JPH0782878B2 - ナトリウム―硫黄電池及びその製造方法 - Google Patents

ナトリウム―硫黄電池及びその製造方法

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JPH0782878B2 JP63295846A JP29584688A JPH0782878B2 JP H0782878 B2 JPH0782878 B2 JP H0782878B2 JP 63295846 A JP63295846 A JP 63295846A JP 29584688 A JP29584688 A JP 29584688A JP H0782878 B2 JPH0782878 B2 JP H0782878B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は陽極容器の耐久性を向上することができるナ
トリウム−硫黄電池及びその製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来のナトリウム−硫黄電池として第2図に示すよう
に、陽極活物質である溶融硫黄Sを含浸したカーボンマ
ットなどの陽極用導電材Mを収納する円筒状の陽極容器
1と、該陽極容器1の上端部に対し、α−アルミナ製の
絶縁リング2を介して連結された陰極容器3と、前記絶
縁リング2の内周部に固着され、かつ、陰極活物質であ
る溶融金属ナトリウムNaを貯留し、ナトリウムイオンNa
+を選択的に透過させる機能を有した下方へ延びる多結
晶β″−アルミナ製の有底円筒状をなす固体電解質管4
とから構成したものがある。
そして、放電時には陰極室R1からナトリウムイオンNa+
が固体電解質管4を透過して陽極室R2内の硫黄Sと次の
ように反応し、応硫化ナトリウムを生成する。
2Na+XS→Na2Sx また、充電時には放電時とは逆の反応が起こり、ナトリ
ウムNa及び硫黄Sが生成される。
前記陽極容器1内には腐蝕性の高い溶融多硫化ナトリウ
ムが形成されるため、陽極容器1の材料を、耐腐蝕性の
高いステンレス鋼により形成していた。この耐腐蝕特性
を向上させる第1の従来例として特公昭54−293号公報
に示すように、陽極容器1の内周面に対しモリブデンま
たはタングステンの電解メッキを施して防蝕被膜を形成
するものがあった。
また、第2の従来例として特公昭56−46233号公報に示
すように、陽極容器のステンレス鋼よりなる基材にクロ
ムメッキ層を形成したものが提案されている。
さらに、第3の従来例として特開昭62−276767号公報に
示すように、陽極容器1の内周面に対し、主成分として
鉄、ニッケル、コバルト、及びクロムを含む合金よりな
る防蝕被膜を施したものが開示されている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、前述した第1の従来例はモリブデンまたはタ
ングステンの電解メッキ膜の安定性が不足しているた
め、実用化されておらず、信頼性に欠けるという問題点
があった。
また、第2の従来例は、クロムメッキ層に多数の微細な
クラックが存在し、しかもクロムと基材のステンレス鋼
とは熱膨脹係数が異なるため、昇温により前記クラック
の幅が増大し耐蝕性が低下するという問題があった。
さらに、第3の従来例は硫化物を形成し易い鉄をベース
とする合金を使用しているため、耐蝕性が劣り、長期の
使用に耐えないばかりでなく、陽極活物質の一部が前記
硫化物となるため、陽極活物質の有効利用が図れず、電
池効率が低下するという問題もあった。
この発明の目的は陽極容器の耐蝕性を向上して、陽極容
器が腐蝕により破口して陽極活物質が漏出する事故を未
然に防止することができるとともに、陽極活物質を有効
に利用して電池効率を向上することができるナトリウム
−硫黄電池を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために請求
項1に記載の発明は、陽極容器とアルカリイオン伝導性
を有する固体電解質管により区画形成されるとともに、
溶融硫黄が収容される陽極室と、陰極容器と固体電解質
管により区画形成されるとともに、溶融ナトリウムが収
容される陰極室とを備えたナトリウム−硫黄電池におい
て、前記陽極容器は、アルミニウム合金により形成さ
れ、前記陽極容器の内表面には、コバルト:42〜78重量
%、クロム:20〜40重量%、タングステン:1〜15重量
%、炭素:1〜3重量%、並びに不可避の不純物を含むコ
バルト基合金からなる厚さ40〜200μmの対多硫化ナト
リウム高耐蝕性、対陽極容器高密着性の被膜が、1回の
プラズマ溶射によって形成されていることを構成として
備える。
また、請求項2に記載の発明は、陽極容器とアルカリイ
オン伝導性を有する固体電解質管により区画形成される
とともに、溶融硫黄が収容される陽極室と、陰極容器と
固体電解質管により区画形成されるとともに、溶融ナト
リウムが収容される陰極室とを備えたナトリウム−硫黄
電池において、前記陽極容器は、アルミニウム合金によ
り形成され、前記陽極容器の内表面には、コバルト:42
〜78重量%、クロム:20〜40重量%、タングステン:0〜1
5重量%、炭素:0.2〜3重量%、並びに5重量%までの
ニッケル、6重量%までのモリブデン、2.2重量%まで
の鉄、1.2重量%までの珪素、及び6重量%までのニオ
ブよりなる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を
含むコバルト基合金からなる被膜が形成されていること
を構成として備える。
さらに、請求項3に記載の発明は、アルミニウム合金製
陽極容器の内表面に対して、コバルト:42〜78重量%、
クロム:20〜40重量%、タングステン:1〜15重量%、炭
素:1〜3重量%、並びに不可避の不純物を含むコバルト
基合金からなる多硫化ナトリウムに対する耐蝕被膜を、
1回のプラズマ溶射によって厚さ40〜200μmとなるよ
う形成する耐蝕被膜形成工程と、その耐蝕被膜形成工程
において内表面に耐蝕被膜が形成されたアルミニウム合
金製陽極容器と、アルカリイオン伝導性を有する固体電
解質管とを組み合わせて陽極室を区画形成し、その陽極
室に硫黄を収容するとともに、陰極容器と前記固体電解
質管とを組み合わせて陰極室を区画形成し、その陰極室
にナトリウムを収容する陽陰極室形成工程とを構成とし
て備える。
[作 用] 請求項1に記載の発明では、アルミニウム合金により形
成された陽極容器の内表面に、1回のプラズマ溶射によ
って形成された、コバルトを基材とする合金(コバルト
基合金)の被膜を備えている。この被膜の基材であるコ
バルトは、多硫化ナトリウムに対する耐蝕性に優れてお
り、また、このコバルト基合金の主たる添加成分である
クロムは、多硫化ナトリウムに対するコバルトの耐蝕性
を更に向上させ、さらに、タングステンは被膜の強度を
向上させる。
したがって、ナトリウム−硫黄電池の放電に際して、腐
蝕性の高い多硫化ナトリウムがアルミニウム製陽極容器
内に発生しても、アルミニウム製陽極容器は腐蝕され難
い。また、コバルト基合金の被膜が1回のプラズマ溶射
により形成されているので、コバルト基合金の被膜が複
数回のプラズマ溶射により形成されている場合と異な
り、被膜中に酸化物質等の異層が含まれることはなく、
多硫化ナトリウムに対する被膜の耐蝕性が向上される。
また、コバルト基合金に添加されている炭素は、被膜の
硬さを増加させるとともに、コバルト基合金の融点を低
下させ、プラズマ溶射に際してのコバルト基合金粉末の
溶融を容易にする。この結果、40〜200μmの厚さを有
するコバルト基合金の被膜が、1回のプラズマ溶射によ
って容易に形成される。また、プラズマ溶射温度を低く
することにより、鋼に比べて融点が低いアルミニウム合
金製の陽極容器に損傷を与えることなくコバルト基合金
の被膜形成が可能となる。
ここで、コバルト基合金の被膜厚さは、40μm以上とな
るよう形成されているので、多硫化ナトリウムに対する
アルミニウム製陽極容器の耐蝕性が、長期間の使用にわ
たり十分確保される。
また、コバルト基合金の被膜厚さは、200μm以下とな
るよう形成されているので、コバルト基合金粉末は、プ
ラズマによって容易に完全溶融され、未溶融粒子や空洞
等といった被膜に内在する欠陥の発生が抑制され、被膜
の耐蝕性が向上される。さらに、温度格差が大きい冷熱
サイクルを繰り返した場合であっても、被膜がアルミニ
ウム製陽極容器から剥離することはなく、アルミニウム
製陽極容器に対する被膜の密着性が向上する。すなわ
ち、被膜厚さが200μm以下であれば、熱膨張係数の相
違に起因する熱応力によって、コバルト基合金被膜がア
ルミニウム製陽極容器から剥離することが回避されるの
である。そして、最も好ましい被膜厚さは、80〜120μ
mである。
ここで、クロム含有量が20重量%以下及び40重量%以上
では、コバルト基合金の多硫化ナトリウムに対する耐蝕
性が実験の結果低下するので、クロム含有量は20〜40重
量%が望ましい。また、炭素含有量が1重量%以下では
融点の低下に対する効果が減少し、また、3重量%以上
では融点の低下に対する効果が減少するとともに、合金
が脆化するので、炭素含有量は1〜3重量%が好まし
い。さらに、タングステン含有量が1重量%以下では、
コバルト基合金からなる被膜の強度向上に対する効果が
小さく、また、15重量%以上では、被膜が脆化するため
電池が作動温度から室温まで冷却される際に、固化した
硫黄含浸カーボンマットと陽極容器との摩擦によって被
膜が破損する。したがって、タングステン含有量として
は、1〜15重量%が好ましい。
次に、請求項2に記載の発明では、コバルト:42〜78重
量%、クロム:20〜40重量%、タングステン:0〜15重量
%、炭素:0.2〜3重量%、並びに5重量%までのニッケ
ル、6重量%までのモリブデン、2.2重量%までの鉄、
1.2重量%までの珪素、及び6重量%までのニオブより
なる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を含むコ
バルト基合金によって被膜を形成している。
かかる組成の被膜を、陽極容器の内表面に形成すること
によっても、多硫化ナトリウムによる陽極容器の腐食が
抑制される。
さらに、請求項3に記載の発明では、耐蝕被膜形成工程
において、アルミニウム合金製陽極容器の内表面に対し
て、コバルト:42〜78重量%、クロム:20〜40重量%、タ
ングステン:1〜15重量%、炭素:1〜3重量%、並びに不
可避の不純物を含むコバルト基合金からなり、多硫化ナ
トリウムに対する耐蝕性に優れる被膜を、1回のプラズ
マ溶射によって厚さ40〜200μmとなるよう形成する。
そして、陽陰極室形成工程では、耐蝕被膜形成工程にお
いて内表面に耐蝕被膜が形成されたアルミニウム合金製
陽極容器と、アルカリイオン伝導性を有する固体電解質
管とを組み合わせて陽極室を区画形成し、その陽極室に
硫黄を収容するとともに、陽極容器と固体電解質管とを
組み合わせて陰極室を区画形成し、その陰極室にナトリ
ウムを収容する。
[実施例] 以下、この発明を具体化した一実施例を説明する。
本実施例のナトリウム−硫黄電池の基本的な構成は、前
述した第2図に示す電池の構成とほぼ同様であるが、そ
の製造方法において大きく異なる。すなわち、本実施例
のナトリウム−硫黄電池では、アルミニウム合金製の陽
極容器1の内表面に対して、後述する組成を有し多硫化
ナトリウムに対して優れた耐蝕性を示すコバルト基合金
の防蝕被膜を、1回のプラズマ溶射によって厚さ40〜20
0μmとなるように形成している。そして、内表面に防
蝕被膜が形成されたアルミニウム合金製陽極容器1と、
固体電解質管4とを組み合わせて陽極室R2を形成し、グ
ラファイトに含浸させた硫黄を収容する。また、ナトリ
ウムを充填した陰極容器3と固体電解質管4とを組み合
わせて陰極室R1を形成することによって本実施例のナト
リウム−硫黄電池が製造される。
なお、アルミニウム合金製陽極容器1の内表面に塗布さ
れる防蝕被膜の組成、形成方法、及びその特性について
は、以下に詳述する。
前記防蝕被膜の合金としては、表1に示す組成のコバル
トをベースとする耐蝕合金、(商品名:ステライト)が
ある。これらのステライトのうち最も好ましいのはタン
グステン含有量が低いステライト6a〜6cである。この好
ましい理由は使用中にタングステンが硫化され、生成し
た硫化物が固体電解質管表面に析出し、電池性能の劣化
を引き起こすので、タングステン含有量を少なくする必
要があるからである。
従って、タングステンを含有しないステライトが防蝕被
膜として適するので、これも発明に包含される。
次に、別の実施例について説明する。この表2内部には
本発明の実施例として11種類の合金組成が示され、同時
に比較例として本発明以外の組成を有する5種類の合金
があげられている。
本発明の13種類の合金及び比較例の合金について、次の
ようにして腐食試験を行った。
直径:5mm、長さ:30mmの棒状試験片を作製し、組成がNa2
S4である溶融多硫化ナトリウム中に浸漬して通電試験を
行った後、各試験片の重量減少量を測定した。しかる
後、各試験片の比重を用いて直径の減少量(減厚量と称
す)を算出し、得られた結果を表2に示した。通電試験
は窒素雰囲気中で、350℃に加熱した多硫化ナトリウム
中に各試験片を浸漬した後、各試験片に電流密度:100mA
/cm2の電流を500時間流して行った。
この表2の評価結果から明らかなように、本発明の組成
を有する合金は、腐蝕試験後の減厚量が比較例の合金よ
り小さく、耐蝕性が優れていることがわかる。
前記表2のクロムの含有量を変化させた場合の減厚量を
グラフ化したところ、第1図に示すように、重量%が20
〜40の範囲内にあることが望ましいことが判明した。
次に、防蝕被膜の厚さとその密着性の関係について実験
した。
外径:38mm、内径:36mmのアルミニウム合金製のパイプ内
面に、表2記載の本発明の合金のうち、No.2とNo.10の
組成の合金粉末を、表3記載の厚さとなるように、プラ
ズマ溶射により被膜した試験片を作製した。しかる後、
これらの試験片に温度差350℃の冷熱サイクルを50回付
与した後、パイプ内面の溶射被膜の付着状況を観察し、
得られた結果を表3に示した。この表3から明らかなよ
うに、被膜の厚さが200μm以下では、パイプ内面への
溶射被膜の密着性が良く、冷熱サイクルを付与しても溶
射被膜の剥離が起こらない。これに対し被膜の厚さが22
0μmを越えると、冷熱サイクルにより溶射被膜の剥離
が起こる。
防蝕被膜を形成する方法としては、前記プラズマ溶射
が、被膜の厚さの制御、原料粉末の溶融や気孔率の低減
などの点で好ましい。
次に、防蝕被膜の厚さとその電池容量の関係について実
験した。
外径:38mm、内径:36mmのアルミニウム合金(JIS−A300
3)製のパイプ内表面に、表2記載の本発明の合金のう
ち、No.10、No.8とNo.2の組成の合金粉末を、表4記載
の厚さとなるように、プラズマ溶射により被膜した後、
該パイプの一端に底蓋を溶接し、陽極活物質を収容する
容器を作製した。該容器を使用して固体電解質管がナト
リウムイオン伝導性セラミックス、陽極活物質がグラフ
ァイトに含浸させた硫黄、陰極活物質が溶融ナトリウム
からなるナトリウム−硫黄電池を作製した。この電池を
使用して作動温度:350℃で1000サイクルの充電放試験を
繰り返し、電池容量の変化を測定した結果を表4に示
す。
この表4から明らかなごとく、45μm以上の溶射被膜厚
さを有する容器で組み立てた電池では、1000サイクルの
充放電試験後も80%以上の電池容量を有しており、陽極
活物質が電池反応に有効に活用されている。これに対し
溶射被膜が35μm以下では、陽極容器の腐蝕が起こり、
陽極活物質が容器の腐蝕反応に消費されるため、活物質
が減少し、電池容量の低下を生じた。
さらに、防蝕被膜の厚さ、及び溶射回数と電池容量との
関係を実験した。
外径:38mm、内径:36mmのアルミニウム−マンガン−クロ
ム合金製のパイプ内表面に、表2記載の本発明の合金の
うち、No.10の組成の合金粉末を、表5記載の溶射回数
で同表記載の厚さに被膜した後、該パイプの一端に底蓋
を溶接し、陽極活物質を収容する容器を作製した。該容
器を使用して固体電解質管がナトリウムイオン伝導性セ
ラミックス、陽極活物質がグラファイトに含浸させた硫
黄、陰極活物質が溶融ナトリウムからなるナトリウム−
硫黄電池を作製した。この電池を使用して作動温度:350
℃で1000サイクルの充放電試験を繰り返し、電池容量の
変化を測定した結果を表5に示す。
この表5から明らかなごとく、本発明の防蝕被膜を1回
の溶射で形成させた容器を使用して作製したナトリウム
−硫黄電池(本発明)は、数回に分けて溶射を行い防蝕
被膜を形成させた容器を使用して作製した電池(比較
例)よりも長時間の充放電後の電池容量の低下が小さ
い。このことから、1回の溶射により、所定の厚さの防
蝕被膜を形成させた容器の耐蝕性が数回に分けて溶射し
た防蝕被膜より優れていることが分かる。
なお、本発明は次のように具体化することもできる。
陽極容器1を密度が小さいアルミニウム合金により形成
して軽量化を図ること。この場合のアルミニウム合金と
しては耐熱強度の優れたアルミニウム−マンガン−クロ
ム合金又はアルミニウム−マンガン合金が好ましい。
[発明の効果] 以上詳述したように、請求項1及び請求項3に記載の発
明では、アルミニウム合金製陽極容器の内表面に、多硫
化ナトリウムに対する耐蝕性に優れたコバルト基合金の
被膜を、1回のプラズマ溶射によって形成して備えてい
る。したがって、複数回のプラズマ溶射によって被膜を
形成した場合と異なり、酸化物質等の異層が被膜中に含
まれることなく、多硫化ナトリウムに対する被膜の耐蝕
性を向上させることができる。
また、コバルト基合金の被膜厚さは、40μm以上となる
よう形成されているので、多硫化ナトリウムによるアル
ミニウム合金製陽極容器の腐食を飛躍的に抑制すること
ができる。
さらに、コバルト基合金の被膜厚さは、200μm以下と
なるように形成されているので、コバルト基合金粉末を
プラズマによって完全に溶融することができ、未溶融粒
子や空洞等の被膜欠陥の発生を抑制して被膜の耐蝕性を
向上させることができる。また、被膜厚さが200μm以
下に形成されているので、温度格差が大きい冷熱サイク
ルを繰り返した場合であっても、被膜がアルミニウム合
金製陽極容器から剥離することなく、アルミニウム合金
製陽極容器に対する被膜の密着性を向上させることがで
きる。
またさらに、コバルト基合金には炭素が添加されている
ので、被膜の硬さを増加させることができるとともに、
コバルト基合金の融点を低下させ、プラズマ溶射に際し
てコバルト基合金粉末の溶融を容易にすることができ
る。したがって、プラズマ溶射に好適なコバルト基合金
であり、1回のプラズマ溶射によって、所定厚さの被膜
を容易に形成することができる。また、鋼に比べて低い
融点を有するアルミニウム合金製陽極容器に損傷を与え
ることなくコバルト基合金の被膜を形成することができ
る。
以上の結果、アルミニウム製陽極容器が腐蝕により破口
して陽極活物質が漏出する事態を未然に防止することが
できるとともに、陽極活物質を有効に利用して電池効率
を向上させることができる。
次に、請求項2に記載の発明では、コバルト:42〜78重
量%、クロム:20〜40重量%、タングステン:0〜15重量
%、炭素:0.2〜3重量%、並びに5重量%までのニッケ
ル、6重量%までのモリブデン、2.2重量%までの鉄、
1.2重量%までの珪素、及び6重量%までのニオブより
なる群から選ばれた少なくとも1種の金属元素を含むコ
バルト基合金を用いて陽極容器内表面に被膜を形成して
いる。かかる組成の被膜を、陽極容器の内表面に形成す
ることによっても、多硫化ナトリウムによる陽極容器の
腐食を有効に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はクロムの含有量と腐蝕試験後の減厚量との関係
を示すグラフ、第2図はナトリウム−硫黄電池の一例を
示す中央部縦断面図である。 1……陽極容器、2……絶縁リング、3……陰極容器、
4……固体電解質管、M……陽極用導電材、R1……陰極
室、R2……陽極室。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極容器とアルカリイオン伝導性を有する
    固体電解質管により区画形成されるとともに、溶融硫黄
    が収容される陽極室と、陰極容器と固体電解質管により
    区画形成されるとともに、溶融ナトリウムが収容される
    陰極室とを備えたナトリウム−硫黄電池において、 前記陽極容器は、アルミニウム合金により形成され、 前記陽極容器の内表面には、コバルト:42〜78重量%、
    クロム:20〜40重量%、タングステン:1〜15重量%、炭
    素:1〜3重量%、並びに不可避の不純物を含むコバルト
    基合金からなる厚さ40〜200μmの対多硫化ナトリウム
    高耐蝕性、対陽極容器高密着性の被膜が、1回のプラズ
    マ溶射によって形成されていることを特徴とするナトリ
    ウム−硫黄電池。
  2. 【請求項2】陽極容器とアルカリイオン伝導性を有する
    固体電解質管により区画形成されるとともに、溶融硫黄
    が収容される陽極室と、陰極容器と固体電解質管により
    区画形成されるとともに、溶融ナトリウムが収容される
    陰極室とを備えたナトリウム−硫黄電池において、 前記陽極容器は、アルミニウム合金により形成され、 前記陽極容器の内表面には、コバルト:42〜78重量%、
    クロム:20〜40重量%、タングステン:0〜15重量%、炭
    素:0.2〜3重量%、並びに5重量%までのニッケル、6
    重量%までのモリブデン、2.2重量%までの鉄、1.2重量
    %までの珪素、及び6重量%までのニオブよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の金属元素を含むコバルト基
    合金からなる被膜が形成されていることを特徴とするナ
    トリウム−硫黄電池。
  3. 【請求項3】アルミニウム合金製陽極容器の内表面に対
    して、コバルト:42〜78重量%、クロム:20〜40重量%、
    タングステン:1〜15重量%、炭素:1〜3重量%、並びに
    不可避の不純物を含むコバルト基合金からなる多硫化ナ
    トリウムに対する耐蝕被膜を、1回のプラズマ溶射によ
    って厚さ40〜200μmとなるよう形成する耐蝕被膜形成
    工程と、 その耐蝕被膜形成工程において内表面に耐蝕被膜が形成
    されたアルミニウム合金製陽極容器と、アルカリイオン
    伝導性を有する固体電解質管とを組み合わせて陽極室を
    区画形成し、その陽極室に硫黄を収容するとともに、陰
    極容器と前記固体電解質管とを組み合わせて陰極室を区
    画形成し、その陰極室にナトリウムを収容する陽陰極室
    形成工程とを備えたことを特徴とするナトリウム−硫黄
    電池の製造方法。
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