JP3138520B2 - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板およびその製造方法

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JP3138520B2 JP3467392A JP3467392A JP3138520B2 JP 3138520 B2 JP3138520 B2 JP 3138520B2 JP 3467392 A JP3467392 A JP 3467392A JP 3467392 A JP3467392 A JP 3467392A JP 3138520 B2 JP3138520 B2 JP 3138520B2
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H05K2203/00Indexing scheme relating to apparatus or processes for manufacturing printed circuits covered by H05K3/00
    • H05K2203/07Treatments involving liquids, e.g. plating, rinsing
    • H05K2203/0756Uses of liquids, e.g. rinsing, coating, dissolving
    • H05K2203/0773Dissolving the filler without dissolving the matrix material; Dissolving the matrix material without dissolving the filler

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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層プリント配線板お
よびその製造方法に関し、特に耐熱性樹脂からなる樹脂
絶縁層によって電気的に絶縁された複数の無電解めっき
膜からなる導体回路を有する多層プリント配線板および
その製造方法について提案する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩に伴い、大型コン
ピューターなどの電子機器においては高密度化あるいは
演算機能の高速化が進められている。その結果、最近で
は、プリント配線板についても上述の高密度化や高速演
算化に対応して、配線回路が多層に形成された多層プリ
ント配線板が脚光を浴びるようになってきた。
【0003】このような多層プリント配線板としては、
従来、内装回路が形成された複数の回路板をプリプレグ
を絶縁層として積層し、プレスした後、スルーホールに
よって各内装回路を接続し、導通させた形式のものが代
表的なものであった。
【0004】しかしながら、このような形式の多層プリ
ント配線板は、複数の内装回路をスルーホールを介して
接続,導通させたものであるため、配線回路が複雑にな
りすぎて高密度化あるいは高速化を実現することが困難
であるという問題点があった。
【0005】このような問題点を克服することのできる
多層プリント配線板として、最近、導体回路と有機絶縁
膜とを交互にビルドアップした多層プリント配線板が開
発されている。たしかに、この多層プリント配線板は、
超高密度化と高速化に適合したものである。しかし、実
際には有機絶縁膜上に無電解めっき膜を信頼性よく形成
させることが困難であるという欠点があった。そのため
に、かかる多層プリント配線板においては、導体回路
を、蒸着やスパッタリングなどのPVD法もしくは前記
PVD法と無電解めっきとの併用法で形成していた。し
かしながら、このようなPVD法による導体回路形成方
法は、生産性に劣りコスト高になるという欠点があっ
た。
【0006】これに対し、発明者らは、前述の如き従来
の多層プリント配線板の有する欠点を解消することを目
的として種々研究し、先に特開昭63−126297号公報およ
び特開平2−188992号公報により、多層プリント配線板
およびその製造方法にかかる各発明を提案した。
【0007】すなわち、これらの先行提案技術は、無電
解めっきして得られる複数の導体回路を、耐熱性樹脂か
らなる樹脂絶縁層によって電気的に絶縁してなる多層プ
リント配線板において、前記樹脂絶縁層を、硬化処理す
ることにより酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特
性を有する未硬化の耐熱性樹脂液中に、酸あるいは酸化
剤に対して可溶性の予め硬化処理された耐熱性樹脂粒子
を分散させてなる接着剤で構成した多層プリント配線
板、および前記接着剤を基板に塗布した後、乾燥硬化し
て樹脂絶縁層を形成させ、この樹脂絶縁層の表面部分に
分散している上記樹脂粒子の少なくとも一部を溶解除去
して表面を粗化し、次いでその粗化表面に無電解めっき
を施して多層プリント配線板を製造する方法である。
【0008】上記先行技術の特徴は、マトリックスを形
成する耐熱性樹脂中に耐熱性樹脂粒子が均一に分散した
状態の樹脂絶縁層が、予め硬化処理された耐熱性樹脂粒
子を耐熱性樹脂液中に分散させてなる接着剤を、基板に
塗布し乾燥硬化させることにより形成されているもので
ある。すなわち、前記耐熱性樹脂粒子と耐熱性樹脂マト
リックスとは、酸あるいは酸化剤に対する溶解性に差異
があるため、酸あるいは酸化剤で処理した場合、接着剤
層の表面部分に分散している樹脂粒子のみが主として溶
解除去され、それ故に効果的なアンカー窪みが形成さ
れ、ひいては基板と無電解めっき膜との高い密着強度と
高い信頼性が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記接着剤
中の耐熱性樹脂粒子としては、耐熱性と電気絶縁性に優
れ、通常の薬品に対して安定で、しかも予め硬化処理を
施した場合には耐熱性樹脂あるいはこの樹脂を溶解する
溶剤に対して難溶性であることが要求され、さらにはク
ロム酸などの酸化剤により溶解することができる特性を
有する樹脂である必要性から、エポキシ樹脂などの数種
の樹脂が使われていた。
【0010】しかしながら、これらの樹脂の場合、硬化
手段によっては、必ずしも上記特性を全て満足する良好
な耐熱性樹脂粒子が得られないのが実情であった。例え
ば、硬化剤の選択によっては、耐熱性樹脂粒子の酸化剤
に対する溶解性が不十分となり、明確なアンカーが形成
されず、その結果、めっき膜のピール強度が低下し、導
体パットが剥がれてしまうなど、実装信頼性に欠ける問
題があった。結局、この発明に先行して提案した前記発
明にかかる多層プリント配線板は、使用する耐熱性樹脂
粒子に応じた最適硬化剤の選択が不可欠となるという解
決課題を残していた。
【0011】本発明の目的は、上記未解決の課題を有利
に解決することにあり、特に、明確なアンカーが容易に
形成できる耐熱性樹脂粒子を見出し、この新規に知見し
た耐熱性樹脂粒子の採用によって、前記樹脂絶縁層を形
成することにより、付着強度を一層向上させ、もって信
頼性の高い多層プリント配線板を確実にかつ安価に提供
する技術を確立することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上掲の目
的実現に向け、さらに研究を進めた結果、エポキシ樹脂
の硬化剤としてアミン系硬化剤を使用することにより、
上記の目的に適う所望の耐熱性樹脂粒子が得られること
を見出し、本発明に想到した。
【0013】すなわち、本発明は、無電解めっきして得
られる複数層からなる導体回路を、耐熱性樹脂からなる
樹脂絶縁層によって電気的に絶縁してなる多層プリント
配線板において、前記樹脂絶縁層を、硬化処理を受ける
と酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる未硬化樹脂マ
トリックス中に、アミン系硬化剤で硬化されたヒドロキ
シエーテル構造を有するエポキシ樹脂粒子を分散させた
接着剤で構成し、かつこの樹脂絶縁層の無電解めっき膜
形成面には、酸や酸化剤の処理によって溶解除去される
前記エポキシ樹脂粒子の部分に、無電解めっき膜のアン
カー形成用の凹部を設けたことを特徴とする多層プリン
ト配線板である。
【0014】本発明の多層プリント配線板製造方法は、
耐熱性樹脂からなる樹脂絶縁層によって電気的に絶縁さ
れた無電解めっき膜からなる複数の導体回路を有する多
層プリント配線板を製造する方法において、少なくとも
下記(a) 〜(c) 工程;すなわち、(a)導体回路を形成
した基板上に、硬化処理を受けると酸あるいは酸化剤に
対して難溶性となる未硬化樹脂マトリックス中に、アミ
ン系硬化剤で硬化されたヒドロキシエーテル構造を有す
エポキシ樹脂粒子を分散させた1層以上の接着剤によ
る樹脂絶縁層を形成する工程、(b)前記各樹脂絶縁層
の表面部分に点在しているエポキシ樹脂粒子部分のみ
を、酸あるいは酸化剤を使用して溶解除去し、無電解め
っき膜を形成する側の面を粗化する工程、(c)粗化さ
れた前記樹脂絶縁層上に無電解めっきを施すことによ
り、導体回路を形成する工程、を経ることを特徴とする
多層プリント配線板の製造方法である。
【0015】
【作用】さて、発明者らは、上述したように、望ましい
耐熱性樹脂粒子を得るべく種々研究を続ける中で、耐熱
性樹脂粒子の硬化剤について着目したところ、アミン系
硬化剤がこの耐熱性樹脂粒子の形成に有効であり、この
硬化剤で硬化したエポキシ樹脂が正に好適であることを
見出したのである。
【0016】エポキシ樹脂をアミン系硬化剤で硬化した
らよい理由は、エポキシ樹脂のエポキシ基とアミン系硬
化剤のアミノ基の活性水素との硬化反応により形成され
るセグメント構造が、酸あるいは酸化剤に対して、特に
溶解性が高いことによるものである。すなわち、アミン
系硬化剤を用いることにより、酸化剤に易溶で、しかも
耐熱性が高い樹脂粒子を得ることができるからである。
このようなセグメントとしては、例えば下記のようなエ
ポキシ基にアミノ基が求核反応して形成される構造が考
えられる。
【0017】このような構造は、ヒドロキシエーテル構
造と呼ばれており、この構造は、酸あるいは酸化剤によ
り容易に切断される。その結果、アミン系硬化剤で硬化
したエポキシ樹脂は、ヒドロキシエーテル構造を有する
ので、酸あるいは酸化剤に対して、特に溶解性が高くな
る。
【0018】このアミン系硬化剤としては、鎖状脂肪族
ポリアミン,環状脂肪族ポリアミン,芳香族アミンおよ
び脂肪族アミンなどが好適に用いられる。なかでも、第
1,第2級アミンが望ましく、第1級アミンよりは第2
級アミンの方が硬化したエポキシ樹脂の溶解度が高い点
で特に望ましい。なお、エポキシ樹脂ならびに硬化剤に
結合している官能基は、分子量が小さいものほど溶解度
が高くなる点で有利である。
【0019】従って、本発明では、酸あるいは酸化剤に
対して可溶性の予め硬化処理された耐熱性樹脂粒子とし
て、上述したアミン系硬化剤で硬化されたヒドロキシエ
ーテル構造を有するエポキシ樹脂を使用することによ
り、効果的なアンカー窪みを容易に形成することがで
き、それ故に無電解めっき膜を堅固に保持することがで
きる上、超高密度で、しかも信頼性の高い多層プリント
配線板を確実にかつ安価に得ることができるようにな
る。
【0020】このようなアンカー形成用耐熱性樹脂粒子
としては、例えば、平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂
微粉末を凝集させて平均粒径2〜10μmの大きさとした
凝集粒子、平均粒径2〜10μmの耐熱性樹脂粉末と平均
粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末との粒子混合物、ま
たは平均粒径2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均
粒径が2μm以下の耐熱性樹脂微粉末もしくは無機微粉
末のいずれか少なくとも1種を付着させてなる疑似粒子
のなかから選ばれる1種以上のものであることが望まし
い。
【0021】このアンカー形成用耐熱性樹脂粒子の粒度
は、平均粒径が10μm以下であることが好ましく、特に
5μm以下であることが好適である。その理由は、平均
粒径が10μmより大きいと、溶解除去して形成されるア
ンカーの密度が小さくなり、かつ不均一になりやすいた
め、密着強度とその信頼性が低下する。しかも、樹脂絶
縁層表面の凹凸が激しくなるので、導体の微細パターン
が得られにくく、かつ部品などを実装する上でも好まし
くないからである。
【0022】また、このアンカー形成用耐熱性樹脂粒子
の配合量は、樹脂マトリックスの合計固形分100 重量部
に対して、10〜100 重量部の範囲が好ましい。この理由
は、この樹脂粒子の配合量が10重量部より少ないと、溶
解除去して形成されるアンカーが明確に形成されない。
一方、樹脂粒子の配合量が100 重量部よりも多くなる
と、樹脂絶縁層表面が多孔質になり、接着剤層と無電解
めっき膜の密着強度(ピール強度)が低下するからであ
る。
【0023】次に、上記耐熱性樹脂粒子を分散させる樹
脂マトリックスとしては、耐熱性,電気絶縁性,化学的
安定性および接着性に優れ、かつ硬化処理することによ
り酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる特性を有する
未硬化の樹脂であれば使用することができ、特に、多官
能性の、エポキシ樹脂,アクリル基を有する樹脂,
アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂、も
しくは前記,,の樹脂から選ばれる少なくとも1
種と2官能性の、エポキシ樹脂,アクリル樹脂から
選ばれる少なくとも1種との混合樹脂からなることが望
ましい。
【0024】なかでも、ビスフェノールA型、ビスフェ
ノールF型、フェノールノボラック型やクレゾールノボ
ラック型のエポキシ樹脂、ビスマレイドトリアジン樹
脂、ポリイミド樹脂およびフェノール樹脂などの熱硬化
性樹脂と、フェノールアラルキル型やフェノールノボラ
ック型のエポキシ樹脂をアクリル化した樹脂、アクリル
樹脂および感光性ポリイミド樹脂などの感光性樹脂が好
適に使用される。
【0025】この上記樹脂マトリックス中の耐熱性樹脂
の混合割合は、多官能性の樹脂が固形分で、20wt%以
上、2官能性の樹脂が80wt%未満の混合樹脂からなるこ
とが好適である。この理由は、多官能性樹脂の固形分20
wt%より少ない場合には、接着剤の硬度が低下し、しか
も耐薬品性が低下するからである。
【0026】また、この樹脂マトリックスの硬化剤とし
ては、DICY,アミン系硬化剤,酸無水物およびイミダゾ
ール系硬化剤などがよい。特に、エポキシ樹脂の場合
は、このマトリックスの合計固形分に対して2〜10wt%
のイミダゾール系硬化剤を含有させることが好ましい。
この理由は、10wt%を超えると硬化しすぎて脆くなり、
2wt%より少ないと硬化が不十分なために充分な硬度が
得られないからである。
【0027】なお、アミン系硬化剤で予め硬化したエポ
キシ樹脂粒子を、未硬化の多官能性エポキシ樹脂および
2官能性エポキシ樹脂のなかから選ばれる少なくとも1
種の耐熱性樹脂マトリックス中に分散させてなる混合物
は、イミダゾール系硬化剤とそれぞれ分離して保存し、
使用直前にこの両者を混合して使用することは、保存安
定性を高める上で有利である。
【0028】次に、本発明の多層プリント配線板を製造
する方法について説明する。本発明の製造方法は、まず
導体回路を形成した基板上に、酸あるいは酸化剤に対し
て可溶性の耐熱性樹脂粒子を酸あるいは酸化剤に対して
難溶性である耐熱性樹脂マトリックス中に分散させて得
られる接着剤を、ロールコーターなどにより塗布し、乾
燥硬化して、樹脂絶縁層を形成することにより始まる。
【0029】導体回路を形成した基板上に、上記樹脂絶
縁層を形成する方法としては、例えば硬化後の特性が酸
化剤に対して難溶性である未硬化の感光性樹脂中に、酸
化剤に対して可溶性の耐熱性樹脂粒子を分散させた接着
剤を塗布する方法、あるいは前記接着剤をフィルム状に
加工した樹脂フィルム,もしくはこの接着剤をガラスク
ロス等の繊維に含浸させたプリプレグを貼付する方法を
適用することができる。これの形成の方法としては、例
えばローラーコート法、ディップコート法、スプレーコ
ート法、スピナーコート法、カーテンコート法およびス
クリーン印刷法などの各種の手段を適用することができ
る。
【0030】上述した酸あるいは酸化剤に対して可溶性
の耐熱性樹脂粒子は、いずれも硬化処理された耐熱性樹
脂で構成される。この耐熱性樹脂粒子を構成する耐熱性
樹脂を硬化処理されたものに限ったのは、硬化処理して
いないものを用いると、マトリックスを形成する耐熱性
樹脂液あるいはこのマトリックスを形成する耐熱性樹脂
を溶剤を用いて溶解した溶液中に添加した場合、この耐
熱性樹脂粒子を構成する耐熱性樹脂も該耐熱性樹脂液あ
るいは溶液中に溶解してしまい、耐熱性樹脂粒子として
の機能を発揮させることが不可能になるからである。
【0031】かかる耐熱性樹脂粒子を構成する耐熱性樹
脂の粒子および微粉末は、例えば、耐熱性樹脂を熱硬化
させてからジェットミルや凍結粉砕機などを用いて粉砕
したり、硬化処理する前に耐熱性樹脂溶液を噴霧乾燥し
たのち硬化処理したり、あるいは未硬化耐熱性樹脂エマ
ルジョンに水溶液硬化剤を加えて攪拌したりして得られ
る粒子を、風力分級機などにより分級することによって
製造される。
【0032】なお、この耐熱性樹脂粒子を構成する耐熱
性樹脂を硬化処理する方法としては、加熱により硬化さ
せる方法あるいは触媒を添加して硬化させる方法などが
あるが、なかでも加熱硬化させる方法が実用的である。
【0033】前記耐熱性樹脂粒子のうち、耐熱性樹脂粉
末の表面に耐熱性樹脂微粉末もしくは無機微粉末のいず
れか少なくとも1種を付着させてなる擬似粒子とする方
法としては、例えば、耐熱性樹脂粉末の表面に耐熱性樹
脂微粉末もしくは無機微粉末をまぶした後、加熱して融
着させるか、結合剤を介して接着させる方法を適用する
ことが有利である。
【0034】前記耐熱性樹脂粒子のうち、耐熱性樹脂微
粉末を凝集させた凝集粒子とする方法としては、例え
ば、耐熱性樹脂微粉末を、熱風乾燥器などで単に加熱す
るか、あるいは各種バインダーを添加、混合して乾燥す
るなどして凝集させる。そして、その後、ボールミル、
超音波分散機などを用いて解砕し、さらに風力分級機な
どにより分級することによって製造することが有利であ
る。
【0035】このようにして得られる耐熱性樹脂粒子の
形状は、球形だけでなく各種の複雑な形状を有してお
り、そのためこれにより形成されるアンカーの形状もそ
れに応じて複雑形状になるため、ピール強度、プル強度
などのめっき膜の密着強度を向上させるのに有効に作用
する。
【0036】上述の如くして製造された耐熱性樹脂粒子
は、マトリックスを形成する耐熱性樹脂液あるいはこの
マトリックスを形成する耐熱性樹脂を溶剤を用いて溶解
した溶液中に添加して、均一分散させる。
【0037】なお、前記耐熱性樹脂粒子を添加する耐熱
性樹脂液としては、溶剤を含まない耐熱性樹脂をそのま
ま使用することもできるが、特に耐熱性樹脂を溶剤に溶
解してなる耐熱性樹脂液は、粘度調節が容易にできるた
め耐熱性粒子を均一に分散させることができ、しかも基
板に塗布し易いので有利に使用することができる。前記
耐熱性樹脂を溶解するのに使用する溶剤としては、通常
溶剤、例えばメチルエチルケトン,メチルセロソルブ,
エチルセロソルブ,ブチルセロソルブ,ブチルセロソル
ブアセテート,ブチルカルビトール,ブチルセルロー
ス,テトラリン,ジメチルホルムアミド,ノルマルメチ
ルピロリドンなどを挙げることができる。
【0038】また、上記耐熱性樹脂液に、例えば、フッ
素樹脂やポリイミド樹脂,ベンゾグアナミン樹脂などの
有機質充填剤、あるいはシリカやアルミナ,酸化チタ
ン,ジルコニアなどの無機質微粉末からなる充填剤を適
宜配合してもよい。その他、着色剤(顔料),レベリン
グ剤,消泡剤,紫外線吸収剤および難燃化剤などの添加
剤を用いることができる。
【0039】本発明における前記樹脂絶縁層の好適な厚
さは、約20〜 100μm程度であるが、特に高い絶縁性が
要求される場合にはそれ以上に厚くすることもできる。
【0040】なお、前記樹脂絶縁層には、導体層間を接
続するためのバイアホールが設けられる。このバイアホ
ールの形成方法としては、マトリックスを構成する耐熱
性樹脂として感光性樹脂を使用する場合は、所定の箇所
を露光した後、現像、エッチングする方法が好適である
が、その他にレーザ加工によりバイアホールを形成する
方法を適用することもできる。一方、耐熱性樹脂として
熱硬化性樹脂を使用する場合は、所定の箇所をレーザや
ドリルを使用して加工する方法が好適である。前記レー
ザ加工によりバイアホールを形成する方法は、樹脂絶縁
層の表面を粗化する前あるいは後のいずれにおいても適
用することができる。
【0041】本発明に使用する基板としては、例えばプ
ラスチック基板、セラミック基板、金属基板、フィルム
基板などを使用することができ、具体的にはガラスエポ
キシ基板、ガラスポリイミド基板、アルミナ基板、低温
焼成セラミック基板、窒化アルミニウム基板、アルミニ
ウム基板、鉄基板、ポリイミドフィルム基板などを使用
することができる。
【0042】次の工程は、前記樹脂絶縁層の表面部分に
点在している前記耐熱性樹脂粒子を酸や酸化剤を用いて
溶解除去する処理である。この工程における溶解除去の
方法としては、前記樹脂絶縁層が形成された基板を、酸
や酸化剤の溶液中に浸漬するか、あるいはこの接着剤層
の表面に酸や酸化剤の溶液をスプレーするなどの手段に
よって実施することができ、その結果、接着剤層の表面
を粗化することができる。なお、前記耐熱性樹脂粒子の
溶解除去を効果的に行わせることを目的として、予め前
記接着剤層の表面部分を、例えば微粉研磨剤を用いてポ
リシングや液体ホーニングを行うことにより軽く粗化す
ることが極めて有効である。
【0043】かかる樹脂絶縁層を粗化する酸化剤として
は、クロム酸やクロム酸塩,過マンガン酸塩,オゾンな
どがよい。また、酸としては、塩酸や硫酸,有機酸など
がよい。
【0044】次に、本発明においては、前記樹脂絶縁層
の表面を粗化した後、その粗化表面に無電解めっきを施
して、導体回路を形成する工程である。この無電解めっ
きの方法としては、例えば無電解銅めっき、無電解ニッ
ケルめっき、無電解スズめっき、無電解金めっきおよび
無電解銀めっきなどを挙げることができ、特に無電解銅
めっき、無電解ニッケルめっきおよび無電解金めっきの
いずれか少なくとも1種であることが好適である。ま
た、前記無電解めっきを施した上にさらに異なる種類の
無電解めっきあるいは電気めっきを行ったり、はんだを
コートしたりすることもできる。
【0045】なお、本発明方法において上記の導体回路
は、既知のプリント配線板について実施されている他の
方法でも形成することができ、例えば基板に無電解めっ
きを施してから回路をエッチングする方法や無電解めっ
きを施す際に直接回路を形成する方法などを適用しても
よい。
【0046】
【実施例】(実施例1) (1) ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製)
100 重量部をMEKで希釈し、硬化剤として鎖状脂肪族
ポリアミン(ジエチレントリアミン;住友化学製)を8
重量部配合した後、100 ℃で2時間乾燥硬化した。この
硬化させたエポキシ樹脂を粗粉砕し、その後、液体窒素
で凍結させながら、超音速ジェット粉砕機を用いて微粉
砕し、さらに風力分級機を使用して分級し、平均粒径1.
7 μmのエポキシ樹脂粒子を得た。
【0047】
【化1】
【0048】(2) ガラスエポキシ銅張積層板(東芝ケミ
カル製)に感光性ドライフィルム(デュポン製)をラミ
ネートし、所望の導体回路パターンが描画されたマスク
フィルムを通して紫外線露光させ画像を焼きつけ、次い
で、1,1,1−トリクロロエタンで現像を行い、塩化
第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した
後、塩化メチレンで残った前記感光性ドライフィルムを
剥離した。これにより、複数の導体パターンからなる第
一導体層4を有する配線板1を得た(図1(a) 参照)。 (3) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)の60%アクリル化物60重量部、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(油化シェル製)40重量部、ジアリルテレ
フタレート15重量部、2−メチル−1−〔4−(メチル
チオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1
(チバ・ガイギー製)4重量部、イミダゾール系硬化剤
(四国化成製)4重量部および前記(1) で得られたエポ
キシ樹脂粒子50重量部を混合した後、ブチルセロソルブ
を添加しながら、ホモディスパー攪拌機で攪拌した。そ
の後、3本ローラーで混練して固形分濃度70%の感光性
接着剤溶液を調製した。この溶液の粘度は、回転数6rp
m で5.0 Pa・s 、60rpm で2.5 Pa・s であり、そのSV
I値は、2.0 であった。 (4) 上記(2) で得た配線板1上に、前記(3) で調製した
感光性樹脂組成物の接着剤溶液をロールコーターを用い
て塗布し、その後、水平状態で20分間放置した後、70℃
で乾燥させて厚さ約50μmの感光性樹脂絶縁層2を形成
した(図1(b),(c) 参照)。 (5) 前記(4) の処理を施した配線板1に100 μmφの黒
円が印刷されたフォトマスクフィルムを密着させ、超高
圧水銀灯により500mj/cm2 で露光した。これを、1,
1,1−トリクロロエタンで超音波現像処理することに
より、配線板1上に100 μmφのバイアホールとなる開
口を形成し、さらに、超高圧水銀灯により約3000mj/cm2
で露光し、100 ℃で1時間、その後、150 ℃で10時間加
熱処理することによりフォトマスクフィルムに相当する
寸法精度に優れた開口7を有する層間樹脂絶縁層2を形
成した(図1(d) 参照)。 (6) 前記(5) で作成した配線板1を、クロム酸(CrO
3 )500g/l水溶液からなる酸化剤に70℃,15分間浸漬し
て層間樹脂絶縁層2の表面を粗化してから、中和溶液
(シプレイ社製)に浸漬して水洗した。この粗化された
層間樹脂絶縁層2を有する基板1に対して、パラジウム
触媒(シプレイ社製)を付与して絶縁層2の表面を活性
化させ、表1に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸
漬して、めっき膜6の厚さ25μm の無電解銅めっきを施
した(図1(e) 参照)。 (7) 前記(4) 〜(6) までの工程をさらに2回繰り返し行
うことにより、配線層が4層(4,6,8,10)のビルドアッ
プ多層配線板を製造した(図1(f) 参照)。
【0049】
【表1】
【0050】(実施例2) (1) ビスフェノールF型エポキシ樹脂(油化シェル製)
100 重量部をMEKで希釈し、硬化剤として環状脂肪族
ポリアミン(メンセンジアミン;Rohm and Hase 製)を
20重量部配合した後、100 ℃で1時間、150 ℃で2時間
乾燥硬化した。この硬化させたエポキシ樹脂を粗粉砕
し、その後、液体窒素で凍結させながら、超音速ジェッ
ト粉砕機を用いて微粉砕して、さらに風力分級機を使用
して分級し、平均粒径1.3 μmのエポキシ樹脂粒子を得
た。
【0051】
【化2】
【0052】(2) 5lのアセトン中に、前記(1) で得ら
れたエポキシ樹脂粒子(平均粒径3.9 μm )200gを分散
させた懸濁液中へ、ヘンシェルミキサー内で攪拌しなが
ら、アセトン10l中に、実施例1の(1) と同様にして得
られたエポキシ樹脂微粉末(平均粒径0.5 μm )300gを
分散させた懸濁液を滴下混合することにより、上記エポ
キシ樹脂粒子表面にエポキシ樹脂微粉末を付着せしめた
後、アセトンを除去し、その後、150 ℃に加熱して、擬
似粒子を作成した。この擬似粒子は、平均粒径が約4.3
μm であり、約75重量%が、平均粒径を中心として±2
μmの範囲に存在していた。 (3) 次に、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化
シェル製)60重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル製)40重量部およびイミダゾール系硬化剤
(四国化成製)5重量部をブチルセロソルブアセテート
に溶解して、樹脂マトリックス組成物を得た。そして、
この組成物の固形分100 重量部に対して、前記(2) で作
成した擬似粒子を50重量部の割合で混合して、その後3
本ロールで混練し、さらに、ブチルセロソルブアセテー
トを添加して、固形分濃度75%の接着剤溶液を調製し
た。この溶液の粘度は、JIS−K7117に準じ、東京計
器製デジタル粘度計を用い、20℃、60秒間測定したとこ
ろ、回転数6rpm で5.2 Pa・s 、60rpm で2.6 Pa・s で
あり、そのSVI値(チキソトロピック性)は2.0 であ
った。 (4) 実施例1の(1) と同様に製造した基板1の樹脂面,
導体回路面を研磨により粗化して、JIS B0601 R max
2〜3μmの粗面を形成した後、その基板1上に、前記
(3) で調製した熱硬化性樹脂組成物の接着剤溶液をロー
ルコーターを用いて塗布した。この時の塗布方法は、コ
ーティングロールとして、中高粘度用レジスト用コーテ
ィングロールを用い、コーティングローラとドクターバ
ーとの隙間を0.4mm 、コーティングローラとバックアッ
プローラとの隙間を1.4mm および搬送速度を400mm/s で
あった。その後、水平状態で20分放置した後、70℃で乾
燥させて厚さ約50μmの樹脂絶縁層2を形成した(図2
(b),(c) 参照)。 (5) 樹脂絶縁層2を形成した基板1を、500g/lのクロム
酸(CrO3 )水溶液からなる酸化剤に70℃で15分間浸
漬して樹脂絶縁層2の表面を粗化してから、中和溶液
(シプレイ社製)に浸漬して水洗した。さらに、レーザ
ーでバイアホール用の開口7を形成し(図2(d) 参
照)、次いで、絶縁層表面が粗化された基板1にパラジ
ウム触媒(シプレイ社製)を付与して樹脂絶縁層2の表
面を活性化させた。 (6) 次に、この基板1を窒素ガス雰囲気(10ppm 酸素)
中で120 ℃で30分間、触媒固定化のための熱処理を行
い、その後、感光性のドライフィルムをラミネートし、
露光した後、変成クロロセンで現像し、めっきレジスト
3(厚さ40μm )を形成した(図2(e) 参照)。 (7) めっきレジスト3を形成し終えた前記基板1を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、め
っき膜6の厚さ25μm の無電解銅めっきを施した。(図
2(f) 参照)。 (8) さらに、上記(4) 〜(7) を2回繰り返すことによ
り、多層プリント配線板を製造した(図2(g) 参照)。
【0053】(実施例3) (1) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)100 重量部をMEKで希釈し、硬化剤として芳香族
アミン(m−キシレンジアミン;昭和電工製)を15重量
部配合した後、120 ℃で3時間乾燥硬化した。この硬化
させたエポキシ樹脂を粗粉砕して、その後液体窒素で凍
結させながら、超音速ジェット粉砕機を用いて微粉砕
し、さらに風力分級機を使用して分級し、平均粒径0.5
μmと5.5μmのエポキシ樹脂粒子を得た。 (2) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)の60%アクリル化物60重量部、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(油化シェル製)40重量部、イミダゾール
系硬化剤(四国化成製)4重量部、ジアリルテレフタレ
ート15重量部および2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2モルフォリノプロパノン−1(チバ
ガイギー製)4重量部をブチルセロソルブに溶解し、こ
の組成物の固形分100 重量部に対して、前記(1) で得ら
れたエポキシ樹脂粒子を粒径0.5μmのものを15重量
部、粒径5.5 μmのものを30重量部の割合で混合し、3
本ロールで混練した後、さらにブチルセロソルブを添加
して固形分濃度55%の接着剤溶液を調製した。この溶液
の粘度は、回転数6rpm で2.6 Pa・s 、60rpm で1.0Pa
・s であり、そのSVI値(チキソトロピック性)は2.
6 であった。 (3) 上記接着剤をロールコータでシリコンコーティング
が施してあるポリエチレンフィルム12に塗布し、120 ℃
で30分加熱乾燥させ、接着剤フィルムを作成した(図3
(a),(b) 参照)。 (4) このフィルムを導体回路が形成された絶縁板(基板
1)に重ね、ポリエチレンフィルム12を剥がした後、加
熱プレスして樹脂絶縁層2を得た(図3(c),(d),(e) 参
照)。 (4) 実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造し
た(図3参照)。
【0054】(実施例4) (1) グリシジルアミン型エポキシ樹脂(油化シェル製)
110 重量部をMEKで希釈し、硬化剤として芳香族アミ
ン(m−キシレンジアミン;住友化学製)を15重量部配
合した後、80℃で2時間乾燥硬化した。この硬化させた
エポキシ樹脂を粗粉砕して、その後液体窒素で凍結させ
ながら、超音速ジェット粉砕機を用いて微粉砕し、さら
に風力分級機を使用して分級し、平均粒径3.9 μmのエ
ポキシ樹脂粒子を得た。 (2) このエポキシ樹脂粒子(平均粒径3.9 μm )を熱風
乾燥機内に装入し、180 ℃で3時間加熱処理して凝集結
合させた。この凝集結合させたメラミン樹脂粒子を、ア
セトン中に分散させ、ボールミルにて5時間解砕した
後、風力分級機を使用して分級し、凝集粒子を作成し
た。この凝集粒子は、平均粒径が約3.5 μmであり、約
68重量%が平均粒径を中心として±2μmの範囲に存在
していた。 (3) フェノールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル
製)60重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の50%
アクリル化物(油化シェル製)100 重量部、イミダゾー
ル系硬化剤(四国化成製)5重量部およびジアリルテレ
フタレート15重量部をメチルエチルケトンに溶解し、こ
の組成物の固形分100 重量部に対して、前記(2) で作成
した凝集粒子を50重量部の割合で混合し、ボールミルで
混練した後、さらにメチルエチルケトンを添加して固形
分濃度55%の接着剤溶液を調製した。この溶液の粘度
は、回転数6rpm で0.6 Pa・s 、60rpm で0.5 Pa・s で
あり、そのSVI値(チキソトロピック性)は1.2 であ
った。 (4) この接着剤溶液をガラスクロスに含浸させ、乾燥
し、プリプレグ11を作成した(図4(a) 参照)。 (5) 導体回路4およびスルーホール用の孔5が形成され
ているガラスエポキシ基板1に、プリプレグ11を重ね
て、加熱プレスし、樹脂絶縁層2を形成した(図4(b)
参照)。 (6) 次いで、上記樹脂絶縁層2を形成し終えた基板1
を、露光現像し、残存するガラスクロスを、ドリルによ
り削孔し、6N塩酸水溶液からなる酸に70℃で15分間浸
漬して前記樹脂絶縁層2の表面を粗化してから、中和溶
液(シプレイ社製)に浸漬して水洗した。表面が粗化さ
れた樹脂絶縁層2を有する基板1にパラジウム触媒(シ
プレイ社製)を付与してこの樹脂絶縁層2の表面を活性
化させた(図4(c) 参照)。 (7) 前記基板1を窒素ガス雰囲気(10ppm 酸素)中で12
0 ℃で30分間、触媒固定化のための熱処理を行い、その
後、感光性のドライフィルムをラミネートし、露光した
後、変成クロロセンで現像し、めっきレジスト3(厚さ
40μm )を形成した(図4(d) 参照)。 (8) めっきレジスト3を形成し終えた前記基板1を、表
1に示す組成の無電解銅めっき液に11時間浸漬して、両
面にめっき膜6の厚さ30μm の無電解銅めっきを施し、
導体回路とスルーホール5を形成し、4層の多層プリン
ト配線板を製造した(図4(e) 参照)。
【0055】(実施例5) (1) 実施例2の(1) 〜(3) と同様の処理を施し(ただ
し、硬化剤を除く)、接着剤溶液Aを調製した。 (2) イミダゾール系硬化剤5重量部をブチルセロソルブ
に溶解させ、接着剤溶液Bを調製した。 (3) 接着剤溶液Aと接着剤溶液Bを常温で1か月保存し
た後、両者を混合し、接着剤溶液を得た。特性は実施例
2と同じであった。 (4) この接着剤溶液を使用して実施例2と同様に多層プ
リント配線板を製造した。
【0056】(実施例6) (1) 難燃性ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)10
0 重量部とイミダゾール系硬化剤(四国化成製)7重量
部をブチルセロソルブアセテートに溶解し、この組成物
の固形分100 重量部に対して、実施例3の(1) と同様に
して得られた樹脂粒子を、粒径0.5 μmのものを15重量
部、粒径5.5 μmのものを30重量部の割合で混合し、そ
の後3本ロールで混練して、さらにブチルセロソルブア
セテートを添加し、固形分濃度75%の接着剤溶液を調製
した。この溶液の粘度は、回転数6rpm で5.2 Pa・s 、
60rpm で2.5 Pa・s であり、そのSVI値(チキソトロ
ピック性)は2.0 であった。 (2) この接着剤溶液を用い、実施例2と同様にして多層
プリント配線板を製造した。
【0057】(実施例7) (1) 実施例1の(1) と同様の方法で作成したエポキシ樹
脂粒子(平均粒径3.9μm )を熱風乾燥機内に装入し、1
80 ℃で3時間加熱処理して凝集結合させた。この凝集
結合させたエポキシ樹脂粒子を、アセトン中に分散さ
せ、ボールミルにて5時間解砕した後、風力分級機を使
用して分級し、凝集粒子を作成した。この凝集粒子は、
平均粒径が約3.5 μmであり、約68重量%が、平均粒径
を中心として±2μmの範囲に存在していた。 (2) オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本
化薬製)の60%アクリル化物100 重量部、ジアリルテレ
フタレート15重量部、2−メチル−1−〔4−(メチル
チオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1
(チバ・ガイギー製)4重量部、イミダゾール系硬化剤
(四国化成製)4重量部、光開始剤(チバ・ガイギー
製)および前記(1) のエポキシ樹脂粒子50重量部を混合
した後、ブチルセロソルブを添加しながら、ホモディス
パー攪拌機で攪拌した。その後3本ローラーで混練して
固形分濃度70%の感光性接着剤溶液を調製した。この溶
液の粘度は、回転数6rpm で5.1 Pa・s 、60rpm で2.6
Pa・s であり、そのSVI値は、2.0 であった。 (3) この接着剤溶液を用い、実施例1と同様にして多層
プリント配線板を製造した。
【0058】(実施例8)本実施例は、基本的には、実
施例1と同じであるが、接着剤溶液として、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製)60重量部、
2官能性のアクリル樹脂(油化シェル製)40重量部およ
びイミダゾール系硬化剤(四国化成製)5重量部をブチ
ルセロソルブアセテートに溶解し、この組成物の固形分
100 重量部に対して、実施例3と同様のエポキシ樹脂粒
子を粒径0.5 μmのものを15重量部、粒径5.5 μmのも
のを30重量部の割合で3本ロールにて混合し、さらにブ
チルセルソルブアセテートを添加して固形分濃度75%と
したものを使用した。
【0059】(実施例9)本実施例は、基本的には、実
施例1と同じであるが、接着剤溶液として、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル製)の60%アク
リル化物60重量部、2官能性のアクリル樹脂(油化シェ
ル製)40重量部およびイミダゾール系硬化剤(四国化成
製)5重量部をブチルセロソルブアセテートに溶解し、
この組成物の固形分100 重量部に対して、実施例3と同
様のエポキシ樹脂粒子を粒径0.5 μmのものを15重量
部、粒径5.5 μmのものを30重量部の割合で3本ロール
にて混合し、さらにブチルセルソルブアセテートを添加
して固形分濃度75%としたものを使用した。
【0060】(実施例10)本実施例は、基本的には、実
施例1と同じであるが、接着剤溶液として、アクリル樹
脂(油化シェル製)60重量部、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(油化シェル製)40重量部およびイミダゾール
系硬化剤(四国化成製)5重量部をブチルセロソルブア
セテートに溶解し、この組成物の固形分100 重量部に対
して、実施例3と同様のエポキシ樹脂粒子を粒径0.5 μ
mのものを15重量部、粒径5.5 μmのものを30重量部の
割合で3本ロールにて混合し、さらにブチルセルソルブ
アセテートを添加して固形分濃度75%としたものを使用
した。
【0061】(実施例11)本実施例は、基本的には、実
施例1と同じであるが、接着剤溶液として、アクリル樹
脂(油化シェル製)60重量部、2官能性のアクリル樹脂
(油化シェル製)40重量部およびイミダゾール系硬化剤
(四国化成製)5重量部をブチルセロソルブアセテート
に溶解し、この組成物の固形分100 重量部に対して、実
施例3と同様のエポキシ樹脂粒子を粒径0.5 μmのもの
を15重量部、粒径5.5 μmのものを30重量部の割合で3
本ロールにて混合し、さらにブチルセルソルブアセテー
トを添加して固形分濃度75%としたものを使用した。
【0062】(実施例12)本実施例は、基本的には、実
施例1と同じであるが、接着剤溶液として、アクリル樹
脂(油化シェル製)100 重量部およびイミダゾール系硬
化剤(四国化成製)5重量部をブチルセロソルブアセテ
ートに溶解し、この組成物の固形分100 重量部に対し
て、実施例3と同様のエポキシ樹脂粒子を粒径0.5 μm
のものを15重量部、粒径5.5 μmのものを30重量部の割
合で3本ロールにて混合し、さらにブチルセルソルブア
セテートを添加して固形分濃度75%としたものを使用し
た。
【0063】(比較例)耐熱性樹脂微粉末として、ジシ
アン系硬化剤で硬化させたエポキシ樹脂を使用した以外
は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造し
た。
【0064】上述のようにして製造された多層プリント
配線板の無電解めっき膜の密着性(ピール強度),加工
性(ドリル加工性,打抜き加工性)および接着剤層表面
に点在する樹脂粒子の溶解性(フィラーの溶解性)を評
価したところ、表2に示す結果となった。
【0065】この表2に示す結果から明らかなように、
本発明例の場合は、比較例に比べて、無電解めっき膜の
密着強度が高いだけでなく、フィラーの溶解性に優れて
おり、高密度な多層プリント配線板を安価にかつ容易に
製造する上で特に有利である。
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アミン系硬化剤で硬化したヒドロキシエーテル構造を有
するエポキシ樹脂を耐熱性樹脂粒子として使用すること
により、効果的なアンカー窪みを容易に形成させること
ができ、その結果、無電解めっき膜の密着信頼性の優れ
た、超高密度で、高い信頼性の多層プリント配線板を容
易にかつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す工程図である。
【図2】本発明の他の一実施例を示す工程図である。
【図3】本発明の他の一実施例を示す工程図である。
【図4】本発明の他の一実施例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 基板(配線板) 2 接着剤層(絶縁層) 3 めっきレジスト 4,6,8,10 配線層(めっき層,導体層) 5 スルーホール用孔 7 バイアホール用開口 11 プリプレグ 12 ポリエチレンフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/00 - 3/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無電解めっきして得られる複数層からな
    る導体回路を、耐熱性樹脂からなる樹脂絶縁層によって
    電気的に絶縁してなる多層プリント配線板において、前
    記樹脂絶縁層を、硬化処理を受けると酸あるいは酸化剤
    に対して難溶性となる未硬化樹脂マトリックス中に、ア
    ミン系硬化剤で硬化された、ヒドロキシエーテル構造を
    有するエポキシ樹脂粒子を分散させた接着剤で構成し、
    かつこの樹脂絶縁層の無電解めっき膜形成面には、酸あ
    るいは酸化剤の処理によって溶解除去される前記エポキ
    シ樹脂粒子の部分に、無電解めっき膜のアンカー形成用
    の凹部を設けたことを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 耐熱性樹脂からなる樹脂絶縁層によって
    電気的に絶縁された無電解めっき膜からなる複数の導体
    回路を有する多層プリント配線板を製造する方法におい
    て、少なくとも下記(a) 〜(c) 工程;すなわち、 (a)導体回路を形成した基板上に、硬化処理を受ける
    と酸あるいは酸化剤に対して難溶性となる未硬化樹脂マ
    トリックス中に、アミン系硬化剤で硬化された、ヒドロ
    キシエーテル構造を有するエポキシ樹脂粒子を分散させ
    た1層以上の接着剤による樹脂絶縁層を形成する工程、 (b)前記各樹脂絶縁層の表面部分に点在しているエポ
    キシ樹脂粒子部分のみを、酸あるいは酸化剤を使用して
    溶解除去し、無電解めっき膜を形成する側の面を粗化す
    る工程、 (c)粗化された前記樹脂絶縁層上に無電解めっきを施
    すことにより、導体回路を形成する工程、 を経ることを特徴とする多層プリント配線板の製造方
    法。
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