JPH0518256U - 磁気デイスク駆動用モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータ内あるいは磁気ディスクに対する塵埃
やオイルミスト等の汚染を防止し、磁気ディスク駆動装
置のクリーン性を良好に維持することを可能とする。 【構成】 軸受ホルダー２１の開放端を、シールキャッ
プ２８及び充填剤２８ａによって遮断するとともに、軸
受ホルダー２１内に、モータ内外への全ての空気流路を
遮断する磁性流体シール２６を設けてなるものであり、
かつモータの小型化を図るべく、磁性流体シール２６を
ボールベアリング２２，２２の間部分に配置してなるも
の。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気ディスクを回転駆動させるための磁気ディスク駆動用モータに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に用いられているディスク駆動用モータは、例えば図２に示されているよ うな構造になされている。図２に示されているように、中空円筒状の胴部を有す る軸受ホルダー１の中空内部には、一対の軸受ボールベアリング２，２が軸方向 に並設されるようにして圧入されているとともに、これら一対のボールベアリン グ２，２を介してシャフト３が回転自在に支承されている。シャフト３の一端部 （図示上端部）には、ハブ４の中心部が装着されており、当該ハブ４の外周面に 、磁気ディスク５が装着されている。

【０００３】 また上記ハブ４の図示下側部分には、拡大された外径を有するフランジ部４ａ がスカート状に設けられており、このフランジ部４ａの内周壁面に、環状の駆動 マグネット６が設置されている。一方前記軸受ホルダー１の外周部には、ステー タコア７が固定されており、このステータコア７の外周面が、上記駆動マグネッ ト６の内周側に対面されている。上記ステータコア７には、コア巻線８が装荷さ れている。

【０００４】 さらに上記軸受ホルダー１における胴部の図示下端側に設けられた開放端には 、当該開放端を閉塞する磁性流体シール９が装着されている。磁性流体シール９ は、軸受ホルダー１の内周面とシャフト３の外周面との間を遮断するシール手段 としての機能を有するものであり、図示下方側の外部からモータ内への空気の流 入を遮断することによって、空気中の塵埃やボールベアリング２から発生するオ イルミスト等がモータ内あるいは磁気ディスク５側に付着することを防止してい る。

【０００５】 なおこのようなディスク駆動モータの軸受ホルダー１は、本体フレーム１１に 設けられた取付穴１１ａ内に挿入されており、これら取付穴１１ａの内周面と軸 受ホルダー１外周面との間に、接着剤１２が充填されて軸受ホルダー１と本体フ レーム１１との固定が行われている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが上述した従来技術のように、軸受ホルダー１の内周面とシャフト３の 外周面との間を磁性流体シール９によって遮断する場合には、磁性流体シール９ に注入された磁性流体が飛散することがあり、モータ内や磁気ディスク５側が汚 染されるおそれがある。また磁性流体の注入作業に手間がかかり、さらに部品コ スト自体も割高であるため生産性に問題がある。

【０００７】 そこで本考案は、簡易な構成によって、モータ内や磁気ディスク側のクリーン 度を良好に維持することができるようにした磁気ディスク駆動用モータを提供す ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案は、開放端を備えた中空円筒状の胴部からなる 軸受ホルダーと、この軸受ホルダーにおける胴部の中空内部に、軸方向に並設す るように配置された一対のボールベアリングと、これら一対のボールベアリング を介して上記軸受ホルダーの胴部内に回転自在に支承されたシャフトと、当該シ ャフトにより支持された磁気ディスク装着用のハブと、を備えてなる磁気ディス ク駆動用モータにおいて、上記軸受ホルダーにおける胴部の開放端を閉塞するよ うに装着されたシールキャップと、このシールキャップの周縁部を密閉する充填 剤と、前記軸受ホルダーの胴部の中空内部空間において、シャフトの外周面と軸 受ホルダーの内周面との隙間を、ボールベアリングどうしの間で遮断するように 設けられた磁性流体シールと、を備えた構成になされている。

【０００９】

【作用】

このような構成を備える手段においては、軸受ホルダーにおける胴部の開放端 側と外気との間が、簡易な構成のシールキャップ及び充填剤によって遮断される と同時に、軸受ホルダーの中空内部空間におけるボールベアリングどうしの間が 、磁性流体シールによって遮断され、それによって、モータの内外へ流入あるい は流出しようとする全ての空気流路が完全に遮断されるようになっている。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図１に示されているように、中空円筒状に形成された軸受ホルダー２１の胴部 内には、一対の軸受ボールベアリング２２，２２が軸方向に並設されるようにし て圧入されているとともに、これら一対のボールベアリング２２，２２を介して シャフト２３が回転自在に支承されている。シャフト２３の一端部（図示上端部 ）には、大径円盤状に形成されてなる鍔状固定体２３ａが一体に設けられている とともに、この鍔状固定体２３ａに対し、ハブ２４の中心部に貫通形成された取 付穴２４ａが嵌着されている。ハブ２４の全体は、略中空円筒状に成形されてお り、その外周面に、図示２点鎖線で示された磁気ディスク２５が装着されるよう になっている。前記ハブ２４の取付穴２４ａの内周壁には、軸方向に向かって段 部が形成されており、この取付穴２４ａの段部に対して、上記シャフト２３の鍔 状固定体２３ａが突き当てられるようにして固定されている。

【００１２】 上記軸受ホルダー２１の中空胴部の内周壁には、磁性流体シール２６が取り付 けられている。この磁性流体シール２６は、軸受ホルダー２１の内周壁に膨出形 成された係止段部２７によって支持されており、前記一対のボールベアリング２ ２，２２どうしの間に配置されている。当該磁性流体シール２６の内周部に注入 された磁性流体２６ａは、前記シャフト２３の外周面を環状に取り巻くように被 着されており、シャフト２３の外周面と軸受ホルダー２１の内周面との間の環状 の隙間が、上記磁性流体シール２６により遮断されている。

【００１３】 さらに上記軸受ホルダー２１の中空胴部は、図示下端側が開放状態になされて おり、この軸受ホルダー２１の図示下端側開口に、当該開口を閉塞するシールキ ャップ２８が嵌め込まれている。このシールキャップ２８は、皿状部材からなり 、前記シャフト２３及びボールベアリング２２の図示下端面に対面するように配 置されている。またこのシールキャップ２８の周縁部には、充填剤としての接着 剤２８ａが被着されており、当該シールキャップ２８と軸受ホルダー２１との隙 間の密閉・封止が行われている。

【００１４】 また上記ハブ２４の図示下側部分には、拡大された外径を有するフランジ部２ ４ｂがスカート状に設けられており、このフランジ部２４ｂの内周壁面に、環状 の駆動マグネット３０が設置されている。一方前記軸受ホルダー２１の胴部外周 には、ステータコア３１が固定されており、このステータコア３１の外周面が、 上記駆動マグネット３０の内周側に対面されている。上記ステータコア３１には 、コア巻線３２が装荷されている。

【００１５】 このようなディスク駆動モータは、図示２点鎖線で示された本体フレーム３３ の取付穴内に固定されている。軸受ホルダー２１の胴部の外周部分に設けられた 係止段部２１ａは、本体フレーム３３に当接されてディスク駆動モータの位置決 めを行うものである。

【００１６】 このような構成を備える手段において、モータの回転が行われるときには、図 １中の符号及びでそれぞれ示されているような空気流が生じようとする。ま ず符号の空気流は、軸受ホルダー２１の開放端におけるキャップ２８の僅かな 隙間を通ってモータ内に流入し、ハブ２４の隙間からモータ外部に流出しようと する空気流であり、比較的少量である。本実施例においては、シールキャップ２ ８及び充填剤２８ａによって軸受ホルダー２１の開放端が遮断されていることか ら、軸受ホルダー２１の開放端を通ってモータ内部へ流入しようとする符号の 空気流は、基本的には生じることのないものではあるが、シールキャップ２８の 取付誤差等から、軸受ホルダー２１の開放端に僅かな隙間が形成される可能性も あり、その場合には、符号で示された空気流が僅かに生じるものである。

【００１７】 一方符号の空気流は、シャフト２３の中心部に設けられた中空通路２３ａ内 を通ってモータの内外を行き来する比較的多量の空気流であり、この空気流には 、シャフト２３内の削り粉等の塵埃が含まれることがある。以上のような符号 及びで示された空気流は、いずれも軸受ホルダー２１の中空胴部内、すなわち シャフト２３の外周面に沿って流動しようとするものである。

【００１８】 ところが上述したように本実施例においては、軸受ホルダー２１の内周面とシ ャフト２３の外周面との間が、磁性流体シール２６により遮断されている。この ため上記符号の空気流は、いずれも磁性流体シール２６によって流動が阻止 されることとなる。したがってモータ内外への空気流路は完全に遮断され、その 結果、モータ内あるいは磁気ディスク２５側への汚染が良好に防止される。

【００１９】 なおシールキャップ２８と軸受ホルダー２１との隙間の密閉・封止を行う充填 剤２８ａは、上記実施例のような接着剤に限られることはなく、他の各種充填剤 を用いることが可能である。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたように本考案は、軸受ホルダーの開放端を遮断するためのシールキ ャップ及び充填剤を設けると同時に、軸受ホルダー内の空気流路を磁性流体シー ルによって遮断してなるものであるから、モータ内あるいは磁気ディスクを汚染 しようとする空気流を完全に遮断することができ、装置のクリーン性を良好に維 持することができる。 また本考案では、ボールベアリングの間部分に磁性流体シールを配置している ので、軸受ホルダーの内部空間を有効に利用することができ、モータの薄型化に 際しても支障を生じることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例における磁気ディスク駆動用
モータの取付構造を表わした縦断面図である。

【図２】従来における磁気ディスク駆動用モータの取付
構造を表わした縦断面図である。

【符号の説明】

２１ 軸受ホルダー ２３ シャフト ２４ ハブ ２５ 磁気ディスク ２６ 磁性流体シール ２８ シールキャップ ２８ａ 接着剤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開放端を備えた中空円筒状の胴部からな
   る軸受ホルダーと、 この軸受ホルダーにおける胴部の中空内部に、軸方向に
   並設するように配置された一対のボールベアリングと、
   これら一対のボールベアリングを介して上記軸受ホルダ
   ーの胴部内に回転自在に支承されたシャフトと、当該シ
   ャフトにより支持された磁気ディスク装着用のハブと、
   を備えてなる磁気ディスク駆動用モータにおいて、 上記軸受ホルダーにおける胴部の開放端を閉塞するよう
   に装着されたシールキャップと、このシールキャップの
   周縁部を密閉する充填剤と、 前記軸受ホルダーの胴部の中空内部空間において、シャ
   フトの外周面と軸受ホルダーの内周面との隙間を、ボー
   ルベアリングどうしの間で遮断するように設けられた磁
   性流体シールと、を備えてなることを特徴とする磁気デ
   ィスク駆動用モータ。