JPH05186659A - 耐熱性耐衝撃性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性耐衝撃性樹脂組成物

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JPH05186659A
JPH05186659A JP14744192A JP14744192A JPH05186659A JP H05186659 A JPH05186659 A JP H05186659A JP 14744192 A JP14744192 A JP 14744192A JP 14744192 A JP14744192 A JP 14744192A JP H05186659 A JPH05186659 A JP H05186659A
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thermoplastic copolymer
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JP14744192A
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Hideo Kinoshita
秀雄 木下
Satoru Hirota
悟 廣田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐衝撃性、耐候性、耐光性、耐溶剤
クラック性及び成形加工性を兼備した樹脂組成物を提供
すること。 【構成】 多層構造アクリル系重合体Aと熱可塑性共重
合体Bとアクリル系共重合体Cとからなる樹脂組成物で
あって、該熱可塑性共重合体Bが、メチルメタクリレー
ト単位13〜95重量%、一般式 【化1】 (式中のR1およびR2はメチル基または水素原子であ
る。)で表わされる六員環酸無水物単位2〜85重量
%、芳香族ビニル単位2〜70重量%、およびメタクリ
ル酸単位1〜20重量%からなる熱可塑性共重合体であ
り、かつ、25℃における還元粘度が0.01〜1.0
デシリットル/gである熱可塑性共重合体であって、多
層構造アクリル系重合体Aが2〜50重量%、熱可塑性
共重合体Bとアクリル系共重合体Cの合計が50〜98
重量%で、かつ、熱可塑性共重合体B/(熱可塑性共重
合体B+アクリル系共重合体C)の重量比が0.2〜1
であることを特徴とする耐熱性耐衝撃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性耐衝撃性に優れた
樹脂組成物に関するものであり、更に詳しく言えば、多
層構造アクリル系重合体と、特定の六員環酸無水物単位
を含有する熱可塑性共重合体と、必要に応じて熱可塑性
アクリル系共重合体を構成成分とする樹脂組成物であっ
て、自動車部品、工業部品、家電部品などに好適に用い
られる耐熱性と耐衝撃性を有した樹脂組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】特定な構造を有する多層構造アクリル系
重合体とアクリル樹脂との組成物よりなる耐候性良好な
耐衝撃性をそなえたアクリル樹脂が知られている(特公
昭60−17406号公報)。この樹脂は自動販売機の
前面板や自動車用バイザー等に幅広く使用されており、
その需要も増加の傾向にある。
【0003】このような利用分野の拡大に伴い、要求さ
れる性能はますます高度なものになってきている。その
一つとして耐熱性の高いものが要求されている。耐熱性
を向上させ、かつ耐衝撃性を備えたアクリル樹脂として
六員環酸無水物、メチルメタクリレート、芳香族ビニ
ル、および(メタ)アクリル酸各単位からなる熱可塑性
共重合体と、メチルメタクリレート、ブタジエン、スチ
レン各単位からなるグラフト共重合体(MBS)との組
成物が提案されている(特公昭62−25700号公
報)。
【0004】しかしながらブタジエン成分を導入するこ
とは、耐候性、耐光性を著しく低下させるために、昨今
の自動車部品、家電部品等、耐熱性を必要とする用途に
対して必ずしも満足しうるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした実
情の下に耐熱性、耐衝撃性のみならず、耐候性、耐光
性、更には耐溶剤クラック性及び成形加工性をも兼備し
た樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、多層構造を有
するアクリル系重合体に、特定の六員環酸無水物、メチ
ルメタクリレート、芳香族ビニル、及びメタクリル酸各
単位からなる熱可塑性共重合体及び必要に応じて熱可塑
性アクリル系共重合体を特定量範囲で組み合わせること
が有効であることを知見し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、多層構造アクリル系
重合体Aと熱可塑性共重合体Bとアクリル系共重合体C
とからなる樹脂組成物であって、該熱可塑性共重合体B
が、メチルメタクリレート単位13〜95重量%、一般
【0008】
【化1】
【0009】(式中のR1およびR2はメチル基または水
素原子である。)で表わされる六員環酸無水物単位2〜
85重量%、芳香族ビニル単位2〜70重量%、および
メタクリル酸単位1〜20重量%からなる熱可塑性共重
合体であり、かつ、25℃における還元粘度が0.01
〜1.0デシリットル/gである熱可塑性共重合体であ
って、多層構造アクリル系重合体Aが2〜50重量%、
熱可塑性共重合体Bとアクリル系共重合体Cの合計が5
0〜98重量%で、かつ、熱可塑性共重合体B/(熱可
塑性共重合体B+アクリル系共重合体C)の重量比が
0.2〜1であることを特徴とする耐熱性耐衝撃性樹脂
組成物に関するものである。 以下、本発明を詳細に説
明する。
【0010】本発明の樹脂組成物における多層構造アク
リル系重合体Aは、3層もしくは4層以上の多層構造を
有するアクリル系重合体であるが、最内硬質層、軟質
層、最外硬質層からなる3層構造を基本とするものが好
ましい。このような多層構造アクリル系重合体として
は、(a)メチルメタクリレ−ト80〜99.99重量
%、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレ−
ト0〜20重量%、多官能架橋剤及び/または多官能グ
ラフト剤0.01〜0.5重量%からなる単量体混合物
を重合して得られる最内硬質層重合体5〜45重量%、
(b)上記最内硬質層重合体の存在下に、アルキル基の
炭素数が4〜8のアルキルアクリレ−ト70〜99.9
9重量%、芳香族ビニル化合物0〜30重量%、多官能
架橋剤及び/または多官能グラフト剤0.01〜5重量
%からなる単量体混合物を重合して得られる軟質層重合
体35〜70重量%、(c)上記最内硬質層および軟質
層からなる重合体の存在下に、メチルメタクリレ−ト8
0〜99.9重量%、アルキル基の炭素数が1〜8のア
ルキルアクリレ−ト0.1〜20重量%からなる単量体
混合物を重合して得られる最外硬質層重合体20〜50
重合%、の、(a)、(b)、(c)を基本骨格とする
多層構造アクリル系重合体が挙げられる。このような多
層構造アクリル系重合体において、(a)成分の最内硬
層重合体のメチルメタクリレ−トは、耐候性及び機械的
強度を向上させる役割を持つ。これと共重合されるアル
キル基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリレ−トと
しては、メチルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、n
−ブチルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−
ト等が挙げられる。該共重合体中においてメチルメタク
リレ−ト単位は80〜99.99重量%の範囲である。
80重量%未満では、耐熱性、及び機械的強度が低下し
好ましくない。アルキルアクリレート単位は、0〜20
重量%の範囲である。アルキルアクリレ−トを共重合す
ることにより、熱安定性が改良される。
【0011】多官能性架橋剤としてはジビニル化合物、
ジアリル化合物、ジアクリル化合物、ジメタクリル化合
物などの一般に知られている架橋剤が使用できるが、ポ
リエチレングリコールジアクリレートが好ましく用いら
れる。又、多官能性グラフト剤としては異なる官能基を
有する多官能性単量体、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸のアリルエステル等が挙げら
れ、アリルメタクリレートが好ましく用いられる。これ
らの多官能性単量体は0.01〜0.5重量部で使用さ
れる。
【0012】(b)成分軟質層重合体におけるアルキル
基の炭素数が4〜8のアルキルアクリレートとしては、
n−ブチルアクリレートが好ましく用いられ、芳香族ビ
ニル化合物としては、スチレンおよび置換スチレン誘導
体が挙げられ、スチレンが好ましく用いられる。芳香族
ビニル化合物は30重量%以下である必要がある。30
重量%を越える場合には、耐衝撃性、とくに低温耐衝撃
性が低下し好ましくない。
【0013】多官能性架橋剤及び多官能性グラフト剤
は、0.01〜5重量%で使用される。
【0014】なお、本発明において(a)工程及び
(b)工程で生成する最内硬質層と軟質層の構造に関し
ては、特に制限はなく、組成が前記した条件を満足する
ものであれば、任意の構造にすることができる。
【0015】例えば最内硬質層と軟質層の間にいわゆる
中間層を設け、組成に勾配を持たせた構造、中間層に多
官能性グラフト剤を多量に添加する、いわゆるグラフト
層をもった構造、軟質層に3段以上の擬似層を設け、各
擬似層ごとに多官能性架橋剤、多官能性グラフト剤の濃
度を変えた構造などにすることができる。
【0016】(c)成分、最外硬質重合体におけるメチ
ルメタクリレートは、耐候性及び機械的強度を向上させ
る役割を果すものである。これと共重合されるアルキル
基の炭素数が1〜8であるアルキルアクリレートとして
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等
が挙げられる。該共重合体中のメチルメタクリレート単
位は80〜100重量部の範囲で含有されることが必要
である。この量が80重量部未満の場合には耐熱性及び
機械的強度が低くなる傾向にあり、好ましくない。なお
アルキルアクリレートは0〜20重量部共重合される
が、共重合された場合、熱安定性が改良される。
【0017】多層構造アクリル系重合体Aは3層構造を
基本としているが、さらに(b)成分軟質層と(c)成
分最外硬質層との間に組成が漸次変化するテーパー層と
呼ぶ部分を含むという極めて特徴的な構造を有してもよ
い。このようなテーパー層を形成するためには、(a)
成分最内硬質層及び(b)成分軟質層からなる重合体の
存在下にメチルメタクリレートおよびアルキル基の炭素
数が4〜8であるアルキルアクリレートからなる単量体
混合物を添加するにあたり、重合系内の単量体混合物の
アルキルアクリレート/メチルメタクリレートの比が漸
次低減するようにして添加し、重合することにより実施
しうる。
【0018】又、本発明において(c)工程で生成する
最外硬質層は、内側の分子量が大きく、外側に向って次
第に分子量が小さくなる多段層構造とすることができ、
例えば最外硬質層を形成される際の重合を2回、又はそ
れ以上に分割して行い、各回ごとに例えばアルキルメル
カプタンのような連鎖移動剤の量を増加させるなどの手
段で分子量を徐々に低下されることによって得られる。
このように分子量を内側から外側に向って徐々に低下さ
せた場合には、耐応力白化性、流動性を向上させること
ができる。
【0019】この最外硬質層の分子量は内側の最も分子
量の大きい部分で300,000〜5,000,00
0、好ましくは500,000〜2,000,000の
範囲にするのがよい。この部分の分子量が300,00
0より小さい場合は、良好な耐応力白化性が得られず、
5,000,000を越える場合には特殊な反応条件を
必要とするので実用的でない。
【0020】他方、外側の分子量の最も小さい部分の分
子量は60,000〜200,000、好ましくは8
0,000〜150,000の範囲にするのがよい。
【0021】この部分の分子量が200,000を越え
る場合には、流動性が低下し、60,000未満の場合
には、耐溶剤性、機械的強度が低下する。
【0022】本発明における多層構造アクリル系重合体
Aは逐次多段重合によって製造されるが、重合方法とし
ては、乳化重合法を用いるのが好ましい。しかし特にこ
れに限定されることはなく、軟質層までを乳化重合後、
(c)成分最外硬質層重合時に懸濁系へ転換させる乳化
懸濁重合法などによっても製造しうる。
【0023】本発明における多層構造アクリル系重合体
Aの平均粒子径は0.05〜0.4μmであり、好まし
くは0.07〜0.35μmである。平均粒子径が0.
05μm未満の場合には、耐衝撃性に劣り、0.4μm
を越える場合にも耐衝撃性は低下する方向にあり好まし
くない。
【0024】多層構造アクリル系重合体Aは、基本的に
は(a)成分最内硬質層重合体5〜45重量%、好まし
くは7〜37重量%、(b)成分軟質層重合体35〜7
0重量%および(c)成分最外硬質層重合体20〜50
重量%の3層構造からなる。これらの範囲を逸脱した場
合は耐衝撃性が低下する方向にある。
【0025】本発明樹脂組成物における熱可塑性共重合
体Bは、メチルメタクリレート単位 (b)一般式
【0026】
【化3】
【0027】(式中のR1およびR2はメチル基または水
素原子である。)で表わされる六員環酸無水物単位、芳
香族ビニル化合物単位及びメタクリル酸単位からなる共
重合体であって、該樹脂組成物の耐熱性に大きな影響を
与える。
【0028】この共重合体Bにおけるメチルメタクリレ
ート単位は、耐候性、耐光性を向上させる役割を果たす
ものであって、13〜95重量%の範囲で含有すること
が必要である。13重量%未満の場合には耐候性、耐光
性を十分に向上させることができない。95重量%を越
える場合には耐熱性の向上が不十分となる。
【0029】六員環酸無水物単位は、耐熱性を向上させ
る役割を果たすものであり、耐熱変形性の向上と同時に
熱安定性をも向上させる作用を有する。その含有量は、
2〜85重量%である。2重量%未満の場合には、耐熱
変形性と耐熱安定性の向上が不十分で、85重量%を越
える場合には、耐水性が低下し好ましくない。
【0030】芳香族ビニル化合物単位は、成形加工性の
改良、耐水性の改良の役割を果たすものである。芳香族
ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン等が挙げられ、1
種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
特にスチレン及びα−メチルスチレンが好ましく使用さ
れる。
【0031】これらの芳香族ビニル化合物単位の含有量
は、2〜70重量%であり、好ましくは10〜50重量
%である。この量が2重量%未満の場合には、成形加工
性、耐水性改良効果に劣り、70重量%を越える場合に
は、機械的強度の低下、耐熱性の低下があり、好ましく
ない。
【0032】メタクリル酸単位は耐熱性向上の役割を果
たすものであって、その含有量は、1〜20重量%の範
囲である。1重量%未満の場合には、耐熱性向上の役割
が十分でなく、20重量%を越える場合には、熱安定性
が低下し、成形加工時にガス発生が著しくなって好まし
くない。
【0033】また、共重合体Bの分子量が特定の範囲内
にあることが必要である。即ち共重合体Bの還元粘度が
0.01〜1.0デシリットル/g、好ましくは0.0
5〜0.6デシリトッル/g、さらに好ましくは0.1
0〜0.50デシリットル/gである。0.01デシリ
ットル/g未満の場合には、機械的強度が低下する。
1.0デシリットル/gを越える場合には、成形加工性
が低下する。
【0034】共重合体Bの製造については、メチルメタ
アクリレート、芳香族ビニル、メタクリル酸を通常のラ
ジカル重合法で共重合させ、しかるのち熱処理により脱
水及び/又は脱メタノールにより六員環酸無水物を形成
させることによって製造される。
【0035】ラジカル重合法としては、公知の塊状重合
法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法により製造さ
れる。特に連続塊状重合法や連続溶液重合法で製造する
のが好ましく、更には共重合体Bにおける組成分布の均
一化を図るために、重合器は完全混合型が好ましい。
【0036】熱可塑性共重合体Cは、メチルメタクリレ
ート単位80〜100重量%、アルキル基の炭素数1〜
8のアルキルアクリレート単位0〜20重量%からな
る。
【0037】ここでいうアルキル基の炭素数1〜8のア
ルキルアクリレートとしては、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート等が挙げられるが、メチルアク
リレートが好ましく用いられる。
【0038】重合法としては公知の重合方法、例えば塊
状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等、い
ずれの方法によって得られたものでも良い。
【0039】本発明の組成物を構成する各重合体の量比
については、多層構造アクリル系重合体Aが2〜50重
量%、好ましくは5〜40重量%、熱可塑性共重合体B
とアクリル系共重合体Cの合計が50〜98重量%、好
ましくは55〜95重量%で、かつ、熱可塑性共重合体
B/(熱可塑性共重合体B+アクリル系共重合体C)の
重量比が0.2〜1、好ましくは0.3〜1である必要
がある。多層構造アクリル系重合体Aが2重量%未満の
場合には耐衝撃性に劣り、50重量%を越える場合に
は、成形加工性および耐熱性が低下する。
【0040】熱可塑性共重合体B/(熱可塑性共重合体
B+アクリル系共重合体C)の重量比が0.2未満の場
合には耐熱性に劣る。
【0041】本発明の樹脂組成物は、上記各重合体を市
販の単軸押出機、あるいは二軸押出機で溶融混練するこ
とにより得られるが、その際に紫外線吸収剤、安定剤、
滑剤、離型剤、充填剤、補強剤、染料、顔料等を必要に
応じて添加することができる。
【0042】この様にして得られた本発明の樹脂組成物
を射出成形または押出成形することにより、優れた耐熱
性、耐衝撃性、耐候性、耐光性、成形加工性、耐溶剤ク
ラック性をそなえた成形品が得られる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれより何ら制限を受けるものでは
ない。
【0044】なお、実施例、比較例における測定は以下
の方法によった。
【0045】(1)熱可塑性共重合体Bの組成分析 メチルメタクリレ−ト単位、六員環酸無水物単位、芳香
族ビニル単位については、C−13NMR法によって測
定できる。メタクリル酸単位については、中和滴定によ
り測定することができる。また、六員環酸無水物単位に
ついてはIRスペクトルの特性吸収により測定すること
もできる。
【0046】(2)還元粘度{ηSP/C] 試料0.15gを0.5デシリットルのメスフラスコ中
でアセトンに溶解させた溶液について、25℃でキャノ
ンフェンスケ粘度計#50を用い、測定を行なった。
【0047】(3)Izod衝撃強度 ASTM−D256に準拠した方法で測定した(Vノッ
チ、1/4試験片)。 (4)ビカット軟化温度 ASTM−D1525に準拠した方法で測定した。
【0048】(5)耐候性、耐光性評価 サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製、
サンシャインスーパーロングライフウェザーメーターW
EL SUN−HCH型)により500Hr暴露試験を
行い、暴露前後のヘーズ値の差を△ヘ−ズとして求め
た。
【0049】(6)耐溶剤クラック性 厚さ3mmの試験片を作製し、25℃においてメタノー
ル中に7日間浸漬、その後、目視によりクラックの有無
を確認した。
【0050】実施例1 (ア)多層構造アクリル系重合体Aの製造 内容積10リットルの還流冷却器付反応器にイオン交換
水6860ml、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
13.7gを投入し、250rpmの回転数で撹拌しな
がら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実
上ない状態にした。
【0051】メチルメタクリレート(以下MMAと記
す)907g、n−ブチルアクリレート33g、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール(以下、HMBTと記す)0.28g、及び
アリルメタクリレート(以下ALMAと記す)0.93
gからなる混合溶液のうち、222gを一括添加し、5
分後に過硫酸アンモニウム0.22gを添加した。その
40分後から残りの719gを20分間かけて連続的に
添加し、添加終了後60分間保持した。
【0052】次に過硫酸アンモニウム1.01gを添加
した後に、BA1067g、スチレン219g、HMB
T0.39g、ALMA27.3gからなる混合溶液を
140分間かけて連続的に添加し、添加終了後更に18
0分間保持した。
【0053】次に、過硫酸アンモニウム0.30gを添
加した後、MMA730g、BA26.5g、HMBT
0.22g、n−オクチルメルカプタン0.76gから
なる混合溶液を40分間かけて連続的に添加し、添加終
了後95℃に昇温し30分間保持した。
【0054】このようにして得られたラテックスを少量
採取し、吸光度法により平均粒子径を求めたところ0.
25μmであった。
【0055】残りのラテックスを3重量%硫酸ナトリウ
ム温水溶液中へ投入して、塩析・凝固させ、次いで、脱
水・洗浄を繰り返したのち乾燥し、多層構造アクリル系
重合体Aを得た。
【0056】(イ)熱可塑性共重合体Bの製造 メチルメタクリレ−ト18.6重量%、α−メチルスチ
レン18.0重量%、メタクリル酸23.4重量%、t
−ブタノール40.0重量%、1,1−ジ−tert−
ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン500ppm、n−オクチルメルカプタン200p
pmからなる混合液を調製し、これを0.5リットル/
hrの速度で連続して内容量2リットルのジャケット付
き、完全混合反応器に供給して、125℃の温度で重合
を行った。さらに重合液を260℃に設定した高温脱揮
装置へ連続して供給し、2時間滞留、脱揮環化させ、未
反応物の除去及び六員環無水物の生成を行った。この重
合体の中和滴定、IRスペクトル、C13NMRによる
組成分析の結果は、メチルメタクリレ−ト単位35重量
%、α−メチルスチレン単位20重量%、六員環酸無水
物単位37重量%、メタクリル酸単位8重量%であっ
た。得られた共重合体の還元粘度は0.33デシリット
ル/g、ビカット軟化温度は169℃であった。ここで
得られた共重合体を熱可塑性共重合体B−1と称し、表
1に組成及び特性を示す。
【0057】(ウ)熱可塑性共重合体C 旭化成工業(株)製アクリル樹脂商品名「デルペット」
70Hを使用した。
【0058】(エ)組成物の調製及び評価 前記多層構造アクリル系重合体A、熱可塑性共重合体B
−1及び熱可塑性共重合体Cとを、重量比25/70/
5の比率で混合した後、30mmベント付2軸押出機を
用いて、270℃にてペレット化した。このペレットか
ら試験片を作製し、物性測定を行った。その結果を表2
に示した。
【0059】表2によると、本発明の樹脂組成物は、耐
熱性、耐衝撃性、耐候性、耐光性、耐溶剤クラック性、
成形加工性に優れていることがわかる。
【0060】実施例2〜4 (ア)組成物の調製、及び、評価 多層構造アクリル系重合体Aと熱可塑性共重合体B−
1、熱可塑性共重合体Cの混合比率を表2に示したよう
に変更した以外は、実施例1と同様にしてペレット化
し、試験片を作製し、物性測定を行った。その結果を表
2に示した。
【0061】表2によると、本発明の組成物は、耐熱
性、耐衝撃性、耐候性、耐光性、耐溶剤クラック性、成
形加工性に優れていることがわかる。
【0062】実施例5、6 (ア)熱可塑性共重合体Bの製造 表1に示す組成の供給液を調製し、実施例1と同様の方
法で重合及び後処理を行なった。得られた共重合体を熱
可塑性共重合体B−2、B−3と称し、その組成及び特
性を表1に示す。
【0063】この様にして得られた重合体を多層構造ア
クリル系重合体A−2と称する。
【0064】(イ)組成物の調製、及び、評価 熱可塑性共重合体Bとして、前記B−2、B−3を用い
たこと以外は、実施例1と同様にしてペレット化し、試
験片を作製し、物性測定を行った。その結果を表2に示
した。
【0065】表2によると、本発明の組成物は、耐熱
性、耐衝撃性、耐候性、耐光性、耐溶剤クラック性、成
形加工性に優れていることがわかる。
【0066】比較例1〜3 (ア)組成物の調製、及び、評価 樹脂組成物の組成比を表2に示したように変更した以外
は実施例1と同様にして行なった。結果を表2に示し
た。
【0067】表2によると、これらの組成物は実施例の
組成物と比較して物性的に劣ることが明らかである。
【0068】比較例4 (ア)組成物の調製、及び、評価 MBS樹脂と熱可塑性共重合体B−3を重量比30/7
0とした以外は実施例1と同様にして行なった。結果を
表2に示した。
【0069】表2によると、耐熱性、耐衝撃性は優れて
いるものの、耐候性、耐光性、耐溶剤クラック性に劣る
ことがわかる。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂組成
物は、耐熱性、耐衝撃性、耐候性、耐光性、及び耐溶剤
クラック性、並びに成形加工性にも優れた樹脂材料であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層構造アクリル系重合体Aと熱可塑性
    共重合体Bとアクリル系共重合体Cとからなる樹脂組成
    物であって、 該熱可塑性共重合体Bが、メチルメタクリレート単位1
    3〜95重量%、 一般式 【化1】 (式中のR1およびR2はメチル基または水素原子であ
    る。)で表わされる六員環酸無水物単位2〜85重量
    %、芳香族ビニル単位2〜70重量%、およびメタクリ
    ル酸単位1〜20重量%からなる熱可塑性共重合体であ
    り、かつ、25℃における還元粘度が0.01〜1.0
    デシリットル/gである熱可塑性共重合体であって、多
    層構造アクリル系重合体Aが2〜50重量%、熱可塑性
    共重合体Bとアクリル系共重合体Cの合計が50〜98
    重量%で、かつ、熱可塑性共重合体B/(熱可塑性共重
    合体B+アクリル系共重合体C)の重量比が0.2〜1
    であることを特徴とする耐熱性耐衝撃性樹脂組成物。
JP14744192A 1991-06-28 1992-06-08 耐熱性耐衝撃性樹脂組成物 Withdrawn JPH05186659A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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