JPH05192776A - クラッド材の製造方法 - Google Patents

クラッド材の製造方法

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JPH05192776A
JPH05192776A JP747092A JP747092A JPH05192776A JP H05192776 A JPH05192776 A JP H05192776A JP 747092 A JP747092 A JP 747092A JP 747092 A JP747092 A JP 747092A JP H05192776 A JPH05192776 A JP H05192776A
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JP
Japan
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strip
heating
clad material
strips
rolling mill
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Pending
Application number
JP747092A
Other languages
English (en)
Inventor
Akito Yahiro
昭人 八尋
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】品質のよいクラッド材の効率的な製造。 【構成】(1) 2以上の金属ストリップを重ね合わせて圧
延し接合するクラッド材の製造において、少なくとも一
つのストリップの加熱を、圧延機1の入側に設置した1
対のピンチロ−ル3と圧延機のワ−クロ−ル4を電極と
してそのストリップに直接通電することによって行う。 (2) 前記少なくとも一つのストリップの加熱を圧延機入
側に設置した2対のピンチロ−ルを電極としてそのスト
リップに直接通電することによって行う。 【効果】ストリップはワークロールの直近で急速に加熱
されるから、圧延されるまでに高温で大気にさらされる
時間が短く、酸化が少ない。ストリップ幅方向の温度分
布も均一である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、異種金属の2以上の
ストリップを素材として、圧延接合により品質の良好な
クラッド材を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄板クラッドの製造方法は、従来はスト
リップを冷間圧接して焼鈍する方法、シ−ト(切板)を
温間または熱間で圧接する方法が主であった。素材がシ
ートの場合、接合作業はバッチ式であるから、素材の加
熱は一般的な加熱炉でも十分である。しかし、生産効率
を高めるためにコイリングしたストリップを素材とし、
接合も連続的に行おうとすれば、素材ストリップの連続
加熱を行わなければならない。この場合、加熱を炉で行
うとすれば、ストリップを走行させながら加熱できるだ
けの長大な炉が必要となる。
【0003】本出願人らは、先に加熱ロ−ルを用いてス
トリップを加熱する方法を提案した(特開昭63-174791
号公報)。しかし、この方法では加熱温度に限界があ
り、ストリップの種類によっては加熱ロールを多数並べ
て加熱するか、インダクションヒ−タ等を併用しなけれ
ばならないことがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インダクションヒ−タ
による加熱方式は、装置自体が高価であるのみならず、
加熱の際に板端の温度が高くなる傾向があり、幅方向温
度の均一化が難しい。また、加熱コイルを圧延機ハウジ
ング内に組み込むことは難しく、いきおい加熱装置から
圧延ロールまでの距離が長くなり、加熱装置を出た後圧
延ロールに入るまでにストリップの酸化と温度低下が避
けられない。クラッド材の品質を安定して良好なものと
するには、素材ストリップの均一加熱が必須であり、ま
た表面の酸化もできるだけ避けなければならない。
【0005】本発明の目的は、圧延ロールに近い位置で
ストリップを急速加熱し、しかもストリップの加熱温度
を均一にして、品質のよいクラッド材を製造する方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)および(2) のクラッド材の製造方法にある。
【0007】(1) 2以上の金属ストリップを重ね合わせ
て圧延し接合するクラッド材の製造において、少なくと
も一つのストリップの加熱を、圧延機入側に設置した1
対のピンチロ−ルと圧延機のワ−クロ−ルとを電極とし
てそのストリップに直接通電することによって行うこと
を特徴とするクラッド材の製造方法。
【0008】(2) 前記少なくとも一つのストリップの加
熱を、圧延機入側に設置した2対のピンチロ−ルを電極
としてそのストリップに直接通電することによって行う
ことを特徴とするクラッド材の製造方法。
【0009】本発明のクラッド材の製造方法において、
金属ストリップとは、例えば、炭素鋼、低合金鋼もしく
はステンレス鋼、銅もしくはその合金、アルミニウムも
しくはその合金、チタンもしくはその合金、ニッケルも
しくはその合金、等のストリップである。クラッド材と
は、これらのストリップの2以上の組合せからなるもの
で、例えば、ステンレス鋼とアルミニウム、チタンとア
ルミニウム、銅とアルミニウム、銅とステンレス鋼、ニ
ッケルとステンレス鋼等々、種々の組合せが可能であ
る。もちろん、チタン−アルミニウム−ステンレス鋼、
チタン−アルミニウム−チタンというような3層または
それ以上の組合せも可能である。
【0010】ピンチロールというのは、加熱しようとす
るストリップを挟んで、その表面に接触しながら回転す
る上下1対のロールである。このピンチロールと圧延機
のワークロールとを電極として、または2対のピンチロ
ールを電極として、上記のようなストリップの中、加熱
する必要のあるものを所定温度に加熱する。2以上のス
トリップをそれぞれ異なる温度に加熱することもでき
る。
【0011】
【作用】図1の(a) は、前記(1) の本発明方法によって
2層のクラッド材を製造する場合の圧延ラインの一例を
示す概略図である。圧延機1のワ−クロ−ル2と、圧延
機入側に設けた一対のピンチロ−ル3を電極としてスト
リップ5および6に通電し、これらを加熱する。4は電
源で、これは直流でも交流でもよい。7は製品クラッド
材である。
【0012】この図には、ストリップ5、6の両方を直
接通電方式で加熱する様式を示したが、後述する実施例
に示すように、一方を通常の、例えば誘導加熱装置で加
熱してもよい。
【0013】図1の(b) は、前記(2) の本発明方法によ
って2層のクラッド材を製造する場合の圧延ラインの一
例を示す概略図である。この場合は、各ストリップ5と
6に対して圧延機入側に設けたそれぞれ2対のピンチロ
−ル3-1 および3-2 を電極としてストリップ5および6
に通電しこれらを加熱する。この場合もストリップの一
方を、通常の方法で加熱してもよく、また、前記図1
(a) の方式で加熱してもよい。
【0014】図1の(a) に示す方法では、ストリップ5
および6は、ピンチロ−ル3とワ−クロ−ル2が電極に
なっているのでこの間で通電されジュ−ル熱が発生す
る。供給する電流を調整することにより加熱温度は任意
に制御できる。なお、比較的絶縁の容易なピンチロ−ル
を絶縁して給電ロ−ルとし、ワ−クロ−ルは接地して絶
縁を省略することことができる。
【0015】図1(b) に示す方法の場合は、上流側のピ
ンチロ−ル3-1 を絶縁して他方のピンチロール3-2 を接
地しておく。そして、下流側のピンチロ−ル3-2 はでき
るだけ圧延機に近い位置に設け、加熱されたストリップ
が高温で大気に曝される時間を短くする。
【0016】図2(a) は、従来の誘導加熱装置(インダ
クションヒ−タ)を使用する加熱方法におけるストリッ
プの温度と圧延機までの距離との関係を示した図であ
る。図示のように、ストリップSは加熱装置内で加熱さ
れ、その出口で最高温度に達するが、そこから圧延機に
入るまでに空冷されて温度は低下する。
【0017】図2(b) は、本発明方法における直接通電
加熱を行った場合のストリップの温度と圧延機までの距
離との関係を示した図である。この場合は、ストリップ
Sの温度は圧延機(ワ−クロ−ル)の直前で最高とな
る。これは、ストリップが圧延機に向かって走行してお
り、しかもストリップの温度が高くなるとともにその電
気抵抗値が上がり、ジュール熱の発生量が増えるからで
ある。
【0018】図2の (a)と(b) の温度曲線を対比してみ
れば明らかなように、本発明方法における加熱((b) の
パターン)では、圧延機近くでストリップ温度が急速に
立ち上がるために、ストリップが高温で大気に曝される
時間が短くなる。従って、ストリップ表面の酸化も著し
く少なくなる。図1(b) に示したように2対のピンチロ
−ル間で通電加熱する場合でも、ストリップ温度は下流
側のピンチロール直近で急速に上昇するから、下流側ピ
ンチロ−ルをできるだけワ−クロ−ルに近づけることに
より、ストリップが高温で大気にさらされる時間を短く
できる。誘導加熱コイルと異なり、ピンチロ−ルは圧延
機のハウジング内にも組み込めるので、下流側ピンチロ
ールとワークロールとの距離はごく短くすることができ
る。
【0019】上記のピンチロールを使用する直接通電方
式のもう一つの大きな利点は、ストリップの幅方向の加
熱温度を均一にできることである。さきに述べたよう
に、誘導加熱では、その特性として板端部の温度が高く
なり易く幅方向の均一加熱は困難である。しかし、ピン
チロール(およびワークロール)を電極とする場合、ス
トリップに流れる電流は幅方向に均一であり、従って、
加熱温度も幅方向に均一になる。その結果、圧延後の製
品クラッド材に接合不良部分や耳波が発生するという問
題が無くなる。
【0020】
【実施例1】板厚 0.5mm、幅 200mmの冷延鋼板(SPCC)
ストリップと板厚 1.5mm、幅 200mmの純アルミニウムス
トリップを用いてクラッド材を製造した。使用した装置
の概要を図3の (a)〜(c) に示す。
【0021】アルミニウムストリップの加熱はすべて誘
導加熱装置8または8-1 で行った。
【0022】冷延鋼板ストリップの加熱は、次の3方式
で行った。
【0023】A.図3 (a)に示すワークロールロール2
とピンチロール3を電極とする直接通電加熱方式 B.図3 (b)に示す2対のピンチロール3-1 および3-2
を使用する直接通電加熱方式 C.図3 (c)図に示す誘導加熱装置8-2 を使用する従来
の加熱方式 アルミニウムストリップの加熱を誘導加熱で行ったの
は、アルミニウムは熱伝導性が良いため、温度分布の不
均一が生じにくく、またアルミニウムの酸化膜は薄くて
圧延時に容易に破壊され接合に悪影響を及ぼさず、圧延
までの酸化がさほど問題にならないからである。
【0024】圧延は、圧下率30%として製品厚1.4mm の
クラッド板を製造した。図3の (a)〜(c) に示す装置の
主な仕様は次のとおりである。
【0025】(a)の装置 圧延機のワ−クロ−ル2の径80mm、バックアップロ−
ル径 200mm ピンチロ−ル3の径80mm、ワークロールとの距離(電
極間距離)300mm 電源4は容量20KVA (0〜10V、max 2000A)を使用 ピンチロ−ル荷重は 100 Kg ライン速度2.5m/min で1パスで30%の圧下率で圧延 アルミニウムストリップの加熱装置8は容量 50 KWの
インダクションヒ−タ(b)の装置 ワ−クロ−ル2とピンチロール3-2 との距離 200 mm ピンチロ−ル3-1 と3-2 の間の距離(電極間距離) 3
00 mm その他は (a)の装置と同じである。 (c)の装置 冷延鋼板ストリップの加熱用として、容量 38 KWのイ
ンダクションヒ−タ8-2をワ−クロ−ル2の前方500mm
の位置に設置。
【0026】アルミニウムストリップ加熱用インダクシ
ョンヒ−タ8-1 を含めその他は (a)の装置と同じであ
る。
【0027】表1は上記の各加熱方式で冷延鋼板ストリ
ップの加熱温度を変えて圧延した結果である。アルミニ
ウムストリップの加熱温度は 300℃の一定とした。接合
評価は、製品クラッド材を供試材として曲げ半径0°、
曲げ角度90°でナイフ曲げ試験を行って評価した。
【0028】表1の試験No.1〜5 が本発明の実施例に相
当する。冷延鋼板ストリップの加熱温度 200〜300 ℃で
全て良好な接合が得られており、表面酸化による冷延鋼
板側のテンパーカラーもNo.5を除いて全く見られない。
No.5は、冷延鋼板の加熱温度が 300℃で、2対のピンチ
ロールを使用する方式であるため、下流側のピンチロー
ルを出てワークロールに達するまでに僅かな酸化があっ
て薄いテンパーカラーがついている。この結果から、本
発明方法の中でも、ワークロールを一方の電極とする方
法がより望ましいと言える。
【0029】なお、製品クラッド材は、中央部も板幅端
部も十分な接合強度を有しており、耳波等の形状不良も
なく、直接通電加熱によるストリップの幅方向温度分布
は均一であることも確認できた。
【0030】表1の試験No.6〜8 は、冷延鋼板ストリッ
プの加熱も誘導加熱方式で行った比較例である。加熱温
度 200℃および 250℃(No.6、No.7) では接合状態がよ
いが、300 ℃に加熱した場合にはかえって接合状態が悪
い。これは濃いテンパーカラーが発生していることから
もわかるように、接合を阻害する酸化膜が形成されたた
めである。No.6では、接合状態がよくテンパーカラーも
発生していないが、板幅端部が高温になったためにやや
耳波が見られた。
【0031】
【表1】
【0032】
【実施例2】板厚 0.5mm、幅 100mmの冷延鋼板(SPCC)ス
トリップと板厚0.05mm、幅 100mmの無酸素銅のストリッ
プを用いてクラッド材を製造した。使用した装置の概要
を図4の (a)および(b) に示す。詳しい条件は次のとお
りである。なお、比較するために両ストリップとも誘導
加熱装置(図3に8で示す装置と同じ)で加熱する試験
も行った。
【0033】(a)の装置 冷延鋼板ストリップ用ピンチロール3とワークロール
2の距離 300mm 銅ストリップ用ピンチロール3’とワークロール2の
距離 2000mm その他は図3の装置と同じ。
【0034】(b)の装置 冷延鋼板ストリップ用ピンチロール3-1 と3-2 の距離
300mm ピンチロール3-2 とワークロール2の距離 200mm 銅ストリップ用ピンチロール3-3 と3-4 の距離 2000m
m ピンチロール3-4 とワークロール2の距離 240mm その他は図3の装置と同じ。
【0035】表2に試験結果を示す。評価方法は表1の
場合と同じである。No.1〜9 の本発明例では、接合状態
はすべて完全である。加熱温度を高くした場合には若干
のテンパーカラーが見られたが、実用上差し支えのない
程度であった。
【0036】両ストリップを誘導加熱装置で加熱した比
較例では、加熱装置を出てからワークロールに到る間で
の酸化が激しく、特にストリップ加熱温度が高い場合に
テンパーカラーが着き接合状態も悪くなっている。No.1
0 はテンパーカラーは軽微であるが、板幅端部の温度が
高くなったために耳波の発生が見られた。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明方法によれば、素材のストリップ
が高温となる領域 (時間) が短くなり表面の酸化が抑え
られ、さらに幅方向温度分布が均一となるためにクラッ
ド製品の品質が向上し安定する。本発明方法で用いる直
接通電方式は、設備も比較的簡単であり、加熱温度の制
御が容易で、かつ電気エネルギーの使用効率も高い。こ
の方法は、直接通電加熱が可能なあらゆる金属ストリッ
プを組み合わせたクラッド材の製造に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で2層のクラッド材を製造する圧延
ラインの概略図で、 (a)はピンチロールとワークロール
を電極とする場合、(b) は2対のピンチロールを電極と
する場合である。
【図2】ストリップの加熱の際の昇温曲線を示す図で、
(a)は従来のインダクションヒ−タによる誘導加熱の場
合、(b) は本発明方法で使用する直接通電加熱による場
合である。
【図3】実施例で用いた圧延ラインの概略図で、 (a)お
よび(b) は本発明方法を実施する圧延ライン、(c) は従
来の誘導加熱法を用いる圧延ラインである。
【図4】(a)、(b) とも実施例で用いた本発明方法を実
施する圧延ラインの概略図である。
【符号の説明】
1: 圧延機、 2: ワークロール、 3、3’、3-1 、3-2 、3-3 、3-4 : ピンチロール 4: 電源、 5、6: 金属ストリップ、 7: 製品クラ
ッド材 8、8-1 、8-2 : 誘導加熱装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2以上の金属ストリップを重ね合わせて圧
    延し接合するクラッド材の製造において、少なくとも一
    つのストリップの加熱を、圧延機入側に設置した1対の
    ピンチロ−ルと圧延機のワ−クロ−ルとを電極としてそ
    のストリップに直接通電することによって行うことを特
    徴とするクラッド材の製造方法。
  2. 【請求項2】2以上の金属ストリップを重ね合わせて圧
    延し接合するクラッド材の製造において、少なくとも一
    つのストリップの加熱を、圧延機入側に設置した2対の
    ピンチロ−ルを電極としてそのストリップに直接通電す
    ることによって行うことを特徴とするクラッド材の製造
    方法。
JP747092A 1992-01-20 1992-01-20 クラッド材の製造方法 Pending JPH05192776A (ja)

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