JP2905399B2 - 熱間圧延における鋼片の接合方法 - Google Patents
熱間圧延における鋼片の接合方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱間圧延における鋼
片の接合方法に関し、鋼片相互の突き合わせ接合をより
完全にし安定操業を図ろうとするものである。
片の接合方法に関し、鋼片相互の突き合わせ接合をより
完全にし安定操業を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼片の熱間圧延ラインでは、加熱
炉から抽出した鋼片を一本ずつ圧延していたため、とく
に仕上げ圧延工程において、以下のような種々のトラブ
ルが発生していた。
炉から抽出した鋼片を一本ずつ圧延していたため、とく
に仕上げ圧延工程において、以下のような種々のトラブ
ルが発生していた。
【0003】a)鋼片先端部の噛み込み不良。 b)鋼片後端の絞り込み。 c)鋼片先端部のランナウトテーブル上での走行トラブ
ル。 d)鋼片の先端、後端における寸法不良。
ル。 d)鋼片の先端、後端における寸法不良。
【0004】上記のような問題の解決策としては、熱間
仕上げ圧延機の入側搬送ラインにおいて、先行して搬送
される鋼片(以下、先行鋼片という)とこれに引き続い
て搬送される鋼片(以下、後行鋼片という)とをその先
端部および後端部において順次に加熱、接合して圧延す
る連続熱間圧延方式が実施されるようになってきてい
て、この点に関する先行文献としては、特開昭60−2
44401号公報が参照される。
仕上げ圧延機の入側搬送ラインにおいて、先行して搬送
される鋼片(以下、先行鋼片という)とこれに引き続い
て搬送される鋼片(以下、後行鋼片という)とをその先
端部および後端部において順次に加熱、接合して圧延す
る連続熱間圧延方式が実施されるようになってきてい
て、この点に関する先行文献としては、特開昭60−2
44401号公報が参照される。
【0005】この連続熱間圧延は、鋼片の接合処理と圧
延とのタイミングを合わせる必要があるために、設備の
構成としては、仕上げ圧延機群の入側に配置した接合装
置を移動式として鋼片の移動に追従できるようにする
か、あるいは接合装置と圧延設備との間にタイミングバ
ッファー機能を有するルーパー等の機器を配置する必要
があるが、このような構成になる設備は、ラインの延長
を伴うし、また、新たな機器の設置が必要になるため設
備費が上昇する不都合があった。
延とのタイミングを合わせる必要があるために、設備の
構成としては、仕上げ圧延機群の入側に配置した接合装
置を移動式として鋼片の移動に追従できるようにする
か、あるいは接合装置と圧延設備との間にタイミングバ
ッファー機能を有するルーパー等の機器を配置する必要
があるが、このような構成になる設備は、ラインの延長
を伴うし、また、新たな機器の設置が必要になるため設
備費が上昇する不都合があった。
【0006】連続熱間圧延方式において、接合処理と圧
延とのタイミングを合わせると同時にラインの短縮化を
図るには、鋼片の接合に要する時間を極力短くすること
が有効であり、この点については、例えば特開平4−8
9120号公報等、これまでに多数の提案がみられる。
延とのタイミングを合わせると同時にラインの短縮化を
図るには、鋼片の接合に要する時間を極力短くすること
が有効であり、この点については、例えば特開平4−8
9120号公報等、これまでに多数の提案がみられる。
【0007】しかしながら、従来の接合方式においては
以下に述べるような問題点が残されていた。
以下に述べるような問題点が残されていた。
【0008】すなわち、この種の接合方式は、鋼片の接
合予定部の上下に誘導加熱コイルを配置して交番磁界を
印加し、このとき発生する誘導電流によって突き合わせ
面の表層(接合予定部)を集中的に加熱・昇温する一
方、鋼片を相互に押圧することによって接合するもので
あるが、このとき発生する誘導電流は、鋼片のコーナー
部においては流れにくいために、接合予定部の温度(鋼
片の板幅方向の温度)が幅端にいくほど昇温度合いが小
さくなり、鋼片の押圧に際して接合予定部を全域にわた
って接合できない。
合予定部の上下に誘導加熱コイルを配置して交番磁界を
印加し、このとき発生する誘導電流によって突き合わせ
面の表層(接合予定部)を集中的に加熱・昇温する一
方、鋼片を相互に押圧することによって接合するもので
あるが、このとき発生する誘導電流は、鋼片のコーナー
部においては流れにくいために、接合予定部の温度(鋼
片の板幅方向の温度)が幅端にいくほど昇温度合いが小
さくなり、鋼片の押圧に際して接合予定部を全域にわた
って接合できない。
【0009】ここに、昇温が十分でないと鋼片の押圧時
にその部分が抵抗となるため、必要以上の能力を有する
設備を設置する不利があるし、十分な接合強度を有する
程度まで接合できない場合には圧延中にこの部分から板
が破断し重大な事故を招くおそれがあった。
にその部分が抵抗となるため、必要以上の能力を有する
設備を設置する不利があるし、十分な接合強度を有する
程度まで接合できない場合には圧延中にこの部分から板
が破断し重大な事故を招くおそれがあった。
【0010】なお、このような問題を解決するためには
鋼片のコーナー部を所定の温度に達するまで加熱・昇温
し続けるのが最も有効であるが、このような手法では、
それを除く領域(板幅方向の中央域)が溶融温度にまで
達して溶け落ちてしまう不都合(鋼片の溶け落ちは良好
な接合部を得ることができないばかりか圧延板の表面性
状の悪化につながり好ましくない)があった。
鋼片のコーナー部を所定の温度に達するまで加熱・昇温
し続けるのが最も有効であるが、このような手法では、
それを除く領域(板幅方向の中央域)が溶融温度にまで
達して溶け落ちてしまう不都合(鋼片の溶け落ちは良好
な接合部を得ることができないばかりか圧延板の表面性
状の悪化につながり好ましくない)があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、熱
間仕上げ圧延設備の入側で、先行鋼片と後行鋼片を十分
な接合強度を得ることができる程度(圧延中に板が破断
することがない接合強度を確保することができる程度)
にまで接合し、安定した圧延操業が実施できる方法およ
び装置を提案するところにある。
間仕上げ圧延設備の入側で、先行鋼片と後行鋼片を十分
な接合強度を得ることができる程度(圧延中に板が破断
することがない接合強度を確保することができる程度)
にまで接合し、安定した圧延操業が実施できる方法およ
び装置を提案するところにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、熱間仕上げ
圧延設備の入側にて、先行鋼片の後端部と後行鋼片の先
端部とをギャップを開けて対向配置し、その領域で加熱
用コイルによって鋼片の厚さ方向に貫く交番磁界を印加
して各鋼片をその幅方向の全域にわたって加熱・昇温す
るとともに、両鋼片を相互に押圧して突き合わせ接合す
るに当たり、鋼片と加熱用コイルとの間に生じるすき間
で、かつ、鋼片の幅端部から下記式で表される浸透深さ
d0 の10倍以内の位置に磁性体を配置して鋼片を加熱
・昇温することを特徴とする熱間圧延における鋼片の接
合方法である。 記 d0 ={ρ×107 /(μ×f)}1/2 /2π ここに、d0 :浸透深さ(m) f:交番磁界の周波数(Hz) ρ:鋼片の電気抵抗率(Ωm) μ:鋼片の比透磁率(−)
圧延設備の入側にて、先行鋼片の後端部と後行鋼片の先
端部とをギャップを開けて対向配置し、その領域で加熱
用コイルによって鋼片の厚さ方向に貫く交番磁界を印加
して各鋼片をその幅方向の全域にわたって加熱・昇温す
るとともに、両鋼片を相互に押圧して突き合わせ接合す
るに当たり、鋼片と加熱用コイルとの間に生じるすき間
で、かつ、鋼片の幅端部から下記式で表される浸透深さ
d0 の10倍以内の位置に磁性体を配置して鋼片を加熱
・昇温することを特徴とする熱間圧延における鋼片の接
合方法である。 記 d0 ={ρ×107 /(μ×f)}1/2 /2π ここに、d0 :浸透深さ(m) f:交番磁界の周波数(Hz) ρ:鋼片の電気抵抗率(Ωm) μ:鋼片の比透磁率(−)
【0013】この発明において適用する磁性体は、浸透
深さd0 の2〜10倍の幅を有するものが好ましく、ま
た、磁性体を鋼片の幅の変更に応じて移動させるように
するのがよい。
深さd0 の2〜10倍の幅を有するものが好ましく、ま
た、磁性体を鋼片の幅の変更に応じて移動させるように
するのがよい。
【0014】さて、図1a,bに、この発明を実施する
のに用いて好適な接合装置の構成を示す。図における番
号1は先行鋼片、2は後行鋼片、3はコイルCとコアt
からなり、鋼片1,2をその厚さ方向にすき間hを隔て
て挟む少なくとも一対の加熱用コイルであって、この加
熱用コイル3にて鋼片をその厚さ方向に貫く交番磁界を
印加して接合予定部を所定の温度にまで加熱・昇温す
る。
のに用いて好適な接合装置の構成を示す。図における番
号1は先行鋼片、2は後行鋼片、3はコイルCとコアt
からなり、鋼片1,2をその厚さ方向にすき間hを隔て
て挟む少なくとも一対の加熱用コイルであって、この加
熱用コイル3にて鋼片をその厚さ方向に貫く交番磁界を
印加して接合予定部を所定の温度にまで加熱・昇温す
る。
【0015】また、4は加熱用コイル3の電源、5は磁
性体であって、加熱用コイル3による加熱・昇温時にこ
の磁性体5によってとくに昇温が不足する鋼片コーナー
部における磁束の密度を高める。
性体であって、加熱用コイル3による加熱・昇温時にこ
の磁性体5によってとくに昇温が不足する鋼片コーナー
部における磁束の密度を高める。
【0016】
【作用】先行鋼片1と後行鋼片2とをその端部で近接配
置(数mm〜数十mmのギャップGを開けた状態)し、
加熱用コイル3にて板厚方向に貫通する交番磁界を印加
すると接合予定部には交番磁界によって図2に示す如き
電流eが誘導され、その際の発熱によって極めて短時間
のうちに加熱・昇温されるわけであるが、かかる電流e
は鋼片1,2のコーナー部fにおいては流れにくいため
に、その部位の昇温度合いは小さく、かかる部位を接合
可能温度まで加熱・昇温しようとすると板幅方向の中央
域が溶け落ちるおそれがある一方、中央域のみで鋼片の
接合を試みたとしても接合強度が十分でないために圧延
中に未接合部分から亀裂が進展していき板が破断し、圧
延が継続できなくなる不利があったのである。
置(数mm〜数十mmのギャップGを開けた状態)し、
加熱用コイル3にて板厚方向に貫通する交番磁界を印加
すると接合予定部には交番磁界によって図2に示す如き
電流eが誘導され、その際の発熱によって極めて短時間
のうちに加熱・昇温されるわけであるが、かかる電流e
は鋼片1,2のコーナー部fにおいては流れにくいため
に、その部位の昇温度合いは小さく、かかる部位を接合
可能温度まで加熱・昇温しようとすると板幅方向の中央
域が溶け落ちるおそれがある一方、中央域のみで鋼片の
接合を試みたとしても接合強度が十分でないために圧延
中に未接合部分から亀裂が進展していき板が破断し、圧
延が継続できなくなる不利があったのである。
【0017】この発明においては、図3に示すように、
加熱用コイル3による接合予定部の加熱・昇温に際し
て、昇温度合いの小さい鋼片コーナー部に配置した磁性
体によってその部位における磁束密度を高め、該部位に
おいても誘導電流がより多く流れるようにしたので加熱
・昇温の度合いも大きくなり、このため板幅方向中央域
の溶け落ちのうれいなしに未接合長さが短縮され十分満
足のいく接合強度を確保することができることとなる。
加熱用コイル3による接合予定部の加熱・昇温に際し
て、昇温度合いの小さい鋼片コーナー部に配置した磁性
体によってその部位における磁束密度を高め、該部位に
おいても誘導電流がより多く流れるようにしたので加熱
・昇温の度合いも大きくなり、このため板幅方向中央域
の溶け落ちのうれいなしに未接合長さが短縮され十分満
足のいく接合強度を確保することができることとなる。
【0018】この発明においては磁性体5を、鋼片の母
端部から浸透深さd0 の10倍以内の位置に配置するこ
ととしたが、その理由は、この領域が昇温不足をきたす
部分であって、これよりも内側に配置すると昇温度合い
が大きくなりすぎ、溶け落ち等の問題が生じるからであ
る。
端部から浸透深さd0 の10倍以内の位置に配置するこ
ととしたが、その理由は、この領域が昇温不足をきたす
部分であって、これよりも内側に配置すると昇温度合い
が大きくなりすぎ、溶け落ち等の問題が生じるからであ
る。
【0019】磁性体5の幅については浸透深さd0 の2
〜10倍とするが、その理由は、浸透深さd0 の2倍未
満では、加熱・昇温度合いを大きくできる範囲が狭いた
めに磁性体を配置することの効果が小さくるからであ
り、一方、10倍を超えると昇温速度が極端に大きくな
って溶け落ちる部分が生じるからである。鋼片の幅方向
中央域と同程度の昇温速度が得られ、幅方向の全域につ
きほぼ均一な温度分布となるように加熱・昇温すべく、
この発明においては磁性体の幅を浸透深さd0 の2〜1
0倍の範囲に限定した。図4に、磁性体5の幅寸法/浸
透深さd0 と接合不良長さの関係を示す。
〜10倍とするが、その理由は、浸透深さd0 の2倍未
満では、加熱・昇温度合いを大きくできる範囲が狭いた
めに磁性体を配置することの効果が小さくるからであ
り、一方、10倍を超えると昇温速度が極端に大きくな
って溶け落ちる部分が生じるからである。鋼片の幅方向
中央域と同程度の昇温速度が得られ、幅方向の全域につ
きほぼ均一な温度分布となるように加熱・昇温すべく、
この発明においては磁性体の幅を浸透深さd0 の2〜1
0倍の範囲に限定した。図4に、磁性体5の幅寸法/浸
透深さd0 と接合不良長さの関係を示す。
【0020】上掲図1に示した構成になる装置を組み込
んだ連続熱間圧延設備の例を図5に示す。
んだ連続熱間圧延設備の例を図5に示す。
【0021】かかる装置は、連続熱間圧延設備に配置さ
れピンチロール6,7の間に配置され、コイル状の鋼片
を巻き戻すタイミングと圧延工程のタイミングを合わせ
ながら鋼片を装置に接合する。
れピンチロール6,7の間に配置され、コイル状の鋼片
を巻き戻すタイミングと圧延工程のタイミングを合わせ
ながら鋼片を装置に接合する。
【0022】上掲図5において、番号8は巻き戻し機、
9はピンチロール、10はレベラー、11は切断機、1
2はデスケーラ、13は仕上げ圧延機群の第1スタンド
であり、ここに、接合装置Sは鋼片の移動に同期できる
ものとして示したたが、これが固定式の場合には、その
下流にルーパーを設置することができる。
9はピンチロール、10はレベラー、11は切断機、1
2はデスケーラ、13は仕上げ圧延機群の第1スタンド
であり、ここに、接合装置Sは鋼片の移動に同期できる
ものとして示したたが、これが固定式の場合には、その
下流にルーパーを設置することができる。
【0023】磁性体5の、鋼片の長手方向に沿う寸法
は、鋼片を接合するに当たって最初に形成する相互間の
ギャップをGとした場合において、2d0 +G+α(1
00〜200mm程度)とするのがよい。また、鋼片
1,2の加熱・昇温の際に、磁性体5そのものの昇温を
防止するため、かかる磁性体5を絶縁を施した薄い板を
複数枚重ね合わせたものとするのがよい。磁性体5とし
ては、けい素鋼の他、鉄、ニッケル、コバルト等の単体
やその合金あるいは非晶質のものが適用できる。
は、鋼片を接合するに当たって最初に形成する相互間の
ギャップをGとした場合において、2d0 +G+α(1
00〜200mm程度)とするのがよい。また、鋼片
1,2の加熱・昇温の際に、磁性体5そのものの昇温を
防止するため、かかる磁性体5を絶縁を施した薄い板を
複数枚重ね合わせたものとするのがよい。磁性体5とし
ては、けい素鋼の他、鉄、ニッケル、コバルト等の単体
やその合金あるいは非晶質のものが適用できる。
【0024】鋼片の加熱・昇温に際しては鋼片相互の押
圧操作(押圧は加熱・昇温しつつ押圧する場合あるいは
加熱・昇温したのち押圧する場合等)を伴うことになる
が、この際、先行鋼片1と後行鋼片2がその厚さ方向に
ずれた状態で接合(以下,これを目違いと称する)され
る場合もあり、このようなずれはその部分が圧延ロール
に噛み込まれたとき、鋼片の一方の端部がもう一方の端
部へ倒れ込み、これが圧延パス数の増加とともに製品と
なる健全な部分に深く食い込み、局部的な薄肉部分を形
成する一方で、圧延中におけるスタンド間張力の変動に
よって板が破断し、圧延を継続することができなくなる
おそれがある。
圧操作(押圧は加熱・昇温しつつ押圧する場合あるいは
加熱・昇温したのち押圧する場合等)を伴うことになる
が、この際、先行鋼片1と後行鋼片2がその厚さ方向に
ずれた状態で接合(以下,これを目違いと称する)され
る場合もあり、このようなずれはその部分が圧延ロール
に噛み込まれたとき、鋼片の一方の端部がもう一方の端
部へ倒れ込み、これが圧延パス数の増加とともに製品と
なる健全な部分に深く食い込み、局部的な薄肉部分を形
成する一方で、圧延中におけるスタンド間張力の変動に
よって板が破断し、圧延を継続することができなくなる
おそれがある。
【0025】このため、この発明においては、鋼片1,
2の幅方向に沿い間隔をおいて切り欠いた先端開放形の
切り欠部uを有する図6に示すような目違い防止プレー
ト14を配置して鋼片の接合を行うようにするのがよ
い。
2の幅方向に沿い間隔をおいて切り欠いた先端開放形の
切り欠部uを有する図6に示すような目違い防止プレー
ト14を配置して鋼片の接合を行うようにするのがよ
い。
【0026】図6において、目違い防止プレート14は
鋼片1,2の位置決め機能を有するクランプ15に接続
した場合について示したが、これによって、鋼片1,2
の押圧時に生じやすい上下レベルの変動は完全に防止さ
れる。
鋼片1,2の位置決め機能を有するクランプ15に接続
した場合について示したが、これによって、鋼片1,2
の押圧時に生じやすい上下レベルの変動は完全に防止さ
れる。
【0027】目違い防止プレート14は、鋼片1,2の
加熱・昇温時における温度上昇を避けることができ、か
つ抑え板としての強度を確保するために切り欠部uを有
するものとしてあり、この切り欠部uに磁性体5を適合
させることによって、結果的に鋼片の接合予定部をその
全域にわたって均一に加熱・昇温することができるよう
になる。
加熱・昇温時における温度上昇を避けることができ、か
つ抑え板としての強度を確保するために切り欠部uを有
するものとしてあり、この切り欠部uに磁性体5を適合
させることによって、結果的に鋼片の接合予定部をその
全域にわたって均一に加熱・昇温することができるよう
になる。
【0028】なお、図6に示したような目違い防止プレ
ート14を有する場合において、磁性体5を図7の如く
鋼片1,2の幅方向に沿って移動させる構造にしておく
ことにより幅の異なる鋼片にも容易に対応でき、効率的
な連続熱間圧延が実施できることになる。
ート14を有する場合において、磁性体5を図7の如く
鋼片1,2の幅方向に沿って移動させる構造にしておく
ことにより幅の異なる鋼片にも容易に対応でき、効率的
な連続熱間圧延が実施できることになる。
【0029】
【実施例】板幅1000mm、厚さ30mmになるシー
トバー(低炭素鋼)を、上掲図5に示したような構成に
なる設備を使用して下記の条件のものとで接合したの
ち、仕上げ板厚が3mmになる熱間仕上げ圧延を行い、
圧延中における板の破断の有無およびシートバーの接合
直後における板幅方向の温度分布について調査した。
トバー(低炭素鋼)を、上掲図5に示したような構成に
なる設備を使用して下記の条件のものとで接合したの
ち、仕上げ板厚が3mmになる熱間仕上げ圧延を行い、
圧延中における板の破断の有無およびシートバーの接合
直後における板幅方向の温度分布について調査した。
【0030】シートバーの接合条件 仕上げ圧延前のシートバーの温度は約900〜100
0℃であり、この温度域は鋼種の違いにかかわらず電気
抵抗率は約120×10Ωmであることから、周波数を
500Hzして交番磁界を印加した場合、浸透深さd0
は約25mmとなるため、磁性体(サイズ幅100mm
×長150mm×高30mm)を板の端部から10mm
〜160mmの位置に設置した。 先行シートバーと後行シートバーとの間のギャップ:
10mm 加熱用コイル(交番磁界発生コイル)のサイズ:シー
トバーの幅方向に沿う寸法が1100mm,その長手方
向に沿う寸法が250mmのものを使用 加熱用コイルの投入電力:1500kW,周波数:5
00Hz 加熱時間:10秒 押圧力:3kg/mm
0℃であり、この温度域は鋼種の違いにかかわらず電気
抵抗率は約120×10Ωmであることから、周波数を
500Hzして交番磁界を印加した場合、浸透深さd0
は約25mmとなるため、磁性体(サイズ幅100mm
×長150mm×高30mm)を板の端部から10mm
〜160mmの位置に設置した。 先行シートバーと後行シートバーとの間のギャップ:
10mm 加熱用コイル(交番磁界発生コイル)のサイズ:シー
トバーの幅方向に沿う寸法が1100mm,その長手方
向に沿う寸法が250mmのものを使用 加熱用コイルの投入電力:1500kW,周波数:5
00Hz 加熱時間:10秒 押圧力:3kg/mm
【0031】この発明に従い加熱・昇温して両シートバ
ーを接合した場合におけるシートバーの幅方向における
温度分布を加熱前、後の温度分布と比較して図8に、ま
た、通常の加熱を行った場合(比較例:磁性体を配置し
ない場合)の温度分布を図9に示す。
ーを接合した場合におけるシートバーの幅方向における
温度分布を加熱前、後の温度分布と比較して図8に、ま
た、通常の加熱を行った場合(比較例:磁性体を配置し
ない場合)の温度分布を図9に示す。
【0032】図8、図9より明らかなように、この発明
に従って加熱・昇温することによって未接合を残存させ
る原因となる加熱が不足する部分が極めて短くなること
が確認できた。
に従って加熱・昇温することによって未接合を残存させ
る原因となる加熱が不足する部分が極めて短くなること
が確認できた。
【0033】図10に、シートバー接合面の発熱量比を
比較して示す。
比較して示す。
【0034】
【発明の効果】この発明によれば、鋼片のコーナー部を
効率よく加熱・昇温できるので、圧延中の板の破断原因
となる未接合長さを極端に短くすることが可能であり、
安定した連続熱間圧延を実施できる。
効率よく加熱・昇温できるので、圧延中の板の破断原因
となる未接合長さを極端に短くすることが可能であり、
安定した連続熱間圧延を実施できる。
【図1】a,bはこの発明を実施するのに好適な装置の
構成を示した図である。
構成を示した図である。
【図2】従来の加熱要領の説明図である。
【図3】この発明に従う加熱要領の説明図である。
【図4】磁性体の幅寸法/浸透深さと接合不良長さの関
係を示した図である。
係を示した図である。
【図5】連続熱間圧延設備の構成を示した図である。
【図6】目違い防止プレートの構成を示した図である。
【図7】磁性体の移動要領を示した図である。
【図8】シートバーの幅方向における温度分布を示した
図である。
図である。
【図9】シートバーの幅方向における温度分布を示した
図である。
図である。
【図10】接合面発熱量比を比較して示した図である。
1 先行鋼片 2 後行鋼片 3 加熱用コイル 4 電源 5 磁性体 6 ピンチロール 7 ピンチロール 8 巻き戻し機 9 ピンチロール 10 レベラー 11 切断機 12 スケールブレーカ 13 仕上げ圧延機群 14 目違い防止プレート 15 クランプ S 接合装置 C コイル t 鉄心 G ギャップ e 誘導電流 f コーナー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 望 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 山田 博右 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 二階堂 英幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 磯山 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 平林 毅 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 黒田 彰夫 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島製作所内 (72)発明者 鶴崎 一也 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 中野 裕行 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社 伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 平4−89178(JP,A) 特開 平4−89115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 1/26 B21B 15/00 B23K 13/02
Claims (3)
- 【請求項1】 熱間仕上げ圧延設備の入側にて、先行鋼
片の後端部と後行鋼片の先端部とをギャップを開けて対
向配置し、その領域で加熱用コイルによって鋼片の厚さ
方向に貫く交番磁界を印加して各鋼片をその幅方向の全
域にわたって加熱・昇温するとともに、両鋼片を相互に
押圧して突き合わせ接合するに当たり、 鋼片と加熱用コイルとの間に生じるすき間で、かつ、鋼
片の幅端部から下記式で表される浸透深さd0 の10倍
以内の位置に磁性体を配置して鋼片を加熱・昇温するこ
とを特徴とする熱間圧延における鋼片の接合方法。 記 d0 ={ρ×107 /(μ×f)}1/2 /2π ここに、d0 :浸透深さ(m) f:交番磁界の周波数(Hz) ρ:鋼片の電気抵抗率(Ωm) μ:鋼片の比透磁率(−) - 【請求項2】 磁性体は、浸透深さd0 の2〜10倍の
幅を有するものである請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 磁性体の配置位置を鋼片の幅の変更に応
じて移動させる、請求項1または2記載の方法。
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JP6131978A JP2905399B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 熱間圧延における鋼片の接合方法 |
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JPH081202A JPH081202A (ja) | 1996-01-09 |
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1994
- 1994-06-14 JP JP6131978A patent/JP2905399B2/ja not_active Expired - Fee Related
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