JPH05186491A - 酸性糖脂質及び微粒子キャリヤー - Google Patents

酸性糖脂質及び微粒子キャリヤー

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JPH05186491A
JPH05186491A JP25964791A JP25964791A JPH05186491A JP H05186491 A JPH05186491 A JP H05186491A JP 25964791 A JP25964791 A JP 25964791A JP 25964791 A JP25964791 A JP 25964791A JP H05186491 A JPH05186491 A JP H05186491A
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仁史 山内
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I)によって示される酸性糖脂質及
びこれを配合して成る微粒子キャリヤー。 【化1】 式中、Gluはモノ又はジグルタミン酸残基を、Xはシ
アル酸含有部分を、Yはアシル基を、そしてnは0〜2
の整数を表わす。 【効果】 肝臓、ひ臓等の細網内皮系に捕捉されにく
く、血液中での薬物濃度を長時間維持することのできる
リポソーム等の微粒子キャリヤーが工業的に大量生産可
能な一般式(I)の酸性糖脂質を使用して製造され、提
供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な酸性糖脂質及び該
糖脂質を使用した微粒子キャリヤーに関する。更に詳し
くは、酸性糖脂質及びこれを使用して製造され、肝臓、
ひ臓等に代表される細網内皮系に捕捉されにくく、血液
中での薬物濃度を長時間維持することができ、例えば癌
組織への移行性を高めた微粒子キャリヤーに関する。
【0002】
【従来技術】生体に投与された薬物を必要な組織に必要
な時に必要な量だけ送達し、有効な薬物治療を行なうド
ラックデリバリーシステムの一つの手段として、リポソ
ームやリピッドマイクロスフェアーなどの微粒子キャリ
ヤーを利用することは一般にすでに公知である。
【0003】しかしながら、これら微粒子キャリヤーが
血管内に投与された場合には肝臓、ひ臓等に代表される
細網内皮系に捕捉され易く、従って薬物放出をコントロ
ールする徐放性製剤やあるいは標的組織への薬物送達を
目指すターゲティング型製剤への利用においては問題が
あることもよく知られているところである。
【0004】従来からリポソームの微小循環性の改善、
すなわちリポソームを末梢毛細血管に循環しやすくする
ための工夫については種々の試みがなされてきた。例え
ば下記文献1)〜9)に示されるごとくである。
【0005】 1)Biochem.Pharmacol., 32,609(1983) 2)Biochim.Biiophys.Acta, 839,1(1985) 3)J.Pharmacol.Exp.Therap., 226,539(1983) 4)Biochim.Biophys.Acta, 981,27(1989) 5)「第9回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム講演
集」p.193(東京1986) 6)Chem.Pharm.Bull., 36,4187(1988) 7)Chem.Lett., p.1781(1988) 8)J.Appl.Biochem.,pp.121〜125(1982) 9)「脳神経」39(8), 783〜788, 1987 文献1)及び2)はリポソームにそれぞれコレステロー
ル及び相転移温度の高い脂質を添加することが記載され
ており、また文献3)はリポソームのサイズを小さくす
ることにより微小循環性を増加した例が示されている。
文献4)は細胞膜由来の糖脂質であるガングリオシドG
1 を、また文献5)はヒト赤血球由来の糖蛋白質であ
るグリコホリンを、更に文献6)は血清蛋白質であるフ
ェツイン由来の糖蛋白質をそれぞれリポソーム膜内に再
構成したことが記載されており、そして4)び5)では
微小循環性を改善したと述べられている。文献7)には
プルランやアミロペクチン等の多糖にコレステロール残
基と共にシアル酸を結合してリポソーム膜成分として使
用したことが述べられている。文献8)及び9)にはリ
ポソーム膜にスルファチドを挿入してそれぞれ血液脳関
門の通過及びヒトGlioma細胞への取込に成功したことが
述べられている。
【0006】しかしながら、これらの文献で使用されて
いる糖脂質や糖蛋白質はそれら自体が生体成分である場
合が多く、仮に入手できたとしてもきわめて高価であ
り、これらを微粒子キャリヤーの工業的生産において使
用することは不可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の実状に鑑み、工
業的に大量生産可能な物質が配合されたしかも肝臓、ひ
臓等の細網内皮系に捕捉されにくく、血液中での薬物濃
度を長時間維持することができ、例えば癌組織への移行
性を高めたリポソーム等の微粒子キャリヤーが求められ
る。本発明はかかる微粒子キャリヤーの提供を目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々の検討を
行い、その結果、硫酸基またはリン酸基を有する酸性糖
脂質が本発明の目的を良好に達成することを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明物質は下記一般式(I)によって示
される酸性糖脂質である。
【0011】
【化5】 ただし、一般式(I)中、Xは同一であっても異なって
もよいが下記一般式(II)又は一般式(III)を意味し、
【0012】
【化6】 (一般式(II)及び(III)において、R1 、R2 、R3
及びR4 は独立にH、SO3 Q又はPO3 2 を表す
が、R1 、R2 、R3 及びR4 のうちいずれか1個以上
はSO3 Q又はPO3 2 であり(ここにQはH、アル
カリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを意味す
る。)、他はHであり、そしてZは炭素数が2〜8のア
ルキレン基を表す。)Gluはグルタミン酸残基を示
し、nは0〜2の整数を表わし、Yは下記一般式(IV)
を表わし、 Cm 2m+1CO− (IV) (一般式(IV)中、mは11〜19の整数を表わす。)そし
て、各結合手は酸アミド結合を表わす。
【0013】以上より明らかなごとく、本発明物質はガ
ラクトース及び/又はマンノースのアルキルアミンと高
級脂肪酸とが直接に又はモノ−若しくはジ−グルタミン
酸残基を介して酸アミド結合した化合物であり、さらに
該アルキルアミンのガラクトース及びマンノースの糖部
分は少なくとも1個の酸性基すなわち硫酸基(SO
3 Q)又はリン酸基(PO3 2 )によって置換されて
いることが特徴である。この結果、本発明物質は親油性
を有すると同時に水溶液中で負の電荷を示すことができ
る。
【0014】酸性基が置換する位置はガラクトース及び
マンノースの2位、3位、4位及び6位のヒドロキシル
基のHであり、従って酸性糖としては例えばガラクトー
ス3−硫酸,ガラクトース6−硫酸,ガラクトース6−
リン酸,ガラクトース2,3−ジ硫酸,ガラクトース
2,6−ジ硫酸,マンノース6−リン酸等を挙げること
ができる。酸性糖における酸性基は遊離酸のままであっ
てもよく又アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウム塩などの塩であってもよい。
【0015】ガラクトース及びマンノースはそれぞれの
1位のヘミアセタール性水酸基の水素が炭素数2〜8個
のアルキルアミノ基によって置換されており、それによ
ってグルタミン酸残基を介さずに直接又は介して高級脂
肪酸に酸アミド形式によって結合する。本発明物質の1
分子中における酸性糖の数はグルタミン酸残基の数nに
よって定まり、その数はn+1個となる。n=1又は2
のとき、すなわち、酸性糖が1分子中に複数個含まれて
いるとき、これらの酸性糖は全て同一であっても異なっ
ていてもよい。すなわち、全てがガラクトース系及びマ
ンノース系のいずれか一方であっても、一部がガラクト
ース系で残余がマンノース系であってもよい。
【0016】グルタミン酸残基の数nは0〜2であり、
nが0であるときは1個の酸性糖が酸アミド形式によっ
て直接に高級脂肪酸に結合する。nが1であるとき、す
なわちモノ−グルタミン酸残基のときは2個の酸性糖が
モノ−グルタミン酸残基の2個のカルボキシル基と酸ア
ミド形式によって結合し、さらに該モノ−グルタミン酸
残基の1個のアミノ基が酸アミド形式によって高級脂肪
酸に結合する。nが2であるとき、すなわちジ−グルタ
ミン酸残基のときは3個の酸性糖がジ−グルタミン酸残
基の3個のカルボキシル基と酸アミド形式によって結合
し、さらに該ジ−グルタミン酸残基の1個のアミノ基が
酸アミド形式によって高級脂肪酸に結合する。
【0017】ジ−グルタミン酸残基としては、一方のグ
ルタミン酸のアミノ基が他方のグルタミン酸のαカルボ
ン酸基に結合する場合とωカルボン酸基に結合する場合
とがあり、本発明物質はいずれの場合も含む。また本発
明物質におけるグルタミン酸残基はL−グルタミン酸及
びD−グルタミン酸のいずれの残基でもよいが、安価で
ある点を考慮すればL−グルタミン酸残基である。
【0018】本発明物質における高級脂肪酸の脂肪鎖は
本発明物質が微粒子キャリヤーへ安定に配合される上に
おいて必要であり、その目的のためには直鎖又は分枝鎖
のアルキル基及びアルケニル基を全て対象とすることが
できるが、入手が容易である点を考慮すれば炭素数が11
〜19個の直鎖アルキル基を選択することができる。
【0019】本発明物質の製造は、一般に酸性基を導入
すべき水酸基のみを遊離とし他の水酸基はすべてベンジ
ル基,ベンゾイル基,アセチル基等で保護した以外は本
発明物質である化合物を予め合成し、ついでこれを三酸
化硫黄又はジフェニルリン酸クロリドなどで硫酸化又は
リン酸化した後、保護基を脱離させることにより達成さ
れる。硫酸化又はリン酸化に用いる試薬としては、クロ
ル硫酸,ジベンジルリン酸クロリド,テトラベンジルピ
ロリン酸等も用いることができる。
【0020】高級脂肪酸又はモノーグルタミン酸若しは
くジ−グルタミン酸と糖部分とのアミド結合は、糖部分
を含むアルキルアミン誘導体に高級脂肪酸又はモノーグ
ルタミン酸若しくはジ−グルタミン酸の活性エステルを
作用させることにより容易に合成することができる。活
性エステルとしては高級脂肪酸又はモノーグルタミン酸
若しくはジ−グルタミン酸のN−ヒドロキシこはく酸イ
ミドエステル,1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエス
テルなどを用いることができる。
【0021】モノーグルタミン酸またはジ−グルタミン
酸と高級脂肪酸とのアミド結合は、高級脂肪酸の活性エ
ステルを作用させることにより容易に合成することがで
きる。
【0022】本発明物質の製造においては、上記のよう
に、一般に糖部分への酸性基の導入は糖部分とグルタミ
ン酸部分又はパルミチン酸などの高級脂肪酸とを結合さ
せた後に行なわれるが、リン酸基の場合はこのように結
合させる前にジフェニルリン酸基などの保護されたリン
酸基を導入することによってもよい。すなわち、予め保
護されたリン酸基を導入した糖化合物を合成しておき、
これに高級脂肪酸又はモノーグルタミン酸若しくはジ−
グルタミン酸ついで高級脂肪酸を結合させたのち保護基
を脱離させる事により合成を行なうこともできる。
【0023】本発明微粒子キャリヤーは前記一般式
(I)によって示される酸性糖脂質を配合して得られる
微粒子キャリヤーであって、該物質の特定の性質を専ら
利用するものである。
【0024】本発明微粒子キャリヤーとしては、具体的
にはリポソーム,リピッドマイクロスフェアー,ミセ
ル,エマルジョンなどを挙げることができる。これらキ
ャリヤーの調製はそれぞれ従来公知の方法に従って行な
えばよく、基本的には本発明物質を両親媒性物質である
他の膜成分と共に溶媒に溶解または分散して混合する。
【0025】例えばリポソームの場合、ホスファチジル
コリン,スフィンゴミエリン,ホスファチジルエタノー
ルアミン等のリン脂質やジアルキル型合成界面活性剤等
の膜成分物質と、本発明物質とを予め混し、これを公知
の方法(Ann.Rev.Biophys.Pioeng., 9, 467(1980)) に従
いリポソームの水分散液を調製する。かかるリポソーム
は膜安定化剤としてコレステロール等のステロール類、
ジアルキルリン酸,ステアリルアミン等の荷電物質及び
トコフェロール等の酸化防止剤を含んでいても良い。
【0026】リピッドマイクロスフェアーの場合、ホス
ファチジルコリンと本発明物質とを予め混合し、これに
大豆油等の油脂を加えて公知のリピッドマイクロスフェ
アーの調製方法に従い処理することにより目的のリピッ
ドマイクロスフェアーを得ることができる。
【0027】ミセルの場合、ポリオキシソルビタン脂肪
酸エステル,脂肪酸ナトリウム,ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油等の界面活性剤と本発明物質とを予め混合
し、公知のミセルの調製方法に従い処理することにより
目的のミセルを製造することができる。
【0028】エマルジョンの場合、ポリオキシソルビタ
ン脂肪酸エステル,脂肪酸ナトリウム,ポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油等の界面活性剤と本発明物質とを予め
混合し、これに大豆油等の油脂を加えて公知のエマルジ
ョンの調製方法に従い処理することにより目的のエマル
ジョンを製造することができる。
【0029】上記のようにして製造される微粒子キャリ
ヤーが細網内皮系を回避し、血液中での微小循環性を有
せしめるには、通常その調製工程において本発明に係る
物質の全脂質膜成分に対する割合を約1/4 モル比以上、
好ましくは約1/20モル比以上にすることが望ましい。
【0030】かかる微粒子性キャリヤーが保持しうる薬
物は、微粒子性キャリヤーの種類によって異なる。例え
ばリポソームが保持しうるものとしては特に制限がな
く、水溶性薬物,脂溶性薬物をあげることができる。ま
たリピッドマイクロスフェアー,ミセル,エマルジョン
の場合には脂溶性薬物を保持可能なものとしてあげるこ
とができる。
【0031】これら脂溶性薬物、水溶性薬物の例として
は、具体的には、シトシンアラビノシド,ダウノルビシ
ン,メトトレキセートに代表される制癌剤、ペニシリン
Gに代表される抗生物質、インシュリン,インターフェ
ロン,組織プラスミノーゲンアクチベーターに代表され
る生理活性物質などを適当な薬物としてあげられる。
【0032】
【作用】後記実施例によって示されるごとく、本発明物
質は微粒子キャリヤーの調製にあたり酸性糖脂質型の原
料素材として好適である。また後記試験例によって示さ
れるごとく、本発明微粒子キャリヤーの一例として取り
上げたリポソームは従来公知のリポソームに比較すると
細網内皮系に捕捉されにくい性向を有しており、血中で
の高い薬物濃度の維持を可能にする。
【0033】
【実施例】以下に記載する実施例及び試験例によって本
発明をさらに具体的に説明する。
【0034】実施例1 本実施例1における製造工程図を図1に示す。
【0035】化合物1−2の合成 化合物1−1(41.12g),臭化水銀 14.42g,シアン化
水銀 22.74g,3Aモレキュラーシープ33g及び塩化メ
チレン 250mlの混合物を0℃に冷却し、これにアジドエ
タノール 8.708gを塩化メチメン30mlに溶かした溶液を
加えて8時間0℃から室温にて撹拌した。
【0036】得られた溶液を濾過し、濾液を飽和重炭酸
ナトリウム水溶液、ついで水で洗い無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を減圧下留去しシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにて分離し(ヘキサン:酢酸エチル=
2:1〜1:1)、化合物1−2を得た。収量 22.32g
(収率53.5%)。
【0037】NMRスペクトル(CDCl3 ,テトラメチル
シランを対象としたδ値(ppm)):1.98(3H),2.40(3H),
2.06(3H),2.15(3H),3.29(1H),3.50(1H),3.68(1H),
3.91(1H),4.04(1H),4.11(1H),4.17(1H),4.55(1H),
5.01(1H),5.13(1H),5.38(1H).化合物1−3の合成 化合物1−2(22.32g)のメタノール(200ml)溶液に5
M/lのナトリアムメチラートメタノール溶液を 0.1ml
加え一晩撹拌した。
【0038】得られた溶液に強酸性陽イオン交換樹脂
「50W−X8」(ダウケミカル社製)のH型を加えpHを
4とした。樹脂を濾過し、溶媒を減圧下留去して化合物
1−3を得た。13.3g(100%)。
【0039】化合物1−4の合成 化合物1−3(9.44g)のメタノール(300ml)溶液にジ
プチルスズオキシド 10.37gを加え、3時間加熱環流し
た。溶媒を留去しベンゼン 100ml,臭化テトラn−ブチ
ルアンモニウム 12.21g及び臭化アリル70mlを加え4時
間加熱環流した。溶媒を減圧下留去し、残渣にピリジン
及び無水酢酸各50mlを加え一晩撹拌した。
【0040】得られた溶液を氷水 200gに加え塩化メチ
レンにて抽出した(150ml×2)。有機層を2N塩酸、飽
和重炭酸ナトリウム水溶液、水で洗い無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下留去しシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにて分離し(ヘキサン:酢酸エチル=
2:1.5)、化合物1−4を得た。19g(33%)。
【0041】NMRスペクトル:2.08(3H),2.10(3H),
2.13(3H),2.15(3H),3.29(1H),3.48〜3.54(2H),3.68
(1H),3.83(1H),3.91(1H),4.03(1H),4.12〜4.18(3
H),4.50(1H),5.12〜5.27(3H),5.42(1H),5.77(1H).化合物1−5を経由する化合物1−6の合成 化合物1−4(5.19g)のメタノール(50ml)溶液にナ
トリウムメチラートの5M/lメタノール溶液 0.3mlを
加え一晩撹拌した。得られた溶液に酸性陽イオン交換樹
脂「50W−X8」のH型を加えpHを4とした。樹脂を濾
別し、溶媒を減圧下留去して化合物1−5を残渣として
得た。
【0042】この残渣にジメチルフォルムアミド20ml及
び60%NaH 550mgを加え、室温下5時間撹拌した。得
られた溶液にベンジルブロミド(BnBr)6.73gを加
え一晩撹拌した。
【0043】溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにて分離し(ヘキサン:酢酸エ
チル=6:1)、化合物1−6を得た。 4.679g(67
%)。
【0044】NMRスペクトル:3.38〜3.44(2H),3.49
〜3.60(4H),3.67(1H),3.79(1H),3.87(1H),4.50(1
H),4.18〜4.24(2H),4.38〜4.46(3H),4.63(1H),4.78
(1H),4.91〜4.95(2H),5.20(1H),5.34(1H),5.95(1
H),7.25〜7.5(15H).化合物1−7の合成 化合物1−6(3.843g,6.876mmol)に酢酸 240ml,酢酸
ナトリウム 1.321g,水 8.5ml及び塩化パラジウム 1.3
21gを加え、室温下17.5時間、ついで40℃で2時間、更
に45℃で3時間撹拌した。 得られた溶液を濾過し、濾
液の溶媒を減圧下留去し、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにて分離し(ヘキサン:酢酸エチル=10:
3)、化合物1−7を得た。 1.688g(47.3%)。
【0045】NMRスペクトル:3.42(1H),3.51(1H),
3.59〜3.70(6H),3.87(1H),4.06(1H),4.39(1H),4.45
(1H),4.49(1H),4.46(1H),4.69(1H),4.79(1H),4.99
(1H),7.28〜7.40(15H).化合物1−8を経由する化合物1−9の合成 化合物1−7(544mg)にエタノール10ml及び塩化ニッケ
ル6水和物1.18gを加え撹拌し塩化ニッケルを溶解し
た。この溶液にナトリウムボロハイドライド 119mgのエ
タノール(10ml)溶液を加え一晩撹拌した。得られた溶
液を濾過し、溶媒を減圧下留去し、残渣をクロロフォル
ム:飽和重炭酸ナトリウム水溶液にて抽出した。有機層
を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下
留去した。化合物1−8を残渣として得た。
【0046】残渣に無水塩化メチメンを20ml加えた後パ
ルミチン酸N−ヒドロキシスクシイミドエステル 388mg
の塩化メチレン(5ml)溶液を加え、室温で一晩撹拌し
た。
【0047】得られた溶液を水洗し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで分離し(ヘキサン:酢酸エ
チル=2:1)、化合物1−9を得た。 465mg(61
%)。
【0048】NMRスペクトル:0.87(3H),1.18〜1.32
(27H),1.53(2H),1.98(1H),2.26(1H),3.41(1H),3.
46〜3.67(6H),3.77(1H),3.28〜3.86(2H),4.30(1H),
4.43(1H),4.48(1H),4.63(1H),4.72(1H),4.79(1H),
4.89(1H),6.13(1H),7.23〜7.4(15H).化合物1−10の合成 化合物1−9(202mg)にDMF15ml及び3酸化硫黄ピリ
ジン錯体 132mgを加え、室温下3時間撹拌した。
【0049】溶媒を減圧下40℃にて留去し、残渣を「セ
ファデックスLH−20」(ファルマシア社製)ゲル濾過
クロマトグラフィーで粗精製物を分離した(溶出溶媒メ
タノール)。得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにて分離し(メタノール:クロロフォル
ム=1:10)、ついで強酸性陽イオン交換樹脂「50WX
−8」(ダウケミカル社製)のNa型のカラムにメタノ
ールを用いて通して精製された化合物1−10を得た。 1
52mg(61.8%)。
【0050】[α]D 22=+4.63(0.95g/dl,CHC
l3 : MeOH=1:1). NMRスペクトル(CD3 OD,δ値):0.89(1H), 1.2〜
1.35(24H),1.51(2H),2.04(2H),3.22〜3.44(CD3 OD
のシグナルと重なって特定不能),3.53(1H),3.66(1
H),3.71(1H),3.83(1H),4.32(1H),4.39(1H),4.43(1
H),4.45(1H),4.51(1H),4.64(1H),4.75(1H),4.81(1
H),4.87(1H),4.92(1H),5.03(1H), 7.2〜7.33(15
H).化合物1−11の合成 化合物1−10(152mg)のメタノール(100ml)溶液に10%
パラジウム炭素 120mgを加え、水素加圧下(50psi) 一晩
室温にて撹拌した。さらに 100mgの10%パラジウム炭素
を加え、同じく50psi の水素加圧下室温にて二昼夜撹拌
した。
【0051】触媒を濾過し、溶媒を減圧下留去した後、
60mlの「セファデックスLH−20」を用いてゲル濾過ク
ロマトグラフィーを行ない(溶出溶媒メタノール)粗精
製物を得た。粗精製物をイオン交換樹脂「50WX−8」
のNa型のカラムにメタノールを用いて通し、化合物1
−11を得た。89mg(76.6%) [α]D 22=+4.6 °(9.5mg/ml,CHCl3 :MeOH=1:
1). NMRスペクトル(CD3 OD):0.89(3H), 1.3〜1.4(24
H),1.61(2H),2.20(2H),3.36(1H),3.50(1H),3.51(1
H),3.56(1H),3.66(1H),3.69〜3.83(5H),4.23(1H),
4.28(1H),4.35(1H).実施例2 本実施例2における製造工程図は図2に示す。
【0052】化合物2−2の合成 化合物2−1(29.62g)及びN−パルミトイルエタノー
ルアミン(R−OH)25gのジクロルメタン(400ml)溶
液に、氷冷下三フッ化ホウ素エーテル錯体41.9mlを滴下
した。得られた溶液を一晩室温で撹拌した。
【0053】溶液を氷水に加え、クロロホルムにて抽出
した。有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し
た後溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにて分離し(クロロホルム:メタノー
ル= 100:2にて溶出)、化合物2−2を得た。 30.23
g(63.3%)。
【0054】NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3
H),1.22〜1.38(24H) ,1.61(2H),2.02〜2.20(14H),
3.43(1H),3.52(1H),3.68(1H),3.37(1H),3.42(1H),
4.2〜4.35(2H),4.47(1H),5.03(1H),5.28(1H),5.40
(1H),5.85(1H).化合物2−3の合成 化合物2−2(10g)のメタノール(50ml)溶液に5M
/lのナトリウムメトキシドメタノール溶液を10滴加
え、 2時間室温にて撹拌した。
【0055】得られた溶液に強酸性イオン交換樹脂「50
W−X8」のH型を加え中和した後樹脂を濾去し、溶媒
を減圧下留去して化合物2−3を得た。7.11g(97
%)。
【0056】化合物2−4の合成 化合物2−3(2g)のピリジン(20ml)溶液にトリチ
ルクロリド2g加え、50℃にて14時間が熱撹拌した。溶
液を室温まで冷却し、ベンゾイルクロリド2mlを加え、
14時間撹拌した。
【0057】得られた溶液を氷水に加え、クロロホルム
にて抽出した。クロロホルム層を2N塩酸、飽和重炭酸
ナトリウム水溶液及び水で順次洗い、硫酸ナトリウムに
て乾燥した。乾燥した溶液の溶媒を減圧下留去し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=6:1にて溶出)にて精製して化合物2−4を得
た。
【0058】NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3
H), 1.2〜1.35(24H),1.42(2H),2,24(1H),3.24(1
H),3.41(1H), 3.8〜4.05(5H),4.73(1H),5.54(1H),
5.60(1H),6.02(1H).化合物2−5の合成 化合物2−4(2.83g)に95%エタノール50ml、水1m
l、クロロホルム1ml及びパラトルエンスルホン酸(p−
TsOH)30mgを加え、50℃で4時間、ついで40℃で15
時間、最後に60℃で4時間加熱した。
【0059】溶液を室温まで冷却し、トリエチルアミン
にて中和した後、溶媒を減圧下留去した。残渣にクロロ
ホルム 100mlと水 100mlを加えて分液した。クロロホル
ム層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し
た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて分離し
(クロロホルム:メタノール= 100:1〜 100:2)、
化合物2−5を得た。
【0060】 [α]D 24=+132 °(1.01g/dl,CHCl3 ). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H), 1.2〜1.
3(24H),1.45(2H),1.86(2H),2.84(1H),3.44(1H),3.
51(1H),3.67(1H),3.71(1H),3.84(1H),3.99(1H),4.
05(1H),4.80(1H),5.62(1H),5.76(1H),5.83(2H).化合物2−6の合成 化合物2−5(205mg)及びピリジン10mlの混合物に三酸
化硫黄ピリジン錯体 169mg(4eq) を加え一晩撹拌した。
溶液化に水酸化バリウムの飽和水溶液を10ml加え撹拌し
た。
【0061】1N塩酸にて溶液のpHを8に調節した後、
クロロホルム:メタノール=1:1の混合溶液を60ml加
え、3000rpm にて遠心して硫酸バリウムを除いた。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した後P
TLCで分離し(2mm×20×20cmを2枚、溶媒クロロホ
オルム:メタノール:水=65:15:1)、化合物2−6
を得た。 122mg(50%)。
【0062】 [α]D 25=+4.3 °(0.74g/dl,ピリジン). NMRスペクトル(CD3 OD+CDCl3 ,δ):0.88(1H),
1.2〜1.33(24H),1.47(2H),1.96(2H),3.38〜3.44(2
H),3.77(1H),4.01(1H),4.20(1H),4.28(1H),4.45(1
H),4.94(1H),5.66(1H),5.71(1H),5.97(1H),7.24〜
8.07(15H).化合物2−7の合成 この様にして得られた化合物地2−6(122mg)をメタノ
ール7mlに溶解し、5M/lナトリウムメトキシドメタ
ノール溶液を3滴加えた後4時間撹拌した。
【0063】その後、強酸性イオン交換樹脂「50W−X
8」のH型を加え撹拌した。溶液のpHは2程度となった
ので重炭酸ナトリウムの結晶を加え中和した。得られた
溶液にクロロフォルムを加え結晶を濾別した。得られた
溶液を減圧下濃縮し、メタノールを加え結晶化させた。
一次結晶24.5mg,二次結晶32mg。収率76%。
【0064】NMRスペクトル:0.87(1H), 1.2〜1.35
(24H),1.76(2H),2.37(2H),3.68(1H),3.75(1H),4.
04(1H),4.09(1H),4.28(1H),4.37(1H),4.50(1H),4.
66(1H),4.99(1H),5.08(1H).実施例3 実施例3における製造工程図は図3に示す。
【0065】化合物3−2の合成 化合物2−2(3.42g)のメタノール(100ml)溶液に5
M/lナトリウムメトキシドメタノール溶液を5滴加
え、室温にて2時間撹拌した。実施例2における化合物
2−3の合成と同様に処理して、化合物2−3の粗精製
物を得た。
【0066】これにジメチルホルムアミド60ml、ジメト
キシトルエン1800μl 及びパラトルエンスルホン酸30mg
を加え、溶液を50mmHgの減圧下60℃に加熱した。得られ
た溶液を室温まで冷却し、トリエチルアミンで中和した
後、減圧下溶媒を留去した。
【0067】残渣にピリジン20ml及び無水酢酸20mlを加
え一晩室温で撹拌した。
【0068】実施例2における化合物2−4の合成と同
様に処理し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
分離し(クロロホルム:アセトン= 100:2.5 〜 100:
4)、化合物3−2を得た。1.38g(40%)。
【0069】 [α]D 25=+32.5°(1.00g/dl,クロロホルム). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H),1.22〜1.
3(24H),2.05〜2.17(8H),3.46(2H),3.56(1H),3.72(1
H),3.88(1H),4.09(1H),4.31(1H),4.41(1H),4.52(1
H),4.97(1H),5.38(1H),5.52(1H),6.06(1H),7.38(3
H),7.52(2H). 化合物3−3の合成 化合物3−2(400mg)の無水メタノール10ml及び5M/
lナトリウムメトキシドメタノール溶液3滴を加え一晩
撹拌した。クロロホルムを30ml及び強酸性イオン交換樹
脂「50W−X8」のH型を加えて撹拌した後、樹脂を濾
去した。
【0070】溶媒を減圧下留去した後、残渣にピリジン
10ml及びDMF3mlを加えて溶解した後、三酸化硫黄ピ
リジン錯体 803mg(5eq) を加え一晩撹拌した。
【0071】溶液に水酸化バリウムの飽和水溶液を加え
撹拌した。生じた沈澱を3000rpm 、4分の遠心で除いた
後クロロホルム:メタノール=1:1にて3回抽出し
た。得られた溶液に強酸性イオン交換樹脂「50W−X
8」のH型を加え撹拌した。溶液のpHは2近辺となった
ので重炭酸ナトリウムの結晶を加え中和した。得られた
溶液を濾過し、硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧
下留去し、残渣を「セファデックスLH−20」にて分離
し(22mm× 400mm、メタノール)、粗精製物を得た。
【0072】粗精製物にメタノール50ml及びパラジウム
炭素 200mgを加え50psi にて水素添加を行なった。触媒
を濾去し、溶媒を濃縮して、残渣を「セファデックスL
H−20」にて分離し(22mm× 400mm、メタノール)、目
的物を得た。 212.2mg(57%)。
【0073】 [α]D 23=+7.4 °(1.01g/l,メタノール). NMRスペクトル(ピリジン−d5 ,δ):0.87(3H),
1.18〜1.3(24H),1.80(2H),2.54(2H),3.62(1H),3.71
〜3.76(2H),3.91(1H),4.10(1H),4.31(1H),4.41(1
H),4.66(1H),4.96(1H),5.17(1H),5.71(1H).実施例4 本実施例4における製造工程図は図4に示す。
【0074】化合物4−1の合成 化合物2−3即ち2-palmitoylaminoethyl galactoside
1g及びジフェニルtブチルシリルクロリド 651mg(1.1
eq) のピリジン(5ml)溶液を室温下一晩撹拌した。得ら
れた溶液に無水酢酸を10ml加えさらに一晩撹拌した。
【0075】溶液を氷水に加え、クロロホルムにて抽出
した。有機層を2N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム水溶
液、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、
溶媒を留除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにて精製し、目的化合物4−1を得
た。1.66g(93%)。
【0076】 [α]D 25=+9.7 °(1.03g/dl,クロロホルム). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H),1.02(9
H),1.22〜1.3(24H),1.57(1H), 2.0〜2.11(11H),3.
37(1H),3.45(1H),3.59〜3.67(2H),3.73〜3.83(3H),
4.42(1H),5.04(1H),5.15(1H),5.57(1H),5.83(1H).化合物4−2の合成 化合物4−1(876mg)にアセトニトリル30ml、水 0.3ml
及び1M/lフッ化テトラnブチルアンモニウム水溶液
0.51mlを加え一晩撹拌した。さらにフッ化テトラnブチ
ルアンモニウム水溶液を 0.4ml加え一晩撹拌した。
【0077】塩化メチレンにて抽出し、有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにて分離し(メタノール:クロロ
フォルム=0.5:99.5,0.75:99.25,1:99,1.5:98.5(v/
v))、目的化合物4−2を得た。 353mg(65%)。
【0078】 [α]D 22=+8.7 °(0.987g/dl,CHCl3 ). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H),1.22〜1.
3(24H),1.57(1H), 2.0〜2.11(11H),1.61(2H), 2.0
〜2.23(8H),3.28(1H),3.33(1H),3.68(1H),3.75〜3.
83(2H), 3.9〜3.97(2H),4.10〜4.20(2H),4.39(1H),
4.92(1H),5.39(1H),5.99(1H).化合物4−3の合成 化合物4−2(350mg,0.461mmol)にピリジン10ml及びD
MF2mlを加え撹拌した。この溶液に三酸化硫黄ピリジ
ン錯体 816mg(5.13mmol,4eq)を加え一晩撹拌した。
【0079】得られた溶液に水酸化バリウムの飽和水溶
液を10ml加え撹拌した。3000rpm にて延伸して硫酸バリ
ウムを除いた。1N塩酸にて溶液のpHを8に調節した
後、クロロホルム:メタノール=1:1の混合溶液30ml
で4回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を留去した。
【0080】残渣をメタノール10mlに溶解し、5M/l
ナトリウムメトキシドメタノール溶液を3滴加え、4時
間撹拌した。
【0081】その後、強酸性イオン交換樹脂「50W−X
8」のH型を加え撹拌し。溶液のpHは2程度となったの
で重炭酸ナトリウムの結晶を加え中和した。得られた溶
液にクロロホルムを加え結晶を濾別した。得られた溶液
を減圧下濃縮し、残渣を「セファデックスLH−20」に
て分離し(22mm× 400mm,メタノール)、目的化合物4
−3を得た。 210mg(51%)。
【0082】NMRスペクトル(ピリジン−d5
δ):0.88(3H), 1.2〜1.32(24H),1.82(2H),2.62(2
H),3.62(1H),3.80〜3.87(2H),3.97(1H),4.15(1H),
4.26(1H),4.35〜4.42(2H),4.87(1H),5.47(1H).実施例5 実施例5における製造工程図は図5に示す。
【0083】化合物5−1の合成 実施例2における化合物2−5(509mg)のピリジン(20
ml)溶液にジフェニルリン酸クロリド 700μl を加えて
2日間室温にて撹拌した。
【0084】実施例2における化合物2−4の合成と同
様に処理し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
精製し(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)、目的化合物
5−1を得た。 509mg(77%)。
【0085】NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3
H),1.18〜1.33(24H),1.42(2H),1.81(2H),3.29(1
H),3.51(1H),3.60(1H),3.89(1H),4.21(1H),4.37(1
H),4.47(1H),4.73(1H),5.55(1H),5.73(1H),5.89(1
H),7.19〜8.05(25H).化合物5−2を経由する化合物5−3の合成 化合物5−1(500mg)に酸化白金 200mg及びメタノール
50mlを加え、50psi の水素雰囲気下一晩撹拌した。翌日
さらに酸化白金を 200mg加え、50psi にて一晩反応させ
た。また、さらに酸化白金を 200mg加え50psi にて一晩
反応させた。
【0086】触媒を濾去し、溶媒を濃縮し化合物5−2
の粗精製物を得た。 427mg。
【0087】化合物5−2の粗精製物 173mgをメタノー
ル10mlに溶解し、5M/lナトリウムメトキシドメタノ
ール溶液を8滴加え3時間撹拌した。
【0088】得られた溶液に強酸性イオン交換樹脂「50
W−X8」のH型を加えて中和した後、溶媒を蒸発乾固
した。残渣を「セファデックスLH−20」にて分離し
(22mm× 400mm,クロロホルム:メタノール=1:1)、化
合物5−3を得た。79mg(65%)。
【0089】 [α]D 25=+2.3 °(5.49g/dl,クロロホルム:メ
タノール=1:1). NMRスペクトル(ピリジン−d5 ,δ)0.87(3H),1.
22〜1.33(24H) ,1.77(2H),2.34(2H),3.67〜3.78(2
H),3.93(1H),4.06(1H),4.15(1H),4.23(1H),4.40(1
H),4.56(1H),4.71(1H),4.82(1H),5.00(1H),8.28(1
H).実施例6 本実施例6における製造工程図は図6に示す。
【0090】化合物6−1の合成 mannose peracetate 3.904g及びN−ベンジルオキシカ
ルボニルエタノ―ルアミン2.15g(1.2eq)の塩化メチレ
ン(100ml)溶液に氷冷下三ふっ化ほう素エ―テル錯体6.
16ml(5eq) を滴下したのち室温で一晩撹拌反応した。
【0091】溶液を氷水に開け分液した。有機層を濃縮
した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離し
(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)、目的化合物6−2を得
た。1.2341g(24.2%)。
【0092】NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):1.99(3
H),2.04(3H),2.08(3H),2.16(3H),3.42(1H),3.46(1
H),3.58(1H),3.78(1H),3.96(1H),4.08(1H),4.25(1
H),4.82(1H),5.11(2H),5.16(1H),5.25〜5.34(3H).化合物6−2の合成 化合物6−1(1.2341g,2,442mmol)にトリチルクロリ
ド 1.851g(1.5eq) 及びピリジン30mlを加え一晩撹拌し
た。得られた溶液にベンゾイルクロリド1.12ml(1.2eq)
を加え、5時間撹拌した。
【0093】得られた溶液を氷水に開け、クロロホルム
にて抽出した。有機層を2N塩酸、飽和重炭酸ナトリウ
ム水溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=5:
1)、目的化合物6−2を得た。1.6332g(75.3%)。
【0094】 [α]D 25=−83.9°(1.09g/dl,クロロホルム).化合物6−3の合成 化合物6−2(1.4501g),95%エタノ―ル30ml及びク
ロロホルム20mlの混合物にパラトルエンスルホン酸 300
mgを加え、50度で4時間加熱した。
【0095】溶液を減圧下10mlまで濃縮し、クロロホル
ムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで分離し(50ml,クロロホルム)、目的化合物6
−3を得た。 933mg(88%)。
【0096】 [α]D 25=− 120.9°(0.79g/dl,クロロホル
ム). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):2.60(1H),3,50(1
H),3.55(1H),3.70(1H),3.75(1H),3.80(1H),3.90(1
H),4.05(1H),5.11〜5.18(3H),5.29(1H),5.68(1H),
5.82(1H),5.94(1H),7.27〜8.10(20H) .化合物6−4の合成 化合物6−3(905mg,1.38mmol)及びパラトルエンスル
ホン酸 263.3mg(1eq)のエタノール(100ml)溶液にパラ
ジウム炭素 100mgを加え、50psi にて一晩還元を行なっ
た。触媒を濾去し、溶媒を留去して中間体のの粗精製物
を得た。 770mg(81.5%)。
【0097】この粗精製物の全量を塩化メチレン5mlに
溶解し、これにトリエチルアミン 0.188ml(1.2eq) 及び
活性エステル(N−パルミトイルオキシスクシイミド 4
80mg(1.2eq) の塩化メチレン(10ml)溶液を加え一晩撹
拌した。
【0098】得られた溶液を氷水に開け、クロロホルム
にて抽出した。有機層を2N塩酸、飽和重炭酸ナトリウ
ム水溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥し溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにて精製し(クロロホルム、次いで
メタノール:クロロホルム=1:99(v/v))、目的化合物6
−4を得た。 754mg(86.3%)。
【0099】 [α]D 25=−83.9°(1.09g/dl,クロロホルム). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H), 1.2〜1.
38(24H),1.67(2H),2.26(2H),3.49(1H),3.64〜3.71
(2H),3.76〜3.86(2H),3.92(1H),4.06(1H),5.12(1
H),5.70(1H),5.84(1H),5.97(1H),6.00(1H),7.26〜
8.10(15H).化合物6−5の合成 化合物6−4(707mg,0.9135mmol)のピリジン(10ml)
溶液にジフェニル燐酸クロリド0.95ml(1.23g,4.57mm
ol,5eq)を加え一晩撹拌した。
【0100】得られた溶液を氷水に開け、クロロホルム
にて抽出した。有機層を2N塩酸、飽和重炭酸ナトリウ
ム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥
し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル
=2:1,2:1.5 ,1:1)、目的化合物6−5を得
た。 683mg(74.3%)。
【0101】 [α]D 24=−70.3°(1.29g/dl,クロロホルム). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H),1.18〜1.
33(24H),1.67(2H),2.23(2H),3.35(1H),3.56(1H),
3.65(1H),3.75(1H),4.38(1H),4.46(2H),5.02(1H),
5.67(1H),5.80〜5.88(2H),6.05(1H),7.12〜8.07(25
H).化合物6−6の合成 化合物6−5(463mg)の酢酸エチル(10ml)溶液に酸化
白金触媒 300mgを加え、常圧の水素雰囲気下撹拌した。
触媒を濾去し、イソプロピルアミンにてpHを8とした
後、溶媒を減圧下留去した。
【0102】残渣にメタノール20mg及び5M/lナトリ
ウムメトキシドメタノール溶液10滴を加え、2時間撹拌
した。
【0103】溶液に強酸性イオン交換樹脂「50W−X
8」のH型を加え、2分間撹拌した後、重炭酸ナトリウ
ムを少量加え、さらに撹拌した。不溶物を濾去し、溶媒
を減圧下留去した。
【0104】残渣を水に溶解し、多孔性樹脂「HP20」
(三菱化成社製)の塔(20mmφ×40cm)に加えた後、樹
脂を水洗した(2l)。樹脂を 300mlのメタノールで溶
出し、メタノール溶出液を減圧下に蒸発乾固した。残渣
を水に溶解し、Na型の強酸性陽イオン交換樹脂「50W
−X8」の塔(10mmφ×25cm)に通し、少量の水で洗っ
た。水溶液を減圧下濃縮し「HP20」樹脂(20mmφ×40
cm)にスポットした。樹脂を 500mlずつの水,10%アセ
トニトリル水溶液,20%アセトニトリル水溶液,30%ア
セトニトリル水溶液及び40%アセトニトリル水溶液で溶
出した。30%及び40%アセトニトリル水溶液溶出画分を
合し、減圧下濃縮し目的化合物6−6を得た。 219mg
(81%)。
【0105】 [α]D 26=+13.5°(0.99g/dl,水). NMRスペクトル(ピリジン−d5 ,δ):0.87(3H),
1.21〜1.35(24H),1.81(2H),2.42(2H),3.31(2H),3.
65(1H),3.73(1H),3.79(1H),4.05(1H),4.42(1H),4.
46(1H),4.67(1H),4.72(1H),4.93(1H),5.26(1H).実施例7 実施例7における製造工程図は図7に示す。
【0106】化合物7−1の合成 (2−azidoethyl)−2,3,4,5,6,−tetraace
tylgalactoside 11.5gのメタノール(200ml)溶液にナ
トリウムメトキシドの5M/lメタノール溶液を10滴加
え、3時間撹拌した。
【0107】得られた溶液に強酸性イオン交換樹脂「50
W−X8」のH型を加え中和した後、樹脂を濾去し、溶
媒を濃縮して目的化合物7−1を得た。 6.234g(91
%)。
【0108】化合物7−2の合成 化合物7−1(6.234g)のピリジン(150ml)溶液にトリ
チルクロリド9.07g(1.3eq) を加え、50℃で 2時間撹拌
した。更にトリチルクロリドを1.39g(0.2eq)加え、更
に2時間撹拌した。溶液を室温まで冷却した後ベンゾイ
ルクロリドを 12.66g加え、3時間室温で撹拌した。
【0109】得られた溶液を氷水に開け、クロロホルム
にて抽出した。有機層を2N塩酸、飽和重炭酸ナトリウ
ム水溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製し(ヘキサン:酢酸エチル=6:
1,6:1.25,6:1.5)、目的化合物7−2を得た。1
2.66g(63%)。
【0110】 [α]D 24=+70.3°(1.29g/dl,クロロホルム). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):3.23〜3.33(2H),3.
41〜3.49(2H),3.74(1H),4.03〜4.07(1H),4.81(1H),
5.59(1H),5.68(1H),6.03(1H),7.12〜7.95(20H).化合物7−3の合成 化合物7−2(12.35g,15.36mmol)に酢酸エチル50ml及
びエタノール75mlを加え溶解した後、リントラー触媒14
g及びパラトルエンスルホン酸 2.922gを加え、50psi
で一晩水素還元を行った。
【0111】反応混合物を3000rpm で3分遠心して、触
媒を除去した後、溶媒を減圧下留去して目的化合物7−
3を得た。 13.53g(92.7%)。
【0112】化合物7−5の合成 L−グルタミン酸ジベンジルエステルパラトルエンスル
ホン酸塩 10.43g(20.88mmol) の塩化メチレン溶液に氷
冷下トリエチルアミン 5.842mlを加え、さらに塩化パル
ミトイル6.05g(22mmol)を加えた。5時間0℃から室温
で撹拌した。
【0113】その後、溶液を氷水に開け、分液した。有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し(ヘキサン:酢酸エチル=4:1、ゲル 400ml)、目
的化合物7−5を得た。 11.84g(quant.)、融点49〜52
℃。
【0114】 [α]D 24=+2.5 °(1.18g/dl,クロロホルム). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H),1.21〜1.
34(24H),1.59(2H),2.02(1H),2.17(2H),2.22(1H),
2.35(1H),2.45(1H),4.68(1H),5.10(2H),5.16(2H),
6.11(1H),7.31〜7.38(10H).化合物7−6の合成 化合物7−5(11.6g)のエタノール(200ml)溶液にパ
ラジウム炭素 500mgを加え、50psi の水素雰囲気下で還
元を一晩行った。
【0115】溶液を濾過し、溶媒を減圧下留去して目的
化合物7−6を得た。 7.983g(quant.)、融点 113〜11
6 ℃。
【0116】 [α]D 24=+2.6 °(0.87g/dl,エタノール). NMRスペクトル(ピリジン−d5 ,δ):0.88(3H),
1.17〜1.30(22H),1.40(2H),1.87(2H),2.52(2H),2.
57(1H),2.84(1H),2.96(2H),5.38(1H),8.76(1H),8.
96(1H).化合物7−7の合成 化合物7−6(7g)の塩化メチレン(200ml)にDDC
1.520g(2.2eq) 及びN−ヒドロキシスクシイミド 0.8
48g(2.2eq) を加え、室温で 2時間撹拌した。反応によ
って生じたジシクロヘキシル尿素を濾去し(1,33g,1.
77eq) 、濾液に化合物7−3(7g,2.2eq)を加え一晩撹
拌した。
【0117】溶液を氷水に開け、分液した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(500
ml,クロロフホム、次いでメタノール:クロロホルム=
0.3:99.7(v/v))、目的化合物7−7を得た。 4.136g
(64.8%)。
【0118】NMRスペクトル(ピリジン−d5
δ):0.88(3H),1.05〜1.38(24H),1.70(2H),1.81(1
H),1.94(2H),2.13(2H),3.25〜3.29(2H),3.38〜3.52
(6H),3.58〜3.64(2H),3.88〜3.94(2H),4.01〜4.11(4
H),4.75(1H),5.58〜5.67(4H),5.88(1H),6.06(2H),
6.69(1H),6.95(1H),7.09〜7.94(40H).化合物7−8の合成 化合物7−7(40.1g)にクロロホルム75ml及びメタノ
ール 100mlを加えて溶解し、パラトルエンスルホン酸 3
00mgを加えた。溶液を50℃にて4時間加熱撹拌した。
【0119】室温まで冷却した後、飽和重炭酸ナトリウ
ム水溶液を加えてpHを8にした。溶媒を減圧下留去した
後残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
し(クロロホルム:メタノール= 100:1.5 〜 100:
2)、目的化合物7−8を得た。2.36g(77%)。
【0120】 [α]D 25=+125 °(1.01g/dl,クロロホルム). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H),1.12〜1.
29(24H),1.45(2H),1.86(1H),1.99(2H),2.08(1H),
2.25(1H),2.43(1H),3.22〜3.35(2H),3.67〜3.88(7
H),4.20〜4.14(4H),4.22(1H),4.40(1H),4.81(1H),
4.84(1H),5.58(1H),5.62(1H),5.68(1H),5.74(1H),
5.78〜5.80(2H),6.40(1H),7.05(1H),7.22〜8.02(31
H).化合物7−9を経由する化合物7−10の合成 化合物7−8(500mg)のピリジン(5ml)溶液に三酸化
硫黄ピリジン錯体 224mgのジメチルフォルムアミド(3
ml)溶液を滴下し、一晩撹拌した。得られた溶液に水2
mlを加え10分撹拌した。
【0121】溶液に飽和水酸化バリウム水溶液を加えて
pHを9にした(全量50ml)。この溶液にクロロホルム25
ml及びメタノール25mlを加え目的物のバリウム塩を抽出
した。抽出液から不溶物を遠心分離機にて沈降させ(30
0rpm,2分)、分液を行なった。有機層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をメタノー
ルに溶解し、多孔性樹脂「HP−20」のカラムにスポッ
トした(20mmφ×40cm)。カラムを水、10%アセトニト
リル水溶液,20%アセトニトリル水溶液,30%アセトニ
トリル水溶液,40%アセトニトリル水溶液,50%アセト
ニトリル水溶液,60%アセトニトリル水溶液各々 300ml
を用いて順次溶出した。40〜60%アセトニトリル水溶液
溶出画分の溶媒を減圧下留去して化合物7−9を得た。
437mg。
【0122】化合物7−9(437mg)のメタノール(5ml)
溶液にナトリウムメチラートの5M/lメタノール溶液
15滴を加え、室温で2時間撹拌した。
【0123】溶液に強酸性インオ交換樹脂「50W−X
8」のH型を加えてpHを2とした後、重炭酸ナトリトウ
ムの結晶を加えてpHを7.5 とした。溶液を濾過し、濾液
を減圧下濃縮し、化合物7−9と同様に「HP−20」樹
脂のカラムで精製した。30%〜40%アセトニトリル溶出
画分を濃縮し、化合物7−10を得た。 157mg(化合物7
−8に対し45%)。
【0124】 [α]D 27=−17°(1.10g/l,ピリジン). NMRスペクトル(DMSO−d6 ,δ):0.86(3H),1.20
〜1.28(24H),1.46(2H),1.72(1H),1.84(1H),2.07〜
2.13(4H),3.20(2H),3.28〜3.32(6H),3.45(2H),3.56
(2H),3.60(2H),3.71(2H),3.78(2H),3.84(2H),4.09
(2H),4.17(1H),4.48(2H),4.67(2H),4.83(2H),7.79
(1H),7.85〜7.89(2H).D2 O置換により4.48,4.67.
4.83の各ピークは消失した。
【0125】実施例8 実施例8における製造工程図は図8に示す。
【0126】化合物8−1の合成 化合物2−2(20g)のメタノール(100ml) 溶液に5M
のナトリウムメチラートのメタノール溶液(20滴)を加
え、3時間攪拌した。得られた溶液に強酸性イオン交換
樹脂「50W−X8」のH型を加え、攪拌した。樹脂を濾
過し、溶媒を留去した残渣にピリジン 100ml及びトリチ
ルクロリド20gを加え、50度にて5時間加熱攪拌した。
【0127】溶媒を減圧下留去して残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(800ml、クロロフォルム:メタ
ノール= 100:2)にて分離し、化合物8−1を得た。 1
9.25g(81.7%)。
【0128】 [α]D 26=−33.0°(1.11g/dl,CHCl3 ). NMRスペクトル(CDCl3 -D2 O,δ):3.65(1H,H-2),
4.04(1H,H-4),4.28(1H,H-1).化合物8−2の合成 化合物8−1(8.408g)のビリジン(50ml)溶液にベン
ゾイルクロリド5.05gを滴下した。得られた溶液を室温
下一晩攪拌した。
【0129】溶液を氷水に開け、クロロフォルムにて抽
出した。有機層を2N塩酸、ついで水で洗い、無水硫酸
ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(500ml、ヘキサ
ン:酢酸エチル=6:1)にて分離し、化合物9−2を
得た。 4.245g(35.5%)。
【0130】 [α]D 24=+40.6°(1.08g/dl,CHCl3 ). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):4.760(1H,H-1) ,5.
786(1H,H-2) ,5.290(1H,H-3) ,4.366(1H,H-4) .化合物8−3の合成 化合物8−2(3.977g)のピリジン(20ml)溶液にジフ
ェニルリン酸クロリド(5.89ml)を室温下加えた溶液を
2昼夜攪拌した。得られた溶液を室温下一晩攪拌した。
【0131】溶液を氷水に開け、クロロフォルムにて抽
出した。有機層を2N塩酸、ついで水で洗い、無水硫酸
ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(350ml、ヘキサ
ン:酢酸エチル=6:1−4:1)にて分離し化合物9
−2を得た。 1.428g(27%)。
【0132】 [α]D 24=+23.3°(1.16g/dl,CHCl3 ). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):4.748(1H,H-1) ,5.
793(1H,H-2) ,5.211(1H,H-3) ,5.313(1H,H-4) ,3.61
-3.67(1H,H-5) ,4.08-4.14(2H,H-6a,b), 3.789(1H,CH
2 N).化合物8−4の合成 化合物8−3(1.328g)の酢酸エチル(150ml) 溶液にリ
ンドラー触媒1gを加え、50psi の水素雰囲気下8時間
攪拌した。触媒を濾過し、減圧下30mlまで濃縮し、パル
ミチン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(655m
g) を加えて一晩攪拌した。
【0133】溶液を氷水に開け、クロロフォルムにて抽
出した。有機層を水で洗い、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥した。溶媒を減圧下留去して残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(150ml、ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)にて分離し、化合物8−4を得た。1.3859g
(85.0%)。
【0134】 [α]D 20=+20.9°(1.02g/dl,CHCl3 ). NMRスペクトル(CDCl3 δ):4.626(1H,H-1) ,5.74
8(1H,H-2) ,5.322(1H,H-3) ,5.235(1H,H-4) ,3.53-
3.61(1H,H-5) ,3.637(1H,H-6a),3.451(1H,H-6b), 3.
970(1H,CH2 N), 3.675(1H,CH2 N).化合物8−5の合成 化合物8−4(1.2368g)にクロロフォルム15ml、メタ
ノール15ml及び水1mlを加えてこれを溶解し、得られた
溶液にp−トルエンスルホン酸 100mgを加えた。溶液を
45℃にて4時間加熱攪拌した後、飽和重曹水にて中和し
た。
【0135】溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(80ml、クロロホルム:メタノ
ール= 100:2)にて分離し、化合物8−5を得た。 0.8
66g(91.0%)。
【0136】 [α]D 22=− 7.3°(1.03g/dl,CHCl3 ).化合物8−6の合成 化合物8−5(0.880g)のピリジン(10ml)溶液にベン
ゾイルクロリド(300mg) を室温下加え、溶液を6時間攪
拌した。
【0137】溶液を氷水に開け、クロロホルムにて抽出
した。有機層を2N塩酸、ついで水で洗い、無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥した。溶媒を減圧下留去して残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(80ml、ヘキサン:
酢酸エチル=3:1−2:1)にて分離し、化合物8−
6を得た。 0.840g(85.5%)。
【0138】 [α]D 28=+30.2°(1.00g/dl,CHCl3 ).化合物8−7の合成 化合物8−5(0.568g)に酢酸エチル10ml及びメタノー
ル10mlを加えて溶解した。溶液に酸化白金触媒60mgを加
え、水素雰囲気下4時間攪拌した。さらに溶液に酸化白
金触媒60mgを加え、水素雰囲気下一晩攪拌した。触媒を
濾過し、減圧下溶媒を留去し、残渣をメタノール40ml及
びベンゼン4mlの混合溶媒に溶解し5Mのナトリウムメ
チラートのメタノール溶液(40滴)を加え、一晩攪拌し
た。
【0139】溶液を1N塩酸で中和し、溶媒を減圧下留
去した。残渣を多孔性樹脂「CHP−20」(三菱化成社
製)カラムクロマトグラフィー(150ml、10−90v/v%アセ
トニトリル水溶液)にて分離し、化合物8−7を得た。
2mg。
【0140】マススペクトル m/z 564(M+Na).実施例9 本実施例9における製造工程図は図9に示す。
【0141】化合物9−1の合成 化合物2−2(14.87g)及びN−パルミトイルエタノー
ルアミン(14.83g)のジクロルメタン(100ml) 溶液に氷
冷下三フッ化硼素エーテル錯体(21.1ml) を滴下した。
得られた溶液を14時間室温で攪拌した。
【0142】反応液を氷水に加え、有機層を分離した。
得られた有機層を洗液が中性となるまで水洗し、飽和食
塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒
を減圧下溜去した。残渣をシリカゲルクルマトグラフィ
ーで分離し(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:3で溶
離)、化合物9−1を得た。 10.41g(43.4%)。
【0143】 [α]D 23=−15.7°(1.03g/dl,エタノール). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H),1.25(26
H) ,2.01(3H),2.04(3H),2.06(3H),2.09(3H),2.16
(3H),3,43-3.52(2H) ,3.68-3.76(2H) ,3.82-3.86(1
H) ,4.15(1H),4.26(1H),4.51(1H),4.99(1H),5.08
(1H),5.21(1H),5.78(1H).化合物9−2の合成 化合物9−1(9.34 g)のメタノール(120ml) 溶液に氷
冷下ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を5滴
加え、室温で2時間攪拌した。
【0144】得られた反応液に強酸性イオン交換樹脂
「Dowex 50x-8 」のH型を加えて中和した後樹脂を濾去
し、溶媒を減圧下溜去し、化合物9−2を無色粉末とし
て得た。6.68g(97.5%)。
【0145】化合物9−3の合成 化合物9−2(6.68g)のピリジン(100ml) 溶液に氷冷
下ジフェニル燐酸クロリド(3.90ml)を加え、室温で2
時間攪拌した。再び氷冷し、無水酢酸(20.5ml)を加
え、室温で21時間攪拌した。
【0146】得られた反応液を氷水に加え、有機層を分
離した。有機層を、洗液がpH=1となるまで2N塩酸で
洗い、さらに飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を減圧下溜去した。残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィーで分離し(n−ヘキサン:酢酸エ
チル=3:1で溶離)、化合物9−3を得た。5.43g
(45.8%)。
【0147】 [α]D 22=− 8.8°(1.00g/dl,エタノール). NMRスペクトル(CDCl3 ,δ):0.88(3H),1.24-1.3
0(26H),2.01(3H),2.02(3H),2.05(3H),2.11(3H),3.
30-3.37(1H) ,3.41-3.46(1H) ,3.64-3.76(2H) ,4.12
(1H),4.25(1H),4.38(1H),4.48(1H),4.92(1H),5.01
(1H),5.19(1H),6.07(1H),7.19-7.38(10H).化合物9−4の合成 化合物9−3(982mg) の酢酸エチル(70ml)溶液に酸化
白金触媒(52mg)を加え、常圧水素雰囲気下で15.5時間
攪拌した。触媒を濾去し、残渣にメタノール(20ml)を
加えて溶かし、氷冷下28%のナトリウムメトキシドメタ
ノール溶液を5滴加え、室温で 3.5時間攪拌した。
【0148】得られた反応液に強酸性イオン交換樹脂
「Dowex 50x-8 」のH型を加えて中和した後樹脂を濾去
し、溶媒を減圧下溜去した。残渣を水に溶かし、多孔性
樹脂「HP20」(三菱化成社製)を用いたカラムクロマ
トグラフィーで精製した(水からアセトニトリルへのグ
ラディエントにより溶離)。目的化合物を含む溶出画分
からアセトニトリルを減圧下溜去し、凍結乾燥して化合
物9−4を得た。 384mg(59.2%)。
【0149】 [α]D 22=− 6.2°(1.08g/dl,メタノール). NMRスペクトル(DMSO-d6 ,d):0.86(3H),1.20-1.2
9(24H),1.46(2H),2.05(2H),2.98(1H),3.09(1H),3.
14-3.21(1H) ,3.22-3.32(2H) ,3.69-3.72(2H) ,3.84
-3.90(1H) ,3.98-4.02(1H) ,4.15(1H),7.85(1H).実施例10 L−α−ジパルミトイルホスファチジルコリン50μmol
,コレステロール50μmol 及び実施例1で得られた化
合物1−11(2.5μmol)をクロロホルム及びメタノール混
液(容積比2:1)に溶かした。次に、窒素ガス気流中で有
機溶媒を除去して遠沈管のガラス壁にリピッドフィルム
を生成させた。ここに予め約45℃に加温した1mMイヌリ
ンのリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)5mlを加えて振盪
し、更に軽く超音波処理してリポソームの懸濁液を調製
した。
【0150】これを45〜60℃に加温し、次いで0.08μm
の孔径を有するポリカーボネート製メンブランフィルタ
ーを通過させ、粒径約0.08μm のリポソームの懸濁液を
調製した。次に、これを超遠心分離(104 ×g,1時
間,3回)し、上澄液を除去することによりリポソーム
に保持されなかったイヌリンを除去し、リン酸緩衝化生
理食塩水(pH7.4) を加え、全量3mlのリポソーム懸濁液
を得た。
【0151】実施例11 L−α−ジパルミトイルホスファチジルコリン70μmol
、コレステロール70μmol 及び実施例2で得られた化
合物2−7(3.5μmol)をクロロホルム及びメタノールの
混液(容積比2:1)に溶かした。次に、窒素ガス気流
中で有機溶媒を除去して遠沈管のガラス壁にリピッドフ
ィルムを生成させた。ここに予め約45℃に加温した1mM
イヌリンのリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)7mlを加え
て振盪し、更に軽く超音波処理してリポソームの懸濁液
を調製した。
【0152】これを45〜60℃に加温し、次いで0.08μm
の孔径を有するポリカーボネート製メンブランフィルタ
ーを通過させ、粒径約0.08μm のリポソームの懸濁液を
調製した。次に、これを超遠心分離(104 ×g,1時
間,3回)し、上澄液を除去することによりリポソーム
に保持されなかったイヌリンを除去し、リン酸緩衝化生
理食塩水(pH7.4) を加え、全量5mlのリポソーム懸濁液
を得た。
【0153】実施例12 実施例2で得られた化合物2−7(3.5μmol)の代わりに
実施例3で得られた化合物3−3(1.75μmol)を使用し
た以外は実施例11におけると同様に処理して、全量5ml
のリポソーム懸濁液を得た。
【0154】実施例13 実施例1で得られた化合物1−11(2.5μmol)の代わりに
実施例5で得られた化合物5−3(2.5μmol)を使用した
以外は実施例10におけると同様に処理して、全量3mlの
リポソーム懸濁液を得た。
【0155】実施例14 大豆 500mg,卵黄レシチン60mg及びグリセリン 125mgを
秤取し、注射用蒸留水5ml中に加えてホモジナイザーを
用いて粗乳化を行なった。これに実施例2で得られた化
合物2−7(1.3mg)を添加し、更に超音波処理して乳化
を行い、目的のリピッドマイクロスフェアー5mlを得
た。
【0156】試験例1 (イ) 試料 実施例10〜13において、1mMイヌリンの代わりに 3H−
イヌリン140 μCiを含有する1mMイヌリンを使用した
以外はそれぞれ実施例10〜13におけると同様に処理し
て、全量3mlおよび5mlのリポソーム懸濁液を得て、そ
れぞれ検体試料1〜4として用意した。なお、L−α−
ジパルミトイルホスファチジルコリンのコリン基をマー
カーとして酵素法により定量したところ、いずれの検体
試料も1ml当りリン脂質を10.0μmol 含有していた。
【0157】また、実施例11において、実施例2で得ら
れた化合物2−7の代わりにむジセチルリン酸を使用
し、且つ1mMイヌリンの代わりに 3H−イヌリン 140μ
Ciを含有する1mMイヌリンを使用した以外は実施例11
におけると同様に処理して、全量5mlのリポソーム懸濁
液を得て、対照試料1(コントロールリポソーム)とし
て用意した。なお、L−α−ジパルミトイルホスファチ
ジルコリンのコリン基をマーカーとして酵素法により定
量したところ、対照試料1は1ml当りリン脂質を9.1μm
ol を含有していた。
【0158】(ロ) 試験方法 用意した5種の試料をそれぞれSD系雄性ラット(体重
200〜290 g)の予め頸静脈内にカニュレーションして
おいたカニューレより体重 100g当りL−α−ジパルミ
トイルホスファチジルコリン及びコレステロールの合計
として 5μmolを注入した。
【0159】投与後30分、1時間、2時間、4時間、6
時間及び24時間後に上記カニューレより血液を約 0.2ml
採取し、遠心後血漿約 100μl をろ紙に採り、乾燥後燃
焼装置にて燃焼し、液体シンチレーション法によりその
放射活性を求めた。
【0160】また、24時間後にラットを屠殺し、肝臓及
びひ臓を各約 400mg、骨髄を約50mg採り、乾燥後燃焼装
置にて燃焼し、液体シンチレーション法によりその放射
活性を求め、組織−血漿間分配係数(以後Kp値と記す)
を次式に従って計算した。
【0161】
【数1】 (ハ) 結果 結果を図10および図11に示す。
【0162】図10は血漿中濃度の経時的変化を表すグラ
フであり、図中、白四角を連ねた線、白丸を連ねた線、
白三角を連ねた線、黒丸を連ねた線及び黒四角を連ねた
線はそれぞれ対照試料1、検体試料1、検体試料2、検
体試料3および検体試料4における結果を示す。
【0163】図11は臓器毎のKp値を示す棒グラフであ
り、図中、黒色のカラム、斜平行線を付したカラム、水
平平行線を付したカラム、白抜きのカラム及び灰色のカ
ラムはそれぞれ対照試料1、検体試料1、検体試料2、
検体試料3および検体試料4における結果を示す。
【0164】図10および図11より、本発明のリポソーム
が、コントロールリポソームに比較して高い血中濃度の
維持を可能にしており、更に肝臓、ひ臓及び骨髄でのKp
値が有意に低くなるところから、細網内皮系への捕捉が
されにくいことが判明した。
【0165】試験例2 (イ) 試料 試験例1で使用した検体試料1、検体試料2、検体試料
4および対照試料と同じ試料をそれぞれ本試験例の試料
として用意した。
【0166】(ロ) 試験方法 Wistar/S系雌性ラット(体重 100〜120 g)を使用し
て担癌ラットを用意した。すなわち、使用ラットの鼠頸
部皮下にWalker256 ラット乳癌細胞1×107 個/0.33ml
を移植し、6日後に試験に供した(腫瘍重量 4.0〜5.0
g)。
【0167】用意した4種の試料を上記担癌ラットの頸
静脈よりラット体重 100g当りL−α−ジパルミトイル
ホスファチジルコリン及びコレステロールの合計として
5μmol を注入した。
【0168】投与後30分、1時間、2時間、4時間及び
6時間後に頸静脈より血液を約 0.1ml採血し、遠心後血
漿約60μl をろ紙に採り、乾燥後燃焼装置にて燃焼し、
液体シンチレーション法によりその放射活性を測定し
て、血漿中濃度を求めた。
【0169】また、 6時間後にラットを屠殺し、腫瘍全
量を採り、乾燥後燃焼装置にて燃焼し、液体シンチレー
ション法によりその放射活性を求め、腫瘍1g当たりの
脂質濃度を求めた。
【0170】(ハ) 結果 結果を図12および表1に示す。
【0171】図12は血漿中濃度の経時的変化を表すグラ
フであり、図中、白丸を連ねた線、白四角を連ねた線、
黒三角を連ねた線及び黒丸を連ねた線はそれぞれ対照試
料、検体試料1、検体試料2、検体試料4における結果
を示す。
【0172】表1は6時間後における腫瘍1g当たりの
脂質濃度を示す。
【0173】
【表1】 図12及び表1より、本発明のリポソームはコントロール
リポソームに比較して高い血中濃度の維持を可能にして
おり、更に癌組織への移行を高めていることが判明し
た。
【0174】
【発明の効果】工業的に大量生産可能な物質を使用して
製造され、しかも肝臓、ひ臓等の細網内皮系に捕捉され
にくく、血液中での薬物濃度を長時間維持することので
きるリポソーム等の微粒子キャリヤーが求められていた
ところ、本発明によりかかる微粒子キャリヤーの提供が
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1〜9】それぞれ実施例1〜9に対応して示される
製造工程図である。
【図10】試験例1における、血漿中濃度の経時的変化
を表すグラフである。
【図11】試験例1における、臓器毎のKp値を示す棒グ
ラフである。
【図12】試験例2における、血中濃度の経時的変化を
表す棒グラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1a】実施例1に対応して示される製造工程図であ
る。
【図1b】実施例1に対応して示される製造工程図であ
る。
【図2a】実施例2に対応して示される製造工程図であ
る。
【図2b】実施例2に対応して示される製造工程図であ
る。
【図3】実施例3に対応して示される製造工程図であ
る。
【図4】実施例4に対応して示される製造工程図であ
る。
【図5】実施例5に対応して示される製造工程図であ
る。
【図6a】実施例6に対応して示される製造工程図であ
る。
【図6b】実施例6に対応して示される製造工程図であ
る。
【図7a】実施例7に対応して示される製造工程図であ
る。
【図7b】実施例7に対応して示される製造工程図であ
る。
【図7c】実施例7に対応して示される製造工程図であ
る。
【図7d】実施例7に対応して示される製造工程図であ
る。
【図8a】実施例8に対応して示される製造工程図であ
る。
【図8b】実施例8に対応して示される製造工程図であ
る。
【図9a】実施例9に対応して示される製造工程図であ
る。
【図9b】実施例9に対応して示される製造工程図であ
る。
【図10】試験例1における、血漿中濃度の経時的変化
を表すグラフである。
【図11】試験例1における、臓器毎のKp値を示す棒グ
ラフである。
【図12】試験例2における、血中濃度の経時的変化を
表す棒グラフである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図11】
【図2b】
【図9a】
【図3】
【図9b】
【図4】
【図10】
【図12】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7c】
【図7a】
【図7b】
【図7d】
【図8a】
【図8b】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)よって示される酸性糖
    脂質。 【化1】 ただし、一般式(I)中、Xは同一であっても異なって
    もよいが下記一般式(II)又は一般式(III)を意味し、 【化2】 (一般式(II)及び(III) において、R1 、R2 、R3
    びR4 は独立にH、SO3 Q又はPO3 2 を表すが、
    1 、R2 、R3 及びR4 のうちいずれか1個以上はS
    3 Q又はPO3 2 であり(ここにQはH、アルカリ
    金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを意味す
    る。)、他はHであり、そしてZは炭素数が2〜8のア
    ルキレン基を表す。)Gluはグルタミン酸残基を示
    し、nは0〜2の整数を表わし、Yは下記一般式(IV)
    を表わし、 Cm 2m+1CO− (IV) (一般式(IV)中、mは11〜19の整数を表わす。)そし
    て、各結合手は酸アミド結合を表わす。
  2. 【請求項2】 (Glu)n が下記式 (V) によって示
    される請求項1記載の酸性糖脂質。 【化3】
  3. 【請求項3】 GluがL−グルタミン酸残基である請
    求項1又は2記載の酸性糖脂質。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の酸性糖脂質が配合されて
    いることを特徴とする微粒子キャリヤー。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の酸性糖脂質であって(G
    lu)n が下記式(V)によって示されるものが配合さ
    れている請求項4記載の微粒子キャリヤー。 【化4】
  6. 【請求項6】 GluがL−グルタミン酸残基である請
    求項4又は5記載の微粒子キャリヤー。
  7. 【請求項7】 微粒子キャリヤーがリポソームである請
    求項4から6のいずれかに記載の微粒子キャリヤー。
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