JPH0659880B2 - 展開式骨組構造物 - Google Patents

展開式骨組構造物

Info

Publication number
JPH0659880B2
JPH0659880B2 JP63167320A JP16732088A JPH0659880B2 JP H0659880 B2 JPH0659880 B2 JP H0659880B2 JP 63167320 A JP63167320 A JP 63167320A JP 16732088 A JP16732088 A JP 16732088A JP H0659880 B2 JPH0659880 B2 JP H0659880B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
frame structure
deployable
mandrel
hinge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63167320A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01151630A (ja
Inventor
真毅 田畑
孝之 小泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP63167320A priority Critical patent/JPH0659880B2/ja
Publication of JPH01151630A publication Critical patent/JPH01151630A/ja
Priority to US07/983,267 priority patent/US5243803A/en
Publication of JPH0659880B2 publication Critical patent/JPH0659880B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Aerials With Secondary Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、特に人口衛星に用いる大口径の展開アンテ
ナ等に用いられる高い格納性と高い剛性を有する軽量な
展開式骨組構造物に関するものである。
[従来の技術] 近年、スペースシャトル,アリアンロケット等の性能及
び信頼性が向上し、宇宙利用に経済的なメリットが生ま
れて来ている。特に、大型の展開アンテナは船舶,車両
等の移動体の通信用としてなくてはならず、それを構成
するための展開式骨組構造方式が盛んに開発されて来
た。一方、科学利用の面でも巨大な宇宙基地を作る計画
があり、この基地の基本構造方式としての展開式骨組構
造(展開式トラス構造)が重要な開発テーマとなってい
る。このことは、宇宙において展開構造方式が最も経済
的であり、巨大な構造を比較的容易に構築できると思わ
れているからである。
第9図,第10図及び第11図,第12図は、例えば特
開昭59−28704号公報に開示されている、従来の
展開アンテナに使用した展開式骨組構造物の収納時及び
展開時におけるそれぞれの形状を示す正面図及び側面図
である。図において、11a,11bはヒンジ、12
a,12bは上記ヒンジ11a,11bにより端部を互
いに結合され、全体としてフープ形状を構成するフレー
ム部材、13は支持ワイヤ、14はアンテナ反射鏡面と
して機能するメッシュ状の可撓性薄膜であり、この可撓
性薄膜14は、第11図に示すように支持ワイヤ13に
より張架されている。
次に、上記第9図ないし第12図に示す従来の展開アン
テナに使用した展開式骨組構造物の動作について説明す
る。人工衛星の打ち上げ時には、第9図に示すようにそ
れぞれ端部をヒンジ11a,11bで結合されたフレー
ム部材12a,12bは、上記ヒンジ11a,11bの
個所において折り畳まれて固定装置(図示しない)によ
って衛星側壁に固定されている。そして、人工衛星が軌
道に到着した後、上記固定装置が解放されると、上記ヒ
ンジ11a,11bに内蔵されたうず巻ばね(図示しな
い)などのトルク(駆動力)により上記フレーム部材1
2a,12bは展開され、所定の展開位置にて内蔵され
たラッチ装置(図示しない)によってロックされ、第1
1図に示すように全体としてフープ形状のフレーム構体
を形成することになる。この時、支持ワイヤ13により
上記フレーム部材12a,12bに固定されている可撓
性薄膜14も同時に拡開され、上記のようにフレーム部
材12a,12bがフープ形状のフレーム構体を形成す
る状態の時、可撓性薄膜14はフレーム部材12a,1
2bの内側に張架され、展開アンテナの電波反射鏡面を
形成することになる。
また、第13図は、例えば米国学術誌「IEEE TRANSACTI
ONS ON ANTENNAS AND PROPAGATION」AP−17巻4号
(1969年)に開示された、従来の展開式骨組構造物
の構成を示す図である。図において、21は展開式骨組
構造の上下面の三角格子を構成し、その中央部で折れ曲
ることの可能な折れ曲り部材、22は上下面の三角格子
を支える斜部材、23は折れ曲り部材21と斜部材22
をピン結合する結合子である。
第14図は第13図の展開式骨組構造物における折れ曲
り部材の構成を示す一部欠截側面図、第15図は第14
図の折れ曲り部材の展開後の形状を示す側面図である。
第14図は折れ曲り部材21の中央部における折れ曲り
部分の詳細な構成を示している。図において、21は折
れ曲り部材、25a,25bは互いにピン結合した2枚
の板より成る回転自在のヒンジレバー、26は一方のヒ
ンジレバー25bの付根部に取り付けられ、折れ曲り部
材21を展開する方向にヒンジレバー25a,25bを
回転させるうず巻きばね、27a,27bは折れ曲り部
材21とヒンジレバー25a,25bを結合する結合ピ
ン、27cは折れ曲り部材21同志を中央部で結合する
結合ピンである。第15図には第14図に示す折れ曲り
部材21の展開後の形状が示されている。また、第16
図は第13図の展開式骨組構造物の展開途中の構成を示
す図であり、これには折れ曲り部材21,斜部材22,
結合子23の展開途中の形状が示されている。
次に、上記第13図ないし第16図に示す従来の展開式
骨組構造物の動作について説明する。初めに格納形状に
保持ケーブル(図示しない)で拘束された上記展開式骨
組構造物は、地上からのコマンドで爆管等による保持ケ
ーブルの切断により可動できる状態となり、上記うず巻
ばね26のばね弾性力によって展開を始める。展開はう
ず巻ばね26のばね弾性力でヒンジレバー25a,25
bを回転させることにより、折れ曲り部材21を結合ピ
ン27cの回りに回転させながら伸展させる。折れ曲り
部材21の伸展により上下面の結合子23は放射状に広
がり展開が進行する。折れ曲り部材21が直線状に伸展
すると、ヒンジレバー25a,25b及びうず巻ばね2
6のばね弾性力により生じる回転トルクと、折れ曲り部
材21の折れ曲り面での接触面圧力とが釣合い、折れ曲
り部材21は運動を停止して第15図に示す直線状の形
状になる。この時、ヒンジレバー25a,25bはほぼ
平行に近い状態になり、かつ折れ曲り部材21の中心軸
となす角度が約15°程度の小さい角度になっているの
で、折れ曲り部材21を再び折り曲げようとする力が作
用しても、ヒンジレバー25a,25bが互いに軸方向
に突張り合い、これにより折れ曲り部材21の折れ曲り
を阻止するラッチ機構の役割を果たす。
[発明が解決しようとする課題] 上記第9図ないし第12図に示す従来の展開アンテナに
使用した展開式骨組構造物は以上のように構成されてい
るので、例えば大口径の展開アンテナを構築する場合
に、それぞれ端部をヒンジ11a,11bで結合された
フレーム部材12a,12bを展開し、単一の大口径の
フープ形状のフレーム構体を構築し、このフレーム構体
によってメッシュ状の可撓性薄膜14を支持しなければ
ならず、この可撓性薄膜14はその周縁部以外に何ら剛
性の高い部材が存在することなく、このために全体とし
て剛性が低下し、アンテナ指向方向の制御に伴う制御力
などの外力が作用した場合には、所望の形状を保持し得
なくなるという問題点があった。
また、上記第13図ないし第16図に示す従来の展開式
骨組構造物は以上のように構成されているので、折れ曲
り部材21のラッチ機構を形成するために、本来の構造
部材としては不要であるヒンジレバー25a,25bな
どの付属物品を設けなければならず、そのために部品点
数が増大し、付属物品の数が増加するために全体として
構造物の信頼性が低下し、さらに重量が増大したり、収
納時の容積が増大するなどの問題点があった。
この発明はかかる問題点を解決するためになされたもの
で、大口径のアンテナ反射鏡面支持構造物などの大型の
構造物を構築する際に、高い剛性を確保でき、かつ軽量
で収納性にも優れた展開式骨組構造物を得ることを目的
とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る展開式骨組構造物は、結合子とスライド
ヒンジを有する心棒と、結合子及びスライドヒンジにピ
ン結合され、その中間部で互いにピン結合されたパンタ
グラフ形状の斜部材とによって形成される折り畳み,展
開可能な骨組構造を基本要素となし、この基本要素とな
る骨組構造を六角形又は四角形等の多角形となるように
その辺を共有させて複数個結合した構造となし、さら
に、隣接する上記心棒上に配設されている上記結合子相
互間及び上記スライドヒンジ相互間に、また上記六角形
又は四角形等の多角形の対角位置に配設されている上記
結合子相互間及び上記スライドヒンジ相互間にそれぞれ
張架されるケーブルを備えたものである。
また、この発明に係る展開式骨組構造物は、主ヒンジ間
に配設され、展開後に一直線状になるように中間ヒンジ
でピン結合された折れ曲り部材を、上記中間ヒンジのピ
ン結合部で、上記ピンの回転軸が上記折れ曲り部材の展
開後の中心軸からオフセットを有するように配設し、上
記中間ヒンジは上記折れ曲り部材が互いになす角度が1
80°以上の角度に展開し得ないように回転を止めるス
トッパ面を有し、さらに展開後に一直線状になる上記折
れ曲り部材の中心軸を含み上記ピンの回転軸に平行な平
面上で、上記展開式骨組構造物の展開後に所定の張力を
もって上記主ヒンジ間に張架される対角ケーブルを配設
したものである。
[作用] この発明は展開式骨組構造物においては、結合子とスラ
イドヒンジを有する心棒と、結合子及びスライドヒンジ
にピン結合され、その中間部で互いにピン結合されたパ
ンタグラフ形状の斜部材とによって形成される折り畳
み,展開可能な骨組構造を基本要素となし、この基本要
素となる骨組構造を六角形又は四角形等の多角形となる
ようにその辺を共有させて複数個結合した構造としてい
るので、大口径の展開アンテナなどの大型構造物を構築
する場合においても、展開アンテナを形成する外縁部の
みならず内部にも剛性の高い部材を多数配設し、全体と
して剛性の高い展開式骨組構造物を得ることができる。
さらに、上記結合子相互間及び上記スライドヒンジ相互
間に張架されるケーブルを備えていることにより、展開
後において、上記斜部材に圧縮力を生じさせ、力の平衡
状態を実現させているので、ピン結合されたピン結合部
のガタが消滅し、アンテナの展開後の形状を安定な構造
となし得る。
また、この発明の展開式骨組構造物においては、中間ヒ
ンジでピン結合された折れ曲り部材は、上記ピンの回転
軸が上記折れ曲り部材の展開後の中心軸からオフセット
を有するように配設されているので、展開過程におい
て、上記折れ曲り部材の両端の主ヒンジ間の距離は、主
ヒンジと折れ曲り部材の両端の結合部のピンと、上記中
間ヒンジのピンが一直線状に並んだ時に最大となり、最
終展開時には、最大長からやや縮んだ状態になってい
る。ここで云う最終展開時とは、上記折れ曲り部材が一
直線状になり、上記中間ヒンジに配設されたストッパ面
が相対面に接触し、その面圧力によって折れ曲り部材の
展開が拘束されている状態を示す。この時上記主ヒンジ
間に張架された対角ケーブルは、主ヒンジ間の距離に応
じて伸び、最終展開時には最大伸びから若干縮んだ状態
になっており、逆に展開状態から再び上記折れ曲り部材
を折り畳み動作させるためには、対角ケーブルの最大伸
びの点を通過しなければならず、外部から対角ケーブル
を伸ばすために余分のエネルギーを与えてやらなければ
ならない。従って、最終展開状態ではエネルギー的に見
て安定状態になっており、本来必要な構造部材以外の付
属部品を用いることなく、あたかもラッチ機構を有して
いるような形状の安定状態を作り出すことができる。そ
のために、展開後の剛性が高く、かつ軽量で収納容積が
小さい、すなわち格納性の高い展開式骨組構造物を得る
ことができる。
[実施例] 第1図はこの発明の実施例である展開式骨組構造物にお
ける展開後の形状を示す斜視図、第2図は第1図の展開
式骨組構造物における展開途中の形状を示す斜視図、第
3図は第1図の展開式骨組構造物における展開後の形状
を示す上面図である。図において、1はピンジョイント
部を有する結合子、2は結合子1を端部に有する心棒、
3は心棒2上をスライドするスライドヒンジ、4は心棒
2上に固定され、スライドヒンジ3の下死点を決定する
ストッパ、5は斜部材である。斜部材5のうちで、斜部
材5aは一端をスライドヒンジ3にピン結合され、心棒
2に対して垂直な軸回りに回転可能となっており、他端
を隣接する心棒2上の結合子1に対してピン結合され、
また斜部材5aは隣接する心棒2上のスライドヒンジ3
にピン結合された斜部材5bとそれぞれの中間部のピン
結合部8で互いにピン結合され、いわゆるパンタグラフ
形状に構成されている。上記心棒2及び斜部材5a,5
bから成る構造は、結合子1及びスライドヒンジ3を介
して連続的に、かつ周期的に結合され、第3図の上面図
に示すように六角形のモジュールをその辺を共有させて
複数個結合した形状に構成されている。
また、6は隣接するスライドヒンジ3相互間及び結合子
1相互間に張架されたケーブル、7は上記六角形の対角
線上に張架されたケーブルであり、ケーブル6,7はい
ずれも展開状態において所定の張力が作用するように、
あらかじめその長さを調整されている。なお、第2図に
おいては図の煩雑を避けるためにケーブル7は省略して
示してある。
次に、上記第1図ないし第3図に示すこの発明の実施例
である展開式骨組構造物の動作について説明する。この
発明による展開式骨組構造物では、格納時においては、
斜部材5a又は斜部材5bと心棒2との成す角θは0に
近い状態まで折り畳まれており、外部からの保持装置
(図示しない)によってその状態が保持されている。一
方展開時においては、上記保持装置を解放すると、ピン
結合部8又は結合子1上のピン軸、又はスライドヒンジ
3上のピン軸等に内蔵されたうず巻ばね(図示しない)
などの駆動力によって斜部材5a,5bが展開され、こ
れにより上記角θが増大していく。この時、スライドヒ
ンジ3は心棒2上に沿ってスライドし、結合子1とは最
も遠い点から斜部材5a,5bの展開につれて徐々に結
合子1へ近付いて来る。スライドヒンジ3が所定の位置
まで移動すると、ストッパ4に当接して斜部材5a,5
bの展開動作は停止する。この時、ケーブル6,7は所
定の張力をもって結合子1相互間又はスライドヒンジ3
相互間に張架されるように、あらかじめその長さを調整
されている。そして、ケーブル6,7は結合子1及びス
ライドヒンジ3を斜部材5a,5b側へ押し付けるた
め、結合子1及びスライドヒンジ3の各々のピン結合部
8のガタがなくなり、この発明による展開式骨組構造物
は剛性の高い構造物となる。また、斜部材5a,5bは
それぞれ端部を結合子1又はスライドヒンジ3にピン結
合されていると共に、個々の中間部のピン結合部8で2
本の斜部材5a,5bがパンタグラフ形状に相互にピン
結合されているので、すべての斜部材5a,5bにおけ
る展開角である角θが等しくなり同期展開が可能となっ
ている。
なお、上記実施例では、展開状態においてスライドヒン
ジ3は展開すべき駆動力となるうず巻ばねの力によって
ストッパ4に押し付けられてその位置に固定されている
が、適切なラッチ機構を設けて、スライドヒンジ3が所
定の位置に達した時にラッチすることによりスライドヒ
ンジ3の位置を固定するようにしても良い。
また、上記実施例では、第3図に示すように六角形のモ
ジュールを3個結合したものを例示したが、同様のパタ
ーンの繰り返しによりさらに多数のモジュールを組み合
わせても良く、容易に大口径の展開アンテナの反射鏡面
支持構造物などの大規模な展開式骨組構造物を構成する
ことが可能である。
なお、上記実施例では、ケーブル7を六角形の対角線上
に配設した場合を示したが、第4図に示すこの発明の他
の実施例のように、ケーブル7をもって結合子1又はス
ライドヒンジ3を1個おきに結合し三角形状に張架した
構成にしても良い。
また、上記実施例では、展開すべき駆動力源としてピン
結合部8に配設したうず巻ばねを用いた場合を示した
が、スライドヒンジ3と結合子1の間に配設した引張り
ばねを用いても良い。
第5図はこの発明の別の実施例である展開式骨組構造物
における展開後の形状を示す斜視図、第6図は第5図の
展開式骨組構造物における展開途中の形状を示す斜視
図、第7図及び第8図は第5図の展開式骨組構造物にお
ける折れ曲り部材の展開後の形状及び展開途中の形状を
それぞれ示す側面図である。図において、31は多角柱
の稜に配設され、両端に主ヒンジ32を有する縦フレー
ム、33は多角柱の上下各底面の対角線上に張架され、
両端を主ヒンジ32に結合される対角ケーブル、34は
展開のための駆動力となるコイルばね、35はコイルば
ね34の伸展力を折れ曲り部材36に伝達するための同
期ロッド、37は折れ曲り部材36をその中央部で結合
し開閉する中間ヒンジ、38aは中間ヒンジ37の回転
軸となるピン、38bは中間ヒンジ37に設けられ、折
れ曲り部材36が展開して一直線状になった時に当り面
が接触するストッパ面、39は展開後における対角ケー
ブル33の位置を示す仮想線、40a,40bは折れ曲
り部材36の主ヒンジ32への結合ピンである。また、
ピン38aの回転軸は、展開後の折れ曲り部材36の中
心軸(結合ピン40a,40bを結ぶ仮想線39)から
折れ曲り部材36の折り畳み方向と逆の側にオフセット
させられている。対角ケーブル33は折れ曲り部材36
の中心軸を含む面上にあり、ピン38aの回転軸方向か
ら見ると仮想線39上にある。
次に、上記第5図ないし第8図に示すこの発明の別の実
施例である展開式骨組構造物の動作について説明する。
この発明における展開式骨組構造物は、格納時において
折れ曲り部材36はその中央部が中間ヒンジ37により
多角柱の底面の面外方向(すなわち多角柱の側面の面内
方向)に折り畳まれており、縦フレーム31と相互にな
す角度がほぼ0度に近い状態にあり、外部からの保持装
置(図示しない)によって保持されている。展開時に当
っては上記保持装置を解放すると、コイルばね34の復
元力を駆動力とし、同期ロッド35を仲介として折れ曲
り部材36が引き起こされ展開動作が進行して行く。折
れ曲り部材36が一直線状になった時点でストッパ面3
8bが相対面に接触し、その面圧力によって回転動作が
拘束停止され展開動作が終了する。この時主ヒンジ32
相互間に配設される対角ケーブル33は、展開動作の終
了時に所定の張力をもって張架されるようにあらかじめ
その長さを調整されている。対角ケーブル33は、多角
柱の底面の形状の変化を防ぐ基本的な構造部材として役
割を果たしている。
この発明の係る展開式骨組構造物の構成において特長的
なことは、中間ヒンジ37の回転軸が折れ曲り部材36
の展開後の中心軸からオフセットされており、かつ対角
ケーブル33の張架面が折れ曲り部材36の両端の結合
ピン40a,40bを結ぶ折れ曲り部材36の中心軸上
にあることである。折れ曲り部材36はその中心軸に関
してピン38aと反対の側に折り畳まれており、収納状
態から第8図に示す展開途中の形状の状態を経て第7図
に示す展開後の形状の状態に至る。
この時、折れ曲り部材36の両端の結合ピン40a,4
0b相互間の距離は、結合ピン40a,40b及び中間
ヒンジ37のピン38aが一直線状に並んだ時に最大と
なる。その時点では、折れ曲り部材36は一直線状にな
るよりもわずかに手前の状態であり、最終の展開形状に
至った時には、結合ピン40a,40b間の距離は最大
長からわずかに縮んだ状態になる。逆に最終の展開形状
から折れ曲り部材36を折り畳もうとするためには、主
ヒンジ32相互間に張られている対角ケーブル33を伸
ばして上記の最大長の状態を通過させなければならな
い。従って、いったん展開した後の本展開式骨組構造物
を再び折り畳むためには、対角ケーブル33に伸びを与
えるための付加的エネルギーを加えてやらなければなら
ない。この付加的エネルギーを与えるためのエネルギー
的な障壁が、本展開式骨組構造物が展開後に外力の作用
等によって容易に折り畳まれることを防止するラッチ機
構と同等の役割(疑似的ラッチ機構の機能)を果たし、
安定な展開後の形状を保持する働きがある。しかもこの
ような機構は、元来基本的な構造部材として存在する対
角ケーブル33と折れ曲り部材36のみによって形成さ
れているので、付属部品から成る付加的機構を何ら要す
ることなく、必要な部品数を最小限まで低減することが
できる。なお、第6図においては簡単のため対角ケーブ
ル33は図示を省略してある。
なお、上記実施例では六角柱状のフレーム構造の形状が
単一で展開式骨組構造物を形成する場合について示した
が、フレーム構造の形状は四角柱状などの他の多角柱状
としても良く、同一のフレーム構造を多数個結合して大
規模な展開式骨組構造物を形成することが可能である。
また、上記第5図に示す実施例における折れ曲り部材3
6,中間ヒンジ37の構成要素を、第1図に示す実施例
における隣接するスライドヒンジ3相互間及び結合子1
相互間に配設されたケーブル6の配設位置に用いること
も可能であり、上記実施例と同等の効果を奏する。この
時、展開の駆動源として、コイルばね34,同期ロッド
35を同時に配設しても良い。
[発明の効果] 以上説明したとおり、この発明の展開式骨組構造物によ
れば、結合子とスライドヒンジを有する心棒と、結合子
とスライドヒンジにピン結合され、その中間部で互いに
ピン結合されたパンタグラフ形状の斜部材とによって形
成される折り畳み,展開可能な骨組構造を基本要素とな
し、この基本要素となる骨組構造を六角形又は四角形等
の多角形となるようにその辺を共有させて複数個結合し
た構造としているので、大口径の展開アンテナの反射鏡
面支持構造物などの大規模な展開式骨組構造物を容易
に、高い剛性を維持したまま構築することができる。ま
た、基本要素となる骨組構造がパンタグラフ形状を成し
ているので、すべての展開部材が同期して展開され、確
実で信頼性の高い展開式骨組構造物を得ることができ
る。さらに、展開状態において張架されるケーブルの作
用により、ピン結合部のガタが消滅し、安定な形状を保
持して高い剛性を有する展開式骨組構造物を得ることが
できるなどの優れた効果を奏するものである。
また、この発明の展開式骨組構造物によれば、複数本の
骨組部材を複数個の主ヒンジにより結合して成る骨組構
造を基本要素となし、主ヒンジ間に配設される折れ曲り
部材が展開後に一直線状になるように中間ヒンジでピン
結合し、このピンの回転軸を折れ曲り部材の展開後の中
心軸からオフセットさせ、さらに展開後に所定の張力を
もって主ヒンジ間に張架される対角ケーブルを、折れ曲
り部材の展開後の中心軸面上に配設した構造としている
ので、付属物品から成る付加的機構を何ら用いることな
く、展開式骨組構造物の展開後の形状を安定させるラッ
チ機構と同等な機能を発揮することができる。従って、
部品点数が少なく軽量で格納性に優れ、また形状の安定
性をより一層向上できる展開式骨組構造物を得ることが
できるなどの優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例である展開式骨組構造物にお
ける展開後の形状を示す斜視図、第2図は第1図の展開
式骨組構造物における展開途中の形状を示す斜視図、第
3図は第1図の展開式骨組構造物における展開後の形状
を示す上面図、第4図はこの発明の他の実施例である展
開式骨組構造物における展開後の形状を示す上面図、第
5図はこの発明の別の実施例である展開式骨組構造物に
おける展開後の形状を示す斜視図、第6図は第5図の展
開式骨組構造物における展開途中の形状を示す斜視図、
第7図及び第8図は第5図の展開式骨組構造物における
折れ曲り部材の展開後の形状及び展開途中の形状をそれ
ぞれ示す側面図、第9図,第10図及び第11図,第1
2図は従来の展開アンテナに使用した展開式骨組構造物
の収納時及び展開時におけるそれぞれの形状を示す正面
図及び側面図、第13図は従来の展開式骨組構造物の構
成を示す図、第14図は第13図の展開式骨組構造物に
おける折れ曲り部材の構成を示す一部欠截側面図、第1
5図は第14図の折れ曲り部材の展開後の形状を示す側
面図、第16図は第13図の展開式骨組構造物の展開途
中の構成を示す図である。 図において、1…結合子、2…心棒、3…スライドヒン
ジ、4…ストッパ、5,5a,5b…斜部材、6,7…
ケーブル、8…ピン結合部、11a,11b…ヒンジ、
12a,12b…フレーム部材、13…支持ワイヤ、1
4…メッシュ状の可撓性薄膜、21…折れ曲り部材、2
2…斜部材、23…結合子、25a,25b…ヒンジレ
バー、26…うず巻ばね、27a,27b,27c…結
合ピン、31…縦フレーム、32…主ヒンジ、33…対
角ケーブル、34…コイルばね、35…同期ロッド、3
6…折れ曲り部材、37…中間ヒンジ、38a…ピン、
38b…ストッパ面、39…仮想線、40a,40b…
結合ピンである。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端にピンジョイント部を有する結合子が
    結合され、かつ中ほどにストッパを有する心棒と、この
    心棒に嵌合され、その他端と上記ストッパ間でスライド
    するスライドヒンジと、このスライドヒンジに対して放
    射状にピン結合され、上記心棒に対して垂直な軸回りに
    回転可能な複数本の斜部材とで構成される骨組構造を基
    本要素とした展開式骨組構造物であって、上記斜部材は
    その一端における隣接する心棒の端部に配設された上記
    結合子にピン結合されると共に、隣接する上記心棒間に
    おいて、上記結合子と上記スライドヒンジ相互間に配設
    された2本の上記斜部材が互いの中間部のピン結合部で
    パンタグラフ形状に相互にピン結合されてなり、上記基
    本要素を複数個結合する際に、上記斜部材が上記結合子
    を仲介として結合された形状を、上記心棒に対して垂直
    な平面上に投影した時の形状が六角形又は四角形等の多
    角形となるようにその辺を共有させて複数個結合した形
    状となし、隣接する上記心棒上に配設されている上記結
    合子相互間及び上記スライドヒンジ相互間に、また上記
    六角形又は四角形等の多角形の対角位置に配設されてい
    る上記結合子相互間及び上記スライドヒンジ相互間にそ
    れぞれ上記展開式骨組構造物の展開時に張架されるケー
    ブルを具備したことを特徴とする展開式骨組構造物。
  2. 【請求項2】複数本の骨組部材を複数個の主ヒンジによ
    り結合して成る展開式骨組構造物であって、上記主ヒン
    ジ間に配設され、展開後に一直線状になるように中間ヒ
    ンジでピン結合された折れ曲り部材を、上記中間ヒンジ
    のピン結合部で、上記ピンの回転軸が上記折れ曲り部材
    の展開後の中心軸からオフセットを有するように配設す
    ると共に、上記中間ヒンジは上記折れ曲り部材が互いに
    なす角度が180°以上の角度に展開し得ないように回
    転を止めるストッパ面を有し、さらに展開後に一直線状
    になる上記折れ曲り部材の中心軸を含み上記ピンの回転
    軸に平行な平面上で、上記展開式骨組構造物の展開後に
    所定の張力をもって上記主ヒンジ間に張架される対角ケ
    ーブルを有し、この対角ケーブルと上記折れ曲り部材の
    展開後の中心軸からオフセットして配設した上記中間ヒ
    ンジのピンの回転軸を備えた上記折り曲り部材との構造
    部材から成り、上記展開式骨組構造物の展開後の形状を
    安定化させる疑似的ラッチ機構を具備したことを特徴と
    する展開式骨組構造物。
JP63167320A 1987-09-30 1988-07-05 展開式骨組構造物 Expired - Fee Related JPH0659880B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63167320A JPH0659880B2 (ja) 1987-09-30 1988-07-05 展開式骨組構造物
US07/983,267 US5243803A (en) 1988-07-05 1992-11-30 Module for expandable framework structure and expandable framework structure employing said module

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62-247202 1987-09-30
JP24720287 1987-09-30
JP63167320A JPH0659880B2 (ja) 1987-09-30 1988-07-05 展開式骨組構造物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01151630A JPH01151630A (ja) 1989-06-14
JPH0659880B2 true JPH0659880B2 (ja) 1994-08-10

Family

ID=26491400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63167320A Expired - Fee Related JPH0659880B2 (ja) 1987-09-30 1988-07-05 展開式骨組構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0659880B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021139208A (ja) * 2020-03-06 2021-09-16 東阪工業株式会社 道路用防護構台

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05218731A (ja) * 1992-02-04 1993-08-27 Uchu Tsushin Kiso Gijutsu Kenkyusho:Kk パラボラ面近似展開アンテナ
JP2587197B2 (ja) * 1994-05-18 1997-03-05 株式会社宇宙通信基礎技術研究所 展開アンテナ
CN102205480B (zh) * 2010-12-16 2013-01-02 北京首钢建设集团有限公司 一种空间曲面螺旋箱型构件的制作方法
CN108575088A (zh) * 2017-01-11 2018-09-25 三菱重工机械系统株式会社 轮胎保持装置
CN113309227B (zh) * 2021-05-28 2022-11-15 哈尔滨工业大学建筑设计研究院 一种结合机械展开与充气展开的月球舱体结构体系及方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021139208A (ja) * 2020-03-06 2021-09-16 東阪工業株式会社 道路用防護構台

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01151630A (ja) 1989-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6463709B2 (en) Modular deployable antenna
EP0290729B1 (en) Module for expandable truss structure and expandable truss structure employing said module
US5243803A (en) Module for expandable framework structure and expandable framework structure employing said module
JPH0659880B2 (ja) 展開式骨組構造物
JP3476041B2 (ja) モジュール型展開アンテナ
JP3878973B2 (ja) 展開型骨組構造体
JP3095392B2 (ja) メッシュアンテナ
JP2003095199A (ja) 展開アンテナ
JPH01278638A (ja) 展開構造物
JP2642591B2 (ja) 展開型アンテナ反射鏡
JPH0277398A (ja) 展開トラス構造物
JP3195055B2 (ja) 展開型トラス構造体
JPH02136396A (ja) 展開トラスアンテナ
JP2516701B2 (ja) 伸展マスト
JP3539099B2 (ja) 展開パネル構造物
JP3641186B2 (ja) 展開型トラス構造体及びこれを用いたアンテナ装置
JPH05183330A (ja) 展開構造物
JP3078559B2 (ja) 展開型環状体
JPH0569759B2 (ja)
JPH0561801B2 (ja)
JPS62188401A (ja) 展開アンテナリフレクタ
JPH03143004A (ja) 展開トラスアンテナ
JPH02135902A (ja) 展開トラスアンテナ
JPH0755677B2 (ja) 展開トラス構造物
JPH0479501A (ja) 展開トラスアンテナ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees