JPH0518199Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はリヤシートクツシヨンをリヤフロア側
に取り付ける装置に関する。

（従来の技術） 車両のリヤシートクツシヨンはリヤシートパン
上に載置され、適所がボルト止めされることによ
り車体に一体的に取り付けられることが多い。

たとえば、第５図および第６図に示すように、
リヤフロアをリヤシートパン１と、これと共働し
て車幅方向（第６図において紙面垂直方向）に長
い閉断面を形成するリヤクロスメンバ４と、シー
トのずれを防ぐリヤシートブラケツト５とで形成
する。このようなリヤフロア上にリヤシートクツ
シヨン２を載置し、これを固定する場合、たとえ
ば、４角を図示しないボルトにより締付け固定し
たり、一部のみをボルト止めに代えて適宜の係止
手段により係止することが行なわれている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、リヤシートクツシヨンとリヤフロア
側とを係合、離脱させる係止手段は、その構造が
複雑化するのに応じ、コストもアツプすることと
なる。

本考案はより簡素化されるリヤシート取付装置
を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上述の目的を達成するため、本考案は、車体後
部の床材を成すと共にリヤシートクツシヨンを載
置する上向壁の形成されたリヤシートパンと、上
記リヤシートパンの前端の上向壁上に突設され車
幅方向に長く形成される上側クロスメンバと、上
記上側クロスメンバに一体結合されると共に上記
リヤシートクツシヨンに対向する上壁部及び同上
壁部より下方に延出する前向縦壁が形成されたボ
ツクス状のリヤシートブラケツトと、上記前向縦
壁の下端縁に形成されると共に上記上向壁と隙間
を介して対設される係止部と、上記係止部に係止
可能なフツク部を備えると共に上記リヤシートク
ツシヨンの前端縁部に結合され弾性材で一体形成
されたクリツプとを備えたことを特徴とする。

（作用） リヤシートブラケツトの係止部に対し、リヤシ
ートクツシヨンの前端縁部に結合され弾性材で一
体形成されたクリツプを係止することにより、リ
ヤシートパンの上向壁上に載置されたリヤシート
クツシヨンを上向壁上にずれなく取り付けでき
る。

（実施例） 第１図のリヤシート取付装置は図示しない乗用
車のリヤフロアにリヤシートクツシヨン１０を移
動可能に取り付けるのに用いられる。

ここで、リヤフロアは、フロントフロアパン９
に溶接されるリヤシートパン１１と、リヤシート
パン１１の車体前方側部の上・下面にそれぞれ溶
接される上側クロスメンバ１３及び下側クロスメ
ンバ１２とで形成される（示矢Ｂは車体前後方向
を示す）。第２図に示すように、リヤシートパン
１１はその両側端がサイドシル１４やタイヤハウ
スインナ１５に溶接され、その後端側は図示しな
いバツクパネルに溶接される。

リヤシートパン１１の車体前方側端部は車幅方
向Ｃに沿つて一様に折曲され、所要高さの縦壁１
６が形成される。縦壁の上端より車体後方側には
上向壁１７が延出形成され、ここには上側クロス
メンバ１３が突設され、これにより車幅方向Ｃに
長い閉断面Ｄ１を形成している。更に、縦壁１６
及び上向壁１７の両裏面にわたり下側クロスメン
バ１２が重合され、車幅方向Ｃに長い閉断面Ｄ２
を形成している。これら両クロスメンバは共にリ
ヤシートパン１１の車幅方向Ｃの幅とほぼ等し
く、リヤシートパン１１の前部剛性を強化してい
る。

ここで、下側クロスメンバ１２の後フランジ１
２１は上側クロスメンバ１３の前フランジ１３１
の直下に配置され、即ち、リヤシートパン１１を
挟んで上下で重合する位置で両フランジは一体的
に溶接される。

なお、リヤシートパン１１の上向壁１７の中央
部分でリヤシートクツシヨン１０の載置される部
分は下向凹部１８を形成され、これによりリヤシ
ートクツシヨン１０の下部を確実に載置するよう
形成される。

このようなリヤフロアにリヤシートクツシヨン
１０を取り付ける装置として、リヤフロア側に一
対のリヤシートブラケツト２０，２０が取り付け
られ、リヤシートクツシヨン１０側に一対のクリ
ツプ２２，２２が取り付けられる。

リヤシートブラケツト２０は第３図に示すよう
に概略ボツクス状を成し、上壁部２０１と、その
両側より下方に折曲して延びる側壁部２０２と、
上壁部２０１の前端より下方に折曲して延びる前
向縦壁部としての前壁部２０３と、これら各壁部
より延出する接合用のフランジ２０４とからな
る。ここで、前壁部２０３は縦壁１６の上端より
所要量の隙間ｔを介し上方側に形成され、両部は
概略同一面上に位置するよう形成されている。特
に、前壁部２０３の板状の下端縁は下向きに延出
しており、ここはクリツプ２２の係止する係止部
２０６を形成している。

なお、上壁部２０１の後端のフランジ２０４は
上側クロスメンバ１３の上部に、側壁部２０２の
後端のフランジ２０４は上側クロスメンバ１３の
前方側壁部に、側壁部２０２の下端のフランジ２
０４は上側クロスメンバ１３の前フランジ１３１
にそれぞれ重合され、それぞれスポツト溶接さ
れ、これにより、リヤシートブラケツト２０の剛
性確保及び上側クロスメンバ１３への溶接強度が
確保される。

ところで、上壁部２０１の中央には上下に貫通
する上向開口２０５が形成される。上向開口２０
５の中心位置は、ブラケツト２０と上側クロスメ
ンバ１３との一体接合時において、前フランジ１
３１の真上になるよう形成されており、上向開口
２０５の真下の３枚重ねスポツト溶接を可能とし
ている。なお、上向開口２０５はリヤシートクツ
シヨン１０の下部より下向きに突出するワイヤ製
の係止突部２１を前後左右のずれなく嵌合できる
よう形成されている。

リヤシートクツシヨン１０の前端部は、下向き
に延出して前側下端部を形成し、ここはリヤシー
トブラケツト２０を前方より覆うよう形成されて
いる。リヤシートクツシヨン１０の底部にはシー
ト形状を保持するためのワイヤ製の芯材２３が装
着され、これの上部にウレタン樹脂のクツシヨン
及び表皮部（図示せず）が一体的に結合される。
この芯材２３の適所であるリヤシートブラケツト
２０の対向部にはクリツプ２２の連結部２２１が
連結される。

クリツプ２２は所定幅の板ばねを長手方向に折
曲して形成したもので、連結部２２１より下方に
延びると共にその回動端側を上向きに折曲付勢さ
れた延出部２２２と、延出部２２２の回動端側に
延出形成されるフツク部２２３と、フツク部２２
３より下向前方側に直状に延出する操作部２２４
とで形成される。フツク部２２３は延出部２２２
の弾性変位により、リヤシートブラケツト２０の
係止部２０６に当接可能であり、操作部２２４を
上側に弾性変位（第１図中に２点鎖線で示す）さ
せたままでフツク部２２３を係止部２０６に係合
させることができるよう形成される。

このような第１図のリヤシート取付装置を装着
したリヤシートクツシヨン１０をリヤフロア側に
取り付けるには、まず、リヤシートパン１１上に
リヤシートクツシヨン１０を載置し、リヤシート
クツシヨン１０の後部２ケ所の図示しない係止部
をボルト止めする。次に、リヤシートクツシヨン
１０の前側下端部の２ケ所のクリツプの操作部２
２４を上側へそれぞれ弾性変位させ、両係止部２
０６に対して、フツク部２２３を隙間ｔを通して
係合させ、リヤシートクツシヨンはその前部にお
ける上下方向へのずれをクリツプ２２と係止部２
０６の係合により阻止でき、前後左右へのずれ
を、係止突部２１と上向開口２０５との係合によ
り阻止できる。

第１図のリヤシート取付装置は板ばねからなる
クリツプ２２をリヤシートブラケツトの前壁部２
０３の下端の係止部２０６に容易に係止でき、リ
ヤシートの取付操作性がよい。しかも、係止部２
０６は前壁部２０３の下端を板状のままで利用で
き、構造の簡素化が達成される。

上述の処においてクリツプ２２は板ばね状であ
つたが、折曲棒状としてもよい。

（考案の効果） リヤシートクツシヨンを、クリツプにより、リ
ヤシートブラケツトの下端縁の係止部に係止で
き、構造の簡素化によるコストダウンを図れ、ク
リツプによる係止作業を操作性良く行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例としてのリヤシート
取付装置の概略要部断面図、第２図は同上装置の
装着されるリヤフロアの要部斜視図、第３図は同
上装置内のリヤシートブラケツトの拡大斜視図、
第４図は同上リヤフロアの要部平面図、第５図は
従来のリヤフロアの概略要部斜視図、第６図は第
５図のＤ−Ｄ線概略端面図をそれぞれ示す。 １０……リヤシートクツシヨン、１１……リヤ
シートパン、１７……上向壁、２０……リヤシー
トブラケツト、２２……クリツプ、１３……上側
クロスメンバ、２２３……フツク部、２０１……
上壁部、２０３……前向縦壁、２０６……係止
部、ｔ……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体後部の床材を成すと共にリヤシートクツシ
   ヨンを載置する上向壁の形成されたリヤシートパ
   ンと、上記リヤシートパンの前端の上向壁上に突
   設され車幅方向に長く形成される上側クロスメン
   バと、上記上側クロスメンバに一体結合されると
   共に上記リヤシートクツシヨンに対向する上壁部
   及び同上壁部より下方に延出する前向縦壁が形成
   されたボツクス状のリヤシートブラケツトと、上
   記前向縦壁の下端縁に形成されると共に上記上向
   面と隙間を介して対設される係止部と、上記係止
   部にに係止可能なフツク部を備えると共に上記リ
   ヤシートクツシヨンの前端縁部に結合され弾性材
   で一体形成されたクリツプとを備えたことを特徴
   とするリヤシート取付装置。