JPH05242909A - ナトリウム−硫黄電池用陽極容器とその製造方法 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池用陽極容器とその製造方法

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JPH05242909A
JPH05242909A JP4041297A JP4129792A JPH05242909A JP H05242909 A JPH05242909 A JP H05242909A JP 4041297 A JP4041297 A JP 4041297A JP 4129792 A JP4129792 A JP 4129792A JP H05242909 A JPH05242909 A JP H05242909A
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Nobuo Tsuno
伸夫 津野
Toshikatsu Kashiwaya
俊克 柏屋
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ナトリウム−硫黄電池の陽極容器の表面にプ
ラズマ溶射が容易な耐食性および信頼性の高いクロム−
コバルト合金層を形成したナトリウム−硫黄電池を提供
する。 【構成】 アルカリイオン伝導性を有する固体電解質に
より陽極室と陰極室とを区画形成し、陽極室内には溶融
硫黄化合物を収容し、陰極室内には溶融ナトリウムを収
容したナトリウム−硫黄電池の製造法において、前記陽
極室を形成する陽極容器1の少なくとも溶融硫黄化合物
と接触する表面にクロム−コバルト合金層7を形成す
る。このクロム−コバルト合金中のクロム量を70重量
%以上にする。クロム−コバルト合金層はプラズマ溶射
により形成する。クロム−コバルト合金はステライトに
比べ安価でかつ溶融ナトリウムに対する耐食性が良好で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリイオン伝導性
を有する固体電解質を利用したナトリウム−硫黄電池の
陽極室を構成する金属容器およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、アルカリイオン伝導性を有す
る固体電解質により陽極室と陰極室とを区画形成し、陽
極室には溶融硫黄化合物を収容し、陰極室には溶融ナト
リウムを収容したナトリウム−硫黄電池には、種々の形
式ものが知られている。そのうち、陽極室内表面の防食
被膜の材質に関しては、例えば、 (1) 特開昭55−11192号公報には、鋼製のN
aS電池用陽極容器に電気メッキまたはプラズマ溶射で
多孔質のクロム層を付着させたのち、ハロゲン化物活性
剤蒸気中で加熱し、無孔質の連続的なクロム−鉄−炭素
合金層を形成することが開示されている。
【0003】(2) 特開平2−142065号公報に
は、アルカリイオン伝導性を有する固体電解質を利用し
たナトリウム−硫黄電池の陽極室を形成する陽極容器の
内表面に対し、クロム:20〜40重量%、タングステ
ン:1〜15重量%、炭素:1〜3重量%及びコバル
ト:42〜78重量%からなる防食被膜が開示されてい
る。
【0004】(3)特公平2−10236号公報には、
鋼板上に第1層としてZn系のメッキ層、第2層として
Co−Cr合金メッキ層を形成した高耐食性表面処理鋼
板が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の技術にはそれぞれ下記の如き問題が存在する。 (1)特開昭55−11192号公報に開示のNaS電
池用陽極容器の防食被膜の形成法では、多孔質のクロム
層を電気メッキで付着させると、多数のクラックを含む
クロムメッキ層しか得られないので、後工程のハロゲン
化物活性剤蒸気中で処理しても緻密な防食被膜を得るの
が困難である。また、前記多孔質クロム層をプラズマ溶
射で形成する場合には、クロムの融点が高いため、プラ
ズマ中でのクロムの溶融が不十分となり緻密な溶射膜が
得られないので、この場合も後工程のハロゲン化物活性
剤蒸気中で処理しても緻密な防食被膜を得るのが困難で
ある。
【0006】さらに、ハロゲン化物活性剤蒸気中での熱
処理は、850℃〜1200℃の高温を必要とするた
め、Al合金のような伝熱性や導電性に優れるが融点が
低い材料には適用できないなどの問題があった。 (2)特開平2−142065号公報に開示の防食被膜
は、高価なコバルトやタングステンを多量に含有してい
るため、防食被膜材料の費用が高く、NaS電池の実用
化の障害の一つとなっている問題があった。
【0007】(3)特公平2−10236号公報に開示
されている高耐食性表面処理鋼板では、Co−Cr合金
メッキ層の組成として、Cr含有量:0.01〜10重
量%、残部Coからなる組成が開示されている。この方
法を長期間の寿命を必要とするNaS電池用陽極容器の
防食被膜に応用する場合には、厚いメッキ層を形成する
必要があり、その場合もメッキ層に高価なコバルトを多
量に含有するので、防食被膜材料費が高くNaS電池の
実用化の障害となる問題があった。
【0008】本発明の目的は、前述した問題を解決し
て、溶融硫黄化合物(多硫化ナトリウム)に対する良好
な耐食性と実用可能な材料コストの防食被膜を有するナ
トリウム−硫黄電池用陽極容器およびその簡便な製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のナトリウム−硫
黄電池用陽極容器は、上記目的を達成するため、アルカ
リイオン伝導性を有する固体電解質により陽極室と陰極
室とを区画形成し、陽極室には溶融硫黄化合物を収容
し、陰極室には溶融ナトリウムを収容したナトリウム−
硫黄電池の陽極室を構成する金属容器の内表面の少なく
とも溶融硫黄化合物と接触する部分に、70〜95重量
%のクロム、5〜30重量%のコバルトおよび不可避の
不純物からなる合金の防食被膜を有することを特徴とす
る。
【0010】また、本発明のナトリウム−硫黄電池用陽
極容器は、アルカリイオン伝導性を有する固体電解質に
より陽極室と陰極室とを区画形成し、陽極室には溶融硫
黄化合物を収容し、陰極室には溶融ナトリウムを収容し
たナトリウム−硫黄電池の陽極室を構成する金属容器の
内表面の少なくとも溶融硫黄化合物と接触する部分に、
70〜95重量%のクロム、5〜20重量%のコバル
ト、10重量%以下の炭素、10重量%以下の鉄、バナ
ジウム、タングステンならびにモリブテンよりなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の元素ならびに不可避の不純
物からなる合金の防食被膜を有することを特徴とする。
【0011】さらに、本発明のナトリウム−硫黄電池用
陽極容器の製造方法は、アルカリイオン伝導性を有する
固体電解質により陽極室と陰極室とを区画形成し、陽極
室には溶融硫黄化合物を収容し、陰極室には溶融ナトリ
ウムを収容したナトリウム−硫黄電池の陽極室を構成す
る金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物と接触
する部分に、クロムが主成分の防食被膜を形成するナト
リウム−硫黄電池用陽極容器の製造方法において、前記
防食被膜を70〜95重量%のクロム、5〜30重量%
のコバルトおよび不可避の不純物からなる合金、または
70〜95重量%のクロム、5〜20重量%のコバル
ト、10重量%以下の炭素、10重量%以下の鉄、バナ
ジウム、タングステンならびにモリブテンよりなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の元素ならびに不可避の不純
物からなる組成の合金とするとともに、この合金からな
る防食被膜をプラズマ溶射により前記陽極室を構成する
金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物と接触す
る部分に被覆することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の防食被膜は、多硫化ナトリウムに対す
る耐食性が優れているクロムを母材とした合金であり、
主たる成分として含まれるコバルトはクロム基合金の多
硫化ナトリウムに対する耐食性を損なわずに融点を低下
させ、プラズマ溶射に際し、粉末の溶融を容易にする。
また、上記クロム−コバルト合金の構成元素の一部を炭
素、鉄、バナジウム、タングステンならびにモリブデン
で置換してもよい。
【0013】この場合、炭素はクロム基合金の融点を低
下させ、プラズマ溶射に際し、粉末の溶融を容易にする
とともに、被膜の強度を増加させる。また、鉄、バナジ
ウム、タングステンならびにモリブデンはクロム基合金
の融点を低下させ、プラズマ溶射に際し、粉末の溶融を
容易にする。本発明の防食被膜の組成を70〜95重量
%のクロム、5〜30重量%のコバルトならびに不可避
の不純物からなる組成、あるいは70〜95重量%のク
ロム、5〜20%重量%のコバルト、10重量%以下の
炭素、10重量%以下の鉄、バナジウム、タングステン
ならびにモリブデンよりなる群から選ばれた少なくとも
一種の元素ならびに不可避の不純物からなる組成とした
のは、クロムが多硫化ナトリウムに対する耐食性に優れ
ている上に資源的に豊富でかつ材料費が比較的に安価で
あるからである。また、コバルト、炭素、鉄、バナジウ
ム、タングステンならびにモリブデンは、いずれもクロ
ムの耐食性を損なわずに合金の融点を低下させるからで
ある。
【0014】この場合、クロムの含有量を70〜95重
量%としたのは、クロムの含有量が95重量%以上では
合金の融点が高くなり過ぎてプラズマ溶射に際して、粉
末の溶融が困難になり緻密な被膜が得られなくなるから
である。また。クロムの含有量が70重量%以下では、
合金中に形成される金属間化合物の量が多くなって合金
が脆化し、防食被膜の機械的特性が劣化したり、あるい
は耐食性が劣化するからである。
【0015】コバルト含有量を5〜30重量%としたの
は、コバルト含有量が5重量%以下では、合金の融点の
低下に対する効果がないからである。また、コバルト含
有量が30重量%以上では、合金中に形成される金属間
化合物の量が多くなって合金が脆化したり、あるいは合
金中の炭素が炭化物を形成せず黒鉛化したりして、防食
被膜の機械的特性が劣化するからである。
【0016】本発明の防食被膜に含有される炭素量は、
10重量%以下が好ましく、0.5〜5重量%がより好
ましい。この場合、炭素含有量を10重量%以下とした
のは、炭素含有量が10重量%以上では、高融点の炭化
物の生成または黒鉛の生成により合金の融点が高くなり
過ぎて、プラズマ溶射に際し、粉末の溶融が困難になる
ためである。
【0017】さらに、本発明の防食被膜には、上記の元
素の他に10重量%以下の鉄、バナジウム、タングステ
ンならびにモリブデンよりなる群から選ばれた少なくと
も一種の元素を含ませる。これらの元素は、いずれもク
ロムの耐食性を損なわずに融点を低下させるからであ
る。この場合にこれらの元素の含有量を10重量%以下
としたのは、これらの元素の含有量が10重量%以上で
は、炭化物の生成量が多くなり過ぎて、防食被膜の機械
的特性が劣化するからである。
【0018】前記防食被膜を形成すべき陽極容器は、炭
素鋼、Fe−Cr合金、Fe−Cr−Mo合金、フェラ
イト系ステンレス鋼、Al合金ならびにAlから使用目
的や使用条件に応じて選択することができる。本発明の
防食被膜の組成を有する合金は、塑性加工により薄板や
箔への加工が不可能なので、プラズマ溶射により容器内
面に被覆する。この場合の被覆層の厚さは20〜200
μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。被
覆層の厚さが20μm以下では、使用中に被覆層が多硫
化ナトリウムにより腐食されて陽極容器基材の腐食が起
こりやすいからである。また、被覆層の厚さが200μ
m以上では被膜形成に要する時間が長くなるだけでなく
耐食性がそれ以上向上しないからである。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。まず、本
発明を適用するナトリウム−硫黄電池の実施例は、例え
ば図1に示す模式的構造をもつ。ナトリウム−硫黄電池
10は、陽極活物質である溶融硫黄Sを含浸したカーボ
ンマットなどの陽極用導電材Mを収納する円筒状の陽極
容器1と、この陽極容器1の上端部に対し、α−アルミ
ナ製の絶縁リング2および中間部材5を介して連結され
た陰極容器3と、前記絶縁リング2の内周部に固着さ
れ、かつ、陰極活物質である溶融金属ナトリウムNaを
貯留し、ナトリウムイオンNa+ を選択的に浸透させる
機能を有した下方へ延びる多結晶β−アルミナ製の有底
円筒状をなす固体電解質管4とから構成される。陽極容
器1の内壁面には、陽極用導電材Mの頂面より高い位置
までクロム−コバルト合金層7が形成されている。
【0020】放電時には陰極室R1からナトリウムイオ
ンNa+ が固体電解質管4を透過して陽極室R2内の硫
黄Sと次のように反応し、多硫化ナトリウムを生成す
る。 2Na+XS→Na2 Sx また、充電時には放電時とは逆の反応が起こり、多硫化
ナトリウムがナトリウムNaおよび硫黄Sに分解する。
【0021】一般に、ナトリウム−硫黄電池の電池は、
陽極容器1の内壁面が溶融硫黄S等により腐食される
と、金属硫化物が生成し、電池反応に必要な有効硫黄量
が減少し電池容量が低下したり、金属硫化物の電気抵抗
により電池の内部抵抗が増加し充電効率を低下させる。
しかしながら、本発明を適用したナトリウム−硫黄電池
10は、溶融ナトリウムに対する耐食性に優れたクロム
−コバルト合金層を有するので、長期間に渡って使用し
ても陽極側の金属容器の基材が腐食されず、電池性能が
低下しにくい。また、金属容器の製作時、多量含有クロ
ムのクロム−コバルト合金を用いたので低融点であるこ
とからプラズマ溶射が容易に行える。
【0022】耐食性試験1(Cr−Co系合金) 次に、本発明の防食被膜を構成する合金の溶融硫黄化合
物(多硫化ナトリウム)中での腐食試験結果について示
す。まず、アーク溶解炉により、クロムにコバルトを
0、20、40、60、80、100重量%添加したC
r−Co合金を作製した。これらの合金のうち、コバル
ト添加量:0重量%は純クロム、コバルト添加量:10
0重量%は純コバルトを意味する。次に、これらの合金
から約10mm×10mm×1.5mmの試料を切り出
し、表面を研磨したのち、多硫化ナトリウム(Na2
4 )中で330℃×240hrの浸漬試験を行った。た
だし、これらの合金のうち、Cr−60重量%Co合金
は、脆くて腐食試験用試料の作製が出来なかった。
【0023】浸漬試験前後に求めた試験片の重量変化か
ら各試験片の腐食深さを算出し、多硫化ナトリウムに対
する耐食性を評価した。なお、比較例として、公知材料
であるステライト6(特開平2−142065号公報)
を同時に試験した。各試験片の組成と特徴を表1に示
し、多硫化ナトリウム中での腐食試験結果を図2に示
す。
【0024】耐食性試験1(Cr−Co系合金)
【0025】
【表1】 図2に示す如く、コバルトにクロムを添加すると、多硫
化ナトリウムに対する耐食性が著しく向上する。Cr−
Co合金では、Cr量が20重量%以上の組成域におい
てほぼ純クロムと同程度の耐食性を示す。さらにまた、
Cr量:20重量%以上のCr−Co合金は比較例のス
テライト6と同程度の耐食性を有することが判る。表1
に示した如く、ステライト6は、高価なCoを約70重
量%をタングステンを5重量%含んでいる。これに対
し、本発明はCoを5〜30重量%含むだけで、主成分
が相対的に安価なクロムなので経済性についても有利で
ある。
【0026】耐食性試験2(Cr−Co−C−X系合
金:バルク材) 次に、実施例11〜18として、表2に示す組成の合金
を作製した。これらの合金から約10mm×10mm×
1.5mmの試料を切り出し、表面を研磨したのち、多
硫化ナトリウム(Na24 )中で330 ℃×240
hrの浸漬試験を行った。
【0027】浸漬試験前後に求めた試験片の重量変化か
ら各試験片の腐食深さを算出し、表2にバルク材の腐食
深さとして示した。なお、比較例11〜14として、そ
の他の成分が本発明外の組成である合金と公知材料であ
るステライト6も同時に試験し、得られた結果を表2に
バルク材の腐食深さとして示した。
【0028】
【表2】 表2の結果から、Cr−Co系合金に炭素およびその他
の金属元素を所定量まで添加したバルク材は、Cr−C
o系合金ならびにステライト6のバルク材と同等の耐食
性を有することが判る。 耐食性試験2(Cr−Co−C−X系合金:溶射膜) 本発明の合金は多硫化ナトリウムに対する耐食性は優れ
るが、加工性が乏しく塑性加工により陽極容器に成形す
ることが困難なので、他の金属で作製した陽極容器にプ
ラズマ溶射等の方法で防食被膜を形成する必要がある。
【0029】そこで、表2に記載の合金の粉末を作製
し、直径10mmのFe−30Cr−2Mo合金の丸棒
表面に、プラズマ溶射により厚さ約50〜100μmの
被膜を形成した試験片を作製した。これらの試験片につ
いて、多硫化ナトリウム(Na 24 )中で300℃×
240hrの浸漬試験を行なった。浸漬試験前後に求め
た試験片の重量変化から各試験片の腐食深さを算出し、
表2に溶射膜の腐食深さとして示した。なお比較例とし
て、Cr、Co、C以外の合金成分が本発明外の組成で
ある合金と公知材料であるステライト6も同時に試験
し、得られた結果を表2に溶射膜の腐食深さとして示し
た。
【0030】表2記載の溶射膜の腐食深さの結果から明
らかな如く、プラズマ溶射により被膜とした本発明の合
金は、公知材料であるステライト6の溶射膜と同等の耐
食性を有する。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のナトリウ
ム−硫黄電池用陽極容器は、陽極容器の内面に耐食性に
優れたクロム基合金層が形成されているため、ナトリウ
ム−硫黄電池の耐久性および信頼性を高め、電池性能を
向上させることができるという効果がある。
【0032】また、本発明のナトリウム−硫黄電池用陽
極容器は、防食被膜が安価なクロムを主成分とする合金
からなるため、製造原価の低下をもたらし、ナトリウム
−硫黄電池の経済性を向上させるという効果がある。さ
らに、本発明のナトリウム−硫黄電池用陽極容器の製造
方法によると、合金の融点をプラズマ溶射が容易に行な
える程度にまで低下させてあるので、塑性加工が困難な
合金にもかかわらず、緻密な防食被膜が形成できるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるナトリウム−硫黄電池を
示す模式図である。
【図2】本発明の実験データとしての浸漬試験結果を示
す図である。
【符号の説明】
1 陽極容器 3 陰極容器 4 固体電解質管 7 クロム−コバルト合金層 10 ナトリウム−硫黄電池

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリイオン伝導性を有する固体電解
    質により陽極室と陰極室とを区画形成し、陽極室には溶
    融硫黄化合物を収容し、陰極室には溶融ナトリウムを収
    容するナトリウム−硫黄電池の陽極室を構成する金属容
    器であって、 この金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物と接
    触する部分に、70〜95重量%のクロム、5〜30重
    量%のコバルトおよび不可避の不純物からなる合金の防
    食被膜を有することを特徴とするナトリウム−硫黄電池
    の陽極容器。
  2. 【請求項2】 前記防食被膜の厚さが25〜100μm
    であることを特徴とする請求項1記載のナトリウム−硫
    黄電池用陽極容器。
  3. 【請求項3】 アルカリイオン伝導性を有する固体電解
    質により陽極室と陰極室とを区画形成し、陽極室には溶
    融硫黄化合物を収容し、陰極室には溶融ナトリウムを収
    容するナトリウム−硫黄電池の陽極室を構成する金属容
    器であって、 この金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物と接
    触する部分に、70〜95重量%のクロム、5〜20重
    量%のコバルト、10重量%以下の炭素、10重量%以
    下の鉄、バナジウム、タングステンならびにモリブテン
    よりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素ならびに
    不可避の不純物からなる合金の防食被膜を有することを
    特徴とするナトリウム−硫黄電池用陽極容器。
  4. 【請求項4】 前記防食被膜の厚さが25〜100μm
    であることを特徴とする請求項3記載のナトリウム−硫
    黄電池用陽極容器。
  5. 【請求項5】 アルカリイオン伝導性を有する固体電解
    質により陽極室と陰極室とを区画形成し、陽極室には溶
    融硫黄化合物を収容し、陰極室には溶融ナトリウムを収
    容するナトリウム−硫黄電池の陽極室を構成する金属容
    器であって、 この金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物と接
    触する部分に、クロムが主成分の防食被膜を形成するナ
    トリウム−硫黄電池用陽極容器の製造方法において、 70〜95重量%のクロム、5〜30重量%のコバルト
    および不可避の不純物からなる合金をプラズマ溶射によ
    り前記金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物と
    接触する部分に被覆することを特徴とするナトリウム−
    硫黄電池用陽極容器の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルカリイオン伝導性を有する固体電解
    質により陽極室と陰極室とを区画形成し、陽極室には溶
    融硫黄化合物を収容し、陰極室には溶融ナトリウムを収
    容するナトリウム−硫黄電池の陽極室を構成する金属容
    器であって、 この金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化合物と接
    触する部分に、70〜95重量%のクロム、5〜20重
    量%のコバルト、10重量%以下の炭素、10重量%以
    下の鉄、バナジウム、タングステンならびにモリブテン
    よりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素ならびに
    不可避の不純物からなる組成を有する合金をプラズマ溶
    射により前記金属容器の内表面の少なくとも溶融硫黄化
    合物と接触する部分に被覆することを特徴とするナトリ
    ウム−硫黄電池用陽極容器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103094585A (zh) * 2011-11-02 2013-05-08 通用电气公司 电化学电池
US9159980B2 (en) 2012-12-27 2015-10-13 General Electric Company Electrochemical cell

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CN103094585A (zh) * 2011-11-02 2013-05-08 通用电气公司 电化学电池
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