JPH05186379A - フェノールの製法 - Google Patents

フェノールの製法

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JPH05186379A
JPH05186379A JP4153193A JP15319392A JPH05186379A JP H05186379 A JPH05186379 A JP H05186379A JP 4153193 A JP4153193 A JP 4153193A JP 15319392 A JP15319392 A JP 15319392A JP H05186379 A JPH05186379 A JP H05186379A
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phenol
catalyst
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oxygen
oxidation
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JP4153193A
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Wim Buijs
ビュイース ヴィム
Matthias Robert Jozef Offermanns
ローベルト ヨゼフ オファーマンス マティアス
Leon Hubertus Barbara Frijns
フベルトゥス バーバラ フリーンズ レオン
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DSM NV
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C37/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C37/50Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring by reactions decreasing the number of carbon atoms
    • C07C37/56Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring by reactions decreasing the number of carbon atoms by replacing a carboxyl or aldehyde group by a hydroxy group
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C39/02Compounds having at least one hydroxy or O-metal group bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring monocyclic with no unsaturation outside the aromatic ring
    • C07C39/04Phenol
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い製造選択率を有しかつ経済的であるフェ
ノールの製法。 【構成】 相応するアリールカルボン酸の液相中で、C
u(I)含有触媒の存在下で酸化脱カルボキシル化さ
せ、この場合、191〜270℃の間の温度で、水の存
在下で、酸素を添加し、さらにフェノールを分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノールを酸化脱カ
ルボキシル化によって、相応するアリールカルボン酸の
液相中で、Cu(I)含有触媒の存在下で製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化脱カルボキシル化によるフェノール
の製法は、かなり前から公知である。オランダ国公告特
許第90.684号明細書に等しい英国特許第7627
38号明細書には、酸化、脱カルボキシル化並びに還元
が、温度少なくとも200℃、特に230〜250℃で
の単一処理工程で行なわれる方法が既に開示されてい
る。
【0003】上記方法に関連して多数の特許明細書が数
年にわたって出願され、これらの特許明細書は、主とし
てタール状の副生成物の著量の生成という上記方法の原
理的な欠点を抑制することを目的としている。実際に
は、連続的な処理操作の場合にはタール15〜25%が
形成される。
【0004】オランダ国公開特許第70.00685号
明細書に等しい英国特許第1290626号明細書に
は、フェノールをベンゼンモノカルボン酸から製造する
2工程法が記載されている。先ず酸化及び脱カルボキシ
ル化が同時に温度230〜240℃で実施される。次
に、得られた相応するフェニルベンゾエートの加水分解
が酸素の存在下で温度約200℃で行なわれる。
【0005】オランダ国公開特許第78.07199号
明細書に等しい英国特許第2001317号明細書に
は、3工程法を基礎とするフェノールの製法が記載され
ている。先ず酸化が水の不在下で有利に温度120〜1
70℃で行なわれ;さらに脱カルボキシル化が酸素及び
水の不在下で有利に温度220℃未満で行なわれ、その
後に第3の工程の際には、得られた安息香酸アリールの
加水分解が酸素の不在下で有利には温度約220℃で行
なわれる。当該特許の出願人によれば、脱カルボキシル
化の際の水の存在は回避されるべきであり、このことは
脱水剤の添加、添加された付加的な炭化水素を用いた共
沸蒸留又は乾式不活性ガスを用いたストリッピングによ
って達成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、全ての
上記の方法は、フェノールの生成を経済的に堅実な状況
下で高い収率をもって達成させることはできなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明方法によれば、上
記方法で直面した欠点を除去するとともにフェノールを
相応するアリールカルボン酸から製造する方法が提供さ
れる。従って、高い製造選択性と経済的に魅力のある実
施態様とを両立させる方法が得られる。本発明による方
法は、酸化脱カルボキシル化を191〜270℃の間の
温度で、1バールで測定されたフェノールに対する選択
率が92%を超えて得られる程度の量の銅がCu(I)
として存在したままであるような量の酸素を添加するこ
とによって実施し、かつフェノールを分離することによ
って特徴付けられる。
【0008】
【作用】上記方法は、連続的に1つの反応容器中で簡単
に実施することができる。簡易化のために「1工程法」
という用語が以下では使用される。
【0009】1工程法は有利に210〜250℃で実施
される。本発明の使用によって常法の場合より10〜2
0%高い選択率の達成が可能とはなるが、1工程法の場
合には若干のタールが依然として形成される。従って、
反応器内容物の一部分を取り出しかつ必要に応じて該反
応器内容物からタールを除去することは有効であり、そ
の後に銅及び安息香酸を処理工程に戻すことができる。
【0010】Cu(I)の濃度を一定の最小値(下記参
照のこと)に維持することによって、収率は92%を超
えるように、有利には95%超えるように改善される
(1バールで測定した場合)。
【0011】次の処理工程が実施される場合には、実質
的に100%の選択率が達成される: a) 少なくとも0.04重量%の銅がCu(I)とし
て存在したままであるような量の酸素を添加することに
よる、温度191〜240℃での触媒の酸化; b) 酸素の不在下で水の存在下に温度210〜270
℃での、工程a)の酸化触媒の反応及びフェノールの生
成; c) フェノールの分離及び工程a)への(還元)触媒
の再循還。
【0012】こうして処理工程を実施することによって
2工程法が得られる:先ず酸化、次いで還元及びフェノ
ールの生成。
【0013】このようにして処理工程数は、英国特許第
2001317号明細書に記載された方法と比較して減
少される。その上、本発明方法によっていっそう高い収
率が得られることが明らかになる。
【0014】以下、アリールカルボン酸は次の構造式:
【0015】
【化1】
【0016】〔式中、R1ないしR5は水素原子であって
もよいし(但し、少なくともR1又はR5は水素原子であ
る)、いわゆる−1〜+2の間のハメット定数を有する
有機基であってもよい〕を有する化合物であると解釈さ
れる。アリールカルボン酸の反応性に対する基の影響の
尺度を表す上記ハメットもしくはσ値の記載は、J. Mar
ch著、Advanced Organic Chemistry 1989、242
〜250頁にあり;殊に244頁の表4を参照のこと。
従って、使用可能な基は次の通りである:C1〜C6−ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールア
ルキル基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基。
【0017】本発明による方法でメタニトロ安息香酸が
選択率>99%でp−ニトロフェノールに変換される
(o−ニトロフェノールは痕跡の形で存在するにすぎな
かった)ことは、意外なことである。
【0018】ナフタレンカルボン酸(置換又は未置換)
の場合のように、基は互いに環系によって結合していて
もよいけれども、(I)の塩、エステル及び無水物もま
た適当である。ポリアリールカルボン酸、例えばトリメ
リト酸及びピロメリト酸を出発物質として使用すること
もできる。また、上記アリールカルボン酸の混合物を本
発明による方法に使用することもできる。
【0019】本発明は殊に、未置換安息香酸(R1ない
しR5は水素原子である)を相応する未置換フェノール
に変換する方法に関する。
【0020】Cu(II)アリールカルボキシレートへ
のCu(I)アリールカルボキシレートの変換を包含す
るCu含有触媒の酸化は、本発明による方法の第1の反
応工程である。銅の酸化度の増大(1+から2+に)が
生じ、かつCu含有触媒への付加的なアリールカルボキ
シレート部分の混合が行なわれる。
【0021】1工程法の場合にはCu(I)の形の銅の
濃度は、反応内容物に対して0.15重量%より高く、
特に0.2重量%より高く維持される。有利に使用され
るべきCu(I)濃度に関連する2工程法との差異は、
主として上記状況下での反応器の流体力学的挙動の結果
にある。
【0022】意外なことに、タール形成が実質的に生じ
ないことが見出された。
【0023】上限は重要ではないが、しかし、十分なC
u(II)は、高い生産性を促進させるという利点を有
する。従って目的は、50%を超える銅が酸化されてC
u(II)に変換することである。
【0024】Cu(II)へのCu(I)の酸化は、殊
に酸素含有ガスを使用して実施した場合に十分に進行す
る。このために、酸素が増量されたか又は増量されてな
い空気でも、また酸素が減少された空気でも著しく良好
に使用することができる。有利にはガスは爆発限界未満
の酸素含量で使用される。媒体に応じて酸素含量1〜1
5%のガスを使用することができる。
【0025】このようなガスは、例えば気泡式洗浄機(b
ubble-type washer)中でCu含有液体に導通させること
ができる。使用される圧力は重要ではないが、しかし、
一般的には酸化工程を促進させるように高められた圧力
が選択される。このためには0.1〜2.5MPaの圧
力が適当である。
【0026】ガス流を連続的に測定する場合には、如何
なる程度の量のCu(I)がCu(II)に酸化された
かを測定することは容易である。一方では、吸収された
酸素の量を測定することができ(流入ガス及び流出ガス
中で酸素濃度を測定することによって)、他方では、酸
化工程で添加された触媒中のCu(I)の量を測定する
ことができる。Cu(II)への変換率が高くなりすぎ
るおそれがある場合には、例えばガス供給を遮断するこ
ともできるし、例えば不活性成分を供給することもでき
る。変換率が十分に高くない場合には、反応器に、例え
ばより多くのガスを供給することもできるし、例えばよ
り高い酸素濃度を有するガス混合物を供給することもで
きる。
【0027】Cu含有触媒の量は、良好な活性度が得ら
れる程度に選択されるべきであるが、しかし、有利には
該量は、上記工程中に別個の固体触媒相の存在を惹起す
る程度に多量であってはならない。触媒は通常、反応混
合物中に溶解される。酸化工程の際の銅濃度(金属とし
て)は、通常は0.5〜15重量%、特に1〜10重量
%であり;本発明による方法は、1.5〜8重量%、特
に3〜6重量%の間の銅濃度(全て酸化工程の際の反応
混合物に対して)で最良の状態で行なわれる。本発明に
よる方法では実質的にタールが形成されないので、より
多量の銅を使用することが可能である。英国特許第76
2738号明細書による方法は通常、銅1%を用いて行
なわれ、それというのも、1%を超えるタールを含有す
る反応器内容物からタールを分離することに問題がある
からであり、かつその場合には銅の損失が過大となり、
このことは経済的な欠点であるからである。
【0028】銅の他に助触媒を含有する触媒を使用する
ことは有利である。この助触媒は、殊に元素の周期律表
の第V族、第VI族、第VII族及び第VIII族並び
にランタニド及びアクチニドの系列から選択することが
できる。この成分は、触媒中のCuの酸化能力に対して
影響を及ぼす。さらに、促進剤を使用することができ、
この場合、適当な物質は殊にアルカリ(土類)金属、例
えばMg又はLiである。
【0029】有利には、上記の助触媒及び/又は促進剤
は1〜10重量%の量で使用される。
【0030】2工程合成の場合には本方法は有利には、
後続の工程(即ち、還元及びフェノールの生成)はある
一定の程度までは行なわれないという条件下で実施され
る。より低い温度(例えば191〜200℃)では第1
の工程は20分間まで時間をかけてもよく、より高い温
度ではより短い液体滞留時間が選択される。有利には、
液体滞留時間は1〜10分間である。
【0031】殊に2工程合成の場合には、Cu含有触媒
を上記方法に従って温度210〜240℃で酸化させる
ことは有利である。
【0032】本発明による方法における第2の反応工程
には、二酸化炭素(CO2)の放出を伴う触媒の還元及
びフェノールの生成が含まれる。
【0033】1工程法の場合には、第1の反応工程につ
いて前記したのと同じ作業条件を一般に使用することが
できる。この場合には通常は水0.3〜5重量%、特に
0.5〜3重量%が存在する。
【0034】2工程法の場合には第2の反応工程は有利
に、Cu(II)の30〜90%、特に60〜90%が
変換されるまで続けられる。
【0035】このようにして、英国特許第200131
7号明細書に記載された内容とは対照的に本発明による
方法の第2の工程の場合には、還元工程の際に水が存在
することが重要であると証明された。さらに、温度21
0〜270℃、特に温度220〜250℃の使用によっ
て選択率の改善がもたらされることが明らかとなった。
【0036】前記にて引用された英国特許第12906
26号明細書に記載された方法とは対照的に、2工程法
の場合には還元及びフェノールの生成の両方が酸素の不
在下で行なわれる。上記処理工程の際に、酸素の不在に
よってCu含有触媒の再酸化が回避され、その結果、フ
ェノールもしくはその中間生成物といずれかの酸化触媒
生成物との間で(不利な)反応が生じることはない。こ
のような逐次反応によって、選択的に減少する副生成物
(例えばタール)の生成が生じる。
【0037】効果的には、工程a)及びb)をおよそ同
じ温度、特に220〜240℃の間で実施することは著
しく有利である。
【0038】反応混合物が第1の工程から第2の処理工
程に供給される前に、反応混合物からアリールカルボン
酸の一部分を除去することは有利である。
【0039】上記処理を、例えば第1の工程の際に得ら
れた反応混合物の部分蒸発(例えば蒸留による)の方法
によって行なうことができる。その品質に応じて、この
ようにして得られたアリールカルボン酸を品質改善区分
(下記参照のこと)に回送することもできるし、酸化工
程に直接供給することもできる。
【0040】本発明による方法の第2の工程の際に、C
u(II)の量についての実質的な等モルを達成する程
度の量の水を使用することは有利である。結果として、
フェノール生成終了時に得られた反応生成物は実質的
に、水不含であり、このことは、このようにして得られ
た反応生成物の純粋フェノールへのさらなる品質改善に
おいて有利である。しかし水の量は、Cu(II)につ
いての等モル量より2〜3倍多くてもよい。水の量は通
常、0.2〜5重量%、特に0.5〜4重量%、殊に1
〜3重量%である。
【0041】第2の処理工程が実施される際の圧力は重
要ではないが、しかし常圧水準を超えるまで圧力を上昇
させることの利点は、このことが反応動力学に有利な作
用を有すること及び反応生成物の揮発性が減少されるこ
とにある。使用すべき圧力は、一般的に0.1〜2.5
MPaの間であり;より高い圧力は、許容可能ではある
が、方法の本質的な改善をもたらさない。
【0042】第2の工程は通常0.05〜8時間(温度
に依存する)、特に0.1〜3時間を要する。
【0043】2工程法は通常、酸化が第1の反応容器中
で行なわれ、かつ第2の反応容器中で還元及びフェノー
ルの生成が行なわれる連続的方法として行なわれる。し
かし、反応を1つの容器中で回分的及び/又は断続的に
行なうこともできる。
【0044】第2の工程後に、得られたフェノールを分
離かつ回収するために反応混合物は品質改善操作が行な
われる。この操作は、自体公知の方法、例えば蒸留によ
って行なうことができる。確かに、(「湿式方法(wet r
oute)」とも称される、英国特許第762738号明細
書に記載された方法とは対照的に)反応混合物中に水が
ほとんど残留していない場合には、もはや補助物質(例
えば、フェノール−水共沸混合物を分解させるためのト
ルエン)を蒸留に使用する必要はない。未変換のアリー
ルカルボン酸及びCu含有触媒を含有している蒸留残液
の流れを、必要に応じて清浄化工程の後に酸化工程に再
循還させることができる。
【0045】本発明による方法は、殊に未置換フェノー
ルを未置換安息香酸から製造するのに適当である。この
フェノールは、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂及びカプロラクタム製造の両方のための出発物質、
ナイロン−6のための出発物質又はビスフェノール−A
製造のための出発物質として使用することができる。
【0046】次に、本発明を例につき詳説し、この例
は、本発明の制限を意味するものではない。
【0047】
【実施例】次の例を全て、有効容量0.5 l を有する
二重壁の油加熱反応器中で実施した。この反応器は、撹
拌機、ガス入口、蒸気入口、ガス出口、蒸留装備、試料
取入れ箇所及び反応器内容物取出し箇所が備わってい
た。比較例には、検量された組成のガス(酸素4.8容
量%を含む窒素)が充填されたボンベを、反応器にガス
を供給するために使用した。凝縮可能な生成物の冷却後
に排ガスを酸素及び二酸化炭素について分析した。全て
の試験の際には、処理を回分的に実施しながら、触媒、
助触媒及び促進剤の必要量並びに残り全体重量になるま
でのアリールカルボン酸を含有する反応器内容物350
gを使用した。
【0048】触媒、助触媒及び促進剤を金属酸化物又は
金属アリールカルボキシレートとして供給し、この場
合、この2つの場合とも理想的な結果が得られた。
【0049】酸化反応の際のCu(II)へのCu
(I)の変換率を次の2つの方法で測定した:a)反応
器内容物中のCu(I)、Cu(II)及び全てのCu
の直接分析によって測定する方法、及びb)酸化中のガ
ス平衡を記録することによって測定する方法。
【0050】分解/加水分解反応の際のCu(II)へ
のCu(I)の変換率も次の2つの方法で測定した:
a)反応器内容物中のCu(I)、Cu(II)及び全
てのCuの直接分析によって測定する方法、及びb)ア
リールカルボン酸の全ての(自己)カップリング生成物
の合計から測定する方法。この生成物をHPLCによっ
て分析した。上記方法で測定した変換率は良好に一致し
た(差は1%未満であった)。
【0051】試験の次の記述に記載された結果は、次の
通りに得られた: a) フェノールの収量(ΣF)は、得られたフェノー
ル + フェニルベンゾエート + p−フェニルカル
ボキシ安息香酸 + p−ヒドロキシ安息香酸のモルの
合計として表示されている。
【0052】b) m−生成物の収量(Σm−生成物)
は、得られたm−フェニルカルボキシ安息香酸 + m
−ヒドロキシ安息香酸のモルの合計として表示されてい
る(試験D〜Gに関連あるのみ)。
【0053】c) 全生成物の収量(Σ生成物)は、Σ
F + Σm−生成物 + 副生成物として表示されて
いる。
【0054】d) フェノールの選択率(Sf)は、Σ
F/Σ生成物×100%として表示されている。
【0055】全ての例について、内容物、芳香環、CO
2及びO2の平衡は、99〜101%の値を有する。
【0056】例 I〜II 並びに 比較試験 A及び
B 安息香酸中のCu(I)ベンゾエートの溶液を一定の程
度にまで酸化させた。さらに、このようにして得られた
Cu(II)ベンゾエートの溶液を適当な温度で分解し
かつ加水分解した。生じたフェノールを約1%(w/
v)まで留去し、かつ溶液を元の重量になるまで新しい
安息香酸で補充した。さらに溶液を再度酸化させた。こ
の繰り返しを少なくとも5回で終了させた。
【0057】結果は第1表に記載されている。
【0058】 第1表 No. 酸化 分解/ (助)触媒 Sf [Cu(I)] 温度 加水分解 (金属%) 酸化終了 (℃) (℃) %(w/v) I 200 230 Cu1%、Mg3.5% 100% 0.05% A 200 230 Cu1%、Mg3.5% 91% <0.005% II 225 225 Cu4%、Mg2% 100% 0.07% B 225 225 Cu4%、Mg2% 88% <0.005% 例 IV〜V 及び 比較試験 C 上記の溶液を同時に酸化させ、分解し、かつ加水分解し
た。生じたフェノールを約1%(w/v)になるまで連
続的に留去した。溶液を元の重量になるまで新しいアリ
ールカルボン酸で補充した。試験を少なくとも7時間続
けた。
【0059】結果は第2表に記載されている。
【0060】 第2表 No. 反応器 (助)触媒(モル%) Sf [Cu(I)] 内容物 (金属%) 平均 温度(℃) (℃) (金属%) C 242 Cu1%、Mg3.5% 88% 0.11% III 242 Cu2%、Mg3.5% 92% 0.18% IV 242 Cu3%、Mg3.5% 97% 0.24% V a) 230 Cu4%、Mg2% 98% 2.12% a) その上、試験C、III及びIVと比較して著しく減少されたガス負荷 比較試験 D 英国特許第2001317号明細書(オランダ国公開特
許第78.07199号明細書)の例Iを温度218℃
及び1時間で繰り返した。均質触媒の使用のために必要
とされるCu(II)濃度は、4.0モル%であった。
【0061】比較試験 E 試験Aを繰り返したが、しかし時間は2時間であった。
【0062】比較試験 F 付加的にMg(II)3.5重量%を使用して、比較試
験Bを繰り返した。
【0063】比較試験 G 英国特許第2001317号明細書(オランダ国公開特
許第78.07199号明細書)の例IIIの繰り返し
を試み;該明細書に記載された条件下では常圧で温度を
150℃を超えて上昇させることは明らかに不可能であ
り、その結果、フェノールの生成は生じなかった。反応
器内容物に対するキシレン含量を10重量%に適合させ
る場合には、温度を215℃に上昇させることが可能で
あった。この比較試験Gのさらなる条件は、比較試験D
の条件と同様である。
【0064】比較試験D〜G結果は、第3表に記載され
ている。
【0065】 第3表 結果 No. 時間 温度 圧力 ΣF Σm−生成物 Sf (時間) (℃) (105Pa) (ミリモル) (ミリモル) % D 1.0 218 1.0 46 35 56.8 E 2.0 218 1.0 47 37 56.0 F 2.0 218 1.0 100 34 74.6 G 1.0 218 1.0 100 102 49.5 上記試験から明らかなように、英国特許第200131
7号明細書で特徴づけられている、還元及び加水分解の
工程の分割された実施によって、先ず第一にo−フェニ
ルベンゾエート、m−フェニルベンゾエート及びフェニ
ルベンゾエートの生成が生じ、該化合物は、2つのアリ
ールカルボン酸を相互に結合しているカップリング生成
物である。o−生成物及びp−生成物は明らかに、相応
するフェノールに次の加水分解の際に変換される。生じ
た生成物の25〜50%を構成している、生じたm−生
成物を、相応するフェノールに上記処理条件下で変換す
ることができなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レオン フベルトゥス バーバラ フリー ンズ オランダ国 ヴァルケンブルク クレーマ ーストラート8

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールを酸化脱カルボキシル化によ
    って、相応するアリールカルボン酸の液相中で、Cu
    (I)含有触媒の存在下で製造する方法において、酸化
    脱カルボキシル化を191〜270℃の間の温度で、水
    の存在下で、1バールで測定されたフェノールに対する
    選択率が92%を超えて得られる程度の量の銅がCu
    (I)として存在したままであるような量の酸素を添加
    することによって実施し、かつフェノールを分離するこ
    とを特徴とする、フェノールの製法。
  2. 【請求項2】 フェノールを酸化脱カルボキシル化によ
    って、相応するアリールカルボン酸の液相中で、Cu
    (I)含有触媒の存在下で製造する方法において、次の
    処理工程: a) 少なくとも0.04重量%の銅がCu(I)とし
    て存在したままであるような量の酸素を添加することに
    よる、温度191〜240℃で最大20分間の触媒の酸
    化; b) 酸素の不在下で水の存在下に温度210〜270
    ℃での、工程a)の酸化触媒の反応及びフェノールの生
    成; c) フェノールの分離及び工程a)への(還元)触媒
    の再循還 を実施することを特徴とする、フェノールの製法。
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