JPH05207841A - 肉充填装置用複式ポンプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複式押出しし得、２個のポンプ(25)、(34)の
押出作用を同時に調和を保って制御出来る、肉充填装置
用の複式ポンプを提供する。 【構成】 下部ポンプ(25)と上部ポンプ(34)を備える肉
充填装置用複式ポンプ装置において、両ポンプ(24)、(2
5)に延びている駆動軸(34)により、両ポンプ(24)、(25)
を作動させるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、肉充填装置用複式ポン
プ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】内容材が詰められているフランクフルト
ソーセージ等を作るため、ケーシング内に、肉エマルジ
ョンとともに、とうがらしやチーズ等の調味料を押し出
す技術は、古くから公知である。しかし、米国特許第3,
115,668号の明細書に記載されているような新しい肉充
填装置に対して前述技術を実施しても、急速な大量生産
の要求に十分に応えることはできない。

【０００３】例えば、フランクフルトソーセージ等の中
心に調味料を混入させる最近の技術が、米国特許第4,56
9,101号及び第4,570,298明細書に開示されている。しか
し、これらの特許の技術思想によると、使用材料の流れ
が阻害され、使用材料に損傷が生じるおそれがある。ま
た、これらの米国特許及びその他の装置は、構造が複雑
であり、大量生産に対応できるほどのがんじょうさがな
く、また掃除するのが困難である。

【０００４】さらに従来の装置では、同時に、２つの材
料を、適切な比率となるように制御しつつ、同時にケー
シング内へ押し出すことは困難である。

【０００５】従って、本発明の第１の目的は、肉充填装
置等用の複式ポンプであって、複式押出しに使用するこ
とができ、かつ２個のポンプの押出作用を同時に調和を
保って制御できるようになっているものを提供すること
にある。本発明の第２の目的は、２個のポンプが、同一
の動力源を備えている肉充填装置用複式ポンプ装置を提
供することである。本発明の第３の目的は、一方のポン
プの押出量を、他方のポンプに対して、選択的に調節し
うる肉充填用複式ポンプ装置を提供することである。

【０００６】本発明の第４の目的は、一方のポンプの押
出量を、他方のポンプに対して選択的に調節して、２個
のポンプを共通の駆動軸で駆動することができ、かつそ
の共通の駆動軸の回転速度により、両ポンプの押出量を
適切に保つようになっている肉充填装置用複式用ポンプ
装置を提供することである。本発明の第５の目的は、複
式ポンプが、押出された材料を、損傷することなく、同
軸をなす内側及び外側スタッフィングホーンの端部に送
りうるようになっている肉充填用複式ポンプ装置を提供
することである。本発明の第６の目的は、全体の掃除が
容易であり、かつ押出された材料を、同軸をなすスタッ
フィングホーンの端部に供給するポンプ装置が、簡単な
製造できるとともに、構造的に強固である肉充填用複式
ポンプ装置を提供することである。

【０００７】

【発明の要約】この複式ポンプ装置は同軸をなす内側及
び外側スタッフィングホーン、すなわち肉充填装置の入
口端に近接して設けられている。第１ポンプ装置は、肉
エマルジョン源と連通し、かつ垂直の駆動軸によって作
動させられるように、なっている。この駆動軸は、第１
ポンプハウジングに隣接して、好ましくは、その上部に
取り付けられている第２ポンプのハウジングの中へ延び
ている。第１ポンプハウジングの駆動軸が、第２ポンプ
ハウジングにおけるポンプを作動させるようになってい
る。

【０００８】両ポンプは、押し出される材料を送るため
の入口及び出口を有している。両ポンプの出口から、押
し出された材料は、同軸をなす内側及び外側スタッフィ
ングホーンの端部を滑動しうるように支持している。ブ
ロック部材へ流し込まれる。第２ポンプハウジングから
押し出された材料は、押出された材料を内側スタッフィ
ングホーンの端部へ送り、また、第１ポンプから押出さ
れた材料は、肉エマルジョン等を外側スタッフィングホ
ーンの端部へ送るようになっている。

【０００９】上部ポンプ又は第２ポンプのハウジング
は、ベーン式ポンプを備えている。このポンプの押出量
は、第２ポンプハウジングの位置を第１ポンプに対して
旋回させることによって、選択的に制御できるようにな
っている。

【００１０】

【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の好適実
施例を詳細に説明する。符号(10)は、一般的にソーセー
ジ充填装置を示す。この装置の主要部品は、米国特許第
３，１１５，６６８号明細書に記載されているものと同
じである。この装置は、主としてフレーム(12)と複数の
脚(14)から成っている。ポンプ組立体(16)が、フレーム
の上部に固着され、かつ通常はフレーム(12)内部に取り
付けられている伝動装置（図示せず）により、動力を供
給されるようになっている。

【００１１】スタッフィングホーン組立体(18)が、往復
作動するようにして、組立体(16)に接続されている。チ
ャック組立体(20)が、スタッフィングホーン組立体(18)
の外端部を支持しており、かつチャック組立体(20)内へ
延びているスタッフィングホーン(18)に取り付けられた
ケーシングに回転運動を与えるようになっている。

【００１２】リンキング装置(21)が、チャック組立体(2
0)の下流に設けられている。吐出ホーン(22)が、一連の
ソーセージ又はフランクフルトを受容するべく、リンキ
ング装置(21)の下流、すなわち搬送方向に設けられてい
る。コンベヤー(24)が、吐出しホーン(22)から搬送方向
に設けられ、吐出ホーン(22)から出た製品を受けるよう
になっている。これら各部品は、最近の肉充填装置にお
いて典型的なものであり、それら自体が、本発明の特徴
を構成するものではない。

【００１３】下部ポンプ(25)は、フレーム(12)の上面に
適宜固着された下部ポンプハウジング(26)を備えてい
る。この下部ポンプハウジング(26)には、図３において
点線で示すように、出口孔(28)がある。また下部ポンプ
ハウジング(26)は、肉エマルジョン等の源へ接続されて
いる入口部がある。ただしそのどちらも図示されていな
い。

【００１４】下部ポンプ(25)は、軸(32)によって回転さ
せられる歯車(30)を備える一般的な歯車式調節ポンプで
ある。下部ポンプハウジング(26)の適所にには、着脱可
能なカバー(33)が通常の手段により取り付けられてい
る。上部ポンプ(34)は、下側中央部に円筒状の油溜め(3
8)を有する上部ポンプハウジング(36)を備えている。油
溜め(38)の上部には中心孔(40)が設けられている。軸(3
2)のスプライン部(42)は、油溜め(38)を介して、上方の
中心孔(40)の中まで延びている。

【００１５】ポンプ(34)は、円筒状のボス(44)を備え、
このボス(44)に設けた放射状のスロット（図示されてい
ない）には、複数のベーン(46)が、滑動しうるように設
けられている。ボス(44)の上下面には凹窪(48)が設けら
れ、軸(32)のスプライン部から離れたところにある円筒
状リング(50)を移動可能に収容している。このリング(5
0)の外周面は、ベーン(46)の内側端と当接している。

【００１６】２本ボルト(52)が、上部ポンプハウジング
(36)に貫設した垂直の楕円状スロット(54)へ嵌合され、
カバー(33)にねじ止めされている。ハウジング(36)は、
カバー(33)を貫通しているボルト(56)によって、下部ポ
ンプハウジング(26)に回動可能に取付けられている。図
４及び図５に点線で示すように、上部ポンプ(34)は入口
筒(60)と連通する吸込口(58)を備えている。ハウジング
(26)の出口孔(62)には、押出管(64)（図２参照）を接続
しうるようになっている。

【００１７】上部ポンプ(34)は、一般的なベーン式ポン
プである。その押出量は、ポンプハウジング(36)を下部
ポンプハウジング(26)と水平に旋回させることにより変
えることができる。これを行うには、ボルト(52)及び(5
6)をわずかにゆるめればよい。図５は、上部ポンプ(34)
が、押出量ゼロの時の状態を示している。この状態の
時、円筒状リング(50)及び羽根(46)は、軸(32)の垂直軸
線のまわりに、同心的かつ対称的となる。

【００１８】図４は、上部ポンプハウジング(36)が、下
部ポンプハウジング(26)に対して、わずかに反時計方向
に回転した状態を示している。また図４は、上部ポンプ
(34)が、最大押出量の時の状態を示している。このよう
に、上部ポンプ(34)の構造は、一般的なものであり、そ
れ自体は、本発明の特徴を構成するものではない。

【００１９】図２、図４及び図５で示すように、取付用
ブロック(66)が、下部ポンプ(25)のハウジング(26)の片
側に、適宜の方法で取付けられている。この取付用ブロ
ック(66)は、画室(69)（図７）と連通する第１吸込口(6
8)を有している。第２吸込口(70)は、下部ポンプハウジ
ング(26)の排出口(28)と連通している。この吸込口(70)
の終端は、画室(72)となっている。

【００２０】図７で示すように、長寸のボア(74)が、取
付用ブロック(66)に貫設されている。このボア(74)は、
両画室(69)及び(72)を貫通している。シールリング(76)
を嵌入しうる適宜の環状溝が、画室(69)の両側及び画室
(72)の外側において、ボア(74)のまわりに形成されてい
る。円柱状プラグ(78)が、ボア(74)内に滑動しうるよう
に設けられている。このプラグ(78)には、押出作動中、
画室(69)と連通しうる孔(80)が貫設されてある。

【００２１】プラグ(78)の内端には長孔(82)（図７）が
設けられ、これは孔(80)と連通している。ボア(82)の内
経より小さい内側ホーン(84)が、ボア(82)の外端部に固
着されている。内側ホーン(84)より大径の外側ホーン(8
6)の一端は、画室(72)に隣接するボア(74)内へ延び、そ
の端部は、画室(72)と連通している。

【００２２】１対の長手方向のタブ(88)が、外側ホーン
(86)の端部から長手方向に延びて、画室(72)を貫通し、
プラグ(78)のスロット(90)に嵌合している。タブ(88)の
端部は、スロット(90)内に、はんだ付けその他により接
合されている。外側ホーン(86)（時には、スタッフィン
グチューブ又はスタッフィングホーンと呼ばれることも
ある）は、タブ(88)を除いては、一般的な構造である。
この外側ホーン(86)は、ポンプからチャック組立体(20)
へ滑動しうるように延びている。また外側ホーン(86)
は、チャック組立体(20)から滑動して引込むことによ
り、その外面にひだ付きケーシング(92)を嵌合支持する
ことができるようになっている。

【００２３】ケーシング(92)の一端は、フォロワすなわ
ち当接部材(94)に当接する。内側ホーン(84)は、外側ホ
ーン(86)内に、それと同心的に設けられている。図７で
示すように、内側ホーン(84)の外端は、外端ホーン(86)
の外側端を超えてわずかに突出している。しかし、この
配置は、複式押出方法において、必ずしも絶対的なもの
ではない。

【００２４】当接部材(94)（図２）は、上部ポンプハウ
ジング(36)の外側に設けることもできる。後に、説明す
るように、当接部材(94)は、下部ポンプハウジング(26)
のカバー(33)の上面に設けた複数のマーク(96)のいずれ
か一つと整合するようになっている。

【００２５】作動時、上部ポンプハウジングの位置は、
上部ポンプハウジングの押出量を調節するように、前述
した所望の位置へ調節できるようになっている。当接部
材(94)及びマーク(96)は、所望の位置に上部ポンプハウ
ジングを取り付ける際に、作業者を補助するのに役立
つ。チャック組立体(20)の動力装置を、通常の手段によ
り始動すると、軸(32)は回転させられる。これにより、
両ポンプ(25)及び(34)の押出装置は始動する。適量のチ
ーズ、とうがらし、又は調味料等は、上部ポンプ(34)の
吸入口(58)から供給される。

【００２６】同様に、肉エマルジョンも、下部ポンプ(2
5)の入口へ供給される。両ポンプの作動により、肉エマ
ルジョンは、取付け用ブロック(66)の画室(72)へ流入
し、そこから外側ホーン(86)の端部へ流入する。この流
れが、画室(72)を横切って延びるタブ(88)によって妨げ
られる程度は小である。同時に、調味料等が、導管(64)
を介して上部ポンプ(34)から送り込まれ、取付用ブロッ
ク(66)の第１吸入口(68)へ送られる。この材料は、孔(8
0)へ、そこからボア(82)へ、さらに内側ホーン(84)の端
部へ流れる。

【００２７】外側ホーン(86)への肉エマルジョンの流れ
が、図７において矢印(98)で示されている。同様に、内
側ホーン(84)への調味料の流れが、図６において矢印(1
00)で示されている。両ポンプ(25)及び(34)には、同じ
軸(32)によって動力が供給されるので、そのポンプ作用
は、常に、正確に同調する。上部ポンプ(34)の押出量を
調節できるため、調味料の量も、微妙に調節できる。

【００２８】いったん、上部ポンプ(34)の吸排量を、所
望に調節すると、両ポンプの吸排量は、軸(32)の回転速
度を変えたとしても、常に、正確に同調する。本発明に
より押出された材料は、易流動性を有しているので、材
料が、途中で損傷されることはない。また、本発明の構
造は、簡単、かつがんじょうであり、容易に掃除でき
る。従って、本発明によれば、少なくとも前述した目的
を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による複式ポンプ装置及びスタッフィン
グホーン継手を結合した肉充填装置の斜視図である。

【図２】図１で示した装置の重要な部分を拡大して示す
部分正面図である。

【図３】図１の線３−３で２個のポンプ装置を切って示
す拡大断面図である。

【図４】ポンプ装置を示すため、上部ポンプハウジング
を備える２個のポンプの拡大横断平面図である。

【図５】図４で示した位置から調節した位置における上
部ポンプハウジングを示す図４と類似の図である。

【図６】図５の線６−６で切った断面図である。

【図７】図６の線７−７で切った断面図である。

【図８】同心的に取り付けられている内側及び外側スタ
ッフィングチューブの支持部材の詳細な構造を示す分解
斜視図である。

【符号の説明】

(10) ソーセージ充填装置 (12) フレーム (14) 脚 (16) ポンプ組立体 (18) スタッフィングホーン組立体 (20) チャック組立体 (21) リンキング装置 (22) 吐出ホーン (24) コンベヤ (25) 下部ポンプ (26) 下部ポンプハウジング (28) 出口孔 (30) 歯車 (32) 駆動軸 (33) カバー (34) 上部ポンプ (36) 上部ポンプハウジング (38) 円筒状油溜め (40) 中心孔 (42) スプライン部 (44) ボス (46) ベーン (48) 凹窪 (50) 円筒状リング (52)(56) ボルト (54) 楕円状スロット (58) 吸込口 (60) 入口筒 (62) 出口孔 (64) 導管 (66) 取付け用ブロック (68) 第１吸込口 (69) 画室 (70) 第２吸込口 (72) 画室 (74) ボア (76) シールリング (78) 円柱状プラグ (80) 孔 (82) ボア (84) 内側ホーン (86) 外側ホーン (88) 長手タブ (90) スロット (92) ひだ付ケーシング (94) 当接部材 (96) マーク (98)(100) 矢印

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１ポンプハウジングと、 第１ポンプハウジング内における第１ポンプ装置と、 押出される材料を第１ポンプハウジングへ送り込み、か
   つそこから送り出すべく、第１ポンプ装置と連通してい
   る前記第１ポンプハウジングにおける吸入口及び出口孔
   と、 吸入口孔に搬送された材料を、回転動力源、及び前記第
   １ポンプ装置と出口孔を経て、前記第１ポンプ装置へ押
   出すべく、前記第１ポンプ装置に接続されている前記第
   １ポンプハウジングにおける駆動軸と、 第１ポンプハウジングに取り付けられている第２ポンプ
   ハウジングと、 第２ポンプハウジング内における第２ポンプ装置と、 押出された材料を第２ポンプハウジングへ、かつそこか
   ら送り出すべく、第２ポンプ装置と連通している前記第
   ２ポンプハウジングにおける吸入口及び出口孔とから成
   り、 前記第１ポンプハウジングにおける駆動軸が、第２ポン
   プハウジングへ延びるとともに、第２ポンプ装置に接続
   され、その駆動軸の回転により、第１及び第２ポンプ装
   置の両方を作動させるようになっていることを特徴とす
   る肉充填装置用複式ポンプ装置。