JPH05185729A - 普通紙への箔押し方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 手形、足形、魚拓等を金、銀等の箔で箔押し
するのに、凸形を用いることなく、安価にかつ迅速に箔
押し加工出来るようにする。 【構成】 インク、墨等で版下の版面に形を押し、これ
を普通の低融点性の樹脂を主体とした微粉末のトナーを
有した乾式電子写真複写機に載せて普通紙に前記形を複
写し、その結果の普通紙の上に、樹脂材料に対して熱転
写性の良い接着剤の膜を有した転写箔を重ね、これらを
加熱されたゴムロールのニップに通す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は普通紙に箔押しする方法
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から金箔、銀箔、黄銅箔、アルミニ
ウル箔、擬金箔、色箔、エナメル箔等があり、これら箔
が皮革、木材、金属材、プラスチック材等の被加工材の
表面に箔押しするのに利用されている。しかし図２に示
す通り、これら箔５は普通、透明フィルムである基体４
の上に真空蒸着や、その他のコーティング技術を用いて
形成され、その上に被加工材の材質に対して転写性の良
い接着剤の膜６を備えて、いわゆる転写箔７となされて
いる。かかる転写箔を用いて被加工材の表面に箔押しす
るのに、箔押し機が使用される。この箔押し機は金属製
の凸型を有し、転写箔を被加工材に対して凸型で加熱押
圧するようになっている。かくして凸型に対応した被加
工材の表面区域のみが箔押しされる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】転写箔から箔を選択的
に被加工材に転写する場合、必ず凸型を用いなくてはな
らず、例えば魚拓や、手形、足形等を金箔付けして色紙
あるいは額に飾ろうとすると、写真製版技術等を用いて
凸版（例えば亜鉛版）を形成し、この凸版を箔押し機に
装着して無地の色紙に転写箔を重ね転写することになる
ので、各個人の記念品にしては高価になりすぎるという
問題点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は和紙に通常の乾
式電子写真複写機を用いて手形等に従ってトナー像を形
成し、かかるトナー像が形成された和紙の上に金箔を有
する市販の転写箔を重ね、これらを加熱されたゴムロー
ルのニップに通した（即ち熱プレスした）後に、転写箔
を普通紙から離すことを特徴とする。

【０００５】

【作用】乾式電子写真複写機のトナーは顔料が分散され
た低融点性の樹脂からなる微粉末であり、かかる微粉末
が複写の際に、普通紙の上に像に従った樹脂層の区域を
形成する。一方で、転写箔は樹脂材料に対して熱転写性
が良いが普通紙には接着しない接着剤の膜を有したもの
を使用することにより、これらを重ね合せて加熱された
ゴムロールのニップに通すだけで選択的な転写が達成さ
れるのである。

【０００６】

【実施例】本発明の一実施例を説明する。図１は本発明
の方法により金箔で箔押しされた手形２を有した和紙１
を色紙３に表装したものを示す。この和紙１は手形の部
分に金箔が箔押しされているのであるが、手形一面にで
はなく指紋が判るように付されている。これは本発明者
の驚きであった。かかる金箔付き手形を作る方法を以下
順を追って説明する。第１の手順として版下となる版面
に墨で手形を押す。第２に、かかる手形を有した版下を
乾式電子写真複写機（つまり普通のゼログラフィ方式の
複写機：普通カーボンブラックが分散された低融点の樹
脂粉末のトナーで現像されるもの）に掛けて前記手形を
和紙に複写する。第３に、塩基ビニール系またはアクリ
ル系の接着剤の膜を有した金箔の転写箔（これは樹脂材
料の表面に箔押しするために一般に市販されているも
の）を前記和紙に重ねる。第４に、これらを加熱された
ゴムロールのニップに通した後に和紙と転写箔とを分離
する。第５に、かくして金箔で箔押しされた手形を有し
た和紙を色紙として表装する。

【０００７】本発明は手形に限らず足形あるいは魚拓、
更には自筆等を同様に金箔あるいは銀箔等で箔押しした
ものが得られ、またこれらを色紙に限らず掛軸、屏風等
に表装することも出来る。また、和紙に限らず中性紙、
上質紙など普通紙でもよい。

【０００８】従来、箔押しは必ず凸型を用いていたの
で、一点のみの作品を箔押ししようというようなことは
コストの面から頭から否定されて来たのであるが、本発
明により凸型を用いなくても、普通の複写機を用いて極
めて簡単に、一点のみの作品でも箔押し加工することが
出来るようになったのである。なお、箔押し加工はカラ
ーコピーは言うにおよばずカラー印刷したものとは趣の
異なった独特の審美感を与えるのである。かかる箔押し
物が本発明により極めて安価に迅速に得られ、新規購買
意欲をそそる商品の開発につながるのである。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の転写箔転写
法は、一点のみの作品としてはコスト面で到底行われ得
なかった箔押し加工を一点のみの作品でも極めて安価に
迅速に施すことを可能にしているので、手形、足形、魚
拓、自筆等を金、銀等で一点ずつ別個に箔押し加工する
ことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の方法により手形に金箔を箔押しした和
紙を色紙として表装したものの平面図。

【図２】転写箔の積層構造を説明するための断面図。

【符号の説明】

１ 和紙 ２ 金箔で箔押しされた手形 ３ 色紙 ４ 基体 ５ 箔 ６ 接着剤の膜 ７ 転写箔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 普通紙に乾式電子写真複写機によるトナ
   ー像を形成せしめ、加熱下に押圧したとき該トナー中の
   樹脂に融着するが該普通紙には接着しない接着剤の膜と
   箔と基体とからなる転写箔を該接着剤の膜が該トナー像
   を有する該普通紙の面に接するように普通紙に重ね、こ
   れら転写箔を普通紙に対して加熱下に押圧した後両者を
   分離することを特徴とする普通紙への箔押し方法。