JPH05181883A - 列車占有座席確認システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 座席指定列車における各駅を発車した後にお
ける車掌による車内検閲を最小限に抑制して、車掌の検
閲業務負担を軽減すると共に、正規乗車券保持者に対す
る検閲をなくして乗客に対するサービスを向上する。 【構成】 駅の改札口に設置されている自動改札装置に
運賃情報のみならず乗車列車名や座席番号等の指定券情
報をも読取らせて、その結果を一旦駅座席占有状況監視
装置に記憶した後、最終的に列車内に搭載された列車座
席占有状態監視装置へ送信して、各座席の占有状況を表
示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、座席指定列車における
各座席の正規乗車券による占有状況を運行中の列車内に
おいても簡単に確認できる列車占有座席確認システムに
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、長距離を運行される特急列車や
急行列車においては座席指定車両が連結されている場合
が多い。また、１列車を構成する全部の車両が座席指定
車両の場合もある。

【０００３】このような座席指定列車を利用して旅行を
行う場合は、一般に列車に乗車する前に予め座席指定券
を購入しておく。そして、乗車当日に運賃に相当する乗
車券を購入する。また、指定券と同時に乗車券を購入す
る場合は、１枚の券に指定券の情報と運賃の情報とが記
載された一体型の乗車券が発行される場合もある。そし
て、一体型の乗車券には、乗車列車名，座席番号，乗車
駅名，下車駅名，乗車日時等の指定券情報と、運賃等の
運賃情報が記載されている。

【０００４】そして、この乗車券で列車に乗車する場
合、まず駅の改札口で、一体型の乗車券または個別の乗
車券を係員にみせて、改札口を通過して、ホームに上が
り、目的とする列車に乗り込む。そして、乗車券又は指
定券に指定された座席に座る。

【０００５】一般に、座席指定列車に乗務している車掌
は、列車が始発駅を発車してから暫く経過した時刻また
は、大きな駅を通過してから暫く経過した時刻に、各座
席を回り、各客の所持している乗車券および指定券を検
閲して、各客が指定された座席に正しく座っているかを
確認するようにしている。また、各乗客が正しく指定料
金や運賃を支払っているかを確認する。また、乗越し精
算や、希望者に対する自由席から指定席への変更手続を
行う。さらに、車掌は一旦各乗客に対する検閲が終了し
ても、次の駅で空座席に乗客が座ると、この新規の乗客
に対して検閲を行う。

【０００６】

【発明が解決しようとするは課題】しかしながら、正し
く指定券や乗車券を購入したのち、該当列車に乗車した
客にとっては、駅構内に入るために改札口で指定券や乗
車券を係員に提示し、さらに列車に乗込んだ後に再度車
掌に指定券や乗車券を見せる必要があり、乗客にとって
は指定券や乗車券の出入操作が非常に繁雑である。ま
た、睡眠中や読書中にその静寂状態を検閲作業によって
中断されるのは不愉快である。

【０００７】また、列車に乗務する車掌にとっても、各
駅に列車が到着し、新たな客が座席指定車両に乗車する
毎に、該当客に対する検閲を行う必要があり、非常に繁
雑である。

【０００８】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、駅の改札口に設置されている自動改札装置
に運賃情報のみならず乗車列車名や座席番号等の指定券
情報をも読取らせて、その結果を最終的に列車内へ送信
することによって、列車に乗務している車掌が正規の乗
車券で乗車している客をその座席番号と共に確認でき、
正規乗車券で乗車している客に対する検閲を省略でき、
客に繁雑な乗車券の出入操作を強要することなく、かつ
車掌が実際に検閲する客数を大幅に低減でき、客に対す
るサービスを向上できると共に、車掌の業務負担を大幅
に低減できる列車占有座席確認システムを提供すること
を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明の列車占有座席確認システムは、各駅の改札口
に設けられた自動改札機と、各駅に設けられた駅座席占
有状況監視装置と、各列車に搭載された列車座席占有状
況監視装置とで構成されている。

【００１０】そして、自動改札機は、乗車列車名，座席
番号，乗車駅名，下車駅名，乗車日時等の指定券情報お
よび運賃情報が記録された一体型の乗車券に記録された
指定券情報および運賃情報を読取り、この乗車券の正当
性を判断すると共に、読取った指定券情報を出力する。

【００１１】また、駅座席占有状況監視装置は、当日運
行の各列車毎に座席番号を記憶するための領域が形成さ
れた駅占有座席メモリを有し、自動改札機から指定券情
報が入力される毎に、この指定券情報の座席番号を駅占
有座席メモリにおける同じく指定券情報が指定する列車
の領域へ格納すると共に、駅占有座席メモリに記憶され
ている列車が該当駅を発車するとき、駅占有座席メモリ
に記憶されている該当列車の座席番号を前記列車へ送信
する。

【００１２】さらに、列車座席占有状況監視装置は、自
己の列車の各座席の占有状況を記憶する列車占有座席メ
モリを有し、駅座席占有状況監視装置から送信された座
席番号でもって列車占有座席メモリの各座席の占有状況
を更新し、更新後の各座席の占有状況を表示出力する。

【００１３】

【作用】このように構成された列車占有座席確認システ
ムであれば、指定券情報と運賃情報とが記録された一体
型の乗車券を所持する客は駅の改札口の自動改札機にこ
の乗車券を通すと、この乗車券に記録されている指定券
情報が読取られて、駅座席占有状況監視装置駅へ送信さ
れて、駅占有座席メモリの該当指定券情報の指定する列
車の領域に座席番号が記憶される。このように、自動改
札機を通過した乗車券に記憶された各座席番号は駅占有
座席メモリの各列車の領域へ記憶される。

【００１４】そして、列車がこの駅を発車すると、駅占
有座席メモリの該当列車の領域に記憶されている各座席
番号が列車に搭載されている列車座席占有状況監視装置
へ送信される。そして、列車占有座席メモリの各座席の
占有状況が更新され、更新後の各座席の占有状況が表示
出力される。

【００１５】したがって、車掌は、表示された各座席の
占有状況を確認することによって、各座席に着席してい
る各客が正規の乗車券を所持していることが即座に把握
できる。よって、車掌は占有されていないと表示された
座席（空座席）に着席している客に対してのみ検閲を実
施すればよい。

【００１６】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。

【００１７】図２（ａ）は実施例の列車占有座席確認シ
ステムが適用される駅及び列車を示す模式図である。線
路１に沿って複数の駅２が配設されており、列車３は各
駅２に停車しながら矢印方向に運行される。各駅２の改
札口にはそれぞれ複数台の自動改札機４及び１台の駅座
席占有状況監視装置５が設置されている。また、各列車
３の乗務員室には列車座席占有状況監視装置６が搭載さ
れている。

【００１８】図２（ｂ）はこの列車占有座席確認システ
ムで採用される一体型の乗車券の表面の記載事項を示す
図である。この乗車券７には、図示するように、乗車列
車名，座席番号，乗車駅名，発車時刻，下車駅名，乗車
日時等の指定券情報および運賃情報が表記されている。
また上述した指定券情報および運賃情報は裏面に形成さ
れた磁気膜に磁気記録されている。

【００１９】各駅２に配設された各自動改札機４は信号
線８で駅座席占有状況監視装置５に接続されている。駅
座席占有状況監視装置５はこの駅２を発車する列車３に
搭載された列車座席占有状況監視装置６に対して、例え
ば無線回線９を用いた鉄道電話回線を介して座席番号の
情報を送信する。

【００２０】前記各自動改札機４は乗車券挿入口から挿
入された乗車券７に磁気記録されている前述した指定券
情報と運賃情報とを読取って、該当乗車券７が正当な乗
車券であるか否かを判断する。そして、正当な乗車券で
あれは、読取った指定券情報を駅座席占有状況監視装置
５へ送信する。

【００２１】図３は駅座席占有状況監視装置５の概略構
成を示すブロック図である。この駅座席占有状況監視装
置５は一種のマイクロコンピュータで構成されており、
マイクロプロセッサ（ＭＰＵ）１０が、バスライン１１
を介して前記各自動改札機４から各指定券情報が入力さ
れる各インタフェース１２，駅占有座席メモリ１３ａ等
が形成された記憶装置１３，表示装置１４，必要に応じ
て駅員が操作するキーボード１５，列車３の列車座席占
有状況監視装置６に座席番号を送信するための送信機１
６等を制御する。

【００２２】記憶装置１３内には、図４に示すように、
この駅２を始発とする、または途中駅として停車する各
列車毎に、この駅の発車時刻，この駅で乗車する客の座
席番号を記憶する領域が形成された駅占有座席メモリ１
３ａが形成されている。

【００２３】また、図５は各列車３の乗務員室に搭載さ
れた列車座席占有状況監視装置６の概略構成を示すブロ
ック図である。この列車座席占有状況監視装置６は一種
のマイクロコンピュータで構成されており、マイクロプ
ロセッサ（ＭＰＵ）１７が、バスライン１８を介して各
駅２の各駅座席占有状況監視装置５から送信された各座
席を受信する受信機１９，列車占有座席メモリ等が形成
された記憶装置２０，表示装置２１，車掌が操作する操
作パネル２２，携帯型端末２４に各車両の座席占有状況
のデータを送信するためのインタフェース２５，プリン
タ２３等を制御する。

【００２４】前記記憶装置２０内に形成された列車占有
座席メモリ内には、すでに通過した各駅２の自動改札機
４で読取った該当列車に関する各乗車券７に記録された
各座席が記憶されている。

【００２５】図６は携帯型端末２４の表示器２６の表示
内容を示す図である。図示するように、１車両分の各座
席の配置図と、各座席が占有座席２７であるか空座席２
８であるの情報が表示される。次に、このように構成さ
れた列車占有座席確認システムの動作を説明する。

【００２６】先ず、この列車３に始発駅または途中駅か
ら乗車しようとする客は、予め図２（ｂ）に示す一体型
の乗車券７を購入する。そして、自己が乗車する駅２の
改札口に設置されている自動改札機４に乗車券７を通す
と、乗車券７のうちの指定券情報のみが駅座席占有状況
監視装置５へ伝送される。そして、駅座席占有状況監視
装置５の図４に示す駅占有座席メモリ１３ａ内の該当列
車の領域に座席番号が記憶される。このように、この駅
２から列車の指定席に乗車する各乗客の座席番号が列車
毎に駅占有座席メモリ１３ａに累積記録されていく。

【００２７】そして、列車３が駅２に到着して各客が列
車３に乗込んで列車が発車しようとすると、駅占有座席
メモリ１３ａ内の該当列車の領域に記憶されている全部
の座席番号が送信機１６を介して列車３の列車座席占有
状況監視装置６へ送信される。なお、この送信タイミン
グは駅占有座席メモリ１３ａ内に記憶されている該当列
車の発車時刻で制御される。列車座席占有状況監視装置
６は受信した座席番号を記憶装置２０内に形成されてい
る列車占有座席メモリに登録する。すなわち該当座席が
空座席２８から占有座席２７に変更される。

【００２８】よって、列車３がこの駅２を発車した後に
おいては、列車占有座席メモリに記憶された各座席の占
有状況は、この駅２から列車３に乗込んだ客の座席番号
によって最新の占有状況に更新される。

【００２９】そして、列車３が駅２を出発すると、列車
占有座席メモリに記憶された更新後の各座席の占有状況
が例えばＣＲＴ表示器で構成された表示装置２１に表示
される。また、更新後の各座席の占有状況はインタフェ
ース２５を介して携帯型端末２４へ送信される。携帯型
端末２４への送信が終了すると、この携帯型端末２４を
列車座席占有状況監視装置６から取外すことができる。

【００３０】車掌はこの携帯型端末２４を所持して客席
へ赴く。そして、車掌はこの携帯型端末２４を操作し
て、車掌が検閲業務を実行しようとする車両の図６に示
す座席表を表示器２６に表示させる。この表示器２６に
表示された座席表には各座席が占有座席２７であるのか
空座席２８であるのかが一瞥して把握できるよう模式的
に表示される。

【００３１】したがって、車掌は表示器２６に表示され
た各座席の占有状況と、実際の座席の占有状況を見比べ
て、両者が一致すれば、該当車両の各乗客に対する検閲
を全く実施する必要がない。

【００３２】そして、一致しない場合、例えば表示器２
６に空座席２８と表示された座席に実際に乗客が座って
おり、また表示器２６に占有座席２７と表示された座席
に乗客が座っていなければ、乗客が誤った座席に座って
いると判断できるので、空座席２８の座席に座っている
客に対してのみ検閲を行って、客の間違いを指摘して、
正しい座席に移動させる。

【００３３】また、全部の占有座席２７に実際の客が座
っていて、かつ空座席２８にも客が座っている場合は、
空座席２８の客は他の車両の座席と間違えたか、また
は、正規な乗車券を所持していない可能性があるので、
この客に対してのみ検閲を行う。

【００３４】このように、各駅２で実際に列車３に乗車
した客の所持する乗車券７に記録された座席番号が、駅
２の自動改札機４を通すのみで、自動的に該当列車３内
の列車座席占有状況監視装置６に登録される。したがっ
て、この座席番号が登録された客に対しては改めて車内
検閲を実施する必要がない。よって、空座席２８と表示
された座席に座っている客に対してのみ検閲を実行すれ
ばよい。

【００３５】したがって、車掌の検閲業務負担が大幅に
軽減される。また、乗客にとっても乗車券を自動改札機
４を通すのみでよい。そして、車内検閲もないので、一
旦収納した乗車券を検閲のために再度取出す必要がな
い。さらに、睡眠中や読書中に車内検閲によって、静寂
状態を乱されることはない。したがって、乗客に対する
サービスを向上できる。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように本発明の列車占有座
席確認システムによれば、駅の改札口に設置されている
自動改札装置に運賃情報のみならず乗車列車名や座席番
号等の指定券情報をも読取らせて、その結果を最終的に
列車内に搭載された列車座席占有状態監視装置へ送信し
て、各座席の占有状況を表示している。したがって、列
車に乗務している車掌が正規の乗車券で乗車している客
をその座席番号と共に確認でき、正規乗車券で乗車して
いる客に対する検閲を省略できる。その結果、客に繁雑
な乗車券の出入操作を強要することなく、かつ車掌が実
際に検閲する客数を大幅に低減でき、客に対するサービ
スを向上できると共に、車掌の業務負担を大幅に低減で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例に係わる列車占有座席確認
システムの概略構成図、

【図２】 実施例システムが適用される列車と駅都の関
係およぴ乗車券を示す図、

【図３】 実施例システムの駅座席占有状況監視装置を
示すブロック図、

【図４】 同駅座席占有状況監視装置の駅占有座席メモ
リを示す図、

【図５】 実施例システムの列車座席占有状況監視装置
を示すブロック図、

【図６】 携帯型端末の表示器に表示された各座席の占
有状態を示す図。

【符号の説明】

１…線路、２…駅、３…列車、４…自動改札機、５…駅
座席占有状況監視装置６…列車座席占有状況監視装置、
７…乗車券、１３ａ…駅占有座席メモリ、２４…携帯型
端末。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各駅に設けられ、乗車列車名，座席番号，
   乗車駅名，下車駅名，乗車日時等の指定券情報および運
   賃情報が記録された一体型の乗車券に記録された指定券
   情報および運賃情報を読取り、この乗車券の正当性を判
   断すると共に、読取った指定券情報を出力する自動改札
   機と、 各駅に設けられ、当日運行の各列車毎に座席番号を記憶
   するための領域が形成された駅占有座席メモリを有し、
   前記自動改札機から前記指定券情報が入力される毎に、
   この指定券情報の座席番号を前記駅占有座席メモリにお
   ける同じく指定券情報が指定する列車の領域へ格納する
   と共に、前記駅占有座席メモリに記憶されている列車が
   該当駅を発車するとき、前記駅占有座席メモリに記憶さ
   れている該当列車の座席番号を前記列車へ送信する駅座
   席占有状況監視装置と、 各列車に搭載され、自己の列車の各座席の占有状況を記
   憶する列車占有座席メモリを有し、前記駅座席占有状況
   監視装置から送信された座席番号でもって前記列車占有
   座席メモリの各座席の占有状況を更新し、更新後の各座
   席の占有状況を表示出力する列車座席占有状況監視装置
   とを備えた列車占有座席確認システム。