JPH05202252A - ウエルド強度の優れた高流動性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
ウエルド強度の優れた高流動性熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH05202252A JPH05202252A JP1404492A JP1404492A JPH05202252A JP H05202252 A JPH05202252 A JP H05202252A JP 1404492 A JP1404492 A JP 1404492A JP 1404492 A JP1404492 A JP 1404492A JP H05202252 A JPH05202252 A JP H05202252A
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Abstract
れた熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 ポリエステル樹脂15〜85重量部、ABS
樹脂10〜50重量部、特定の共重合体3〜75重量部
の合計量100重量部に対して、強化用充填材0〜12
0重量部から成る熱可塑性樹脂組成物。 【効果】 自動車部品や電子部品等として有用な、射出
成形時の流動加工性やウエルド強度の優れた熱可塑性樹
脂組成物が得られる。
Description
性及びウエルド強度の優れた熱可塑性樹脂組成物に関
し、詳しくは特定の重合体を含むポリエステル−ABS
樹脂系組成物に関する。
工性に優れているため電気電子部品、自動車部品など広
範な分野に使用されている。しかし、耐衝撃性とりわけ
ノッチ付きの衝撃強さが低いため用途がかなり制限され
ている。そこでポリエステル樹脂の耐衝撃改良を目的と
した樹脂組成物の研究が行われ、ポリエステル樹脂にA
BS樹脂をブレンドする方法(特公昭51−25261
号公報)、またポリエステル樹脂とブレンドするABS
樹脂・AS樹脂に官能基を導入し物性の改良をはかる方
法(特開昭54−23656号公報、特開平1−163
249号公報)が提案されている。
得られる樹脂組成物は耐衝撃性の改良効果が不十分であ
ったり、射出成形時の流動加工性に劣ったり、ウエルド
強度が不十分であった。
リエステル樹脂のウエルド強度を含めた耐衝撃性と射出
成形時の流動性を改良する方法について鋭意検討したと
ころ、特定の共重合体並びに必要により強化充填材を特
定の割合で配合することにより目的を達成できることを
見い出し本発明を完成した。
び(C)の合計量100重量部と強化用充填材(D)0
〜100重量部から成るウエルド強度の優れた高流動性
熱可塑性樹脂組成物である。 (A)ポリアルキレンテレフタレートを主体とするポリエステル樹脂 15〜85重量部 (B)ABS樹脂 10〜50重量部 (C)シアン化ビニル単量体 (I) 15〜40重量% 芳香族ビニル単量体 (II) 60〜84.9重量% エポキシ基含有ビニル単量体(III)0.1〜0.4重量% を重合して得られる重合体 3〜75重量部
ートを主体とするポリエステル樹脂(A)は、主として
炭素数8〜22個の芳香族ジカルボン酸と炭素数2〜2
2個のアルキレングリコールあるいはシクロアルキレン
グリコールからなるものを50重量%以上含むものであ
り、所望により劣位量の脂肪族ジカルボン酸、例えばア
ジピン酸やセバチン酸などを構成単位として含んでいて
もよく、またポリエチレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール等のポリアルキレングリコールを構成単
位として含んでもよい。特に好ましいポリエステル樹脂
としてはポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチ
レンテレフタレート等が挙げられる。これらのポリエス
テル樹脂は単独であるいは2種以上を混合して用いられ
る。ポリエステル樹脂(A)の使用量は(A)、(B)
及び(C)成分の合計量100重量部のうち15〜85
重量部である。
ブタジエン単位から構成されるゴム質重合体に、シアン
化ビニル単量体、芳香族ビニル単量体をグラフト重合し
て得られるものである。ゴム質重合体としては、ポリブ
タジエン単位を50%以上含有し劣位量のスチレン単
位、アクリロニトリル単位等を含む共重合体、例えばス
チレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体等がある。
は50〜80重量%であることが好ましい。50重量%
未満の場合、次に述べるグラフト重合していない樹脂成
分の含有量が増加傾向にあり、また80重量%を超える
場合にはABS樹脂を粉体として得ることが困難とな
る。またゴム質重合体にグラフト重合していない樹脂成
分の含有量が全樹脂組成物((A)、(B)及び(C)
の合計量100重量部)中7重量%以下にすることが特
に好ましい。7重量%を超える場合にはポリエステル樹
脂との相溶性に劣るアクリロニトリル−スチレン共重合
体(AS樹脂)が増加する傾向にある。
単量体としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、エタクリロニトリル、フマロニトリルなどが挙げら
れ、これらは単独でまたは併用して使用することができ
る。グラフト単量体中のシアン化ビニル単量体の割合は
好ましくは15〜40重量%である。15重量%未満で
は得られる樹脂組成物の耐衝撃性や耐薬品性に劣る傾向
となり、また40重量%を超える場合は得られる樹脂組
成物を形成する際の着色が大きくなる。また、グラフト
重合に用いる芳香族ビニル単量体としてはスチレン、α
−メチルスチレン、o−メチルスチレン、1,3−ジメ
チルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、ハロゲン化スチレン、p−エチルスチレン等が挙げ
られ、これらは単独または2種以上を併用することがで
きる。芳香族ビニル単量体のグラフト単量体に占める割
合は好ましくは25〜85重量%であり、これらの範囲
をはずれる場合は耐衝撃性、成形性の少なくとも1つが
劣る。また、グラフト重合時には劣位量の共重合可能な
他のビニル単量体を共重合できる。共重合可能な他のビ
ニル単量体としてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル等のメタクリル酸エステルやN−フェニルマレイ
ミドのようなマレイミド単量体が挙げられるが、特にこ
れらに限定されるものではない。これらの共重合可能な
他のビニル単量体はグラフト単量体中35重量%までの
範囲で必要に応じて使用される。
(B)及び(C)成分の合計量100重量部中10〜5
0重量部であり、好ましくは10〜35重量部である。
10重量部未満あるいは50重量部を超えるとグラフト
重合していないフリーのAS樹脂が増加する傾向にあ
り、これを7重量%以下にするには高いグラフト率が必
要になる。グラフト結合していないフリーの樹脂成分の
含有量は次のようにして求めたものである。即ち、グラ
フト共重合体2.5gをアセトン90ml中に浸漬し、6
5℃で3時間加熱後、遠心分離機を用い1500rpm
にて30分間遠心分離する。しかる後、上澄み液を除去
し、残分を真空乾燥機にて65℃で12時間乾燥し、乾
燥後の試料を精秤し、その重量をG(g)とする。グラ
フト重合していないフリーの樹脂成分の含有量X(%)
(グラフト共重合体に対して)は、次式により求めるこ
とができる。
ビニル単量体15〜40重量%、芳香族ビニル単量体6
0〜84.9重量%、エポキシ基含有ビニル単量体0.1
〜0.4重量%を重合して得られるものである。シアン
化ビニル単量体や芳香族ビニル単量体は、ABS樹脂
(B)で用いられるものと同じものが使用できる。シア
ン化ビニル単量体の含有量はグラフト単量体の合計量に
対して15〜40重量%、好ましくは15〜25重量%
である。この範囲をはずれる場合は耐衝撃性、耐薬品性
あるいは成形品の着色性の少なくとも1つが劣るものと
なる。また、芳香族ビニル単量体の含有量は重合体
(C)に用いる単量体の合計量に対して60〜84.9
重量%であり、この範囲をはずれる場合は耐衝撃性、射
出成形時の流動加工性が低下する。エポキシ基含有ビニ
ル単量体としてはグリシジルメタクリレート、グリシジ
ルアクリレート等が挙げられるが、グリシジルメタクリ
レートが特に好ましい。エポキシ基含有ビニル単量体の
含有量は、重合体(C)に用いる単量体の合計量に対し
て0.1〜0.4重量%である。0.1重量%未満では耐
衝撃性の改良効果が劣り、0.4重量%を超える場合は
成形時の流動性が低下したり、耐衝撃性が低下する傾向
にある。
量の共重合可能な他のビニル単量体を用いることができ
る。これらの単量体としてはメタクリル酸メチル等のメ
タクリル酸エステルや2−ビニルピリジン、4−ビニル
ピリジンやN−フェニルマレイミドのようなマレイミド
単量体が挙げられるが、特にこれらに限定されるもので
はない。これらの共重合可能な他の単量体は重合体
(C)中35重量%までの範囲で必要に応じて使用され
る。重合体(C)の含有量は3〜75重量部であり、3
重量部未満ではウエルド強度を含めた耐衝撃性の改良効
果が劣り、75重量部を超える場合は耐薬品性や耐衝撃
性の少なくとも1つが劣るものとなる。また、重合体
(C)は0.2%ジメチルホルムアミド溶液で測定した
還元粘度ηSP/Cが0.55以下であることが好ましい。
0.55を超える場合は射出成形時の流動加工性が劣る
傾向となる。
て強化用充填材(D)を配合することによって耐熱性、
剛性、寸法安定性を向上させることができる。強化用充
填材(D)としてはガラス繊維、カーボン繊維等の無機
繊維やウオラストナイト、タルク、マイカ粉、ガラス
箔、チタン酸カリ等の無機フィラーの少なくとも1種で
あるが、特にこれらに限定されるものではない。また得
られる樹脂組成物による成形品の外観向上を目的にして
これらの粉砕品も好ましく用いられる。強化用充填材
(D)の使用量は(A)、(B)及び(C)成分の合計
量100重量部に対して0〜100重量部である。10
0重量部を超える場合は、得られる樹脂組成物の耐衝撃
性や表面外観が劣るため、本発明の目的とするものにな
らない。
じて改質剤、離型剤、光や熱に対する安定剤、染料、顔
料等の添加剤を適宜加えることができる。本発明の熱可
塑性樹脂組成物の調整方法としては、通常の樹脂のブレ
ンドで用いられるヘンシェルミキサー、タンブラーなど
の装置を使用することができる。また、賦型についても
単軸押出機、二軸押出機、射出成形機等の通常の賦型に
用いられる装置を使用することができる。
明する。なお、実施例中「部」、「%」とあるのはそれ
ぞれ「重量部」、「重量%」を表す。なお、実施例中の
各物性の評価は下記の方法によった。 (1)アイゾット衝撃強度 ASTM D−256に準じて6.3mm厚みのノッチ付
き試片を使用して測定した。 (2)熱変形温度 ASTM D−648に準じて測定した(曲げ応力4.
6kg/cm2)。 (3)ウエルド強度 3.2mm厚み×12.7mm幅×127mm長さのサイズで長
さ方向の両側にゲートを設けて中心にウエルドを生じさ
せた試片を用い、ウエルド部が破壊中心になるように
3.2mm×12.7mm×15mmサイズに試片を切り出しダ
インシュタット衝撃強度を測定した。 (4)ショートショット圧(SS圧) SS圧は、M−100((株)名機製作所)を用いて1
00mm角板、厚さ3mmをシリンダー温度240℃で成形
する時の成形可能な最小圧力を成形機の最大圧力(20
00kg・f/cm2)に対する百分率で表示した。
た。 ポリエステル樹脂(A) ポリエステル樹脂(A)としては、極限粘度[η]が
1.05であるポリテトラメチレンテレフタレートを使
用した。 グラフト共重合体(B−1)の製造 固形分含量が35%、平均粒子径0.08μmのポリブタ
ジエンラテックス63.5部(固形分として)にアクリ
ル酸n−ブチル単位85%、メタクリル酸単位15%か
らなる平均粒子径0.08μmの共重合体ラテックス1.
5部(固形分として)を攪拌しながら添加し、30分攪
拌を続け平均粒子径0.28μmの肥大化ゴムラテックス
を得た。得られた肥大化ゴムラテックスを反応容器に加
え、更に蒸留水20部、ナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物(デモールN:花王(株)製)0.2部、水酸
化ナトリウム0.02部、デキストローズ0.35部を加
え反応器内の温度を60℃に上げた後、硫酸第一鉄0.
006部、ピロリン酸ナトリウム0.2部を加え、更に
アクリロニトリル10.5部、スチレン24.5部、t−
ドデシルメルカプタン0.2部、クメンヒドロパーオキ
サイド0.12部からなる混合物を攪拌しながら90分
間にわたり連続的に滴下した後1時間保持して冷却し
た。得られたグラフト共重合体ラテックスを希硫酸で凝
析した後洗浄、濾過、乾燥してグラフト共重合体(B−
1)を得た。得られたグラフト共重合体(B−1)中の
グラフト結合していない樹脂成分の含有量を前述の方法
により測定した結果4%であった。
ジエンラテックス39部(固形分として)にアクリル酸
n−ブチル単位85%、メタクリル酸単位15%からな
る平均粒子形0.08μmの共重合体ラテックス1部(固
形分として)を攪拌しながら添加し、30分間攪拌を続
け、平均粒子径0.28μmの肥大化ゴムラテックスを得
た。得られた肥大化ゴムラテックスを反応容器に加え、
更に蒸留水50部、デモールN0.2部、水酸化ナトリ
ウム0.02部、デキストローズ0.35部を加え反応容
器内の温度を60℃に上げた後、硫酸第一鉄0.006
部、ピロリン酸ナトリウム0.2部を加え、更にアクリ
ロニトリル17.4部、スチレン42.6部、t−ドデシ
ルメルカプタン0.4部、クメンハイドロパーオキサイ
ド0.24部からなる混合物を攪拌しながら120分間
にわたり連続的に滴下した後、1時間保持して冷却し
た。得られた共重合体ラテックスを希硫酸で凝析した後
洗浄、濾過、乾燥してグラフト共重合体(B−2)を得
た。グラフト結合していないフリーの樹脂成分の含有量
は25%であった。
(花王(株)製)0.001部を反応釜に仕込み攪拌し
た。これにアクリロニトリル23部、スチレン6.7
部、グリシジルメタクリレート0.3部、t−ドデシル
メルカプタン0.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.
17部、ガファックGB−520(東邦化学工業(株)
製)0.003部の混合物を加え懸濁液状にした後75
℃に昇温し、240分間保持し重合を完結した。得られ
た共重合体(C−1)の還元粘度は0.49であった。
0.001部を反応釜に仕込み攪拌した。これにアクリ
ロニトリル18部、スチレン81.75部、グリシジル
メタクリレート0.25部、t−ドデシルメルカプタン
0.6部、アゾビスイソブチロニトリル0.17部、ガフ
ァックGB−520 0.003部の混合物を加え懸濁
液状にした後75℃に昇温し、240分間保持し重合を
完結した。得られた共重合体(C−2)の還元粘度は
0.47であった。
0.001部を反応釜に仕込み攪拌した。これにアクリ
ロニトリル28部、スチレン71.7部、グリシジルメ
タクリレート0.3部、t−ドデシルメルカプタン0.6
部、アゾビスイソブチロニトリル0.17部、ガファッ
クGB−520 0.003部の混合物を加え懸濁液状
にした後75℃に昇温し、240分間保持し重合を完結
した。得られた共重合体(C−3)の還元粘度は0.4
7であった。
0.001部を反応釜に仕込み攪拌した。これにアクリ
ロニトリル28部、スチレン71.7部、グリシジルメ
タクリレート0.3部、t−ドデシルメルカプタン0.3
部、アゾビスイソブチロニトリル0.17部、ガファッ
クGB−520 0.003部の混合物を加え懸濁液状
にした後75℃に昇温し、240分間保持し重合を完結
した。得られた共重合体(C−4)の還元粘度は0.6
5であった。
0.001部を反応釜に仕込み攪拌した。これにアクリ
ロニトリル28部、スチレン72部、t−ドデシルメル
カプタン0.3部、アゾビスイソブチロニトリル0.17
部、ガファックGB−520 0.003部の混合物を
加え懸濁液状にした後75℃に昇温し、240分間保持
し重合を完結した。得られた共重合体(C−5)の還元
粘度は0.65であった。
0.001部を反応釜に仕込み攪拌した。これにアクリ
ロニトリル23部、スチレン77部、t−ドデシルメル
カプタン0.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.17
部、ガファックGB−520 0.003部の混合物を
加え懸濁液状にした後75℃に昇温し、240分間保持
し重合を完結した。得られた共重合体(C−6)の還元
粘度は0.49であった。
0.001部を反応釜に仕込み攪拌した。これにアクリ
ロニトリル23部、スチレン76.4部、グリシジルメ
タクリレート0.6部、t−ドデシルメルカプタン0.5
部、アゾビスイソブチロニトリル0.17部、ガファッ
クGB−520 0.003部の混合物を加え懸濁液状
にした後75℃に昇温し、240分間保持し重合を完結
した。得られた共重合体(C−7)の還元粘度は0.4
9であった。
0.001部を反応釜に仕込み攪拌した。これにアクリ
ロニトリル23部、スチレン76.7部、グリシジルメ
タクリレート0.05部、t−ドデシルメルカプタン0.
5部、アゾビスイソブチロニトリル0.17部、ガファ
ックGB−520 0.003部の混合物を加え懸濁液
状にした後75℃に昇温し、240分間保持し重合を完
結した。得られた共重合体(C−8)の還元粘度は0.
49であった。
0.001部を反応釜に仕込み攪拌した。これにアクリ
ロニトリル23部、スチレン76.7部、グリシジルメ
タクリレート0.05部、t−ドデシルメルカプタン0.
3部、アゾビスイソブチロニトリル0.17部、ガファ
ックGB−520 0.003部の混合物を加え懸濁液
状にした後75℃に昇温し、240分間保持し重合を完
結した。得られた共重合体(C−9)の還元粘度は0.
64であった。
(株)製)、炭素繊維としてパイロフィルTR−06N
(三菱レイヨン(株)製)を、タルクとしてマイクロタ
ルクMP10−52(ファイザーMSP(株)製)を使
用した。
合で配合し、スーパーミキサー((株)カワタ製)にて
5分間混合した後、スクリューの直径37mmの2軸押出
機でペレット化した。得られたペレットを用いて射出成
形して試片を得た後、各種物性を前記方法により評価し
た。結果を表1及び表2に示す。
ド強度を含む耐衝撃性と射出成形時の流動加工性に優れ
たものであるので、自動車部品や電子部品等の広範な分
野で極めて有用であり、その工業的意義は大きい。
(B)及び(C)成分の合計量100重量部中10〜5
0重量部であり、好ましくは10〜35重量部である。
10〜50重量部の範囲をはずれる場合は、耐衝撃性や
耐薬品性の少なくとも1つが劣るため好ましくない。3
5重量部を超え50重量部以下の場合には、グラフト重
合していないフリーのAS樹脂が増加する傾向にあり、
これを7重量%以下にするには高いグラフト率が必要に
なる。グラフト結合していないフリーの樹脂成分の含有
量は次のようにして求めたものである。即ち、グラフト
共重合体2.5gをアセトン90ml中に浸漬し、65℃
で3時間加熱後、遠心分離機を用い1500rpmにて
30分間遠心分離する。しかる後、上澄み液を除去し、
残分を真空乾燥機にて65℃で12時間乾燥し、乾燥後
の試料を精秤し、その重量をG(g)とする。グラフト
重合していないフリーの樹脂成分の含有量X(%)(グ
ラフト共重合体に対して)は、次式により求めることが
できる。
ビニル単量体15〜40重量%、芳香族ビニル単量体6
0〜84.9重量%、エポキシ基含有ビニル単量体0.1
〜0.4重量%を重合して得られるものである。シアン
化ビニル単量体や芳香族ビニル単量体は、ABS樹脂
(B)で用いられるものと同じものが使用できる。シア
ン化ビニル単量体の含有量は重合体(C)に用いる単量
体の合計量に対して15〜40重量%、好ましくは15
〜25重量%である。この範囲をはずれる場合は耐衝撃
性、耐薬品性あるいは成形品の着色性の少なくとも1つ
が劣るものとなる。また、芳香族ビニル単量体の含有量
は重合体(C)に用いる単量体の合計量に対して60〜
84.9重量%であり、この範囲をはずれる場合は耐衝
撃性、射出成形時の流動加工性が低下する。エポキシ基
含有ビニル単量体としてはグリシジルメタクリレート、
グリシジルアクリレート等が挙げられるが、グリシジル
メタクリレートが特に好ましい。エポキシ基含有ビニル
単量体の含有量は、重合体(C)に用いる単量体の合計
量に対して0.1〜0.4重量%である。0.1重量%未
満では耐衝撃性の改良効果が劣り、0.4重量%を超え
る場合は成形時の流動性が低下したり、耐衝撃性が低下
する傾向にある。
(花王(株)製)0.001部を反応釜に仕込み攪拌し
た。これにアクリロニトリル23部、スチレン76.7
部、グリシジルメタクリレート0.3部、t−ドデシル
メルカプタン0.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.
17部、ガファックGB−520(東邦化学工業(株)
製)0.003部の混合物を加え懸濁液状にした後75
℃に昇温し、240分間保持し重合を完結した。得られ
た共重合体(C−1)の還元粘度は0.49であった。
0.001部を反応釜に仕込み攪拌した。これにアクリ
ロニトリル23部、スチレン76.7部、グリシジルメ
タクリレート0.3部、t−ドデシルメルカプタン0.3
部、アゾビスイソブチロニトリル0.17部、ガファッ
クGB−520 0.003部の混合物を加え懸濁液状
にした後75℃に昇温し、240分間保持し重合を完結
した。得られた共重合体(C−9)の還元粘度は0.6
4であった。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記成分(A)、(B)及び(C)の合
計量100重量部と強化用充填材(D)0〜100重量
部から成るウエルド強度の優れた高流動性熱可塑性樹脂
組成物。 (A)ポリアルキレンテレフタレートを主体とするポリエステル樹脂 15〜85重量部 (B)ABS樹脂 10〜50重量部 (C)シアン化ビニル単量体 (I) 15〜40重量% 芳香族ビニル単量体 (II) 60〜84.9重量% エポキシ基含有ビニル単量体(III)0.1〜0.4重量% を重合して得られる重合体 3〜75重量部 - 【請求項2】 重合体(C)のシアン化ビニル単量体が
15〜25重量部である請求項第1項記載の熱可塑性樹
脂組成物。 - 【請求項3】 重合体(C)中の0.2%ジメチルホル
ムアミド溶液で測定した還元粘度ηSP/Cが0.55以下
である請求項第1項並びに第2項記載の熱可塑性樹脂組
成物。 - 【請求項4】 ABS樹脂(B)中のブタジエン系ゴム
質重合体が50〜80重量%である請求項第1項ないし
第3項記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項5】 ABS樹脂(B)中のゴム質重合体に結
合していない樹脂成分の含有量が、全樹脂組成物
((A)、(B)及び(C)の合計量100重量部))
中7重量%以下である請求項第1項ないし第4項記載の
熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項6】 強化用充填材(D)の含有量が20〜7
0重量部である請求項第1項ないし第5項記載の熱可塑
性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4014044A JP2855380B2 (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | ウエルド強度の優れた高流動性熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4014044A JP2855380B2 (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | ウエルド強度の優れた高流動性熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05202252A true JPH05202252A (ja) | 1993-08-10 |
JP2855380B2 JP2855380B2 (ja) | 1999-02-10 |
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---|---|---|---|
JP4014044A Expired - Lifetime JP2855380B2 (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | ウエルド強度の優れた高流動性熱可塑性樹脂組成物 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2855380B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01163243A (ja) * | 1987-09-10 | 1989-06-27 | Toray Ind Inc | 熱可塑性樹脂組成物 |
JPH03292349A (ja) * | 1990-04-10 | 1991-12-24 | Toray Ind Inc | 強化ポリエステル組成物 |
-
1992
- 1992-01-29 JP JP4014044A patent/JP2855380B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01163243A (ja) * | 1987-09-10 | 1989-06-27 | Toray Ind Inc | 熱可塑性樹脂組成物 |
JPH03292349A (ja) * | 1990-04-10 | 1991-12-24 | Toray Ind Inc | 強化ポリエステル組成物 |
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JP2855380B2 (ja) | 1999-02-10 |
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