JPH05193474A - 停止ショック低減機能を備えた車両用ブレーキ装置 - Google Patents

停止ショック低減機能を備えた車両用ブレーキ装置

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JPH05193474A
JPH05193474A JP2730692A JP2730692A JPH05193474A JP H05193474 A JPH05193474 A JP H05193474A JP 2730692 A JP2730692 A JP 2730692A JP 2730692 A JP2730692 A JP 2730692A JP H05193474 A JPH05193474 A JP H05193474A
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JP
Japan
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road surface
control
surface gradient
shock reduction
stop shock
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JP2730692A
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English (en)
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Akihide Tachibana
彰英 橘
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 停止ショック低減機能を有する液圧ブレーキ
装置において、路面勾配の変化速度が大きい場合には停
止ショック低減制御が行われないようにする。 【構成】 現在の路面勾配θnと前回の路面勾配θn-1
との差の絶対値が小判定値Lthより小さく、路面勾配の
変化速度が小さい場合には停止ショック低減制御が行わ
れる。上記差の絶対値が小判定値Lthと大判定値Hth
の間であって、路面勾配の変化速度がやや大きい場合に
は停止ショック低減制御が禁止されるが、変化速度がL
thより小さい状態が設定時間継続すれば禁止が解除され
る。上記差の絶対値が大判定値Hth以上であれば停止シ
ョック低減制御はブレーキペダルの踏込みが解除される
まで禁止され続ける。路面勾配の検出に遅れがあっても
実際の路面勾配に合わない停止ショック低減制御が行わ
れることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用ブレーキ装置に関
するものであり、特に、車両を停止ショック少なく停止
させることができる車両用ブレーキ装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】走行している車両を停止させるとき、車
両が停止するまでブレーキペダル等のブレーキ操作部材
を操作状態に維持すると停止時に停止ショックが生じ、
乗員に不快感を与えることを避け得ない。これは車両走
行速度が零になって車両が停止するとき、減速度が一定
値から急に零になるからであり、運転者は停止時にでき
る限り停止ショックが生じないように気を付けてブレー
キ操作を行うことが必要である。しかし、そのようにブ
レーキ操作を行うことは初心者にとって困難であること
は勿論、熟練者にとっても容易ではない。そのため、特
開平1−164656号公報に記載の車両用ブレーキ装
置においては、車両停止時における停止ショックを運転
者の運転技術によらず、自動的に緩和し得るようにされ
ている。この車両用ブレーキ装置は、(a)車輪に設け
られたブレーキのブレーキシリンダにブレーキ操作部材
の操作力に応じた圧力を発生させ、車輪の回転を抑制す
る流体圧ブレーキ系と、(b)ブレーキシリンダの圧力
を自動的に低下させ、停止時のショックを低減させる停
止制御手段とを含むように構成される。ブレーキシリン
ダの圧力が低下させられれば減速度が小さくなり、停止
時の減速度の変化が小さくなって停止ショックが少なく
なるのである。このブレーキ装置においては更に、路面
の勾配を検出する路面勾配検出手段が設けられるととも
に、停止制御手段が路面勾配検出手段により検出される
路面の勾配に応じたモードでブレーキシリンダの圧力を
自動的に低下させるものとされている。路面が登坂路の
場合には路面勾配が車両を減速させる作用を為して減速
度を大きくし、降坂路の場合には車両を加速する作用を
為して減速度を小さくするため、ブレーキシリンダの圧
力を水平路の場合と同様に減圧したのでは、減圧が不足
して停止ショックが生じたり、減圧が過大となって制動
距離が無用に長くなることがあるため、路面勾配に応じ
たモードでブレーキシリンダの圧力が減圧されるように
なっているのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この車
両用ブレーキ装置において路面の勾配は、車速が10km
/hから5km/hに低下するまでの間の減速度の平均値およ
びマスタシリンダ圧の平均値に基づいて求められ、一
旦、勾配が求められれば、ブレーキ操作が解除されるま
でその勾配に応じたモードでブレーキシリンダ圧が低下
させられるようになっている。そのため、車速が5km/h
になった後に路面勾配が急に変化すれば、勾配に合わな
いモードで停止ショック低減制御が行われることとな
る。例えば、上り勾配が急に小さくなり、あるいは下り
勾配が急に大きくなれば、過度の減圧が行われて車両の
制動距離が無用に伸びることとなるのである。
【0004】この問題は上記車両用ブレーキ装置に特有
の問題ではなく、一般的な問題である。停止ショック低
減制御のためには車体の速度や減速度を検出することが
必要であるが、これらの検出には遅れが生じることを避
け得ないからである。例えば、車体速度や減速度を車輪
速度から求めようとすれば、車輪速度には相当なノイズ
が含まれており、このノイズをフィルタにより十分除去
しようとすればフィルタ内で遅れが生じ、一定時間内の
車輪速度を平均してノイズの影響を軽減する場合に遅れ
が生じる。
【0005】したがって、路面の勾配の検出に車輪減速
度が用いられる場合は勿論、そうでない場合であって
も、路面の勾配が急速に変化する場合には適正な停止シ
ョック低減制御を行うことが困難である。路面の勾配が
急速に変化する場合には車輪減速度も急速に変化するか
らである。
【0006】本発明は、上記不適正な制御が行われるこ
とのない停止ショック低減機能付車両用ブレーキ装置を
提供することを課題として為されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、図1に示すように、前記(a)流体圧
ブレーキ系1,(b)路面勾配検出手段2および(c)
路面の勾配に応じてブレーキシリンダの圧力を自動的に
低下させる停止制御手段3を備えた車両用ブレーキ装置
の停止制御手段3に、路面勾配検出手段により検出され
る路面勾配の変化速度が設定値を超える場合には停止シ
ョック低減制御を許可せず、設定値以下の場合には許可
する停止ショック低減制御許可手段4を設けたことを要
旨とするものである。
【0008】
【作用】以上のように構成された車両用ブレーキ装置に
おいて停止ショック低減制御は、路面勾配の変化速度が
設定値以下の場合に行われ、設定値を超える場合には行
われない。したがって、路面の勾配に応じたモードで停
止ショック低減制御が行われている状態で路面の勾配が
急に大きく変化した場合には停止ショック低減制御が解
除されることとなる。また、停止ショック低減制御が開
始される前に路面勾配の変化速度が設定値を超えた場合
には、制御が行われないこととなる。
【0009】
【発明の効果】このように本発明によれば、路面勾配の
変化速度が設定値より大きい場合には停止ショック低減
制御が行われないため、路面勾配に合わない停止ショッ
ク低減制御が行われることがなく、車両を良好に停止さ
せることができる。例えば、制動距離の無用な伸びの発
生を防止し得るのである。
【0010】
【実施例】以下、本発明を4輪自動車の2系統アンチス
キッド型液圧ブレーキ装置に適用した場合の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。図2において10はブ
レーキ操作部材としてのブレーキペダルである。ブレー
キペダル10の踏込みによりマスタシリンダ12の2個
の加圧室にそれぞれ同じ高さの液圧が発生し、一方の加
圧室に発生した液圧は、液通路14および液通路14か
ら分岐された分岐通路16,18によりそれぞれ、左右
前輪20,22に設けられたブレーキのブレーキシリン
ダ24,26に供給される。他方の加圧室に発生した液
圧は、図示は省略するが、左右後輪のブレーキに設けら
れたブレーキシリンダに供給される。本液圧ブレーキ装
置は、前後2系統型なのであり、マスタシリンダ12,
ブレーキシリンダ24,26を有するブレーキ等が流体
圧ブレーキ系1を構成しているのである。
【0011】左右前輪20,22は、マスタシリンダ1
2との間に設けられたアンチスキッドアクチュエータ2
7を用いてアンチスキッド制御される。アンチスキッド
アクチュエータ27は、電磁液圧制御弁28,30を備
えている。上記分岐通路16,18にはそれぞれ、電磁
液圧制御弁28,30が設けられ、左右前輪20,22
についてそれぞれ独立してアンチスキッド制御が行われ
るようになっているのである。
【0012】電磁液圧制御弁28,30はリザーバ通路
32によってリザーバ34に接続されており、ブレーキ
シリンダ24,26をマスタシリンダ12の加圧室に連
通させ、液圧を増大させる増圧状態と、リザーバ34に
連通させ、液圧を減少させる減圧状態と、いずれにも連
通させず、液圧を一定の高さに保つ保持状態とに切り換
えられる。リザーバ34に排出されたブレーキ液は、逆
止弁40,42を備えたポンプ44により汲み上げられ
て液通路14に戻される。リザーバ34内のブレーキ液
は、逆止弁40,42,ポンプ44をバイパスして設け
られ、逆止弁46を備えた液通路48によっても液通路
14に戻される。なお、分岐液通路16,18にはそれ
ぞれ、電磁液圧制御弁28,30をバイパスし、逆止弁
50,52を備えたバイパス通路54,56が設けられ
ており、ブレーキシリンダ24,26内のブレーキ液が
マスタシリンダ12に迅速に戻るようにされている。
【0013】また、図示は省略するが、後輪系統につい
ても同様のアンチスキッドアクチュエータが設けられて
おり、左右後輪が共通してアンチスキッド制御されるよ
うになっている。
【0014】分岐通路16,18の電磁液圧制御弁2
8,30とブレーキシリンダ24,26との間にはそれ
ぞれ、減圧調整弁60,62が設けられている。これら
減圧調整弁60,62は本出願人に係る特願平3−34
1233号の明細書に記載の減圧調整弁と同じであり、
いずれも同じ構成のものである。以下、図3〜図7に基
づいて減圧調整弁60について代表的に説明する。
【0015】図3に示すように、減圧調整弁60のバル
ブハウジング66は、有底円筒状のケース68にキャッ
プ70が螺合された箱体を成す。このバルブハウジング
66内には、第一,第二および第三の部材72,74,
76が互に固定されて成るシリンダ78が嵌合固定され
るとともに、シリンダ78にはニードル支持体80およ
びプランジャ82が同心状にかつ軸方向に摺動可能に嵌
合されている。それによりバルブハウジング66内に
は、ニードル支持体80とキャップ70との間の上部室
84と、プランジャ82とシリンダ78に固定のストッ
パ86との間の下部室88とが形成されており、ニード
ル支持体80およびプランジャ82は上部室84内に配
設されたスプリング90によってプランジャ82がスト
ッパ86に当接する後退方向に付勢されている。また、
キャップ70には連通穴94が形成され、上部室84と
電磁液圧制御弁28とを連通させている。キャップ70
には更にポート96が形成され、ブレーキシリンダ24
に接続されるとともに、ポート96と上部室84とを連
通させる制御穴98がニードル支持体80およびプラン
ジャ82と同心状に形成されている。
【0016】プランジャ82は有底円筒状を成し、その
内部にキャップ100が螺合されるとともに、底壁には
貫通穴102が形成されている。また、プランジャ82
内にはバルブプレート104が移動可能に配設されると
ともにスプリング106により付勢され、上記底壁に形
成された円環状の突起108に当接させられている。バ
ルブプレート104は円板状を成し、図5に示すよう
に、その中心を貫通する小径穴110が形成されるとと
もに、外周面に開口する3個のスリット112が形成さ
れており、突起108に当接した状態では、図6に示す
ようにスリット112が閉じられる。
【0017】ニードル支持体80の中心には、ニードル
114が圧入されている。このニードル114の先端部
は、先端ほど直径が漸減するテーパ部116とされてい
る。ニードル支持体80にはまた、軸方向に延びる複数
本の連通穴118が形成されるとともに、直径方向に延
びる溝120が形成されている。
【0018】さらに、バルブハウジング66のシリンダ
78の外周側には、ボビン124に巻かれたコイル12
6が配設されている。前記ニードル支持体80,プラン
ジャ82,シリンダ78を構成する第一部材72,ケー
ス68,第三部材76は磁性体である鉄系の材料により
作られており、第二部材74,ニードル114,キャッ
プ70およびスプリング90は非磁性体のステンレス系
材料,ストッパ86はアルミ系材料,ボビン124は樹
脂系の材料によって作られている。
【0019】コイル126に通電されない状態では磁気
回路は形成されず、ニードル支持体80およびプランジ
ャ82は図3に示す位置にあり、ニードル114は制御
穴98から離間し、ブレーキシリンダ24とマスタシリ
ンダ12あるいはリザーバ34とは絞りを受けることな
く連通させられる。また、コイル126に通電されれ
ば、図4に矢印で示すように示すように磁気回路が形成
され、第一部材72に接近すべくニードル支持体80お
よびプランジャ82が一体的に上部室84側に前進し、
キャップ70に当接するとともに、ニードル114が制
御穴98に嵌入し、電磁液圧制御弁28とブレーキシリ
ンダ24との連通を遮断する。
【0020】このとき上部室84の容積が減少する一
方、下部室88の容積が増大するため、バルブプレート
104の両側に液圧差が生じ、バルブプレート104が
図5に示すようにスプリング106付勢力に抗して突起
108から離間させられてキャップ100に当接させら
れる。そのためスリット112が開かれ、上部室84内
のブレーキ液は、連通穴118,溝120から実線の矢
印で示すようにスリット112を通り、殆ど流通抵抗を
受けることなく下部室88に流入する。図中破線の矢印
で示すのは、ニードル支持体80およびプランジャ82
の移動方向である。
【0021】この状態でコイル126への通電が断たれ
るとともに、電磁液圧制御弁28が減圧状態に切り換え
られれば、上部室84の圧力が低下し、バルブプレート
104が突起108に当接してスリット112が閉じら
れ、上部室84と下部室88とは小径穴110のみによ
って連通させられる状態となる。そのため、下部室88
から上部室84へのブレーキ液の流れが小径穴110に
より絞られ、ニードル支持体80およびプランジャ82
がスプリング90の付勢力によりゆっくり後退させられ
る。したがって、ニードル114の先端のテーパ部11
6が制御穴98から抜け出すとき、徐々に開口面積が増
大し、その結果、ブレーキシリンダ24とリザーバ34
との連通開度は零から徐々に増大することとなり、ブレ
ーキシリンダ24の液圧は、図7に示すように滑らかに
低下し始め、ニードル114が制御穴108から抜け出
した後は急速に低下する。ただし、減圧の進行と共にブ
レーキシリンダ24側とリザーバ34側との液圧差の減
少により減圧勾配は徐々に緩やかになる。設定時間減圧
が行われた後、電磁液圧制御弁28が保持状態とされる
ことにより、それ以後はブレーキシリンダ圧が一定の高
さに保たれる。
【0022】本液圧ブレーキ装置においてアンチスキッ
ド制御および停止ショック低減制御は、電子制御ユニッ
ト130によって行われる。電子制御ユニット130は
コンピュータを主体とするものであり、ブレーキペダル
10の踏込みを検出するブレーキスイッチ132の信
号,減速度センサ134および車輪速度センサ136の
検出値が供給される。減速度センサ134は、車両の左
右方向の軸線まわりに回動する錘の回動角度および方向
を検出することにより車両の前後方向の減速度を検出す
るセンサであり、前進方向の減速度を正の値,後退方向
の減速度を負の値で検出する。また、車輪速度センサ1
36は図には一つのみ示されているが、実際には左右前
輪20,22の各速度を検出する2個のセンサと、左右
後輪の速度の平均値を検出するセンサとの3個のセンサ
が設けられており、電子制御ユニット130はこれら検
出値に基づいて車体減速度,車輪のスリップ率等を演算
する。
【0023】また、コンピュータのRAMには、図8に
示すように、路面勾配メモリ140,現在路面勾配メモ
リ142,前回路面勾配メモリ144,第一制御許可・
禁止フラグ146,第二制御許可・禁止フラグ148,
停止ショック低減制御実行フラグ150およびカウンタ
152がワーキングメモリと共に設けられている。さら
に、コンピュータのROMには、図10にグラフで示す
ように停止ショック低減制御開始車速を決定するための
マップ,図11にグラフで示すように停止ショック低減
制御を実行した場合における停止時のブレーキシリンダ
圧を路面勾配に応じて決定するためのマップ,アンチス
キッド制御を行うためのルーチン,路面の勾配を算出す
る路面勾配算出ルーチン,停止ショック低減制御の開始
車輪速度を算出する制御開始車輪速度算出ルーチン,図
12にフローチャートで示す停止ショック低減制御許可
・禁止ルーチン,図13にフローチャートで示す停止シ
ョック低減制御実行・解除ルーチン等が格納されてお
り、これらルーチンは一定時間毎に繰り返し実行され
る。
【0024】アンチスキッド制御ルーチンは、車輪のス
リップ率が適正範囲を超えた場合に電磁液圧制御弁2
8,30を切り換えて車輪速度を回復させるように構成
されている。アンチスキッド制御時にはまず、電磁液圧
制御弁28,30が減圧状態に切り換えられ、スリップ
率が回復すれば増圧状態に切り換えられ、減圧,増圧,
保持状態に繰り返し切り換えられてスリップ率が適正範
囲に保たれる。
【0025】また、路面勾配算出ルーチンは、車輪速度
センサ136の検出値(ここでは左右前輪20,22の
車輪速度の平均値)を微分して車輪減速度を算出し、こ
の車輪減速度と減速度センサ134の出力値とに基づい
て路面勾配を求めるようにされている。減速度センサ1
34は、錘の回動角度および方向により減速度を検出す
るものであるため、減速度が生じた場合の他、路面が傾
斜している場合にも回動し、出力が得られる。図9に降
坂路の場合を示すように、減速度センサ134の出力値
Gsには車輪減速度(車体減速度)Gwおよび路面の勾
配θに基づく成分が含まれる。また、登坂路の場合に
は、図示は省略するが、減速度センサ134の出力値G
sは路面の勾配によって減少させられるため、車輪減速
度Gwの方が大きくなる。したがって、出力値Gsから
車輪減速度Gwを引いた値の絶対値から路面勾配θを算
出することができ、また、出力値Gsの方が車輪減速度
Gwより大きい場合に降坂路と判定し、逆の場合に登坂
路と判定することができる。なお、車輪速度を微分して
車輪減速度を求める場合にはノイズの影響を受け易いた
め、一定時間の間に算出された車輪減速度の平均値によ
り路面勾配を算出するようにされており、算出された路
面勾配θは登坂路であるか降坂路であるかのデータと共
に路面勾配メモリ140に格納される。
【0026】次に、図12および図13のフローチャー
トに基づいて停止ショック低減制御について説明する。
停止ショック低減制御は、停止ショック低減制御・許可
ルーチンにおいて実行が許可された場合に行われる。具
体的には、路面勾配の変化速度が小さい場合には停止シ
ョック低減制御の実行が許可され、路面勾配の変化速度
がやや大きい場合には制御の実行が禁止されるととも
に、停止ショック低減制御開始前であれば路面勾配の変
化速度が小さい状態になれば制御の実行が許可され、停
止ショック低減制御実行中であればブレーキペダル10
の踏込みが解除されるまで禁止され、路面勾配の変化速
度が大きい場合には停止ショック低減制御の実行が禁止
されるとともに、ブレーキペダル10の踏込みが解除さ
れるまで禁止され続けるようにされている。以下、各場
合について説明する。なお、アンチスキッド制御は停止
ショック低減制御に優先して行われ、アンチスキッド制
御が行われている場合には停止ショック低減制御は行わ
れず、停止ショック低減制御が行われているときにアン
チスキッド制御が開始される事態が生ずれば、停止ショ
ック低減制御は解除される。
【0027】まず、路面勾配の変化速度が小さく、停止
ショック低減制御の実行が許可される場合について説明
する。停止ショック低減制御許可・禁止ルーチンのステ
ップS1(以下、S1と略称する。他のステップについ
ても同じ。)において現在の路面勾配θnが読み出され
る。この勾配θは、路面勾配算出ルーチンにおいて算出
されて路面勾配メモリ140に格納されている値であ
り、読出し後、現在路面勾配メモリ142に格納され
る。
【0028】次いでS2においてブレーキスイッチ13
2がONであるか否かにより、制動が行われているか否
かの判定が行われる。ブレーキペダル10が踏み込まれ
ていればS2の判定結果はYESとなり、S3において
第二制御許可・禁止フラグ148がOFFであるか否か
の判定が行われる。この判定結果は通常YESとなり、
S4において現在路面勾配メモリ142に格納された現
在の路面勾配θnと前回路面勾配メモリ144に格納さ
れた前回の路面勾配θn-1 との差の絶対値が小判定値L
thより小さいか否かにより、路面勾配の変化速度がやや
大きいか否かの判定が行われる。
【0029】現在の路面勾配θnと前回の路面勾配θ
n-1 との差の絶対値が小判定値Lthより小さければ、路
面勾配の変化速度が小さいことを意味し、S4の判定結
果はYESとなり、S5が実行されて第一制御許可・禁
止フラグ146がOFFであるか否かの判定が行われ
る。この判定結果がYESの場合にはS6〜S8がスキ
ップされ、S9において現在路面勾配メモリ142に格
納された路面勾配θnが前回路面勾配メモリ144に移
されて路面勾配θn-1 とされ、ルーチンの実行は終了す
る。
【0030】次に停止ショック低減制御実行・解除ルー
チンが実行され、まず、S101において第一,第二制
御許可・禁止フラグ146,148がいずれもOFFで
あるか否かの判定が行われる。停止ショック低減制御が
許可されているか否かの判定が行われるのであり、ここ
では制御は許可されていてフラグ146,148はいず
れもOFFであり、S101の判定結果はYESとなっ
てS102〜S106が実行され、停止ショック低減制
御の開始条件が成立すれば制御が開始される。
【0031】まず、S102において停止ショック低減
制御実行フラグ150がONであるか否かにより、停止
ショック低減制御が行われているか否かが判定される。
S102が1回目に行われるとき判定結果はNOとなっ
てS103が実行され、停止ショック低減制御開始条件
が成立しているか否かが判定される。停止ショック低減
制御開始条件は、車輪速度が、車両の減速度に対して設
定される制御開始車輪速度まで低下したことであり、制
御開始車輪速度は前記ROMに格納されたマップに基づ
いて決定される。
【0032】図10に示すように、制御開始車輪速度
は、登坂路の場合は水平路の場合より高く、降坂路の場
合は水平路の場合より低くされている。登坂路の場合に
は路面勾配が車両を減速させる作用を為し、減速度を増
大させるため、車輪速度が高い状態で減圧を開始しても
減圧開始が早過ぎて車両が空走することはなく、降坂路
の場合には車両が路面勾配により加速され、減速度が低
下させられるため、減圧開始が早ければブレーキシリン
ダ圧が不足して車両が空走する恐れがあり、そのため車
輪速度が十分に低下した段階で減圧が行われるようにさ
れているのである。
【0033】制御開始車輪速度Vxは、ブレーキペダル
10が踏み込まれている間、繰り返し実行される図示し
ない制御開始車輪速度算出ルーチンにおいて設定され
る。減速度センサ134から減速度Gxが読み込まれる
とともに路面勾配θnおよび勾配の種類が読み込まれ、
それに基づいて制御開始車輪速度Vxが設定されるので
ある。実際の車輪速度が制御開始車輪速度Vxより高け
れば制御を開始するには早く、S103の判定結果がN
Oとなってルーチンの実行は終了する。
【0034】路面勾配の変化速度が小さい場合には、S
1〜S5,S9,S101〜S103が繰り返し実行さ
れる。そして、車輪速度が低下し、制御開始車輪速度V
xになればS103の判定結果がYESとなり、S10
4において停止ショック低減制御実行フラグ150がO
Nにされるとともに、停止ショック低減制御実行時の減
圧時間および車両停止時のブレーキシリンダ24,26
の保持液圧が求められる。保持液圧は、S103の判定
結果がYESになったときの路面勾配θnから、前記図
11に示すマップに従って求められる。また、車輪速度
および車輪減速度に基づいてブレーキシリンダ圧が推定
され、その液圧を減圧調整弁60,62により保持液圧
まで低下させるのに必要な時間が算出され、減圧時間と
される。
【0035】次いでS105が実行され、停止ショック
低減制御が行われる。この際、まず、図14のタイムチ
ャートに示すように、減圧調整弁60,62のコイル1
26が短時間励磁され、ニードル114によって電磁液
圧制御弁28,30とブレーキシリンダ24,26との
連通が遮断される。次いでコイル126が消磁されると
ともに電磁液圧制御弁28,30が減圧状態に切り換え
られ、ブレーキシリンダ24,26内のブレーキ液がリ
ザーバ34に排出され、ブレーキシリンダ圧が図7に示
すように減圧される。ブレーキシリンダ圧は減圧調整弁
60,62の作用により滑らかに減圧を開始し、低下す
るのであり、減圧がS104において設定された時間行
われたならば、電磁液圧制御弁28,30が一定時間保
持状態とされる。実際には、S105においてまず、減
圧調整弁60,62の励磁指令が出された後、S106
において停止ショック低減制御終了条件が成立したか否
か、すなわち減圧終了後、保持状態とされてから一定時
間経過したか否かの判定が行われるが、その判定結果は
NOであり、ルーチンの実行は終了する。減圧調整弁6
0,62の励磁時間が経過するまで、S1,S2,S3
〜S5,S9,S101,S102,S105,S10
6が繰り返し実行され、時間経過後、S105において
減圧指令が出されて電磁液圧制御弁28,30が減圧状
態に切り換えられる。そして、減圧時間が経過するまで
同様に上記ステップが繰り返し実行され、減圧時間の経
過後、保持指令が出され、この場合にも保持時間が経過
するまで上記ステップが繰り返し実行される。
【0036】停止ショック低減制御の終了条件が満たさ
れればS106の判定結果はYESとなり、S108に
おいて停止ショック低減制御が解除され、電磁液圧制御
弁28,30が増圧状態とされた後、S109において
停止ショック低減制御実行フラグ150がOFFにされ
るとともに、第二制御許可・禁止フラグ148がONに
されてルーチンの実行は終了する。第二制御許可・禁止
フラグ148がONにされる理由については後に述べ
る。なお、停止ショック低減制御は、ブレーキペダル1
0の踏込みが解除された場合にも解除される。S2の判
定結果がNOとなり、S16が実行されて制御が解除さ
れるとともに停止ショック低減制御実行フラグ150が
OFFにされるのである。
【0037】次に、路面勾配の変化速度がやや大きい場
合の停止ショック低減制御について説明する。この場合
には、現在の路面勾配θnと前回の路面勾配θn-1 との
差の絶対値が小判定値Lth以上となり、S4の判定結果
がNOとなってS10が実行され、上記絶対値が大判定
値Hthより大きいか否かの判定が行われる。路面勾配の
変化速度がやや大きい場合には、小判定値Lth以上にな
るが、大判定値Hthより小さく、S10の判定結果はN
OとなってS11が実行され、第一制御許可・禁止フラ
グ146がONにされる。次いで、S12においてカウ
ンタ152のカウント値Cが0にされた後、S9が実行
され、現在の路面勾配θが前回の路面勾配θn-1 とされ
てルーチンの実行が終了する。
【0038】このように路面勾配の変化速度がやや大き
いと判定された場合には、停止ショック低減制御実行・
解除ルーチンのS101が実行されるとき、その判定結
果がNOとなり、S107において停止ショック低減制
御が実行中であるか否かの判定が行われる。停止ショッ
ク低減制御が実行中でなければS107の判定結果はN
Oとなってルーチンの実行は終了する。停止ショック低
減制御の開始前であって路面勾配の変化速度がやや大き
い間は、S1〜S4,S10〜S12,S9,S10
1,S107が繰り返し実行され、停止ショック低減制
御は禁止され続ける。したがって、停止ショック低減制
御が実行されないまま車両が停止することとなる。
【0039】しかし、途中で変化速度が小さくなれば停
止ショック低減制御が行われるようにされる。すなわ
ち、変化速度が小さくなればS4の判定結果がYESに
なり、S5において第一制御許可・禁止フラグ146が
OFFであるか否かの判定が行われるが、その判定結果
はNOであり、S6が実行されてカウンタ152のカウ
ント値Cが1増加させられる。そして、S7においてカ
ウント値Cが設定値CA より大きいか否かにより、路面
勾配の変化速度が小さい状態が設定値CA で表される設
定時間継続したか否かの判定が行われる。この判定結果
は当初はNOであり、S9が実行されてルーチンの実行
は終了する。路面勾配の変化速度が小さい状態が設定時
間継続すればS7の判定結果はYESとなり、S8にお
いて第一制御・禁止フラグ146がOFFにされる。そ
のため、次に停止ショック低減制御実行・解除ルーチン
においてS101が実行されるとき、その判定結果はY
ESとなる。したがって、その後に停止ショック低減制
御開始条件が成立するに至れば、停止ショック低減制御
が行われることとなる。
【0040】それに対して、S107の判定時に停止シ
ョック低減制御が実行中であれば判定結果はYESとな
り、S108において停止ショック低減制御が解除さ
れ、運転者の操作によって車両が制動される状態とな
る。そして、S109において停止ショック低減制御実
行フラグ150がOFFにされるとともに第二制御許可
・禁止フラグ148がONにされて、ルーチンの実行は
終了する。したがって、次にS3が実行される場合には
判定結果がNOとなり、S9が実行されてルーチンの実
行は終了し、停止ショック低減制御は行われない。
【0041】停止ショック低減制御が途中で解除されれ
ば、電磁液圧制御弁28,30が増圧状態とされるた
め、図15に実線で示すようにブレーキシリンダ圧がブ
レーキペダル10の踏込み力に応じて上昇し、その後、
路面勾配の変化速度が小さくなって停止ショック低減制
御を行ってよい状態となっても、車両が停止する直前で
あり、図中二点鎖線で示す停止ショック低減制御が途中
で解除されなかった場合のように十分減圧されず、減圧
が不足して停止ショックが生ずることとなる。そのた
め、停止ショック低減制御が途中で解除された場合には
再度行われず、運転者の操作によって停止ショックが低
減されるようにされているのである。
【0042】なお、停止ショック低減制御の禁止は、ブ
レーキペダル10の踏込みが解除されることによって解
除される。S2の判定結果がNOとなり、S15におい
て第一制御許可・禁止フラグ146がOFFにされるの
である。
【0043】最後に、路面勾配の変化速度が大きい場合
について説明する。この場合には、現在の路面勾配θn
と前回の路面勾配θn-1 との差の絶対値は大判定値Lth
より大きく、S4の判定結果がNO、S10の判定結果
がYESとなってS13が実行され、第二制御許可・禁
止フラグ148がONにされる。そのため、停止ショッ
ク低減制御実行・解除ルーチンのS101の判定結果が
NOとなり、停止ショック低減制御が行われているとき
にはS107の判定結果がYESとなってS108が実
行され、停止ショック低減制御が解除される。
【0044】一旦、路面勾配の変化速度が大きいと判定
されればS3の判定結果がNOとなり、ブレーキペダル
10の踏込みが解除されるまでS1〜S3,S9,S1
01,S107が繰り返し実行され、停止ショック低減
制御の実行が禁止され続ける。ブレーキペダル10の踏
込みが解除されればS2の判定結果がNOとなり、S1
4において第二制御許可・禁止フラグ148がOFFに
されて制御が許可される。
【0045】このように本実施例の液圧ブレーキ装置に
おいては、路面勾配の変化速度が大きいときには停止シ
ョック低減制御が行われないようにされており、路面勾
配に合わない停止ショック低減制御が行われることがな
い。路面勾配が変化すれば、それに応じて減圧開始車
速,減圧時間,保持液圧を変えることが必要であるが、
路面勾配は一定時間の間に求められた車輪減速度の平均
値に基づいて算出されるため、図16に示すように算出
に遅れが生ずる。そのため、路面勾配の変化速度が大き
い場合に制御を行えば、先に求められた路面勾配に基づ
いて停止ショック低減制御が行われ、実際の勾配に合わ
ない制御が行われることとなるが、そのようなことがな
く、運転者によって勾配に応じて車両を停止させること
ができる。特に、上り勾配が急に小さくなり、あるいは
下り勾配が急に大きくなる場合には、ブレーキシリンダ
圧が適正値より低くされることとなるため、制動距離が
無用に伸びることとなるが、本実施例の液圧ブレーキ装
置においては、そのような場合には停止ショック低減制
御が行われず、運転者は自身が望む位置に車両を停止さ
せることができる。
【0046】また、車輪がロックした場合にも停止ショ
ック低減制御が禁止される効果が得られる。路面の摩擦
係数の低下等により車輪がロックすれば、図17の2段
目に示すように、車輪速度が急速に低下し、車輪速度の
微分によって求められる車輪減速度が3段目に示すよう
に急に大きくなるのに対し、減速度センサ134により
検出される減速度は1段目に示すように緩やかに変化す
るため、4段目および5段目に示すように、見掛け上、
路面勾配の変化速度が大きくなって停止ショック低減制
御が禁止されるからである。したがって、アンチスキッ
ド制御開始までの間に誤って停止ショック低減制御が開
始され、車両の走行速度が高い状態で減圧が行われて制
動距離が長くなることがない。
【0047】さらに、減速度センサ134の出力値に
は、車輪減速度,路面の勾配の他、制動開始時の荷重移
動により生ずる車体の路面に対する傾斜も含まれる。そ
のため、路面の勾配が変化していなくても変化している
ように検出されるが、この場合には、現在の路面勾配θ
nと前回の路面勾配θn-1 との差の絶対値が判定値を超
えてより大きくなれば、停止ショック低減制御は行われ
ず、路面勾配に合わない停止ショック低減制御が行われ
ることがない。この際、判定値Lthを超えて一旦、停止
ショック低減制御が禁止された場合には、停止ショック
低減制御は後に許容されるため支障はなく、また、判定
値Hthを超えることはないため、停止ショック低減制御
が全く行われないことはない。なお、判定値Hthを超え
ることがあっても、それは制動が急激に行われた場合で
あるのが普通であり、運転者は車両を早急に止めること
を望んでおり、停止ショック低減制御が行われなくても
支障はない。
【0048】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、減速度センサ134,車輪速度センサ13
6,コンピュータのROMの路面勾配検出ルーチンを記
憶する部分およびCPUのそのルーチンを実行する部分
が路面勾配検出手段2を構成し、ROMのS103〜S
105を記憶する部分およびCPUのそれらステップを
実行する部分が停止制御手段3を構成し、ROMのS3
〜S8,S10〜S13を記憶する部分およびCPUの
それらステップを実行する部分が停止ショック低減制御
許可手段4を構成しているのである。
【0049】なお、上記実施例においては、第一,第二
制御許可・禁止フラグ146,148がONになり、停
止ショック低減制御が禁止されたとき、停止ショック低
減制御が実行中の場合には制御が解除されるようになっ
ていたが、ブレーキシリンダ圧を保持状態としてもよ
い。この場合には、図18に示す停止ショック低減制御
実行・解除ルーチンに従って停止ショック低減制御が実
行,解除される。このルーチンのS201〜S207,
S209は前記S101〜S107,S108と同様に
実行され、S207の判定結果がYESになったなら
ば、S208においてブレーキシリンダ圧の保持指令が
出され、電磁液圧制御弁28,30が保持状態に切り換
えられる。停止ショック低減制御の解除条件が成立する
までブレーキシリンダ圧がS207の判定結果がYES
になったときの液圧に保持され、それにより車両の制動
距離が無用に伸びることが回避され、かつ、停止ショッ
ク低減制御が途中で解除されてブレーキシリンダ圧が上
昇させられる場合に比較して車両減速度の変化が小さく
て済む。
【0050】また、本実施例においては、停止ショック
低減制御実行中に路面勾配の変化速度がやや大きいと判
定されてブレーキシリンダ圧が保持された後にもS4〜
S7が実行され、路面勾配の変化速度が小さい状態が設
定時間CA 以上継続し、路面勾配の変化速度が小さいと
判定されれば、再度停止ショック低減制御が実行され
る。本実施例においては、路面勾配の変化速度がやや大
きいと判定されたときブレーキシリンダ圧が保持されて
低いため、停止ショック低減制御が再度行われても、制
御解除に伴ってブレーキシリンダ圧が上昇させられる場
合のように減圧が不足することがなく、停止ショックが
生じても極めて少なくて済むからである。なお、停止シ
ョック低減制御の再開時には、減圧時間および停車時の
保持液圧は、路面勾配の変化速度がやや大きいと判定さ
れたときに行われていた停止ショック低減制御の減圧時
間および保持液圧を使用し、中断された制御を継続して
行ってもよく、あるいは新たに設定して停止ショック低
減制御を行ってもよい。例えば、S208において停止
ショック低減制御実行フラグ150をOFFにし、S2
04において減圧時間および保持液圧が設定されるよう
にするのである。
【0051】また、上記実施例においては停止ショック
低減制御開始条件が成立したときに減圧時間を設定し、
その時間だけ減圧するようにされていたが、ブレーキシ
リンダ圧を検出するようにし、保持液圧になるまで減圧
するようにしてもよい。
【0052】また、上記実施例において減圧勾配は路面
勾配や減速度に関係なく一定とされていたが、それらに
応じて変えるようにしてもよい。例えば、電磁液圧制御
弁28,30とリザーバ34との間に流量可変の電磁式
絞り弁を設け、路面勾配に応じて流量を変えて減圧勾配
を変えるようにするのである。
【0053】さらに、アンチスキッド制御用の電磁液圧
制御弁を停止ショック低減制御に利用することは不可欠
ではなく、逆に、減圧調整弁60,62や上記電磁式絞
り弁を省略することも可能である。特に、アンチスキッ
ド制御用の電磁液圧制御弁が減圧勾配をデューティ制御
により制御し得るものであるなどの場合には、アンチス
キッド制御用の電磁液圧制御弁のみによっても停止ショ
ック低減制御を良好に行うことができる。
【0054】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示す図である。
【図2】本発明の一実施例である液圧ブレーキ装置の系
統図である。
【図3】上記液圧ブレーキ装置に設けられた減圧調整弁
を示す正面断面図である。
【図4】上記減圧調整弁のコイルへの通電時に形成され
る磁気回路を示す図である。
【図5】上記減圧調整弁の作動状態を示す図である。
【図6】上記減圧調整弁の別の作動状態を示す図であ
る。
【図7】上記減圧調整弁により減圧されるブレーキシリ
ンダ圧と時間との関係を示すグラフである。
【図8】上記液圧ブレーキ装置を制御する電子制御ユニ
ットのコンピュータのRAMのうち本発明の関連の深い
部分を示す図である。
【図9】上記液圧ブレーキ装置における路面勾配の算出
を説明する図である。
【図10】上記コンピュータのROMに格納されたマッ
プにより規定される停止ショック低減制御開始車輪速度
と減速度との関係を示すグラフである。
【図11】上記コンピュータのROMに格納されたマッ
プにより規定される停止時のブレーキシリンダの保持圧
と路面勾配との関係を示すグラフである。
【図12】上記コンピュータのROMに格納された停止
ショック低減制御許可・禁止ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図13】上記コンピュータのROMに格納された停止
ショック低減制御実行・解除ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図14】上記液圧ブレーキ装置において停止ショック
低減制御が行われる際のタイムチャートを示す図であ
る。
【図15】上記液圧ブレーキ装置において停止ショック
低減制御が一旦解除された後に再度実行された場合のブ
レーキシリンダ圧の変化を説明するグラフである。
【図16】上記液圧ブレーキ装置における路面勾配の検
出遅れを説明する図である。
【図17】上記液圧ブレーキ装置において車輪がロック
した場合における停止ショック低減制御の禁止を説明す
る図である。
【図18】停止ショック低減制御実行・解除ルーチンの
別の態様を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル 12 マスタシリンダ 20 左前輪 22 右前輪 24,26 ブレーキシリンダ 130 電子制御ユニット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪に設けられたブレーキのブレーキシ
    リンダにブレーキ操作部材の操作力に応じた圧力を発生
    させ、車輪の回転を抑制する流体圧ブレーキ系と、 路面の勾配を検出する路面勾配検出手段と、 その路面勾配検出手段により検出される路面の勾配に応
    じたモードで前記ブレーキシリンダの圧力を自動的に低
    下させ、停止ショックを低減させる停止制御手段とを備
    えた車両用ブレーキ装置において、 前記停止制御手段に、前記路面勾配検出手段により検出
    される路面勾配の変化速度が設定値を超える場合には停
    止ショック低減制御を許可せず、設定値以下の場合には
    許可する停止ショック低減制御許可手段を設けたことを
    特徴とする停止ショック低減機能を備えた車両用ブレー
    キ装置。
JP2730692A 1992-01-17 1992-01-17 停止ショック低減機能を備えた車両用ブレーキ装置 Pending JPH05193474A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995034451A1 (en) * 1994-06-16 1995-12-21 Bosch Braking Systems Corporation Brake pressure decay system
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