JPH11514992A - 変性エーテルグリセログリコ脂質 - Google Patents

変性エーテルグリセログリコ脂質

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JPH11514992A
JPH11514992A JP9513701A JP51370197A JPH11514992A JP H11514992 A JPH11514992 A JP H11514992A JP 9513701 A JP9513701 A JP 9513701A JP 51370197 A JP51370197 A JP 51370197A JP H11514992 A JPH11514992 A JP H11514992A
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ビットマン,ロバート
エルクラ,ラヴィ,ケイ
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ザ リポソーム カンパニー、インコーポレーテッド
ザ リサーチ ファウンデーション オブ ザ シティ ユニバーシティ オブ ニューヨーク
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Abstract

(57)【要約】 この発明は、1)グリセロール骨格を有し;2)好ましくは飽和で16または18の炭素原子を有し、エーテル結合により前記骨格のC−1に結合している炭化水素鎖を有し;3)前記骨格のC−2に、好ましくはエーテル結合により結合しているメチル基を有し;そして4)グリセロール骨格のC−3に結合したアルファもしくはベータアノマー構造の糖を有し、該糖はその水酸基の1もしくはそれ以上の変換または置換により変性されている;脂質を提供する。また、エーテル脂質含有組成物、およびこのような組成物を動物、例えば癌に侵されていたり、他の種々の病気および障害に罹っている動物に投与する方法を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 変性エーテルグリセログリコ脂質 発明の分野 本発明は、変性エーテルグリセログリコ脂質、これらの化合物を含有する組成 物、および癌やその他各種の病気や障害を患っている動物を治療するために上記 化合物および組成物を投与する方法に関する。発明の背景 エーテル脂質は、分子骨格に炭化水素が結合したエーテル結合を有する両親媒 性脂質であり、血小板活性化因子(PAF;1−O−2−アセチル−sn−グリ セロ−3−ホスホコリン)の合成類似体である。PAFは、炎症,免疫応答,ア レルギー反応等の種々の生理学的工程に関与する作動体と考えられている。 エーテル脂質は細胞膜に蓄積することがあり、蓄積した脂質は続いて種々の方 法で細胞に影響を及ぼす。細胞膜への蓄積に伴って、エーテル脂質の洗剤様活性 により膜脂質の組織化を妨害するようになり、この活性により膜構造の安定性、 ひいては細胞の安定性を損なうおそれがある。また、例えばCTP:ホスホコリ ンシチジルトランスフェラーゼ,ホスホコリン,シチジル転移酵素,ジアシルグ リセロールキナーゼ,アデノシン三リン酸ナトリウム/カリウムホスファターゼ ,アシル転移酵素,リソホスホリパーゼおよびホスホリパーゼCとD等の数種の 酵素活性がエーテル脂質の存在で阻害され、それによりリン脂質代謝が損なわれ る。また、エーテル脂質は、膜貫通(トランスメンブラン)伝達経路,栄養の摂 取,細胞の分化および自然死(apoptpsis)に影響を及ぼす。 さらに、エーテル脂質は、癌細胞に対して細胞毒性を有すると考えられており 、動物の抗癌剤として有効であることが示されてきた(例えば、Lohmeyer&Bitt man,1994;Lu等(1994a);Lu等(1994b);Dietzfelbinger等(1993);Zeisig等(19 93);Berdel(1991);Wolkman(1991);Workman等(1991);Bazill&Dexter(1990) ;Berdel(1990);Guivisdalsky等(1990a);Guivisdalsky等(1990b);Powis等(19 90);Layton等(1980);英国特許第1,583,661 号明細書;米国特許第3,752,886 号明細書参照)。しかし、エーテル脂質は一般に正常な細胞には毒性をもたらさ ない。 癌細胞に選択的に作用するエーテル脂質の能力は、癌細胞が脂質の加水分解に必 要なアルキル切断酵素を欠如していることに起因するものと考えられる;その結 果細胞内に脂質が蓄積することにより様々な方法で細胞の機能を損なうことがあ るのである。正常な典型的な細胞にはこれらの酵素があり、それ故に細胞内での 蓄積が防止される。 しかしながら、細胞内でのエーテル脂質の蓄積を防止するに十分な量のアルキ ル切断酵素を全ての正常な細胞が含有している訳ではない。上記酵素を必要量含 有してない細胞は癌細胞と同様にエーテル脂質の作用による崩壊作用を受けるこ とになる。したがって、例えば必要なアルキル切断酵素を欠如している赤血球細 胞もまた、エーテル脂質の洗剤様活性を受ける。これらの細胞が洗剤様活性を有 するエーテル脂質に露呈された結果生じる溶血は、エーテル脂質を治療目的に使 用する際の大きな障害となる(例えば、Houlihan等,1995参照)。 上記薬剤に誘発される毒性を軽減または零にするために、多くの異なったアプ ローチが潜在的に有効である。かかるアプローチの1つに、脂質をベースとした 例えばリポソーム等の担体に薬剤を混合する方法がある。例えば、誘発される毒 性を薬剤が無効とするよう薬剤を担体に結合させることにより、上記担体は薬剤 の毒性を緩和することができる。また、細胞障害効果を発揮する標的細胞と薬剤 自体との相互作用を回避できるよう、脂質担体と薬剤とをまず相互作用させるこ とによって、脂質担体は薬剤に誘発される毒性を緩和することができる。さらに 、薬剤が担体から放出されるとき、例えば腫瘍の周辺で担体が分解されるときに 、担体は薬剤の治療効果能を維持する。 本発明は、脂質のリン酸塩をベースとした頭部基が、糖類自体が1またはそれ 以上の水酸基の置換により変性された糖類で置換された、エーテル脂質を提供す ることにあり、本出願人は上記エーテル脂質の変性により変性されたエーテル脂 質が有益な抗癌作用をもたらすことを見出した。O−およびS−結合グルコース やエデルホシン(edelfosine)のホスホリルコリン基を置換したマルトース等の ある種のエーテル脂質同族体がこれまでの先行技術として知られている。しかし 、これらの同族体は、いずれも1またはそれ以上の水酸基の置換により変性され た糖類を含有してない。 発明の概要 本発明のエーテル脂質は、ポリオール骨格,炭化水素鎖,メチル基および変性 された糖類基を含有する両親媒性の脂質分子である。このエーテル脂質は下記の 構造式を有する。 エーテル結合を介してポリオールに結合する炭化水素は、本明細書ではR1で 表示され、式Y12で示される基である。ここで、Y1は基−(CH2)n1(CH= CH)n2(CH2)n3(CH=CH)n4(CH2)n5(CH=CH)n6(CH2)n7(CH=C H)n8(CH2)n9−であり、Y2はCH3,COOHまたはOHである。炭化水素は 飽和のものが好ましく、Y1が−C(O)(CH2)n1であり、Y2がCH3であること がそれぞれ好ましい。現時点では、炭化水素は−C(O)(CH2)16CH3であるこ とが最も好ましい。メチル基は本明細書ではR2で表示される結合を介してポリ オールに結合し、R2はO,S,NHまたは−NH(CO)−である。R2はOであ ることが最も好ましい。したがって、グリセロールをベースとする本発明のエー テル脂質は、sn−2位にメトキシ基を有することが好ましい。本明細書ではR3 で表示されポリオールに結合する変性された糖類は、下記の式で表される。 上記式において、X2,X3,X4,X5,X6およびX7は、HまたはOHあるいは これらの基の1つが置換したもののいずれかである。X8がCH2OHである場合 、すなわち6位の炭素がOH以外の基で変性される場合は、X2,X3,X4,X5 ,X6およびX7のうちの2個以下がOHであり、かつX2/X3,X4/X5および X6/X7のうちの2個以下がH/OHまたはOH/Hである。また、X8が基O C(O)X10 である場合は、X2,X3,X4,X5,X6およびX7のうちの3個以下がOHで あり、かつX2/X3,X4/X5およびX6/X7のうちの3個以下がH/OHまた はOH/Hである。 エーテル脂質は、抗癌剤として有効であることが知られており、炎症や病原菌 の感染等により特徴づけられる他の種々の病気または障害に対しても有益な治療 効果を発揮する。しかも、エーテル脂質は殆どの正常な細胞に対して比較的不活 性である。特定の標的細胞に選択的に細胞障害をもたらすエーテル脂質の能力は 、標的細胞が脂質の加水分解に必要なアルキル切断酵素を欠如していることに起 因するものと考えられる。正常な代表的な細胞は細胞内でのエーテル脂質の蓄積 を防止するに十分な量の上記酵素を含有するが、一方一般に癌細胞は上記酵素を 含有してない。しかし、例えば赤血球細胞等の正常な細胞は、毒性を生じるレベ ルにまで細胞内にエーテル脂質が蓄積するのを防止するに必要とされるアルキル 切断酵素量を必ずしも十分に有してない。したがって、エーテル脂質は上記細胞 に対して同様に細胞障害をもたらす。このような事情から、エーテル脂質が細胞 膜に移行できないよう、エーテル脂質を脂質ベースの担体と混合し一体化する。 それでもやはり、エーテル脂質は、担体内で治療効果のある形態に保持され、担 体から放出されると所定の標的に作用する。 図面の簡単な説明 図1は、2′−デオキシ−β−D−アラビノピラノシルおよび2−O−メチル −β−D−グルコピラノシル変性エーテルグリセログリコ脂質の反応式を示す。 a:トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート/ジクロロメタン/3オ ングストロームのモレキュラーシーブ/−78℃/10分、b:NH3−MeO H、c:NaH/DMF/MeI、d:Pd−C/1:1 THF−AcOH、 e:CS2/NaH/イミダゾール/MeI、f:ジ−n−ブチル酸化錫/トル エン。 発明の詳細な説明 本発明は下記の一般式で表されるエーテル脂質を提供する。 一般式において、R1は基Y12である。Y1は式−(CH2)n1(CH=CH)n2( CH2)n3(CH=CH)n4(CH2)n5(CH=CH)n6(CH2)n7(CH=CH)n8(C H2)n9−で示される基である。このようなエーテル脂質はsn−1位に炭化水素 鎖を有するグリセロールベースの脂質であり、炭化水素鎖はエーテル結合により グリセロール骨格に結合している。 n1+2n2+n3+2n4+n5+2n6+n7+2n8+n9の和は3〜23の整 数であって、n1は0または1〜23の整数であり、n3は0または1〜20の整 数であり、n5は0または1〜17の整数であり、n7は0または1〜14の整数 であり、n9は0または1〜11の整数である。n2,n4,n6およびn8は各々 独立して0または1である。炭化水素は不飽和のアルキル鎖であることが好まし い。したがって、n2,n4,n6およびn8は各々0で、n3,n5,n7およびn9 も各々0であり、Y1が基−C(O)(CH2)n1であることが好ましい。これとは別 に、Y1は不飽和であってもよく、すなわち1またはそれ以上の二重結合を有し ていてもよい。したがって、その場合n2、n4、n6およびn8の少なくとも1つ は1である。例えば不飽和炭化水素が1つの二重結合を有する場合、n2は1で 、n4,n6およびn8は0であり、そのときY1は−C(O)(CH2)n1CH=CH( CH2)n3..である。 Y2はCH3,CO2HまたはOHであり、メチル基が好ましい。したがって、 R1は基−C(O)(CH2)n1CH3であることが好ましい。より好ましいR1は−C (O)(CH2)17CH3である。 本発明のエーテル脂質はまた、R2で表示される結合、すなわちO,S,NH ,−NHCO−または−OC(O)−結合を介してグリセロール骨格に結合するメ チル基を含有する。R2はOであることが好ましい。したがって、グリセロール をベースとする本発明のエーテル脂質は、sn−2位にメトキシ基を有すること が好まし い。 グリセロール骨核における3位の炭素に結合する糖類は、下記の式で表される 。 かかる糖類はα型またはβ型のいずれのアノマーであってもよい。 糖類は、通常X2/X3,X4/X5およびX6/X7対を有し、その一方は水素で 、他方は水酸基である。例えばグルコースは、X2がHでX3がOH、X4がOH でX5がHであり、X6がHでX7がOHである。マンノースでは、X2がOHでX3 がH、X4がOHでX5がHであり、X6がHでX7がOHである。X8はかかる糖 類において通常CH2OHである。本発明は、脂質の頭部基が1またはそれ以上 の糖水酸基の変更ないし置換により変性された糖類基であるエーテル脂質を提供 する。X8がCH2OHである場合、すなわち6位の炭素がOH以外で基が変性さ れる場合は、X2,X3,X4,X5,X6およびX7のうちの2個以下が水酸基であ り、かつX2/X3,X4/X5およびX6/X7のうちの2個以下はH/OHまたは OH/Hである。また、X8が基−OC(O)X10である場合は、X2,X3,X4, X5,X6およびX7のうちの3個以下が水酸基であり、かつX2/X3,X4/X5 およびX6/X7のうちの3個以下がH/OHまたはOH/Hである。 本発明の実施の態様に従えば、糖分子の変性は、1)糖水酸基を変性または置 換することができ;2)水酸基で変性されてない糖におけるsn−3位に同じ糖 残基を有する対応した脂質の増殖阻害活性と比較して、変性された糖含有のエー テル脂質が細胞増殖阻害活性を高めることのできる、原子または原子団であれば いかなるものでもよい。かかる変性の例としては、特に限定されるものではない が、糖水酸基をH,NH2,NHCH3,NH(CH3)2,OCH3,NHC(O)C H3,F,Cl,Br,I,−OP(O)3 3-および−OSO3 2-に変換したもの が挙げられる。変性された糖が塩形態の場合に存在する対向イオンとしては、例 えば糖を変性するリン 酸塩や硫酸塩等の基と結合して通常用いられるイオンが挙げられる。 本明細書に記載されているように、本発明が教示された当業者にとって周知の 技術により、糖分子中の水酸基を変性することができる。また、本発明が教示さ れた当業者にとって周知の手段により、異なる化合物間の抗癌活性を比較するこ とができる。これらには、例えば後述の実施例18に記載のようなインビトロで の増殖阻害アッセイが含まれる。簡単に述べると、癌細胞等の細胞は培養液中で 増殖し、試験に供すべき化合物を培養液に添加する。次いで、培養液中で例えば 5%,10%または50%といったある一定の割合の増殖阻害効果を達成するに 要する化合物濃度(対照培養液と比較)を測定し、比較する。より低濃度の培養 液中で同レベルの増殖を阻害する化合物は、より効果の大きい増殖阻害剤である 。これとは別に、例えば免疫不全マウス等の好適な実験動物に腫瘍をまず形成し 、該動物にエーテル脂質を投与した後、動物における腫瘍の増殖阻害効果とその 生存率を求めることによって、エーテル脂質の抗癌活性をインビボで試験するこ とができる。上記インビトロまたはインビボでの試験に好適な細胞としては、特 に限定されるものではないが、ネズミのP388白血病,B16黒色腫およびル イス肺癌の各細胞;ヒトMCF7,卵巣OVCAR−3およびA549肺癌の各 細胞;かかる試験分野に一般に許容し得る細胞等が挙げられる。 糖類は、本明細書ではX2,X3,X4,X5,X6またはX7で表示されるいかな る位置の水酸基が変性されてもよく、また未変性のときCH2OHであるX8の水 酸基を変性することもできる。X4、X5、X6、X7またはX8の少なくとも1つ が変更されるならば、各X2およびX3は元の糖から未変更のままでよい;X2お よびX3の一方が水素であるならば、他方は水酸基である。これとは別に、X2ま たはX3が水酸基である場合、本明細書に記載のように、これを変更して変性さ れた糖含有のエーテル脂質とすることができる;そのとき、X2およびX3を例え ばH,NH2,NHCH3,NH(CH3)2,OCH3,NHC(O)CH3,Fまたは Clとすることができる。各X4およびX5は元の糖から未変更のままでよく、そ の場合一方が水素であるならば他方は水酸基である。これとは別に、X4または X5が水酸基である場合はこれを変更して、X4またはX5をNH2、NHCH3ま たはN(CH3)2、OPO3 3- またはOSO3 2-とすることができる。これらは限定されるものではないが、 特にナトリウムおよびカリウムイオンを包含している。各X6およびX7も未変性 であることもできる。糖が単糖類の場合、X6およびX7の一方が水素であり、他 方は水酸基である。また、糖が二糖類の場合、X6およびX7の一方は水素であり 、他方は式−OX9で示される基である。ここで、X9は、追加の糖分子すなわち テトロース,ペントース,ヘキソースまたはヘプトース糖であり、酸素原子を介 してX6またはX7に結合する。このように、二糖類は、酸素を介してX6とまた は酸素を介してX7と結合する糖を更に有する。また、この追加の糖の1または それ以上の水酸基も、本発明の実施の態様に従って変性することができる。X8 は、6位が変性されてない糖類の場合にはCH2OHであり、またその位置が変 性されている場合には式−OC(O)X10で示される基であり、このときX10はH ,CH3または前述の式Y12で示される基である。本発明の好ましい態様にお いては、X1=O、X4=OH、X5=H、X6=H、X7=OHおよびX8=CH2 OHである。また、X2がHのときX3はH、NH2または−OCH3であることが 好ましく、またX3がHのときX2はHまたは−OCH3であることが好ましい。 本発明のエーテル脂質は、糖分子の特定の基を変性するため本発明の教示に基 き当業者が容易に実施できる多くの手段により、製造することができる。一般に は、エーテル脂質の出発材料は、通常グリセロール骨格の3位にホスホリルコリ ン基を有するエーテル脂質の形態で、好適かつ有用なグルコース供与体(後記の 方法により製造できる)を用いてグリコシル化される。次いで、糖水酸基は、通 常未置換基の保護/脱保護を含む公知の手段により変性され、所望の官能基に置 換される。 例えば、D−マンニトールから合成されるか(Baver 等,1991参照)、あるい はルイス酸触媒(BF3−Et2O)下での(R)−グリシジル芳香族スルホネート と1−ヘキサデカノールとのレジオ選択的開環反応(Guivisdalsky等,1991参照 )により合成される1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−sn−グリセロー ルをグリコシル化して、1−O−ヘキサデシル−3−O−保護−sn−グリセロ ールを得ることができる。この3−O−sn−保護のグリセロールは、例えばシ リカの存在下にジアゾメタンでメチル化され、続いて脱保護されて1−O−ヘキ サデシル−2− O−メチル−sn−グリセロールを得ることができる。あるいは、当業者ならば 、例えば0℃のt−ブタノール−水混合液中のAD−ミックスアルファ等のキラ ルフタラジン配位子を用いるアリルp−メトキシフェニルエーテルの不斉ジヒド ロキシ化反応に基づく合成式に倣って、3−O−(p−メトキシフェニル)−s n−グリセロール(I;Vilcheze&Bittman,1994およびByun等,1994参照)を容 易に得ることができる。フッ化セシウムの存在下に1,2−O−スタニリデンを 経て、DMF中での1−ブロモヘキサデカンによるIの選択的モノアルキル化反 応(Nagashima等,1987参照)により、sn−1−O−ヘキサデシル(II)および sn−2−O−ヘキサデシルグリセロールの混合物が得られる。これら2つの異 性体をクロマトグラフィで分離した後、化合物(II)をMeI−NaH−DMFで 処理してメチル化する;この3−O−(p−メトキシフェニル)基を水性アセト ニトリル中の硝酸アンモニウム(IV)セリウムで脱離し、1−O−ヘキサデシル −2−O−メチル−グリセロールを得る。 単糖類残基の2′−デオキシまたは2′−O−アルキル基のいずれかを有する 同族体の合成では、一般にグリコシル供与体のC−3,C−4およびC−6保護 基よりC−2グリコシド保護基が優先的に脱保護され、しかも2′−O−アルキ ル化と脱酸素反応を受けにくいことが条件となる。2−O−アセチル−3,4, 6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノシルトリクロロアセトイミ デートおよび2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D −マンノピラノシルトリクロロアセトイミデートは、これらの条件に合致してお り、例えば各々そのベンジル化された1,2−オルトエステルから製造すること ができる。例えば2′−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α, β−D−グルコピラノシルトリクロロアセトイミデートの合成法について簡単に 述べると、ベンジル化された1,2−オルトエステルを氷酢酸中でアセチル化し て(Boren等,1973;Lemieux等,1956 およびTrumtel等,1989参照)、1′,2 ′−トランス−ジ−O−アセテートを合成し、次いでその1−アセテート部分を DMF中の酢酸ヒドラジン塩で選択的に除去し、水性液で処理した後にヘミアセ タールが定量的に得られる。このヘミアセタールをジクロロメタン中のトリクロ ロアセトニトリル−炭酸カリウム で処理した後、フラッシュクロマトグラフィで精製すると、2−O−アセチル− 3,4,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノシルトリクロロア セトイミデート異性体のアノマー混合物が得られる。2−O−アセチル−3,4 ,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−マンノピラノシルトリクロロアセトイ ミデートについては、ベンジル化された1,2−オルトエステルを室温で一般的 には約25℃で約6時間ほど酢酸で加水分解した後、得られたヘミアセタールを ジクロロメタン中のトリクロロアセトニトリル−炭酸カリウムで処理することよ り合成される。 エーテル脂質に結合した単糖類のC−2′位の官能基化は、例えば図1に図示 され以下に述べる反応式に従って実施することができる。これについて簡単に述 べると、1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−O−アセチ ル−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−s n−グリセロールおよび1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2 ′−O−アセチル−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピ ラノシル)−sn−グリセロールにおける2−O−アセチル基をNH3/MeO Hアミノ化により定量的に除去し、次いで2′位の水酸基をNaH−DMF−M eIでメチル化すると、それぞれ1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3− O−(2′−O−メチル−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−β−D−グ ルコピラノシル)−sn−グリセロールまたは1−O−ヘキサデシル−2−O− メチル−3−O−(2′−O−メチル−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル −α−D−マンノピラノシル)−sn−グリセロールが得られる。その後、加圧 (balloon pressure)水素下にPd−Cを含むTHF−酢酸の1:1混合液でO −ベンジル保護基を脱離すると、2−O−メチル−β−D−グルコピラノシルお よび2−O−メチル−α−D−マンノピラノシルのエーテル脂質が得られる。な お、低分子量の不純物は、例えばメタノールを用いた親油性のセファデックス( Sephadex)LH−20での濾過により、上記化合物から除去することができる。 さらに、有用な合成技術として、カルビノールの脱酸素化方法に通常採用され ている遊離キサンテート還元法がある。例えば、アルコールをテトラヒドロフラ ン(THF)中で水素化ナトリウム,二硫化炭素および触媒量のイミダゾールで 処理 し、続いてMeIと反応させることにより、アルコールを対応するキサンテート に転化することができる。そして、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の 存在下にジブチル酸化錫で遊離還元(Barton等,1975およびHartwig等,1983参 照)することにより、キサンテートを対応する2′−デオキシ−グリコシドに転 化することができる。還元反応の終了はNMR分光分析器により確認することが できる。糖分子における水酸基の変性に関する上述の反応および合成式の内容は 、本明細書に具体的に言及されている。 さらに、本発明は、上述のエーテル脂質からなる組成物を提供する。本発明の 組成物は、好ましくは、動物への活性成分の投与に関連して一般的に使用される 薬学的に許容し得る媒質からなり、当業者の理解し得る範囲内で多くの条件を考 慮して製剤化される。これらの条件には、特に限定されるものではないが、使用 する個々の活性成分,その濃度,安定性および予定される生物利用性、病気の種 類,障害または組成物を用いて治療するときの症状、患者,その年齢,身長と体 重および一般的な症状、施される組成物の投与経路等がある(例えば、J.G.Nair n: Remington's Pharmaceutical Science(A.Ge-nnaro,ed.),Mack Publishing Co .,Easton,PA,(1985),pp 1492-1517 参照、その内容はここに言及している) 。薬学的に許容し得る媒質としては、特に限定されるものではないが、丸剤,カ プセル,錠剤等の固形物、ゲル、賦形剤、水溶液または非水性溶液などが挙げら れる。母体となる薬剤の投与に用いられる代表的な薬学的に許容し得る媒質には 、例えばD5W,5重量%/容量のデキストロースを含有する水溶液,生理食塩 水等がある。 提供されるエーテル脂質含有の組成物はまた、エーテル脂質と会合する脂質担 体を含有することが好ましい。「脂質担体」は、動物への投与に好適な疎水性ま たは両親媒性の分子であり、特に限定されるものではないが、脂肪酸,リン脂質 ,ミセル,リポ蛋白,非リポソーム性脂質ベースの錯体,リポソーム等を包含す る。中でも、脂質担体は、1またはそれ以上の二重層(bilayer)の脂質分子から なり、水性区画を各二重層により取り囲むリポソームが好ましい。脂質の二重層 を形成する両親媒性の脂質分子は、極性(親水性)の頭部基と無極性(疎水性) の炭化水素鎖からなる。極性の基としては、ホスフェート基,サルフェート基, 窒素ベースの基な どを挙げることができるが、ホスホリルコリン,ホスホリルエタノールアミン, ホスホリルセリン,ホスホリルグリセロール,ホスホリルイノシトール等のホス フェート基が好ましい。炭化水素鎖は、一般に12〜24の炭素原子からなり、 飽和のもの(例えば、ミリスチン酸,ラウリン酸,パルミチン酸,ステアリン酸 )であっても、不飽和のもの(例えば、オレイン酸,リノレン酸,アラキドン酸 )でもよい。また、リポソーム性の二重層としては、コレステロール,他の脂質 ,非脂質分子等のステロール類を挙げることができる。 エーテル脂質と脂質担体との間の「会合」は、多くの因子、例えば水雰囲気の 疎水性分子間に作用するものとして一般に知られているファンデルワールカ等に より影響を受ける。上記会合の安定性を測定する手段としては、例えば脂質担体 がリン脂質からなる場合にリンを回収することが可能なエーテル脂質の割合を求 める方法がよく知られており、本発明が教示された当業者により容易に実施され 得る。 脂質担体をベースとする製剤は、例えば意図する治療作用の箇所に到達するエ ーテル脂質−脂質担体間の会合量を増加させることにより、治療効能を維持また は高めながら毒性を引き起こす脂質の潜在能を緩和することよって、会合したエ ーテル脂質の治療指数を高めることができる。その好ましい手段としては、会合 物の投与された動物の血液循環系にエーテル脂質−脂質担体間の会合物が留まる 時間を延長することが挙げられる。癌治療の場合には、例えば血液循環系の半減 時間を延長することでより多くの投与物質を腫瘍に到達させることができ、周囲 の組織と比べて高められた量の血管(vasculature)を形成する傾向にある。ま た、この血管は健康な組織に見出されるものより漏れやすく、会合したエーテル 脂質−脂質担体が漏れ出しを容易に腫瘍組織の周辺に到達できることを意味する 。 エーテル脂質−脂質担体を血液循環系に高める好ましい手段は、「頭部基変性 脂質」を脂質担体と混合して一体化することである。例えばホスファチジルエタ ノールアミン(PE’s)等の頭部基変性脂質は、一般に例えばコハク酸やグル タール酸等のジカルボン酸成分を結合させることにより誘導される極性基を含有 し、このものは担体への血漿蛋白の結合を阻害して担体の薬物動体学的挙動を変 更する(例えば、Blume 等,Biochim.Biophy.Acta 1149:180(1993); Gabizon等 ,Pharm.Res.1 0 (5):703(1993);Park等,Biochim.Biophy.Acta 1108:257(1992); Woodle等,米国 特許第5,013,556号明細書、Allen等,米国特許第4,837,028号および同第4,920,01 6号明細書参照、その内容はここに言及している)。頭部基変性脂質を脂質担体 と一体化する量は、本発明が教示された当業者にとってよく知られているかある いは過度の実験を行うことなく当業者が決定できる範囲内の多くの因子に一般に 依存する。これらの因子としては、限定されるものではないが、脂質のタイプ, 頭部基変性のタイプ、担体のタイプとサイズ、意図する治療への製剤の使用法等 が挙げられる。典型的には、頭部基変性脂質含有の脂質担体中における約5〜約 20モル%の脂質が頭部基変性脂質である。 さらに、本発明は、前述のエーテル脂質含有組成物を動物に投与することを包 含する動物へのエーテル脂質の投与方法を提供する。動物はヒトであることが好 ましく、投与は静脈投与が好ましいが、一般に治療剤を動物に投与する際に許容 し得る他のいかなる手段であってもよい。本発明のエーテル脂質含有組成物は、 次の病気に限定されるものではないが、癌,炎症,感染症等の様々な病気や障害 の危険にさらされているかあるいは現に患っている動物に、予防的にまたは治療 目的をもって投与することができる。 癌、例えば脳,乳房,肺,結腸,卵巣,前立腺,肝臓または胃癌や、カルチノ ーマ,サルコーマ(肉腫),メラノーマ(黒色腫)は、本発明のエーテル脂質含 有組成物により治療することができる。上記組成物は、薬剤耐性の癌、すなわち 例えば癌の治療にしばしば用いられるアドリアマイシン等の1種またはそれ以上 の薬剤に耐性を有する癌の形態の治療に特に有用である。癌の治療に用いられる 組成物は、エーテル脂質に加えて脂質担体、より好ましくはリポソームを含有す ることが好ましい。リポソームは、平均直径が約100nm〜約200nmの範 囲にあるユニラメラリポソームであることが最も好ましい。 本発明の実施の態様に従って、癌治療を受ける動物に抗癌効果のある量のエー テル脂質が与えられる。エーテル脂質の「抗癌効果のある量」(抗癌有効量)と は、癌の確立,増殖,転移または侵食を好転させる,小さくする,阻害するまた は防止するに効果のあるエーテル脂質量であればどのような量でもよい。一般に 、抗癌効 果のあるエーテル脂質量は、エーテル脂質含有組成物が投与される動物の体重1 kg当たり少なくとも0.1mgのエーテル脂質である。典型的な例を示すと、 抗癌効果のあるエーテル脂質量は、約0.1mg〜約1000mg/kg(動物 の体重)である。抗癌有効量は、脂質が約1mg〜約200mg/kgの範囲に あることが好ましい。本発明が教示された当業者にとって周知であり容易に実施 できる多くの因子、例えば癌治療を受ける患者の年齢,身長と体重および一般的 な症状、治療されるべき癌、施される脂質の投与経路等に応じて、エーテル脂質 の用量が上記範囲内で選択される。 エーテル脂質治療と共に各種の許容し得る化学療法を併用してもよい。エーテ ル脂質治療には、適当な時間に区切った抗癌有効量の投与や抗癌有効量の繰り返 し投与があり、各々適当な時間毎に分けて投薬を行うことが含まれる。また、本 発明の実施の態様に従って、エーテル脂質の投与と一緒にまたは別々に更に組成 物と同じ成分または異なった組成物に生物活性剤を追加して、すなわちエーテル 脂質と併用して生物活性剤を動物に投与することができる。「生物活性剤」は、 インビトロでまたは動物に投与した時、動物細胞に対して生物学的活性を有する 化合物または組成物である。生物活性剤は治療および/または診断作用を有する 。このような剤には、限定されるものではないが、抗菌物質,消炎症剤,抗癌剤 の他に、放射線剤,酵素、同位体,染料等がある。 以下の実施例から本発明が更によく理解されるであろう。しかし、当業者なら ば、実施例は末尾に記載の特許請求の範囲に定める本発明を単に説明するすぎな いことが容易に理解できるであろう。 実施例 実施例1材料および方法 反応の進行を監視するために、0.25mm厚のシリカゲルGF製のTLCプ レート(Analtech社,Newark,DE)を用い、10%硫酸−エタノール液での炭化お よび/または短波長の紫外線によりプレートを視覚化した。エ・メルク社のシリ カゲル60(ASTM:230〜400メッシュ)を用いて、フラッシュクロマ トグラフ ィ(Aldrich社 から購入)を行い、特に言及しない限り他の場合も同様に行った 。CDCl3溶液中での1H NMRスペクトルをそれぞれ200MHzと400. 13MHzでIBM−Bruker WP−200およびAMX−400分光計 に記録した。化学的シフトは内標準としてのテトラメチルシランに基づいてpp m単位である。13C−NMRスペクトルをそれぞれ75MHzと100.57 M Hzで記録した。CDCl3の中心線を77.0ppmに決めて13Cの化学的シフ トを行う。JASCO DIP−140 デジタル旋光計を用い、パス長1dmの セル中で旋光度を20±2°で測定した。特に言及しない限りクロロホルム溶剤 中の1%溶液を用いた。融点は補正していない。 塩化トリチルをアドリッチ社から入手した。塩化亜鉛をフルカ(Fluka)社か ら入手した。ジクロロメタンを五酸化リンで乾燥し、使用直前に蒸留するか、あ るいは水素化カルシウムと共に還流して使用前に正の窒素圧雰囲気で蒸留した。 テトラヒドロフランをナトリウムベンゾフェノンと共に還流し、使用前に蒸留し た。メタノールをMg(OMe)2と共に還流し、使用前に蒸留した。トルエン を蒸留し、その後使用前に水素化カルシウムから再蒸留した。無水のN,N−ジ メチルホルムアミド(DMF)をジャンセン・キミカ(Janssen Chimica)社か ら入手した。固形状のシンソン(synthon)を真空(0.2mmHg)下に乾燥 し、全ての反応は乾燥窒素雰囲気で空気感知のガラス器具(グリスを使用しない 真空/ガスマニホールド)を用いて行われた。窒素ガスは粒状の無水塩化カルシ ウムの乾燥塔を通して乾燥された。3オングストロームのモレキュラーシーブを 五酸化リン上で真空下に150℃で12時間乾燥し、五酸化リン上で真空下に保 管した。 ヒト上皮癌セルラインを培養液中でこれらの細胞を増殖させるために広く利用 されている機関であるATTCから最初に入手した凍結株から増殖させた。例え ば、A549細胞〔非小細胞肺アデノカルチノーマ(non small cell lung aden ocarcinoma)〕をHamのF−12培地で培養し、T84細胞(結腸癌腫)をF −12とDMEMの1:1混合培地で培養し、一方MCF−7(乳房アデノカル チノーマ)およびA427(大細胞肺カルチノーマ)細胞をDMEM中で培養し た。培地には10%ウシ胎児血清,ペニシリン(50U/ml),ストレプトマ イシン(50m g/ml)およびフンギソン(0.5 mg/ml)を補給した。OVCAR− 3細胞(卵巣アデノカルチノーマ)を20%のFBSと10mg/mlのインシ ュリンが補給されたRPMI1640培地で培養した。 細胞をウェルプレートに入れて二次培養し、細胞の数を毎日監視した。細胞が ログフェーズになった時、培地を必要とされる薬剤濃度のものと取り換え、細胞 を72時間培養した。対照ウェル(薬剤を含有してない)に対する細胞数の増加 を培養後に測定した。薬剤(30マイクロモル)の貯蔵溶液をエタノール中で調 製し、20℃で保管した。適切な培地中でエーテル脂質溶液(30マイクロモル )を実験日に新たに調製し、順次希釈して所要の濃度とした。全ウェル中の最終 エタノール濃度は0.1%(v/v)であった。 実施例21−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−sn−グリセロールの合成 硝酸アンモニウムセリウム(IV)(2.9g(5.5ミリモル))を1−O−ヘ キサデシル−2−O−メチル−3−O−(p−メトキシフェニル)−sn−グリ セロール1.0g(2.3ミリモル)のアセトニトリル−水4:1混合溶液21 mlに激しく攪拌しながら0℃で添加した。得られた混合物を室温にまで加温し て1時間攪拌すると、出発物質が1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−sn −グリセロールに完全に転化したことをTLC(ヘキサン:酢酸エチル=4:1 )が示した。亜硫酸ナトリウム1.0gを添加して反応混合物を失活した。 得られた混合物を酢酸エチルで希釈し、この有機溶液を水、塩水で洗浄し、硫 酸ナトリウムで乾燥した。その後、濾過して濾液を蒸発した。残渣をカラムクロ マトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製すると、低融点で白色固 体の1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−sn−グリセロールが0.853 g(収率94%)得られた。[α]D−9.5°。 実施例31−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−アセトアミド−2′ −デオキシ−3′,4′,6′−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシ ル)−sn−グリセロールの合成 2−アセトアミド−2−デオキシ−3,4,6−トリ−O−アセチル−α−D −グルコピラノシルクロライド219.4mg(0.6ミリモル)、1−O−ヘキ サデシル−2−O−メチル−sn−グリセロール100mg(0.3ミリモル) および塩化トリチル83.6mg(0.3ミリモル)の溶液に乾燥ジクロロメタン 5ml中の塩化亜鉛41.2mg(0.3ミリモル)を添加した(Kumar等,1994 参照)。反応混合物を室温で4時間攪拌し、反応の進行を酢酸エチル中でのTL C分析により監視した。反応混合物を酢酸エチル50mlで希釈し、5%重炭酸 ナトリウム水溶液で洗浄、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下に濃縮した 。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(1:1のヘキサン/酢酸エチルで溶出) で精製すると、白色固体の1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−( 2′−アセトアミド−2′−デオキシ−3′,4′,6′−トリ−O−アセチル −β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセロールが140mg(収率70% )得られた。R,0.54(酢酸エチル);[α]D 25−1.31°(c5.6, クロロホルム);1H NMR(200MHz,CDCl3)δ0.80(t,3H ,J=5.96Hz,CH3),125(br,26H,(CH2)13CH3),1. 45(2H,OCH2CH2),1.87,1.95,2.01(s,12H,OA cおよびNAc),3.32〜3.41(m,8H,d3.36にシングレット, CH2OCH21531,CH3OCH),3.63(m,3H,H−5およびOC H2),3.81(m,1H,H−2),4.02(dd,1H,H−6a),4. 08(dd,1H,J=4.57Hz,H−6b),4.60(d,1H,J=8 .34Hz,H−1),5.05(t,1H,J=9.50Hz,H−4),5.1 7(t,1H,J=9.83Hz,H−3),5.84(d,1H,J=8.51 Hz,NH)。 実施例41−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−アセトアミド−2′ −デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセロールの合成 上記実施例3に記載の方法に従って製造された1−O−ヘキサデシル−2−O −メチル−3−O−(2′−アセトアミド−2′−デオキシ−3′,4′,6′ −ト リ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセロール140m g(0.21ミリモル)を0.25N水酸化カリウムのメタノール液3mlに溶解 し、混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液 で中性とし、クロロホルム10mlで抽出した。クロロホルム層を硫酸マグネシ ウムで乾燥し、減圧下に濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(メタノー ルを10%含有するクロロホルム溶液で溶出)で精製すると、白色固体の1−O −ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−アセトアミド−2′−デオ キシ−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセロールが109mg(収率9 6%)得られた。融点150〜153℃;R,0.56(クロロホルム−メタノ ール);[α]D 25−2.26°(c5.25,クロロホルム:メタノール=4: 1);1H NMR(200MHz,CDCl3と数滴のCD3OD)δ0.80( t,3H,J=6.33Hz,CH3),1.25(br,26H,(CH2)13CH3 ),1.56(2H,OCH2CH2),2.01(s,3H,NAc),3.23 〜3.83(m,19H,δ3.45にシングレット,CH2OCH21531, CH3OCH,OCH2および糖類の−CHO−),4.43(d,1H,J=6. 84Hz,H−1),7.51(d,1H,J=8.51Hz,NH)。 実施例51−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−アミノ−2′−デオ キシ−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセロールの合成 上述のようにして製造された1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O −(2′−アセトアミド−2′−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−sn −グリセロール24mg(45.3マイクロモル)を2N水酸化カリウムのエタ ノール液2mlに溶解した。反応混合物を4時間還流し、冷却後、飽和塩化アン モニウム水溶液で中性とした。次いで、生成物をクロロホルムで抽出した。クロ ロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をフラッシュ クロマトグラフィ(メタノールを20%含有するクロロホルム溶液で溶出)で精 製すると、白色固体の1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′ −アミノ−2′−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセロール が18mg(収率8 2%)得られた。R,0.28(クロロホルム:メタノール=4:1);[α]D 25 −14.40°(c7.5,クロロホルム:メタノール=1:1(v/v));1 H NMR(200MHz,CDCl3と数滴のCD3OD)δ0.85(t,3H ,J=6.34Hz,CH3),1.23(br,26H,(CH2)13CH3),1. 53(2H,OCH2CH2),3.40〜3.91(m,20H,d3.45にシ ングレット,CH2OCH21531,CH3OCH,OCH2および糖類の−CH O−),4.82(br s,2H,NH2)、HRMS(FAB,MH+)、C26 54NO7の計算値492.3900:測定値492.3899。 実施例61−O−ヘキサデシル−3−O−(p−メトキシフェニル)−sn−グリセロー ル(I)および2−O−ヘキサデシル−3−O−(p−メトキシフェニル)−sn −グリセロール(II)の合成 乾燥メタノール10ml中の3−O−(p−メトキシフェニル)−sn−グリ セロール0.737g(3.7ミリモル)およびジ−n−ブチル酸化錫1.11g (4.46ミリモル)の混合物を攪拌しながら酸化物が溶解するまで還流した。 溶剤を蒸発して、固形物を真空下に3時間乾燥した。次いで、乾燥した固形物を DMF 30mlに溶解し、フッ化セシウム1.5gおよび1−ブロモヘキサデカ ン1.57ml(5.13ミリモル)を添加した。反応が完了したことをTLC( ヘキサン:酢酸エチル=4:1)が示すまで、得られた混合物を室温で攪拌した 。その後、酢酸エチル20mlおよび水0.5ml添加して、混合物を30分間 攪拌した。得られた白色の固形物を濾過し、溶剤を蒸発すると、化合物(I)と(I I)の粗製混合物が得られた。モノアルキル化生成物であるこの混合物をカラムク ロマトグラフィで分離した。 化合物(I):1.42g(収率90%)、〔α〕D 1H−NMR:δ6.84〜 6.78(m,4H,Ph),4.13(m,1H,H−2),4.03〜3.95 (m,2H,H−3a,H−3b),3.76(s,3H,OCH3),3.57 および3.54(dd,2H,J1a,1b=12Hz,J1,2=4.0Hz,H−1a ,H−1 b),3.46(t,2H,J=4.0Hz,OCH2),2.56(1H,OH) ,1.6(t,2H,J=6.0Hz,CH2),1.25(s,26H,CH2) ,0.88(t,3H,J=6.0Hz,CH3),13C−NMR:δ115.89 ,114.99(Ar),72.02(CH2),71.97(C−1),70.1 6(C−3),69.53(C−2),56.02(OCH3)。 化合物(II):収率76%、1H−NMR:δ6.87〜6.80(m,4H,P h),3.89(d,2H,J=4.4Hz),3.73〜3.48(m,5H,H −1a,H−1b,H−2,H−3a,H−3b),3.63(s,OCH3), 2.25(1H,OH),1.6(t,2H,J=6.0Hz,CH2),1.25 (s,26H,CH2),0.88(t,3H,J=6.0Hz,CH3),13C− NMR:δ115.93,114.99(Ar),78.69(C−2),62.7 5(C−1),56.03(OCH3)。 実施例71−O−ヘキサデシル−2−メチル−3−O−(p−メトキシフェニル)−sn −グリセロールの合成 アルコールのメチル化の一般的な方法:乾燥DMF中の水素化ナトリウム(2 .5ミリモル)を0℃で少しずつアルコール溶液(1ミリモル)を撹拌しながら 添加した。得られた混合物を更に30分間攪拌した後、ヨウ化メチル(2.5ミ リモル)を添加した。反応混合物を室温で攪拌した。反応の終了後、0℃でメタ ノールを添加して過剰の水素化ナトリウムを分解した。その後、溶剤を真空下に 蒸発して、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機溶液を水、塩水で洗浄し、硫酸ナ トリウムで乾燥し、濾過して濾液を蒸発した。 1−O−ヘキサデシル−3−O−(p−メトキシフェニル)−sn−グリセロ ール1.2g(2.84ミリモル)をメチル化し、カラムクロマトグラフィで精製 した後、白色固体の1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(p−メ トキシフェニル)−sn−グリセロールを1.2g(収率97%)得た。[α]D −6.9°;13C−NMR:δ115.90,114.99(Ar),78.8( C−2),72.02,71.98,70.20(C−1,C−3,OCH2) ,57.88, 56.02(OCH3)。 実施例82−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラ ノシルトリクロロアセトイミデートの合成 酢酸ヒドラジン塩0.213g(2.32ミリモル)を乾燥DMF 10ml中 の1,2−ジ−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−グル コピラノース1g(1.87ミリモル)に添加した。この混合物を窒素雰囲気で 4時間攪拌した。この時、反応が完了したことをTLC(ヘキサン:酢酸エチル =4:1)が示した。次いで、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、塩水で洗 浄した。有機溶剤層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過して濾液を蒸発すると 、粗製のヘミアセタールが定量的に得られた。粗製ヘミアセタールを真空下に4 時間乾燥し、乾燥ジクロロメタン30mlに溶解し、これを継続して十分に精製 した。トリクロロアセトニトリル0.231mlおよび無水炭酸カリウム1.22 gを添加し、得られた混合物を窒素雰囲気で3時間攪拌した。TLC(ヘキサン :酢酸エチル=4:1)は粗製ヘミアセタールの痕跡とより速く移動する2−O −アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノシル トリクロロアセトイミデートを示した。パッド状のセライト(Celite)545に より無機塩基を濾過して反応を終了させ、溶剤を蒸発した。その後、粗製の2− O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノシ ルトリクロロアセトイミデートを短いカラムクロマトグラフィに通して8:1の ヘキサン/酢酸エチルにより精製し、グリコシル供与体の2−O−アセチル−3 ,4,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノシルトリクロロアセ トイミデートを85%の収率で得た。1H−NMR:δ8.63(s,0.46H ,NH),8.56(s,0.56H,NH),7.32〜7.15(m,15H, 3Ph),6.52(d,0.53H,J1,2=3.5Hz,H−1a),5.74 (d,0.46H,J1,2=8.0Hz,H−1b),5.29(dd,0.46H ,J2,3=9.4Hz,H−2b異性体),5.09(dd,0.53H,J2,3= 10.0Hz,H−2a異性体),1.99(s,CH3CO)。 実施例92−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−マンノピラ ノシルトリクロロアセトイミデートの合成 上述のようにして製造されたベンジル化1,2−オルトエステル3.0gを8 0%酢酸50ml中で室温において6時間にわたり加水分解した。この後、TL C(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)は、エステルがより遅く移動する物質に完 全に転化したことを示した。酢酸を真空下にトルエンと共に蒸発すると、純粋な ヘミアセタール3.0gが定量的に得られた。粗製のヘミアセタールをその後真 空下に一昼夜乾燥し、続いてアセトニトリル−炭酸カリウムで処理して、2−O −アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−マンノピラノシル トリクロロアセトイミデートを3.0g(収率96%)得た。1H−NMR:δ8 .71(s,NH),8.63(s,NH),7.35〜6.78(m,15H,3 Ph),6.29(d,H−1b),5.89(d,H−1a),5.49(dd ,H−2),4.89〜4.47(m),4.06〜3.68(m),2.18(s ,3H,CH3)。 実施例101−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−sn−グリセロールの2−O−アセチ ル−3,4,6−トリ−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノシルトリクロ ロアセトイミデートおよび2−O−アセチル−3,4,6−トリ−O−ベンジル −α,β−D−マンノピラノシルトリクロロアセトイミデートでのグリコシル化 前述のようにして製造されたグリコシル供与体(1.4マイクロモル)および 1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−sn−グリセロール(1.3マイクロ モル)を3Åのモレキュラーシーブと共に無水ジクロロメタン30ml中で窒素 雰囲気に室温で20分間攪拌した。反応混合物を−78℃に冷却して、トリメチ ルシリルトリフルオロメタンスルホネート(50マイクロモル,0.035当量 )を添加した。いずれの場合も、反応は10分間で完了した。室温においてこの ルイス酸をトリエチルアミン(20マイクロリットル)で中和し、溶剤を蒸発し 、粗製の1,2−トランス−グリコピラノシドをカラムクロマトグラフィで精製 した。 実施例111−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−O−アセチル−3′ ,4′,6′−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリ セロールの合成 前述のようにして製造された1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−sn− グリセロール433.3mg(1.3ミリモル)を2−O−アセチル−3,4,6 −トリ−O−ベンジル−α,β−D−グルコピラノシルトリクロロアセトイミデ ート930mg(1.4ミリモル)でグリコシル化して、76%の収率(805 mg)で1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−O−アセチ ル−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−s n−グリセロールを得た。[α]D−8.5°;1H−NMR:δ7.32〜7.1 5(m,15H,3PhCH2),4.99(dd,1H,J1′,1a′=2.5H z,J1′,2e′=1.0Hz,H−1′),3.93(m,1H,H−5′),3 .44(s,3H,OCH3),2.15(ddd,1H,J2e′,3′=4.7Hz ,J2e′,2a′=11.5Hz,H−2e′),1.7(ddd,1H,H−2a ′),1.25(s,26H,CH2),0.87(t,3H,CH3),13C−N MR:δ98.05(C−1′),79.33(C−5′),62.07(C−6 ′),57.94(OCH3),37.36(C−2′),31.90,29.64 ,29.48,29.31,26.06,22.67(CH2),14.06(CH3 )。 実施例121−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−O−アセチル−3′ ,4′,6′−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−sn−グリ セロールの合成 前述のようにして製造された1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−sn− グリセロール871mg(2.6マイクロモル)を2−O−アセチル−3′,4 ′,6′−トリ−O−ベンジル−α,β−D−マンノピラノシルトリクロロアセ トイミデート1.90g(2.9ミリモル)でグリコシル化して、87%の収率 (1.83g)で1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−O −アセチル−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシ ル)−sn−グ リセロールを得た。[α]D+37.5°;1H−NMR:δ7.33〜7.12( m,15H,3PhCH2),5.37(dd,1H,J2′,3′=2.7Hz,H −1′),4.86および4.49(2d,2H,J=12Hz,CH2Ph), 2.14(s,3H,CH3CO),1.54(t,2H,J=6Hz),1.25 (s,26H),0.87(t,3H),13C−NMR:δ170.39(CO) ,138.50,132.29,128.28,127.55(Ph),98.17 (C−1′),58.07(CH3O),31.90,29.51,26.10,2 1.07(CH2),14.07(CH3)。 実施例131−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−O−アセチル−3′ ,4′,6′−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリ セロールおよび1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−O− アセチル−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル )−sn−グリセロールの脱アセチル化 前述のようにして製造された1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O −(2′−O−アセチル−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−β−D−グ ルコピラノシル)−sn−グリセロールおよび1−O−ヘキサデシル−2−O− メチル−3−O−(2′−O−アセチル−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジ ル−α−D−マンノピラノシル)−sn−グリセロールを室温において乾燥メタ ノールに溶解したアンモニアガスで15分間にわたり脱アセチル化した。この反 応は定量的であり、非常に純粋な生成物が得られた。メタノールを蒸発し、得ら れたアルコール類を真空下に乾燥した。 実施例141−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(3′,4′,6′−トリ− O−ベンジル−2′−O−メチル−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセ ロールの合成 前述のようにして製造された1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O −(3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−s n− グリセロール149mgを前述のようにして2′−O−メチル化して、収率97 %(145mg)で表題の化合物を得た。[α]D−9.7°(c1.2,クロロ ホルム);13C−NMR:δ138.89,138.34,128.34,127. 93,127.71,127.55(Ph),103.88(C−1′),60.4 5,57.88(CH3O),31.95,29.69,29.52,29.35,2 6.16,22.68(CH2),14.06(CH3)。 実施例151−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(3′,4′,6′−トリ− O−ベンジル−2′−O−メチル−α,−D−マンノピラノシル)−sn−グリ セロールの合成 前述のようにして製造された1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O −(3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−s n−グリセロール39.6mgを前述のようにして2′−O−メチル化して、収 率98%(39mg)で表題の化合物を得た。[α]D+38.3°;13C−NM R:δ138.89,138.34,128.34,127.93,127.71, 127.55(Ph),98.5(C−1′),59.99,57.80(CH3O ),31.95,29.69,29.52,29.35,26.16,22.68(C H2),14.06(CH3)。 実施例16キサンテート 合成 水素化ナトリウム15mg(0.62マイクロモル)を氷冷したアルコール1 50mg(0.32マイクロモル)およびイミダゾール4mg(0.55マイクロ モル)の乾燥THF溶液5mlに添加した。反応混合物を乾燥窒素気流下に室温 で1時間攪拌した後、二硫化炭素(0.32マイクロモル)を添加した。撹拌を 20分続けた後ヨウ化メチル(2.5マイクロモル)を添加した。反応の進行を TLC(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で監視したところ、いずれの場合も各 アルコールがキサンテート化された化合物に完全に転化したことを示した。メタ ノールを0℃で添 加して過剰の水素化ナトリウムを分解した。その後、溶剤を蒸発して、残渣をエ ーテルに溶解した。有機溶液を水、希塩酸、再度水で洗浄した後、有機層を硫酸 ナトリウムで乾燥し、蒸発した。 還元反応 得られたキサンテート化された化合物100mg(0.117マイクロモル) の乾燥トルエン溶液4mlをα,α′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN )5mg含有の還流している水素化トリブチル錫0.31ml(1.17マイクロ モル)の乾燥トルエン溶液2mlに滴下した。反応の進行をTLC(ヘキサン: 酢酸エチル=4:1)で監視し、反応が終了後、溶剤を蒸発して、残渣をカラム クロマトグラフィで精製した。このカラムを最初ヘキサンで溶出し、次いで20 :1のヘキサン/酢酸エチル、15:1のヘキサン/酢酸エチル、10:1のヘ キサン/酢酸エチルで溶出して、脱酸素化された純粋な1−O−ヘキサデシル− 2−O−メチル−3−O−(2′−デオキシ−3′,4′,6′−トリ−O−ベ ンジル−β−D−アラビノピラノシル)−sn−グリセロールまたは1−O−ヘ キサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−デオキシ−3′,4′,6′− トリ−O−ベンジル−α−D−アラビノピラノシル)−sn−グリセロールを回 収した。 1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−デオキシ−3′, 4′,6′−トリ−O−ベンジル−β−D−アラビノピラノシル)−sn−グリ セロール:80mg(収率92%)、[α]D−7.1°;1H−NMR:δ7.3 2〜7.18(m,15H,3PhCH2),4.89(d,1H,J=11.0H z,OCH2Ph),4.68(d,J=11.0Hz,OCH2Ph),4.63 (d,2H,J=11.0Hz,OCH2Ph),4.54(d,2H,J=11. 0Hz,OCH2Ph),4.46(dd,1H,J1′,2e′=2.0Hz,J1′ ,2a′=9.5Hz,H−1′),3.97(m,1H,H−5′),3.73〜3 .26(m,9H),3.44(s,OCH3),2.36(ddd,1H,J2e′ ,3′=5.0Hz,J2e,2a=12.0Hz,H−2′e),1.73〜1.4 3(m,5H),1.25(s,26H,CH2),0.87(t,3H,CH3) ,13C−NMR:δ138.46,128.41,128.32,127.97,1 27.68,127.51 (Ph),100.2(C−1),57.93(OCH3),36.68(C−2′ ),31.94,29.68,29.52,29.35,26.14,22.67,1 4.06(CH2)。 1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−デオキシ−3′, 4′,6′−トリ−O−ベンジル−α−D−アラビノピラノシル)−sn−グリ セロール:82mg(収率94%)、[α]D+25.5°;1H−NMR:δ7. 32〜7.15(m,15H,3PhCH2),4.97(dd,1H,H−1′ ),4.89および4.52(d,2H,J=11.0Hz,OCH2Ph),4. 66および4.50(d,2H,J=12.0Hz,OCH2Ph),4.68およ び4.62(d,2H,J=12.0Hz,OCH2Ph),3.98(m,1H, H−5′),1.25(s,26H,CH2),0.87(t,3H,CH3),13 C−NMR:δ138.70,138.59,138.16,128.28,127 .58,97.82(C−1′),58.02(OCH3),35.45(C−2′ ),31.90,29.64,29.48,29.31,26.08,22.64,1 4.06(CH3)。 実施例17脱ベンジル化 上述の保護されたグリコシドを1:1のTHF−酢酸混合溶剤に溶解し、木炭 に担持された1〜2等量(重量)のパラジウムを添加した。この混合物を真空下 に脱気した後、反応容器に水素を導入した。このプロセスを3回繰り返した後、 混合物を加圧(balloon pressure)水素下に室温で攪拌した。反応は通常4〜5 時間で完了した(TLC 酢酸エチル:メタノール:水=10:1:0.2)。 触媒をパッド状のセライト545により濾過し、大量の溶剤(1:1のTHF− 酢酸)で洗浄した。この溶剤を真空下に蒸発し、トルエンの蒸留により痕跡の酢 酸を共蒸発させた。 脱保護されたグリコシドを蒸留した溶剤混合物(酢酸エチル:メタノール=1 0:1)によりカラムクロマトグラフィで精製した。次いで、蒸留したメタノー ル中の精製されたグリコシドを親油性のセファデックスLH−20により濾過し て、塩等の低分子量の不純物を除去した。 1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−デオキシ−β−D −アラビノピラノシル)−sn−グリセロール: 1−O−ヘキサデシル−2− O−メチル−3−O−(2′−デオキシ−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジ ル−β−D−アラビノピラノシル)−sn−グリセロール30mgを脱ベンジル 化して、96%の収率(14mg)で表題の化合物を得た。[α]D−14.7° ;13C−NMR:δ100.3(C−1′),78.7(C−5′),62.05 (C−6),58.0(OCH3),38.5(C−2′),31.95,29.6 9,29.35,26.11,22.62(CH2),14.09(CH3)。 1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−デオキシ−α−D −アラビノピラノシル)−sn−グリセロール: 1−O−ヘキサデシル−2− O−メチル−3−O−(2′−デオキシ−3′,4′,6′−トリ−O−ベンジ ル−α−D−アラビノピラノシル)−sn−グリセロール35mgから94%の 収率(21mg)で脱ベンジル化された表題の化合物を得た。[α]D+45.0 °;1H−NMR:δ4.9(dd,1H,J1′,2a′=2.5Hz,J1′,2e′ =1.0Hz,H−1′),3.93(m,1H,H−5′),3.44(s,3 H,OCH3),2.15(ddd,1H,J2e′,3′=4.7Hz,J2e′,2a′ =11.5Hz,H−2e′),1.7(ddd,1H,H−2a′),1.25 (s,26H,CH2),0.87(t,3H,CH3),13C−NMR:δ98. 05(C−1′),79.33(C−5′),62.07(C−6′),57.9 4(OCH3),37.36(C−2′),31.90,29.64,29.48, 29.31,26.06,22.67(CH2),14.06(CH3)。 1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−O−メチル−β− D−グルコピラノシル)−sn−グリセロール: 1−O−ヘキサデシル−2− O−メチル−3−O−(2′−O−メチル−3′,4′,6′−トリ−O−ベン ジル−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセロール142.1mgを脱ベ ンジル化して、96%の収率(89mg)で白色非晶質固体の脱ベンジル化され た表題の化合物を得た。[α]D−14.7°;13C−NMR:δ103.64( C−1′),62.36(C−6′),60.61,57.89(OCH3),31 .90,29.6 4,29.48,29.31,26.06,22.67(CH2),14.06(CH3 )。 1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−O−メチル−α− D−マンノピラノシル)−sn−グリセロール: 1−O−ヘキサデシル−2− O−メチル−3−O−(2′−O−メチル−3′,4′,6′−トリ−O−ベン ジル−α−D−マンノピラノシル)−sn−グリセロール39mgを脱ベンジル 化して、94%の収率(25mg)で白色非晶質固体の表題の化合物を得た。[ α]D+40.0°;13C−NMR:δ13C−NMR:δ98.89(C−1′) ,79.5(C−5′),62.13(C−6′),60.1,58.10(OCH3 ),31.90,29.64,29.48,29.31,26.06,22.67( CH2),14.06(CH3)。 1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(α−D−マンノピラノシ ル)−sn−グリセロール: 1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O −(3′,4′,6′−トリ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシル)−s n−グリセロール40mgを脱ベンジル化して、95%の収率(25mg)で白 色非晶質固体の表題の化合物を得た。[α]D+57.2°;1H−NMR:δ4. 93(d,1H,J1′,2′=1.8Hz,H−1),4.10(m,1H,H− 5′),1.25(s,26H,CH2),0.87(t,3H,CH3)。 実施例18抗増殖効果 MCF−7乳癌腫,A549肺癌腫,T84乳癌腫およびA427結腸癌腫の 各セルラインの増殖に対する1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O-( 2′−アセトアミド−2′−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−sn−グ リセロールの72時間後の効果を下記の表1に示す。対照培養(未処理)に対す る細胞の増殖を50%阻害する濃度(GI50)は、A549,MCF−7,A4 27およびT84の各セルラインに関して、それぞれ9マイクロモル,17マイ クロモル,24.5マイクロモルおよび30マイクロモルより大であった。 下記の表2に、10%FBS−補給培地で増殖する上記セルラインの増殖に対 する1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル−3−O−(2′−アミノ−2′− デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−sn−グリセロールの効果を示す。G I50値は、MCF−7,A427,A549およびT84の各細胞に関して、そ れぞれ6.5マイクロモル,7マイクロモル,8.3マイクロモルおよび12.2 マイクロモルであった。各細胞に対する1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル −3−O−(2′−アミノ−2′−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−s n−グリセロールの細胞毒性は、A549とA427細胞では10.5マイクロ モル、MCF−7細胞では16マイクロモル、T84細胞では20マイクロモル であった。 卵巣癌セルラインOVCAR−3の増殖に対する1−O−ヘキサデシル−2− O−メチル−3−O−(2′−アミノ−2′−デオキシ−β−D−グルコピラノ シル)−sn−グリセロール(A)および1−O−ヘキサデシル−2−O−メチル −3−O−(2′−アセトアミド−2′−デオキシ−β−D−グルコピラノシル )−sn−グリセロール(B)の効果をエデルホシン(ET-18-O-CH3)(C) 、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン)(D)およびエルシルホスホコリン (E)の効果と比較した。その結果を下記の表3に示す。グリコ脂質のGI50値は 、化合物(A)で12マイクロモル、化合物(B)で4マイクロモルであり、一方リ ン脂質のGI50値は、化合物(C)で24マイクロモル、化合物(D)および化合物 (E)で30マイクロモルより大であった。 A549,MCF−7,Lewis肺,MCF−7/adr(アドリアマイシ ンに耐性),P388,P388/adr,L1210,L1210/vmdr の各細胞に対するエデルホシン(1),2′−デオキシ−β−D−アラビノピラノ シル(2),2′−デオキシ−α−D−アラビノピラノシル(3),2−O−メチル −β−D−グルコピラノシル(4),2′−O−メチル−β−D−マンノピラノシ ル(5)およびα−D−マンノピラノシル(6)のGI50値を求めた。下記の表4に 、培養液中の細胞の増殖を50%阻害するに要する脂質の濃度(マイクロモル) を示す。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年8月15日 【補正内容】 特許請求の範囲 1.次の式を有するエーテル脂質: 式中、R1は式−Y12で示される基であり; Y1は式(CH2)n1(CH=CH)n2(CH2)n3(CH=CH)n4(CH2)n5(CH=C H)n6(CH2)n7(CH=CH)n8(CH2)n9(ここで、n1+2n2+n3+2n4+ n5+2n6+n7+2n8+n9の和は3〜23の整数であって、n1は0または1 〜23の整数であり、n3は0または1〜20の整数であり、n5は0または1〜 17の整数であり、n7は0または1〜14の整数であり、n9は0または1〜1 1の整数であり、n2、n4、n6、n8は各々独立して0または1である)で示さ れる基であり; Y2はCH3、CO2HまたはOHであり; R2はO、S、NH、−OC(O)−またはNHCOであり; R3は次式: 式中、X1はOまたはSであり、 X2、X3は各々H、OH、NH2、NHCH3、N(CH3)2、OCH3、NHCO CH3、FまたはClであり、ただし、X2がHのときは、X3はH、NH2、NH CH3、N(CH3)2、OCH3、NHCOCH3、FまたはClである; X4はH、OH、OPO3 3-またはOSO3 2-であり、X5はH、OH、NH2、N HCH3またはN(CH3)2であり、 X6、X7は各々H、OH、OPO3 3-またはOSO3 2-であり、 X8はOHまたはCO29であり;そして、 X9はH、CH3または上記の基Y12である を有する基であり、 そして該エーテル脂質は3-(ヘキサデシルオキシ)-2-メトキシプロピル-β-D- グルコピラノシドウロン酸メチルエステルではないものである。 2.R1が式Y1CH3で示される基である請求項1記載のエーテル脂質。 3.R1が式(CH2)n1CH3で示される基である請求項2記載のエーテル脂質。 4.R1が式(CH2)15CH3または(CH2)17CH3で示される基である請求項3 記載のエーテル脂質。 5.R2がOである請求項1記載のエーテル脂質。 6.R3がα−アノマー型である請求項1記載のエーテル脂質。 7.R3がβ−アノマー型である請求項1記載のエーテル脂質。 8.X1がOである請求項1記載のエーテル脂質。 9.X4がOHであり、X5がHであり、X6がHであり、X7がOHであり、X8 がOHである請求項1記載のエーテル脂質。 10.X2がHであり、X3がNH2、HまたはOCH3である請求項9記載のエー テル脂質。 11.X3がHであり、X2がOH、HまたはOCH3である請求項9記載のエー テル脂質。 12.R1が(CH2)15CH3であり、R2がOであり、X1がOである請求項1記 載のエーテル脂質。 13.X4がOHであり、X5がHであり、X6がHであり、X7がOHであり、X8 がOHである請求項12記載のエーテル脂質。 14.X2がHであり、X3がNH2である請求項13記載のエーテル脂質。 15.X2がHであり、X3がHである請求項13記載のエーテル脂質。 16.X2がHであり、X3がOCH3である請求項13記載のエーテル脂質。 17.X2がOCH3であり、X3がHである請求項13記載のエーテル脂質。 18.X2がOHであり、X3がHである請求項13記載のエーテル脂質。 19.X4がOHであり、X5がHであり、X6がHであり、X7がOHであり、X8 が式CO29で示される基である請求項12記載のエーテル脂質。 20.X2がHであり、X3がOHであり、X4がOHであり、X5がHであり、X6 がOHであり、X7がHであり、X8がOHである請求項12記載のエーテル脂 質。 21.請求項1記載のエーテル脂質および薬理学的に許容し得る担体を含有する 組成物。 22.薬学的に許容し得る媒体を含有する請求項21記載の組成物。 23.薬学的に許容し得る媒体が脂質担体を含有し、エーテル脂質がこの担体と 会合している請求項21記載の組成物。 24.脂質担体が、脂肪酸、リン脂質、ミセル、脂質錯体、リポソームまたはリ ポ蛋白である請求項23記載の組成物。 25.請求項21記載の組成物を癌または炎症状態の治療のために動物に投与す ることを包含有するエーテル脂質を動物に投与する方法。 26.動物が癌に侵されており、また抗癌有効量のエーテル脂質を投与するもの である請求項25記載の方法。 27.組成物がリポソームを含有する請求項26記載の方法。 28.リポソームが直径が約100nm〜約200nmの範囲にあるユニラメラ リポソームである請求項27記載の方法。 29.動物が炎症または病原菌の感染により特徴づけられる疾患を患っており、 また抗疾患有効量のエーテル脂質を動物に投与するものである請求項25記載の 方法。 30.動物に更に追加の生物活性剤を投与することを包含する請求項25記載の 方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07H 15/10 C07H 15/10 15/14 15/14 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AU,BB,BG,BR ,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,IL,IS, JP,KP,KR,LK,LR,LT,LV,MG,M K,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG ,SI,SK,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ビットマン,ロバート アメリカ合衆国 ニューヨーク州 11577 ロズリンハイツ コンクリブレーン 1 (72)発明者 エルクラ,ラヴィ,ケイ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08536 プレインスボロ ディアクリーク ドライブ 2104 (72)発明者 ピータース,アンドリュー,シー アメリカ合衆国 ペンシルヴァニア州 19067 ヤードレイ リンブルックドライ ヴ 2305 (72)発明者 メイヒュー,エリック,ジー アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08852 ノンマウス ジャンクション ロ ーヤルオークコート 106

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.次の式を有するエーテル脂質: 式中、R1は式−Y12で示される基であり; Y1は式(CH2)n1(CH=CH)n2(CH2)n3(CH=CH)n4(CH2)n5(CH=C H)n6(CH2)n7(CH=CH)n8(CH2)n9(ここで、n1+2n2+n3+2n4+ n5+2n6+n7+2n8+n9の和は3〜23の整数であって、n1は0または1 〜23の整数であり、n3は0または1〜20の整数であり、n5は0または1〜 17の整数であり、n7は0または1〜14の整数であり、n9は0または1〜1 1の整数であり、n2、n4、n6、n8は各々独立して0または1である)で示さ れる基であり; Y2はCH3、CO2HまたはOHであり; R2はO、S、NH、−OC(O)−またはNHCOであり; R3は次式: 式中、X1はOまたはSであり、 X2、X3は各々H、OH、NH2、NHCH3、N(CH3)2、OCH3、NHCO CH3、FまたはClであり、ただし、X2がHのときは、X3はH、NH2、NH CH3、N(CH3)2、OCH3、NHCOCH3、FまたはClであり; X4はH、OH、OPO3 3-またはOSO3 2-であり、X5はH、OH、NH2、N HCH3またはN(CH3)2であり、 X6、X7は各々H、OH、OPO3 3-またはOSO3 2-であり、 X8はOHまたはCO29であり;そして、X9はH、CH3または上記の基Y12 である を有する基である。 2.R1が式Y1CH3で示される基である請求項1記載のエーテル脂質。 3.R1が式(CH2)n1CH3で示される基である請求項2記載のエーテル脂質。 4.R1が式(CH2)15CH3または(CH2)17CH3で示される基である請求項3 記載のエーテル脂質。 5.R2がOである請求項1記載のエーテル脂質。 6.R3がα−アノマー型である請求項1記載のエーテル脂質。 7.R3がβ−アノマー型である請求項1記載のエーテル脂質。 8.X1がOである請求項1記載のエーテル脂質。 9.X4がOHであり、X5がHであり、X6がHであり、X7がOHであり、X8 がOHである請求項1記載のエーテル脂質。 10.X2がHであり、X3がNH2、HまたはOCH3である請求項9記載のエー テル脂質。 11.X3がHであり、X2がOH、HまたはOCH3である請求項9記載のエー テル脂質。 12.R1が(CH2)15CH3であり、R2がOであり、X1がOである請求項1記 載のエーテル脂質。 13.X4がOHであり、X5がHであり、X6がHであり、X7がOHであり、X8 がOHである請求項12記載のエーテル脂質。 14.X2がHであり、X3がNH2である請求項13記載のエーテル脂質。 15.X2がHであり、X3がHである請求項13記載のエーテル脂質。 16.X2がHであり、X3がOCH3である請求項13記載のエーテル脂質。 17.X2がOCH3であり、X3がHである請求項13記載のエーテル脂質。 18.X2がOHであり、X3がHである請求項13記載のエーテル脂質。 19.X4がOHであり、X5がHであり、X6がHであり、X7がOHであり、X8 が式CO29で示される基である請求項12記載のエーテル脂質。 20.X2がHであり、X3がOHであり、X4がOHであり、X5がHであり、X6 がOHであり、X7がHであり、X8がOHである請求項12記載のエーテル脂 質。 21.請求項1記載のエーテル脂質を含有する組成物。 22.薬学的に許容し得る媒体を含有する請求項21記載の組成物。 23.薬学的に許容し得る媒体が脂質担体を含有し、エーテル脂質がこの担体と 会合している請求項21記載の組成物。 24.脂質担体が、脂肪酸、リン脂質、ミセル、脂質錯体、リポソームまたはリ ポ蛋白である請求項23記載の組成物。 25.請求項21記載の組成物を動物に投与することを含有するエーテル脂質を 動物に投与する方法。 26.動物が癌に侵されており、また抗癌有効量のエーテル脂質を投与するもの である請求項25記載の方法。 27.組成物がリポソームを含有する請求項26記載の方法。 28.リポソームが直径が約100nm〜約200nmの範囲にあるユニラメラ リポソームである請求項27記載の方法。 29.動物が炎症または病原菌の感染により特徴づけられる疾患を患っており、 また抗疾患有効量のエーテル脂質を動物に投与するものである請求項25記載の 方法。 30.動物に更に追加の生物活性剤を投与することを包含する請求項25記載の 方法。
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