JPH05194392A - ラクタムの製造方法 - Google Patents
ラクタムの製造方法Info
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Abstract
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプテ−5−エン−3−オンを
1,3−ジエンとスルホニルサイアナイドのディールス
−アルダー反応およびそれに続く加水分解により製造す
る。 スルホニルサイアナイドはクロロシアンおよび相
当するスルフィン酸塩からその場で形成される。 ディ
ールス−アルダー付加物を加水分解する際に形成される
スルフィン酸塩をクロロシアンで置き換えることによ
り、スルホニルサイアナイドが再生され、それによって
触媒性循環製法が得られる。 【効果】 本発明により2−アザビシクロ〔2.2.
1〕ヘプテ−5−エン−3−オンが製造され、この化合
物は、高ウイルス性のヌクレオシド類似体を合成する際
の中間体となる。
Description
アンからβ,γ−不飽和δラクタムを製造するための方
法に関する。
式
水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオまたはトリアルキルシ
リルオキシ基を意味するか、または一緒にメタンジイル
基またはエタンジイル基、つまりn=1〜2の−(CH
2)nのブリッジを形成し、R3およびR4は互いに独立し
て、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アリール
オキシ、アルキルチオ、アリールチオまたはトリアルキ
ルシリルオキシ基を意味し、R5およびR6は互いに独立
して、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アリー
ルオキシ、アルキルチオ、アリールチオまたはトリアル
キルシリルオキシ基を意味するか、または二重結合によ
り結合したラクタム環の両炭素原子とともに5〜8員環
の炭素環または複素環を形成する。〕で表される。
は、一般式IのR1、R2=−CH2−、R3=R4=R5=
R6=Hである2−アザビシクロ〔2.2.1〕ヘプテ
−5−エン−3−オンである。
5−エン−3−オンは、炭素環式ヌクレオシド類似体を
合成するための原料として好適な、二環式ラクタムであ
る〔S.ダルゲおよびR.ビンス,J.Org.Che
m.43,2311頁(1978)〕。 そのようなヌ
クレオシド類似体は、その抗ウイルス性および化学療法
特性のために、有望な抗癌剤として重要である。 2−
アザビシクロ〔2.2.1〕ヘプテ−5−エン−3−オ
ンの既知の合成方法は、シクロペンタジエンとシアン化
p−トルエンスルホニルのディールス−アルダー反応に
基づいている。そこでは最初にトシル−アザノルボルナ
ジエンが生じ、それが酸性またはアルカリ性加水分解に
より目的とする化合物に変換される〔J.C.ヤークト
およびA.M.ファン ラーセン,J.Org.Che
m.39,564頁(1974)、S.ダルゲおよび
R.ビンス,上記引用文中〕。
スルホニルに爆発傾向があること、および生成物の分解
生成物p−トリルスルフィニル−p−トリルスルホンに
対する量的比率が好ましくないことである。 その上、
シクロペンタジエンを大過剰量で使用するので、これを
加水分解の前に留去しなければならない。
ら出発し、副生成物ないし分解生成物が大量に生じな
い、2−アザビシクロ〔2.2.1〕ヘプテ−5−エン
−3−オンおよび他の、1,3−ジエンとシアン化スル
ホニルのディールス−アルダー反応により製造可能な、
β,γ−不飽和δラクタムを製造するための方法を提供
することである。
により達成される。
ライド、塩基、還元剤およびクロロシアンからシアン化
スルホニルをその場で製造し、1,3−ジエンで環化す
ることができるだけでなく、環付加の後、アルキル−な
いしアリールスルホニル基の加水分解の際に生じるアル
カン−ないしアレンスルフィン酸塩がさらにクロロシア
ンにより同じ反応条件下で再びシアン化スルホニルに再
生され、新たに環付加に利用できることがわかった。
それによって、触媒量のスルホニルクロライドないしス
ルホニルサイアナイドで目的を達することができ、した
がって分解物をほとんど生じなくてすむ。
うに表すことができる。
が使用される。
ホニルサイアナイドの形成に必要なスルフィン酸塩への
還元を含む全反応サイクルは、一容器反応として行なう
ことができる。 もちろん、スルフィン酸塩またはスル
ホニルサイアナイド自体を出発化合物として選択し、反
応サイクルを相当する位置から開始することも、本発明
の範囲内である。
とくに反応性電子に富むジエン、たとえば1,3−シク
ロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、イソプ
レンおよび1,3−ブタジエン、または電子供給性置換
基、たとえばアルキル基、アリール基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基ま
たはトリアルキルシリルオキシ基を有するジエンが好適
である。
ジエンのように、反応条件下で十分に安定していれば、
ジエンの全量を最初に投入することができ、そうでなけ
れば、反応の進行に応じて追加することができる。
はアレンスルホン酸ハライドおよびシュードハライド、
とくにアルカン−またはアレンスルホンクロライドない
しサイアナイド、あるいはアルカン−またはアレンスル
ホン酸ないしそれらの塩が好適である。 好ましくは、
メタンスルホニル−(メシル−)、エタンスルホニル
−、ベンゼンスルホニル−、p−トルエンスルホニル−
(トシル−)またはp−ブロモベンゼンスルホニル−
(ブロシル−)−クロライドないしサイアナイドのよう
な市販品を使用する。
ルに対して0.5モル未満の量で使用する。 とくに好
ましいのは0.2モル以下の量である。
行なうのが有利であり、pH2〜7、好ましくはpH4
〜6の弱酸性環境中で行なう。 この条件下で、ディー
ルス−アルダー付加物(IV)のラクタム(I)への加
水分解、ならびにスルフィン酸塩からスルホニルサイア
ナイドの再形成が行なわれるので、触媒性サイクルが形
成される。 この反応では塩化水素が生じるので、緩衝
系を使用しない場合には、塩基を加えることによりpH
を一定に維持しなければならない。 塩基としては、第
4級水酸化アンモニウムのような有機性塩基も、アルカ
リまたはアルカリ土類金属の水酸化物のような無機塩基
も適している。 好ましくは塩基としてアルカリ水酸化
物を使用し、水酸化ナトリウムがとくに好ましい。 塩
基の添加は、好ましくはpH測定機およびそれによって
制御される配量装置からなる、適宜の調節装置を使用し
て行なう。
合物に対して不活性であるか、またはせいぜいそれらと
ゆっくり反応する溶剤を使用するのが有利である。 こ
れにはたとえば、水、アセトニトリル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエンまたはこ
れらの溶剤の混合物または二相系がある。 好ましく
は、環付加は水性溶剤混合物または水および水と混合し
ない有機溶剤からなる、強く撹拌した二相系中で行な
う。 とくに好ましいのは、テトラヒドロフランおよび
水/ジクロロメタンの系である。
くに好ましくは+5℃〜20℃で行なう。
法、たとえば極性のより低い溶剤で抽出することにより
行なう。
を説明する。
−オン 21.4g(0.17モル)の亜硫酸ナトリウムおよび
28.6g(0.34モル)の炭酸水素ナトリウムを3
30mlの水に溶解させた溶液に、18〜20℃で1
9.5g(0.17モル)のメタンスルホニルクロライ
ドを、30分間以内に滴下して加えた。 この混合物を
一晩放置し、次いで15℃に冷却した。そのようにして
調製したメタンスルフィン酸ナトリウム溶液に、88.
1g(1.33モル)の新たに蒸留したシクロペンタジ
エンおよび83mlのジクロロメタンを加え、15℃で
撹拌しながら、5時間以内に116.9g(1.90モ
ル)のクロロシアンを導入した。 pH測定機およびイ
ンパルス制御配量装置からなる調節装置を使用して、ク
ロロシアンの導入中およびその後さらに1.75時間の
間、合計約224gの30%苛性ソーダを加えることに
より、pHを5の一定値に維持した。
えることによりpHを8に調節し、反応混合物を各29
0mlのジクロロメタンで4回抽出した。 有機相を一
つに合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空
中で濃縮した。 残留物を高真空中で乾燥させた。 収量:103.0g、オレンジ色の粗製物、純度95.
5%。
−オン 300mlの水に45.9g(0.25モル)の4−ト
ルエンスルフィン酸ナトリウム(水和物)を溶解させ、
0℃に冷却した。 この溶液に82.6g(1.25モ
ル)のシクロペンタジエン(新たに蒸留した)、100
mlのテトラヒドロフランおよび15.0g(0.25
モル)の酢酸を加え、この混合物を−3〜+1℃に冷却
した。 この温度で、78.0g(1.27モル)のク
ロロシアンを80分間以内に加え、続いてこの混合物を
10℃で撹拌した。 実施例1と同様にして、合計約1
20gの30%苛性ソーダを加えることにより、6時間
にわたってpHを4に維持した。 続いて、さらに69
gの30%苛性ソーダを加えることにより、pHを8に
上昇させた。 この混合物に300mlのジクロロメタ
ンおよび100mlの水を加え、相を分離し、水相を各
150mlのジクロロメタンで2回抽出した。 有機相
を一つに合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し
た。 溶剤を減圧留別し、残留物を高真空中で乾燥させ
た。 収量:80.3g、黄褐色の粗製物、純度(HPLC)
78.7%。
Claims (10)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、R1およびR2は、互いに独立して、水素、アル
キル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキ
ルチオ、アリールチオまたはトリアルキルシリルオキシ
基を意味するか、または一体となってメタンジイル基ま
たはエタンジイル基を形成し、R3およびR4は互いに独
立して、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アリ
ールオキシ、アルキルチオ、アリールチオまたはトリア
ルキルシリルオキシ基を意味し、R5およびR6は、互い
に独立して、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、
アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオまたはト
リアルキルシリルオキシ基を意味するか、または二重結
合により結合したラクタム環の両炭素原子とともに5〜
8員環の炭素環または複素環を形成する。〕のラクタム
の製造方法において、一般式 【化2】 〔式中、R1〜R6は上記した意味を有する。〕の1,3
−ジエンを、水の存在下にクロロシアンおよび一般式 【化3】 〔式中、RはC1〜C6アルキル基または場合により置換
したフェニル基である。〕のスルフィン酸および(また
は)その塩とともに環付加させ、続いて加水分解するこ
とを特徴とする方法。 - 【請求項2】 R3およびR4がともに水素であることを
特徴とする請求項1の方法。 - 【請求項3】 R5およびR6が互いに独立して水素また
はC1〜C4アルキルであることを特徴とする請求項1ま
たは2の方法。 - 【請求項4】 R1およびR2が一体となってメタンジイ
ル基を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かの方法。 - 【請求項5】 Rが、メチル、エチル、フェニル、p−
トリルおよびp−ブロモフェニル基からなるグループか
ら選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
の方法。 - 【請求項6】 スルフィン酸および(または)スルフィン
酸塩が、1モルの1,3−ジエンに対して0.5モル未
満の量で使用されることを特徴とする請求項1〜5のい
ずれかの方法。 - 【請求項7】 環付加および加水分解がpH4〜6で行
なわれることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの方
法。 - 【請求項8】 環付加および加水分解の間、水酸化アル
カリを加えることによりpHを一定に維持することを特
徴とする請求項1〜7のいずれかの方法。 - 【請求項9】 環付加および加水分解が、水、アセトニ
トリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメ
タン、トルエンおよびこれらの溶剤の混合物からなるグ
ループから選択された溶剤中で行なわれることを特徴と
する請求項1〜8のいずれかの方法。 - 【請求項10】 環付加および加水分解が、−5〜+2
5℃の温度で行なわれることを特徴とする請求項1〜9
のいずれかの方法。
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