JPH05213731A - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

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JPH05213731A
JPH05213731A JP1994292A JP1994292A JPH05213731A JP H05213731 A JPH05213731 A JP H05213731A JP 1994292 A JP1994292 A JP 1994292A JP 1994292 A JP1994292 A JP 1994292A JP H05213731 A JPH05213731 A JP H05213731A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の成分(A)及び(B)を含有する皮膚外
用剤。 (A)式(1)で表わされるセラミド及び式(2)で表
わされるセラミド類似構造物質から選ばれる一種又は二
種以上 【化1】 (B)式(3)で表わされるコレステロール類とジカル
ボン酸のモノエステルの一種又は二種以上 【化2】 【効果】 この皮膚外用剤は肌あれに対し優れた改善及
び予防効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚外用剤、更に詳しく
は、角質層の水分保持力を高め、肌あれを改善すること
のできる皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、肌にうるおいを与え、肌を柔軟に
するには、角質層の水分が重要であることが知られてい
る。そして、当該水分の保持は、角質層に含まれている
水溶性成分、すなわち遊離アミノ酸、有機酸、尿素又は
無機イオンによるものであるとされ、これらの物質は単
独であるいは組み合わせて薬用皮膚外用剤あるいは化粧
料に配合して、肌あれの改善又は予防の目的で使用され
ている。
【0003】また、これとは別に水と親和性が高い多く
の保湿性物質が開発され、同様の目的で使用されてい
る。
【0004】更に、近年では、角質細胞間に存在する脂
質が高い保湿能を有することが見出され、当該角質細胞
間脂質成分の類似構造物質で構成される人工細胞間脂質
によって、肌にうるおいを与え、柔軟化させることが行
われ、比較的高い効果が得られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、角質層
内に存在する水溶性成分等の保湿性物質を皮膚に適用し
た場合、その作用は、皮膚角質上にあって水分を角質に
供給するというもので、しかもその効果は一時的であ
り、根本的に角質層の水分保持能力を改善し、肌あれを
本質的に予防あるいは治癒させるというものではなかっ
た。
【0006】また、人工細胞間脂質を皮膚に適用した場
合には、角質層の水分保持能を根本的に改善し、肌あれ
の予防あるいは治癒させる効果をある程度得ることはで
きるが、完全に生体と等しいレベルまでには至ってはお
らず、未だ満足し得るものではなかった。
【0007】従って、角質層の水分保持能力を根本的に
改善し、荒れた角質層を生体健常と同等のレベルまでに
機能回復させることができ、肌にうるおい感と柔軟性と
を付与する皮膚外用剤の開発が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者らは上記問題点を解決すべく角質細胞間脂質分子
同士の相互作用に注目して鋭意研究を行ったところ、後
記一般式(1)で表わされるセラミド又は後記一般式
(2)で表わされるセラミドの類似構造物質と後記一般
式(3)で表わされるコレステロール類とジカルボン酸
のモノエステルとを組み合わせて含有させた皮膚外用剤
が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は次の成分(A)及び
(B) (A)一般式(1)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1 及びR2 は1個以上の水酸基
が置換することのある炭素数8〜26の直鎖若しくは分
岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す)で表わ
されるセラミド及び一般式(2)
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R3 は炭素数10〜26の直鎖若
しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示
し、R4 は炭素数9〜25の直鎖若しくは分岐鎖の飽和
若しくは不飽和の炭化水素基を示す)で表わされるセラ
ミドの類似構造物質からなる群より選ばれる一種又は二
種以上 (B)一般式(3)
【0014】
【化6】
【0015】で表わされるコレステロール類とジカルボ
ン酸のモノエステルの一種又は二種以上を含有すること
を特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
【0016】本発明で用いられる成分(A)中のセラミ
ドは前記一般式(1)で示され、これは公知の化合物で
ある。(1)式中、R1 及びR2 で示される基として
は、例えばオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ウン
デシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘ
キサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシ
ル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシ
ル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ノネ
ニル、デセニル、ドデセニル、ウンデセニル、トリデセ
ニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニ
ル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、
エイコセニル、ヘンエイコセニル、ドコセニル、トリコ
セニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセ
ニル、ノナジエニル、デカジエニル、ドデカジエニル、
ウンデカジエニル、トリデカジエニル、テトラデカジエ
ニル、ペンタデカジエニル、ヘキサデカジエニル、ヘプ
タデカジエニル、オクタデカジエニル、ノナデカジエニ
ル、エイコサジエニル、ヘンエイコサジエニル、ドコサ
ジエニル、トリコサジエニル、テトラコサジエニル、ペ
ンタコサジエニル、ヘキサコサジエニル、2−ヘキシル
デシル、2−オクチルウンデシル、2−デシルテトラデ
シル基等が挙げられる。
【0017】また、成分(A)中の、前記一般式(2)
で表わされるセラミドの類似構造物質は公知の方法〔例
えば、ポリッシュ・ジャーナル・オブ・ケミストリー
(Pol.J.Chem.)52,1059(197
8);同52,1283(1978);特開昭54−1
17421号公報、同54−144308号公報、同5
4−147937号公報、同62−228048号公
報、同63−216852号公報〕に準じて製造するこ
とができる。すなわち、次に示される反応式に従って、
グリシジルエーテルとエタノールアミンから得られる化
合物(4)を脂肪酸メチルエステルと反応させることに
よって製造することができる。
【0018】
【化7】
【0019】〔式中、R3 及びR4 は前記と同じ意味を
示す〕(2)式中、R3 で示される基としては、前記の
1 及びR2 中の炭素数10〜26のものが挙げられ、
4 で示される基としては、前記のR1 及びR2 中の炭
素数9〜25のものが挙げられる。
【0020】これら成分(A)のセラミド及びセラミド
の類似構造物質は単独で又は二種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0021】また、本発明で用いられる成分(B)のコ
レステロール類とジカルボン酸のモノエステルは前記一
般式(3)で表わされる。(3)式中、R5 を示す-(CH
2)n-の具体例としては、エチレン基、トリメチレン、プ
ロピレン、ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレ
ン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、
デカメチレン基等が挙げられるが、特にエチレン、トリ
メチレン、プロピレン基が好ましい。また、R6 の具体
例としては、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t
ert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ドデシル、ウンデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシ
ル、オクタデシル、プロペニル、ブテニル、ペンテニ
ル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、
デセニル、ドデセニル、ウンデセニル、トリデセニル、
テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘ
プタデセニル、オクタデセニル基等が挙げられる。ま
た、コレステロール類としては、例えばコレステロー
ル、スチグマステロール、β−シトステロール、ラノス
テロール、エルゴステロール等が挙げられる。
【0022】かかる成分(B)は公知のものを用いるこ
とができ、例えば、コレステロールヘミコハク酸エステ
ル、コレステロールヘミグルタル酸エステル、コレステ
ロールヘミマレイン酸エステル等が挙げられる。これら
の成分(A)は単独で又は二種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0023】本発明の皮膚外用剤への成分(A)及び成
分(B)の配合比は、重量比で95:5〜5:95が好
ましい。これらを配合するには、両者を上記比率で混合
して一旦加熱溶解後冷却してペースト状としたものを他
の成分に添加するのが好ましい。
【0024】成分(A)と成分(B)の混合物の本発明
皮膚外用剤への配合量は、特に制限されないが、通常乳
化型の皮膚外用剤の場合には全組成の0.01〜60重
量%(以下単に%で示す)、特に0.1〜30%が好ま
しく、またスクワラン等の液状炭化水素を基剤とする油
性の皮膚外用剤の場合には1〜90%、特に5〜50%
が好ましい。
【0025】本発明の皮膚外用剤は、その使用形態にお
いて、薬用皮膚外用剤と化粧料に大別される。
【0026】薬用皮膚外用剤としては、例えば薬効成分
を含有する各種軟膏剤を挙げることができる。軟膏剤と
しては、油性基剤をベースとするもの、油/水、水/油
型の乳化系基剤をベースとするもののいずれであっても
よい。油性基剤としては、特に制限はなく、例えば植物
油、動物油、合成油、脂肪酸及び天然又は合成のグリセ
ライド等が挙げられる。また薬効成分としては、特に制
限はなく、例えば鎮痛消炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、収
斂剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤等を必要に応じて適宜使
用することができる。
【0027】また、化粧料として使用する場合は、必須
成分の他に化粧料成分として一般に使用されている油
分、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート
剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等を任意に
組み合わせて配合することができる。
【0028】化粧料としては、種々の形態、例えば水/
油、油/水型乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧
水、油性化粧料、口紅、ファウンデーション、皮膚洗浄
剤、ヘアートニック、整髪剤、養毛剤、育毛剤等の皮膚
化粧料とすることができる。
【0029】
【作用】本発明皮膚外用剤における、成分(A)と成分
(B)の混合物の作用機構の詳細は完全には解明されて
いないが、これが角質細胞間で水とともに脂質2重層を
構築して、角質層の水分保持機能を発揮するものと考え
られる。
【0030】
【発明の効果】本発明皮膚外用剤は、このような作用を
有する成分(A)と成分(B)の混合物を含有するもの
であるため、肌あれに対して優れた改善及び予防効果を
発揮することができる。
【0031】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれらによって何ら限定されるものではな
い。尚、本実施例において、化合物(2a)とは、特開
昭63−192703号公報の参考例1に記載の方法に
従って製造されたN−(2−ヒドロキシ−3−ヘキサデ
シロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルヘキサ
デカナミド〔式(2)においてR3 =C1633、R4
1531のもの〕を示す。
【0032】実施例1 成分(A)と成分(B)の混合物の調製:化合物(2
a)を50重量%、コレステリルヘミコハク酸エステル
〔式(3)において、n=2のもの〕を50重量%とな
るようにガラスネジ口のサンプル瓶に計量する。サンプ
ル瓶をヒーティング・ブロック等を用いて150℃とな
るように加熱する。加熱して化合物(2a)及びコレス
テリルヘミコハク酸エステルが完全に溶解したら、加熱
を終了し、空気中で放冷してペースト状態の混合物を得
る。
【0033】実施例2 ワセリンに実施例1で得た混合物を、化合物(2a)が
15重量%、コレステリルヘミコハク酸エステルが15
重量%になるように添加配合して調製した皮膚外用剤
(本発明品1)、ワセリンに化合物(2a)が15重量
%、コレステロールが15重量%になるように添加配合
して調製した皮膚外用剤(比較品1)、並びにワセリン
(比較品2)を用い、下記方法により皮膚コンダクタン
ス及び肌あれについて評価した。結果を表2に示す。
【0034】(試験方法)冬期に頬部に肌あれを起こし
ている20〜50才の女性10名を被験者とし、左右の
頬に異なるサンプルを毎日1回2週間塗布する。2週間
の塗布が終了した翌日に次の項目につき試験を行った。 (1)皮膚コンダクタンス 37℃の温水にて洗顔後、温度20℃、湿度40%の部
屋で20分間安静にした後、角質層の水分含有量を皮膚
コンダクタンスメーター(IBS社製)にて測定した。
コンダクタンス値は値が小さいほど皮膚は肌あれし、5
以下ではひどい肌あれである。一方この値が20以上で
あれば肌あれはほとんど認められない。 (2)肌あれスコア 肌あれを肉眼で観測し、下記基準により判定した。スコ
アは平均値±標準偏差で示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例3 化合物(2a)、コレステリルヘミコハク酸エステル
〔式(3)においてn=2のもの〕及びコレステリルイ
ソステアリン酸エステルを表3に示すように配合した水
中油型乳化化粧料を製造し、実施例2と同様な方法を用
いて、皮膚コンダクタンス及び肌あれについて評価し
た。結果を表4に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】実施例4 式(1)で示されるセラミド〔牛脳セラミド(フナコシ
薬品株式会社製)〕、コレステリルアルケニルコハク酸
エステル〔式(3)においてR6 =C1837のもの〕を
表5に示すように配合した水中油型乳化化粧料を製造
し、実施例2と同様な方法を使って、皮膚コンダクタン
ス及び肌あれについて評価した。結果を表6に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】実施例5 皮膚外用剤(油性軟膏) <組成> 重量% (1)ワセリン 30.0 (2)セラミド(1) 〔牛脳セラミド(フナコシ薬品株式会社製)〕 10.0 (3)コレステリルアルケニルコハク酸エステル 〔式(3)においてR6 =C1633のもの〕 10.0 (4)コレステロールイソステアレート 2.0 (5)ステアリン酸 4.0 (6)オリーブ油 全体が100となる量 (7)l−メントール 0.3 (8)カンフル 0.3 <製造法>(1)、(7)〜(8)を混合し加熱溶解し
たものに、別途(2)〜(6)を混合し加熱溶解したも
のを加え、均一に混合し、室温付近まで冷却することに
より油性軟膏を調製した。
【0044】実施例6 化粧料(乳液) <組成> 重量% 油相成分: マカデミアンナッツ油 2.0 スクワラン 5.0 コレステリルアルケニルコハク酸エステル 〔式(3)においてR6 =C1225のもの〕 1.0 化合物(2a) 1.0 大豆リン脂質 0.5 グルコセレブロシド(牛脳抽出物) 0.5 モノステアリン酸ソルビタン 0.5 POE(60)硬化ヒマシ油 1.0 水相成分: グリセリン 1.0 プロピレングリコール 1.0 メチルパラベン 0.3 香料 0.1 精製水 全体を100とする量 <製造法>油相成分を混合し、加熱溶解して70℃に保
つ。水相成分も同様に70℃で加熱混合し、この水相成
分に前述の油相部を加えて乳化機にて乳化する。乳化物
を熱交換機にて終温30℃まで冷却したものを容器に充
填して乳液を調製した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)及び(B) (A)一般式(1) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は1個以上の水酸基が置換するこ
    とのある炭素数8〜26の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若
    しくは不飽和の炭化水素基を示す)で表わされるセラミ
    ド及び一般式(2) 【化2】 (式中、R3 は炭素数10〜26の直鎖若しくは分岐鎖
    の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示し、R4 は炭素
    数9〜25の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和
    の炭化水素基を示す)で表わされるセラミドの類似構造
    物質からなる群より選ばれる一種又は二種以上 (B)一般式(3) 【化3】 で表わされるコレステロール類とジカルボン酸のモノエ
    ステルの一種又は二種以上を含有することを特徴とする
    皮膚外用剤。
  2. 【請求項2】 成分(A)と成分(B)の配合比が、重
    量比で95:5〜5:95である請求項1記載の皮膚外
    用剤。
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