JPH05213584A - 運搬自動車搭載用クレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡易な構造で安価であり、しかも荷物の積載ス
ペースを減少させることなく運搬自動車に搭載できる運
搬自動車搭載用クレーンを提供する。 【構成】支持部材５は運搬自動車１のコンテナー２上に
基端部を支点にして回動自在に取り付けられている。出
入部材１５は支持部材５に出入自在に保持され、この出
入部材１５は支持部材５から突出した状態で固定される
ようになっている。また支持部材５と出入部材１５は所
定の姿勢でワイヤ３３、３４、３５、３６によって支持
される。出入部材１５の先端部にはクレーンワイヤをガ
イドするガイド部材１６が固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は運搬自動車搭載用クレー
ンに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に荷物を運搬する運搬自動車と、
荷物を吊り上げて建物の２階や３階の窓などから搬入す
るためのクレーンを搭載したクレーン自動車とは別であ
る。また通常クレーンは大型で油圧装置等多くの装置が
備えられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】運搬自動車とクレーン
自動車は別々であるので、荷物を吊り上げて建物の２階
や３階の窓などから搬入する必要がある場合には、運搬
自動車とクレーン自動車とが一対となって現場に行かな
くてはならない不都合がある。また通常クレーンは装置
が大型、煩雑であるため、比較的小型の自動車には搭載
しにくく、特に荷物の積載スペースを確保する必要があ
る運搬自動車には搭載が難しいという問題点もある。本
発明は上記従来の問題点に着目してなされたものであ
り、簡易な構造で安価であり、しかも荷物の積載スペー
スを減少させることなく運搬自動車に搭載できる運搬自
動車搭載用クレーンを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、自動
車の上面に基端部を支点として回動自在に取り付けられ
た支持部材と、前記支持部材に備えられ前記支持部材に
収容された状態と前記支持部材から突出する状態とに動
作できる少なくとも一つの出入部材と、前記出入部材が
前記支持部材から突出した状態で固定する固定手段と、
前記支持部材が回動し所定姿勢となり、且つ前記出入部
材が前記支持部材から突出した状態で、前記支持部材と
前記出入部材とを保持する保持手段と、前記出入部材の
突出方向の最先に位置する出入部材の端部に備えられた
ガイド部材と、前記ガイド部材にガイドされ一端が重力
方向へ垂れ下がり荷物に連結される引張体と、前記引張
体の他端が連結され前記引張体を引き出す方向と引き戻
す方向とに動作させる引張体駆動手段とからなる運搬自
動車搭載用クレーンである。

【０００５】

【作用】本発明では、支持部材が基端部を支点として回
動して所定の姿勢となり、保持手段に保持され、支持部
材に備えられた出入部材が支持部材から突出する状態と
なり、その状態で固定手段によって固定され、且つ保持
手段によって保持される。そして出入部材の最先端部に
備えられたガイド部材にガイドされた引張体の一端が荷
物に連結される。そして引張体の他端に連結された引張
体駆動手段によって引張体を引き出す方向へ動作させる
と荷物が下降し、引張体を引き戻す方向へ動作させると
荷物が上昇する。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例を図面にしたがって説明す
る。符号１は運搬自動車を示し、この運搬自動車１には
コンテナー２が備えられている。コンテナー２上にはク
レーン３が搭載されている。クレーン３の詳細な構造に
ついて説明する。

【０００７】符号５は支持部材を示し、この支持部材５
は除々に幅寸法が広くなっているはしご形状のはしご部
材６、７と、はしご部材６とはしご部材７とを連結して
いる連結部材１０とによって構成されている。またはし
ご部材６とはしご部材７の基端部は溶接などの手段によ
って連結させられている。図４に示すようにはしご部材
７の左右の基端部はコンテナー２に固定された折り曲げ
片３０に取り付けピン２９によって回動自在に取り付け
られている。はしご部材７の横棒９は八本あり、または
しご部材６の横棒１１は五本で、はしご部材７の上から
五番目、六番目および八番目に対応する横棒が抜けてい
る。

【０００８】符号１５は出入部材を示し、この出入部材
１５は略はしご形状に形成されており、この出入部材１
５は、はしご部材６、はしご部材７および連結部材１０
とによって囲まれた挿通領域に挿通されている。出入部
材１５は摺動動作でき、支持部材５に収容される状態と
支持部材５から突出する状態とに動作できるようになっ
ている。出入部材１５の先端部にはガイド部材１６が固
定されており、このガイド部材１６にはガイドリング１
７が固定されている。

【０００９】出入部材１５の先端部分にはピン穴２０が
設けられ、後端部分にはピン穴２１が設けられている。
また支持部材５には出入部材１５が支持部材５に収容さ
れた状態で、出入部材１５のピン穴２０に対応する位置
に図示しないピン穴が設けられている。これらピン穴２
１、支持部材５のピン穴およびピンによって固定手段が
構成されている。はしご部材６の上から二番目の横棒１
１には滑車２５が設けられ、また出入部材１５の基端部
にも滑車２６が設けられている。符号２７はロープを示
し、このロープ２７の先端部は、はしご部材６の上から
二番目の横棒１１に取り付けられ、さらにロープ２７は
滑車２６と滑車２５に掛け渡されている。

【００１０】符号３１、３２はワイヤ固定部を示し、こ
のワイヤ固定部３１、３２はコンテナー２上に固定され
ている。ワイヤ３３の先端は出入部材１５の先端部左側
面に固定され、終端はワイヤ固定部３１に固定されてい
る。ワイヤ３４の先端は支持部材５の先端部左側面に固
定され、終端はワイヤ固定部３１に固定されている。ま
たワイヤ３５の先端は出入部材１５の先端部右側面に固
定され、終端はワイヤ固定部３２に固定されている。ワ
イヤ３６先端は支持部材５の先端部右側面に固定され、
終端はワイヤ固定部３２に固定されている。これらワイ
ヤ３３、３４、３５、３６およびワイヤ固定部３１、３
２によって保持手段が構成されている。なおワイヤ３
３、３４、３５、３６の途中部分にはワイヤの長さを調
整する器具が取り付けられ、ワイヤの長さを調整できる
ようになっている。

【００１１】図７に示すように運搬自動車１の後部下側
には引張体駆動手段としてのウインチ４０が備えられて
おり、このウインチ４０には引張体としてのクレーンワ
イヤ４１が巻かれている。また運搬自動車１の後部には
動力によって昇降動作する載置板４２が備えられてい
る。

【００１２】次にコンテナー２に収容されている荷物を
クレーン３によって吊り上げる作業について説明する。
図８に示すように支持部材５を取り付けピン２９を支点
として回動させると、図９に示すようにワイヤ３４、３
６が張られて、支持部材５が所定の姿勢に保持される。
そしてクレーンワイヤ４１をウインチ４０から引き出し
て、図５、図６に示すようにガイド部材１６に掛け、下
方に垂れ下がるようにする。そしてクレーンワイヤ４１
の先にフックを取り付ける。

【００１３】次いでロープ２７を引いて、出入部材１５
をピン穴２１と支持部材１５のピン穴とが対向する位置
まで移動させ、かかる状態でピンをピン穴２１と支持部
材のピン穴に嵌合させる。次に載置板４２を動かしコン
テナー２の荷台と同じ高さにする。そしてコンテナー２
内の荷物４５を載置板４２上に移動させ、荷物４５にバ
ンドを掛け、このバンドをクレーンワイヤ４１に取り付
けたフックに掛ける。そして荷物４５を載置板４２から
押し出しながら、ウインチ４０を駆動させ、クレーンワ
イヤ４１を巻き取り、図１０に示すように荷物を吊り上
げる。そして建物の２階、３階などの窓等から荷物を搬
入する。

【００１４】なおコンテナー２の上面とはしご部材７と
の間に、支持部材５を起こす方向へ付勢するバネを設け
れば、支持部材５を起こすのが簡単にできるようにな
る。ウインチ４０は運搬自動車１の後部下側に備えてい
るが、配置位置はこれに限定されるものではなく、例え
ばコンテナー２上に備えることも可能である。実施例で
は支持部材５と出入部材１５を各々１つずつの構成とし
ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、支
持部材５と出入部材１５とを連結し、しかも支持部材５
に収容される状態と、支持部材５から突出する状態とに
動作する出入部材を２つ以上設けるようにしてもよい。
すなわち支持部材５と出入部材１５との二本継ぎ手に限
らず、出入部材を複数設け、三本継ぎ手以上の構成とす
ることも可能である。

【００１５】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、簡易な構
造で安価なクレーンを製作でき、しかも自動車の上面に
取り付けるので、比較的小型の運搬自動車にも荷物の積
載スペースを減少させることなく搭載でき、運搬自動車
とクレーン車とが一対になって現場に行くという不都合
も解消できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例にかかるクレーンがコンテナー
上に搭載された運搬自動車の平面図である。

【図２】本発明の実施例にかかるクレーンの先端部側半
分の斜視図である。

【図３】本発明の実施例にかかるクレーンの後端部側半
分の斜視図である。

【図４】本発明の実施例にかかるクレーンとコンテナー
との取り付け部分の斜視図である。

【図５】本発明の実施例にかかるクレーンを構成する出
入部材の先端部分の平面図である。

【図６】本発明の実施例にかかるクレーンを構成する出
入部材の先端部分の側面図である。

【図７】本発明の実施例にかかるクレーンが搭載されて
いる運搬自動車の背面図である。

【図８】本発明の実施例にかかるクレーンを用いた荷物
の吊り上げ作業を説明するための図である。

【図９】本発明の実施例にかかるクレーンを用いた荷物
の吊り上げ作業を説明するための図である。

【図１０】本発明の実施例にかかるクレーンを用いた荷
物の吊り上げ作業を説明するための図である。

【符号の説明】

１ 運搬自動車 ２ コンテナー ３ クレーン ５ 支持部材 １５ 出入部材 １６ ガイド部材 ２１ ピン穴 ３１ ワイヤ固定部 ３２ ワイヤ固定部 ３３ ワイヤ ３４ ワイヤ ３５ ワイヤ ４０ ウインチ ４１ クレーンワイヤ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の上面に基端部を支点として回動自
   在に取り付けられた支持部材と、前記支持部材に備えら
   れ前記支持部材に収容された状態と前記支持部材から突
   出する状態とに動作できる少なくとも一つの出入部材
   と、前記出入部材が前記支持部材から突出した状態で固
   定する固定手段と、前記支持部材が回動し所定姿勢とな
   り、且つ前記出入部材が前記支持部材から突出した状態
   で、前記支持部材と前記出入部材とを保持する保持手段
   と、前記出入部材の突出方向の最先に位置する出入部材
   の端部に備えられたガイド部材と、前記ガイド部材にガ
   イドされ一端が重力方向へ垂れ下がり荷物に連結される
   引張体と、前記引張体の他端が連結され前記引張体を引
   き出す方向と引き戻す方向とに動作させる引張体駆動手
   段とからなる運搬自動車搭載用クレーン。