JP4188150B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理活性物質の経皮吸収性に優れた皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
生理活性物質である各種の薬効成分を生体に投与する方法として、皮膚外用剤に各種有効成分を配合した経皮投与が広く行なわれている。最近は、特に肌のケアに対する関心が高まり、効果の高機能化、また複合的な効果を満足する皮膚外用剤への要求が強くなっている。
【0003】
生理活性物質の浸透を促進するための浸透促進剤としては、脂肪酸、アルコール、アルキルメチルスルホキシド、アルキルアザシクロヘプタン−2−オンなどが代表的なものである。これらのうち、アルキル鎖が炭素数12前後のものや、シス不飽和のものは浸透促進効果が高いが、当該アルキル鎖をもつ化合物は一般に皮膚に対する刺激のあることが知られており(非特許文献1)、皮膚に直接塗布する外用剤に配合して使用する場合に、配合量が多くなると皮膚刺激の面で好ましくなく、汎用には至っていない。また、その他の浸透促進剤としては、液晶構造体を形成する界面活性剤を用いる方法も行なわれているが、界面活性剤を多く用いると使用感が悪くなるという問題があった。
【0004】
そこで、薬効成分の浸透を促進するため、さまざまな経皮吸収促進方法の検討が行なわれている。
例えば、特許文献1には、アニオン界面活性剤と分子内に窒素原子を有する界面活性剤を有効成分とする薬効成分の経皮吸収促進剤が記載されている。また、特許文献2には、W/O/W型の複合エマルションの油相に、油溶性の薬効成分を配合することが記載されている。
しかしながら、いずれの場合にも、生理活性物質の浸透性に優れ、使用感の良好な外用剤を得ることはできなかった。
【0005】
【非特許文献1】
「医薬品の開発」第13巻 薬物送達法,広川書店,1990年,p.121
【特許文献1】
特開昭63−208536号公報
【特許文献2】
特開2001−151670号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生理活性物質の経皮吸収性に優れた皮膚外用剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特定のスフィンゴシン類、酸性化合物及びセラミド類の乳化物により形成される構造中に、生理活性物質を含有させることにより、当該生理活性物質の皮膚への浸透性、すなわち経皮吸収性が向上することを見出した。
【0008】
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)生理活性物質、
(B)一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、R1はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Yはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X1、X2、及びX3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Yがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。);R2及びR3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;a個のRは各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;aは2又は3の数を示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)、
(C)無機酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる酸性化合物、
(D)一般式(2)で表わされるセラミド類
【0011】
【化4】
【0012】
(式中、R7はヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X5、X6及びX7は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X5とX6のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成するとき、X7は存在しない。);R8及びR9は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R10はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;R11は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し(但し、R7が水素原子、Zが酸素原子のときR11は総炭素数10〜30の炭化水素基であり、R7が炭化水素基のときR11は総炭素数1〜8の炭化水素基である);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)
を含有する皮膚外用剤を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の皮膚外用剤によると、一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類と無機酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる酸性化合物とが、中和反応することにより塩を形成し、スフィンゴシン類がカチオン化され、活性剤的な働きをするようになると考えられる。それにより、一般式(2)で表わされるセラミド類が乳化されて、乳化系がラメラ液晶や球晶等の層状構造体をとりやすくなる。この層状構造は、水相と油相が交互にサンドイッチ状に積層したものであり、水溶性、油溶性のいずれの生理活性物質でも、構造内に容易に有効量を含有することができると考えられる。このような層状構造は、偏光下、目視又は顕微鏡による光学異方性の確認、また、電子顕微鏡による積層状態を直接観察することにより確認できる。
これらの構造中では、セラミド類は、スフィンゴシン類との相互作用により相転移温度が低くなって皮膚温に近づくために、セラミド類の乳化物の皮膚への浸透性が高くなると考えられる。つまり、セラミド類、スフィンゴシン類、酸性化合物の乳化物により形成される層状構造が、油性及び水溶性のいずれの生理活性物質をも含有することにより、生理活性物質の皮膚への経皮吸収性を向上させると考えられる。
【0014】
本発明で用いる成分(A)の生理活性物質としては、水溶性、油溶性のいずれでも良く、例えば下記に示すものが挙げられる。
(1)美白作用を有するものとして、例えばアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸−2−グルコシド等のアスコルビン酸類;アルブチン、ハイドロキノンn-ヘキサデシルエーテル等のハイドロキノン類;コウジ酸類;プラセンタ、チョウジ、アルテア、カミツレ、リョクチャ、ソウハクヒ、シャクヤク、トウキ、ジユ、イブキトラノオ、火棘等の動植物抽出物;特開平7-206657号公報に記載のスピロエーテル化合物、グラブリジン、トラネキサム酸、ラズベリーケトングルコシド等;
(2)しわ改善作用を有するものとして、例えばレチナール、レチノール、レチノイン酸やその誘導体;ショウキョウ、ワレモコウ、ヒオウギ、クララ、ウコン、アセンヤク、ヒバマタ等の植物抽出物;特開平8-109120号公報に記載のグアニジン誘導体等;
(3)抗酸化作用を有するものとして、例えばガロタンニン、クロロゲン酸等のタンニン類;カテキン、エピカテキン等のカテキン類;ルチン、ケルセチン、チオタウリン等;
【0015】
(4)皮脂分泌を調整するものとして、例えばトシシ、ローヤルゼリー等の抽出物、特開2000-169427号公報に記載のヒドロキシカルボン酸亜鉛塩、エストラジオール等(抑制);ジイソプロピルアミノジクロロアセテート、γ-オリザノール、パンテチン脂肪酸エステル、テストステロン等(促進);
(5)セラミド産生作用を有するものとして、例えばテトラアセチルスフィンゴシン等のセラミド代謝前駆体、特開2001-55325号公報に記載のマクロカルパール誘導体、ニコチン酸アミド;ユーカリ、ホップ、マロニエ等の植物抽出物等;
(6)抗炎症作用を有するものとして、例えばグリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸等のグリチルレチン酸類;グリチルリチン酸ジカリウム等のグリチルリチン酸類;アスナロ、ハマメリス、ボタンピ、ムクロジ、オウバク、カンゾウ、オウレン等の植物抽出物;アラントイン、シコニン、ヒノキチオール、セドロール、ε-アミノカプロン酸等;
【0016】
(7)血行促進作用を有するものとして、例えばカプサイシン類;トウガラシ、レイシ、ニンニク、ユズ、シナノキ、ブッチャーズブルーム等の植物抽出物;ホパンテン酸カルシウム、ニコチン酸メチル、メントール、カンフル等;
(8)荒れ肌改善作用を有するものとして、例えばグリシンベタイン、キシリトール、トレハロース、尿素、アミノ酸、特開平9-95477号公報に記載のグアニジン誘導体等の保湿剤、グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド、N−アセチルグルコサミン、酵母発酵代謝産物、ピロリドンカルボン酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸等;
(9)各種ビタミン類として、例えばビタミンA類、ビタミンD2、D3、ビタミンE類、ビタミンF等の脂溶性ビタミン類;ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ビオチン、ビタミンC等の水溶性ビタミン類等。
【0017】
これらのうち、アスコルビン酸−2−グルコシド、特開平7-206657号公報に記載のスピロエーテル化合物;特開平8-109120号公報に記載のグアニジン誘導体;特開2000-169427号公報に記載のヒドロキシカルボン酸亜鉛塩;グリチルレチン酸類、グリチルリチン酸類、アラントイン、セドロール;グリシンベタイン、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸、特開平9-95477号公報に記載のグアニジン誘導体;ビタミンE類;(1)〜(9)に記載の抽出物が好ましい。
【0018】
成分(A)は2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中の成分(A)の含有量は、固形分量で0.0001〜20質量%、特に0.001〜10質量%、更に0.001〜5質量%であるのが好ましい。
【0019】
本発明で用いる成分(B)のスフィンゴシン類は、前記一般式(1)で表わされるものである。
式中、R1は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である。特に、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、Y側末端にヒドロキシル基を持つ炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基で、分岐鎖アルキル基の場合は分岐鎖がメチル分岐のもの等が好ましい。具体的には、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、1−ヒドロキシトリデシル基、1−ヒドロキシペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソステアリル基が好ましい。
【0020】
Yはメチレン基(CH2)、メチン基(CH)又は酸素原子のいずれかを示す。
X1、X2、及びX3は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基、グリセリル基、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成する置換基を示す。特に、X1、X2、及びX3のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子、及びX4が水素原子であるものが好ましい。なお、Yがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。
【0021】
R2及びR3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、特にR3は水素原子であることが好ましい。
【0022】
また、aは2又は3の数を示し、aが2のときRはR4及びR5を示し、aが3のときRはR4、R5及びR6を示す。
【0023】
R4、R5及びR6は、各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。ここで炭化水素基に置換し得るヒドロキシアルコキシ基としては炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のヒドロキシアルコキシ基が好ましい。またアルコキシ基としては炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましい。R4、R5及びR6としては、例えば水素原子;メチル、エチル、プロピル、2−エチルへキシル、イソプロピル等の直鎖又は分岐鎖アルキル基;ビニル、アリル等のアルケニル基;アミジノ基;ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシへキシル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−メトキシエチル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−メトキシプロピル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基から選ばれる1〜6個が置換した総炭素数1〜8の炭化水素基が挙げられる。
【0024】
特に水素原子、又はメチル基、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル等のヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいアルキル基が好ましい。
【0025】
一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類としては、次の一般式(3)で表わされる天然又は天然型スフィンゴシン類、及びその誘導体(以下、天然型スフィンゴシンと記載する。)又は一般式(4)で表わされるスフィンゴシン構造を有する擬似型スフィンゴシン類(以下、擬似型スフィンゴシンと記載する。)が好ましい。
(I)一般式(3)で表わされる天然型スフィンゴシン。
【0026】
【化5】
【0027】
(式中、R12はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Y1はメチレン基又はメチン基を示し;X8、X9及びX10は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X11は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Y1がメチン基のとき、X8とX9のいずれか一方が水素原子を示し、他方は存在しない。X11がオキソ基を形成するとき、X10は存在しない。);a個のR1は各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示し;aは2又は3の数を示し;破線部は不飽和結合があってもよいことを示す)
【0028】
ここでR12としては、炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましく、特に炭素数13〜15の直鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましい。aは2が好ましく、R1は各々独立して水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましい。
【0029】
一般式(3)で表わされる天然型スフィンゴシンとしては、具体的には、天然のスフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンガジエニン、デヒドロスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン、及びこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)等が挙げられる。
これらのスフィンゴシンは天然型(D(+)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(−)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。
特に、PHYTOSPHINGOSINE(INCI名;8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
【0030】
【化6】
【0031】
これらは、天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
天然型スフィンゴシンの市販のものとしては、例えば、D-Sphingosine(4-Sphingenine) (SIGMA-ALDRICH社)、DS-phytosphingosine (DOOSAN社)、phytosphingosine(コスモファーム社)が挙げられる。
【0032】
(II)一般式(4)で表わされる擬似型スフィンゴシン。
【0033】
【化7】
【0034】
(式中、R17はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;a個のR2は各々独立して水素原子又はアミジノ基を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、aは2又は3の数を示す。ただし、R 2 のうち少なくとも一つは、ヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる置換基を有する総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基である。)
【0035】
ここでR17としては、炭素数14〜20のイソ分岐アルキル基が好ましく、特にイソステアリル基が好ましい。イソステアリル基は、動植物油由来の脂肪酸を用いたダイマー酸製造時の副生成物由来のイソステアルアルコールを原料油として得られるイソステアリル基がもっとも好ましい。
また、aが2のときR2はR18及びR19を示し、aが3のときR2はR18、R19及びR20である。
【0036】
R18、R19及びR20は、例えば水素原子;メチル、エチル、プロピル、2−エチルへキシル、イソプロピル等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;ビニル、アリル等のアルケニル基;アミジノ基;ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシへキシル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−メトキシエチル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−メトキシプロピル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル等のヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ及びアルコキシから選ばれる置換基を有する総炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
特に、R18及びR19のいずれか1つが水素原子で、他方が2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルである2級アミンが好ましい。
【0037】
擬似型スフィンゴシンとしては、R17がイソステアリル基、X4は水素原子で、R18が水素原子、R19が2−ヒドロキシエチル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、又は2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基等のヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換したアルキル基であるものが好ましい。
擬似型スフィンゴシンの具体例としては、次の擬似型スフィンゴシン(i)〜(iv)が挙げられる。
【0038】
【化8】
【0039】
成分(B)は2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中の成分(B)の含有量は、0.001〜10質量%、特に0.005〜3質量%、更に0.01〜1.5質量%であるのが好ましい。
【0040】
本発明で用いる成分(C)の酸性化合物は、無機酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる1種以上の酸性化合物である。成分(C)としては、25℃における0.1mol/L水溶液のpHが1以上7未満、特にpH1〜6.5であるものが好ましい。
成分(C)のうち、無機酸としては、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、炭酸等が挙げられ、特にリン酸、塩酸が好ましい。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸等のモノカルボン酸;コハク酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、クエン酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、酒石酸等のオキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸等が挙げられる。
【0041】
これらのうち、リン酸、塩酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が好ましく、特に乳酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が好ましい。
【0042】
成分(C)は、2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中の成分(C)の含有量は、0.001〜10質量%、特に0.005〜3質量%、更に0.01〜1.5質量%であるのが好ましい。
【0043】
本発明においては、一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類のアミン基と酸性化合物とが中和反応により塩を形成し、スフィンゴシン類がカチオン化されると考えられる。その結果、活性剤的な働きをするようになり、後述のセラミド類の結晶化を抑制すると考えられる。スフィンゴシン類の塩は、通常化合物の構造を特定するために用いられる、赤外吸収分光法やプロトン核磁気共鳴分光法等を用いて確認することができる。
また、本発明においては、スフィンゴシン類がカチオン化される際に、アクリル酸ポリマーやリン脂質が存在すると、これらがスフィンゴシン類と塩を形成してしまい、乳化がうまく行なわれない場合があるため好ましくない。
成分(C)は、成分(B)のアミン基部分ををカチオン化するために、成分(B)1モルに対して0.3モル以上、好ましくは0.3〜5モル、更に好ましくは0.5〜3モル含有するのが好ましい。例えば、成分(B)と等モル混合した水溶液のpHが、25℃で2〜6になるのが好ましい(フタル酸塩標準液で補正後、HORIBA pH METER F-22で測定)。
【0044】
本発明で用いる成分(D)のセラミド類は、前記一般式(2)で表わされるものである。
式中、R7は、ヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子である。
Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示す。
【0045】
X5、X6及びX7は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示す。特にX5、X6、及びX7のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子であるのが好ましい。Zがメチン基(Zと隣接の炭素は2重結合になる)のとき、X5とX6のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X4は水素原子かグリセリル基であるのが好ましい。
R8及びR9は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR8は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、
好ましいR9は水素原子である。
【0046】
R10は、ヒドロキシル基、カルボキシ基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合又はアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はリノール酸が好ましい。
【0047】
R11は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基である。このうち水素原子あるいは、ヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよい総炭素数1〜30の炭化水素基が好ましい。特に、R7が水素原子、Zが酸素原子のときR11は総炭素数10〜30の炭化水素基である。また、R7が炭化水素基のときR11は総炭素数1〜8の炭化水素基である。ここで、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0048】
一般式(2)で表わされるセラミド類としては、特に次の一般式(5)又は(6)で表わされるセラミド類であることが好ましい。
(I)一般式(5)で表わされる天然又は天然型セラミド類、及びその誘導体(以下、天然型セラミドと記載する。)。
【0049】
【化6】
【0050】
(式中、R21はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Z1はメチレン基又はメチン基を示し;X12、X13、及びX14は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;X15は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z1がメチン基のとき、X12とX13のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X15がオキソ基を形成するとき、X14は存在しない。);R23は水素原子を示すか、炭素数1〜4のアルキル基を示し;R24はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該アルキル基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
【0051】
好ましくは、R21が炭素数7〜19、更に好ましくは炭素数13〜15の直鎖アルキル基;R24がヒドロキシル基が置換しても良い炭素数9〜27の直鎖アルキル基又はリノール酸がエステル結合した炭素数9〜27の直鎖アルキル基である化合物が挙げられる。また、X15は水素原子を示すか、酸素原子とともにオキソ基を形成するのが好ましい。特に、R24としては、トリコシル、1−ヒドロキシペンタデシル、1−ヒドロキシトリコシル、ヘプタデシル、1−ヒドロキシウンデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したノナコシル基が好ましい。
【0052】
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(例えば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、及びJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタ及びヒトのセラミド類)が挙げられる。
【0053】
更にこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。特にCERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
【0054】
【化10】
【0055】
これらは天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
【0056】
【化7】
【0057】
(II)一般式(6)で表わされる擬似型セラミド。
【0058】
【化12】
【0059】
(式中、R25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;X16は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;R26はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R27 はヒドロキシル基又はヒドロキシアルコキシ基が置換している総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
【0060】
R26としては、特にノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。
【0061】
R27は、R25が水素原子の場合は、ヒドロキシル基又はヒドロキシアルコキシ基が置換している総炭素数10〜30の、好ましくは総炭素数12〜20のアルキル基である。また、R25がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合には、R27 はヒドロキシル基又はヒドロキシアルコキシ基が置換している総炭素数1〜8のアルキル基を示すのものが好ましい。
R27のヒドロキシアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0062】
一般式(6)としては、R25がヘキサデシル基、X16が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;R25がヘキサデシル基、X16が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基のものが好ましく、一般式(6)のR25がヘキサデシル基、X4が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のものが特に好ましい。
【0063】
本発明において、セラミド類は、スフィンゴシンと強い相互関係を有するため、スフィンゴシン類と酸性化合物により形成された塩により結晶化を抑制され、安定に乳化されるものと考えられる。
成分(D)は2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中の成分(D)の含有量は、0.001〜50質量%、更に0.01〜20質量%、特に0.01〜10質量%であるのが好ましい。
【0064】
また、上記セラミド類の乳化物には、保存安定性の点でアクリル酸ポリマー(カルボキシビニルポリマー)及びリン脂質(レシチン)を含有しないことが好ましい。但し、成分(B)〜(D)及び水による乳化が終了し、常温に冷却した後であれば、セラミドの乳化状態が十分安定であるため、その他のアニオン性化合物を添加することもできる。
【0065】
このうち、成分(D)のセラミド類は、特に成分(B)が一般式(3)であれば成分(D)は一般式(5)を、成分(B)が一般式(4)であれば成分(D)は一般式(6)を組み合わせるのが好ましい。特に、成分(D)の一般式(2)の窒素に結合したCOR10をHに置換したものを、成分(B)の一般式(1)として用いるのが、安定性及び効果の点で好ましい。
【0066】
本発明の皮膚外用剤において、成分(B)、(C)及び(D)の含有質量比率((B)+(C))/(D)は、0.001〜100、特に0.005〜10、更に0.01〜10であるのが、安定性の点で好ましい。
【0067】
本発明の皮膚外用剤に含まれる水の量は、全組成中に5〜99質量%、特に30〜99質量%、更に50〜99質量%であるのが、使用感の点で好ましい。
【0068】
本発明の皮膚外用剤は、更に、通常化粧料に使用される油剤、すなわち液状、半固体又は固体状の、合成及び天然由来の油性成分を含むことができる。
【0069】
液状油としては、例えば、ホホバ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素油;リンゴ酸ジイソステアリル、乳酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル;ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の脂肪酸とアルコールとからなるエステル油;グリセリン誘導体;アミノ酸誘導体等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油等が挙げられる。
【0070】
半固体又は固体状の油性成分としては、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;コレステロール、フィトステロール、コレステリル脂肪酸エステル等のコレステロール類;ホホバワックス等の植物油;グリセリンモノステアリルエーテル、グリセリンモノセチルエーテル、バチルアルコール等のアルキルグリセリルエーテル;ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のワックス類などが挙げられる。
【0071】
本発明の皮膚外用剤には、上記成分以外に、通常の皮膚外用剤で使用される成分、例えばエタノール、ジプロピレングリコール等の低級アルコール;グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の保湿剤;キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアガム等の水溶性増粘剤;セルロースパウダー、ナイロンパウダー、架橋型シリコーン末、架橋型メチルポリシロキサン、多孔質セルロースパウダー、多孔質ナイロンパウダー等の有機粉体;無水シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機粉体;pH緩衝剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、殺菌剤、色素などを含有させることができる。
【0072】
本発明の皮膚外用剤は、成分(A)〜(D)、水及びその他の成分を混合、乳化して製造される。
この乳化物は、透明、半透明又は白濁した状態に製造される。ここで透明、半透明とは積分球光電散乱光度計により測定した濁度(カオリン標準:精製カオリン1mg/1リットル水の濁りを濁度1ppmとする。)が1〜1500ppmのものをいう。成分(B)、(C)及び(D)の含有重量比率((B)+(C))/(D)が0.2以上で透明、半透明の乳化物が得られ、0.2未満では白濁した乳液状となる。また、乳化物の油滴の平均粒子径は、3nm〜200μmの範囲で外観、用途に応じて適宜製造されるが、乳化物の外観の安定性の点で5nm〜50μm、特に5nm〜10μmであるのが好ましい。平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置(例えば、HORIBA LB-500)又はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、HORIBA LA-920)で測定される。
【0073】
本発明において、乳化物の粘度はセラミド類等の固体脂質、又はその他の成分の配合量によって、また製造方法により影響を受ける。シリコーン油以外の油相成分を全体の10質量%以上含むクリーム状の組成物において、固体脂質が全油相の30質量%以上の場合は、25℃における粘度が、おおよそ20000mPa・s以上の組成物となる。使用感、のびの良さの点から、本発明においては、25℃における粘度が20000mPa・s以下の化粧水又は乳液状であることが好ましい。
【0074】
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品、入浴剤、清拭剤、頭皮ケア剤として使用するのが好ましく、特に化粧料、例えば、半透明化粧水、半透明乳液、保湿美容液、美白美容液、保湿乳液等として使用するのが好ましい。
【0075】
【実施例】
実施例1〜2、比較例1〜2
表1に示す組成の皮膚外用剤を下記方法により製造した。得られた皮膚外用剤について、経皮吸収量、美白効果及び使用感を評価した。結果を表1に併せて示す。
【0076】
<製造方法>
成分(1)〜(3)及び(5)〜(8)を乳化槽に入れ、80〜90℃で加熱溶融し、均一分散するよう撹拌する。成分(4)を水の一部(10質量%)に約80℃で溶かした水溶液を、乳化槽の温度を維持しながら加えて撹拌(300rpm)し、乳化物を得た。撹拌しながら、25℃迄冷却しながら残部の水を加え、皮膚外用剤を得た。
【0077】
<評価方法>
(1)経皮吸収量:
各皮膚外用剤50mgをユカタンマイクロブタの剥離皮膚表面2cm2に塗布し、37℃、飽和湿度の恒温恒湿室に18時間放置した。その後、皮膚表面に残存する未浸透成分を除去し、浸透成分をアセトニトリルで抽出回収した後、HPLC(UV=328nm、溶離液:アセトニトリル/水=55/45、カラムRP18(e)Φ4×125mm、流速:1mL/分、温度40℃)にてスピロエーテル化合物の経皮吸収量を測定した。なお、数値は塗布量すべてが浸透したときの数値を100とした場合の相対値として示した。
【0078】
(2)美白効果:
健常男子被験者20名の上腕内側部に、UV−B領域の紫外線を最少紅斑量の2倍量、1日1回2日間にわたり照射して誘導した色素斑に、1日2回、1カ月間被験部位に各皮膚外用剤を連続塗布し、美白効果を調べた。
色差計(ミノルタ社製、CR−300)を用いて測定を行い、試料塗布開始直前の試料塗布被験部位及び試料未塗布被験部位のL*値をそれぞれL* 0、L’* 0、連続塗布1カ月後の各々の部位のL*値をそれぞれL* 1、L’* 1,とし、回復を表わすΔΔL*を以下の式で求めた。
ΔΔL*=(L* 1−L* 0)−(L’* 1−L’* 0)
【0079】
評価点:
4:1.0≦ΔΔL*
3:0.5≦ΔΔL*<1.0
2:0.2≦ΔΔL*<0.5
1:ΔΔL*<0.2
判定基準:
◎:平均点が3.3点以上。
○:平均点が2.5点以上3.3点未満。
△:平均点が1.5点以上2.5点未満。
×:平均点が1.5点未満。
【0080】
(3)使用感:
各皮膚外用剤0.8gを顔面へ適用した場合のべたつき感を、専門パネラー20人の判定に基づき、次の基準により評価した。
◎:15〜20人がべたつかないと判定。
○:8〜14人がべたつかないと判定。
×:7人以下がべたつかないと判定。
【0081】
【表1】
【0082】
実施例3〜4、比較例3〜4
表2に示す組成の皮膚外用剤を下記方法により製造した。得られた皮膚外用剤について、消炎効果及び使用感を評価した。結果を表2に併せて示す。なお、使用感の評価は、前記実施例1〜2と同様にして行なった。
【0083】
<製造方法>
成分(1)、(3)及び成分(5)〜(6)を乳化槽に入れて80〜90℃で加熱溶融し、均一分散するよう撹拌する。成分(2)、(4)を約80℃で水の一部(10%)に溶かした水溶液を、乳化槽の温度を維持しながら加えて撹拌し、乳化物を得た。25℃迄冷却しながら残部の水に成分(7)を溶解したものを加え、皮膚外用剤を得た。
【0084】
<評価方法>
(1)消炎効果(赤み抑制):
健常男子被験者20名の上腕内側部に、東芝FS−20SEランプを用い、UV−B領域の紫外線を最少紅斑量の2倍量(2MED)を一回照射した。その直後、各皮膚外用剤を15μL塗布し、24時間後の赤みを対照品塗布部位と試料塗布部位を目視で比較評価し点数化を行った。判定は次の基準に従い、評価者20人の点数を平均した。
【0085】
評価点:
3点;対照品塗布部位より明確に赤みが少ない。
2点;対照品塗布部位よりやや赤みが少ない。
1点;対照品塗布部位と赤みにほとんど差がない。
0点;対照品塗布部位より赤い。
判定基準:
◎:平均点が2点以上。
○:平均点が1点以上2点未満。
×:平均点が1点未満。
【0086】
【表2】
【0087】
実施例5(半透明化粧水)
以下に示す組成の化粧水を下記方法により製造した。得られた化粧水は浸透促進効果と使用感に優れたものであった。
【0088】
<製造方法>
成分(6)〜(8)を乳化槽に入れ、80〜90℃で加熱溶融し、均一分散するよう撹拌する。成分(1)〜(5)の約80℃水溶液(20質量%)を滴下しながら撹拌した後(300rpm)、成分(9)及び(10)を成分(11)の残部に溶解したものを加えて均一になるまで撹拌し、25℃迄冷却して、半透明の化粧水を得た。
【0089】
(成分)
(1)ローヤルゼリーエキス 0.2(質量%)
(2)ショウキョウエキス 0.2
(3)オウバクエキス 0.2
(4)グリシンベタイン 0.5
(5)乳酸 0.05
(6)擬似型スフィンゴシン(ii) 0.08
(7)擬似型セラミド*2 0.05
(8)グリセリン 3
(9)PEG1540 2
(10)メチルパラベン 0.1
(11)水 バランス
【0090】
実施例6(半透明乳液)
以下に示す組成の乳液を下記方法により製造した。得られた乳液は浸透促進効果と使用感に優れたものであった。
【0091】
(製法)
成分(1)及び(6)〜(10)を乳化槽に入れ、80〜90℃で加熱溶融し、均一分散するよう撹拌する。成分(2)〜(5)の約80℃水溶液(30質量%)を滴下しながら撹拌した後(300rpm)、成分(11)〜(13)を成分(14)の残部に溶解したものを加えて均一になるまで撹拌し、25℃迄冷却して、半透明の乳液を得た。
【0092】
(成分)
(1)イソプロピルメチルフェノール 0.05(質量%)
(2)アスナロエキス 0.5
(3)ハマメリスエキス 0.5
(4)トレハロース 0.5
(5)アスパラギン酸 0.15
(6)擬似型スフィンゴシン(ii) 0.2
(7)擬似型セラミド*2 0.05
(8)セラミドタイプ2(セダーマ社) 0.05
(9)イソステアリン酸コレステリル 0.01
(10)86%グリセリン 5
(11)ジプロピレングリコール 1
(12)メチルパラベン 0.1
(13)ヒドロキシプロピルグアーガム 0.1
(14)水 バランス
【0093】
実施例7(美白美容液)
以下に示す組成の美白美容液を下記方法により製造した。得られた美白美容液は浸透促進効果と使用感に優れたものであった。
【0094】
(製法)
成分(1)及び(7)〜(11)を乳化槽に入れ、80〜90℃で加熱溶融し、均一分散するよう撹拌する。成分(2)〜(6)の約80℃水溶液(30質量%)を滴下しながら撹拌した後(300rpm)、ホモミキサー(9000rpm)にかけ、撹拌しながら、室温まで冷却して乳化物を得た。成分(12)及び(13)を成分(14)の残部に溶解したものを加えて均一になるまで撹拌し、25℃迄冷却して、ジェル状半透明美容液を得た。
【0095】
(成分)
(1)カミツレエキス 0.2(質量%)
(2)ソウハクヒエキス 0.2
(3)アルテアエキス 0.5
(4)ユズエキス 0.1
(5)アスコルビン酸−2−グルコシド 2
(6)グルタミン酸 0.1
(7)フィトスフィンゴシン 0.15
(8)セラミドタイプ2(セダーマ社) 0.05
(9)セラミドタイプ3(コスモファーム社) 0.05
(10)シリコーン油(10cs) 0.5
(11)86%グリセリン 5
(12)メチルパラベン 0.1
(13)ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(メトローズ90SH15000、信越化学工業社) 0.5
(14)水 バランス
【0096】
実施例8(保湿乳液)
以下に示す組成の保湿乳液を下記方法により製造した。得られた保湿乳液は浸透促進効果と使用感に優れたものであった。
【0097】
<製造方法>
成分(4)〜(11)を乳化槽に入れ、80〜90℃で加熱溶融し、均一分散するよう撹拌する。成分(1)〜(3)の約80℃水溶液(10質量%)を滴下しながら撹拌した後(300rpm)、ホモミキサー(9000rpm)にかけ、撹拌しながら、室温まで冷却して乳化物を得た。成分(12)及び(13)を成分(14)の残部に溶解したものを加えて均一になるまで撹拌し、25℃迄冷却して、白濁タイプの乳液を得た。
【0098】
(成分)
(1)アスナロエキス 1(質量%)
(2)ユーカリエキス 1
(3)グルタミン酸 0.3
(4)擬似型スフィンゴシン(ii) 0.2
(5)擬似型セラミド*2 4
(6)セラミドタイプ2(セダーマ社) 0.5
(7)セチルアルコール 0.6
(8)ステアリルアルコール 0.4
(9)スクワラン 0.5
(10)シリコーン油(50cs) 2
(11)86%グリセリン 20
(12)1,3−ブチレングリコール 3
(13)メチルパラベン 0.1
(14)水 バランス
【0099】
【発明の効果】
本発明の皮膚外用剤は、生理活性物質の経皮吸収性に優れ、使用感も良好なものである。
Claims (3)
- 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)生理活性物質 固形分量で0.0001〜20質量%、
(B)一般式(3)又は(4)で表わされるスフィンゴシン類
0.001〜10質量%、
(C)無機酸及び炭素数5以下の有機酸から選ばれる酸性化合物
0.001〜10質量%、
(D)一般式(5)又は(6)で表わされるセラミド類
0.001〜50質量%、
を含有し、成分(B)及び(D)を加熱溶融して、均一分散するよう撹拌したのち、成分(C)を水の一部に溶かした水溶液を加えて撹拌して、乳化物を得、冷却しながら残部の水を加える工程により得られる皮膚外用剤。 - 成分(C)の酸性化合物が、25℃における0.1mol/L水溶液のpHが1以上7未満のものである請求項1記載の皮膚外用剤。
- 質量比率で、((B)+(C))/(D)が0.001〜100である請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
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