JPH05178576A - 巻上げ運搬用振れ止め装置 - Google Patents

巻上げ運搬用振れ止め装置

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JPH05178576A
JPH05178576A JP3346766A JP34676691A JPH05178576A JP H05178576 A JPH05178576 A JP H05178576A JP 3346766 A JP3346766 A JP 3346766A JP 34676691 A JP34676691 A JP 34676691A JP H05178576 A JPH05178576 A JP H05178576A
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Noriyuki Nishiyama
範之 西山
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    • G05B13/02Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 荷振れの防止を高精度に行うと同時に高精度
の位置決めを同時に達成し得る巻上げ運搬用振れ止め装
置を提供するものである。 【構成】 ファジィ制御部1に、位置決め用又は速度制
御用ファジィ推論器9のほかに、振れ止め用ファジィ推
論器10を設け、この振れ止め用ファジィ推論器10に
おいて、ワイヤの角度及び角速度によって定まるファジ
ィ制御規則にしたがって、振れ止めに要する加速度要素
を生成し、この加速度要素と他方のファジィ推論器9か
らの加速度要素とをクリスプ化演算器11でクリスプ化
された加速度信号を得る。このように、振れ止めに必要
な加速度要素をも考慮することによって、荷振れの防止
に最適な加速度信号を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、運搬される台車にワイ
アにより吊された荷重の荷振れを検出し、ファジィ推論
に基づいて台車を移動制御することによって荷振れを抑
制する巻上げ運搬用振れ止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の巻上げ運搬用振れ止め装
置は、荷重の荷振れを振り子の運動方程式に従う伝達関
数を用いて運搬部を速度制御することによって抑制する
か、或いは更にファジィ推論に基づいて現状値よりも理
想的なパターンを推定して運搬部を速度制御することで
荷重の荷振れを抑制するもの等が知られている。
【0003】前者に関連する制御技術は、例えば特公昭
52−1540号公報に開示されている如く、予め計算
設定されたトロリーの速度指令により、トロリーを最大
の加・減速若しくは最大速度をもつて走行し、且つ目標
地点上に荷が到達した際に、運転上最も都合の良いロー
プの振れ角,振れ角速度とするようにした起動機の自動
運転制御方法や、或いは特開昭64−75396号公報
に開示されている如く、荷重の移動終了時に荷重に振れ
を残存させることなく、総運搬時間を短縮させる巻上げ
運搬装置の荷重振れ止め制御方法が挙げられる。
【0004】一方、後者に関連する制御技術は、特開平
1−313299号公報に開示されている如く、吊り荷
の重量,吊り下げロープ長,及びトロリーの位置から経
験則に基づいて決定される減速開始位置,減速中止位
置,及び再減速開始振れ角若しくは等速維持時間をファ
ジィ推論を適用してルールマップ上に数値入力すること
により、自動制御で吊り荷の移動運転を行うクレーンに
おける吊り荷の振れ止め運転制御方法が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の巻上げ
運搬用振れ止め装置の場合、荷重の荷振れを検出した後
に追随して振り子の運動方程式に従う伝達関数に切換え
て運搬部を速度制御すると、追随に要する時間差の分だ
け現状の荷振れ状態が変化してしまう為、荷重の荷振れ
防止を高精度に行い得ないという問題がある。
【0006】又、ファジィ推論を適用した自動制御によ
り吊り荷の移動運転を行って吊り荷の振れ止め運転制御
を行う場合には、荷振れの振り子周期の推定,即ち、荷
重の重心位置の推定値の適確さに加え、時間管理の精度
によって荷振れ防止の精度が大きく左右される。この
為、従来のファジィ推論を適用した巻上げ運搬用振れ止
め装置は、荷重の重心位置の推定値を適確にした上で高
速サンプリングを行う必要があるが、現状では余り適確
な重心位置の推定値を得ておらず、しかも高速サンプリ
ングの情報処理に負担がかかり過ぎて荷振れ防止を充分
な精度で行い得ないという問題がある。
【0007】本発明は、かかる事情を鑑みなされたもの
で、その技術的課題は、荷振れの防止を高精度に行い得
る巻上げ運搬用振れ止め装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、運搬さ
れる台車にワイアにより吊された荷重の荷振れを検出し
て該台車を速度又は位置制御することによって、該荷振
れを抑制する巻上げ運搬用振れ止め装置において、ワイ
アの振れ角を検出して振れ角信号を出力する振れ角検出
手段と、振れ角検出信号より振れ角速度を算出して振れ
角速度信号を出力する振れ角速度算出手段と、振れ角信
号及び振れ角速度検出信号のうちの一方を横軸に取ると
共に、他方を縦軸に取ってマトリクスを分割的に構成し
た後、該マトリクスの一区画毎に振れ止め用の加速度要
素に関するファジィ集合の適合度を割り当てる一方、台
車に対する速度指令信号、及び台車を運搬するための駆
動機構の速度を検出した速度信号のうちの一方を横軸に
取ると共に、他方を縦軸に取ってマトリクスを分割的に
構成した後、該マトリクスの一区画毎に位置決め用の加
速度要素に関するファジィ集合の適合度を割り当て、該
振れ止め用の加速度要素に関するファジィ集合の適合度
と該位置決め用の加速度要素に関するファジィ集合の適
合度とからクリスプ化手法により、クリスプ化された加
速度信号を出力するファジィ制御手段とを備えた巻上げ
運搬用振れ止め装置が得られる。
【0009】又、本発明によれば、上記巻上げ運搬用振
れ止め装置において、振れ止め用の加速度要素に関する
ファジィ集合の適合度は、振子の振れ角のファジィ集合
と振れ角速度のファジィ集合とに関し、振子の振幅及び
位相を判断して割り当てたもので、位置決め用の加速度
要素に関するファジィ集合の適合度は、位置偏差のファ
ジィ集合と現在速度のファジィ集合とに関し、位置偏差
から求められる目標速度と現在速度とを判断して割り当
てたものである巻上げ運搬用振れ止め装置が得られる。
【0010】
【作用】本発明の巻上げ運搬用振れ止め装置は、電動機
の回動速度を速度制御する速度制御器をファジィ推論に
基づいて制御するためのファジィ制御部に対し、検出乃
至算出可能な振れ角信号及び振れ角速度信号のうち、一
方を横軸に取ると共に、他方を縦軸に取ってマトリクス
を分割的に構成した後、該マトリクスの一区画毎に振れ
止め用の加速度要素に関するファジィ集合の適合度を割
り当て、該マトリクスの一区画単位で第1の加速度要素
信号を出力する振れ止め用ファジィ推論器と、速度指令
器で設定される速度指令信号と電動機の回動速度信号の
うち、一方を横軸に取ると共に、他方を縦軸に取ってマ
トリクスを分割的に構成した後、該マトリクスの一区画
毎に位置決め用の加速度要素に関するファジィ集合の適
合度を割り当て、該マトリクスの一区画単位で第2の加
速度要素信号を出力する位置決め用ファジィ推論器とを
設けている。これにより、ファジィ制御部に備えられた
クリスプ化演算器は、2つの加速度要素信号を入力し、
重心法や菅野の簡易法等のクリスプ化手法によって、各
ファジィ集合推論値の出力加速度を協調させ、クリスプ
化された加速度信号を発生する。この加速度信号は、積
分されて速度指令信号として速度制御器に与えられるも
のである。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の巻上げ運搬用
振れ止め装置について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、巻上げ運搬用振れ止め装置の基本構成を示した
ものである。
【0012】巻上げ運搬用振れ止め装置は、ワイアによ
り荷重Wが吊され、電動機3により台車駆動車輪5が駆
動されることによって運搬される台車4と、この台車4
上に設けられ、荷重Wの荷振れをワイアの振れより検出
する振れ角検出器7と、この振れ角検出器7に接続され
たファジィ制御部1と、このファジィ制御部1に接続さ
れた速度指令器13と、ファジィ制御部1及び電動機3
の間にそれぞれ別個に接続された速度制御器2及び速度
検出器6とを備えている。
【0013】又、ファジィ制御部1は、振れ角検出器7
により出力されるワイアの振れ角に関する振れ角信号を
入力し、この振れ角信号より振れ角速度を算出して振れ
角速度信号を出力する角速度計算器8と、振れ角信号及
び振れ角速度信号を入力し、これらの一方を横軸に取る
と共に、他方を縦軸に取ってマトリクスを分割的に構成
した後、該マトリクスの一区画毎に振れ止め用の加速度
要素に関するファジィ集合の適合度を割り当て、該マト
リクスの一区画単位で第1の加速度要素信号を出力する
振れ止め用ファジィ推論器10と、速度指令器13から
出力される第1の速度指令信号と速度検出器6から出力
される電動機3の回動速度信号とを入力し、これらの一
方を横軸に取ると共に、他方を縦軸に取ってマトリクス
を分割的に構成した後、該マトリクスの一区画毎に位置
決め用の加速度要素に関するファジィ集合の適合度を割
り当て、別個にマトリクス分割された一区画単位で第2
の加速度要素信号を出力する位置決め用ファジィ推論器
9と、第1及び第2の加速度要素信号を入力し、これら
各ファジィ集合推論の出力加速度を後述する重心法や菅
野の簡易法等のクリスプ化(合成波形修正化)手法によ
り、クリスプ化して最適な振れ止め加速度信号として出
力するクリスプ化演算器11と、この加速度信号を積分
して第2の速度指令信号を出力する積分器12とを備え
ている。
【0014】図2は、クリスプ化手法の一例である重心
法を説明するために示したものである。クリスプ化演算
器11における重心法は、振れ止め用ファジィ推論出力
と位置決め用ファジィ推論出力とを得て形成される閉じ
た幾何図形の重心を求めてクリスプ化するものである。
振れ止め用ファジィ推論出力は、振子の振れ角のファジ
ィ集合と振れ角速度のファジィ集合とに関し、汎用性を
考慮して例えば7区分に分割されたマトリクスにより、
振子の振幅及び位相を判断し、その状況に対処すべく割
り当てられた適合度に対応する出力加速度として得られ
るものである。又、位置決め用ファジィ推論出力は、位
置偏差のファジィ集合と現在速度のファジィ集合とに関
し、7区分に分割されたマトリクスにより、位置偏差か
ら求められる目標速度と現在速度とのマトリクスに置き
換え、その状況に対処すべく割り当てられた適合度に対
応する出力加速度として得られるものである。
【0015】ところで、この種のファジィ制御推論で使
用されるファジィ集合は、計算の簡略化の為、三角形や
台形等の幾何図形を用いる場合が多い。本発明の巻上げ
運搬用振れ止め装置においては、位置,速度,振れ角
度,及び振れ角速度に関しては三角形を用いるものと
し、出力加速度に関しては直線を採用するものとする。
【0016】上述した三角形が適用される何れのファジ
ィ集合も、縦軸を適合度1とするものであるが、横軸は
中心を零とし、且つ偏差を±1として7区分された適合
度が割り当てられる。この7区分は、偏差−1から偏差
1に向けてそれぞれNB,NM,NS,ZE,PS,P
M,PBとすることができる。
【0017】具体的に云えば、位置のファジィ集合の場
合、横軸は距離を示すので、ZEを中心とすることで、
NBをかなり後,NMをやや後,NSを少し後,PSを
少し前,PMをやや前,PBをかなり前等とすることが
できる。速度のファジィ集合の場合、横軸は速度を示す
ので、ZEを中心とすることで、NBをかなり遅い,N
Mをやや遅い,NSを少し遅い,PSを少し速い,PM
をやや速い,PBをかなり速い等とすることができる。
振れ角度のファジィ集合の場合、横軸は振れ角度を示す
ので、ZEを中心とすることで、NBをかなり後方に振
れている,NMをやや後方に振れている,NSを少し後
方に振れている,PSを少し前方に振れている,PMを
やや前方に振れている,PBをかなり前方に振れている
等とすることができる。振れ角度速度のファジィ集合の
場合、横軸は振れ角度速度を示すので、ZEを中心とす
ることで、振れ角度のファジィ集合の場合と同様に、N
Bをかなり後方に振れている,NMをやや後方に振れて
いる,NSを少し後方に振れている,PSを少し前方に
振れている,PMをやや前方に振れている,PBをかな
り前方に振れている等とすることができる。
【0018】一方、出力加速度のファジィ集合の場合、
横軸は加速度を示すので、ZEを中心とすることで、N
Bをかなり遅い,NMをやや遅い,NSを少し遅い,P
Sを少し速い,PMをやや速い,PBをかなり速い等と
することができる。
【0019】ところで、図2に示された幾何図形は、位
置決め用ファジィ推論出力から出力加速度のファジィ集
合のNM適合度が0.6,NS適合度が0.4であり、
振れ止め用ファジィ推論出力から出力加速度のファジィ
集合のPS適合度が0.2,PM適合度が0.8である
場合のものである。但し、このとき、位置決め用ファジ
ィ推論出力と振れ止め用ファジィ推論出力との何れの区
分からも出力が得られる可能性がある。
【0020】本発明の巻上げ運搬用振れ止め装置は、ク
リスプ化演算器11において代数積−加算法によって位
置決め用ファジィ推論器9と、振れ止め用ファジィ推論
器10とによる各ファジィ集合の特性を重ね合わせてク
リスプ化する必要上、表1に示す如く位置決め用のファ
ジィ制御規則と、表2に示す如く振れ止め制御用のファ
ジィ制御規則とを要する。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】位置決め用のファジィ制御規則は、位置偏
差の7区分NBP,NMP,NSP,ZEP,PSP,
PMP,PBPに対し、速度の7区分NBS,NMS,
NSS,ZES,PSS,PMS,PBSでマトリクス
構成される総計49のマトリクス要素に対し、表1に示
す如く、それぞれ出力加速度に関して上述したNB,N
M,NS,ZE,PS,PM,PBの7区分で適合度を
割り当てている。
【0024】又、振れ止め制御用のファジィ制御規則
は、振れ角度の7区分NBD,NMD,NSD,ZE
D,PSD,PMD,PBDに対し、振れ速度の7区分
NBK,NMK,NSK,ZEK,PSK,PMK,P
BKでマトリクス構成される総計49のマトリクス要素
に対し、表2に示す如く、それぞれ出力加速度に関して
上述したNB,NM,NS,ZE,PS,PM,PBの
7区分で適合度を割り当てている。
【0025】図3は、クリスプ化手法の他の例である菅
野の簡易法を説明するために示したものである。菅野の
簡易法は、横軸を出力加速度に関して基準位置(中心)
ZEに基づいて上述した7区分で適合度を割り当て、縦
軸をその出力加速度に関する適合度毎のピーク値とする
ものである。ここで、適合度の偏差ΔLn とピーク値と
の積に関する総和を、総加算ピーク値で割って振れ止め
防止に最適な加速度信号を出力すべくクリスプ化値を得
るものである。図示の場合、クリスプ化値LはL=(D
1 ・L1 +D2 ・L2 +D3 ・L3 +D4 ・L4 )/
(D1 +D2 +D3 +D4 )で一義的に求められる。
【0026】次に、このような構成による巻上げ運搬用
振れ止め装置の動作を説明する。初期的に電動機3が駆
動し、ファジィ制御部1及び速度指令器13に駆動電源
が供給された状態にあって、先ず速度指令器13より速
度指令を設定して位置決め用ファジィ推論器9へ第1の
速度指令信号を伝送することで初期制御設定を行うと、
位置決め用ファジィ推論器9には速度検出器6から電動
機3の現行の回動速度信号が入力される。これにより、
位置決め用ファジィ推論器9は、7区分にマトリクス分
割された一区画単位で位置決め用の加速度要素に関する
ファジィ集合の適合度に対応する第2の加速度要素信号
をクリスプ化演算器11へ伝送する。
【0027】一方、角速度計算器8及び振れ止め用ファ
ジィ推論器10には、荷重Wの荷振れをワイアの振れよ
り検出する振れ角検出器7から振れ角信号が伝送され
る。角速度計算器8では振れ角信号を微分(dθ/d
t)することにより、振れ角速度を算出して振れ角速度
信号を振れ止め用ファジィ推論器10へ伝送する。振れ
止め用ファジィ推論器10では、7区分にマトリクス分
割された一区画単位で振れ止め用の加速度要素に関する
ファジィ集合の適合度に対応する第1の加速度要素信号
をクリスプ化演算器11へ伝送する。
【0028】これにより、クリスプ化演算器11ではマ
トリクスの一区画毎に振れ止め防止に最適な加速度適合
度基準を作成することができる。
【0029】ここで、振れ止め防止を高精度に行うため
には、ワイアにより荷重Wが吊された台車4に対して移
動制御するものであるので、電動機3に係る振れ止め用
の加速度要素に関するファジィ集合の第1の加速度要素
信号に位置決め用の加速度要素に関するファジィ集合の
第2の加速度要素信号を応答させる必要がある。そこ
で、クリスプ化演算器11は、第1及び第2の加速度要
素信号を入力し、重心法や菅野の簡易法等のクリスプ化
手段により、各ファジィ集合推論出力を協調させ、クリ
スプ化された振れ止め防止に最適な加速度信号として積
分器12へ伝送する。積分器12は加速度信号を積分し
て第2の速度指令信号を速度制御器2へ伝送する。速度
制御器2は、速度制御信号を電動機3に伝送し、電動機
3の回動速度を可変制御する。これにより、電動機3は
台車4の台車駆動車輪5の回動量,即ち、台車4の移動
を制御し、ワイア及び荷重Wの荷振れを高精度に抑制す
る。
【0030】尚、図1に示すファジィ制御部1は、角速
度計算器8を備えるものとしたが、これに代えて台車4
上に振れ角検出器7と共に、角速度検出器(図示せず)
を設け、振れ角速度を検出することにより得られる振れ
角速度信号を振れ止め用ファジィ推論器10へ伝送する
ように巻上げ運搬用振れ止め装置を構成しても良い。
又、ファジィ制御部1はクリスプ化演算器11からの加
速度信号を積分器12で積分して第2の速度指令信号を
得るものとしたが、この積分器12による積分も必須な
処理として限定されるものではない。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の巻上げ運搬用振
れ止め装置によれば、ファジィ制御部にクリスプ化演算
器を設け、このクリスプ化演算器により振れ止め用ファ
ジィ推論器で分割的にマトリクス構成され、マトリクス
の一区画毎に割り当てられた振れ止め用の加速度要素に
関するファジィ集合の適合度と、位置決め用ファジィ推
論器で分割的にマトリクス構成され、マトリクスの一区
画毎に割り当てられた位置決め用の加速度要素に関する
ファジィ集合の適合度とに基づいてクリスプ化手法によ
り、振れ止め防止に最適な加速度信号を得て電動機の回
動速度を制御しているので、台車に与える荷振れ防止に
要する移動制御を高精度に対策して行うことができる。
殊に、本発明の巻上げ運搬用振れ止め装置は、ワイアの
振り子周期に依存することなく、振り子の位相平面に基
づいて荷振れを制御しているので、周期推定誤差による
残留振れが発生せず、しかも装置全体の構成を簡素にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である巻上げ運搬用振れ止め
装置の基本構成を示したものである。
【図2】巻上げ運搬用振れ止め装置で用いられるクリス
プ化手法の一例である重心法を説明するために示したも
のである。
【図3】巻上げ運搬用振れ止め装置で用いられるクリス
プ化手法の他の例である菅野の簡易法を説明するために
示したものである。
【符号の説明】
1 ファジィ制御部 2 速度制御器 3 電動機 4 台車 5 台車駆動車輪 6 速度検出器 7 振れ角検出器 8 角速度計算器 9 位置決め用ファジィ推論器 10 振れ止め用ファジィ推論器 11 クリスプ化演算器 12 積分器 13 速度指令器
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 巻上げ運搬用振れ止め装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイアにより荷重、即
ち、吊り荷を吊した状態で運搬するクレーンにおいて、
台車の荷振れを防止しながら移動制御する巻上げ運搬用
振れ止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の巻上げ運搬用振れ止め装
置は、荷重の荷振れを振り子の運動方程式に従う伝達関
数を用いて運搬部を速度制御することによって抑制する
か、或いは、更にファジィ推論に基づいて現状値よりも
理想的なパターンを推定して運搬部を速度制御すること
で荷重の荷振れを抑制するもの等が知られている。
【0003】前者に関連する制御技術としては、例えば
特公昭52−1540号公報に開示されている制御装置
がある。この制御装置は、予め計算設定されたトロリー
の速度指令により、トロリーを最大の加・減速若しくは
最大速度をもつて走行し、且つ目標地点上に荷が到達し
た際に、運転上最も都合の良いロープの振れ角,振れ角
速度とするように、クレーンを制御している。又、特開
昭64−75396号公報に開示されている制御装置も
あり、この装置では、荷重の移動終了時に荷重に振れを
残存させることなく、総運搬時間を短縮させる巻上げ運
搬装置の荷重振れ止め制御を行っている。
【0004】一方、後者に関連する制御技術としては、
特開平1−313299号公報に開示されている振れ止
め装置がある。この振れ止め装置は、吊り荷の重量、吊
り下げロープ長,及びトロリーの位置から経験則に基づ
いて決定される減速開始位置、減速中止位置、及び再減
速開始振れ角、若しくは等速維持時間をファジィ推論を
適用してルールマップ上に数値入力しておき、運転の
際、これらのデータを運転データとして取り出し、クレ
ーンを制御し、結果として、吊り荷の加速、減速を行っ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の巻上げ
運搬用振れ止め装置のうち、運動方程式を利用した装置
の場合、荷重の荷振れを検出した後に追随して振り子の
運動方程式に従う伝達関数に切換えて運搬部を速度制御
しているため、追随に要する時間差の分だけ現状の荷振
れ状態が変化してしまう為、荷重の荷振れ防止を高精度
に行い得ないという問題がある。
【0006】又、ファジィ推論を適用した振れ止め装置
の場合には、荷振れの振り子周期の推定,即ち、荷重の
重心位置の推定値の適確さに加え、時間管理の精度によ
って荷振れ防止の精度が大きく左右される。この為、従
来のファジィ推論を適用した巻上げ運搬用振れ止め装置
は、荷重の重心位置の推定値を適確にした上で高速サン
プリングを行う必要があるが、現状では余り適確な重心
位置の推定値を得ておらず、しかも高速サンプリングの
情報処理に負担がかかり過ぎて荷振れ防止を充分な精度
で行い得ないという問題がある。
【0007】本発明は、かかる問題点を解消すべくなさ
れたもので、その技術的課題は、所望の位置へ荷振れの
無い状態で迅速に移動させることができる巻上げ運搬用
振れ止め装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、荷の振れ止めと位置
決めを同時に行える巻上げ運搬用振れ止め装置を提供す
ることである。
【0009】本発明の更に他の目的は、ファジィ制御を
用いて、比較的簡単に振れ止め制御を行える巻き上げ運
搬用振れ止め装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ワイア
により吊り荷を吊るした状態で、前記吊り荷を運搬する
台車を備えたクレーンに使用され、前記吊り荷の荷振れ
を検出して該台車を速度又は位置のいずれかを制御する
巻き上げ運搬用振れ止め装置において、前記ワイアの振
れ角を検出して振れ角信号を出力する振れ角検出手段
と、前記振れ角検出信号より振れ角速度を算出して振れ
角速度信号を出力する振れ角速度算出手段と、前記振れ
角信号及び前記振れ角速度検出信号に応じた加速度に関
する適合度を定めたファジィ制御規則を備え、前記ファ
ジィ制御規則にしたがって、第1の加速度要素信号を生
成する振れ止め用ファジィ推論器と、該振れ止め用ファ
ジィ推論器からの前記第1の加速度要素信号を用いて、
前記台車の速度を演算するため演算手段を有することを
特徴とする巻き上げ運搬用振れ止め装置が得られる。
【0011】更に、本発明によれば、前記台車に対する
速度指令信号及び前記台車を運搬するための駆動機構の
速度を検出した速度信号のいずれか一方を横軸に取ると
共に、位置偏差を縦軸に取ってマトリクスを分割的に構
成した後、該マトリクスの一区画毎に位置決め用の加速
度要素に関するファジィ集合の適合度を割り当て、該位
置決め用の加速度要素に関するファジィ集合の適合度を
第2の加速度要素信号として生成する位置決め用ファジ
ィ推論器を有し、前記演算手段は前記第1及び第2の加
速度要素信号とから前記台車の速度を制御することを特
徴とする巻上げ運搬用振れ止め装置が得られる。
【0012】又、本発明によれば、上記演算手段におい
て、第1及び第2の加速度要素信号にクリスプ化を施
し、クリスプ化された加速度信号生成する。
【0013】
【作用】本発明の巻上げ運搬用振れ止め装置は、電動機
の回動速度を速度制御する速度制御器をファジィ推論に
基づいて制御するためのファジィ制御部に対し、検出乃
至算出可能な振れ角信号及び振れ角速度信号のうち、一
方を横軸に取ると共に、他方を縦軸に取ってマトリクス
を構成し、該マトリクスの一区画毎に振れ止め用の加速
度要素に関するファジィ集合の適合度を割り当て、該マ
トリクスの一区画単位で第1の加速度要素信号を出力す
る振れ止め用ファジィ推論器と、目標位置設定器で設定
される速度指令信号と電動機の回動速度信号のうち、一
方を横軸に取ると共に、他方を縦軸に取ってマトリクス
を構成し、該マトリクスの一区画毎に位置決め用の加速
度要素に関するファジィ集合の適合度を割り当て、該マ
トリクスの一区画単位で第2の加速度要素信号を出力す
る位置決め用或いは速度制御用ファジィ推論器とを設け
ている。これにより、ファジィ制御部に備えられたクリ
スプ化演算器は、2つの加速度要素信号を入力し、重心
法や菅野の簡易法等のクリスプ化手法によって、各ファ
ジィ集合推論値の出力加速度を協調させ、クリスプ化さ
れた加速度信号を発生する。この加速度信号は、積分さ
れて速度指令信号として速度制御器に与えられる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る巻上げ運搬用
振れ止め装置について、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0015】図1は、巻上げ運搬用振れ止め装置の基本
構成を示し、図示された巻上げ運搬用振れ止め装置は、
ワイアにより吊り荷、即ち、荷重Wを懸垂した状態で、
荷重Wを運搬する台車4を備えたクレーンの振れ止めに
使用されている。この場合、電動機3により台車駆動車
輪5を駆動することによって、台車4は軌道(図示せ
ず)に沿って走行するものとする。
【0016】ここで、本発明の一実施例に係る巻上げ運
搬用振れ止め装置は、台車4上に設けられ、荷重Wの荷
振れをワイアの振れより検出する振れ角検出器7と、こ
の振れ角検出器7に接続されたファジィ制御部1と、こ
のファジィ制御部1に接続された目標位置設定器13
と、ファジィ制御部1及び電動機3の間にそれぞれ別個
に接続された速度制御器2及び速度検出器6とを備えて
いる。
【0017】図示されたファジィ制御部1は、振れ角検
出器7から振れ角信号が入力される角速度計算器8、目
標位置設定器13からの目標位置信号及び速度検出器6
からの速度信号が与えられる位置決め用ファジィ推論器
9、振れ角信号が入力されると共に、角速度計算器8か
らの振れ角速度信号が与えられる振れ止め用ファジィ推
論器10、クリスプ化演算器11、及び積分器12とを
備えている。
【0018】ここで、角速度計算器8は、振れ角検出器
7からのワイヤの振れ角をあらわす振れ角信号を受け、
この振れ角信号から振れ角速度を算出して、振れ角速度
信号として、振れ角信号と共に、振れ止め用ファジィ推
論器10に出力する。
【0019】振れ止め用ファジィ推論器10及び位置決
め用ファジィ推論器9は、後述するような形式でファジ
ィ推論を行い、それぞれ第1及び第2の加速度要素信号
をクリスプ化演算器11に出力する。
【0020】このことからも明らかな通り、図示された
ファジィ制御部1は、概略的に言えば、ファジィ制御推
論を利用したものである。ここで、本発明の理解を容易
にするために、ファジィ制御推論について簡単に説明し
ておく。
【0021】一般に、この種のファジィ制御推論で使用
されるファジィ集合は、計算の簡略化の為、三角形や台
形等の幾何図形を用いる場合が多い。本発明の巻上げ運
搬用振れ止め装置においては、位置、速度、振れ角度、
及び振れ角速度のファジィ集合に関しては三角形を用い
るものとし、出力加速度に関しては直線を採用するもの
とする。以下、これら位置、速度、振れ角度、振れ角速
度、及び出力加速度を集合的に物理量と呼ぶ。
【0022】上述した三角形が適用される何れのファジ
ィ集合も、縦軸には、適合度(最大値1)がとられ、他
方、横軸には、中心を零とし、且つ、中心からの偏差を
±1として区分して、それぞれの物理量が割り当てられ
る。この場合、各物理量には、偏差−1から偏差1まで
の区間が割り当てられ、この区間が偏差+1から−1の
方向に、それぞれNB、NM、NS、ZE、PS、P
M、PBの7区分に分けられているものとして説明す
る。
【0023】具体的に云えば、位置のファジィ集合の場
合、横軸に距離(位置偏差)をとり、この横軸をZEを
中心とし、NBをかなり後,NMをやや後、NSを少し
後、PSを少し前、PMをやや前、PBをかなり前等と
して区分する。又、速度のファジィ集合の場合、横軸に
速度をとり、ZEを中心として、NBをかなり遅い,N
Mをやや遅い、NSを少し遅い、PSを少し速い、PM
をやや速い、PBをかなり速い等として区分している。
一方、振れ角度のファジィ集合の場合、振れ角度を示す
横軸を、ZEを中心として、NBをかなり後方に振れて
いる、NMをやや後方に振れている、NSを少し後方に
振れている、PSを少し前方に振れている、PMをやや
前方に振れている、PBをかなり前方に振れている等と
区分している。更に、振れ角度速度のファジィ集合の場
合、振れ角度速度を示す横軸を、ZEを中心として、振
れ角度のファジィ集合の場合と同様に、NBをかなり後
方に振れている、NMをやや後方に振れている、NSを
少し後方に振れている、PSを少し前方に振れている、
PMをやや前方に振れている、PBをかなり前方に振れ
ている等として区分している。
【0024】一方、本発明では、直線によってあらわさ
れる出力加速度のファジィ集合については、横軸に加速
度をとり、ZEを中心として、NBをかなり遅い、NM
をやや遅い、NSを少し遅い、PSを少し速い、PMを
やや速い、PBをかなり速い等と区分している。
【0025】上記した点を考慮して、図1を参照する
と、ファジィ制御部1における位置決め用ファジィ推論
器9は、速度検出器6から出力される電動機3の回動速
度信号を入力し、これを横軸に取ると共に、これを積分
することによって得られた位置信号と目標位置設定器1
3より入力された目的位置信号の差を計算することによ
り得られた位置偏差を縦軸に取って区画されたマトリク
スを形成し、該マトリクスの一区画毎に位置決め用の加
速度要素に関するファジィ集合の適合度を割り当てた表
1に示すような位置決め用ファジィ制御規則を有してい
る。したがって、位置決め用ファジィ推論器9は、横軸
及び縦軸の位置偏差及び速度に応じた一区画単位で第2
の加速度要素信号を出力する。この場合、第2の加速度
要素信号は適合度に応じて、複数個出力されることもあ
る。
【0026】
【表1】
【0027】表1からも明らかな通り、位置決め用のフ
ァジィ制御規則は、位置偏差の7区分NBP,NMP,
NSP,ZEP,PSP,PMP,PBPに対し、速度
の7区分NBS,NMS,NSS,ZES,PSS,P
MS,PBSでマトリクス構成される総計49のマトリ
クス要素、即ち、区画に対し、それぞれ出力加速度に関
して上述したNB,NM,NS,ZE,PS,PM,P
Bの7区分で適合度を割り当てている。このように、位
置偏差及び速度は上述したように、それぞれ7区分され
ている。尚、位置決め用ファジィ推論器9の代わりに、
速度制御用ファジィ推論器を用いても良い。
【0028】更に、図示されたファジィ制御部1は、振
れ角信号及び振れ角速度信号に応じた第1の加速度要素
信号を出力する振れ止め用ファジィ推論器10を有して
いる。この場合、図示された振れ止め用ファジィ推論器
10は表2に示すような振れ止め用のファジィ制御規則
にしたがって、第1の加速度要素信号を出力する。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示された振れ止め制御用のファジィ
制御規則は、振れ角度の7区分NBD,NMD,NS
D,ZED,PSD,PMD,PBDに対し、振れ角速
度の7区分NBK,NMK,NSK,ZEK,PSK,
PMK,PBKでマトリクス構成される総計49のマト
リクス要素に対し、表2に示す如く、それぞれ出力加速
度に関して上述したNB,NM,NS,ZE,PS,P
M,PBの7区分で適合度を割り当てている。
【0031】具体的に言えば、表2では、振れ角検出器
7により出力されるワイアの振れ角に関する振れ角信号
(NBD〜PBD)が7区分に分けられて横軸に示され
ており、他方、この振れ角信号から角速度計算器8で算
出された振れ角速度信号(NBK〜PBK)が縦軸に7
区分に分けて示されている。これらによって、49の区
画からなるマトリクスが形成されている。このマトリク
スの各区画には、各区分された振れ角及び角速度に応じ
た振れ止め用の加速度要素がファジィ集合の適合度の形
で割り当てられており、これら加速度要素は第1の加速
度要素信号として出力される。この場合、振れ止め用フ
ァジィ推論器10は、位置決め用ファジィ推論器9と同
様に、適合度に応じて複数の加速度要素信号を出力する
こともある。
【0032】このように、単に、位置決め用ファジィ推
論器9から出力される第2の加速度要素信号だけでな
く、振れ止め用ファジィ推論器10からの第1の加速度
要素信号をも使用することにより、荷振れを高精度に防
止できる。
【0033】上記した振れ止め用ファジィ推論器10と
位置決め用ファジィ推論器9とからそれぞれ出力される
第1の加速度要素信号と第2の加速度要素信号とは、そ
れぞれ振れ止め用ファジィ推論出力,位置決め用ファジ
ィ推論出力として、クリスプ化演算器11に与えられ
る。
【0034】クリスプ化演算器11は、第1及び第2の
加速度要素信号を入力し、これら各ファジィ集合推論の
出力加速度を後述する重心法や菅野の簡易法等のクリス
プ化(合成波形修正化)手法により、クリスプ化して最
適な振れ止め加速度信号として出力する。更に、この加
速度信号は積分器12により積分されて速度指令信号を
出力する。上記したクリスプ化手法としては、後述する
ように、重心法或いは菅野の簡易法等が適用できる。
【0035】図2に示された幾何学図形は、位置決め用
ファジィ推論器9及び振れ止め用ファジィ推論器10の
第2及び第1の加速度要素信号の例を示しており、これ
ら第2及び第1の加速度要素信号は位置決め用ファジィ
推論出力及び振れ止め用ファジィ推論出力として送出さ
れる。図示された例では、位置決め用ファジィ推論出力
として与えられるファジィ集合のNM適合度が0.6、
NS適合度が0.4であり、他方、振れ止め用ファジィ
推論出力として与えられるファジィ集合のPS適合度が
0.2、PB適合度が0.8である場合のものである。
この例では、2つの適合度のみが出力されたものと仮定
しているが、位置決め用ファジィ推論出力と振れ止め用
ファジィ推論出力との何れの区分からも出力が得られる
可能性があり、この場合には、各適合度に応じた幾何学
図形であらわされる推論出力が各推論器9及び10から
出力されることになる。
【0036】図2を参照すると、クリスプ化手法の一例
である重心法は、振れ止め用ファジィ推論出力と位置決
め用ファジィ推論出力とによって形成される閉じた幾何
図形の重心を求めてクリスプ化するものである。このク
リスプ化演算器11では、代数積−加算法によって、位
置決め用ファジィ推論器9と、振れ止め用ファジィ推論
器10とによる各ファジィ集合の特性を重ね合わせてク
リスプ化する。このような幾何学図形の重心を求める重
心法については、良く知られているため、ここでは、詳
述しない。
【0037】図3は、クリスプ化手法の他の例である菅
野の簡易法を説明するために示したものである。菅野の
簡易法は、横軸を出力加速度に関して基準位置(中心)
ZEに基づいて上述した7区分で適合度を割り当て、縦
軸をその出力加速度に関する適合度毎のピーク値とする
ものである。ここで、適合度の偏差ΔLn とピーク値と
の積に関する総和を、総加算ピーク値で割って振れ止め
防止に最適な加速度信号を出力すべくクリスプ化値を得
るものである。図2に示された例の場合、クリスプ化値
LはL=(D1 ・L1 +D2 ・L2 +D3 ・L3 +D4
・L4 )/(D1 +D2 +D3 +D4 )で一義的に求め
られる。
【0038】次に、このような構成による巻上げ運搬用
振れ止め装置の動作を説明する。初期的に電動機3が駆
動し、ファジィ制御部1及び目標位置設定器13に駆動
電源が供給された状態にあって、先ず目標位置設定器1
3より目的位置を設定して位置決め用ファジィ推論器9
へ位置偏差を伝送することで初期制御設定を行うと、位
置決め用ファジィ推論器9には速度検出器6から電動機
3の現行の回動速度信号が入力される。これにより、位
置決め用ファジィ推論器9は、7区分にマトリクス分割
された一区画単位で位置決め用の加速度要素に関するフ
ァジィ集合の適合度に対応する第2の加速度要素信号を
クリスプ化演算器11へ伝送する。
【0039】一方、角速度計算器8及び振れ止め用ファ
ジィ推論器10には、荷重Wの荷振れをワイアの振れよ
り検出する振れ角検出器7から振れ角信号が伝送され
る。角速度計算器8では振れ角信号を微分(dθ/d
t)することにより、振れ角速度を算出して振れ角速度
信号を振れ止め用ファジィ推論器10へ伝送する。振れ
止め用ファジィ推論器10では、7区分にマトリクス分
割された一区画単位で振れ止め用の加速度要素に関する
ファジィ集合の適合度に対応する第1の加速度要素信号
をクリスプ化演算器11へ伝送する。
【0040】これにより、クリスプ化演算器11ではマ
トリクスの一区画毎に振れ止め防止に最適な加速度適合
度基準を作成することができる。
【0041】以上述べたように、図示された実施例で
は、荷振れ防止を高精度に行うために、ワイアにより荷
重Wが吊された台車4に対して位置制御すると共に、電
動機3に係る振れ止め用の加速度要素に関するファジィ
集合の第1の加速度要素信号により振れ止め制御を行っ
ている。
【0042】このように、クリスプ化演算器11は、第
1及び第2の加速度要素信号を入力し、前述した重心法
や菅野の簡易法等のクリスプ化手段により、各ファジィ
集合推論出力を協調させ、クリスプ化された振れ止め防
止に最適な加速度信号として積分器12へ伝送する。積
分器12は加速度信号を積分して速度指令信号を速度制
御器2へ伝送する。速度制御器2は、速度制御信号を電
動機3に伝送し、電動機3の回動速度を可変制御する。
これにより、電動機3は台車4の台車駆動車輪5の回動
量,即ち、台車4の移動を制御し、ワイア及び荷重Wの
荷振れを高精度に抑制する。
【0043】尚、図1に示すファジィ制御部1は、角速
度計算器8を備えるものとしたが、これに代えて台車4
上に、振れ角検出器7と共に、角速度検出器(図示せ
ず)を設け、振れ角速度を検出することにより得られる
振れ角速度信号を振れ止め用ファジィ推論器10へ伝送
するように巻上げ運搬用振れ止め装置を構成しても良
い。又、ファジィ制御部1はクリスプ化演算器11から
の加速度信号を積分器12で積分して速度指令信号を得
るものとしたが、この積分器12による積分も必須な処
理として限定されるものではない。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の巻上げ運搬用振
れ止め装置によれば、ファジィ制御部に、位置決め用又
は速度制御用ファジィ推論器のほかに、振れ止め用ファ
ジィ推論器を設け、これら2つのファジィ推論器からの
出力をクリスプ化演算器により、クリスプ化演算するこ
とにより、荷振れ防止と位置決めの同時達成に最適な加
速度信号を得て電動機の回動速度を制御しているので、
台車の荷振れ防止を高精度に行い、かつ高精度の位置決
めを達成することができる。殊に、本発明の巻上げ運搬
用振れ止め装置は、ワイアの振り子周期に依存すること
なく、振り子の位相平面に基づいて荷振れを制御してい
るので、周期推定誤差による残留振れが発生せず、しか
も、装置全体の構成を簡素にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である巻上げ運搬用振れ止め
装置の基本構成を示したものである。
【図2】巻上げ運搬用振れ止め装置で用いられるクリス
プ化手法の一例である重心法を説明するために示したも
のである。
【図3】巻上げ運搬用振れ止め装置で用いられるクリス
プ化手法の他の例である菅野の簡易法を説明するために
示したものである。
【符号の説明】 1 ファジィ制御部 2 速度制御器 3 電動機 4 台車 5 台車駆動車輪 6 速度検出器 7 振れ角検出器 8 角速度計算器 9 位置決め用ファジィ推論器 10 振れ止め用ファジィ推論器 11 クリスプ化演算器 12 積分器 13 目標位置設定器
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図1】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運搬される台車にワイアにより吊された
    荷重の荷振れを検出して該台車を速度又は位置制御する
    ことによって、該荷振れを抑制する巻上げ運搬用振れ止
    め装置において、前記ワイアの振れ角を検出して振れ角
    信号を出力する振れ角検出手段と、前記振れ角検出信号
    より振れ角速度を算出して振れ角速度信号を出力する振
    れ角速度算出手段と、前記振れ角信号及び前記振れ角速
    度検出信号のうちの一方を横軸に取ると共に、他方を縦
    軸に取ってマトリクスを分割的に構成した後、該マトリ
    クスの一区画毎に振れ止め用の加速度要素に関するファ
    ジィ集合の適合度を割り当てる一方、前記台車に対する
    速度指令信号、及び前記台車を運搬するための駆動機構
    の速度を検出した速度信号のうちの一方を横軸に取ると
    共に、他方を縦軸に取ってマトリクスを分割的に構成し
    た後、該マトリクスの一区画毎に位置決め用の加速度要
    素に関するファジィ集合の適合度を割り当て、該振れ止
    め用の加速度要素に関するファジィ集合の適合度と該位
    置決め用の加速度要素に関するファジィ集合の適合度と
    からクリスプ化手法により、クリスプ化された加速度信
    号を出力するファジィ制御手段とを備えたことを特徴と
    する巻上げ運搬用振れ止め装置。
  2. 【請求項2】 前記振れ止め用の加速度要素に関するフ
    ァジィ集合の適合度は、振子の振れ角のファジィ集合と
    振れ角速度のファジィ集合とに関し、振子の振幅及び位
    相を判断して割り当てたもので、前記位置決め用の加速
    度要素に関するファジィ集合の適合度は、位置偏差のフ
    ァジィ集合と現在速度のファジィ集合とに関し、該位置
    偏差から求められる目標速度と現在速度とを判断して割
    り当てたものであることを特徴とする請求項1記載の巻
    上げ運搬用振れ止め装置。
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