JPH0518626U - 除湿器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内容物の廃棄、詰替えが簡単で、安価に供給
できる除湿器を提供する。 【構成】 透湿度２００ｇ／ｍ^２、２４ｈｒ、４０℃、
ＲＨ９０％以上で重量２００ｇ／ｍ^２以上の厚紙から成
形した、着脱自在の蓋を有する函状容器中に、前記厚紙
よりも大きい透湿性を有する非通水性の膜より製した袋
状物に潮解性塩類を収納した除湿剤を収納し、かつ該函
状容器の外面の適宜箇所に湿度によって変色するインジ
ケーターを貼付したことを特徴とする袋状除湿剤の詰替
え可能な除湿器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は紙函の中に収納した、潮解性塩類を収納した袋状物だけを使用後廃棄 できる除湿器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、据置き型除湿剤は硬質プラスチックの容器に入れてありその多くは使い 捨てであるため容器共廃棄していた。又詰替え可能のものも硬質の内容器は廃棄 せざるを得ないので無駄となり省資源の見地から好ましくなかった。この型の容 器はその一面から吸湿させる構造のため、その面の吸湿速度を大きくしなければ ならず、かかる容器の製造は煩雑でコスト高となる。

【０００３】 一方袋型のものは軟質包装のため、破損の危険があり又破損危険を回避するた め小型のものが多く吸湿量も小さい。破損防止に帯状に紙を巻くこともなされる が、吸湿量を大きくした据置き型は製造困難であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案者は使用後の内容物だけを廃棄し詰替え可能な除湿器について検討した 結果、函状容器を透湿性の厚紙でつくり、潮解性塩類を収納した透湿性袋状物（ 以下これを除湿剤と称する）を函状容器に納めることにより、使用後の薬剤入り 袋状物を廃棄して新しくすれば、函状容器はそのまま何度でも使用できる詰替え 可能な除湿器を得ることを見出し本考案をなすに至った。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、透湿度２００ｇ／ｍ^２、２４ｈｒ、４０℃、ＲＨ９０％以上で重量 ２００ｇ／ｍ^２以上の厚紙から成形した、着脱自在の蓋を有する函状容器中に、 前記厚紙よりも大きい透湿性を有する非通水性の膜より製した袋状物に潮解性塩 類を収納した除湿剤を収納し、かつ該函状容器の外面の適宜箇所に湿度によって 変色するインジケーターを貼付したことを特徴とする袋状除湿剤の詰替え可能な 除湿器である。

【０００６】 以下、本考案を図によって詳細に説明する。図１は本考案の除湿器である。着 脱自在な蓋５を有する厚紙製函状容器１の中には潮解性塩類３を収納した透湿性 袋状物２が収納されている。ここで函状容器１及び蓋５の厚紙は２００ｇ／ｍ^２ 、２４ｈｒ、４０℃、ＲＨ９０％以上の透湿度を有する。透湿度は内容量、飽和 吸水量、函状容器の表面積、使用期間などによって決定されるが、２００ｇ／ｍ^２ 、２４ｈｒ、４０℃、ＲＨ９０％未満では除湿器用容器としては不十分であり 、５００ｇ以上が好ましい。又厚紙は２００ｇ／ｍ^２以上が必要である。２００ ｇ／ｍ^２未満では容器の保形等から強度上不十分であり、好ましくは３００ｇ／ ｍ^２以上である。かかる厚紙としてはマニラボール、コートボール、段ボール等 が使用できる。さらにすべて厚紙のみでなく、函状容器の骨組みをプラスチッ クでつくり、周囲を上記厚紙でつくった容器（ピラードカップ）も使用できる。

【０００７】 厚紙の函状容器１と同材質で蓋５を設ける。蓋５は除湿剤を詰替える際開け、 使用中は閉じるので着脱自在に嵌着できるものがよく、印籠型等いかなる着脱法 であっても差支えなく、嵌着後は密封できるものであればよい。

【０００８】 さらに函状容器１は湿気により厚紙がボタボタになり、内容物の重量のため強 度が低下することがある。それゆえ容器１の内面、特に下部に撥水処理を施すこ とが望ましい。ここで施される撥水処理としては、フッ素、シリコン等の液状撥 水性樹脂又はその希釈溶液を内面に浸み込ませるか、ポリエチレン、ポリプロピ レンなどの撥水性不織布を内面に貼付するなどが好適である。

【０００９】 本考案で使用する潮解性塩類は塩化カルシウム、塩化マグネシウム等種々ある が、塩化カルシウムが安価で一般的である。

【００１０】 潮解性塩類を収納する透湿性、非通水性膜は１０００〜８０００ｇ／ｍ^２、２ ４ｈｒ、４０℃、ＲＨ９０％程度の透湿度を有するものが使用され、それには熱 可塑性ポリウレタンフイルムやポリエチレンと超微粉ＣａＣＯ_３等の充填材から フイルムを延伸し、あるいはさらに塩酸などに浸漬して得られる微多孔性フイル ムが好適である。これらのフイルムより適当な大きさの袋状物をつくり、潮解性 塩類を収納し除湿剤とする。除湿剤は外気の湿度によるが１〜６月吸湿させれば ほぼ飽和状態となり、それ以上使用は不能であるので除湿剤は袋状物のまま廃棄 する。

【００１１】 厚紙で成形した函状容器１は外から内部が見えないので除湿剤の終点を見るた め容器１の外面の適宜箇所にコバルト試験紙などの湿度によって変色するインジ ケーターを貼付する。外気の湿度は厚紙の容器を通って容器の内部に滲透する。 容器内の袋状物の透湿度は厚紙容器より大きいため、容器を通った湿気は直ちに 袋状物内に滲透するが、袋状物中の潮解性塩類が吸湿し飽和すると袋状物内は湿 度が高くなり、そして袋状物の外、すなわち厚紙容器内も高くなり、それが逆流 してインジケーターに反応し変色させることになる。これは厚紙容器より袋状物 の透湿性フイルムの透湿度が大きいために起こることで、袋状物内の湿度が飽和 状態になる迄は容器内の湿度も高くならず、逆流してインジケーターに反応する ことはない。

【００１２】 このコバルト試験紙は固着と外気の湿度による変色防止のため非透湿性の透明 テープで容器の外面に貼付される。

【００１３】 なお本考案について図面及び説明を厚紙による直方体の函状容器を中心に行っ たが、直方体に限らず円筒形の函状容器であっても差支えなく、押入れ、部屋等 の隅などに据置くことの出来る形状であればよいことは勿論である。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、特定の透湿度などの性状の厚紙から製函し、この中に特定の 膜の袋状物に潮解性塩類を収納した除湿剤を収納するので、吸湿量、吸湿速度が 幅広く設定できると共に使用後内容物だけを廃棄して、新しいものに詰替えがで きるので、取扱い便利、経済的にも有利な除湿器である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の除湿器の一部切欠斜視図

【符号の説明】

１ 厚紙函状容器 ２ 袋状物 ３ 潮解性塩類 ４ インジケーター ５ 蓋

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透湿度２００ｇ／ｍ^２、２４ｈｒ、４０
   ℃、ＲＨ９０％以上で重量２００ｇ／ｍ^２以上の厚紙か
   ら成形した、着脱自在の蓋を有する函状容器中に、前記
   厚紙よりも大きい透湿性を有する非通水性の膜より製し
   た袋状物に潮解性塩類を収納した除湿剤を収納し、かつ
   該函状容器の外面の適宜箇所に湿度によって変色するイ
   ンジケーターを貼付したことを特徴とする袋状除湿剤の
   詰替え可能な除湿器。
2. 【請求項２】 請求項１において、函状容器を撥水処理
   した除湿器。