線による硬化方法では、例えば、紫外線の場合で
は、波長が200〜550nmの範囲にある紫外線を1
秒以上照射、好ましくは3〜300秒照射すればよい。
ここで、照射光線の積算光量は、通常500〜5,000
mJ/cm2 である。ここで、重合開始剤の使用量は、
硬化性化合物100重量部に対して、通常0.1〜5.0重
量部の範囲で選ばれる。
【0047】ここで、硬化樹脂表面層を設けるあたって
調製される乳化物の成分組成の一例を示すと次の通りで
ある。 (a)硬化性ホスファゼン化合物 100重量部 (b)硬化性ホスファゼン化合物と共重合 可能な単官能性単量体及び/又は 多官能性単量体 0〜100重量部 (c)水または有機溶剤を配合した水 (d)光反応開始剤あるいは熱重合開始剤 0.05〜5重量部 〔(a)と(b)の合計100重量部に対して〕 (e)その他添加剤 このような配合組成からなる乳化物は、顔料の分散に一
般的に用いられている分散・攪拌機で十分に攪拌,分散
されて調製される。この乳化物の調製に用いられる分散
・攪拌機としては、各種のものを用いることができる。
具体的には、例えば、サンドミル,ロールミル,ボール
ミル,超音波分散機,マイクロフルイダイザー分散機等
を挙げることができる。
【0048】本発明の硬化体は、このようにして調製さ
れた乳化物を基材の表面に、塗布し、硬化させるが、基
材の表面には、通常のコーテイングに採用されているコ
ーター(例えば、スピンコーター,グラビアコーター,
ロールコーター,カーテンコーター,バーコーター,ブ
レードコーター,ドクターコーター,スプレーコーター
など)で塗布した後、必要に応じて水及び溶剤を除去す
る。次いで、前記の硬化方法で硬化させ、ホスファゼン
系重合体の硬化樹脂表面層を形成することによって得る
ことができる。この硬化樹脂表面層を形成すべき基材と
しては、例えば、各種プラスチック,金属,紙,木材,
セラミックス等及びこれらの2種以上を混合し複合化し
たもの等を用いることができる。これらは、フイルム,
シート,板状体等形状に制限なく用いることができる。
具体的には、例えば、熱可塑性樹脂として、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリカーボネー
ト樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂等を用いた
基材が挙げられる。また、熱硬化性樹脂として、不飽和
ポリエステル樹脂,フェノール樹脂等を用いた基材であ
る。かくして基材の表面に形成される硬化樹脂表面層の
厚さは、通常は1μm以上、好ましくは5〜100μm
で高硬度で、耐擦傷性,耐汚染性,耐熱性に優れた硬化
物を得ることができる。
【0049】
【実施例】次に、製造例,処方例および実施例に基づい
て、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。 製造例1 硬化性ホスファゼン化合物(A)の製造 温度計,攪拌装置,滴下漏斗およびコンデンサーを取り
付けた2リットル容のフラスコに、ヘキサクロロシクロ
トリホスファゼン〔式(NPCl2)3 の環状化合物〕8
6.8gを脱水ベンゼン338gに溶解した。このベンゼ
ン溶液に310gのピリジンおよび0.29gのヒドロキ
ノンを加えて攪拌した。次に、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート200ミリリットルを237ミリリットル
のベンゼンに溶解し、この溶液を上記フラスコ中に滴下
し、60℃で30時間かけて反応させた。反応後、濾過
してピリジンの塩酸塩を除去した。濾液を水洗し、次い
で、芒硝を用いて乾燥させ、減圧蒸留により溶剤を除去
して、粘稠性の1, 1, 3, 3, 5, 5−ヘキサ( メタ
クリロイルエチレンジオキシ)シクロトリホスファゼン
〔硬化性ホスファゼン化合物(A)〕200gを得た。
【0050】製造例2 硬化性ホスファゼン化合物(B)の製造 温度計、攪拌装置、滴下ロートおよびコンデンサーを取
り付けた2リットル容のフラスコに、テトラヒドロフラ
ン300ミリリットルおよび金属ナトリウム25.5gを
投入した後、これにフェノール104.3g( 1.11モ
ル)を滴下し、滴下終了後、3時間かけて還流しフェノ
ラートを得た。次に、ヘキサクロロシクロトリホスファ
ゼン193g( 0.555モル)をベンゼン400ミリリ
ットルに溶解した溶液を上記の反応液中に滴下し、還流
下に4時間かけて反応を進行させた。次いで、反応液の
温度を室温にまで冷却し、ピリジン352g( 4.45モ
ル)を加え、さらに、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート381g( 2.45モル)を滴下漏斗から徐々に滴下
した。さらに、湯浴にて60℃に加熱し、攪拌しながら
20時間反応を行い、析出した結晶および触媒を濾別
し、得られた濾液中の溶媒を減圧蒸留により除去し、残
渣を充分乾燥させて、黄色液状物〔硬化性ホスファゼン
化合物(B)〕452gを得た.
【0051】処方例1 乳化物(A)の処方 乳化物組成配合(I) (I)液 硬化性ホスファゼン化合物(A) 30g 過酸化ベンゾイル(熱重合開始剤) 1g エタノール 10g (II) 液 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1g 水 58g (I)液に(II) 液を加え、十分攪拌して本発明の乳化
物(A)を調製した。
【0052】処方例2 乳化物(B)の処方 乳化物組成配合(I) (I)液 硬化性ホスファゼン化合物(B) 30g イルガキュア 184(光重合開始剤) 1g トルエン 20g (II) 液 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5g 水 48g (I)液に(II) 液を加え、十分攪拌して本発明の乳化
物(B)を調製した。
【0053】処方例3 乳化物(C)の処方 (I)液 硬化性ホスファゼン化合物(B) 30g 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1g (光重合開始剤) (II) 液 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1g 水 68g (I)液に(II) 液を加え、十分攪拌して本発明の乳化
物(C)を調製した。
【0054】実施例1 基材として、厚さ2mmの鋼板(ごみ,油,水分,塩分
などを除去した)の表面に、エアスプレーを用いて乳化
物(A)を塗布した後、150℃で20分間乾燥して硬
化し、厚さ10μmの硬化樹脂表面層(ドライ)を設け
た。 実施例2 基材として、厚さ2mmの鋼板(ごみ,油,水分,塩分
などを除去した)の表面に、エアスプレーを用いて乳化
物(B)を塗布した後、80℃で20分間乾燥し、さら
に高圧水銀灯にて250mJ/cm2 紫外線を照射し、
厚さ10μmの硬化樹脂表面層(ドライ)を設けた。 実施例3 乳化物(C)を用いた他は、実施例2と同様にした。
【0055】処方例および実施例で得られた乳化剤およ
び硬化樹脂表面層について、その物性評価として乳化安
定性,密着性,硬度,耐汚染性等を試験した。その評価
結果を第1表に示す。なお、各試験項目の品質規格は第
2表に従った。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】以上の如く、本発明の乳化物は、安定性
に問題はなく、またこの乳化物を用いた硬化樹脂表面層
は、高硬度で、密着性に優れ,耐汚染性,耐沸騰水性お
よび塩水粉霧試験にも合格しており、優れたものであ
る。したがって、本発明の乳化物は、自動車,建材,木
工品,床材などの各種コーティング材,保護膜形成材,
充填硬化材として有効に利用される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)硬化性ホスファゼン化合物,
    (B)乳化剤及び(C)水を主成分とする乳化物。
  2. 【請求項2】 基材の表面に、(A)硬化性ホスファゼ
    ン化合物,(B)乳化剤及び(C)水を主成分とする乳
    化物を塗布、硬化させて硬化樹脂表面層を形成してなる
    硬化体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008088217A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fushimi Pharm Co Ltd 反応性基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008088217A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fushimi Pharm Co Ltd 反応性基含有環状ホスファゼン化合物からなる難燃剤およびその製造方法

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