JPH05182104A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH05182104A
JPH05182104A JP4000300A JP30092A JPH05182104A JP H05182104 A JPH05182104 A JP H05182104A JP 4000300 A JP4000300 A JP 4000300A JP 30092 A JP30092 A JP 30092A JP H05182104 A JPH05182104 A JP H05182104A
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signal
frequency
envelope
circuit
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JP4000300A
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English (en)
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Kouji Kaniwa
耕治 鹿庭
Hirochika Abe
弘哉 安部
Akishi Mitsube
晃史 三邊
Yukinobu Tada
行伸 多田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ATF信号処理系およびエンベロープ信号処
理系をディジタル信号処理化し、他のディジタル制御系
と一体化した高集積化を可能とすると共に、構成部品の
バラツキや経年変化等による性能劣化の無い磁気記録再
生装置を提供すること。 【構成】 再生信号をサンプリングしディジタル信号に
変換するAD変換手段と、このAD変換手段の出力信号
のエンベロープ信号を検出するディジタルエンベロープ
検波手段とを備え、上記AD変換手段におけるサンプリ
ング周波数を4周波パイロット信号の公倍数周波数であ
り、且つ再生信号の最高周波数の2倍未満の周波数とす
ると共に、上記エンベロープ検波手段が折り返し成分を
含んだ上記AD変換手段の出力信号のエンベロープ信号
を検出するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異なるアジマス角を有
する複数の磁気ヘッドにより形成されるヘリカルトラッ
クにATF(Automatic Track finding )用パイロット
信号を記録するようにしたヘリカル走査型の磁気記録再
生装置に係り、特に、高速テープ走行時の記録モード判
別やリアルタイムカウンター表示、さらにヘッドの目詰
まり検出等の機能を有する磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のATF方式の磁気記録再生装置に
ついて、8ミリビデオと呼ばれているVTRを例にとり
説明する。図12は、8ミリビデオのATF信号処理回
路(4周波パイロット信号検出回路)およびエンベロー
プ検出回路の構成例である。
【0003】まず、ATF方式の4周波パイロット信号
について説明する。図12に示すように磁気テープ1に
は、各トラックごとにf1〜f4のパイロット信号が、
周波数変調輝度信号や低域変換色信号記録等の情報に重
畳されて順次記録されている。これらの4周波パイロッ
ト信号は、NTSC方式の映像信号の記録再生時は、3
78fH(fHはテレビ信号の水平同期信号周波数であ
る;なお、CCIR方式の映像信号の記録再生時は、3
75fHである)の源振をそれぞれ1/58,1/5
0,1/36,1/40に分周した周波数の信号であ
り、f1≒6.5fH,f2≒7.5fH,f3≒1
0.5fH,f4≒9.5fHとなっている。したがっ
て、磁気テープ上にて隣接するトラック間のパイロット
信号周波数差は、常にfHあるいは3fHとなる(厳密
には、16.407kHz,16.521kHzあるい
は46.145kHz,46.209kHZとなるが、
説明の便宜上fH,3fHと記す)。
【0004】例えば、磁気ヘッド4が図12に示すf2
トラックを走査している場合、先行隣接トラックのf1
パイロット信号と走査トラックのf2パイロット信号と
の周波数差はfH、そして後行隣接トラックのf3パイ
ロット信号と走査トラックのf2パイロット信号との周
波数差は3fHとなる。以上のように設定されたパイロ
ット信号は、再生時のトラッキング制御、記録時のテー
プ速度判別(記録モード判別)、およびトラックジャン
プ信号として使われる。以下、従来の4周波パイロット
信号の検出方法について説明する。
【0005】図12において、1は磁気テープ、4は磁
気ヘッド、14はプリアンプ、17,45はLPF(低
域通過フィルタ)、20はクロック発生器、33は平衡
変調器(掛け算器)、34,38は入力端子、35はク
ロック分周回路、36,37はBPF(帯域通過フィル
タ)、39はスイッチ、40,41はピーク検波器、4
2は減算器、43,47は出力端子、44はエンベロー
プ検波器、46はコンパレータである。
【0006】図12において、磁気ヘッド4により磁気
テープ1から検出された再生信号は、プリアンプ14に
より十分増幅された後、LPF17およびエンベロープ
検波器44へ供給される。LPF17では、トラッキン
グ制御に不要な映像信号等の高域成分を抑圧した後、再
生パイロット信号を平衡変調器33へ供給する。平衡変
調器33は、再生パイロット信号とクロック分周回路3
5より供給されるローカルパイロット信号との掛け算を
行い、両隣接トラックのパイロット信号をfHおよび3
fHの周波数に変換する。図12に示すように、磁気ヘ
ッド4がf2パイロット信号トラックを走査している時
を例にすると、クロック分周回路35は、入力端子34
より供給される制御信号SELに従いそのローカルパイ
ロット信号はf2に選択されている。この場合、再生パ
イロット信号には、走査トラックおよび両隣接トラック
のパイロット信号であるf1,f2,f3が含まれる。
したがって、平衡変調器33の出力はf2±f1および
f3±f2の周波数成分を有する。なお、走査トラック
のf2パイロット信号は掛け算によりゼロビートおよび
2×f2になる。
【0007】この平衡変調器33の出力はfH−BPF
36および3fH−BPF37に供給され、それぞれf
2−f1≒fHおよびf3−f2≒3fHの周波数成分
が抽出される。ここで、上記fHおよび3fHの信号に
ついて見るとfH信号は先行隣接トラックのf1パイロ
ット信号を周波数変換したものであり、3fH信号は後
行隣接トラックのf3パイロット信号を周波数変換した
ものである。したがって、fH信号レベルと3fH信号
レベルとを比較することにより磁気ヘッド4が走査して
いるトラック位置、即ちトラッキング位相を検出するこ
とができる。
【0008】fH−BPF36および3fH−BPF3
7により抽出されたfH信号および3fH信号は、スイ
ッチ39を介してピーク検波回路40あるいは41へ供
給される。スイッチ39は入力端子38より供給される
制御信号HSWによりトラック走査の周期で切り換えら
れる。このスイッチ39は、先行/後行トラックのパイ
ロット信号と、周波数変換されたfH/3fH信号の関
係がトラックごとに変化するため、これを相殺するため
のものである。例えば図12の状態では、上記したよう
に先行トラックのパイロット信号がfH信号に変換さ
れ、後行トラックのパイロット信号が3fH信号に変換
される。しかし、磁気ヘッド4が次のf3パイロット信
号トラックを走査している場合には、平衡変調器33に
供給されるローカルパイロット信号はf3とされ、した
がって、先行トラックから再生されるf2パイロット信
号はf3−f2≒3fHとなり、後行トラックから再生
されるf4パイロット信号はf4−f3≒fHとなるの
で、上記図12の場合と先行/後行トラックのパイロッ
ト信号と、周波数変換されたfH/3fH信号の関係が
逆になる。
【0009】以上のことにより、トラック走査の周期で
切り換えられたfHおよび3fH信号は、それぞれピー
ク検波回路40あるいは41へ供給される。ピーク検波
回路40および41は、fHおよび3fH信号のエンベ
ロープレベルを検出し、それぞれ減算回路42に供給す
る。減算回路42はfHおよび3fH信号のレベルを減
算し、減算出力すなわちトラッキングエラー信号を出力
端子43を介してキャプスタン制御回路(図示せず)に
供給する。これにより、磁気テープ1は所定の速度と位
相で走行される。なお、ローカルパイロット信号を発生
するクロック分周回路35は、クロック発生回路20よ
り供給されるクロックを分周し、入力端子34より供給
される制御信号SELに従いトラック走査の周期でf1
〜f4のローカルパイロット信号を順次発生する。
【0010】なお、上記のトラッキング用パイロット信
号検出回路は、クロック分周回路35より供給されるf
1〜f4のローカルパイロット信号の発生順序を変更す
ることにより、再生パイロット信号を用いた記録時のテ
ープ速度判別(記録モード判別)信号検出回路とするこ
ともできる。以下ここでは、記録再生時のテープ速度と
して、標準テープ速度モードをSP(Standard Play )
モードと呼び、標準の1/2のテープ速度モード、すな
わち記録再生時間が2倍のモードをLP(LongPlay )
モードと呼ぶ。
【0011】一方、プリアンプ14からの再生信号が入
力されているエンベロープ検波器44は、再生信号のエ
ンベロープ検波を行い、検波信号をLPF45に供給す
る。LPF45は、瞬時的なドロップアウト等により生
じる高域成分を抑圧したエンベロープ検波信号をコンパ
レータ46に供給する。コンパレータ46は、エンベロ
ープ検波信号を所定の基準レベルと比較し、ロジック信
号に変換する。このロジック信号とされたエンベロープ
検出信号は、出力端子47を介して出力され、磁気ヘッ
ド4の目詰り検出や高速テープ走行時のトラックジャン
プ信号として用いられる。
【0012】なお、上記のような磁気記録再生装置に関
連するものとして、例えば特開昭59−36358号公
報,特開昭62−9551号公報等が挙げられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
4周波パイロット信号を用いたATFトラッキング制御
回路やエンベロープ検出回路を備えた磁気記録再生装置
では、再生パイロット信号の周波数変換を行う平衡変調
器、fHおよび3fH成分を抽出するBPF、パイロッ
ト信号のレベル検波回路やfH信号および3fH信号の
レベル比較回路、高速テープ走行時のトラックジャンプ
検出やヘッドの目詰まり検出を行う再生信号のエンベロ
ープ検出回路をアナログ信号処理にて行っている。その
ため、現在では、ほとんどがディジタル処理化あるいは
マイクロコンピュータによるソフト処理化されているテ
ープの速度制御系やヘッドを搭載したドラムの速度およ
び位相制御系と、上記のようなATF信号処理系および
エンベロープ信号処理系は、整合性が悪くなっている。
言い換えれば、ATF信号処理系およびエンベロープ信
号処理系がアナログ信号処理であるため、他のディジタ
ル制御系と一体化した高集積化が難しくなっている。ま
た、ATFトラッキング制御系の性能を大きく左右する
fHおよび3fH成分を抽出するBPFや上記各種LP
Fも、アナログ信号処理では構成部品のバラツキや経年
変化による特性劣化を生じてしまう。
【0014】そこで本発明の目的は、ATF信号処理系
およびエンベロープ信号処理系をディジタル信号処理化
し、他のディジタル制御系と一体化した高集積化を可能
とすると共に、構成部品のバラツキや経年変化等による
性能劣化の無い磁気記録再生装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気記録再
生装置は、上記目的を達成するために、再生信号から不
要高域成分を抑圧しパイロット信号を抽出するLPF手
段と、このLPF手段の出力信号と帯域制限する前の上
記再生信号を、再生モードに応じて切換えて出力するス
イッチと、スイッチの出力信号を4周波のパイロット信
号の公倍数であり、且つ再生信号の最高周波数の2倍未
満のサンプリング周波数でディジタル信号に変換するA
D変換手段とを備え、トラッキング制御回路を、AD変
換手段の出力を所定のパイロット信号の2倍以下のサン
プリング周波数に変換するサンプリングデータの間引き
手段と、間引きデータに含まれる所定トラックの再生パ
イロット信号の折り返し信号を抽出するディジタルBP
Fと、ディジタルBPFにより抽出された折り返し信号
のレベルを検出するレベル検波手段と、レベル検波手段
の出力によりトラッキングエラー信号を発生する演算手
段とにより構成している。
【0016】また、記録時のテープ速度が通常速度より
も低速とする長時間記録モード(LPモード)を有する
磁気記録再生装置においては、再生時にトラッキング制
御とともに記録モードの判別、即ちSP/LP判別を行
う必要があり、そのために本発明では、パイロット信号
を用いたテープ速度判別回路を、上記のAD変換手段と
サンプリングデータの間引き手段とディジタルフィルタ
とレベル検波手段に加えて、1トラック隔てた2トラッ
クの再生パイロット信号のレベル差信号周波数を検出す
る周波数検出手段で構成し、上記再生パイロット信号レ
ベルの差信号の周波数により、記録時のテープ速度を判
別するようにしている。
【0017】さらに、再生信号のエンベロープ検出回路
を、上記AD変換手段の出力レベルを検出するピーク検
波手段と、このピーク検波手段の出力信号から不要高域
成分を抑圧するディジタルLPF手段と、LPF手段の
出力と所定の基準レベルとを比較増幅するコンパレータ
手段とで構成し、再生信号のエンベロープを検出するよ
うにしている。
【0018】
【作用】まず、LPF手段は、トラッキングに必要なパ
イロット信号のみを抽出する。スイッチは、広帯域の再
生信号と抽出された再生パイロット信号とを切り換えて
AD変換手段に供給する。AD変換手段は入力されたア
ナログ信号をディジタル信号に変換する。サンプリング
データの間引き手段は、サンプリングにおいてサンプリ
ング周波数の1/2を超える周波数の信号は折り返しと
して検出されることを積極的に利用し、再生パイロット
信号の周波数変換を行う。ディジタルBPFは、折り返
し信号とされたディジタル再生パイロット信号から、両
隣接トラックの再生パイロット信号を抽出する。レベル
検波手段は、両隣接トラックからの再生パイロット信号
のレベルを検出、すなわちトラッキング状態を検出す
る。演算手段は、両隣接トラックからの再生パイロット
信号のレベル差を求めることによりトラッキングエラー
信号を発生する。したがって、パイロット信号をディジ
タル的に処理するのに、AD変換時のサンプリング周波
数を一定にし、サンプリングデータを所定の割合で間引
くことにより、4周波のパイロット信号をすべてfH
に、あるいはfHと3fH信号に変換できる。さらに、
ATFトラッキング制御系の性能を大きく左右するfH
あるいは3fH成分を抽出するBPFやレベル検波回路
等をディジタル回路にて実現でき、アナログ信号処理時
に問題となった構成部品のバラツキや経年変化による特
性劣化を防止することができる。
【0019】また、1トラック隔てた2トラックの再生
パイロット信号のレベル差信号周波数fpは、記録時の
テープ速度に対して再生時のテープ速度がm倍の場合に
は、次の式に示す周波数となることより、 fp=|m−1|×15 [Hz] ………式 レベル差信号周波数検出手段は、記録時のテープ速度を
判別することができる。
【0020】さらに、上記AD変換手段の出力レベルを
検出するピーク検波手段は、折り返し信号とされた高域
成分を含んだディジタル再生信号のレベルを検出する。
ディジタルLPF手段は瞬時的なドロップアウト等によ
り生じるレベル検出信号の不要高域成分を抑圧する。そ
して、コンパレータ手段は、再生信号のエンベロープ信
号をロジック信号に変換して出力する。したがって、再
生パイロット信号検出用のAD変換手段を、再生信号の
エンベロープ検出用として兼用でき、しかもサンプリン
グ周波数を、再生信号の最高周波数の2倍未満の周波数
とすることができ、動作周波数の低周波数化が図れる。
このエンベロープ信号は、可変速再生時のトラックジャ
ンプ情報を有するので、再生時のテープ走行量(走行ト
ラック数)を計測することができ、テープ走行のリアル
タイムカウンタの表示を可能にする。また、このエンベ
ロープ信号の周波数feは、記録時のテープ速度に対し
て再生時のテープ速度がm倍の場合には、次の式に示
す周波数となるので、 fe=|(m−1)/2|×60 [Hz] ………式 再生時のテープ速度と比較することにより記録時のテー
プ速度を判別することができる。さらにこのエンベロー
プ検出信号は、広帯域な再生信号のレベル情報を有して
いるので、磁気ヘッドの目詰り検出にも用いることがで
きる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1は本発明の第1実施例に係る磁気記録再
生装置のブロック図である。図1において、1は磁気テ
ープ、2はキャプスタン、3はキャプスタンモータ、4
a,4bはアジマス角の異なる磁気ヘッド、5は磁気ヘ
ッド4a,4bを搭載したドラム、6はドラムモータ、
7は巻取リール、8は供給リール、9はキャプスタンF
G(Frequency Generator )センサ、10はドラムFG
センサ、11はドラムPG(Pulse Generator ;タック
パルスTP)センサ、12は巻取リールFGセンサ、1
3は供給リールFGセンサ、14はプリアンプ、15は
モータ制御回路、16はテープ速度検出回路、17はL
PF、18,27はスイッチ、19はADコンバータ、
20はクロック発生器、21はATF処理回路、22は
絶対値回路、23はピーク検波回路、24はディジタル
LPF,25はコンパレータ、26はSP/LP判別回
路、28は目詰まり検出回路、29はリアルタイムカウ
ンタ、30はSP/LP判別信号の出力端子、31はリ
アルタイムカウント値の出力端子、32は目詰まり検出
信号の出力端子である。
【0022】上記構成において、磁気テープ1から磁気
ヘッド4a,4bにより検出された再生信号は、プリア
ンプ14により十分増幅された後、順次切り換えられ連
続信号として、LPF17およびスイッチ18の一方の
入力端子(図示入力端子B)へ供給される。LPF17
では、トラッキング制御に不要な映像信号等の高域成分
を抑圧した再生信号を、スイッチ18の他方の入力端子
(図示入力端子A)に供給する。スイッチ18は、再生
モードに応じて図2に示すように切り換えられる。
【0023】本実施例では、再生モードとして図2に示
す5つのモードを設定している。このうち、通常再生と
順/逆方向サーチは再生映像の出力を前提としており、
巻き取りおよび巻き戻しは再生映像を出力せずにテープ
の高速走行を目的とするものである。各モードにおける
トラッキング方式,テープとヘッドの相対速度補正,S
P/LP記録モード判別方式,ヘッドの目詰り検出方
式,リアルタイムカウンタの方式は同図に示す通りであ
る。
【0024】まず、再生映像が出力される通常再生ある
いは順/逆方向サーチ再生時の動作について説明する。
このモードでは、スイッチ18は入力端子A側に閉じら
れる。したがって、ADコンバータ19にはLPF17
の出力である再生パイロット信号が供給される。ADコ
ンバータ19では、再生パイロット信号をクロック発生
器20より供給されるクロックを用いてf1〜f4のパ
イロット信号周波数の公倍数であり、且つ再生信号の最
高周波数の2倍未満の周波数でサンプリングして、ディ
ジタル信号に変換する。本実施例ではサンプリング周波
数として最小公倍数の189fH(約3MHz)に設定
している。ディジタル信号に変換された再生パイロット
信号はATF処理回路21に供給される。ATF処理回
路21は、再生パイロット信号を用いてトラッキング制
御信号およびSP/LP判別信号を発生する。
【0025】ATF処理回路21の構成例を図3に示
す。図3において、48,57,72は入力端子、49
〜52はデータ間引き回路、53〜56はfH−BP
F、58はスイッチ制御回路、59,65はスイッチ、
60,61および66,67はピーク検波回路、62,
68は演算回路、63,69はLPF,70はレベル比
較回路、71は周波数比較回路、そして64,73は出
力端子である。
【0026】図3に示した構成において、データ間引き
回路49〜52では、入力端子48を介して供給された
サンプリング周波数が189fHの再生パイロットデー
タを、それぞれ1/29,1/25,1/20,1/1
8のサンプリング周波数になるように間引く。したがっ
て、このデータの間引きによりサンプリング周波数は、
それぞれ4周波のパイロット信号周波数であるf1(≒
6.5fH),f2(≒7.5fH),f4(≒9.5
fH),f3(≒10.5fH)に変換されることにな
る。このサンプリング周波数の変換により再生された4
周波のパイロット信号は、図4に示すような周波数の再
生パイロット折り返り信号を生ずる。
【0027】これらのデータ間引き回路49〜52によ
りサンプリング周波数を変換された再生パイロット信号
は、それぞれfH−BPF53〜56へ供給される。サ
ンプリング周波数に応じた再生パイロット信号の折り返
り信号周波数の関係は、図4に示す通りであり、斜線を
施した信号成分に着目すると、fH−BPF53のfH
周波数出力P2は、再生f2パイロット信号となり、f
H−BPF54のfH周波数出力P1は、再生f1パイ
ロット信号となり、fH−BPF55のfH周波数出力
P3は、再生f3パイロット信号となり、そしてfH−
BPF56のfH周波数出力P4は、再生f4パイロッ
ト信号となることがわかる。fH−BPF53〜56に
より抽出された4周波の再生パイロット信号は、スイッ
チ59および65に供給され、スイッチ制御回路58よ
り供給されるスイッチ制御信号により順次切り換えられ
る。図3において、スイッチ59を含む点線で囲まれた
ブロックはトラッキング制御信号検出部74であり、ス
イッチ65を含む点線で囲まれたブロックはSP/LP
判別ブロック75である。
【0028】トラッキング制御信号検出部74では、ス
イッチ59の出力信号は、ピーク検波回路60および6
1に供給される。スイッチ制御回路58は、入力端子5
7を介して供給されるヘッド切り換え信号HSW(回転
磁気ヘッドの走査に同期した映像フレーム周波数の信号
≒30Hz)に従って磁気ヘッドの走査周期でスイッチ
59の切り換えを行う。スイッチ59の切り換え制御に
ついてさらに詳しく説明する。トラッキング制御を行う
場合、先の図12でも説明したように磁気ヘッドの走査
トラックの両隣接トラックからのパイロット信号レベル
を検出する必要がある。そのために、本実施例ではfH
−BPF53〜56により抽出された4周波の再生パイ
ロット信号の折り返し信号を、スイッチ59にて順次切
り換えてピーク検波回路60および61に供給するよう
にしている。例えば、図12に示すように磁気ヘッド4
がf2パイロット信号が記録されているトラックを走査
している場合には、ピーク検波回路60にはP1信号、
すなわち先行隣接トラックのf1パイロット信号が供給
され、ピーク検波回路61にはP3信号、すなわち後行
隣接トラックのf3パイロット信号が供給される。そし
て、磁気テープの走行と共に走査トラックが、f2→f
3→f4→f1→f2となるにしたがって、ピーク検波
回路60にはP1→P2→P3→P4→P1の信号が供
給され、ピーク検波回路61にはP3→P4→P1→P
2→P3の信号が供給される。従ってこの場合、ピーク
検波回路60には常に先行隣接トラックのパイロット信
号が供給され、ピーク検波回路61には常に後行隣接ト
ラックのパイロット信号が供給されることになる。
【0029】ピーク検波回路60および61は、それぞ
れ先行隣接トラックのパイロット信号と後行隣接トラッ
クのパイロット信号のレベルを検出し、演算回路62へ
出力する。演算回路62は、先行隣接トラックのパイロ
ット信号レベルと後行隣接トラックのパイロット信号レ
ベルとの引き算を行い、その差信号をLPF63へ供給
する。このLPF63に供給されるパイロット信号レベ
ル差信号が、トラッキングエラー信号となっている。L
PF63は、トラッキング制御に不要な高域成分を除去
するものである。以上のように発生されたトラッキング
エラー信号は、出力端子64を介して図1のモータ制御
回路15に供給される。モータ制御回路15では、トラ
ッキングエラー信号を、キャプスタンFGセンサ9より
発生されるキャプスタンFG(CFG)より求めた速度
エラー信号と加算し、キャプスタンモータ3に負帰還す
る。これにより、キャプスタン2は一定速回転の所定の
位相で回転され、トラッキング制御が行われる。
【0030】次に、図3のSP/LP判別ブロック75
について説明するが、その前にSP/LP判別の原理に
ついて図5および図6を用いて説明する。SP/LPモ
ード判別では、上記のトラッキング制御が磁気ヘッドが
走査すべきトラック(以下、主トラックと記す。)の両
隣接トラックからのパイロット信号を用いるのに対し、
主トラックとその隣々接トラックからパイロット信号を
用いる。以下、具体的な例を用いて説明する。図5は4
周波のパイロット信号が順次記録されているトラックパ
ターンを示しており、横軸はテープ長手方向、縦軸は磁
気ヘッドの走査周期である。また、トラックパターンに
おける1〜4はパイロット信号のf1〜f4を表す。い
ま、記録速度と再生速度が等しく磁気ヘッドが図5のA
点からB点へ走査する場合は、主トラック(f1→f2
→f3→f4→f1)の再生パイロット信号レベルとそ
の隣々接トラック(f3→f4→f1→f2→f3)の
再生パイロット信号レベルとの大小比較信号は一定(D
C信号)になる。一方、再生テープ速度が記録速度の3
倍の場合は、磁気ヘッドが図5のA点からC点へ走査す
ることになる。この場合、主トラック(f1→f2→f
3→f4→f1:図中横線のエリア)からのパイロット
信号レベルと隣々接トラック(f3→f4→f1→f2
→f3:図中縦線のエリア)からのパイロット信号レベ
ルは、それぞれ、図5の波形(1)と(2)のようにな
り、大小比較信号は図5の波形(3)のようになる。
【0031】この大小比較信号の周波数は、記録速度と
再生速度との比によって決まり、その関係は図6に示す
ものとなる。図6において、横軸は再生テープ速度であ
り、縦軸は上記大小比較信号の周波数である。なお、横
軸の単位は記録テープ速度に対する再生テープ速度の倍
数である。図6において、特性(1)は記録モードと再
生モードが一致している場合、特性(2)は記録がSP
モードで、再生がLPモードの場合、特性(3)は記録
がLPモードで、再生がSPモードの場合である。これ
らの図6の特性より再生テープ速度を決定すれば上記大
小比較信号の周波数を検出することで、記録時のSP/
LPモード判別をすることができる。ただし、特性
(1),(2),(3)の各交点での判別はできない
が、判別不能範囲が0倍速から2倍速の範囲の数点であ
ることと、一般に再生時のテープ速度は記録テープ速度
の整数倍に選ばれるので特に問題にはならない。
【0032】SP/LP判別ブロック75は、以上の原
理を用いたものである。図3のSP/LP判別ブロック
75において、スイッチ65は、スイッチ制御回路58
より供給されるヘッド切り換え信号HSWに同期したス
イッチ制御信号により順次切り換えられ、fH−BPF
53〜56のフィルタリング出力をピーク検波回路66
および67に供給する。この場合、先に説明したトラッ
キング制御系のスイッチ59は両隣接トラックからのパ
イロット信号を選択していたが、このSP/LP判別系
のスイッチ65では、主トラックとその隣々接トラック
からのパイロット信号を選択するようにしている。具体
的には、トラッキング制御用のピーク検波回路60にP
1→P2→P3→P4→P1の信号が供給され、ピーク
検波回路61にP3→P4→P1→P2→P3の信号が
供給されている場合には、SP/LP判別用のピーク検
波回路66にはP2→P3→P4→P1→P2の信号が
供給され、ピーク検波回路67にはP4→P1→P2→
P3→P4の信号が供給される。
【0033】ピーク検波回路66および67に供給され
た主トラックのパイロット信号と隣々接トラックのパイ
ロット信号はレベルを検出され、演算回路68へ出力さ
れる。演算回路68は、主トラックのパイロット信号レ
ベルと隣々接トラックのパイロット信号レベルとの引き
算を行い、その差信号をLPF69を介して不要な高域
成分を除去した後、レベル比較回路70に供給する。レ
ベル比較回路70は上記レベル差信号を所定の基準直流
レベルと大小比較し、比較出力(ロジックレベルの信
号)を周波数比較回路71に供給する。周波数比較回路
71には、入力端子72を介してCFG信号(キャプス
タンのFG信号;テープ速度に比例した周波数信号)が
供給されており、このCFG信号と上記レベル比較出力
の周波数比を検出し、先の図6に示した再生テープ速度
と大小比較信号周波数の関係からSP/LPモードの判
別を行い、判別結果を出力端子73を介して図1に示し
たスイッチ27の入力端子Aに供給する。
【0034】スイッチ27は、図2に示したように通常
再生あるいは順/逆方向サーチ再生時は入力端子A側に
閉じているので、上記図3に示した周波数比較回路71
の出力信号がSP/LP判別出力として、リアルタイム
カウンタ29,モータ制御回路15および出力端子30
へ供給される。リアルタイムカウンタ29は、SP/L
P判別信号に従いキャプスタンFG(CFG)信号をカ
ウントすることでテープ走行量を計算し、リアルタイム
カウント信号を出力端子31を介してカウント値表示回
路(図示せず)に供給する。また、モータ制御回路15
は、SP/LP判別信号に従いテープ速度制御をSPモ
ードあるいはLPモードに設定する。以上が、再生映像
が出力される通常再生あるいは順/逆方向サーチ再生時
の動作である。
【0035】では次に、再生映像を出力せずにテープの
高速走行を目的とした巻き取りおよび巻き戻しのモード
時の動作について説明する。巻き取りおよび巻き戻しの
モードでは、スイッチ18,27は図2に示すようにそ
れぞれ入力端子B側に閉じられる。したがって、ADコ
ンバータ19には、プリアンプ14の出力信号がそのま
ま供給される。本実施例では、プリアンプ14から供給
される再生信号は、ATFパイロット信号,低域変換色
信号,FM音声信号そしてFM輝度信号が周波数多重さ
れた信号であり、その周波数アロケーションは図7に示
す通りである。この再生信号は、図7に示すように5M
Hz以上の周波数成分を有しており、従ってADコンバ
ータ19での約3MHzのサンプリングにより、サンプ
リング周波数の1/2(約1.5MHz)以上の周波数
成分は低域に折り返って来る。高域成分の折り返し信号
を含んだディジタル再生信号は絶対値回路22に供給さ
れる。
【0036】以下、絶対値回路22,ピーク検波回路2
3,ディジタルLPF24そしてコンパレータ25によ
り構成される再生信号のディジタルエンベロープ検出ブ
ロックについて、主要信号波形を模式的に示した図8を
用いて説明する。図8において、(1)はADコンバー
タ19の入力信号波形、(2)はADコンバータ19の
出力信号をアナログ的に表した波形、(3)は絶対値回
路22の出力信号をアナログ的に表した波形、(4)は
ピーク検波回路23の出力信号をアナログ的に表した波
形、そして(5)はコンパレータ25の出力信号波形で
ある。図1において、絶対値回路22は、図8の(2)
に示すような、折り返しにより低周波信号に変換された
ADコンバータ19の出力信号を全波整流し、図8の
(3)に示す信号としてピーク検波回路23に供給す
る。
【0037】ピーク検波回路23の具体的な構成例を図
9に示す。図9において、76,77は入力端子、78
は大小比較回路、79,80はラッチ回路、81は出力
端子である。図9において、入力端子76より供給され
た絶対値回路22の出力データは、大小比較回路78お
よびラッチ回路79に供給される。大小比較回路78
は、入力絶対値データとラッチ回路79のラッチデータ
との大小比較を行い、入力絶対値データが大きい場合は
ラッチ回路79へラッチクロックCKを出力する。した
がって、ラッチ回路79は順次入力絶対値データの最大
値をラッチすることになる。そして、このラッチ回路7
9は、入力端子77を介して供給される所定クロックの
周期でリセットされるが、他方のラッチ回路80は、リ
セットされる直前のラッチ回路79のデータをラッチ
し、出力端子81を介して出力するので、所定クロック
の周期で入力絶対値データの最大値データをラッチする
ことができ、出力信号は入力絶対値データのエンベロー
プ信号となる。以上の動作により、ピーク検波回路23
は、所定の周期で絶対値回路22の出力信号のエンベロ
ープを検出し、図8の(4)に示すような検出出力をL
PF24に供給する。
【0038】ディジタルLPF24は、瞬時的なドロッ
プアウト等により生じるエンベロープ検出信号の高域成
分を抑圧しコンパレータ25に供給する。コンパレータ
25は、LPF24の出力信号を図8の(4)に示すよ
うな所定の基準レベルVthと比較し、図8の(5)に
示すようなロジック信号に変換する。このロジック信号
とされたエンベロープ検出信号は、SP/LP判別回路
26,ヘッド目詰り検出回路28,そしてリアルタイム
カウンタ29に供給される。
【0039】以下、SP/LP判別回路26,ヘッド目
詰り検出回路28,リアルタイムカウンタ29について
説明する。SP/LP判別回路26は、記録済みテープ
を装着時の巻き取りおよび巻き戻しモードでのSP/L
P判別を行う。SP/LP判別回路26には、上記の再
生エンベロープ信号とテープ速度検出回路16より供給
されるテープ速度検出信号が入力されている。このうち
再生エンベロープ信号の周波数は、先の式に示したよ
うにテープ走行速度に応じて異なる。これは、磁気ヘッ
ド4a,4bが異なるアジマス角を有しておりトラック
毎に異なるアジマス角で記録されているので、再生時の
磁気ヘッドと同一アジマス角で記録されたトラックの信
号のみが再生されるためである。したがって、再生エン
ベロープ信号の周波数とテープ速度検出回路16より供
給される実際のテープ速度検出信号とを比較することに
より、SP/LP判別を行うことができる。このSP/
LP判別回路26の判別出力は、入力端子B側に閉じて
いるスイッチ27を介して、モータ制御回路15,リア
ルタイムカウンタ29,出力端子30に供給される。な
お、テープ速度検出回路16には、キャプスタンFG
(CFG)と両リールのFG(TFGおよびSFG)が
供給されており、キャプスタン2にてテープを走行する
場合は、キャプスタンの半径とキャプスタンFGの周波
数よりテープ速度を検出する。また、リールの直接巻き
取りによりテープを走行する場合は、両リールのFG周
波数比とテープ総量情報より求めたリールのテープ巻き
半径とそのリールのFG周波数とによりテープ速度を検
出するものである。
【0040】リアルタイムカウンタ29は、記録済みテ
ープを装着時の巻き取りおよび巻き戻しモードでのテー
プ走行量の計測を、再生エンベロープ信号パルスをカウ
ントすることにより行う。再生エンベロープ信号パルス
の立上りエッジおよび立ち下がりエッジはトラックジャ
ンプ点を表すので、再生エンベロープ信号パルスをカウ
ントすることで走行トラック数を計測することができ、
したがってリアルタイムカウント信号を出力することが
可能となる。
【0041】また、ヘッド目詰り検出回路28は、長期
的な再生エンベロープ信号のレベルを検出することで、
再生信号レベルの低下、すなわち磁気ヘッドの目詰りを
検出し、ヘッド目詰り検出信号を出力することにより、
使用者に磁気ヘッドの目詰りを警告することができる。
【0042】以上説明したように、本実施例に依れば、
ATF信号処理系およびエンベロープ信号処理系のディ
ジタル信号処理化に際して、4周波の再生パイロット信
号あるいは再生信号をディジタル信号に変換するのに、
AD変換時のサンプリング周波数を上記4周波パイロッ
ト信号の公倍数の周波数であり、且つ再生信号の最高周
波数の2倍未満の周波数にすることにより、まず、サン
プリングデータを間引くことで4周波の再生パイロット
信号をすべてfH周波数信号に変換でき、別個に周波数
変換用掛け算回路を設ける必要は無く、回路の小規模化
が実現できる。さらに、トラッキング制御と共にSP/
LPモードの判別機能を実現する場合にも新たにパイロ
ット信号の周波数変換回路やBPFを設ける必要が無
く、一層の回路の小規模化が図れる。また、再生パイロ
ット信号検出用のAD変換手段を、再生信号のエンベロ
ープ検出用に兼用でき、しかも折り返し信号を利用する
ことによりサンプリング周波数を、再生信号の最高周波
数の2倍未満の周波数とすることができるので動作周波
数の低周波数化が図れる。さらにまた、再生パイロット
信号の検出や再生エンベロープ信号の検出をディジタル
回路にて行えるため、アナログ信号処理時に問題となっ
た構成部品のバラツキや経年変化による特性劣化を防止
することができ、ATFトラッキング制御系の特性やS
P/LP記録モード判別特性,ヘッドの目詰まり検出お
よび正確なトラックジャンプ情報の検出を高性能に実現
することができる。
【0043】ここで上述した第1実施例においては、ス
イッチ18を再生モード、すなわち再生映像出力の有無
により切り換えているが、この場合スイッチ18が入力
端子A側に閉じているモードでは、再生エンベロープ信
号が検出されずヘッドの目詰り検出を行うことが難し
い。そこで、スイッチ18が入力端子A側に閉じている
再生映像出力モードにおいても、ヘッドの目詰り検出を
可能とする本発明の第2実施例を図10を用いて説明す
る。
【0044】図10は、図1に示した磁気記録再生装置
のプリアンプ14以降の再生信号処理系を表したもので
あり、新たにスイッチ制御回路85と二つのホールド
(ラッチ)回路86,87を設けたものである。なお、
83はプリアンプ14の出力信号の入力端子、84はモ
ード制御信号の入力端子、88はATFエラー信号の出
力端子、そして57はヘッド切り換え信号の入力端子で
ある。上記以外のブロックは、図1で説明したブロック
と同様のものである。
【0045】図10において、スイッチ18はスイッチ
制御回路85から供給される制御信号に従って切り換え
られる。スイッチ制御回路85は、入力端子57,84
から供給されるヘッド切り換え信号HSWとモード制御
信号MODEに応じてスイッチ制御信号を発生する。ま
ず、再生映像非出力モード(テープの巻き取りおよび巻
き戻しモード)では、スイッチ制御回路85は、モード
制御信号MODEをそのまま出力し、スイッチ18は入
力端子B側に閉じられ、図1で説明した先の実施例と同
様の動作、即ち再生エンベロープ検出が行われる。この
時ホールド回路86,87は、ATF処理回路21から
出力されるATFエラー信号とSP/LP判別信号とを
ホールドする。一方、再生映像出力モード(通常再生お
よびサーチ再生モード)では、スイッチ制御回路85
は、ヘッド切り換え信号HSWにより決定されるタイミ
ングで、ATF処理系におけるトラッキング制御および
SP/LP判別に影響を与えない所定の期間だけ、スイ
ッチ18を入力端子B側に閉じ、それ以外の期間は入力
端子A側に閉じるように制御する。この場合、スイッチ
18が入力端子B側に閉じられている期間は、ATF処
理回路21で発生されるATFエラー信号とSP/LP
判別信号は、本来の正しい信号ではなくなるので、ホー
ルド回路86,87は、スイッチ18が入力端子B側に
閉じられる直前のATFエラー信号とSP/LP判別信
号をホールドし、出力するようにしている。
【0046】以上説明したように本第2実施例に依れ
ば、先の第1実施例と同様の効果が得られるとともに、
さらに再生映像出力モード(通常再生およびサーチ再生
モード)においても時分割的な再生エンベロープ検出が
行え、記録時を除く全てのモードにおいてヘッドの目詰
り検出を可能とすることができる。
【0047】以上までの第1,第2実施例において、再
生エンベロープ信号によるトラックジャンプ点の検出
(SP/LP判別やリアルタイムカウントに使用)およ
びヘッドの目詰り検出は、全て再生信号レベルの変動
(レベルの減少)を検出したものである。これは、トラ
ックジャンプ点の検出では、アジマス損失によるレベル
の減少を用い、ヘッドの目詰り検出では、磁気ヘッドと
テープ間の間隙によるスペーシング損失を用いたもので
ある。一般に、これらのアジマス損失およびスペーシン
グ損失は高周波信号ほど損失が大きく、逆に低周波信号
では損失が小さい。そのため、再生信号の低周波信号レ
ベルが大きな場合は、アジマス損失およびスペーシング
損失が少なくなり正確なトラックジャンプ点の検出およ
びヘッドの目詰り検出が難しくなる。
【0048】そこで、図11に示す本発明の第3実施例
では、再生信号の低周波信号レベルが大きな場合におい
ても、正確なトラックジャンプ点の検出およびヘッドの
目詰り検出を実現可能としている。図11の本第3実施
例において、図1の第1実施例と異なる点は、HPF8
2をプリアンプ14とスイッチ18の間に設けた点であ
る。これにより、スイッチ18が入力端子B側に閉じら
れ、再生信号のエンベロープ検出を行う場合は、アジマ
ス損失およびスペーシング損失の大きな高域信号成分の
みのエンベロープ検出となり、正確なトラックジャンプ
点の検出およびヘッドの目詰り検出を実現できる。
【0049】なお、上記までの各実施例においては、A
Dコンバータ19におけるサンプリング周波数を約3M
Hzに設定しているが、再生信号のエンベロープ検出に
関して言えば、このような高周波のサンプリング周波数
は必要としない。例えば、高速テープ走行時のエンベロ
ープ検出信号の周波数は、先の式からもわかるように
50倍速時においても約1.5KHzであるので、この
1.5KHzのエンベロープ信号を高精度に処理すると
しても高々数十KHzのサンプリング周波数があれば充
分である。したがって、再生信号のエンベロープ検出を
ディジタル的に処理する場合は、再生信号の折り返し信
号のエンベロープ検出を行えば良く、最高周波数の2倍
以上という高周波数のサンプリング周波数は必要となら
ない。これは、再生信号の周波数にではなく、エンベロ
ープ検出信号の周波数に対して充分高いサンプリング周
波数を設定すれば充分であると言うことを意味する。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に依れば、
ATF信号処理系およびエンベロープ信号処理系をディ
ジタル信号処理化でき、他のディジタル制御系と一体化
した高集積化が可能となる共に、構成部品のバラツキや
経年変化等による性能劣化の無い高性能なトラッキング
制御と、SP/LP記録モード判別,ヘッドの目詰まり
検出および正確なトラックジャンプ情報の検出が可能な
磁気記録再生装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る磁気記録再生装置の
ブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例による各モードと、トラッ
キング方式,テープとヘッドの相対速度補正,SP/L
P記録モード判別方式,ヘッドの目詰り検出方式,リア
ルタイムカウンタの方式との関係を示す説明図である。
【図3】図1のATF処理回路の1具体例を示すブロッ
ク図である。
【図4】本発明の実施例による間引き後の再生パイロッ
ト折り返し信号周波数を示す説明図である。
【図5】トラックパターンとヘッド軌跡との関係を示す
説明図である。
【図6】再生時のテープ速度に対する大小比較信号周波
数の関係を示す説明図である。
【図7】記録再生信号の周波数アロケーションを示す説
明図である。
【図8】図1の絶対値回路,ピーク検波回路,ディジタ
ルLPF,コンパレータで構成されるディジタルエンベ
ロープ検出ブロックにおける主要信号波形を示す説明図
である。
【図9】図1のピーク検波回路の1具体例を示すブロッ
ク図である。
【図10】本発明の第2実施例に係る磁気記録再生装置
の要部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第3実施例に係る磁気記録再生装置
のブロック図である。
【図12】従来のATFトラッキング方式の磁気記録再
生装置のブロック図である。
【符号の説明】
15 モータ制御回路 16 テープ速度検出回路 17 LPF 18,27 スイッチ 19 ADコンバータ 21 ATF処理回路 22 絶対値回路 23 ピーク検波回路 24 ディジタルLPF 25 コンパレータ 26 SP/LP判別回路 28 目詰り検出回路 29 リアルタイムカウンタ 82 HPF 85 スイッチ制御回路 86,87 ホールド回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 27/19 A 8224−5D (72)発明者 多田 行伸 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所映像メディア研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なるアジマス角を有する複数の磁気ヘ
    ッドを用いたヘリカル走査方式の磁気記録再生装置にお
    いて、 再生信号をサンプリングしディジタル信号に変換するA
    D変換手段と、このAD変換手段の出力信号のエンベロ
    ープ信号を検出するエンベロープ検波手段とを具備し、
    上記AD変換手段におけるサンプリング周波数を、再生
    信号の最高周波数の2倍未満の周波数とし、上記エンベ
    ロープ検波手段が折り返し成分を含んだ上記AD変換手
    段の出力信号のエンベロープ信号を検出するようにした
    ことを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】 異なるアジマス角を有する複数の磁気ヘ
    ッドを用いてヘリカル走査により形成されるトラック
    に、映像信号等の情報信号とともにトラック毎に循環す
    る4周波のパイロット信号を多重して記録再生するよう
    にした磁気記録再生装置において、 再生信号をサンプリングしディジタル信号に変換するA
    D変換手段と、このAD変換手段の出力信号のエンベロ
    ープ信号を検出するエンベロープ検波手段とを具備し、
    上記AD変換手段におけるサンプリング周波数を上記4
    周波パイロット信号の公倍数周波数であり、且つ再生信
    号の最高周波数の2倍未満の周波数とすると共に、上記
    エンベロープ検波手段が折り返し成分を含んだ上記AD
    変換手段の出力信号のエンベロープ信号を検出するよう
    にしたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載において、上記4周波(f
    1,f2,f3,f4)のパイロット信号周波数が、N
    TSC方式の映像信号の記録再生時は、f1=189f
    H/29,f2=189fH/25,f3=189fH
    /18,f4=189fH/20(fHは映像信号の水
    平同期信号周波数)であり、CCIR方式の映像信号の
    記録再生時は、f1=187.5fH/29,f2=1
    87.5fH/25,f3=187.5fH/18,f
    4=187.5fH/20であることを特徴とする磁気
    記録再生装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007037076A1 (ja) * 2005-09-28 2007-04-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光ディスク装置

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