JPH05218638A - 配線板用接着剤とこの接着剤を用いたプリント配線板の製造方法およびプリント配線板 - Google Patents

配線板用接着剤とこの接着剤を用いたプリント配線板の製造方法およびプリント配線板

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JPH05218638A
JPH05218638A JP19392692A JP19392692A JPH05218638A JP H05218638 A JPH05218638 A JP H05218638A JP 19392692 A JP19392692 A JP 19392692A JP 19392692 A JP19392692 A JP 19392692A JP H05218638 A JPH05218638 A JP H05218638A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用環境に作用されることのない、耐薬品性
や耐熱性,電気特性,硬度に優れる接着剤とこれを用い
たプリント配線板の製造方法およびプリント配線板を提
供する。 【構成】 酸あるいは酸化剤に対して可溶性である硬化
処理済の耐熱性樹脂微粉末を、硬化処理が施された場合
には、酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性を示
す未硬化のエポキシ樹脂マトリックス中に分散させてな
る接着剤において、前記耐熱性樹脂微粉末として、アミ
ノ樹脂微粉末を用いることを特徴とする配線板用接着剤
とこれを用いたプリント配線板の製造方法およびプリン
ト配線板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配線板用接着剤とこの
接着剤を用いたプリント配線板の製造方法およびプリン
ト配線板に関するものであり、特に耐薬品性や耐熱性,
電気特性,硬度に優れる無電解めっきに適合した接着剤
とこの接着剤を用いたプリント配線板の製造方法および
プリント配線板についての提案である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子工業の進歩に伴い電子機器の
小型化あるいは高速化が進められており、このためプリ
ント配線板やLSIを実装する配線板においてもファイ
ンパターンによる高密度化および高い信頼性が要求され
ている。
【0003】従来、プリント配線板に導体回路を形成す
る方法としては、基板に銅箔を積層した後、フォトエッ
チングすることにより、導体回路を形成するエッチドフ
ォイル方法が広く行われている。この方法によれば、基
板との密着性に優れた導体回路を形成することができる
が、銅箔の厚さが厚いためにエッチングにより高精度の
ファインパターンが得難いという大きな欠点があり、さ
らに製造工程も複雑で効率が良くないなどの諸問題があ
る。
【0004】このため最近、基板に導体を形成する方法
として、ジエン系合成ゴムを含む接着剤を基板表面に塗
布して接着層を形成し、この接着層の表面を粗化した
後、無電解めっきを施して導体を形成するアディティブ
法が採用されている。しかしながら、この方法で一般的
に使用されている接着剤は合成ゴムを含むため、例えば
高温時に密着強度が大きく低下したり、ハンダ付けの際
に無電解めっき膜がふくれるなど耐熱性が低いこと、表
面抵抗などの電気特性が充分でないことなど欠点があ
り、使用範囲がかなり制限されている。
【0005】これに対し、発明者らは、先に前述の如き
無電解めっきを施すための接着剤が有する欠点を解消
し、耐熱性,電気特性および無電解めっき膜との密着性
に極めて優れ、かつ比較的容易に実施できる無電解めっ
き用接着剤およびこの接着剤を用いた配線板の製造方法
を特開昭61−276875号公報で提案した。すなわち、この
開示された技術は、酸化剤に対して可溶性の予め硬化処
理された耐熱性樹脂粉末が、硬化処理することにより酸
化剤に対して難溶性となる特性を有する未硬化の耐熱性
樹脂液中に分散されてなることを特徴とする接着剤、お
よびこの接着剤を基板に塗布した後、乾燥硬化して接着
剤層を形成させ、前記接着剤層の表面部分に分散してい
る上記微粉末の少なくとも一部を溶解除去して接着剤層
の表面を粗化し、次いで無電解めっきを施すことを特徴
とする配線板の製造方法である。
【0006】この既知技術によれば、上記接着剤は、予
め硬化処理された耐熱性樹脂微粉末が耐熱性樹脂液中に
分散されており、この接着剤を基板に塗布し乾燥硬化さ
せるとマトリックスを形成する耐熱性樹脂中に耐熱性樹
脂微粉末が均一に分散した状態の接着剤層が形成され
る。そして、前記耐熱性樹脂微粉末と耐熱性樹脂マトリ
ックスとは酸化剤に対する溶解性に差異があるため、前
記接着剤層を酸化剤で処理することにより、接着剤層の
表面部分に分散している微粉末が主として溶解除去さ
れ、効果的アンカー窪みが形成されて接着剤層の表面を
均一粗化でき、ひいては基板と無電解めっき膜との高い
密着強度と高い信頼性が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記接着剤
では、酸もしくは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂微粉末と
して、汎用的で容易に入手でき、しかも、耐薬品性,耐
熱性,電気特性,硬度に優れる樹脂であるエポキシ樹脂
を採用し使用した。しかしながら、近年、プリント基板
の高密度化が急速に進んだこともあって、このエポキシ
樹脂を耐熱性樹脂微粉末とする接着剤を使用したプリン
ト配線板を、温度,湿度の高い環境で使用すると、導体
回路である銅の溶解,析出が生じて表面抵抗値が低下
し、ひいてはパターン間がショートする問題があること
が判った。この原因は、酸あるいは酸化剤に溶解性のあ
るエポキシ樹脂微粉末を製造する際、イオン性化合物を
使用しているために、ナトリウムイオンや塩素イオンが
エポキシ樹脂微粉末中に不可避に残留し、この残留イオ
ンが、下記の〜式に示すような反応(マイグレーシ
ョン)および、その他の反応を引き起こすからであると
推定されている(図7参照)。 Na+ +Cl- +H2 O → NaOH + HCl … Cu +2NaOH → Cu(OH)2 + 2Na+ … Cu +2HCl → CuCl2 + 2H+
【0008】本発明の目的は、上記問題点を有利に解決
することにあり、特に、使用環境に左右されることのな
い、耐薬品性,耐熱性,電気特性,硬度などに優れる接
着剤およびこれを用いたプリント配線板の製造方法およ
びプリント配線板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記問題点
に関して調査したところ、酸もしくは酸化剤に可溶性の
耐熱性樹脂微粉末用エポキシ樹脂は、製造の際にイオン
性化合物を使用するために、樹脂中にNa,塩素イオン
などが残留し、また、エポキシ樹脂の架橋点間分子量が
1000以上であるために、前記イオンが樹脂中で動きやす
く、それ故に上記の如き反応を引き起こすことを突き止
めた。そこで、このようなイオン性化合物を使用しない
樹脂に関し鋭意研究した結果、耐熱性樹脂微粉末として
アミノ樹脂微粉末を使用することにより、上記反応を引
き起こすことがなく耐薬品性,耐熱性,電気特性,硬度
に優れる接着剤が得られることを新規に知見し、本発明
に想到した。
【0010】すなわち、本発明は、酸あるいは酸化剤に
対して可溶性である硬化処理済の耐熱性樹脂微粉末を、
硬化処理が施された場合には酸あるいは酸化剤に対して
難溶性となる特性を示す未硬化の耐熱性樹脂マトリック
ス中に分散させてなる接着剤において、前記耐熱性樹脂
微粉末としてアミノ樹脂微粉末を用いることを特徴とす
る配線板用接着剤であり、アミノ樹脂微粉末は、メラミ
ン樹脂,尿素樹脂およびグアナミン樹脂のうちから選ば
れるいずれか1種または2種以上の樹脂微粉末とし、耐
熱性樹脂マトリックスは、熱硬化性耐熱樹脂もしくは感
光性耐熱樹脂のいずれか1つを用いることが好適であ
る。
【0011】この熱硬化性耐熱樹脂のマトリックスは、
未硬化の多官能性エポキシ樹脂または未硬化の2官能性
エポキシ樹脂のいずれかである熱硬化性耐熱樹脂とイミ
ダゾール系硬化剤との混合物からなり、上記マトリック
スは、固形分で、20〜100 wt%の未硬化の多官能性エポ
キシ樹脂と80〜0wt%の未硬化の2官能性エポキシ樹脂
とからなる熱硬化性耐熱樹脂と、固形分で、2〜10wt%
のイミダゾール系硬化剤とで構成し、アミノ樹脂微粉末
は、この耐熱性樹脂マトリックス中に、それの固形分10
0 重量部に対して10〜100 重量部分散混合する。
【0012】一方、感光性耐熱樹脂のマトリックスは、
未硬化の多官能性エポキシ樹脂,未硬化の多官能性のア
クリル基を有する樹脂および未硬化の多官能性アクリル
樹脂から選ばれる少なくとも1種の感光性耐熱樹脂、も
しくは、これらの樹脂と未硬化の2官能性エポキシ樹脂
および未硬化の2官能性アクリル樹脂から選ばれる少な
くとも1種の感光性耐熱樹脂との混合物からなり、上記
マトリックスは、固形分で、20〜100 wt%の未硬化の多
官能性エポキシ樹脂,未硬化の多官能性のアクリル基を
有する樹脂および未硬化の多官能性アクリル樹脂から選
ばれる少なくとも1種の感光性耐熱樹脂と、固形分で、
80〜0wt%の未硬化の2官能性エポキシ樹脂および未硬
化の2官能性アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種
の感光性耐熱樹脂との混合樹脂で構成し、アミノ樹脂微
粉末は、この耐熱性樹脂マトリックス中に、それの固形
分100 重量部に対して、10〜100 重量部分散混合する。
【0013】そして、上述した接着剤を用いた本発明の
プリント配線板の製造方法は、例えば、この接着剤をロ
ールコーターで塗布したり、あるいは接着剤をシート状
にしてラミネートすることにより、基板上に接着剤層を
設けて硬化したのち、その接着剤層の表面を酸あるいは
酸化剤で粗化し、その後、無電解めっきを施すことを特
徴とする。この接着剤を基板上にロールコーターで塗布
する場合は、コーティングローラとドクターバーとの隙
間を0.2 〜0.6mm 、搬送速度を0.1 〜3.0m/分とするこ
とが望ましい。なお、本発明のプリント配線板の製造方
法においては、無電解めっきを施す前にめっきレジスト
を設けることもできる。
【0014】さらに、上記本発明方法により得られる本
発明のプリント配線板は、少なくとも一方の基板表面に
酸あるいは酸化剤に対して可溶性である硬化処理済の耐
熱性樹脂微粉末を、硬化処理されて酸あるいは酸化剤に
対して難溶性である特性を示す耐熱性樹脂マトリックス
中に分散させてなる接着剤層を設けて、その上に導体回
路を形成してなるプリント配線板において、接着剤中
の、耐熱性樹脂微粉末としてアミノ樹脂微粉末を用いた
ことを特徴とするものである。なお、上記本発明プリン
ト配線板の導体回路間には、めっきレジストが残存して
いてもよい。
【0015】
【作用】さて、既知の接着剤では、上述のようなマイグ
レーション反応により、表面抵抗値が低下する現象が観
察される。このことから、発明者らは、種々の樹脂に対
し、温度40℃, 湿度90%,電圧24Vの条件下で長期劣化
試験を行い、抵抗値の経時変化を調べた。その結果、電
気特性に優れる樹脂としては、ポリイミド樹脂,エポキ
シ樹脂などが知られているが、なかでも酸化剤に可溶
で、かつ抵抗値の経時変化がない、すなわち上記マイグ
レーション反応を引き起こすことのない樹脂として、ア
ミノ樹脂が最も効果的な樹脂であることを突き止めたの
である。
【0016】従って、本発明によれば、耐熱性樹脂微粉
末として酸や酸化剤に対して可溶性である硬化処理済の
アミノ樹脂微粉末を採用することにより、使用環境とく
に高温,高湿度雰囲気で使用される場合であっても、マ
イグレーションを起こしたり、導体回路が溶けて、表面
抵抗値が低下するようなことがなく、充分な導体の密着
強度が得られる。しかも、耐薬品性,耐熱性,電気特
性,硬度に優れる接着剤とすることができるようにな
る。
【0017】本発明の接着剤において、耐熱性樹脂マト
リックス中に分散含有させてアンカー窪みを形成するた
めの上記アミノ樹脂微粉末は、耐熱性樹脂マトリックス
の合計固形分100 重量部に対して、10〜100 重量部の範
囲を混合する。この理由は、この微粉末の配合量が10重
量部より少ないと、溶解除去して形成されるアンカーが
明確に形成されない。一方、微粉末の配合量が100 重量
部よりも多くなると、接着剤層が多孔質になり、接着剤
層と無電解めっき膜の密着強度(ピール強度)が低下す
るからである。
【0018】このようなアミノ樹脂微粉末の粒度は、平
均粒径が10μm以下であることが好ましく、特に5μm
以下であることが好適である。その理由は、平均粒径が
10μmより大きいと、溶解除去して形成されるアンカー
の密度が小さくなり、かつ不均一になりやすいため、密
着強度とその信頼性が低下する。しかも、接着剤層表面
の凹凸が激しくなるので、導体の微細パターンが得にく
く、かつ部品などを実装する上でも好ましくないからで
ある。
【0019】このようなアミノ樹脂微粉末としては、例
えば、平均粒径が2μm以下のアミノ樹脂微粉末を凝集
させて平均粒径2〜10μmの大きさとした凝集粒子、平
均粒径2〜10μmのアミノ樹脂粉末と平均粒径2μm以
下のアミノ樹脂粉末との粒子混合物、または平均粒径2
〜10μmのアミノ樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm以
下のアミノ樹脂粉末もしくは無機微粉末のいずれか少な
くとも1種を付着させてなる疑似粒子のなかから選ばれ
ることが望ましい。
【0020】本発明で耐熱性樹脂微粉末として採用され
たアミノ樹脂微粉末は、ホルムアルデヒドと反応できる
アミノ基を有する樹脂微粉末であり、メラミン樹脂,尿
素樹脂およびグアナミン樹脂のうちから選ばれるいずれ
か1種または2種以上の樹脂微粉末とする。この理由
は、これらの樹脂が、耐熱性に優れる、表面硬度が
大きい、機械的強度に優れる、電気絶縁性,特に耐
アーク特性に優れる、耐有機溶剤性がよい、酸また
は酸化剤に対して溶解性が高いからである。
【0021】これらの樹脂のうち、メラミン樹脂は、メ
ラミンとホルムアルデヒドとの付加縮合物であり、酸性
で反応すると白色で水に不溶の樹脂を生成し、アルカリ
性で反応すると透明で水に可溶の樹脂を生成する。すな
わち、メラミン樹脂は、(化学式1)に示すように、メ
ラミンとホルムアルデヒドを中性もしくはアルカリ性で
反応させてメチロールメラミンとし、このメチロールメ
ラミンを、酸または加熱により脱水,脱ホルマリンして
縮合させ、メチレン結合,エーテル結合を形成して巨大
分子化することにより得られる。さらに、このメラミン
樹脂は、成形材料としては、一般に、メラミンに対する
ホルムアルデヒドのモル比が約1:2〜1:3の範囲に
あり、特にこのモル比が大きいものほど硬度の高い成形
品をつくるのに適する。従って、上記モル比の範囲内に
あるメラミンとホルムアルデヒドを、アンモニアなどを
用いて中性ないし微アルカリ性に保ち、80〜90℃で反応
させ、得られたシロップにレーヨン, パルプ布細片, ア
スベスト, 繊維などの基材を加えて乾燥, 粗砕し、顔
料, 離型剤,硬化剤などを加え微粉砕し成形材料とす
る。なお、硬化剤を加えなくても加熱加圧で十分硬化す
るが、一般には、クエン酸, フタル酸, 有機カルボン酸
エステルなどの硬化剤を用いる。
【0022】
【化1】
【0023】尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドの縮
重合により作られる熱硬化性樹脂である(化学式2参
照)。この尿素樹脂からなる微粉末の製法としては、例
えば、まず、尿素とホルマリンを約1:2のモル比で混
ぜ、中性またはアルカリ性で熱することにより、モノメ
チロール尿素,ジメチロール尿素を経て、45〜50%の初
期重合物を含む液を調製し、その後、この初期重合物に
パルプまたは木粉などの充填材を加えて混合し、さらに
加熱して重合を進め、乾燥後粉砕して微粉末とする。
【0024】
【化2】
【0025】グアナミン樹脂は、メラミン樹脂や尿素樹
脂と同様にして得られるグアナミンとホルムアルデヒド
の付加縮合物であり(化学式3参照)、グアナミンとホ
ルムアルデヒドを酸または加熱により脱水,脱ホルマリ
ンして縮合させ、メチレン結合,エーテル結合を形成し
て巨大分子化することにより得られる。
【0026】
【化3】
【0027】なお、エポキシ樹脂微粉末, 例えば、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製)微粉末
は、樹脂中に残留するナトリウムイオンや塩素イオンの
濃度が、いずれも5ppm 程度あり、しかも、ジシアン系
硬化剤で硬化して酸や酸化剤に可溶としたものは、架橋
点間分子量が1900で、前記イオンが樹脂中で動きやす
い。それ故に、アンカー形成用耐熱性樹脂微粉末として
エポキシ樹脂を使用すると、マイグレーション反応を引
き起こすこととなる。一方、耐熱性樹脂マトリックスと
して使用される酸や酸化剤に不溶のエポキシ樹脂は、架
橋点間分子量が 600程度で、ナトリウムイオンや塩素イ
オンが樹脂中で固定されるので、マイグレーション反応
を引き起こしにくい。
【0028】次に、上記アミノ樹脂微粉末を分散させる
耐熱性樹脂マトリックスとしては、耐熱性,電気絶縁
性,化学的安定性および接着性に優れ、かつ硬化処理す
ることにより酸化剤に対して難溶性となる特性を有する
熱硬化性耐熱樹脂もしくは感光性耐熱樹脂のいずれか1
つを用いることが好適である。上記熱硬化性耐熱樹脂か
らなるマトリックスとしては、未硬化の多官能性エポキ
シ樹脂または未硬化の2官能性エポキシ樹脂のいずれか
である熱硬化性耐熱樹脂と、イミダゾール系硬化剤の混
合物を用いる。なかでも、ビスフェノールA型,ビスフ
ェノールF型,クレゾールノボラック型やフェノールノ
ボラック型のエポキシ樹脂、ビスマレイドトリアジン樹
脂,ポリイミド樹脂およびフェノール樹脂などの熱硬化
性耐熱樹脂が好適である。
【0029】この熱硬化性耐熱樹脂マトリックスは、固
形分で、20〜100 wt%の未硬化の多官能性エポキシ樹脂
と80〜0wt%の未硬化の2官能性エポキシ樹脂とからな
る熱硬化性耐熱樹脂と、固形分で、2〜10wt%のイミダ
ゾール系硬化剤との混合物が好ましい。この理由は、多
官能性エポキシ樹脂の固形分が20wt%より少ない場合に
は、接着剤の硬度が低下し、しかも耐薬品性が低下する
からである。また、イミダゾール系硬化剤の固形分が10
wt%を超えると硬化しすぎて脆くなり、2wt%より少な
いと硬化が不十分なために充分な硬度が得られないから
である。
【0030】なお、硬化済のアミノ樹脂微粉末を、未硬
化の多官能性エポキシ樹脂または未硬化の2官能性エポ
キシ樹脂のいずれかの耐熱性樹脂マトリックス中に分散
させてなる混合物は、イミダゾール系硬化剤とそれぞれ
分離して保存し、使用直前にこの両者を混合して使用す
ることは、ポットライフ(可使用時間)を長くする上で
望ましい。
【0031】一方、感光性耐熱樹脂からなるマトリック
スとしては、未硬化の多官能性エポキシ樹脂,未硬化の
多官能性のアクリル基を有する樹脂および未硬化のアク
リル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂、もしく
は、これらの樹脂と未硬化の2官能性エポキシ樹脂およ
び未硬化の2官能性アクリル樹脂から選ばれる少なくと
も1種の感光性耐熱樹脂との混合樹脂を用いる。なかで
も、フェノールアラルキル型やフェノールノボラック型
のエポキシ樹脂をアクリル化した樹脂,アクリル樹脂お
よび感光性ポリイミド樹脂などの感光性耐熱樹脂が好適
である。
【0032】この感光性耐熱樹脂マトリックスは、固形
分で、20〜100wt %の未硬化の多官能性エポキシ樹脂,
未硬化の多官能性のアクリル基を有する樹脂および未硬
化の多官能性アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種
の感光性耐熱樹脂と、80〜0wt%の未硬化の2官能性エ
ポキシ樹脂および未硬化の2官能性アクリル樹脂から選
ばれる少なくとも1種の感光性耐熱樹脂との混合樹脂が
好ましい。この理由は、多官能性樹脂の固形分が20wt%
より少ない場合には、接着剤の硬度が低下し、しかも耐
薬品性が低下するからである。この感光性耐熱樹脂マト
リックスには、さらに、光開始剤や光増感剤、反応性希
釈剤などを添加してもよい。
【0033】なお、耐熱性樹脂マトリックスおよびアミ
ノ樹脂微粉末は、ハロゲン化などの不燃化処理が施され
ていてもよい。
【0034】次に、本発明の配線板用接着剤を用いてプ
リント配線板を製造する方法について詳細に説明する。
本発明の配線板用接着剤を用いたプリント配線板の製造
に当たっては、まず、基板上に、酸あるいは酸化剤に対
して可溶性である硬化処理済のアミノ樹脂微粉末を、硬
化処理が施された場合には酸あるいは酸化剤に対して難
溶性となる特性を示す未硬化の耐熱性樹脂マトリックス
中に分散させてなる接着剤を、ロールコーターなどによ
り塗布し、乾燥硬化して、接着剤層を形成する。この接
着剤層の厚さは通常2〜40μm程度であるが、この接着
剤層を金属基板や多層配線板の層間絶縁層を兼ねて使用
する場合にはそれ以上に厚く塗布することもできる。
【0035】この塗布に当っては、耐熱性樹脂マトリッ
クスがエポキシ樹脂の場合は、コーティングローラとド
クターバーとの隙間を0.2 〜0.6mm 、搬送速度を0.1 〜
3.0m/分とすることが好ましい。この理由は、前記隙間
が0.6mm より広いと塗膜にムラが発生しやすく、0.2mm
より狭いと適切な膜厚を得難いからである。また、搬送
速度が0.1mm /分より遅いと量産性に欠け、3.0mm /分
より速いと膜厚が不均一となるからである。一方、耐熱
性樹脂マトリックスがアクリル基を有する樹脂もしくは
アクリル樹脂の場合も同様である。
【0036】本発明の製造方法で使用する上記基板とし
ては、例えばプラスチック基板,セラミック基板,金属
基板およびフィルム基板などを使用することができ、具
体的にはガラスエポキシ基板,ガラスポリイミド基板,
アルミナ基板,低温焼成セラミック基板,窒化アルミニ
ウム基板,アルミニウム基板,鉄基板およびポリイミド
フィルム基板などを使用することができる。そして、こ
れらの基板を用いて、片面配線板,両面スルーホール配
線板およびCu/ポリイミド多層配線板のような多層配線
板などを製作することができる。なお、上記接着剤その
ものを板状あるいはフィルム状プリプレグに成形して無
電解めっきを施すことのできる接着性を有する基体とす
ることもできる。
【0037】上述した酸あるいは酸化剤に対して可溶性
のアミノ樹脂微粉末は、硬化処理された耐熱性樹脂で構
成される。このアミノ樹脂微粉末を硬化処理されたもの
に限ったのは、硬化処理していないものを用いると、耐
熱性樹脂マトリックスを形成する耐熱性樹脂液あるいは
この耐熱性樹脂マトリックスを形成する耐熱性樹脂を溶
剤を用いて溶解した溶液中に添加した場合、このアミノ
樹脂微粉末も該耐熱性樹脂液あるいは溶液中に溶解して
しまい、アミノ樹脂微粉末としての機能を発揮させるこ
とが不可能になるからである。
【0038】かかるアミノ樹脂微粉末は、例えば、アミ
ノ樹脂を熱硬化させてからジェットミルや凍結粉砕機な
どを用いて粉砕したり、硬化処理する前にアミノ樹脂溶
液を噴霧乾燥したのち硬化処理したり、あるいは未硬化
アミノ樹脂エマルジョンに水溶液硬化剤を加えて攪拌し
たりして得られる粒子を、風力分級機などにより分級す
ることによって製造される。また、アミノ樹脂を発泡剤
を用いて加熱硬化させてから粉砕することにより、独立
気泡を有するアミノ樹脂微粉末とすることもできる。
【0039】このアミノ樹脂微粉末を構成する耐熱性樹
脂を硬化処理する方法としては、加熱により硬化させる
方法あるいは触媒を添加して硬化させる方法などがある
が、なかでも加熱硬化させる方法が実用的である。
【0040】前記アミノ樹脂微粉末のうち、アミノ樹脂
粉末の表面にアミノ樹脂微粉末もしくは無機微粉末のい
ずれか少なくとも1種を付着させてなる擬似粒子とする
方法としては、例えば、アミノ樹脂粒子の表面にアミノ
樹脂微粉末もしくは無機微粉末をまぶした後、加熱して
融着させるか、結合剤を介して接着させる方法を適用す
ることが有利である。
【0041】前記アミノ樹脂微粉末のうち、アミノ樹脂
粉末を凝集させた凝集粒子とする方法としては、例え
ば、アミノ樹脂粉末を、熱風乾燥器などで単に加熱する
か、あるいは各種バインダーを添加、混合して乾燥する
などして凝集させる。そして、その後、ボールミル、超
音波分散機などを用いて解砕し、さらに風力分級機など
により分級することによって製造することが有利であ
る。
【0042】このようにして得られるアミノ樹脂微粉末
の形状は、球形だけでなく各種の複雑な形状を有してお
り、そのためこれにより形成されるアンカーの形状もそ
れに応じて複雑形状になるため、ピール強度、プル強度
などのめっき膜の密着強度を向上させるのに有効に作用
する。
【0043】上述の如くして製造されたアミノ樹脂微粉
末は、耐熱性樹脂マトリックスを形成する耐熱性樹脂液
あるいはこの耐熱性樹脂マトリックスを形成する耐熱性
樹脂を溶剤を用いて溶解した溶液中に添加して、均一分
散させる。
【0044】前記アミノ樹脂微粉末を添加する耐熱性樹
脂液としては、溶剤を含まない耐熱性樹脂をそのまま使
用することもできるが、特に耐熱性樹脂を溶剤に溶解し
てなる耐熱性樹脂液は、粘度調節が容易にできるため樹
脂微粉末を均一に分散させることができ、しかも基板に
塗布し易いので有利に使用することができる。前記耐熱
性樹脂を溶解するのに使用する溶剤としては、通常溶
剤、例えばメチルエチルケトン,メチルセロソルブ,エ
チルセロソルブ,ブチルセロソルブ,ブチルセロソルブ
アセテート,ブチルカルビトール,ブチルセルロース,
テトラリン,ジメチルホルムアミド,ノルマルメチルピ
ロリドンなどを使用することができる。
【0045】また、上記耐熱性樹脂液に、例えば、フッ
素樹脂やポリイミド樹脂,ベンゾグアナミン樹脂などの
有機質充填剤、あるいはシリカやアルミナ,酸化チタ
ン,ジルコニアなどの無機質微粉末からなる充填剤を適
宜配合してもよい。その他、着色剤(顔料),レベリン
グ剤,消泡剤,紫外線吸収剤および難燃化剤などの添加
剤を用いることができる。
【0046】次の工程は、基板上に設けた接着剤層の表
面を粗化する処理である。この工程においては、耐熱性
樹脂マトリックスが熱硬化性樹脂の場合は、基板上に形
成させた未硬化もしくは半硬化状態(Bステージ状態)
の接着剤層を熱硬化して硬化状態(Cステージ状態)と
し、その後、前記接着剤層の表面部分に分散しているア
ミノ樹脂微粉末の少なくとも一部を、酸や酸化剤で溶解
除去して接着剤層の表面を粗化する。
【0047】一方、接着剤層の前記耐熱性樹脂マトリッ
クスが感光性樹脂の場合は、基板上に形成させた未硬化
もしくは半硬化状態(Bステージ状態)の接着剤層にフ
ォトマスクを密着させ、光硬化して硬化状態(Cステー
ジ状態)とし、その後、不要な部分を現像処理して、粗
化面を得る。
【0048】上記接着剤層の表面に分散しているアミノ
樹脂微粉末の溶解除去は、上記酸もしくは酸化剤の溶液
を用いて、接着剤層を形成した基板をその溶液中に浸漬
するか、あるいは基板に酸もしくは酸化剤溶液をスプレ
ーするなどの手段によって実施することができ、その結
果、接着剤層の表面を粗化することができる。なお、こ
のアミノ樹脂微粉末の溶解除去を効果的に行わせること
を目的として、予め前記接着剤層の表面部分を、例えば
微粉研磨剤によるポリシングや液体ホーニングを行うこ
とにより軽く粗化することが極めて有効である。
【0049】ここで、接着剤層を粗化する酸化剤として
は、クロム酸やクロム酸塩,過マンガン酸塩,オゾンな
どがよく、酸としては、塩酸や硫酸,有機酸などがよ
い。
【0050】そして次の工程は、基板上の粗化した接着
剤層の表面に無電解めっきを施して、必要な導体パター
ンを形成する処理である。この処理は、例えば無電解銅
めっき,無電解ニッケルめっき,無電解スズめっき,無
電解金めっきおよび無電解銀めっきなどを挙げることが
でき、特に無電解銅めっき,無電解ニッケルめっきおよ
び無電解金めっきのいずれか少なくとも1種の方法を用
いることが好適である。
【0051】なお、本発明の製造方法においては、前記
無電解めっきを施した上に、さらに異なる種類の無電解
めっきあるいは電気めっきを行ったり、ハンダをコート
したりすることもできる。
【0052】また、本発明方法において上記の導体回路
は、既知のプリント配線板について実施されている他の
方法でも形成することができ、例えば基板に無電解めっ
きを施してから回路をエッチングする方法や無電解めっ
きを施す際に直接回路を形成する方法などを適用しても
よい。
【0053】さらに、本発明方法において多層プリント
配線板を製造する場合は、バイアホール用の穴などを形
成して、上述した方法と同様にして無電解めっきを施す
ことを特徴とするアディティブプロセスが適用される。
なお、感光性樹脂を用いた場合は、特にビルドアップ多
層配線板を製造するのに効果的である。
【0054】上述した本発明の製造方法の適用により得
られる本発明のプリント配線基板は、例えば、図1(f),
図2(f),図6(g) に示すように基板1上に接着剤層2を
介してめっきレジスト3および導体回路4を形成してな
る片面プリント配線板、図3(f) に示すように基板1両
面の接着剤層2とスルーホール5を介してめっきレジス
ト3および導体回路4を形成してなる両面スルーホール
プリント配線板、および図4(d) に示すように第1導体
層4を形成させた基板1上に、バイアホール7を有する
層間絶縁層(接着剤層)2を介した導体回路(4,6,8,1
0)を多層形成させてなるビルドアップ多層配線板にお
いて、上記接着剤が、いずれの場合も、酸あるいは酸化
剤に対して可溶性である硬化処理済の耐熱性樹脂微粉末
を、硬化処理されて酸あるいは酸化剤に対して難溶性で
ある特性を示す耐熱性樹脂マトリックス中に分散させて
なるものであり、しかも、前記耐熱性樹脂微粉末として
アミノ樹脂微粉末を用い、耐熱性樹脂マトリックスとし
ては、エポキシ樹脂,アクリル基を有する樹脂,アクリ
ル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を使用するも
のである。
【0055】
【実施例】(実施例1)(1) メラミン樹脂1275重量部と
37%ホルマリン1366重量部と水730 重量部を混合し、10
%炭酸ナトリウムにてpH=9.0 に調整し、90℃で60分間
保持した後、メタノールを109 重量部加えた。 (2) この樹脂液を噴霧乾燥法にて乾燥し、粉末状の樹脂
を得た。 (3) 前記(2) で得られた樹脂粉末と離型剤、硬化触媒を
ボールミルにて粉砕混合した。 (4) 150 ℃に加熱した金型中に前記混合粉を入れて、25
0 kg/cm2の圧力で60分保持した。この成形に際しては、
金型を開きガス抜きを行った。 (5) 前記(2) で得られた成形品をボールミルにて粉砕
し、微粉化し、粒径0.5μmと5.5 μmの粉末を得た。 (6) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)60重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェル製)40重量部およびイミダゾール系硬化剤(四国
化成製)5重量部をブチルセロソルブアセテートに溶解
し、この組成物の固形分100 重量部に対して、前記(5)
で作成した微粉末を、粒径0.5 μmのものを15重量部、
粒径5.5 μmのものを30重量部の割合で混合し、その後
3本ロールで混練して、さらにブチルセロソルブアセテ
ートを添加し、固形分濃度75%の接着剤溶液を作成し
た。この溶液の粘度は、JIS−K7117に準じ、東京計
器製デジタル粘度計を用い、20℃、60秒間測定したとこ
ろ、回転数6rpm で5.2 Pa・s 、60rpm で2.6 Pa・s で
あり、そのSVI値(チキソトロピック性)は2.0 であ
った。 (7) ガラスエポキシ基板1を研磨により粗化して、JIS
B0601 R max=2〜3μmの粗面を形成した後、その基
板上に、前記(6) で作成した感光性樹脂組成物の接着剤
溶液をロールコーターを用いて塗布した。この時の塗布
方法は、コーティングロールとして、中高粘度用レジス
ト用コーティングロール(大日本スクリーン製)を用
い、コーティングローラとドクターバーとの隙間を0.4m
m 、コーティングローラとバックアップローラとの隙間
を1.4mm および搬送速度を400mm/sであった。その後、
水平状態で20分放置した後、70℃で乾燥させて厚さ約50
μmの接着剤層2を形成した(図1(b),(c) 参照)。 (8) 接着剤層2を形成した基板1を、500g/lのクロム酸
(CrO3 )水溶液からなる酸化剤に70℃で15分間浸漬
して接着剤層2の表面を粗化してから、中和溶液(シプ
レイ社製)に浸漬して水洗した。接着剤が粗化された基
板1にパラジウム触媒(シプレイ社製)を付与して接着
剤層2の表面を活性化させた(図1(d)参照)。 (9) 次に、この基板1を窒素ガス雰囲気(10ppm 酸素)
中で120 ℃で30分、触媒固定化の熱処理を行い、その
後、感光性のドライフィルムをラミネートし、露光した
後、変成クロロセンで現像し、めっきレジスト3(厚さ
40μm )を形成した(図1(e) 参照)。 (10)めっきレジスト3を形成し終えた前記基板1を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、め
っき膜4の厚さ25μm の無電解銅めっきを施し、プリン
ト配線板を得た(図1(f) 参照)。
【0056】
【表1】
【0057】(実施例2)(1) 5lのアセトン中に、実
施例1の(1) 〜(5) と同様の方法で作成したメラミン樹
脂粒子(平均粒径3.9 μm )200gを分散させた懸濁液
を、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)内で攪拌
しながら、アセトン10l中に、実施例1の(1) 〜(5) と
同様の方法で作成したメラミン樹脂微粉末(平均粒径0.
5 μm )300gを分散させた懸濁液を滴下混合することに
より、上記メラミン樹脂粒子表面にメラミン樹脂微粉末
を付着せしめた後、アセトンを除去し、その後、150 ℃
に加熱して、擬似粒子を作成した。この擬似粒子は、平
均粒径が約4.3 μm であり、約75重量%が、平均粒径を
中心として±2μmの範囲に存在していた。 (2) 前記(1) で調製した疑似粒子50重量部、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製)60重量部、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製)40重
量部およびイミダゾール系硬化剤(四国化成製)5重量
部からなる混合物に、ブチルカルビトールを添加してホ
モディスパー分散機で調整し、固形分濃度80%の接着剤
溶液を作成した。この溶液の粘度は、回転数6rpm で5.
8 Pa・s、60rpm で2.0 Pa・s であり、そのSVI値
(チキソトロピック性)は2.9 であった。 (3) この接着剤を用いて実施例1と同様にして、プリン
ト配線板を製造した(図2参照)。
【0058】(実施例3)(1) 実施例1と同様にして作
成したメラミン樹脂粒子(平均粒径3.9 μm )を熱風乾
燥機内に装入し、180 ℃で3時間加熱処理して凝集結合
させた。この凝集結合させたメラミン樹脂粒子を、アセ
トン中に分散させ、ボールミルにて5時間解砕した後、
風力分級機を使用して分級し、凝集粒子を作成した。こ
の凝集粒子は、平均粒径が約3.5 μmであり、約68重量
%が平均粒径を中心として±2μmの範囲に存在してい
た。 (2) 前記(1) で調製した凝集粒子50重量部、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製)60重量部、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製)40重
量部およびイミダゾール系硬化剤(四国化成製)4重量
部からなる混合物にブチルカルビトールを加え、固形分
濃度80%の接着剤溶液を作成した。この溶液の粘度は、
回転数6rpm で5.4 Pa・s 、60rpm で2.0 Pa・s であ
り、そのSVI値(チキソトロピック性)は2.2 であっ
た。 (3) ガラスエポキシ基板1の両面を研磨により粗化し、
JIS B0601 R max=2〜3μmの粗面を形成した後、そ
の基板1上に、前記(2) で作成した感光性樹脂組成物の
接着剤溶液をロールコーターを用いて塗布し、その後水
平状態で20分放置した後、70℃で乾燥させて厚さ約45μ
mの接着剤層2を形成した(図3(b),(c) 参照)。 (4) 次いで、ドリルにより、削孔し、この基板1を軽く
バフ研磨してフィラー表面を露出させた後、6N塩酸水
溶液からなる酸に70℃で15分間浸漬して接着剤層2の表
面を粗化してから、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬し
て水洗した。接着剤が粗化された基板1にパラジウム触
媒(シプレイ社製)を付与して接着剤層2の表面を活性
化させた(図3(d),(e) 参照)。 (5) 次に、この基板1を、窒素ガス雰囲気(10ppm 酸
素)中で120 ℃で30分、触媒固定化の熱処理を行い、そ
の後、感光性のドライフィルムをラミネートし、露光し
た後、変成クロロセンで現像し、めっきレジスト3(厚
さ40μm )を形成した(図3(f) 参照)。 (6) めっきレジスト3を形成し終えた前記基板1を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、両
面にめっき膜4の厚さ30μm の無電解銅めっきを施し、
導体回路とスルーホール5を形成し、両面プリント配線
板を得た(図3(f) 参照)。
【0059】(実施例4)(1) ガラスエポキシ銅張積層
板(東芝ケミカル製)に感光性ドライフィルム(デュポ
ン製)をラミネートし、所望の導体回路パターンが描画
されたマスクフィルムを通して紫外線露光させ画像を焼
きつける。ついで、1,1,1−トリクロロエタンで現
像を行い、塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の
銅を除去した後、塩化メチレンでドライフィルムを剥離
する。これにより、複数の導体パターンからなる第一導
体層4を有する配線板1を形成した(図4(a) 参照)。 (2) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本火薬
製)の50%アクリル化物60重量部、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(油化シェル製)40重量部、ジアリルテレ
フタレート15重量部、2−メチル−1−〔4−(メチル
チオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1
(チバ・ガイギー製)4重量部、イミダゾール系硬化剤
(四国化成製)4重量部および中空メラミン樹脂微粉末
(ホーネンコーポレーション製:粒径2μm)50重量部
を混合した後、ブチルセロソルブを添加しながら、ホモ
ディスパー攪拌機で攪拌した。その後3本ローラーで混
練して固形分濃度70%の感光性接着剤溶液を作成した。
この溶液の粘度は、回転数6rpm で5.0 Pa・s 、60rpm
で2.5 Pa・s であり、そのSVI値は、2.0 であった。 (3) 上記(1) で作成した配線板1上に、前記(2) で作成
した感光性樹脂組成物の接着剤溶液をロールコーターを
用いて塗布し、その後水平状態で20分間放置した後、70
℃で乾燥させて厚さ約50μmの感光性樹脂絶縁層2を形
成した(図4(b) ,(c)参照)。 (4) 前記(3) の処理を施した配線板1に100 μmφの黒
円が印刷されたフォトマスクフィルムを密着させ、超高
圧水銀灯により500mj/cm2 で露光した。これを、1,
1,1−トリクロロエタンで超音波現像処理することに
より、配線板1上に100 μmφのバイアホールとなる開
口を形成し、さらに、超高圧水銀灯により約3000mj/cm2
で露光し、100 ℃で1時間、その後150 ℃で10時間加熱
処理することによりフォトマスクフィルムに相当する寸
法精度に優れた開口7を有する層間絶縁層2を形成した
(図4(d) 参照)。 (5) 前記(4) で作成した配線板1を、クロム酸(CrO
3 )500g/l水溶液からなる酸化剤に70℃,15分間浸漬し
て層間絶縁層2の表面を粗化してから、中和溶液(シプ
レイ社製)に浸漬して水洗した。この層間絶縁層2が粗
化された基板にパラジウム触媒(シプレイ社製)を付与
して絶縁層2の表面を活性化させ、表1に示す組成の無
電解銅めっき液に11時間浸漬して、めっき膜6の厚さ25
μm の無電解銅めっきを施した(図4(d),(e) 参照)。 (6) 前記(3) 〜(5) までの工程をさらに2回繰り返し行
うことにより、配線層が4層(4,6,8,10)のビルドアッ
プ多層配線板を作成した(図4(f) 参照)。
【0060】(実施例5)(1) フェノールノボラック型
エポキシ樹脂(油化シェル製)60重量部、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(油化シェル製)40重量部およびイ
ミダゾール系硬化剤(四国化成製)5重量部をメチルエ
チルケトンに溶解し、この組成物の固形分100 重量部に
対して、ボールミルで粉砕したメラミン樹脂微粉末(ホ
ーネンコーポレーション製)粒径0.5 μmのものを15重
量部、粒径5.5 μmのものを30重量部の割合で混合し、
ボールミルで混練した後、さらにメチルエチルケトンを
添加して固形分濃度55%の接着剤溶液を作成した。この
溶液の粘度は、回転数6rpmで0.6 Pa・s 、60rpm で0.5
Pa・s であり、そのSVI値(チキソトロピック性)
は1.2 であった。 (2) この接着剤溶液をガラスクロスに含浸させ、乾燥
し、プリプレグ11を作成した(図5(a) 参照)。 (3) 導体回路4が形成されているガラスエポキシ基板1
に、プリプレグ11を重ねて、加熱プレスし、接着剤層2
を形成した(図5(b) 参照)。 (4) 次いで、ドリルにより、削孔し、この基板1を、6
N塩酸水溶液からなる酸に70℃で15分間浸漬して接着剤
層2の表面を粗化してから、中和溶液(シプレイ社製)
に浸漬して水洗した。接着剤が粗化された基板1にパラ
ジウム触媒(シプレイ社製)を付与して接着剤層2の表
面を活性化させた(図5(c) 参照)。 (5) 前記基板1を窒素ガス雰囲気(10ppm 酸素)中で12
0 ℃で30分、触媒固定化の熱処理を行い、その後、感光
性のドライフィルムをラミネートし、露光した後、変成
クロロセンで現像し、めっきレジスト3(厚さ40μm )
を形成した(図5(d) 参照)。 (6) めっきレジストを形成し終えた前記基板1を、表1
に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、両面
にめっき膜4の厚さ30μm の無電解銅めっきを施し、導
体回路とスルーホール5を形成し、両面プリント配線板
を得た(図5(e) 参照)。
【0061】(実施例6)(1) フェノールノボラック型
エポキシ樹脂(油化シェル製)60重量部、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(油化シェル製)40重量部およびイ
ミダゾール系硬化剤(四国化成製)5重量部をブチルセ
ロソルブに溶解し、この組成物の固形分100 重量部に対
して、ボールミルで粉砕したメラミン樹脂微粉末(ホー
ネンコーポレーション製)粒径0.5 μmのものを15重量
部、粒径5.5 μmのものを30重量部の割合で混合し、3
本ロールで混練した後、さらにブチルセロソルブを添加
して固形分濃度55%の接着剤溶液を作成した。この溶液
の粘度は、回転数6rpm で2.6 Pa・s 、60rpm で1.0 Pa
・s であり、そのSVI値(チキソトロピック性)は2.
6 であった。 (2) この接着剤をロールコータでシリコンコーティング
が施してあるポリエチレンフィルム12に塗布し、120 ℃
で30分加熱乾燥させ、接着剤フィルムを得た(図6(a),
(b) 参照)。 (3) このフィルムを絶縁板(基板1)に重ね、ポリエチ
レンフィルム12を剥がした後、加熱プレスして接着剤層
2を得た(図6(c),(d) 参照)。 (4) 実施例1と同様にしてプリント配線板を得た(図6
参照)。
【0062】(実施例7)(1) 実施例1の(1) 〜(6) と
同様の処理を施し(ただし、硬化剤を除く)、接着剤溶
液Aを調製した。 (2) イミダゾール系硬化剤5重量部をブチルセロソルブ
に溶解させ、接着剤溶液Bを作成した。 (3) 接着剤溶液Aと接着剤溶液Bを常温で1か月保存し
た後、両者を混合し、接着剤溶液を得た。特性は実施例
1と同じであった。 (4) この接着剤溶液を使用してプリント配線板を製造し
た。特性を評価したところ実施例1で得られたプリント
配線板と同様の結果を得た。
【0063】(実施例8)(1) 本実施例は基本的には実
施例1と同様であるが、難燃性ノボラック型エポキシ樹
脂(日本火薬製)100 重量部とイミダゾール系硬化剤
(四国化成製)7重量部をブチルセロソルブアセテート
に溶解し、この組成物の固形分100 重量部に対して、実
施例1の(5) で作成した微粉末を、粒径0.5 μmのもの
を15重量部、粒径5.5 μmのものを30重量部の割合で混
合し、その後3本ロールで混練して、さらにブチルセロ
ソルブアセテートを添加し、固形分濃度75%の接着剤溶
液を作成した。この溶液の粘度は、回転数6rpm で5.2
Pa・s 、60rpm で2.5 Pa・s であり、そのSVI値(チ
キソトロピック性)は2.0 であった。 (2) この接着剤を用い、実施例1と同様にしてプリント
配線板を作成した。
【0064】(実施例9)(1) 本実施例は基本的には実
施例4と同様であるが、オルトクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂(日本火薬製)の50%アクリル化物100 重
量部、ジアリルテレフタレート15重量部、2−メチル−
1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリ
ノプロパノン−1(チバ・ガイギー製)4重量部、イミ
ダゾール系硬化剤(四国化成製)4重量部、光開始剤
(チバ・ガイギー製)および中空メラミン樹脂微粉末
(ホーネンコーポレーション製:粒径2μm)50重量部
を混合した後、ブチルセロソルブを添加しながら、ホモ
ディスパー攪拌機で攪拌した。その後3本ローラーで混
練して固形分濃度70%の感光性接着剤溶液を作成した。
この溶液の粘度は、回転数6rpm で5.1 Pa・s 、60rpm
で2.6 Pa・s であり、そのSVI値は、2.0 であった。 (2) この接着剤を用い、実施例4と同様にして多層プリ
ント配線板を作成した。
【0065】(実施例10)(1) グアナミン1モルに対し
てホルマリンを1.2 〜1.6 モルを混合し、PHを 6.5に調
整し、60℃で反応させて透明な樹脂液を得た。 (2) この樹脂液を乾燥した後、粗粉砕し、リン酸、可塑
剤とともにボールミルに入れ、硬化と同時に微粉砕を行
ってグアナミン樹脂微粉末を得た。 (3) 本実施例は、基本的には実施例1と同様であるが、
アミノ樹脂微粉末として、上記(1),(2) で得られたグア
ナミン樹脂微粉末を使用した。また、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂100 重量部を使用し、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂は使用しなかった。なお、本実施例
での接着剤溶液の粘度は、JIS−K7117に準じ、東京
計器製デジタル粘度計を用い、20℃、60秒間測定したと
ころ、6rpm で 5.0 Pa ・s であった。
【0066】(実施例11)(1) 尿素、イソチオ尿素およ
びホルマリンを1:1:2のモル比で混合し、この混合
物を80℃で加熱処理し、共縮合させて尿素−チオ尿素共
縮合樹脂微粉末を得た。 (2) 本実施例は、基本的には実施例4と同様であるが、
アミノ樹脂微粉末として、上記(1) で得られた尿素−チ
オ尿素共縮合樹脂微粉末を使用した。また、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂100 重量部を使用し、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂は使用しなかった。なお、本
実施例での接着剤溶液の粘度は、JIS−K7117に準
じ、東京計器製デジタル粘度計を用い、20℃、60秒間測
定したところ、6rpm で0.05 Pa ・s であった。
【0067】(比較例)(1) 耐熱性樹脂微粉末として、
ジシアン系硬化剤で硬化させたエポキシ樹脂を使用した
以外は、実施例1と同様にしてプリント配線板を得た。
【0068】
【表2】
【0069】上述のようにして製造された配線板の無電
解めっき膜の密着性,耐薬品性,耐熱性,電気特性,硬
度および不純物の影響(耐マイグレーション性)を測定
したところ、表2に示す結果となった。
【0070】この表2から明らかなように、本発明例の
場合は、導体の高い密着強度が得られるだけでなく、導
体間の絶縁信頼性に優れており、高密度なプリント配線
板を製造する上で特に有利である。また、表面硬度が高
いためワイヤーボンディング性にも優れており、ベアチ
ップ実装用基板としても有利に使用することができる。
【0071】次に、100 ℃の煮沸水に2時間浸漬するこ
とにより接着層の表面抵抗の変化を調べた結果、初期値
に比べて変化は生じなかった。さらに、本発明例では、
表面温度を300 ℃に保持したホットプレートに配線板の
表面を密着させて10分間加熱する耐熱性試験を行った後
にも異常は認められなかった。
【0072】なお、無電解めっき膜の密着強度(ピール
強度),電気絶縁性,硬度および不純物の影響(耐マイ
グレーション特性)についての各試験方法を説明する。 (1) 無電解めっき膜の密着強度(ピール強度) JIS−C−6481 (2) 電気絶縁 プリント配線板に形成されているL/S=100 /100 μ
mのくし型パターンに直流電圧または周波数50Hzもしく
は60Hzで正弦波交流のせん頭電圧を用い、500Vを印加す
る。電圧の印加は約5秒間で規定電圧までに徐 に上昇
させ、1分間充電し、機械的損傷,フラッシュオーバー
よおび絶縁破壊(0.5mA 以上の電流を流した場合)など
の異常の有無を調べる。 (3) 硬度(バーコル硬度) 装置:形式A アルミ合金製基準片の指示値85〜87(硬質), 43〜48
(軟質) 機種:GYZJ934−1 調整:ガラス板を用い、100 ±1の指示値になるように
調整し、次にアルミ合金製の基準片を用い、基準片指示
値になるように調整する。 操作:硬さ試験機の圧子が試料面に対して垂直になるよ
うに押しつけ、最大値の指示値を読み取る。測定位置
は、試料端から3mm以上内側の平滑な面であること。
また、同じ試料で測定する場合は、規定によってできた
窪みから3mm以上離れていること。 測定:基板を150 ℃に加熱し、5分間保ち、硬度を測定
する。 (4) 不純物の影響(耐マイグレーション) 試験片:L/S=50/50μmのくし型が形成されたプリ
ント配線板 測定 :温度85±1℃,相対湿度85〜90%の恒温恒湿槽
の中に入れ、バイアス30Vをかけ放置する。1000hr後パ
ターン間にマイグレーションの有無を調べる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の配線板用
接着剤とこの接着剤を用いた配線板によれば、使用環境
に作用されることのない、耐薬品性,耐熱性,電気特性
および硬度に優れる接着剤とこれを用いたプリント配線
板の製造方法およびプリント配線板を安定して提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線板の一実施例を示す製造
工程図である。
【図2】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【図3】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【図4】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【図5】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【図6】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【図7】プリント配線板のマイグレーション反応を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 基板(配線板) 2 接着剤層(絶縁層) 3 めっきレジスト 4,6,8,10 配線層(めっき層,導体層) 5 スルーホール用孔 7 バイアホール用開口 11 プリプレグ 12 ポリエチレンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 161/20 JEW 8215−4J 163/00 JFK 8830−4J C23C 18/18 18/20 Z // C08F 299/02 MRV 7442−4J H05K 3/18 A 7511−4E

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸あるいは酸化剤に対して可溶性である
    硬化処理済の耐熱性樹脂微粉末を、硬化処理が施された
    場合には酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性を
    示す未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に分散させてな
    る接着剤において、前記耐熱性樹脂微粉末としてアミノ
    樹脂微粉末を用いることを特徴とする配線板用接着剤。
  2. 【請求項2】 アミノ樹脂微粉末は、メラミン樹脂,尿
    素樹脂およびグアナミン樹脂のうちから選ばれるいずれ
    か1種または2種以上の樹脂微粉末である請求項1に記
    載の接着剤。
  3. 【請求項3】 耐熱性樹脂マトリックスは、未硬化の多
    官能性エポキシ樹脂または未硬化の2官能性エポキシ樹
    脂のいずれかである熱硬化性耐熱樹脂と、イミダゾール
    系硬化剤の混合物である請求項1に記載の接着剤。
  4. 【請求項4】 耐熱性樹脂マトリックスは、固形分で、
    20〜100 wt%の未硬化の多官能性エポキシ樹脂と80〜0
    wt%の未硬化の2官能性エポキシ樹脂とからなる熱硬化
    性耐熱樹脂と、固形分で、2〜10wt%のイミダゾール系
    硬化剤とで構成し、アミノ樹脂微粉末を、この耐熱性樹
    脂マトリックス中に、それの固形分100 重量部に対して
    10〜100 重量部分散混合したことを特徴とする請求項3
    に記載の接着剤。
  5. 【請求項5】 耐熱性樹脂マトリックスは、未硬化の多
    官能性エポキシ樹脂,未硬化の多官能性のアクリル基を
    有する樹脂および未硬化の多官能性アクリル樹脂から選
    ばれる少なくとも1種の感光性耐熱樹脂、もしくは、こ
    れらの樹脂と未硬化の2官能性エポキシ樹脂および未硬
    化の2官能性アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種
    の感光性耐熱樹脂との混合樹脂である請求項1に記載の
    接着剤。
  6. 【請求項6】 耐熱性樹脂マトリックスは、固形分で、
    20〜100 wt%の未硬化の多官能性エポキシ樹脂,未硬化
    の多官能性のアクリル基を有する樹脂および未硬化の多
    官能性アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の感光
    性耐熱樹脂と、固形分で、80〜0wt%の未硬化の2官能
    性エポキシ樹脂および未硬化の2官能性アクリル樹脂か
    ら選ばれる少なくとも1種の感光性耐熱樹脂との混合樹
    脂で構成し、アミノ樹脂微粉末を、この耐熱性樹脂マト
    リックス中に、それの固形分100 重量部に対して、10〜
    100 重量部分散混合したことを特徴とする請求項5に記
    載の接着剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つに記載され
    た接着剤の層を基板上に設けて硬化したのち、その接着
    剤層の表面を酸あるいは酸化剤で粗化し、その後、無電
    解めっきを施すことを特徴とするプリント配線板の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも一方の基板表面に接着剤層を
    設けて、その上に導体回路を形成してなるプリント配線
    板において、酸あるいは酸化剤に対して可溶性である硬
    化処理済の耐熱性樹脂微粉末を、硬化処理されて酸ある
    いは酸化剤に対して難溶性である特性を示す耐熱性樹脂
    マトリックス中に分散させてなる接着剤の、前記耐熱性
    樹脂微粉末としてアミノ樹脂微粉末を用いたことを特徴
    とするプリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015011265A (ja) * 2013-07-01 2015-01-19 日立化成株式会社 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性フィルム、永久レジスト及び永久レジストの製造方法
JP2016139647A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 日立化成株式会社 プリント配線板の製造方法
JP2019011445A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー エポキシ接着剤

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