JPH0521223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電子計算機および通信器等の電子機
器装置における操作部等に適用されるカバーに係
わり、とくにプラスチツク製のカバーのヒンジ構
造に関する。

〔従来の技術〕

一般に、電子計算機および通信器等の電子機器
装置においては、装置の電源スイツチや装置の状
態を示す表示ランプまたはその他のスイツチを収
納する操作部を備えている。この操作部には、ス
イツチ等への不用意な接触による誤動作を防止す
るため、あるいは意匠的観点から操作部を覆うカ
バーを設ける場合が多かつた。

このカバーは、使用条件により透明、半透明ま
たは不透明のもの等があり、近年はとくにプラス
チツク製のものを用いる場合が多い。

第２図は従来のこの種のプラスチツクカバー１
の一例を示している。

電子機器装置の操作部２の適所にはヒンジピン
３の両端が固着されている。このヒンジピン３に
はプラスチツクカバー１の基部４が枢着されてい
る。

プラスチツクカバー１は通常は鎖線１Ａで示す
位置にあり、操作部２のスイツチ等の必要時に
は、プラスチツクカバー１が実線で示す位置に回
動されて操作される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述の従来のプラスチツクカバー１において
は、プラスチツクカバー１の基部４は、ヒンジピ
ン３に嵌合して装着されているので、装着するた
めの部品点数が多く、かつ操作部２を操作する場
合、一方の手でプラスチツクカバー１を操作して
これを開けた状態に保持する必要があつて、プラ
スチツクカバー１の操作性が悪かつた。これを解
消するためにプラスチツクカバー１の保持機構を
別に設けると、構造が複雑になるとともに高価に
なるという問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案では、プラスチツクカバーの基部に、一
端が開口していて遊端が弾性をもつて拡開可能で
あつて、ヒンジピンに着脱自在かつ回転自在に装
着されたＵ字状のヒンジ部を設け、かつヒンジ部
の対向する両面に、ヒンジピンに当接してこれを
保持する１対の保持部をそれぞれ一体的に設けて
なる軸受部をヒンジ部内に設けることにより、プ
ラスチツクカバーを、ヒンジピンに対し横方向か
ら着脱可能にするとともに、プラスチツクカバー
を任意の解放角度で自己保持が可能となつてい
る。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を、第１図に基づいて説
明する。

第１図において、操作部２の適所には、断面形
状が四角形のヒンジピン１１の両端が固着されて
おり、このヒンジピン１１の角隅部は適宜の大き
さで面取りされている。プラスチツクカバー１２
の基部には、一端が開口して遊端が弾性をもつて
拡開可能のＵ字状を成すヒンジ部１３が形成され
ている。

ヒンジ部１３の各対向面には、対をなす突起に
より構成される保持部１４，１５がそれぞれ設け
られていて軸受部１６を形成している。

プラスチツクカバー１２のヒンジ部１３の開口
部１７をヒンジピン１１に押圧し、プラスチツク
材からなるヒンジ部１３の弾性を利用してヒンジ
部１３の遊端を拡開することにより、ヒンジ部１
３の軸受部１６をヒンジピン１１に容易に装着で
き、かつプラスチツクカバー１２を逆に引き出す
ことにより、ヒンジピン１１からの取り外しも容
易に行うことができる。

プラスチツクカバー１２はヒンジピン１１の腕
部の弾力に抗してこれを開閉することにより、ヒ
ンジピン１８に対して回動可能である。プラスチ
ツクカバー１２は、ヒンジピン１１の両腕部の対
向面を、ヒンジピン１１の対称位置の面１８，１
９にそれぞれ圧接した位置における状態、すなわ
ち回動を抑制される状態にあり、プラスチツクカ
バー１２をヒンジ部１３の腕部の弾力に抗して鎖
線で示す閉塞位置１２Ａから矢印方向に回動させ
ると、ヒンジピン１１の対向面が、ヒンジピン１
８の次の対称位置の面に当接する位置、すなわち
第１図において実線で示す位置において、プラス
チツクカバー１２は回動を抑制されて自己保持さ
れた状態にある。よつて、プラスチツクカバー１
２を開放するとき、プラスチツクカバー１２を作
業者が保持する必要がないので、操作部２の操作
性が便利である。

上記実施例においては、プラスチツクカバー１
２は断面形状が四角形であつて、90°毎の位置で
自己保持する場合について述べたが、断面形状を
六角形または八角形にすることにより、プラスチ
ツクカバー１２を60°または45°毎の位置で自己保
持させることができる。

なお、前端保持部１４，１５は、突起部よりな
る場合について述べたが、突起部の代わりに、プ
ラスチツクカバー１２側に向く適宜の形状の凹部
を形成して、これをプラスチツクカバー１２の両
角隅部に当接させても、軸受部１６と同様の軸受
部を構成することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、プラスチ
ツクカバーのＵ字形の基部の内部をプラスチツク
カバーと一体的に形成された軸受部とし、軸受部
にヒンジピンを着脱自在かつ回動自在に取りつけ
ることにしたので、プラスチツクカバーのヒンジ
構造を部品点数の少ない簡単なものとし、組み立
てを容易に行うことができる。また、ヒンジピン
の断面形状を、90度あるいはこれよりも少ない所
定角度回転させるたびに形状が同一となるような
多角形とし、これを軸受部で挟持するように係合
したので、所定角度ごとにカバーの回転位置を自
己保持させることができ、操作部の操作性を向上
させることができる。しかも多角形の形状を選択
することで、回転位置を自己保持する角度を各種
変更することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すプラスチツク
カバーおよびそのヒンジ部の側面図、第２図は従
来のプラスチツクカバーおよびヒンジ部の側面図
である。 ２……操作部、１１……ヒンジピン、１２……
プラスチツクカバー、１３……ヒンジ部、１４，
１５……保持部、１６……軸受部、１７……開口
部、１８，１９……ヒンジピンの対称位置の面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 90度あるいはこれよりも少ない所定角度回転さ
   せるたびにその断面形状が同一となるような多角
   形をなしていて、両端を電子機器装置の操作部の
   適所に固着されたヒンジピンと、 遊端が弾性をもつて拡開可能なＵ字形の基部を
   有し、このＵ字形の対向する２か所が前記ヒンジ
   ピンの外形の一部をなす凹部となつていて前記ヒ
   ンジピンが前記遊端から基部の内部に装入された
   ときこれを凹部の部分で両側から挟持するように
   係合させる軸受部をその基部の内部に一体的に形
   成したプラスチツクカバー とを備えることを特徴とするプラスチツクカバー
   のヒンジ構造。