JP4533208B2 - 車両のシート構造 - Google Patents
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Description
この特許文献1では、左右一対の揺動アームの夫々は、側面視がL字状に形成され、シートクッションが使用位置に位置するときに、その前方端側が立壁面の中間部に揺動自在に連結され、かつ、その後方端側がシートクッションの下面に対して相対回転自在に連結されている。そして、シートクッションが後方フロア面上に位置するときを使用位置とし、シートクッションが前方フロア面上に位置するときを非使用位置としている。
また、上記特許文献1の如く、車両のフロアでシートクッションの全体を受け止めるためには、シートクッションの底面部に凹凸の受座などを設ける必要が生じて、コストアップに繋がる。
前記揺動アームの車両左右方向での内側には、前記シートクッションが前記非使用位置に位置するときにはシートクッションの底面部を受け止め支持せずに、前記シートクッションが前記使用位置に位置するときにシートクッションの底面部を受け止め支持する受止部が設けられ、前記車体側連結部分が、前記シートクッションの横幅方向において、前記シートクッションよりも外側に配置され、前記受止部は、前記シートクッションが前記使用位置に位置するときに、前記車体側連結部分よりも上方に位置するように設けられ、前記揺動アームは、前記シートクッションが前記使用位置に位置するときに、車両前後方向において、前記車体側連結部分が前記シートクッションの前端位置と同じ位置またはその前端位置よりも後方側に位置するように配設され、かつ、前記シート側連結部分が前記受止部の後端よりも前記シートクッションの後端に近い後方側寄りの位置に位置するように配設されている点にある。
そして、受止部は、揺動アームと一体的に揺動して車両前後方向の前方側に移動するので、受止部がシートクッションの使用位置から非使用位置への移動を邪魔することなく、受止部を使用位置よりも前方側に移動させることが可能である。
そして、シートクッションが非使用位置に位置するときには、受止部を使用位置よりも前方側に移動させることにより、使用位置を荷室空間として有効に利用することができる。また、シートクッションを非使用位置に移動させるのに加えて、シートバックも前方側に前倒しする場合に、受止部が邪魔になることを防止できる。
しかも、揺動アームは、シートクッションが使用位置に位置するときに、車両前後方向において、車体側連結部分がシートクッションの前端位置と同じ位置またはその前端位置よりも後方側に位置するので、車体側連結部分がシートクッションよりも前方側に飛び出すことなく、揺動アームがシートクッションに着座する着座者の邪魔となるのを防止できる。
この車両のシート構造は、側面図である図1に示すように、車両のリアシートに用いられる。このリアシートのシート本体1は、シートクッション2とシートバック3とからなり、シートクッション2とシートバック3とは、分割して形成されている。
図1(イ)は、シートクッション2が使用位置に位置するときを示しており、図1(ロ)は、シートクッション2が非使用位置に位置するときを示している。
このように、左右一対の揺動アーム4は、横軸心T1周りで揺動しかつシートクッション2と相対回転することによって、使用位置とその使用位置よりも前方側でかつ使用位置よりも低い非使用位置との間でシートクッション2を移動させる。
そして、シートクッション2の側面部2aには、その下方側を切り欠いた切欠空間10が形成されており、その切欠空間10に揺動アーム4の直線部分4cを配置させている。
このようにして、シートクッション2の横幅方向において、揺動アーム4のうち、車体側連結部分4aをシートクッション2よりも外側に配置させ、かつ、車体側連結部分4a以外の部分をシートクッション2の内側に配置させている。
この受止部11は、左右一対の揺動アーム4にわたる直線板状に形成され、シートクッション2の前方側において、シートクッション2の底面部に設けられたクッションゴムなどの弾性体12を受け止め支持する。
また、この受止部11は、シートクッション2が使用位置に位置するときに、揺動アーム4の直線部分4cの前端上方部分に設けられ、揺動アーム4の車体側連結部分4aの上方に配設されている。
そして、このシートバック3も、シートクッション2と同様に、図1(イ)に示す使用位置と図1(ロ)に示す非使用位置とに揺動自在に設けられている。
このとき、シートクッション2は、受止部11にて受け止め支持されるので、シートクッション2の後端部を第三フロア面P3に設けた支持部5にて支持するだけで、シートクッション2を支持することができる。そして、この受止部11にてシートクッション2を受け止め支持することにより、シートクッション2を薄く仕上げることができ、コスト低減に繋がる。
また、受止部11は、揺動アーム4の車体側連結部分4aの上方に位置するので、受止部11および揺動アーム4にてシートクッション2の荷重をしっかりと受け止め支持することができ、シートクッション2が安定する。
シートクッション2およびシートバック3を非使用位置に移動させる場合には、図1(イ)において、まず、シートクッション2を使用位置から非使用位置に移動させ、次に、シートバック3を使用位置から前方側へ前倒しすることにより非使用位置に揺動させる。
前記車体側連結部分4aは、シートクッション2の横幅方向においてシートクッション2よりも外側に配置されているので、シートバック3を前倒しするときに、揺動アーム4が邪魔となることを防止できる。
このようにして、シートクッション2を非使用位置に位置させかつシートバック3も非使用位置に位置させると、シートバック3の高さが第四フロア面P4とほぼ同じ高さにすることができる。そして、シートバック3を極力低い位置まで前倒しできることにより、第四フロア面P4の高さを極力低くできる。
(1)上記実施形態では、シートクッション2とシートバック3とを分割して形成したシート本体1を例示したが、図4に示すように、シートクッション2とシートバック3とを一体的に形成したシート本体1にて実施することもできる。図4(イ)は、シートクッション2が使用位置に位置するときを示しており、図4(ロ)は、シートクッション2が非使用位置に位置するときを示している。
この場合には、シートバック3は、揺動支持部材15によりシートクッション2に揺動自在に支持されており、図4(ロ)に示すように、シートクッション2を非使用位置に移動させたときには、シートバック3をシートクッション2に対して揺動支持部材15により前倒しさせる。
この場合には、揺動アーム4の車体側連結部分4aを第七フロア面P7に揺動自在に連結し、第九フロア面P9にて使用位置に位置するシートクッション2の後端部を支持する。
この場合には、揺動アーム4の車体側連結部分4aを第十二フロア面P12に揺動自在に連結する。また、揺動アーム4を、シート側連結部分4bから下方側に延びる下方直線部分4dを備えた側面視でコ字状に形成する。そして、下方直線部分4dの下端部をフロアPに取り付け、この下方直線部分4dにてシートクッション2の後方側を支持することができる。
このように、揺動アーム4を側面視でコ字状に形成したときには、シートクッション2の横幅方向において、揺動アーム4の全体をシートクッション2よりも外側に位置するように配設することにより、揺動アーム4がシートバック3の前倒しの邪魔になるのを防止できる。
この場合には、揺動アーム4の車体側連結部分4aを第十四フロア面P14に揺動自在に連結し、第十五フロア面P15にて使用位置に位置するシートクッション2の後端部を支持する。
そして、図6に示すように、受止部11にてシートクッション2の前端部を受け止め支持することにより、この受止部11によるシートクッション2の前端部の受け止め支持と第十五フロア面P15によるシートクッション2の後端部の支持とによって、使用位置に位置するクッション2がより安定したものとなる。
例えば、図7に示すように、左右一対の揺動アーム4の夫々からシートクッション2の横幅方向に設定長さだけ延びる形状の受止部11を車両前後方向に間隔を隔てて複数配設して実施することも可能である。また、図7において、受止部11の数については、一つや四つ以上でもよく、適宜変更が可能である。
この場合には、弾性体12をシートクッション2の側面部2aよりも外側に突出するように設け、この弾性体12を受止部11にて受け止め支持する。また、図示は省略するが、揺動アーム4を適宜屈曲させることにより、シート側連結部分4bをシートクッション2の側面部2aに相対回転自在に連結する。
このように、受止部11をシートクッション2の側面部2aよりも外側に位置させることにより、シートバック3を前倒しするときに、シートクッション2の横幅方向において、シートバック3よりも外側に受止部11が位置することになり、受止部11が邪魔になるのを確実に防止できる。
例えば、図9に示すように、車体側連結部分4aを有する第一アーム部材17とシート側連結部分4bを有する第ニアーム部材18とを横軸心T4周りで相対回転自在に連結して、第一アーム部材17と第ニアーム部材18とから揺動アーム4を構成する。
このとき、第一アーム部材17と第ニアーム部材18との連結部分には、横軸心T4周りに揺動自在なストッパ部材19を設ける。そして、図9(イ)に示すように、シートクッション2が使用位置に位置するときには、受止部11がストッパ部材19の揺動を規制することにより、第一アーム部材17と第ニアーム部材18との相対回転を規制し第一アーム部材17と第ニアーム部材18とが一直線状になる姿勢に維持させる。このように、第一アーム部材17と第ニアーム部材18との相対回転を規制するための部材を受止部11が兼用することもできる。
シートクッション2を第一非使用位置に位置させたときには、シートクッション2とシートバック3との間を荷室空間として利用できる。
例えば、図5に示すように、揺動アーム4を側面視でコ字状に形成することができる。この場合には、揺動アーム4における下方直線部分4dの下端部をフロアPに取り付けることにより、下方直線部分4dにてシートクッション2の後方側を支持することができる。
そして、下方直線部分4dの下端部をフロアPに取り付ける際に、ロック機構16により下方直線部分4dの下端部をフロアPにロックすることができる。このロック機構16は、下方直線部分4dの下端部に形成された凹部16aと、第三フロア面P3に形成された被係合部16bとからなり、凹部16aを被係合部16bに係合することによりロックする。
この場合には、支持部の形状や長さをなどを適宜変更することにより、車両前後方向において、シートクッション2のどの位置に受止部11を位置させるかを適宜変更することができる。
2 シートクッション
2a 側面部
4 揺動アーム
4a 車体側連結部分
4b シート側連結部分
11 受止部
Claims (1)
- シート本体のシートクッションを、着座者が着座可能な使用位置と、着座者が着座する着座面部が上向きの状態のままで前記使用位置よりも車両前後方向の前方側に移動した非使用位置とに位置変更自在な揺動アームが左右一対設けられ、これら左右一対の揺動アームの夫々は、前記シートクッションが前記使用位置に位置するときに、その前方端側の車体側連結部分が車体に対して前記シートクッションの横幅方向に沿う横軸心周りで揺動自在に連結され、かつ、その後方端側のシート側連結部分が前記シートクッションの側面部に相対回転自在に連結されている車両のシート構造であって、
前記揺動アームの車両左右方向での内側には、前記シートクッションが前記非使用位置に位置するときにはシートクッションの底面部を受け止め支持せずに、前記シートクッションが前記使用位置に位置するときにシートクッションの底面部を受け止め支持する受止部が設けられ、
前記車体側連結部分が、前記シートクッションの横幅方向において、前記シートクッションよりも外側に配置され、
前記受止部は、前記シートクッションが前記使用位置に位置するときに、前記車体側連結部分よりも上方に位置するように設けられ、
前記揺動アームは、前記シートクッションが前記使用位置に位置するときに、車両前後方向において、前記車体側連結部分が前記シートクッションの前端位置と同じ位置またはその前端位置よりも後方側に位置するように配設され、かつ、前記シート側連結部分が前記受止部の後端よりも前記シートクッションの後端に近い後方側寄りの位置に位置するように配設されている車両のシート構造。
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