JPH05221395A - 展開型トラス構造物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、軽量化の促進と共に、信頼性の高
い折畳み展開動作制御を実現し得るようにすることにあ
る。 【構成】第１乃至第３の連結棒１１，１２，１４を略三
角柱状にトラス結合して、その三角形状を形成する三角
連結部材１３の略中心部間に駆動部材１６を架設して端
部を折曲自在に結合すると共に、三角結合部材１３の一
方の結合部と他方における第２の連結棒１２の一端との
間に第４の連結部材１７を三角錘状に架設して、その底
辺側の一端を三角連結部材１３の一方の結合部に折曲自
在に結合し、頂点側の他端を相互に折曲自在に結合した
状態で駆動部材１６のボール螺子機構部１６ａに摺動自
在に結合して、このボール螺子機構部１６ａを回転駆動
して第４の連結棒１７の他端を駆動部材１６に沿って摺
動させることにより、折畳み展開される三角柱トラス１
０を用いて構造体２０を形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば宇宙基地を構
成する構造物や宇宙空間に構築されるアンテナ装置等に
用いられる展開型トラス構造物に関する。

【０００２】

【従来の技術】宇宙開発の分野においては、宇宙空間に
構築するパラボラアンテナ支持構造物等のトラス構造物
を、予め地上で、折畳んで宇宙航行体に搭載して、宇宙
空間まで輸送し、宇宙空間で展開させることにより、構
築する方法が考えられている。このような展開型のトラ
ス構造物としては、特開昭６１ー９８６９９号公報に記
載される連結棒を立方体状に組合わせ結合した展開トラ
スと称する２次元構造物等の各種のものが知られている

【０００３】ところが、従来の展開型トラス構造物で
は、いづれのものも、その構成上、構成部品が比較的多
くなるために、軽量化の促進が困難であると共に、信頼
性の高い動作制御を実現するのが困難であるという問題
を有していた。この問題は、特に、最近の宇宙開発の分
野において要請される大形化を促進した場合に、大きな
問題となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、展
開型トラス構造物にあっては、軽量化の促進が困難であ
ると共に、信頼性の高い動作制御を実現するのが困難で
あるという問題を有していた。

【０００５】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、軽量化の促進を図り得、且つ高精度で、信頼性の
高い動作制御を実現し得るようにした展開型トラス構造
物を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段及び作用】この発明は、中
間部に折曲部が設けられた第１の連結棒を三角形状に配
置して各結合部を折曲自在に結合したトラス要素の略中
心位置に、一端が相互に折曲自在に結合され、他端が各
結合部に架設されて折曲自在に結合される放射状の第２
の連結棒をトラス結合した三角連結部材を２個対向配置
して、前記トラス要素の各結合部間に第３の連結棒を架
設すると共に、前記三角結合部材の一方の結合部と他方
における第２の連結棒の一端との間に第４の連結部材を
三角錘状に架設して、底辺側の一端を前記三角結合部材
の一方の結合部に折曲自在に結合し、頂点側の他端を相
互に折曲自在に結合した複数の三角柱トラスを組合せた
構造体と、前記三角連結部材の第２の連結棒の一端間に
架設されて折曲自在に結合され、かつ、前記第４の連結
棒の頂点側の他端の結合部が摺動自在で、かつ折曲自在
に結合される駆動部材と、この駆動部材を駆動して前記
第４の連結棒の他端を摺動制御し、前記三角柱トラスの
第１乃至第３の連結棒を折曲制御して折畳み展開する駆
動手段とを備えて展開型トラス構造物を構成した。

【０００７】上記構成によれば、構造体は、伸縮駆動手
段が作動されて駆動部材が伸縮駆動されると、第４の連
結部材が結合部で折曲されることにより、三角柱トラス
を構成する第１乃至第３の連結部材が、それぞれ駆動部
材を中心として各結合部において折曲制御され、折り畳
み展開される。これにより、従来の立方体状の立体トラ
スに比して構成部品を大幅に削減した三角柱トラス構造
が実現され、構造体の軽量化と共に、信頼性の高い折畳
み展開動作が実現される。

【０００８】また、この発明は、中間部に折曲部が設け
られた第１の連結棒を三角形状に配置して各結合部を折
曲自在に結合した三角形状のトラス要素の略中心位置
に、一端が相互に折曲自在に結合され、他端が各結合部
に架設されて折曲自在に結合された放射状の第２の連結
棒をトラス結合した第１の三角連結部材、及前記トラス
要素の略中心位置において一端が相互に折曲自在に結合
され、他端が各結合部に架設されて折曲自在に結合され
た放射状のワイヤ部材をトラス結合した第２の三角連結
部材を対向配置して、これら第１及び第２の三角連結部
材のトラス要素の各結合部間に第３の連結棒を架設する
と共に、前記第１の三角連結部材のトラス要素の結合部
と第２の三角連結部材のワイヤ部材の中心との間に第４
の連結部材を略三角錘状に架設して、各端部を折曲自在
に結合した複数の三角柱トラスを組合せた構造体と、前
記第１及び第２の三角連結部材の第２の連結棒とワイヤ
部材の一端間に架設されて、前記第２の連結棒の一端が
折曲自在で、かつ摺動自在に結合され、かつ前記ワイヤ
部材の一端が折曲自在に結合される駆動部材と、この駆
動部材を駆動して前記三角柱トラスの第２の連結部を摺
動制御し、前記第１乃至第４の連結棒、ワイヤ部材を折
曲制御して折畳み展開する駆動手段とを備えて展開型ト
ラス構造物を構成した。

【０００９】上記構成によれば、構造体は、伸縮駆動手
段が作動されて駆動部材が伸縮駆動されると、第２の連
結棒とワイヤ部材間が伸縮制御されて、その結合部にお
いて折曲制御されることにより、三角柱トラスを構成す
る第１，第３及び第４の連結棒が、それぞれ駆動部材を
中心として各結合部において折曲制御され、折り畳み展
開される。これにより、従来の立方体状の立体トラスに
比して構成部品を大幅に削減した三角柱トラス構造が実
現され、構造体の軽量化と共に、信頼性の高い折畳み展
開動作が実現される。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の実施例に係る展開型トラス
構造物について、図面を参照して詳細に説明する。

【００１１】図１はこの発明による展開型トラス構造物
に適用される三角柱トラス１０を示すもので、例えば第
２図に示すように６個用いて宇宙空間に構築されてなる
アンテナ装置の構造体２０が組合わせ構成される。そし
て、この構造体２０は６個の三角柱トラス１０が隣接す
るトラスの対向面同士が共用され、その一方面には反射
鏡メッシュ（第２図中斜線で示す）２１がスタッド２２
を介してパラボラ形状に展張される。

【００１２】すなわち、上記三角柱トラス１０は中間部
に折曲部１１ａが設けられた同一長の３本の第１の連結
棒１１が三角形状に組合わされて、その結合部が折曲自
在に結合されてトラス要素が形成される。このトラス要
素の中心位置には放射状に折曲自在に結合された第２の
連結棒１２が配置されて、その先端部がトラス要素の結
合部に折曲自在に結合されて三角連結部材１３が形成さ
れる。

【００１３】この三角結合部材１３は２個が所定の間隔
を有して対向配置され、相互の連結棒結合部間に第３の
連結棒１４が架設されて、その両端が折曲自在に結合さ
れて三角柱形状にトラス結合される。そして、三角連結
部材１３間には、その略中心間に伸縮自在な駆動部材１
６が架設され、その端部が該第２の連結棒１２の基部の
中心部に折曲自在に結合される。この駆動部材１６は、
中間部に例えばボール螺子機構部１６ａが設けられてお
り、図示しない駆動モータを介して回転駆動される。

【００１４】また、三角連結部材１３間には３本の第４
の連結棒１７が、一方のトラス要素の結合部と他方の第
２の連結棒１２の中心部（言い換えれば駆動部材１６の
一端部）との間に略三角錘状に架設され、各底面側の端
部がそれぞれトラス要素の結合部に折曲自在に結合され
る。そして、この第４の連結棒１７の頂点側の端部は駆
動部材１６のボール螺子機構部１６ａに摺動自在に支持
される。

【００１５】上記構成において、複数の三角柱トラス１
０で構成される構造体２０は三角柱トラス１０の駆動部
材１６のボール螺子機構部１６ａが回転駆動されると、
第４の連結棒１７の頂点側の端部が該駆動部材１６に沿
って摺動される。すると、三角柱トラス１０は、その第
１乃至第４の連結棒１１，１２，１４，１７が折曲制御
されて図３中実線で示すように三角柱形状に展開され、
ここに折畳み収容された構造体２０が所望の形状に展開
されて反射鏡メッシュ２１が展張される。そして、展開
された構造体２０を折畳み収容する場合は、先ず、図示
しない指令部を介して複数の三角柱トラス１０の駆動部
材１６の上記駆動モータ（図示せず）があらかじめ設定
されている相関関係をもって駆動制御され、駆動部材１
６のボール螺子機構部１６ａが反転駆動される。する
と、三角柱トラス１０は、その第４の連結棒１７の他端
が反転摺動されることにより、第１乃至第３の連結部材
１１，１２，１４が、それぞれ駆動部材１６を中心とし
て図３中破線で示すように、折曲制御されて折り畳み展
開され、これにともなって構造体２０全体が折畳み収容
される。

【００１６】このように、上記展開型トラス構造物は、
第１乃至第３の連結棒１１，１２，１４を略三角柱状に
トラス結合して、その三角形状を形成する三角連結部材
１３の略中心部間に駆動部材１６を架設して端部を折曲
自在に結合すると共に、三角結合部材１３の一方の結合
部と他方における第２の連結棒１２の一端との間に第４
の連結部材１７を三角錘状に架設して、その底辺側の一
端を三角連結部材１３の一方の結合部に折曲自在に結合
し、頂点側の他端を相互に折曲自在に結合した状態で駆
動部材１６のボール螺子機構部１６ａに摺動自在に結合
して、このボール螺子機構部１６ａの回転駆動に連動し
て第４の連結棒１７の他端を駆動部材１６に沿って摺動
させることにより、第１乃至第４の連結棒１１，１２，
１４，１７が折曲制御されて折畳み展開される三角柱ト
ラス１０を用いて構造体２０を形成するように構成し
た。これによれば、三角柱トラス１０を形成する構成部
品が従来のようにボックス形状に結合した立体トラスに
比して効果的に削減されることにより、その軽量化の促
進と共に、動作制御の確実化が図れる。

【００１７】なお、この発明は上記実施例に限ることな
く、図４に示すように構成することも可能である。但
し、ここでは、前記第１図と同一部分については、同一
符号を付して、その説明を省略する。

【００１８】すなわち、三角柱トラス１０はトラス要素
の略中心位置に、一端が相互に折曲自在に結合され、他
端がトラス要素の各結合部に架設されて折曲自在に結合
された放射状の第２の連結棒１２をトラス結合した三角
連結部材１３と、トラス要素の略中心位置において一端
が相互に折曲自在に結合され、他端が各結合部に架設さ
れて折曲自在に結合された放射状のワイヤ部材１８をト
ラス結合したワイヤ三角連結部材１９を対向配置して、
これら三角連結部材１３とワイヤ三角連結部材１９のト
ラス要素の各結合部間に第３の連結棒１４を架設て端部
が折曲自在に結合される。また、三角柱トラス１０の三
角結合部材１３の結合部とワイヤ三角連結部材１９のワ
イヤ部材１８の中心との間には、第４の連結棒１７が架
設されて、端部が折曲自在に結合される。そして、この
三角柱トラス１０の第２の連結棒１２とワイヤ部材１８
の中心部間にはボール捩子機構部１６ａの設けられた駆
動部材１６が架設されて、その一端がワイヤ三角連結部
材１９の中心部に折曲自在に結合され、その他端が三角
連結部材１３の中心部に摺動自在で、かつ折曲自在に結
合される。

【００１９】上記構成において、三角柱トラス１０は、
駆動部材１６のボール螺子機構部１６ａが図示しない駆
動モータを介して回転駆動されると、そのボール螺子機
構部１６ａに係合される三角連結部材１３の第２の連結
棒１２が駆動部材１６に沿って摺動される。これにとも
なって、三角柱トラス１０は、その第１乃至第４の連結
棒１１，１２，１４，１７、ワイヤ部材１８が図５に示
すように折曲制御されて、折り畳み展開され、構造体２
０全体の折畳み展開を行う。

【００２０】また、上記各実施例では、駆動部材１６に
ボール螺子機構部１６ａを設け、このボール螺子機構部
１６ａを駆動モータ（図示せず）で駆動制御することに
より、第４の連結棒１７及び第２の連結棒１２を摺動す
るように構成したが、これに限ることなく、例えばばね
機構等の付勢力を利用して、第４の連結棒１７及び第２
の連結棒１２を摺動するように構成するように構成する
ことも可能である。よって、この発明は上記実施例に限
ることなく、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変形を実施し得ることは勿論のことである。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、軽量化の促進を図り得、且つ高精度で、信頼性の高
い動作制御を実現し得るようにした展開型トラス構造物
を提供することできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例に係る展開トラス構造物の
三角柱トラスを示した図。

【図２】図１の三角柱トラスを用いて構成したアンテナ
装置を示した図。

【図３】図１の折畳み展開動作を説明するために示した
図。

【図４】この発明の他の実施例を示した図。

【図５】図４の折畳み展開状態を示した図。

【符号の説明】

１０…三角柱トラス、１１…第１の連結棒、１１ａ…折
曲部、１２…第２の連結棒、１３…三角連結部材、１４
…第３の連結棒、１６…駆動部材、１６ａ…ボール螺子
機構部、１７…第４の連結棒、１８…ワイヤ部材、１９
…ワイヤ三角連結部材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 功一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町１番地 株 式会社東芝小向工場内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中間部に折曲部が設けられた第１の連結
   棒を三角形状に配置して各結合部を折曲自在に結合した
   トラス要素の略中心位置に、一端が相互に折曲自在に結
   合され、他端が各結合部に架設されて折曲自在に結合さ
   れる放射状の第２の連結棒をトラス結合した三角連結部
   材を２個対向配置して、前記トラス要素の各結合部間に
   第３の連結棒を架設すると共に、前記三角結合部材の一
   方の結合部と他方における第２の連結棒の一端との間に
   第４の連結部材を三角錘状に架設して、底辺側の一端を
   前記三角結合部材の一方の結合部に折曲自在に結合し、
   頂点側の他端を相互に折曲自在に結合した複数の三角柱
   トラスを組合せた構造体と、 前記三角連結部材の第２の連結棒の一端間に架設されて
   折曲自在に結合され、かつ、前記第４の連結棒の頂点側
   の他端の結合部が摺動自在で、かつ折曲自在に結合され
   る駆動部材と、 この駆動部材を駆動して前記第４の連結棒の他端を摺動
   制御し、前記三角柱トラスの第１乃至第３の連結棒を折
   曲制御して折畳み展開する駆動手段とを具備したことを
   特徴とする展開型トラス構造物。
2. 【請求項２】 中間部に折曲部が設けられた第１の連結
   棒を三角形状に配置して各結合部を折曲自在に結合した
   三角形状のトラス要素の略中心位置に、一端が相互に折
   曲自在に結合され、他端が各結合部に架設されて折曲自
   在に結合された放射状の第２の連結棒をトラス結合した
   第１の三角連結部材、及前記トラス要素の略中心位置に
   おいて一端が相互に折曲自在に結合され、他端が各結合
   部に架設されて折曲自在に結合された放射状のワイヤ部
   材をトラス結合した第２の三角連結部材を対向配置し
   て、これら第１及び第２の三角連結部材のトラス要素の
   各結合部間に第３の連結棒を架設すると共に、前記第１
   の三角連結部材のトラス要素の結合部と第２の三角連結
   部材のワイヤ部材の中心との間に第４の連結部材を略三
   角錘状に架設して、各端部を折曲自在に結合した複数の
   三角柱トラスを組合せた構造体と、 前記第１及び第２の三角連結部材の第２の連結棒とワイ
   ヤ部材の一端間に架設されて、前記第２の連結棒の一端
   が折曲自在で、かつ摺動自在に結合され、かつ前記ワイ
   ヤ部材の一端が折曲自在に結合される駆動部材と、 この駆動部材を駆動して前記三角柱トラスの第２の連結
   部を摺動制御し、前記第１乃至第４の連結棒、ワイヤ部
   材を折曲制御して折畳み展開する駆動手段とを具備した
   ことを特徴とする展開型トラス構造物。