JPH0522165U - 貨客兼用車両の後部座席装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 座席のスライド位置に関係なく、後部座席部
を荷物室として最大限に拡大可能にする。 【構成】 車両床面に固設されるロアレール１と、ロア
レール１に摺動可能に嵌められるアッパレール２と、ア
ッパレール２側に摺動可能に支持されるスライドロッド
１０と、スライドロッド１０の前端側に回動可能に支持
されるシートクッションＢを設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車等に使用される座席に関し、特に貨客兼用車両の後部座席装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

車両の車室内後部に荷物等が積載可能な貨客兼用自動車は、後部座席が必要に 応じて折り畳み可能に載置され、後部座席を折り畳むことにより、車両後部の荷 物室を最大限に拡大し得る構造となっている。図６に示すように、シートクッシ ョン１０１を車両床面１０２に支持された軸１０３を中心として前方へ起立させ （矢印Ｅ）、前部座席のシートバック１０６の背面１０６ａに当接させる。他方 、シートバック１０４を軸１０５を中心として前方へシートクッション１０１が 除かれた車両床面１０２へ倒す（矢印Ｆ）ことで、後部座席部を荷物室として使 用可能となる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

近年、２ボックスタイプの自動車をはじめとする貨客兼用車両に対する用途が 多様化し、後部座席を座席として使用する際には後部座席が車両の前後方向にス ライド可能であるとともに、後部座席部を荷物室として使用する際には荷物室が 最大限に拡大可能となる貨客兼用の自動車が強く望まれるようになってきた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、車両床面に固設されるロアレールと、ロアレールに摺動可能に嵌め られるアッパレールと、アッパレール側に摺動可能に支持されるスライドロッド と、スライドロッドの前端側に回動可能に支持されるシートクッションとを設け たことを特徴とする。

【０００５】

【作用】 シートクッションＢは、アッパレール２に対して回動するとともに、アッパレ ール２に対して車両の前後方向にスライドする。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を説明する。

【０００７】 図１及び図２において、車両床面に固設されるロアレール１には、アッパレー ル２が摺動可能に嵌められている。アッパレール２には、アッパレール２の長手 方向にロアアーム３が立設されている。

【０００８】 ロアアーム３の後端部には、第１のアッパアーム４及び第２のアッパアーム５ がピン１９を中心に回動可能に枢着されている。第１のアッパアーム４には図示 していないリクライニング機構が設けられており、第１のアッパアーム４を任意 の角度に保持できるようになっている。第２のアッパアーム５にはピン６により フック７が回動可能に枢着されている。フック７は、一端が第２のアッパアーム ５に、他端がフック７にそれぞれ係止されたスプリング８により時計方向に付勢 され、第１のアッパアーム４に立設されたロックピン９に係止されている。した がって、第１のアッパアーム４の傾斜角度を変位させると、第２のアッパアーム ５も同様に変位する。フック７には係止解除ハンドル７ａが延設されている。

【０００９】 ロアアーム３の前端部には、スライドロッド１０が、ロアアーム３に固着され たブラケット１１に摺動可能に支持されている。スライドロッド１０の先端部に 固着されたプレート１２の下端部には、シートクッションフレーム１４の前部か ら下方に延出して設けられたシートクッション支持脚１４ａの下端部がピン１３ により回動可能に枢着されている。

【００１０】 シートクッションフレーム１４の後端部には、フック１５がピン１６を中心に 回動可能に枢着されている。フック１５は、一端がシートクッションフレーム１ ４に、他端がフック１５にそれぞれ係止されたスプリング１７により時計方向に 付勢され、ロアアーム３に立設されたロックピン１８に係止されている。フック １５には係止解除ハンドル１５ａが延設されている。なお、第２のアッパアーム ５にはシートバックＡ（図２）が、シートクッションフレーム１４にはシートク ッションＢがそれぞれ固設されている。

【００１１】 図２乃至図５を用いて、本考案の作動を説明する。

【００１２】 図３は、車両床面に固設されたロアアーム１に対して、シート２０を最後方位 置にスライドさせた状態を示す。 図２及び図３において、フック１５に延設された係止解除ハンドル１５ａをス プリング１７の付勢力に抗して反時計方向に回動させ、フック１５とロックピン １８の係止を解除する。係止解除状態を保持させつつ、シートクッションフレー ム１４（シートクッションＢ）をピン１３を中心に反時計方向に回転させ、鎖線 で示す位置（シートクッションＢＢ）に起立させる。

【００１３】 図４は、図３において起立させたシートクッションＢＢを前方に摺動させ、前 部座席の背面Ｃに当設させた状態を示す。 図３において、起立させたシートクッションＢＢは、ロアアーム３に対して前 後方向に摺動可能に支持されたスライドロッド１０の前端側に支持されているた め、起立させた状態を保持しつつ前方に変位させ、図４に示すようにシートクッ ションＢＢを前部座席の背面Ｃに当接させる。

【００１４】 図５は、図４におけるシートバックＡを前方に倒し、後部座席部を荷物室とし て使用可能にした状態を示す。 図２及び図４において、フック７に延設された係止解除ハンドル７ａをスプリ ング８の付勢力に抗して反時計方向に回転させ、フック７とロックピン９の係止 を解除する。係止解除状態を保持させつつ、シートバックＡをピン１９を中心と して反時計方向に回転させ、図５に示す位置（シートバックＡＡ）に前倒させる 。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように、本考案は、後部座席部を荷物室として使用可能とした貨客兼用 の自動車において、後部座席にシートスライド機構を有するとともに、後部座席 のスライド位置に関係なくシートクッションを所定位置に変位可能に設けたもの である。

【００１６】 本考案によれば、後部座席着座時には、座席を所望の位置にスライドさせるこ とができ、後部座席を荷物室として使用する際には、座席のスライド位置に関係 なく後部座席部を荷物室として最大限に拡大可能にした後部座席装置が実現でき る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の後部座席装置の構成図である。

【図２】図１における要部詳細図である。

【図３】本考案の後部座席装置の作動を示す構成図であ
る。

【図４】本考案の後部座席装置の作動を示す構成図であ
る。

【図５】本考案の後部座席装置の作動を示す構成図であ
る。

【図６】従来の後部座席の作動を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ロアアーム ２ アッパアー
ム ３ ロアアーム ４ 第１のアッ
パアーム ５ 第２のアッパアーム ７ フック ９ ロックピン １０ スライドロ
ッド １４ シートクッションフレーム １５ フック １８ ロックピン ２０ シート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 後部座席部を荷物室として使用可能に構
   成された貨客兼用車両の後部座席において、車両床面に
   固設されるロアレールと、該ロアレールに摺動可能に嵌
   められるアッパ−レ−ルと、該アッパレール側に摺動可
   能に支持されるスライドロッドと、該スライドロッドの
   前端側に回動可能に支持されるシートクッションを設け
   たことを特徴とする貨客兼用車両の後部座席装置。