JPH05193467A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH05193467A
JPH05193467A JP522192A JP522192A JPH05193467A JP H05193467 A JPH05193467 A JP H05193467A JP 522192 A JP522192 A JP 522192A JP 522192 A JP522192 A JP 522192A JP H05193467 A JPH05193467 A JP H05193467A
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JP
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pressure
master
wheel cylinder
cylinder
master cylinder
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JP522192A
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English (en)
Inventor
Toshifumi Maehara
利史 前原
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 再加圧の初期段階におけるブレーキペダルの
操作フィーリングを向上したブレーキ液圧制御装置を提
供することを目的とする。 【構成】 マスタシリンダ7とホイールシリンダ8とを
結ぶ液路10上に、車両停止時に閉じる主制御弁17
と、主制御弁17が閉じた際にマスタシリンダ7からホ
イールシリンダ8方向の圧液の供給を許容するチェック
弁14とを有するブレーキ液圧制御装置において、軸方
向一定量移動可能で、大径端部25aがマスタシリンダ
7側の液圧に臨み、小径端部25bがホイールシリンダ
8側の液圧に臨む段付ピストン25を備えたブレーキ液
圧制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のブレーキ液圧制
御装置に係り、特に車両停止中に運転者がブレーキペダ
ルから足を離した状態においても車両の停止を維持でき
るブレーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術としては、図4に示す
ブレーキ保持装置が知られている。同図において、図示
しない主制御装置によりブレーキペダルが踏まれて車両
の停止を検知した状態で所定時間を程度経過した場合に
は、マスタシリンダ7とホイールシリンダ8とを結ぶ主
液路11上の電磁弁36を閉塞してホイールシリンダ8
内の液圧を封じ込め、運転者がブレーキペダルから足を
離しても車両の停止状態を維持していた。
【0003】そして、停止状態においてホイールシリン
ダ8内の液圧が低下した場合には、再度ブレーキペダル
を踏み込んでホイールシリンダ8の再加圧を行ってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マスタシリ
ンダ7では、ブレーキペダルと連動されるマスタピスト
ン34を備えた構造を有しており、このマスタピストン
34の周囲には合成ゴム等の弾性部材からなるマスタカ
ップ33が嵌装され、ホイールシリンダ8側からの液圧
による液漏れを防止する構造となっていた。
【0005】そして、マスタシリンダ7内周面において
マスタカップ33の直近部分にはマスタシリンダ7室内
の液圧を外部に排出するリリーフポート30が設けられ
ていた。
【0006】しかし、ホイールシリンダ8内への液圧の
封じ込めが行われている状態で、ホイールシリンダ8へ
の再加圧を行う場合には、マスタピストン34が加圧方
向に移動を開始し、これにともなってマスタカップ33
がリリーフポート30を通過した時点でマスタカップ3
3にはホイールシリンダ8からの圧力が直接加わること
になる。そのためブレーキペダル反力が急に大きくな
り、操作フィーリングが良くなかった。
【0007】本発明の目的は、再加圧の初期段階におけ
るブレーキペダルの操作フィーリングを向上したブレー
キ液圧制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、マスタシリン
ダ7とホイールシリンダ8とを結ぶ液路10上に、ピス
トン型の圧力吸収装置25と、前記マスタシリンダ7か
らホイールシリンダ8への液の供給を制御する弁機構1
9とが備えられ、前記圧力吸収装置25は、一方が他方
より大径に形成されるとともに、この大径に形成された
一方がマスタシリンダ7側に位置した状態で弾性体27
によりホイールシリンダ8側へ付勢され、前記弁機構1
9は、前記圧力吸収装置25と一体に設けられるととも
に前記弾性体27によりマスタシリンダ7側へ付勢さ
れ、かつ、前記弁機構19はブレーキを作動させたこと
による車両の停止時に液路10を遮断する主制御弁17
と、この主制御弁17が液路10を遮断した際にマスタ
シリンダ7からホイールシリンダ8方向への液圧の供給
のみを許可するチェック弁14とを有し、前記車両が停
止して主制御弁17が液路10を遮断した後にマスタシ
リンダ7を再加圧した際、圧力吸収装置25に対するマ
スタシリンダ7側から作用する圧力と、ホイールシリン
ダ8側から作用する圧力との圧力差により圧力吸収装置
25が軸方向に摺動して、マスタシリンダ7の初期加圧
を吸収することを特徴とするブレーキ液圧制御装置とし
た。
【0009】ここで、弁機構19は、ピストン型の圧力
吸収装置25の内径よりも小さな形態として、前記圧力
吸収装置25に内蔵した状態で圧力吸収装置と一体に備
える。
【0010】そして、圧力吸収装置25と弁機構19
は、同一の弾性体によらず、別個の弾性体によってそれ
ぞれホイールシリンダ8側とマスタシリンダ7側に付勢
させてもよい。
【0011】
【作用】車両の停止が検知されて主制御弁13によって
液路10が閉塞されると、ホイールシリンダ8からの液
圧により圧力吸収装置25がマスタシリンダ7方向へ摺
動する。
【0012】ここで、ホイールシリンダ8の再加圧を行
うためにマスタシリンダ7が作動すると、マスタシリン
ダ7の初期加圧は、圧力吸収装置25をホイールシリン
ダ8側へ移動させる力に消費される。したがって、急に
ブレーキペダルの反力が増加せず、ブレーキペダルの操
作フィーリングが良好となる。
【0013】そして、マスタシリンダ7からの加圧がさ
らに継続され、弁機構19とマスタシリンダ7との間の
液圧が一定圧以上になると、今度は弁機構19のチェッ
ク弁14が開かれてホイールシリンダ8に追加液圧が供
給される。
【0014】
【実施例】図1ないし図3に基づいて、本発明の一実施
例を説明する。図1において、ブレーキ液圧制御装置1
は、ソレノイド部2とバルブ部3とを有している。ソレ
ノイド部2の中央には、ソレノイド4への通電によって
作動するプランジャ15を備えている。そして、このプ
ランジャ15のバルブ部3側の端部にはロッド5が接続
している。前記ロッド5の先端は、球状の弾性部材であ
るボールバルブ9と当接している。また、ロッド5の周
囲にはロッドシール40が備えられ、バルブ3側からソ
レノイド部2側への液漏れを防止している。
【0015】バルブ部3は、ハウジング60内に設けら
れた収納室70を有し、この収納室70の一方はマスタ
シリンダ7からの液圧を液路10aを介して供給するイ
ンレット75と連通し、収納室70の他方はホイールシ
リンダ8に液圧を液路10bを介して供給するアウトレ
ット76と連通している。
【0016】そして、前記収納室70は、マスタシリン
ダ7側がホイールシリンダ8側よりも大径に形成されて
いる。前記収納室70の形状に外径を合わせた圧力吸収
装置である圧力制御ピストン25が、収納室70内に嵌
装されている。すなわち、この圧力制御ピストン25
は、圧力制御ピストン25の外面に形成された段状の部
分である第4段付部23を境として、一方が大径の形状
を有するとともに、他方が小径の形状を有しおり、通常
の状態で、圧力制御ピストン25の第4段付部23と収
納室70の段付部とが当接する状態で収納室70内に嵌
装されている。
【0017】圧力制御ピストン25の大径部側の外周に
は、液漏れ防止用の第1カップ26が備えられている。
また、圧力制御ピストン25の右端部には、ゴム等によ
り形成された弾性部材29が備えられている。
【0018】そして、収納室70内において、圧力制御
ピストン25の内方には、圧力制御ピストン25と同軸
上に、マスタシリンダ7側からホイールシリンダ8側へ
の液圧を制御する弁機構19が備えられている。すなわ
ち、弁機構19が圧力制御ピストン25に内蔵された状
態となっている。
【0019】前記弁機構19は、液路10を適宜遮断す
る主制御弁17と、チェック弁としての増圧カップ14
とを有している。主制御弁17は、バルブシート12
と、バルブシート12の開閉ポート6を閉塞するボール
バルブ9により構成されている。そして、バルブシート
12の内側は液圧を通過させる通路63となっている。
【0020】バルブシート12の右端部には、前記ボー
ルバルブ9を位置決めするボールガイド43が設けられ
ている。このボールガイド43には、ボールバルブ9と
ほぼ同径の空所が形成されており、ボールバルブ9は前
記空所内に位置している。
【0021】前記ボールガイド43の外周面側の収納室
70の部分は、インレット75側と連通されている主弁
室13として形成されている。この主弁室13の内方は
前記開閉ポート6に連通されている。したがって、ソレ
ノイド4に通電がなされていない状態では、マスタシリ
ンダ7→液路10a→インレット75→主弁室13→開
閉ポート6→通路63→アウトレット76→液路10b
→ホイールシリンダ8の経路でブレーキ圧液が供給され
る構造となっている。
【0022】そして、前記増圧カップ14は、主弁室1
3→液路10bの方向への圧液の流通のみを許可するよ
うになっている。この増圧カップ14の図中左側はカッ
プホルダ55の右端部と当接しており、カップホルダ5
5の左端側の第1段付部57部分とハウジング60との
間には第1スプリング56が嵌装されている。
【0023】また、カップホルダ55の右端側の第2段
付部58と圧力制御ピストン25の内側の第3段付部4
5との間には、弾性体であるセットスプリング27が嵌
装されている。
【0024】前記増圧カップ14及び増圧カップ14の
右方と当接するバルブシート12は、前記第1スプリン
グと前記セットスプリング27により図中右方(マスタ
シリンダ7側)へ付勢されている。また、圧力制御ピス
トン25は、セットスプリング27により図中左方(ホ
イールシリンダ8側)へ付勢されている。
【0025】そして、圧力制御ピストン25のマスタシ
リンダ7側は、マスタシリンダ7からの液圧を受ける直
径Pの液受面を構成している。この液受面にかかる液圧
は、セットスプリング27とともに圧力制御ピストン2
5をホイールシリンダ8側へ付勢するよう作用する。
【0026】一方、圧力制御ピストン25のホイールシ
リンダ8側は、ホイールシリンダ8からの液圧を受ける
直径pの液圧面を構成している。ホイールシリンダ8の
液圧封じ込め時に、この液圧面にかかる液圧は、セット
スプリング27に抗して、圧力制御ピストン25をマス
タシリンダ7側へ移動させるよう作用する。
【0027】カップホルダ55内には、バルブロッド5
0が内装されている。このバルブロッド50は、第2ス
プリング51により図中右方へ付勢され、バルブロッド
50の一端部と当接するボールブバルブ9をソレノイド
部2側へ押圧している。
【0028】次に、本実施例の動作を順を追って説明す
る。図1は本実施例の通常の状態を示す図であり、図2
はホイールシリンダ8に液圧を封じ込めた状態の図であ
り、図3はホイールシリンダ8の液圧を、封じ込め後に
増圧する状態の図である。
【0029】まず、図1において、主制御装置28が、
ブレーキペダル、アクセルペダル、速度センサからの各
信号を入力し、ブレーキペダルの踏み込みによって車両
が停止したことを検知して、さらにこの停止状態が所定
時間(例えば1〜数秒)経過したことを検知すると、ソ
レノイド4に通電を行い、図2に示すようにプランジャ
15を図中左方へ移動させる。
【0030】このプランジャ15の移動に伴ってロッド
5も左方へ移動し、ロッド5の先端と当接しているボー
ルバルブ9が、バルブロッド50の第2スプリング51
に抗してバルブシート12側へ当接して開閉ポート6を
閉じる。これによって液路10の連通が遮断されてホイ
ールシリンダ8内の液圧の封じ込めが行われる。
【0031】このため、運転者がブレーキペダルの操作
を解除してもホイールシリンダ8内の液圧は保持され、
車両はブレーキ力によって、停止した状態を維持する。
ここで、ホイールシリンダ8からの圧液が、圧力制御ピ
ストン25の直径pの液圧面にかかり、圧力制御ピスト
ン25はセットスプリング27に抗して、弾性部材29
が主弁室13の左端に当接するまで摺動する。すなわ
ち、圧力制御ピストン25は図1に示す長さL分右方へ
移動する。
【0032】次に、ホイールシリンダ8内の圧力が不足
して、マスタシリンダ7からの再加圧が必要となった場
合には、マスタシリンダ7内のマスタピストン34がマ
スタスプリング31に抗してマスタ液圧室32を圧縮す
る方向に移動を開始する。
【0033】マスタピストン34の初期移動の段階で、
マスタピストン34に嵌装されたマスタカップ33は、
リリーフポート30を通過する。このとき、マスタピス
トン34の初期移動段階の加圧は、図3に示すように、
マスタシリンダ7→液路10a→インレット75→主弁
室13に到り、圧力制御ピストン25の液受面に作用
し、圧力制御ピストン25をホイールシリンダ8方向へ
移動させる力で消費される。そのため、マスタピストン
34の初期移動段階では、徐々にマスタシリンダ7の圧
力が上昇するため、ブレーキペダルの操作フィーリング
は良好となる。
【0034】そして、マスタピストン34による加圧を
さらに継続した場合には、圧力制御ピストン25が、圧
力制御ピストン25の第4段付部23をハウジング60
の段付部分に当接させるまで(通常状態の位置まで)左
方へ移動する。これとともに、マスタシリンダ7からの
液路10aの圧液は、一定圧以上となった段階で主弁室
13より増圧カップ14を経てホイールシリンダ8側の
液路10bに供給されて、ホイールシリンダ8内が再加
圧される。
【0035】なお、圧力制御ピストン25と弁機構19
とは、弁機構19を圧力制御ピストン25に内蔵した状
態で備えたが、圧力制御ピストン25と弁機構19とを
並列の状態で備えても、あるいは液路10上にバイパス
路を別個独立に形成して別々に備えてもよい。また、液
路10に対する別個に形成したバイパス路に、弁機構1
9の増圧カップ14のみを備えるようにしてもよい。
【0036】以上のように本実施例によれば、ホイール
シリンダ8内の液圧を再加圧する際にマスタピストン3
4の初期移動分の加圧を吸収する圧力制御ピストン25
を備え、この圧力制御ピストン25に、マスタシリンダ
7からホイールシリンダ8への液圧を制御する弁機構1
9を内蔵した状態で備えた。
【0037】このため、圧力吸収装置と弁機構を一体に
形成することができ、別個にバイパス路やリザーバ室を
設ける必要がなく、コンパクトな構造で再加圧の際に初
期圧力を制御するブレーキ液圧制御装置を得ることが可
能となった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、車両停止時にブレーキ
液圧をホイールシリンダ内に封じ込めるブレーキ液圧制
御装置において、再加圧のための初期加圧段階の加圧力
を圧力吸収装置において一旦吸収するため、マスタシリ
ンダの圧力が徐々に上昇し、ブレーキペダルの操作フィ
ーリングが良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における通常の状態を示すブ
レーキ液圧制御装置の断面図である。
【図2】実施例の封じ込め時の状態を示すブレーキ液圧
制御装置の断面図である。
【図3】実施例の増圧時の状態を示すブレーキ液圧制御
装置の断面図である。
【図4】従来技術におけるブレーキ保持装置を示す概略
図である。
【符号の説明】
1・・ブレーキ液圧制御装置 2・・ソレノイド部 3・・バルブ部 4・・ソレノイド 5・・プランジャ 6・・開閉ポート 7・・マスタシリンダ 8・・ホイールシリンダ 9・・ボールバルブ 10,10a,10b・・液路 12・・バルブシート 13・・主弁室 14・・増圧カップ(チェック弁) 15・・プランジャ 17・・主制御弁 19・・弁機構 23・・第4段付部 25・・圧力制御ピストン(圧力吸収装置) 26・・第1カップ 27・・セットスプリング(弾生体) 28・・主制御装置 29・・弾性部材 30・・リリーフポート 31・・マスタスプリング 32・・マスタ液圧室 33・・マスタカップ 34・・マスタピストン 40・・ロッドシール 43・・ボールガイド 45・・第3段付部 50・・バルブロッド 51・・第2スプリング 55・・カップホルダ 56・・第1スプリング 57・・第1段付部 58・・第2段付部 60・・ハウジング 70・・収納室 75・・インレット 76・・アウトレット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ブレーキ液圧制御装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のブレーキ液圧制
御装置に係り、特に車両停止中に運転者がブレーキペダ
ルから足を離した状態においても車両の停止を維持でき
るブレーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術としては、図4に示す
ブレーキ保持装置が知られている。同図において、図示
しない主制御装置によりブレーキペダルが踏まれて車両
の停止を検知した状態で所定時間を経過した場合には、
マスタシリンダ7とホイールシリンダ8とを結ぶ主液路
11上の電磁弁36を閉塞してホイールシリンダ8内の
液圧を封じ込め、運転者がブレーキペダルから足を離し
ても車両の停止状態を維持していた。
【0003】そして、停止状態においてホイールシリン
ダ8内の液圧が低下した場合には、再度ブレーキペダル
を踏み込んでホイールシリンダ8の再加圧を行ってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マスタシリ
ンダ7では、ブレーキペダルと連動されるマスタピスト
ン34を備えた構造を有しており、このマスタピストン
34の周囲には合成ゴム等の弾性部材からなるマスタカ
ップ33が嵌装され、ホイールシリンダ8側からの液圧
による液漏れを防止する構造となっていた。
【0005】そして、マスタシリンダ7内周面において
マスタカップ33の直近部分にはマスタシリンダ7室内
の液圧を外部に排出するリリーフポート30が設けられ
ていた。
【0006】しかし、ホイールシリンダ8内への液圧の
封じ込めが行われている状態で、ホイールシリンダ8へ
の再加圧を行う場合には、マスタピストン34が加圧方
向に移動を開始し、これにともなってマスタカップ33
がリリーフポート30を通過した時点でマスタカップ3
3にはホイールシリンダ8からの圧力が直接加わること
になる。そのためブレーキペダル反力が急に大きくな
り、液圧の封じ込めがない場合の通常のブレーキ操作と
操作フィーリングが大きく異なり、ブレーキペダルが突
然に重く感じ操作フィーリングが良くなかった。
【0007】本発明の目的は、再加圧の初期段階におけ
るブレーキペダルの操作フィーリングを向上したブレー
キ液圧制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、マスタシリン
ダ7とホイールシリンダ8とを結ぶ液路10上に、車両
停止時に閉じて液路10を遮断する主制御弁17と、主
制御弁17が閉じた際にマスタシリンダ7からホイール
シリンダ8方向の圧液の供給を許容するチェック弁14
とを有するブレーキ液圧制御装置において、以下のよう
な構成をとった。
【0009】前記マスタシリンダ7とホイールシリンダ
8とを結ぶ液路10上に、軸方向一定量移動可能で、大
径端部25aがマスタシリンダ7側の液圧に臨み、小径
端部25bがホイールシリンダ8側の液圧に臨む段付ピ
ストン25を備える。
【0010】前記段付ピストン25は、大径端部25a
がマスタシリンダ7側に位置した状態で弾性体27によ
りホイールシリンダ8側へ付勢される構成にするとよ
い。また、前記主制御弁17とチェック弁14とを一体
に備える弁機構19を設け、この弁機構19を前記段付
ピストン25の内方に設けることが望ましい。
【0011】
【作用】車両の停止が検知されて主制御弁17によって
液路10が閉塞されると、ホイールシリンダ8からの液
圧により段付ピストン25がマスタシリンダ7方向へ摺
動する。
【0012】ここで、ホイールシリンダ8の再加圧を行
うためにマスタシリンダ7が作動すると、マスタシリン
ダ7の初期の圧液は、段付ピストン25をホイールシリ
ンダ8側へ移動させる力に消費される。したがって、急
にブレーキペダルの反力が増加せず、ブレーキペダルの
操作フィーリングが良好となる。
【0013】そして、マスタシリンダ7からの加圧がさ
らに継続され、マスタシリンダ7の圧力がホイールシリ
ンダ8の圧力より大きくなると、チェック弁14が開か
れてホイールシリンダ8に追加液圧が供給される。
【0014】このように、マスタシリンダ7の圧液が、
段付ピストン25の移動により消費される。したがっ
て、この消費のためにブレーキペダルが一定量踏み込ま
れてから再加圧となるので、操作感が通常ブレーキ操作
の場合と同様になる。
【0015】
【実施例】図1ないし図3に基づいて、本発明の一実施
例を説明する。図1において、ブレーキ液圧制御装置1
は、ソレノイド部2とバルブ部3とを有している。ソレ
ノイド部2の中央には、ソレノイド4への通電によって
作動するプランジャ15を備えている。そして、このプ
ランジャ15のバルブ部3側の端部にはロッド5が接続
している。前記ロッド5の先端は、球状の弾性部材であ
るボール9と当接している。また、ロッド5の周囲には
ロッドシール40が備えられ、バルブ部3側からソレノ
イド部2側への液漏れを防止している。
【0016】バルブ部3は、ハウジング60内に設けら
れた段付シリンダ70を有し、この段付シリンダ70の
一方はマスタシリンダ7からの液圧を液路10aを介し
て供給するインレット75と連通し、段付シリンダ70
の他方はホイールシリンダ8に液圧を液路10bを介し
て供給するアウトレット76と連通している。
【0017】そして、前記段付シリンダ70は、マスタ
シリンダ7側がホイールシリンダ8側よりも大径に形成
されている。また、前記段付シリンダ70内で一定量だ
け摺動可能な段付ピストン25が設けられている。この
段付ピストン25は、その外面に形成された段状の部分
である第4段付部23を境として、一方が大径の形状
大径端部25aを有するとともに、他方が小径の形状
小径端部25bを有している。前記段付ピストン25
、通常の状態で、段付ピストン25の第4段付部23
段付シリンダ70の段付部とが当接する状態で段付シ
リンダ70内に嵌装されている。
【0018】段付ピストン25の大径端部25a側の外
周には、液漏れ防止用の第1カップ26が備えられてい
る。また、段付ピストン25の右端部には、ゴム等によ
り形成された弾性部材29が備えられている。
【0019】そして、段付シリンダ70内において、
付ピストン25の内方には、段付ピストン25と同軸上
に、マスタシリンダ7側からホイールシリンダ8側への
液圧を制御する弁機構19が備えられている。すなわ
ち、弁機構19が段付ピストン25に内蔵された状態と
なっている。
【0020】前記弁機構19は、液路10を適宜遮断す
る主制御弁17と、チェック弁としての増圧カップ14
とを有している。主制御弁17は、バルブシート12
と、バルブシート12の開閉ポート6を閉塞するボール
9により構成されている。そして、バルブシート12の
内側は液圧を通過させる通路63となっている。
【0021】バルブシート12の右端部には、前記ボー
ル9を位置決めするボールガイド43が設けられてい
る。このボールガイド43には、ボール9とほぼ同径の
空所が形成されており、ボール9は前記空所内に位置し
ている。
【0022】前記ボールガイド43の外周面側の段付シ
リンダ70の部分は、インレット75側と連通されてい
る主弁室13として形成されている。この主弁室13の
内方は前記開閉ポート6に連通されている。したがっ
て、ソレノイド4に通電がなされていない状態では、マ
スタシリンダ7→液路10a→インレット75→主弁室
13→開閉ポート6→通路63→アウトレット76→液
路10b→ホイールシリンダ8の経路でブレーキ圧液が
供給される構造となっている。
【0023】そして、前記増圧カップ14は、主弁室1
3→液路10bの方向への圧液の流通のみを許可するよ
うになっている。この増圧カップ14の図中左側はカッ
プホルダ55の右端部と当接しており、カップホルダ5
5の左端側の第1段付部57部分とハウジング60との
間には第1スプリング56が嵌装されている。
【0024】また、カップホルダ55の右端側の第2段
付部58と段付ピストン25の内側の第3段付部45と
の間には、弾性体であるセットスプリング27が嵌装さ
れている。
【0025】前記増圧カップ14及び増圧カップ14の
右方と当接するバルブシート12は、前記第1スプリン
グ56と前記セットスプリング27により図中右方(マ
スタシリンダ7側)へ付勢されている。また、段付ピス
トン25は、セットスプリング27により図中左方(ホ
イールシリンダ8側)へ付勢されている。
【0026】そして、段付ピストン25のマスタシリン
ダ7側は、マスタシリンダ7からの液圧を受ける直径P
の液受面を構成している。この液受面にかかる液圧は、
セットスプリング27とともに段付ピストン25をホイ
ールシリンダ8側へ付勢するよう作用する。
【0027】一方、段付ピストン25のホイールシリン
ダ8側は、ホイールシリンダ8からの液圧を受ける直径
pの液圧面を構成している。ホイールシリンダ8の液圧
封じ込め時に、この液圧面にかかる液圧は、セットスプ
リング27に抗して、段付ピストン25をマスタシリン
ダ7側へ移動させるよう作用する。
【0028】カップホルダ55内には、バルブロッド5
0が内装されている。このバルブロッド50は、第2ス
プリング51により図中右方へ付勢され、バルブロッド
50の一端部と当接するボールブバルブ9をソレノイド
部2側へ押圧している。
【0029】次に、本実施例の動作を順を追って説明す
る。図1は本実施例の通常の状態を示す図であり、図2
はホイールシリンダ8に液圧を封じ込めた状態の図であ
り、図3はホイールシリンダ8の液圧を、封じ込め後に
増圧する状態の図である。
【0030】まず、図1において、主制御装置28が、
ブレーキペダル、アクセルペダル、速度センサからの各
信号を入力し、ブレーキペダルの踏み込みによって車両
が停止したことを検知して、さらにこの停止状態が所定
時間(例えば1〜数秒)経過したことを検知すると、ソ
レノイド4に通電を行い、図2に示すようにプランジャ
15を図中左方へ移動させる。
【0031】このプランジャ15の移動に伴ってロッド
5も左方へ移動し、ロッド5の先端と当接しているボー
ル9が、バルブロッド50の第2スプリング51に抗し
てバルブシート12側へ当接して開閉ポート6を閉じ
る。これによって液路10の連通が遮断されてホイール
シリンダ8内の液圧の封じ込めが行われる。
【0032】このため、運転者がブレーキペダルの操作
を解除してもホイールシリンダ8内の液圧は保持され、
車両はブレーキ力によって、停止した状態を維持する。
ここで、ホイールシリンダ8からの圧液が、段付ピスト
25の小径端部25b側の直径pの液圧面にかかり、
段付ピストン25はセットスプリング27に抗して、弾
性部材29が主弁室13の左端に当接するまで摺動す
る。すなわち、段付ピストン25は図1に示す長さL分
右方へ移動する。
【0033】次に、ホイールシリンダ8内の圧力が不足
して、マスタシリンダ7からの再加圧が必要となった場
合には、マスタシリンダ7内のマスタピストン34がマ
スタスプリング31に抗してマスタ液圧室32を圧縮す
る方向に移動を開始する。
【0034】マスタピストン34の初期移動の段階で、
マスタピストン34に嵌装されたマスタカップ33は、
リリーフポート30を通過する。このとき、マスタピス
トン34の初期移動段階の加圧は、図3に示すように、
マスタシリンダ7→液路10a→インレット75→主弁
室13に到り、段付ピストン25の大径端部25a側の
直径Pの液受面に作用し、段付ピストン25をホイール
シリンダ8方向へ移動させる力で消費される。そのた
め、マスタピストン34の初期移動段階では、徐々にマ
スタシリンダ7の圧力が上昇するため、ブレーキペダル
の操作フィーリングは良好となる。
【0035】そして、マスタピストン34による加圧を
さらに継続した場合には、段付ピストン25が、段付ピ
ストン25の第4段付部23をハウジング60の段付部
分に当接させるまで(通常状態の位置まで)左方へ移動
する。これとともに、マスタシリンダ7からの液路10
aの圧液は、一定圧以上となった段階で主弁室13より
増圧カップ14を経てホイールシリンダ8側の液路10
bに供給されて、ホイールシリンダ8内が再加圧され
る。
【0036】なお、段付ピストン25と弁機構19と
は、弁機構19を段付ピストン25に内蔵した状態で備
えたが、段付ピストン25と弁機構19とを並列の状態
で備えても、あるいは液路10上にバイパス路を別個独
立に形成して別々に備えてもよい。また、液路10に対
する別個に形成したバイパス路に、弁機構19の増圧カ
ップ14のみを備えるようにしてもよい。
【0037】以上のように本実施例によれば、ホイール
シリンダ8内の液圧を再加圧する際にマスタピストン3
4の初期移動分の加圧を吸収する段付ピストン25を備
え、この段付ピストン25に、マスタシリンダ7からホ
イールシリンダ8への液圧を制御する弁機構19を内蔵
した状態で備えた。
【0038】このため、圧力吸収装置である段付ピスト
と弁機構を一体に形成することができ、別個にバイパ
ス路やリザーバ室を設ける必要がなく、コンパクトな構
造で再加圧の際に初期圧力を制御するブレーキ液圧制御
装置を得ることが可能となった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、車両停止時にブレーキ
液圧をホイールシリンダ内に封じ込めるブレーキ液圧制
御装置において、再加圧のための初期加圧段階の加圧力
を圧力吸収装置において一旦吸収するため、マスタシリ
ンダの圧力が徐々に上昇し、ブレーキペダルの操作フィ
ーリングが良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における通常の状態を示すブ
レーキ液圧制御装置の断面図である。
【図2】実施例の封じ込め時の状態を示すブレーキ液圧
制御装置の断面図である。
【図3】実施例の増圧時の状態を示すブレーキ液圧制御
装置の断面図である。
【図4】従来技術におけるブレーキ保持装置を示す概略
図である。
【符号の説明】 1・・ブレーキ液圧制御装置 2・・ソレノイド部 3・・バルブ部 4・・ソレノイド 5・・プランジャ 6・・開閉ポート 7・・マスタシリンダ 8・・ホイールシリンダ 9・・ボール 10,10a,10b・・液路 12・・バルブシート 13・・主弁室 14・・増圧カップ(チェック弁) 15・・プランジャ 17・・主制御弁 19・・弁機構 23・・第4段付部 25・・段付ピストン 26・・第1カップ 27・・セットスプリング(弾生体) 28・・主制御装置 29・・弾性部材 30・・リリーフポート 31・・マスタスプリング 32・・マスタ液圧室 33・・マスタカップ 34・・マスタピストン 40・・ロッドシール 43・・ボールガイド 45・・第3段付部 50・・バルブロッド 51・・第2スプリング 55・・カップホルダ 56・・第1スプリング 57・・第1段付部 58・・第2段付部 60・・ハウジング 70・・段付シリンダ 75・・インレット 76・・アウトレット
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダとホイールシリンダとを
    結ぶ液路上に、ピストン型の圧力吸収装置と、前記マス
    タシリンダからホイールシリンダへの液の供給を制御す
    る弁機構とが備えられ、 前記圧力吸収装置は、一方が他方より大径に形成される
    とともに、この大径に形成された一方がマスタシリンダ
    側に位置した状態で弾性体によりホイールシリンダ側へ
    付勢され、 前記弁機構は、前記圧力吸収装置と一体に設けられると
    ともに前記弾性体によりマスタシリンダ側へ付勢され、
    かつ、前記弁機構はブレーキを作動させたことによる車
    両の停止時に液路を遮断する主制御弁と、この主制御弁
    が液路を遮断した際にマスタシリンダからホイールシリ
    ンダ方向への液圧の供給のみを許可するチェック弁とを
    有し、 前記車両が停止して主制御弁が液路を遮断した後にマス
    タシリンダを再加圧した際、圧力吸収装置に対するマス
    タシリンダ側から作用する圧力と、ホイールシリンダ側
    から作用する圧力との圧力差により圧力吸収装置が軸方
    向に摺動して、マスタシリンダの初期加圧を吸収するこ
    とを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
JP522192A 1991-01-22 1992-01-14 ブレーキ液圧制御装置 Pending JPH05193467A (ja)

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JP522192A JPH05193467A (ja) 1992-01-14 1992-01-14 ブレーキ液圧制御装置
US07/824,033 US5316378A (en) 1991-01-22 1992-01-22 Brake fluid pressure control apparatus
DE4201668A DE4201668A1 (de) 1991-01-22 1992-01-22 Bremsfluessigkeits-steuervorrichtung

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JP522192A JPH05193467A (ja) 1992-01-14 1992-01-14 ブレーキ液圧制御装置

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JP522192A Pending JPH05193467A (ja) 1991-01-22 1992-01-14 ブレーキ液圧制御装置

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