JP2834912B2 - 配線板用接着剤とこの接着剤を用いたプリント配線板の製造方法およびプリント配線板 - Google Patents

配線板用接着剤とこの接着剤を用いたプリント配線板の製造方法およびプリント配線板

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JP2834912B2 JP20561691A JP20561691A JP2834912B2 JP 2834912 B2 JP2834912 B2 JP 2834912B2 JP 20561691 A JP20561691 A JP 20561691A JP 20561691 A JP20561691 A JP 20561691A JP 2834912 B2 JP2834912 B2 JP 2834912B2
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K2203/00Indexing scheme relating to apparatus or processes for manufacturing printed circuits covered by H05K3/00
    • H05K2203/07Treatments involving liquids, e.g. plating, rinsing
    • H05K2203/0756Uses of liquids, e.g. rinsing, coating, dissolving
    • H05K2203/0773Dissolving the filler without dissolving the matrix material; Dissolving the matrix material without dissolving the filler

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  • Epoxy Resins (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無電解めっき性および
塗布性がともに優れる配線板用接着剤とこの接着剤を用
いたプリント配線板の製造方法およびプリント配線板に
関するものであり、特に耐熱性,電気特性および基板と
無電解めっき膜との密着性に優れた無電解めっきに適合
した接着剤とこの接着剤を用いたプリント配線板の製造
方法およびプリント配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子工業の進歩に伴い電子機器の
小型化あるいは高速化が進められており、このためプリ
ント配線板やLSIを実装する配線板においてもファイ
ンパターンによる高密度化および高い信頼性が要求され
ている。
【0003】従来、プリント配線板に導体回路を形成す
る方法としては、基板に銅箔を積層した後、フォトエッ
チングすることにより、導体回路を形成するエッチドフ
ォイル方法が広く行われている。この方法によれば、基
板との密着性に優れた導体回路を形成することができる
が、銅箔の厚さが厚いためにエッチングにより高精度の
ファインパターンが得難いという大きな欠点があり、さ
らに製造工程も複雑で効率が良くないなどの諸問題があ
る。
【0004】このため、最近、配線板に導体を形成する
方法として、ジエン系合成ゴムを含む接着剤を基板表面
に塗布して接着層を形成し、この接着層の表面を粗化し
た後、無電解めっきを施して導体を形成するアディティ
ブ法が採用されている。しかしながら、この方法で一般
的に使用されている接着剤は合成ゴムを含むため、例え
ば高温時に密着強度が大きく低下したり、ハンダ付けの
際に無電解めっき膜がふくれるなど耐熱性が低いこと、
表面抵抗などの電気特性が充分でないことなど欠点があ
り、使用範囲がかなり制限されている。
【0005】これに対し、発明者らは、先に前述の如き
無電解めっきを施すための接着剤が有する欠点を解消
し、耐熱性,電気特性および無電解めっき膜との密着性
に極めて優れ、かつ比較的容易に実施できる接着剤およ
びこの接着剤を用いた配線板の製造方法を特開昭61−27
6875号公報で提案した。すなわち、この開示された技術
は、酸化剤に対して可溶性の硬化処理済の耐熱性樹脂粉
末が、硬化処理することにより酸化剤に対して難溶性と
なる特性を有する未硬化の耐熱性樹脂液中に分散されて
なることを特徴とする接着剤、およびこの接着剤を基板
に塗布した後、乾燥硬化して接着剤層を形成させ、前記
接着剤層の表面部分に分散している上記微粉末の少なく
とも一部を溶解除去して接着剤層の表面を粗化し、次い
で無電解めっきを施すことを特徴とする配線板の製造方
法である。
【0006】この既知技術によれば、上記接着剤は、予
め硬化処理された耐熱性樹脂微粉末が耐熱性樹脂液中に
分散されており、この接着剤を基板に塗布し乾燥硬化さ
せるとマトリックスを形成する耐熱性樹脂中に耐熱性樹
脂微粉末が均一に分散した状態の接着剤層が形成され
る。そして、前記耐熱性樹脂微粉末と耐熱性樹脂マトリ
ックスとは酸化剤に対する溶解性に差異があるため、前
記接着剤層を酸化剤で処理することにより、接着剤層の
表面部分に分散している微粉末が主として溶解除去さ
れ、効果的なアンカー窪みが形成されて接着剤層の表面
を均一粗化でき、ひいては基板と無電解めっき膜との高
い密着強度と高い信頼性が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記接着剤
の塗布方法としてはロールコータ法が主として採用され
ている。ところが、このような方法による塗布では、塗
布後の状態、例えば膜厚が不均一であったり、気泡がか
らんでいたり、あるいはフィラーが沈降したりすると、
接着層にピンホールが形成されたり、アンカーが不均一
になったりして、導体の密着強度が部分的に低下した
り、さらにはパターン間がショートしてしまうなどの問
題があった。
【0008】このことから、上述の如き接着剤を用いて
高精度でかつ高信頼性のプリント配線板を製造するに
は、上述したような接着剤のアンカー効果を改良して無
電解めっき性を向上させるだけでは不足し、さらに接着
剤の有する塗布性に関する特性、とりわけ接着剤の粘度
に対する吟味も必要であることが判った。
【0009】そこで、本発明の目的は、接着剤の無電解
めっき性、即ち接着剤のアンカー効果を損なうこと無
く、かつ塗布性、即ち好適粘度をもつ接着剤の開発とか
かる接着剤を利用するプリント配線板製造技術を確立す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的の
実現に向け主として接着剤の塗布性に関し鋭意研究した
結果、接着剤の固体液体組成を好適なものにすることに
より、即ち接着剤の固形分の濃度をある範囲に調整する
ことにより、塗布状態、膜厚およびピール強度の全てを
所定の満足し得る状態にできることを見出し、本発明に
想到した。
【0011】すなわち、本発明の接着剤は、酸あるいは
酸化剤に対して可溶性である硬化処理済の耐熱性樹脂微
粉末を、硬化処理が施された場合には酸あるいは酸化剤
に対して難溶性となる特性を有する未硬化の耐熱性樹脂
マトリックス中に分散させてなる接着剤において、マト
リックス中の耐熱性樹脂微粉末,未硬化の耐熱性樹脂お
よび硬化剤の固形分濃度が、55〜85wt%であることを特
徴とする無電解めっき性および塗布性が共に優れる配線
板用接着剤である。
【0012】ここで、上記接着剤のその粘度を回転粘度
計で測定した値は、回転数6rpm のとき5.1 ±2.0 Pa・
s ,より好ましくは5.1 ±0.7 Pa・s 、回転数60rpm の
とき2.4 ±1.0 Pa・s ,より好ましくは2.4 ±0.3 Pa・
s を示し、かつ回転数6rpmの粘度と回転数60rpm の粘
度との比が、2.1 ±1.0 ,より好ましくは2.1 ±0.4を
示すことが望ましい。
【0013】前記樹脂微粉末を分散させる耐熱性樹脂マ
トリックスは、多官能性エポキシ樹脂および2官能性エ
ポキシ樹脂のなかから選ばれる少なくとも1種、もしく
は、多官能エポキシ樹脂および2官能性エポキシ樹脂の
なかから選ばれるいずれか少なくとも1種とイミダゾー
ル系硬化剤との混合物からなり、上記マトリックスは、
固形分で、20〜100 wt%の多官能性エポキシ樹脂と0〜
80wt%の2官能性エポキシ樹脂とからなる耐熱性樹脂
と、マトリックスの合計固形分に対して2〜10wt%のイ
ミダゾール系硬化剤で構成することが望ましい。
【0014】また、上述した接着剤中の樹脂微粉末含有
量は、耐熱性樹脂マトリックスとイミダゾール系硬化剤
の混合物、あるいは硬化剤を含んだマトリックスの固形
分100 重量部に対して、10〜100 重量部の範囲であるこ
とが好ましい。
【0015】なお、硬化済の2官能性エポキシ樹脂微粉
末を、未硬化の多官能性エポキシ樹脂および2官能性エ
ポキシ樹脂のなかから選ばれる少なくとも1種の耐熱性
樹脂マトリックス中に分散させてなる混合物は、イミダ
ゾール系硬化剤とそれぞれ分離し保存し、使用直前にこ
の両者を混合し、使用することが望ましい。
【0016】また、前記耐熱性樹脂微粉末の硬化処理
は、硬化剤による硬化処理が望ましい。
【0017】次に、上記接着剤を用いる本発明のプリン
ト配線板製造方法は、上述した接着剤を、基板上にロー
ルコーターで塗布した後、乾燥硬化して接着剤層を形成
させ、前記接着剤層の表面部分に分散している上記樹脂
微粉末の少なくとも一部を溶解除去して接着剤層の表面
を粗化し、次いで無電解めっきを施すことを特徴とする
アディティブプロセスによる方法であり、ここで基板上
にロールコーターで塗布する場合には、コーティングロ
ーラとドクターバーとの隙間を0.2 〜0.6mm 、搬送速度
を0.1 〜3.0m/分とする。
【0018】そして、上記製造方法によって得られる本
発明のプリント配線板は、少なくとも一方の基板表面に
接着剤層を設けて、その上に導体回路を形成してなるプ
リント配線板において、酸あるいは酸化剤に対して可溶
性である硬化処理済の耐熱性樹脂微粉末を、硬化処理が
施された場合には酸あるいは酸化剤に対して難溶性とな
る特性を有する未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に分
散させてなる上記接着剤として、マトリックス中の耐熱
性樹脂微粉末,未硬化の耐熱性樹脂および硬化剤の固形
分濃度を、55〜85重量%に調整したものを用いたことを
特徴とするプリント配線板である。
【0019】
【作用】さて、一般にニュートン流動を示す接着剤を用
いた場合、粘度を低く設定すると、接着剤の流れがよく
なり、塗布が容易となる。しかし、この接着剤は、有害
な「垂れ」とか「流れ」あるいはフィラーの沈降などを
生じ、所望の塗膜を得ることができない。しかも、この
接着剤の粘度を高く設定すると、流れが悪くなり、塗布
が著しく困難となる。
【0020】このことから、発明者らは、接着剤にチキ
ソトロピックな構造を付与して擬塑性流動体とした。こ
のように構成した接着剤は、塗布したときなどの高ずり
速度状態では、粘度が低下して流れが良くなり、塗布を
容易にする。また、塗布直後の低ずり速度状態のとき
は、構造粘性により、液垂れ,フィラーの沈降などを防
止することができる。
【0021】さらに、発明者らは、接着剤の塗布状態や
作業性などの塗布性は、2種の異なるずり速度(回転
数)における見掛け粘度の比の観察が不可欠であり、接
着剤の特性としては、この2種の異なるずり速度の関係
を明確にすることが有効でないかと考えた。
【0022】そこで、発明者らは、接着剤の固体液体組
成と粘度,塗布性との関係に関し、低ずり速度の状態と
して回転数6rpmのときと、高ずり速度の状態として
60rpmのときの状態を組合せ、前記チキソトロピック
性を比較して種々研究した結果、マトリックス中の耐熱
性樹脂微粉末,未硬化の耐熱性樹脂および硬化剤の固形
分濃度が、55〜85wt%の範囲にある接着剤に限定したの
である。
【0023】この理由は、固形分濃度が85wt%より高い
と、塗布性が悪くなって、塗膜の平坦度が悪化したり、
気泡が抜けないなどの問題が生じ、また、固形分濃度が
55wt%より低いと、マトリックス中の耐熱性樹脂微粉末
が沈降して、ピール強度が低下したり、硬化時の膜厚が
変動するからである。
【0024】すなわち本発明では、上述した固体液体組
成に調整した接着剤を使用することにより接着剤の無電
解めっき性(アンカー特性)を損なうこと無く、塗布性
(粘度特性)に優れ、それ故に塗布状態、膜厚およびピ
ール強度の全ての条件に満足した接着剤層を得ることが
できるようになる。
【0025】ここで、本発明で使用する耐熱性樹脂微粉
末を分散させている耐熱性樹脂マトリックスとしては、
耐熱性,電気絶縁性,化学的安定性および接着性に優
れ、かつ硬化処理することにより酸化剤に対して難溶性
となる特性を有する樹脂であれば使用することができ
る。特に多官能性エポキシ樹脂および2官能性エポキシ
樹脂のなかから選ばれる少なくとも1種を用いることが
好ましい。なかでも、この耐熱性樹脂マトリックスは、
固形分で、20〜100 wt%の多官能性エポキシ樹脂と0〜
80wt%の2官能性エポキシ樹脂との混合物からなること
が好適である。この理由は、多官能性エポキシ樹脂の固
形分が20wt%より少ない場合は、接着剤の硬度が低下
し、しかも耐薬品性が低下するからである。また、この
マトリックスの合計固形分に対して2〜10wt%のイミダ
ゾール系硬化剤を含有させてもよく、場合によってはさ
らに感光性を付与させた樹脂であってもよい。この硬化
剤の量は、10重量部を超えると硬化しすぎて脆くなり、
2重量部より少ないと硬化が不十分なため前記範囲に限
定した。
【0026】なお、感光化した樹脂の場合は、前記樹脂
微粉末を分散させる耐熱性樹脂マトリックスが、多官能
性の、エポキシ樹脂,アクリル基を有する樹脂,
アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種、あるいは前
記,,の樹脂から選ばれる少なくとも1種と2官
能性の、エポキシ樹脂,アクリル樹脂から選ばれる
少なくとも1種との混合樹脂からなることが望ましい。
【0027】また、このマトリックス中の耐熱性樹脂
は、固形分で20〜100 wt%の多官能性の、エポキシ樹
脂,アクリル基を有する樹脂,アクリル樹脂から選
ばれる少なくとも1種、と0〜80wt%の2官能性の、
エポキシ樹脂,アクリル樹脂から選ばれる少なくとも
1種との混合樹脂からなることが好適である。
【0028】このマトリックス用耐熱性樹脂は、溶剤を
含まない耐熱性樹脂をそのまま使用することもできる
が、耐熱性樹脂を溶剤に溶解してなる耐熱性樹脂は、粘
度調節が容易にできるため微粉末を均一に分散させるこ
とができ、しかも基板に塗布し易いので有利に使用する
ことができる。なお、前記耐熱性樹脂を溶解するのに使
用する溶剤としては、通常溶剤、例えばメチルエチルケ
トン,メチルセロソルブ,エチルセロソルブ,ブチルセ
ロソルブ,ブチルセロソルブアセテート,ブチルカルビ
トール,ブチルセルロース,テトラリン,ジメチルホル
ムアミド,ノルマルメチルピロリドンなどを挙げること
ができる。また、上記マトリックス用耐熱性樹脂に、例
えば、フッ素樹脂やポリイミド樹脂,ベンゾグアナミン
樹脂などの有機質充填剤、あるいはシリカやアルミナ,
酸化チタン,ジルコニアなどの無機質微粉末からなる充
填剤を適宜配合してもよい。その他、着色剤(顔料)や
レベリング剤,消泡剤,紫外線吸収剤,難燃化剤などの
添加剤を用いることができる。
【0029】次に、耐熱性樹脂微粉末の配合量は、樹脂
マトリックスの合計固形分100 重量部に対して、10〜10
0 重量部の範囲が好ましい。この理由は、この微粉末の
配合量が10重量部より少ないと、溶解除去して形成され
るアンカーが明確に形成されない。一方、微粉末の配合
量が100 重量部よりも多くなると、接着剤層が多孔質に
なり、接着剤層と無電解めっき膜の密着強度(ピール強
度)が低下するからである。
【0030】この耐熱性樹脂微粉末は、耐熱性と電気絶
縁性に優れ、通常の薬品に対して安定で、しかも予め硬
化処理することにより耐熱性樹脂液あるいはこの樹脂を
溶解する溶剤に対して難溶性であることが要求され、さ
らにはクロム酸酸化剤により溶解することができる特性
を具備する樹脂である必要性から、特にエポキシ樹脂,
ポリエステル樹脂,ビスマレイミド−トリアジン樹脂,
メラミン樹脂およびアミン系硬化剤で硬化されたエポキ
シ樹脂のなかから選ばれるいずれか少なくとも一種であ
ることが好ましく、なかでもアミン系硬化剤で硬化され
たエポキシ樹脂、とりわけ第1,2級アミン硬化剤で硬
化されたエポキシ樹脂は特性的にも優れており最も好適
である。
【0031】硬化する方法としては、加熱により硬化さ
せる方法あるいは露光して感光硬化させる方法などを用
いることができ、特に加熱硬化させる方法は最も実用的
である。
【0032】なお、接着剤を粗化させる酸化剤として
は、クロム酸,クロム酸塩,過マンガン酸塩およびオゾ
ンなどを用いることができる。また、酸としては、塩
酸,硫酸および有機酸などが有効である。
【0033】硬化剤としては、DICY,アミン系硬化剤,
酸無水物およびイミダゾール系硬化剤などを用いること
ができ、特にエポキシ樹脂に対しては、アミン系硬化剤
が有利に使用される。
【0034】前記耐熱性樹脂微粉末の粒度は、平均粒径
が10μm以下であることが好ましく、特に5μm以下で
あることが好適である。その理由は、平均粒径が10μm
より大きいと、溶解除去して形成されるアンカーの密度
が小さくなり、かつ不均一になりやすいため、密着強度
とその信頼性が低下する。しかも、接着剤層表面の凹凸
が激しくなるので、導体の微細パターンが得にくく、か
つ部品などを実装する上でも好ましくないからである。
【0035】このような耐熱性樹脂微粉末としては、例
えば、平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集さ
せて平均粒径2〜10μmの大きさとした凝集粒子、平均
粒径2〜10μmの耐熱性樹脂粉末と平均粒径2μm以下
の耐熱性樹脂粉末との粒子混合物、または、平均粒径2
〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径2μm以下
の耐熱性樹脂粉末もしくは無機微粉末のいずれか少なく
とも1種を付着させてなる疑似粒子のなかから選ばれる
ことが望ましい。
【0036】次に、前記接着剤を用いてプリント配線板
を製造する方法について説明する。本発明の製造方法
は、基板上に、耐熱性樹脂微粉末をマトリックスとなる
耐熱性樹脂中に分散させて得られる前記接着剤を、ロー
ルコーターにより塗布し、乾燥硬化して、接着剤層を形
成する。この接着剤層の厚さは通常2〜40μm程度であ
るが、この接着剤層を金属基板や多層配線板の層間絶縁
層を兼ねて使用する場合にはそれ以上に厚く塗布するこ
ともできる。
【0037】なお、塗布に当っては、コーティングロー
ラとドクターバーとの隙間を0.2 〜0.6mm 、搬送速度を
0.1 〜3.0m/分とすることが好ましい。この理由は、前
記隙間が0.6mm より広いと塗膜にムラが発生しやすく、
0.2mm より狭いと適切な膜厚を得難いからである。ま
た、搬送速度が0.1mm /分より遅いと量産性に欠け、3.
0mm /分より速いと膜厚が不均一となるからである。
【0038】本発明の製造方法で使用する上記基板とし
ては、例えばプラスチック基板,セラミック基板,金属
基板およびフィルム基板などを使用することができ、具
体的にはガラスエポキシ基板,ガラスポリイミド基板,
アルミナ基板,低温焼成セラミック基板,窒化アルミニ
ウム基板,アルミニウム基板,鉄基板およびポリイミド
フィルム基板などを使用することができる。そして、こ
れらの基板を用いて、片面配線板,両面スルーホール配
線板およびCu/ポリイミド多層配線板のような多層配線
板などを製作することができる。なお、上記接着剤その
ものを板状あるいはフィルム状に成形して無電解めっき
を施すことのできる接着性を有する基体とすることもで
きる。
【0039】次いで、上述のようにして基板上に形成さ
れた前記接着剤層を、その表面に分散している耐熱性樹
脂微粉末の少なくとも一部を、酸もしくは酸化剤を用い
て溶解除去する。この溶解除去方法としては、前記酸も
しくは酸化剤の溶液を用いて、接着剤層を形成した基板
をその溶液中に浸漬するか、あるいは基板に酸もしくは
酸化剤溶液をスプレーするなどの手段によって実施する
ことができ、その結果接着剤層の表面を粗化することが
できる。なお、この耐熱性樹脂微粉末の溶解除去を効果
的に行わせることを目的として、予め前記接着剤層の表
面部分を、例えば微粉研磨剤によるポリシングや液体ホ
ーニングを行うことにより軽く粗化することが極めて有
効である。
【0040】その後、基板上の表面粗化された接着剤層
上に無電解めっきを施して、所望のプリント配線板を得
る。この無電解めっきとしては、例えば無電解銅めっ
き,無電解ニッケルめっき,無電解スズめっき,無電解
金めっきおよび無電解銀めっきなどを挙げることがで
き、特に無電解銅めっき,無電解ニッケルめっきおよび
無電解金めっきのいずれか少なくとも1種であることが
好適である。なお、前記無電解めっきを施した上に更に
異なる種類の無電解めっきあるいは電気めっきを行った
り、ハンダをコートしたりすることもできる。
【0041】上述したような本発明の方法により得られ
た配線板は、既知のプリント配線板について実施されて
いる種々の方法でも導体回路を形成することができる。
例えば、基板に無電解めっきを施してから回路をエッチ
ングする方法や無電解めっきを施す際に直接回路を形成
する方法などにも適用することができる。
【0042】次に、上述のようにして得られる本発明の
プリント配線板について説明する。本発明のプリント配
線板では、例えば、図2(f),図3(f) に示すように基板
1上に接着剤層2を介してめっきレジスト3および導体
回路4を形成してなる片面プリント配線板、図1(f),図
4(f) ,図5(f) に示すように基板1両面の接着剤層2
とスルーホール5を介してめっきレジスト3および導体
回路4を形成してなる両面スルーホールプリント配線
板、および図6(d) に示すように第1導体層4を形成さ
せた基板1′上に、バイアホール7を有する層間絶縁層
(接着剤層)2′を介した導体回路(4,6,8,10)を多層
形成させてなるビルドアップ多層配線板において、上記
接着剤が、いずれの場合も、酸あるいは酸化剤に対して
可溶性である硬化処理済の耐熱性樹脂微粉末を、硬化処
理が施された場合には酸あるいは酸化剤に対して難溶性
となる特性を有する未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中
に分散させてなるものであり、そのマトリックス中の耐
熱性樹脂微粉末,未硬化の耐熱性樹脂,硬化剤および添
加剤の固形分濃度を、55〜85wt%の範囲に調整したもの
である。
【0043】
【実施例】(実施例1) (1) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)60重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェル製)40重量部、エポキシ樹脂微粉末A(東レ製、
平均粒径5.5 μm )25重量部およびエポキシ樹脂微粉末
B(東レ製、平均粒径0.5 μm )10重量部を混合し、そ
の混合物に対して20wt%のブチルセロソルブアセテート
を添加してホモディスパー分散機にて攪拌した後、3本
ローラで混練した。 (2) 次に、この混練物に消泡剤(サンノプコ製)0.5 wt
%とレベリング剤(サンノプコ製)0.75wt%を添加し、
その後ホモジナイザー攪拌機にて攪拌し、接着剤溶液A
を得た。 (3) イミダゾール系硬化剤(四国化成製)5重量部を適
量のブチルセロソルブアセテートに溶解させて接着剤溶
液Bを得た。 (4) 接着剤溶液Aと接着剤溶液Bとをホモジナイザー攪
拌機にて攪拌混合し、接着剤溶液を得た。この溶液の粘
度は、JIS−K7117に準じ、東京計器製デジタル粘度
計を用いて20℃、60秒間測定した結果、回転数6rpm で
4.8 Pa・s 、60rpm で2.2 Pa・s であり、そのSVI値
(チキソトロピック性)は2.2であった。また、得られ
た接着剤の固形分は、60wt%であった。 (5) この接着剤をロールコータ(大日本スクリーン製)
を使用して、銅箔が粘着されていない1.6mm 厚さの絶縁
板(基板:図1(a) )に塗布した。この時の塗布方法
は、コーティングロールとして、中高粘度用レジスト用
コーティングロール(大日本スクリーン製)を用い、コ
ーティングローラとドクターバーとの隙間を0.3mm 、コ
ーティングローラとバックアップローラとの隙間を1.4m
m 、搬送速度を300mm/s とし、1回塗布した後、90°回
転させて、もう1回塗布し、80℃で5分乾燥させ、さら
にこの工程を3回繰り返す方法である(図1(b) 参
照)。 (6) 次いで、この接着剤を塗布した基板1を80℃で1時
間、100 ℃で1時間、120 ℃で3時間予備乾燥し、その
後絶縁板の反対の面にも同様の処理を施した後、150 ℃
で15時間乾燥硬化させて、両面に厚さ35μm の接着剤層
2を形成した(図1(c) 参照)。 (7) この基板1をドリルで削孔し、スルーホール用の孔
5を設けた(図1(d)参照)。 (8) 前記(7) の基板1を、6N塩酸に70℃,15分間浸漬
して接着剤層2の表面を粗化し、その後中和溶液(シプ
レイ社製)に浸漬して水洗した。この接着剤が粗化され
た基板1にパラジウム触媒(シプレイ社製)を付与して
接着剤層2の表面を活性化させた(図1(e) 参照)。 (9) 前記基板1を窒素ガス雰囲気(10ppm 酸素)中で11
0 ℃で30分、触媒固定化の熱処理を行い、その後、感光
性のドライフィルムをラミネートし、露光した後、変成
クロロセンで現像し、めっきレジスト3(厚さ40μm )
を形成した(図1(f) 参照)。 (10)めっきレジスト3を形成し終えた前記基板1を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に12時間浸漬して、め
っき膜4の厚さ25μm の無電解銅めっきを施し、プリン
ト配線板を得た(図1(f) 参照)。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例2) (1) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)60重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェル製)40重量部、イミダゾール系硬化剤(四国化成
製)5重量部、エポキシ樹脂微粉末A(東レ製、平均粒
径5.5 μm )25重量部およびエポキシ樹脂微粉末B(東
レ製、平均粒径0.5 μm )10重量部を混合し、その混合
物に対して10wt%のブチルセロソルブアセテートを添加
してホモディスパー分散機にて攪拌した後、3本ローラ
で混練した。 (2) 次に、この混練物にブチルセロソルブアセテートを
適量添加し、その後ホモジナイザー攪拌機にて攪拌し、
接着剤溶液を得た。この溶液の粘度は、回転数6rpm で
5.0 Pa・s 、60rpm で2.5 Pa・s であり、そのSVI値
(チキソトロピック性)は2.0 であった。また、得られ
た接着剤の固形分は、83wt%であった。 (3) この接着剤を、実施例1と同様の方法で銅箔が粘着
されていない1.6mm の厚さの絶縁板(基板)1に塗布
し、厚さ35μm の接着剤層2を形成した(図2(b),(c)
参照)。 (4) 接着剤層2を形成した基板1を、500g/lのクロム酸
(CrO3) 水溶液からなる酸化剤に70℃で15分間浸漬して
接着剤層2の表面を粗化し、その後実施例1と同様の処
理を施して厚さ40μm のめっきレジスト3を形成した
(図2(d),(e) 参照)。 (5) めっきレジスト3を形成し終えた前記基板1を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、め
っき膜4の厚さ25μm の無電解銅めっきを施し、プリン
ト配線板を得た(図2(f) 参照)。
【0046】(実施例3) (1) エポキシ樹脂(三井石油化学製)を熱風乾燥機内に
て160 ℃で1時間、さらに180 ℃で4時間、乾燥硬化さ
せ、この硬化させたエポキシ樹脂を粗粉砕し、その後液
体窒素で凍結させながら、超音速ジェット粉砕機(日本
ニューマチック社製)を使用して微粉砕し、さらに風力
分級機(日本ドナルドソン製)にて分級し、平均粒径0.
5 μm のエポキシ樹脂微粉末を得た。 (2) 特殊多官能性エポキシ樹脂(油化シェル製)80重量
部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製)
20重量部、キュアゾール硬化剤(四国化成製)5重量部
および前記(1) で得たエポキシ樹脂微粉末25重量部を混
合し、その混合物に対して10wt%のブチルセロソルブア
セテートを添加した後、3本ローラーで混練した。 (3) 次に、この混練物に充填剤としてシリカ微粉末(龍
森製)20重量部とブチルセロソルブとジメチルホルムア
ルデヒドの混合溶媒(混合比率6/4)を適量添加し、
その後ホモジナイザー攪拌機にて攪拌した後、3本ロー
ラで混練し、接着剤溶液を得た。この溶液の粘度は、回
転数6rpm で5.0 Pa・s 、60rpm で2.5Pa・s であり、
そのSVI値は2.0 であった。また、得られた接着剤の
固形分は、70wt%であった。 (4) この接着剤を実施例1と同様の方法で銅箔が粘着さ
れていない1.6mm の厚さの絶縁板(基板)1に塗布し、
厚さ30μm の接着剤層2を形成した(図3(b),(c) 参
照)。 (5) 接着剤層2を形成した基板1を、実施例2の(4) と
同様の処理を施し、厚さ40μm のめっきレジスト3を形
成した(図3(d),(e) 参照)。 (6) めっきレジスト3を形成し終えた前記基板1を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、め
っき膜4の厚さ25μm の無電解銅めっきを施し、プリン
ト配線板を得た(図3(f) 参照)。
【0047】(実施例4) (1) ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製)
100 重量部をMEKで希釈した後、硬化剤として脂肪芳
香族アミン(m−キシレンジアミン;住友化学製)を15
重量部配合し、その後120 ℃で3時間乾燥硬化した。こ
の硬化させたエポキシ樹脂を粗粉砕し、その後液体窒素
で凍結させながら、超音速ジェット粉砕機(日本ニュー
マチック社製)を使用して微粉砕し、さらに風力分級機
(日本ドナルドソン製)にて分級し、平均粒径1.5 μm
のエポキシ樹脂微粉末を得た。 (2) オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化
シェル製)100 重量部、イミダゾール系硬化剤(四国化
成製)7重量部および前記(1) で得たエポキシ樹脂微粉
末を混合し、その混合物に対して10wt%のトルエンを添
加してホモディスパーにて攪拌した後、ボールミルで混
練した。 (3) 次に、この混練物に消泡剤(サンノプコ製)1.5 wt
%とブチルセロソルブアセテートを適量添加し、その後
ホモジナイザー攪拌機にて攪拌した後、3本ローラで混
練し、接着剤溶液を得た。この溶液の粘度は、回転数6
rpm で5.3 Pa・s 、60rpm で2.8 Pa・s であり、そのS
VI値は1.9 であった。また、得られた接着剤の固形分
は、58wt%であった。 (4) この接着剤を実施例1と同様の方法で銅箔が粘着さ
れていない1.6mm の厚さの絶縁板(基板)1に塗布し、
両面に厚さ30μm の接着剤層2を形成した(図4(b),
(c) 参照)。 (5) この基板1をドリルで削孔し、スルーホール用の孔
5を設けた(図4(d)参照)。 (6) 前記(5) の基板1を、実施例2の(4) と同様の処理
を施し、厚さ40μm のめっきレジスト3を形成した(図
4(e),(f) 参照)。 (7) めっきレジスト3を形成し終えた前記基板1を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、め
っき膜4の厚さ25μm の無電解銅めっきを施し、プリン
ト配線板を得た(図4(f) 参照)。
【0048】(実施例5) (1) エポキシ樹脂粒子(東レ製、平均粒径3.9 μm )20
0gを、5lのアセトン中に分散させたエポキシ樹脂粒子
懸濁液中へ、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)
内で攪拌しながら、アセトン1lに対してエポキシ樹脂
(三井石油化学製)を30gの割合で溶解させたアセトン
溶液中にエポキシ樹脂粉末(東レ製、平均粒径0.5 μm
)300gを分散させた懸濁液を滴下することにより、上
記エポキシ樹脂粒子表面にエポキシ樹脂粉末を付着せし
めた後、上記アセトンを除去し、その後、150 ℃に加熱
して、擬似粒子を作成した。この擬似粒子は、平均粒径
が約4.3 μm であり、約75重量%が、平均粒径を中心と
して±2μmの範囲に存在していた。 (2) フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(油化シェル
製)50重量部、ノボラック型多官能エポキシ樹脂(油化
シェル製)50重量部およびキュアゾール硬化剤(四国化
成製)5重量部を、ブチルセロソルブとジメチルホルム
アミドの混合溶媒(比率6/4)に溶解し、この組成物
の固形分100 重量部に対して、前記(1)で作成した微粉
末を50重量部の割合で混合し、3本ロールで混練し、さ
らにブチルセロソルブアセテートを添加して固形分濃度
65%の接着剤溶液を得た。 (3) 次いで、ブチルセロソルブアセテートを適量添加し
てホモジナイザー攪拌機にて攪拌し、その後3本ローラ
で混練して接着剤溶液を得た。この溶液の粘度は、回転
数6rpm で4.8 Pa・s 、60rpmで2.2 Pa・s であり、そ
のSVI値は2.2 であった。また、得られた接着剤の固
形分は、65wt%であった。 (4) この接着剤を実施例1と同様の方法で銅箔が粘着さ
れていない1.6mm の厚さの絶縁板(基板)1に塗布し、
両面に厚さ30μm の接着剤層2を形成した図5(b),(c)
参照)。 (5) この基板1をドリルで削孔し、スルーホール用の孔
5を設けた(図5(d)参照)。 (6) 前記(5) の基板1表面を研磨してフィラーを露出さ
せた後、その基板1を実施例1(6),(7) と同様の処理を
施して厚さ40μm のめっきレジスト3を形成した(図5
(e),(f) 参照)。 (7) めっきレジスト3を形成し終えた前記基板1を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に12時間浸漬して、め
っき膜4の厚さ25μm の無電解銅めっきを施し、プリン
ト配線板を得た(図5(f) 参照)。
【0049】(実施例6) (1) ガラスエポキシ銅張積層板(東芝ケミカル製)に感
光性ドライフィルム(デュポン製)をラミネートし、所
望の導体回路パターンが描画されたマスクフィルムを通
して紫外線露光させ画像を焼きつける。ついで、1,
1,1−トリクロロエタンで現像を行い、塩化第2銅エ
ッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、塩化メ
チレンでドライフィルムを剥離する。これにより、複数
の導体パターンからなる第一導体層4を有する配線板
1′を形成した(図6(a)参照)。 (2) エポキシ樹脂粒子(東レ製、平均粒径0.5 μm )を
熱風乾燥機内に装入し、180 ℃で3時間加熱処理して凝
集結合させた。この凝集結合させたエポキシ樹脂粒子
を、アセトン中に分散させ、ボールミルにて5時間解砕
した後、風力分級機を使用して分級し、凝集粒子を作成
した。この凝集粒子は、平均粒径が約3.5μm であり、
約68重量%が、平均粒径を中心として±2μmの範囲に
存在していた。 (3) フェノールアラルキル型エポキシ樹脂の20%アクリ
ル化物100 重量部、ジアリルテレフタレート15重量部、
2-メチル- 1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2- モルフ
ォリノプロパノン-1(チバ・ガイギー製)4重量部、イ
ミダゾール系硬化剤(四国化成製)4重量部および前記
(2) で作成した樹脂粒子25重量部の混合物にジメチルセ
ロソルブを加え、ホモディスパー分散機で調製し、その
後3本ローラーで混練して固形分濃度75%の接着剤溶液
を作成した。この溶液の粘度は、回転数6rpm で4.4 Pa
・s 、60rpm で2.0 Pa・s であり、そのSVI値は、2.
2であった。 (4) 上記(1) で作成した配線板1′上に前記(3) で作成
した感光性樹脂組成物の接着剤溶液をロールコーターを
用いて塗布し、70℃で乾燥させて厚さ約50μmの感光性
樹脂絶縁層2′を形成した(図6(b) 参照)。 (5) 前記(4) の処理を施した配線板1′に100 μmφの
黒円が印刷されたフォトマスクフィルムを密着させ、超
高圧水銀灯により500mj/cm2 で露光した。これを、クロ
ロセン溶液で超音波現像処理することにより、配線板上
に100 μmφのバイアホールとなる開口7を形成した。
前記配線板を超高圧水銀灯により約3000mj/cm2で露光し
さらに100 ℃で1時間、その後150 ℃で10時間加熱処理
することによりフォトマスクフィルムに相当する寸法精
度に優れた開口7を有する層間絶縁層2′を形成した
(図6(b) 参照)。 (6) 前記(5) で作成した配線板1′を、実施例2の(4),
(5) と同様の処理を施し、その後めっき膜4の厚さ25μ
m の無電解銅めっきを施した(図6(c) 参照)。 (7) 前記(2) 〜(6) までの工程をさらに2回繰り返し行
うことにより、配線層が4層(4,6,8,10)のビルドアッ
プ多層配線板を作成した(図6(d) 参照)。
【0050】(実施例7) (1) 本実施例は基本的には実施例1と同様であるが、難
燃性ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)100 重量
部、イミダゾール系硬化剤(四国化成製)7重量部、エ
ポキシ樹脂微粉末A(東レ製、平均粒径 5.5μm)25重
量部、エポキシ樹脂微粉末B(東レ製、平均粒径 0.5μ
m)10重量部を混合し、その混合物に対して20wt%のブ
チルセロソルブアセテートを添加してホモディスパー分
散機にて攪拌した後、3本ローラで混練した。さらに、
固形分濃度が75%になるように、ブチルセロソルブアセ
テートを添加し、ホモディスパー分散機にて攪拌した。 (2) 次に、この混練物に消泡剤(サンノプコ製)0.5 wt
%とレベリング剤(サンノプコ製)0.75wt%を添加し、
その後ホモジナイザー攪拌機にて攪拌し、接着剤溶液を
得た。この溶液の粘度は、回転数6rpm で4.9 Pa・s 、
60rpm で2.2 Pa・s であり、そのSVI値は、2.2 であ
った。また、得られた接着剤の固形分は、61wt%であっ
た。 (3) この接着剤を用い、実施例1と同様にしてプリント
配線板を得た。
【0051】(実施例8) (1) 本実施例は基本的には実施例6と同様であるが、オ
ルトクレゾール型エポキシ樹脂の70%アクリル化物60重
量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂40重量部、ジア
リルテレフタレート15重量部、2-メチル- 1-〔4-(メチ
ルチオ)フェニル〕-2- モルフォリノプロパノン-1(チ
バ・ガイギー製)4重量部、イミダゾール系硬化剤(四
国化成製)4重量部および実施例6(2) で作成した樹脂
粒子25重量部の混合物にメチルセロソルブを加え、ホモ
ディスパー分散機で調製し、その後3本ローラーで混練
して固形分濃度74%の接着剤溶液を作成した。この溶液
の粘度は、回転数6rpm で4.3 Pa・s 、60rpm で2.1 Pa
・s であり、そのSVI値は、2.0 であった。 (3) この接着剤を用い、実施例1と同様にしてプリント
配線板を得た。
【0052】(比較例1) (1) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)60重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェル製)40重量部、イミダゾール系硬化剤(四国化成
製)5重量部、エポキシ樹脂微粉末A(東レ製、平均粒
径5.5 μm )25重量部およびエポキシ樹脂微粉末B(東
レ製、平均粒径0.5 μm )10重量部を混合した後、その
混合物に対して10wt%のブチルセロソルブアセテートを
添加してホモディスパー分散機にて攪拌し、その後3本
ローラで混練した。 (2) 次に、この混練物に消泡剤(サンノプコ製)0.5 wt
%およびレベリング剤(サンノプコ製)0.75wt%を添加
し、その後ホモジナイザー攪拌機にて攪拌して接着剤溶
液を得た。この溶液の粘度は、回転数6rpm で7.6 Pa・
s 、60rpm で7.5 Pa・s であり、そのSVI値は1.0 で
あった。また、得られた接着剤の固形分は、90wt%であ
った。 (3) この接着剤はロールコータでは塗布できなかった。
【0053】(比較例2) (1) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)60重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化
シェル製)40重量部、イミダゾール系硬化剤(四国化成
製)5重量部、エポキシ樹脂微粉末A(東レ製、平均粒
径5.5 μm )25重量部およびエポキシ樹脂微粉末B(東
レ製、平均粒径0.5 μm )10重量部を混合した後、その
混合物に対して20wt%のブチルセロソルブアセテートを
添加してホモディスパー分散機にて攪拌し、その後3本
ローラで混練した。 (2) 次に、この混練物に消泡剤(サンノプコ製)0.5 wt
%、レベリング剤(サンノプコ製)0.75wt%およびブチ
ルセロソルブアセテートを適量添加し、その後ホモジナ
イザー攪拌機にて攪拌して接着剤溶液を得た。この溶液
の粘度は、回転数6rpm で1.2 Pa・s 、60rpm で1.2 Pa
・s であり、そのSVI値は1.0 であった。得られた接
着剤の固形分は、40wt%であった。 (3) この接着剤を用い、実施例1と同様にしてプリント
配線板を得た。
【0054】上述したようにして製造された配線板の基
板と銅めっき膜との密着強度をJIS-C-6481 の方法で測
定したところ、ピール強度は表2に示す結果となった。
表2から明らかなように、本発明例の場合は、比較例に
比べていずれもピール強度に優れ、しかも、塗布性が良
好であった。また、100 ℃の煮沸水に2時間浸漬するこ
とにより接着層の表面抵抗の変化を調べた結果、本発明
例では、初期値に比べて変化は生じなかった。さらに、
本発明例では、表面温度を300 ℃に保持したホットプレ
ートに配線板の表面を密着させて10分間加熱する耐熱性
試験を行った後にも異常は認められなかった。また、ガ
ラス転移点(Tg),平面平滑性およびフィラーの沈降
性も試験したがいずれの場合も良い結果を得ることがで
きた。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の配線板用
接着剤とこの接着剤を用いた配線板の製造方法によれ
ば、接着剤の無電解めっき性、耐熱性、電気特性および
基板と無電解めっき膜との密着性を損なうことなく、塗
布性に極めて優れる配線板用接着剤およびこの接着剤を
用いたプリント配線板を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線板の一実施例を示す製造
工程図である。
【図2】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【図3】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【図4】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【図5】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【図6】本発明のプリント配線板の一実施例を示す他の
製造工程図である。
【符号の説明】
1,1′ 基板(配線板) 2,2′ 接着剤層(絶縁層) 3 めっきレジスト 4,6,8,10 配線層(めっき膜,導体層) 5 スルーホール用孔 7 バイアホール用開口
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/38 C23C 18/18 H05K 3/46

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸あるいは酸化剤に対して可溶性である
    硬化処理済の耐熱性樹脂微粉末を、硬化処理が施された
    場合には酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性を
    有する未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に分散させて
    なる接着剤において、 マトリックス中の耐熱性樹脂微粉末,未硬化の耐熱性樹
    脂および硬化剤の固形分濃度が、55〜85wt%であること
    を特徴とする配線板用接着剤。
  2. 【請求項2】 上記接着剤のその粘度を回転粘度計で測
    定した値が、回転数6rpm のとき5.1 ±2.0 Pa・s 、回
    転数60rpm のとき2.4 ±1.0 Pa・s を示し、かつ回転数
    6rpm の粘度と回転数60rpm の粘度との比が、2.1 ±1.
    0 を示す請求項1に記載の接着剤。
  3. 【請求項3】 硬化済の2官能性エポキシ樹脂微粉末
    を、未硬化の多官能性エポキシ樹脂および2官能性エポ
    キシ樹脂のなかから選ばれる少なくとも1種の耐熱性樹
    脂マトリックス中に、分散させてなる混合物と、イミダ
    ゾール系硬化剤とからなる請求項1に記載の接着剤。
  4. 【請求項4】 上記耐熱性樹脂マトリックスは、固形分
    で、20〜100wt%の多官能性エポキシ樹脂と0〜80wt%
    の2官能性エポキシ樹脂で構成し、2官能性エポキシ樹
    脂微粉末の含有量を、マトリックスの合計固形分100 重
    量部に対して、10〜100 重量部とした請求項3に記載の
    接着剤。
  5. 【請求項5】 硬化済の2官能性エポキシ樹脂微粉末
    を、未硬化の多官能性エポキシ樹脂および2官能性エポ
    キシ樹脂のなかから選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
    イミダゾール系硬化剤との混合物からなるマトリックス
    中に、分散させてなる請求項1に記載の接着剤。
  6. 【請求項6】 上記マトリックスは、固形分で、20〜10
    0 wt%の多官能性エポキシ樹脂と0〜80wt%の2官能性
    エポキシ樹脂とからなる耐熱性樹脂と、マトリックスの
    合計固形分に対して2〜10wt%のイミダゾール系硬化剤
    とで構成し、2官能性エポキシ樹脂微粉末の含有量を、
    上記マトリックスの固形分100 重量部に対して10〜100
    重量部とした請求項5に記載の接着剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つに記載され
    た接着剤を、基板上にロールコーターで塗布し、硬化さ
    せた後、表面を酸あるいは酸化剤で粗化し、その後無電
    解めっきを施すことを特徴とするプリント配線板の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 接着剤を基板上にロールコーターで塗布
    するに当り、コーティングローラとドクターバーとの隙
    間を0.2 〜0.6mm 、搬送速度を0.1 〜3.0m/分とするこ
    とを特徴とする請求項6に記載のプリント配線板の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも一方の基板表面に接着剤層を
    設けて、その上に導体回路を形成してなるプリント配線
    板において、酸あるいは酸化剤に対して可溶性である硬
    化処理済の耐熱性樹脂微粉末を、硬化処理が施された場
    合には酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性を有
    する未硬化の耐熱性樹脂マトリックス中に分散させてな
    る上記接着剤として、マトリックス中の耐熱性樹脂微粉
    末,未硬化の耐熱性樹脂および硬化剤の固形分濃度を、
    55〜85wt%に調整したものを用いたことを特徴とするプ
    リント配線板。
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