JPH05190202A - ナトリウム−硫黄電池とその製造方法 - Google Patents
ナトリウム−硫黄電池とその製造方法Info
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
(57)【要約】
【目的】 陽極容器の耐食性を高めることで、耐久性と
電池効率を向上する信頼性の高いナトリウム−硫黄電池
を提供することにある。 【構成】 陽極容器1の基材は、アルミニウム、アルミ
ニウム合金、鉄−クロム合金、鉄−クロム−モリブデン
合金、鉄−クロム−アルミニウム合金、コバルト合金お
よびニッケル合金よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の材料からなる。陽極容器1の内表面は、第1のクロ
ム層とこの第1のクロム層の表面に被覆される第2のク
ロム層とが形成される。第1のクロム層は、6価クロム
メッキ層からなり、第2のクロム層は、3価クロム、ク
ロム−モリブデン合金、クロム−鉄合金、クロム−炭素
合金またはコバルト−クロム合金から選ばれた少なくと
も1種のメッキ層からなる。
電池効率を向上する信頼性の高いナトリウム−硫黄電池
を提供することにある。 【構成】 陽極容器1の基材は、アルミニウム、アルミ
ニウム合金、鉄−クロム合金、鉄−クロム−モリブデン
合金、鉄−クロム−アルミニウム合金、コバルト合金お
よびニッケル合金よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の材料からなる。陽極容器1の内表面は、第1のクロ
ム層とこの第1のクロム層の表面に被覆される第2のク
ロム層とが形成される。第1のクロム層は、6価クロム
メッキ層からなり、第2のクロム層は、3価クロム、ク
ロム−モリブデン合金、クロム−鉄合金、クロム−炭素
合金またはコバルト−クロム合金から選ばれた少なくと
も1種のメッキ層からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナトリウム−硫黄電池
に関するもので、特にナトリウム−硫黄電池の陽極側金
属容器の材料に関するものである。
に関するもので、特にナトリウム−硫黄電池の陽極側金
属容器の材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ナトリウム−硫黄電池の陽極
容器としては、特公昭56−46233号公報に開示さ
れるように、ステンレス鋼よりなる基材にクロムメッキ
層が形成されるものが公知である。また、特開平2−1
42066号公報に開示されるように、陽極容器として
アルミニウム合金よりなる基材にクロムメッキ層が形成
されるものが公知である。
容器としては、特公昭56−46233号公報に開示さ
れるように、ステンレス鋼よりなる基材にクロムメッキ
層が形成されるものが公知である。また、特開平2−1
42066号公報に開示されるように、陽極容器として
アルミニウム合金よりなる基材にクロムメッキ層が形成
されるものが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなナトリウム
−硫黄電池の陽極容器は、容器内の溶融硫黄化合物(多
硫化ナトリウム)などの陽極活物質が外部に漏出したり
あるいは腐食生成物として陽極中の硫黄が消費されない
ように耐腐食性が要求されるとともに、電池性能を保持
するように導電性、ある程度の強度等が要求される。
−硫黄電池の陽極容器は、容器内の溶融硫黄化合物(多
硫化ナトリウム)などの陽極活物質が外部に漏出したり
あるいは腐食生成物として陽極中の硫黄が消費されない
ように耐腐食性が要求されるとともに、電池性能を保持
するように導電性、ある程度の強度等が要求される。
【0004】しかしながら、前記公報に開示される従来
のナトリウム−硫黄電池の陽極容器によると、クロムメ
ッキ層に多数の微細なクラックが存在し、しかもクロム
と基材のステンレス鋼またはアルミニウム合金とは熱膨
張係数が異なるため、昇温により前記クラックの幅が増
大することにより、耐食性が低下し、また、電池効率が
低下するという問題があった。
のナトリウム−硫黄電池の陽極容器によると、クロムメ
ッキ層に多数の微細なクラックが存在し、しかもクロム
と基材のステンレス鋼またはアルミニウム合金とは熱膨
張係数が異なるため、昇温により前記クラックの幅が増
大することにより、耐食性が低下し、また、電池効率が
低下するという問題があった。
【0005】本発明の目的は、陽極容器の耐食性を高め
ることで、耐久性と電池効率を向上させ信頼性の高いナ
トリウム−硫黄電池を提供することにある。
ることで、耐久性と電池効率を向上させ信頼性の高いナ
トリウム−硫黄電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のナトリウム−硫
黄電池は、アルカリイオン伝導性を有する固体電解質管
により陽極室と陰極室を区画形成し、陽極室に溶融硫黄
化合物を収容し、陰極室に溶融ナトリウムを収容したナ
トリウム−硫黄電池において、前記陽極室を構成する金
属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物に接触する
部分に第1のクロム層とこの第1のクロム層の表面に被
覆される第2のクロム層とが形成されていることを特徴
とする。
黄電池は、アルカリイオン伝導性を有する固体電解質管
により陽極室と陰極室を区画形成し、陽極室に溶融硫黄
化合物を収容し、陰極室に溶融ナトリウムを収容したナ
トリウム−硫黄電池において、前記陽極室を構成する金
属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物に接触する
部分に第1のクロム層とこの第1のクロム層の表面に被
覆される第2のクロム層とが形成されていることを特徴
とする。
【0007】前記金属容器の基材は、アルミニウム、ア
ルミニウム合金、鉄−クロム合金、鉄−クロム−モリブ
デン合金、鉄−クロム−アルミニウム合金、コバルト合
金およびニッケル合金よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の材料からなるのが好ましい。前記第1のクロム
層は、6価クロムメッキ層からなるのが好ましい。前記
第2のクロム層は、3価クロム、クロム−モリブデン合
金、クロム−鉄合金、クロム−炭素合金またはコバルト
−クロム合金から選ばれた少なくとも1種のメッキ層か
らなるのが好ましい。
ルミニウム合金、鉄−クロム合金、鉄−クロム−モリブ
デン合金、鉄−クロム−アルミニウム合金、コバルト合
金およびニッケル合金よりなる群から選ばれた少なくと
も1種の材料からなるのが好ましい。前記第1のクロム
層は、6価クロムメッキ層からなるのが好ましい。前記
第2のクロム層は、3価クロム、クロム−モリブデン合
金、クロム−鉄合金、クロム−炭素合金またはコバルト
−クロム合金から選ばれた少なくとも1種のメッキ層か
らなるのが好ましい。
【0008】本発明のナトリウム−硫黄電池の製造方法
は、アルカリイオン伝導性を有する固体電解質管により
陽極室と陰極室を区画形成し、陽極室に溶融硫黄化合物
を収容し、陰極室に溶融ナトリウムを収容したナトリウ
ム−硫黄電池の製造法において、前記陽極室を構成する
金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物に接触す
る部分に、6価のクロムをメッキして第1の防食被膜を
形成した後、前記第1の防食被膜の上に3価のクロム、
クロム−モリブデン合金、クロム−鉄合金、クロム−炭
素合金ならびにコバルト−クロム合金からなる群から選
ばれた少なくとも1種の材料をメッキして第2の防食被
膜を形成することを特徴とする。
は、アルカリイオン伝導性を有する固体電解質管により
陽極室と陰極室を区画形成し、陽極室に溶融硫黄化合物
を収容し、陰極室に溶融ナトリウムを収容したナトリウ
ム−硫黄電池の製造法において、前記陽極室を構成する
金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物に接触す
る部分に、6価のクロムをメッキして第1の防食被膜を
形成した後、前記第1の防食被膜の上に3価のクロム、
クロム−モリブデン合金、クロム−鉄合金、クロム−炭
素合金ならびにコバルト−クロム合金からなる群から選
ばれた少なくとも1種の材料をメッキして第2の防食被
膜を形成することを特徴とする。
【0009】この発明の技術的限定理由の詳細は次のと
おりである。 1)基材:基材をアルミニウムまたはアルミニウム合金
にするのは、メッキ被膜が破れた場合、表面に安定な硫
化膜を形成し、それ以上の腐食を効果的に防ぐからであ
り、また軽量で熱伝導性がよく電気伝導性も良いからで
ある。基材をクロム含有合金にするのは、多硫化ナトリ
ウムに対して耐食性がよいので、メッキ被膜が破れて
も、容器が急激に腐食されないからである。この場合の
クロム含有合金のクロム含有量としては16〜32wt
%がよい。Cr16wt%未満では、耐食性が不十分で
あり、Cr32wt%を超えると、加工性が著しく低下
するからである。
おりである。 1)基材:基材をアルミニウムまたはアルミニウム合金
にするのは、メッキ被膜が破れた場合、表面に安定な硫
化膜を形成し、それ以上の腐食を効果的に防ぐからであ
り、また軽量で熱伝導性がよく電気伝導性も良いからで
ある。基材をクロム含有合金にするのは、多硫化ナトリ
ウムに対して耐食性がよいので、メッキ被膜が破れて
も、容器が急激に腐食されないからである。この場合の
クロム含有合金のクロム含有量としては16〜32wt
%がよい。Cr16wt%未満では、耐食性が不十分で
あり、Cr32wt%を超えると、加工性が著しく低下
するからである。
【0010】2)メッキ層:第1層のメッキとして単独
で耐食性のよい6価のCr(Cr6+)メッキを行ない、
その上に3価のCr(Cr3+)メッキを行なうのが好ま
しい。基材の第1層に直接3価のクロムメッキ層を形成
しなかったのは、Cr3+を単独で基材にメッキすると、
Cr3+メッキは電着応力が大きく、基材からCr3+メッ
キの剥離が生じ易いためである。これにより第2層メッ
キの基材からの剥離を防止した。第2層メッキをC
r3+、クロム−モリブデン、クロム−鉄、クロム−炭素
ならびにクロム−コバルト合金メッキとしたのは、Cr
6+メッキより耐食性が良好であるからである。
で耐食性のよい6価のCr(Cr6+)メッキを行ない、
その上に3価のCr(Cr3+)メッキを行なうのが好ま
しい。基材の第1層に直接3価のクロムメッキ層を形成
しなかったのは、Cr3+を単独で基材にメッキすると、
Cr3+メッキは電着応力が大きく、基材からCr3+メッ
キの剥離が生じ易いためである。これにより第2層メッ
キの基材からの剥離を防止した。第2層メッキをC
r3+、クロム−モリブデン、クロム−鉄、クロム−炭素
ならびにクロム−コバルト合金メッキとしたのは、Cr
6+メッキより耐食性が良好であるからである。
【0011】3)メッキの厚さ:基材上に設ける第1層
のメッキ層の厚さは、20μm以上が好ましく、20〜
100μmがもっとも好ましい。20μm未満では、ク
ラックく密度が大きく、100μmを超えるとメッキ層
形成に長時間がかかるからである。第2層メッキのCr
3+層の厚さは、10μm以下が好ましい。10μmを超
えると、第1層からの剥離が起こりやすいので好ましく
ない。
のメッキ層の厚さは、20μm以上が好ましく、20〜
100μmがもっとも好ましい。20μm未満では、ク
ラックく密度が大きく、100μmを超えるとメッキ層
形成に長時間がかかるからである。第2層メッキのCr
3+層の厚さは、10μm以下が好ましい。10μmを超
えると、第1層からの剥離が起こりやすいので好ましく
ない。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。まず、本
発明を適用するナトリウム−硫黄電池の構造は、例えば
図1および図2に示すとおりである。この電池は、陽極
活物質である溶融硫黄Sを含浸したカーボンマットなど
の陽極用導電材Mを収納する円筒状の陽極容器1と、こ
の陽極容器1の上端部に対し、α−アルミナ製の絶縁リ
ング2および中間部材5を介して連結された陰極容器3
と、前記絶縁リング2の内周部に固着され、かつ、陰極
活物質である溶融金属ナトリウムNaを貯留し、ナトリ
ウムイオンNa+ を選択的に浸透させる機能を有した下
方へ延びる多結晶β−アルミナ製の有底円筒状をなす固
体電解質管4とから構成される。
発明を適用するナトリウム−硫黄電池の構造は、例えば
図1および図2に示すとおりである。この電池は、陽極
活物質である溶融硫黄Sを含浸したカーボンマットなど
の陽極用導電材Mを収納する円筒状の陽極容器1と、こ
の陽極容器1の上端部に対し、α−アルミナ製の絶縁リ
ング2および中間部材5を介して連結された陰極容器3
と、前記絶縁リング2の内周部に固着され、かつ、陰極
活物質である溶融金属ナトリウムNaを貯留し、ナトリ
ウムイオンNa+ を選択的に浸透させる機能を有した下
方へ延びる多結晶β−アルミナ製の有底円筒状をなす固
体電解質管4とから構成される。
【0013】そして、放電時には陰極室R1からナトリ
ムイオンNa+ が固体電解質管4を透過して陽極室R2
内の硫黄Sと次のように反応し、多硫化ナトリウムを生
成する。 2Na+XS→Na2 Sx また、充電時には放電時とは逆の反応が起こり、多硫化
ナトリウムがナトリウムNaおよび硫黄Sに分解する。
ムイオンNa+ が固体電解質管4を透過して陽極室R2
内の硫黄Sと次のように反応し、多硫化ナトリウムを生
成する。 2Na+XS→Na2 Sx また、充電時には放電時とは逆の反応が起こり、多硫化
ナトリウムがナトリウムNaおよび硫黄Sに分解する。
【0014】次に、本発明の具体的な実験例を述べる。 実験例1(剥離テスト) 実験例1は、第1層メッキの有無によってCr3+メッキ
膜の密着性の良否を実験した例である。まず、直径:5
mmφ、長さ:30mmのステンレス鋼(SUS43
0:17%Cr)ならびにAl合金(Al−1.4M
n)の丸棒の表面に、下記表1記載のCr6+メッキ浴の
組成、温度および電流密度でクロムメッキをし、その上
にCr3+メッキ浴の組成、温度および電流密度でクロム
メッキを行ない、表2記載のメッキの厚さをもつ試験片
を作製した。
膜の密着性の良否を実験した例である。まず、直径:5
mmφ、長さ:30mmのステンレス鋼(SUS43
0:17%Cr)ならびにAl合金(Al−1.4M
n)の丸棒の表面に、下記表1記載のCr6+メッキ浴の
組成、温度および電流密度でクロムメッキをし、その上
にCr3+メッキ浴の組成、温度および電流密度でクロム
メッキを行ない、表2記載のメッキの厚さをもつ試験片
を作製した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】 これらの試験片を電池作動温度から室温(20℃)まで
の熱サイクル(ΔT=310℃)を10回付与した後の
試験片表面ならびにメッキ層断面の観察によるメッキ層
の剥離発生の有無を調べた。表2はCr3+メッキ膜の密
着性に対する第1層メッキ効果を検討した結果である。
の熱サイクル(ΔT=310℃)を10回付与した後の
試験片表面ならびにメッキ層断面の観察によるメッキ層
の剥離発生の有無を調べた。表2はCr3+メッキ膜の密
着性に対する第1層メッキ効果を検討した結果である。
【0017】この表2から明らかな如く、実施例1〜4
の第1層メッキ:Cr6+メッキの上に、Cr3+メッキを
行なった試験片のメッキ層は、基材からの剥離は生じな
かった。これに対し、比較例11〜14の基材に直接C
r3+メッキしたメッキ層は基材からの剥離が生じた。 実験例2(腐食減量テスト) 基材:Fe−17Cr、Fe−25Cr−3Mo、Al
−1.4Mnに第1層メッキとして厚さ:20μmまた
は30μmのCr6+メッキを施した後、その上にC
r3+、クロム−モリブデンまたはクロム−炭素合金メッ
キをした棒状試験片(直径:5mmφ、長さ:30m
m)を作製し、この試験片について、電池作動温度から
室温までの熱サイクルを10回付与した後、組成がNa
2 S4 である多硫化ナトリウム中に浸漬して通電試験を
行なった。そして通電試験後の各試験片の重量減少量か
らメッキ膜の比重を用いてメッキ膜厚の減少量を算出
し、このメッキ膜厚の減少量を腐食減量として表3に示
した。通電試験は、窒素雰囲気中で330℃に加熱した
多硫化ナトリウムに各試験片を浸漬した後、各試験片に
電流密度:100mA/cm2 の電流を500hr流し
て行った。
の第1層メッキ:Cr6+メッキの上に、Cr3+メッキを
行なった試験片のメッキ層は、基材からの剥離は生じな
かった。これに対し、比較例11〜14の基材に直接C
r3+メッキしたメッキ層は基材からの剥離が生じた。 実験例2(腐食減量テスト) 基材:Fe−17Cr、Fe−25Cr−3Mo、Al
−1.4Mnに第1層メッキとして厚さ:20μmまた
は30μmのCr6+メッキを施した後、その上にC
r3+、クロム−モリブデンまたはクロム−炭素合金メッ
キをした棒状試験片(直径:5mmφ、長さ:30m
m)を作製し、この試験片について、電池作動温度から
室温までの熱サイクルを10回付与した後、組成がNa
2 S4 である多硫化ナトリウム中に浸漬して通電試験を
行なった。そして通電試験後の各試験片の重量減少量か
らメッキ膜の比重を用いてメッキ膜厚の減少量を算出
し、このメッキ膜厚の減少量を腐食減量として表3に示
した。通電試験は、窒素雰囲気中で330℃に加熱した
多硫化ナトリウムに各試験片を浸漬した後、各試験片に
電流密度:100mA/cm2 の電流を500hr流し
て行った。
【0018】
【表3】 この表3から明らかな如く、実施例21〜34の第1層
メッキ:Cr6+メッキの上にCr3+メッキ、クロム−モ
リブデン、クロム−炭素合金メッキした試験片では、多
硫化ナトリウムによる腐食がほとんど認められなかっ
た。比較例41〜44のCr6+メッキのみの試験片で
は、実施例21〜34の前記試験片より腐蝕減量は大き
かった。 実験例3(電池容量テスト) 外径:38mmφ、内径:36mmφの有底筒状のステ
ンレス鋼(Fe−17Cr)製のパイプ内表面に、第1
層メッキとしてCr6+メッキを行った後、その上にCr
3+メッキを行い、熱サイクル(ΔT=310℃)を10
回付与した。この円筒体を用いて電池を作製して330
℃で1000サイクルの充放電試験を行った後の電池容
量を表4に示した。
メッキ:Cr6+メッキの上にCr3+メッキ、クロム−モ
リブデン、クロム−炭素合金メッキした試験片では、多
硫化ナトリウムによる腐食がほとんど認められなかっ
た。比較例41〜44のCr6+メッキのみの試験片で
は、実施例21〜34の前記試験片より腐蝕減量は大き
かった。 実験例3(電池容量テスト) 外径:38mmφ、内径:36mmφの有底筒状のステ
ンレス鋼(Fe−17Cr)製のパイプ内表面に、第1
層メッキとしてCr6+メッキを行った後、その上にCr
3+メッキを行い、熱サイクル(ΔT=310℃)を10
回付与した。この円筒体を用いて電池を作製して330
℃で1000サイクルの充放電試験を行った後の電池容
量を表4に示した。
【0019】
【表4】 この表4から明らかな如く、実施例51、52の第1層
メッキとしてCr6+メッキの上にCr3+メッキをした容
器で組み立てた電池は、1000サイクルの充放電試験
後も80%以上の電池容量を有しており、陽極活物質が
電池反応に有効に活用されていることが判明した。これ
に対し、比較例61、62のCr6+単独メッキの容器で
組み立てた電池では、1000サイクルの充放電試験後
の電池容量の低下が相対的に大きい。この比較例61、
62の電池では、パイプ内表面まで硫化されたことによ
る容器の腐蝕が起こり、陽極活物質が容器の腐蝕反応に
消費され、活物質が減少したためであると考えられる。
メッキとしてCr6+メッキの上にCr3+メッキをした容
器で組み立てた電池は、1000サイクルの充放電試験
後も80%以上の電池容量を有しており、陽極活物質が
電池反応に有効に活用されていることが判明した。これ
に対し、比較例61、62のCr6+単独メッキの容器で
組み立てた電池では、1000サイクルの充放電試験後
の電池容量の低下が相対的に大きい。この比較例61、
62の電池では、パイプ内表面まで硫化されたことによ
る容器の腐蝕が起こり、陽極活物質が容器の腐蝕反応に
消費され、活物質が減少したためであると考えられる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のナトリウ
ム−硫黄電池によると、最表層に耐多硫化ナトリウム性
の良い3価のクロム、クロム−モリブデン合金、クロム
−鉄合金、クロム−炭素合金ならびにコバルト−クロム
合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の材料のメ
ッキ層を剥離することなく形成可能であり、耐食性、耐
久性および信頼性の高い陽極容器をもつナトリウム−硫
黄電池が得られるという効果がある。
ム−硫黄電池によると、最表層に耐多硫化ナトリウム性
の良い3価のクロム、クロム−モリブデン合金、クロム
−鉄合金、クロム−炭素合金ならびにコバルト−クロム
合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の材料のメ
ッキ層を剥離することなく形成可能であり、耐食性、耐
久性および信頼性の高い陽極容器をもつナトリウム−硫
黄電池が得られるという効果がある。
【図1】本発明の実施例によるナトリウム−硫黄電池を
示す概略構成図である。
示す概略構成図である。
【図2】図1に示すA部分の拡大概略構成図である。
1 陽極容器(金属容器) 3 陰極容器 4 固体電解質管
Claims (4)
- 【請求項1】 アルカリイオン伝導性を有する固体電解
質管により陽極室と陰極室を区画形成し、陽極室に溶融
硫黄化合物を収容し、陰極室に溶融ナトリウムを収容し
たナトリウム−硫黄電池において、 前記陽極室を構成する金属容器の内表面の少なくとも溶
融硫黄化合物に接触する部分に第1のクロム層とこの第
1のクロム層の表面に被覆される第2のクロム層とが形
成されていることを特徴とするナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項2】 前記陽極室を構成する金属容器の基材
が、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄−クロム合
金、鉄−クロム−モリブデン合金、鉄−クロム−アルミ
ニウム合金、コバルト合金およびニッケル合金よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の材料からなる請求項1
記載のナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項3】 前記第1のクロム層が6価クロムメッキ
層からなるとともに、前記第2のクロム層が3価クロ
ム、クロム−モリブデン合金、クロム−鉄合金、クロム
−炭素合金またはコバルト−クロム合金から選ばれた少
なくとも1種のメッキ層からなる請求項1記載のナトリ
ウム−硫黄電池。 - 【請求項4】 アルカリイオン伝導性を有する固体電解
質管により陽極室と陰極室を区画形成し、陽極室に溶融
硫黄化合物を収容し、陰極室に溶融ナトリウムを収容し
たナトリウム−硫黄電池の製造法において、 前記陽極室を構成する金属容器の内表面の少なくとも溶
融硫黄化合物に接触する部分に、6価のクロムをメッキ
して第1の防食被膜を形成した後、前記第1の防食被膜
の上に3価のクロム、クロム−モリブデン合金、クロム
−鉄合金、クロム−炭素合金ならびにコバルト−クロム
合金からなる群から選ばれた少なくとも1種の材料をメ
ッキして第2の防食被膜を形成することを特徴とするナ
トリウム−硫黄電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4003254A JPH05190202A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | ナトリウム−硫黄電池とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4003254A JPH05190202A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | ナトリウム−硫黄電池とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05190202A true JPH05190202A (ja) | 1993-07-30 |
Family
ID=11552334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4003254A Pending JPH05190202A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | ナトリウム−硫黄電池とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05190202A (ja) |
-
1992
- 1992-01-10 JP JP4003254A patent/JPH05190202A/ja active Pending
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