JPH05177794A - 難燃シート - Google Patents

難燃シート

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JPH05177794A
JPH05177794A JP35925491A JP35925491A JPH05177794A JP H05177794 A JPH05177794 A JP H05177794A JP 35925491 A JP35925491 A JP 35925491A JP 35925491 A JP35925491 A JP 35925491A JP H05177794 A JPH05177794 A JP H05177794A
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力 川村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度の難燃性を有するとともに、燃焼時にハ
ロゲンガスなどの有毒ガスの発生がなく、特に耐汚染
性、耐摩耗性および耐熱性に優れるので、自動車、電車
等の内装材、カバー材などとして利用できる難燃性シー
トを開発する。 【構成】 下記(イ)および(ロ)からなる基材の片面
に、アイオノマー樹脂からなる表面材を設けた難燃シー
トにより目的を達成できる。(イ)ポリオレフィン系樹
脂(A1)あるいはa1:カルボン酸基含有モノマーなど
の反応性化合物を含むポリオレフィン系樹脂(A2)ま
たはその樹脂組成物100重量部と(ロ)無機難燃剤2
0〜200重量部。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン系樹脂お
よび無機難燃剤からなる難燃性ポリオレフィン系樹脂組
成物からなる基材上に耐汚染性、耐摩耗性および耐熱性
を有する表面材を設けた耐汚染性、耐摩耗性に優れた難
燃シートに関するものであり、より詳しくは、高度の難
燃性を有するとともに、燃焼時にハロゲンガスなどの有
毒ガスの発生がなく、特に耐汚染性、耐摩耗性および耐
熱性に優れ、且つ安全性、可撓性、機械的特性、耐薬品
性、電気的特性などにも優れているので、自動車、電車
やバス等の車両、航空機、船舶、家屋、工場などの床
材、壁材などの内装材、カバー材などとして利用するこ
とができる難燃性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電車やバス等の車両、航空機、家
屋、工場などの床材、壁材などの内装材としてポリ塩化
ビニル(PVCと略す)からなる基材の上に耐摩耗性お
よび耐熱性を有する架橋PVCが積層された難燃性シー
トが知られている。しかし、上記PVC系難燃性シート
は難燃性はあるものの、PVC系難燃性シートは重く、
また残留塩化ビニルモノマーや可塑剤による毒性の問題
や、長年使用すると可撓性がなくなるばかりでなく、燃
焼時においては有毒ガスを発生するなどの問題を有して
いるので、近年、これらの難燃性シートにおいても、毒
性の問題がなく、軽量で、且つ長期に亘り安定して使用
できるものが要望されつつある。
【0003】PVCの替わりにポリオレフィンを使用す
れば軽量化を計ることができるが、ポリオレフィン単体
では易燃性であり、ポリオレフィンにハロゲン系難燃剤
等の有機難燃剤を含有せしめた樹脂組成物を使用すると
軽量化や難燃性は達成することができるが、上記PVC
と同様にハロゲン系難燃剤等の有機難燃剤は燃焼時に有
毒ガスを発生し、また耐汚染性、耐摩耗性や耐熱性が不
充分であるという問題を有している。
【0004】昨今においては、ポリオレフィンに、有毒
ガスの発生がなく、低煙性で、無公害型の難燃剤とし
て、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機
系難燃剤を添加することが提案されている(例えば、特
開昭51−132254号公報、同56−136832
号公報、特開平1−234436号公報等)。しかし、
高難燃性を付与するために、ポリオレフィンに無機水和
物を大量に添加すると、引張強度や伸び等の機械的強度
や耐摩耗性、可撓性、加工性等が低下し、また多量に無
機系難燃剤を配合すると成形加工性も低下して良好な成
形品を得ることが難しいという問題もある。
【0005】またこれらのポリオレフィン組成物は、摩
耗に対してきわめて弱く床材等の耐摩耗性が必要な材料
としては使用に耐えなかった。さらにこれらのポリオレ
フィンを架橋させれば摩耗に対しては強くなるものの床
材として必要な可撓性が得られなかった。これらを解決
し、かつ安全上の問題もないような、軽量で、長期に亘
り安定して使用できるような、耐熱性および耐摩耗性に
優れたポリオレフィン系難燃シートの開発が要望されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、鋭意検討してなされたものであって、特に耐汚染
性、耐摩耗性および耐熱性に優れ、且つ可撓性、機械的
特性、電気的特性などにも優れ、特に安全上の問題がな
いハロゲンフリーの無公害型の高度の難燃性を有するポ
リオレフィン系難燃シートを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項(1)の
発明は、下記(イ)および(ロ)からなる難燃性ポリオ
レフィン系樹脂組成物からなる基材の片面にアイオノマ
ー樹脂からなる表面材を設けたことを特徴とする耐汚染
性、耐摩耗性に優れた難燃シートである。 (イ)ポリオレフィン系樹脂(A1)あるいはa1:カル
ボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有モ
ノマー、a2:エポキシ基含有モノマー、a3:ヒドロキ
シル基含有モノマー、a4:アミノ基含有モノマー、a
5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体、a6:多官能
モノマー、a7:不飽和有機チタネート化合物、a8:不
飽和有機シラン化合物から選ばれた少なくとも1種の反
応性化合物を含むポリオレフィン系樹脂(A2)または
その樹脂組成物100重量部と、(ロ)無機難燃剤20
〜200重量部
【0008】本発明の(イ)成分であるポリオレフィン
系樹脂(A1)としては、超低密度ポリエチレン、高圧法
低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体ゴム、エチレン−ブテン−1共重合体ゴムなどの
オレフィン系ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体など
のエチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル共重合体などのエチレ
ン−α,β−カルボン酸またはその誘導体との共重合体
などのエチレン系(共)重合体、ポリプロピレン、プロ
ピレン−エチレン共重合体などのポリプロピレン系重合
体、ポリブテン系重合体等が挙げられる。
【0009】これらの中でも超低密度ポリエチレン(V
LDPE)、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などの密度が
0.86〜0.94 g/cm3のエチレン(共)重合体、エチレン−
プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブ
テン−1共重合体ゴムなどのオレフィン系ゴム、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのエチレン−ビ
ニルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸
アルキルエステル共重合体などのエチレン−α,β−カ
ルボン酸またはその誘導体との共重合体などの軟質ポリ
オレフィン系重合体およびこれらを主成分とする組成物
または混合物が難燃剤や充填剤などの受容性や相溶性な
どの観点から好ましい。
【0010】上記超低密度ポリエチレン(VLDPE)
とは、密度が0.86〜0.910 g/cm3 であり、かつ直鎖状低
密度ポリエチレンとエチレン−α−オレフィン共重合体
ゴムとの中間の性状を示すポリエチレンを指す。例えば
密度0.860 〜0.910 g/cm3 、示差走査熱量測定法(DS
C)による最大ピーク温度(Tm )60℃以上、かつ好
ましくは沸騰n−ヘキサン不溶分10重量%以上の性状
を有する特定のエチレン−α−オレフィン共重合体であ
り、少なくともチタンおよび/またはバナジウムを含有
する固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなる
触媒を用いて重合され、直鎖状低密度ポリエチレンが示
す高結晶部分とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
が示す非晶部分とを合わせ持つ樹脂であって、前者の特
徴である機械的強度、耐熱性などと、後者の特徴である
ゴム状弾性、耐低温衝撃性などがバランスよく共存して
おり、本発明に用いるときは極めて有用である。
【0011】該α−オレフィンとしてはプロピレン、ブ
テン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げること
ができる。該オレフィン系ゴムとしては、エチレン−プ
ロピレン−ジエンランダム共重合体ゴム、エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体ゴムが特に好ましい。この二
つのゴムは、他のゴム状物質に比べて熱可塑性にすぐ
れ、溶融混練による分散が容易であり、SBR、イソプ
レンゴム、ニトリルゴムあるいはブタジエンゴム等と比
較すると独特の臭気を有しない点、あるいはペレット状
で入手できるために、配合する際の計量や取扱いが容易
であり、かつ組成物製造装置の形式についても選択の自
由度が大きいことなど、操作上の利点を有することが挙
げられる。
【0012】上記エチレン−プロピレン−ジエンランダ
ム共重合体ゴムのジエン成分については、エチリデンノ
ルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−シクロヘ
キサジエン等いずれも使用できる。またこれらのゴム状
物質のムーニー粘度は(ML1+4 100 ℃)10〜100
の範囲のものがよく、好ましくは(ML1+4 100 ℃)2
0〜90である。(ML1+4 100 ℃)10以下のものを
使用すると、耐衝撃性の改良効果がほとんど得られず、
(ML1+4 100 ℃)100以上の物であると、該無機難
燃剤との分散が悪くなる恐れを生じる。
【0013】該プロピレン系あるいはブテン系軟質ポリ
オレフィンはチーグラー系触媒を用いて製造されるプロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体、ブテン−1
−α−オレフィンランダム共重合体などであり低結晶性
乃至非結晶性ポリオレフィンである。
【0014】さらに本発明においては、イソブテンゴ
ム、ブタジエンゴム、1,2-ポリブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエンランダム共重合体ゴム、ニトリルゴム、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴ
ム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
ゴム等を添加して使用しても良い。該エチレン−ビニル
エステル共重合体は、高圧ラジカル重合法で製造される
エチレンを主成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸
ビニル、ステアリン酸ビニルなどのビニルエステル単量
体との共重合体である。これらの中でも特に好ましいも
のとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。すなわ
ち、エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル
0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体0
〜49.5重量%からなる共重合体が好ましい。
【0015】該エチレン―α,β−不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体との共重合体としては、エチレン−α,
β−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β−不
飽和カルボン酸エステル共重合体、それらの金属塩、ア
ミド、イミド等が挙げられるが、好ましくは高圧ラジカ
ル重合法で製造されるエチレン50〜99.5重量%、
α,β−不飽和カルボン酸もしくはエステル0.5〜5
0重量%、および他の共重合可能な不飽和単量体0〜4
9.5重量%からなる共重合体が好ましい。
【0016】α,β−不飽和カルボン酸もしくはエステ
ルの具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸等の不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アク
リル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル、アク
リル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、マレイン酸モ
ノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マ
レイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステ
ル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等
の不飽和カルボン酸エステル類を挙げることができる。
この中でも特に好ましいものとして(メタ)アクリル酸
アルキルエステルを挙げることができる。更に好ましく
はアクリル酸エチルを挙げることができる。
【0017】金属塩としてはナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、リチウム塩、アルミニウム塩、マグ
ネシウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。上記の共重合体の
具体例としては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−メタクリ
ル酸グリシジル−アクリル酸エチル共重合体などあるい
はこれらの金属塩(アイオノマー)等が挙げられる。こ
れらの共重合体は混合して使用しても良い。
【0018】本発明の反応性化合物を含むポリオレフィ
ン系樹脂またはその組成物とは、a1:カルボン酸基、
カルボン酸エステル基または酸無水基含有モノマー、a
2:エポキシ基含有モノマー、a3 :ヒドロキシル基含
有モノマー、a4:アミノ基含有モノマー、e:アルケ
ニル環状イミノエーテル誘導体、a5:多官能モノマ
ー、a7:不飽和有機チタネート化合物、a8:不飽和有
機シラン化合物から選ばれた少なくとも1種の反応性基
を含むポリオレフィン系樹脂(A2)またはその樹脂組
成物である。本発明の反応性基を含むポリオレフィン系
樹脂とは、オレフィンと上記モノマーの少なくとも1種
との2元または多元共重合体、ポリオレフィン系樹脂に
該モノマーの少なくとも1種をグラフト変性したグラフ
ト変性体、ポリオレフィン系樹脂に該モノマーの少なく
とも1種を含浸させた熱可塑性樹脂組成物を包含するも
のであるが、操作が簡便で、かつ効果的で、安価な方法
であることからグラフト変性体が最も好ましい。
【0019】上記反応性基a1:カルボン酸基、カルボ
ン酸エステル基または酸無水基含有モノマーとは、マレ
イン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のα,
β-不飽和ジカルボン酸,アクリル酸、メタクリル酸、
フラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ペンテン酸等の不
飽和モノカルボン酸,あるいはこれらα,β- 不飽和ジ
カルボン酸または不飽和モノカルボン酸のエステルまた
は無水物が挙げられる。
【0020】a2:エポキシ基含有モノマーとしては、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタ
コン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸
モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリ
シジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジル
エステルおよびα−クロロアリル、マレイン酸、クロト
ン酸、フマ−ル酸等のグリシジルエステル類またはビニ
ルグリシジルエ−テル、アリルグリシジルエ−テル、グ
リシジルオキシエチルビニルエ−テル、スチレン−p−
グリシジルエ−テルなどのグリシジルエ−テル類、p−
グリシジルスチレンなどが挙げられるが、特に好ましい
ものとしてはメタクリル酸グリシジル、アリルグリシジ
ルエ−テルを挙げることができる。
【0021】a3:ヒドロキシル基含有モノマーとして
は、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】a4:アミノ基含有モノマーとしては、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有モノマー
が挙げられる。
【0023】a5:アルケニル環状イミノエーテル誘導
体としては、以下の構造式(化1)で表される物であ
り、
【0024】
【化1】
【0025】[ここでnは1、2及び3であり、好まし
くは2及び3、より好ましくは2である。またR1 ,R
2 ,R3 ,RはそれぞれC1 〜C12の不活性なアルキル
基及び/または水素を示し、アルキル基にはそれぞれ不
活性な置換基があってもよい] ここでいう不活性とは
グラフト反応やその生成物の機能に悪影響を及ぼさない
ことを意味する。またRはすべて同一である必要はな
い。好ましくはR1 =R2 =H,R3 =HあるいはM
e,R=Hすなわち、2−ビニル及び/または2−イソ
プロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル及び/また
は2−イソプロペニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,
3−オキサジンである。これらは単独でも混合物でもよ
い。この中でも特に2−ビニル及び/または2−イソプ
ロペニル−2−オキサゾリンが好ましい。
【0026】a6:多官能モノマーとしては、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート等に代表される多官能性メタクリレートモノマー
類、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、
ジアリルフタレート、ビニルブチラート等に代表される
多官能性ビニルモノマー類、N,N'-m- フェニレンビスマ
レイミド、N,N'- エチレンビスマレイミドに代表される
ビスマレイミド類、P-キノンジオキシム等のジオキシム
類等が挙げられる。
【0027】a7:不飽和チタネート化合物としてはテ
トライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタ
ネート、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタネー
ト、チタンラクテートアンモニウム塩等が挙げられる。
【0028】a8:不飽和シラン化合物としてはビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリアセチルシラン、ビニルトリクロロシランなどが
挙げられる。
【0029】上記モノマーの少なくとも1種をポリオレ
フィン系樹脂にグラフト変性するときには架橋剤の存在
下に、無溶媒または溶媒中で行うことが望ましい。該架
橋剤としては、ヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオ
キシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、
ケトンペルオキシド等の有機過酸化物、ジヒドロ芳香族
化合物、硫黄等の加硫剤から選ばれた少なくとも1種が
挙げられる。
【0030】グラフト変性されるポリオレフィン系樹脂
としては、特に限定されるものではない。例えば、前記
反応性基を含むポリオレフィン系樹脂単独で無機系難燃
剤と配合した組成物とする場合には、該反応性基を含む
ポリオレフィン系樹脂を本質的に軟質ポリオレフィン系
樹脂とすることが好ましい。
【0031】また、反応性基を含むポリオレフィン系樹
脂と他の軟質ポリオレフィン系樹脂とブレンドした樹脂
組成物と無機系難燃剤と配合する場合においては、反応
性基を含むポリオレフィン系樹脂は、必ずしも軟質ポリ
オレフィン系樹脂で構成する必要はなく、高・中密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の結晶性の高い樹脂で構
成してもよく、特に密度0.91〜0.97g/cm3
のエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましく使用さ
れる。
【0032】上記反応性基の反応またはグラフト量は、
樹脂成分に対して0.01〜20重量%、好ましくは
0.1〜15重量%の範囲で用いられる。本発明の変性
に供される軟質ポリオレフィン系樹脂または反応性基を
含むポリオレフィン系樹脂とブレンドされる軟質ポリオ
レフィン系樹脂としては、前記ポリオレフィン系樹脂
(A1)の少なくとも1種から適宜選択される。
【0033】本発明の(ロ)成分の無機難燃剤として
は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化
ジルコニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、
ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ム、酸化スズの水和物、硼砂などの無機金属化合物の水
和物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウ
ム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化モリ
ブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモ
ン、赤リン等が挙げられる。これらは1種でも2種以上
を併用しても良い。この中でも特に、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハ
イドロタルサイトからなる群から選ばれた少なくとも1
種が難燃効果が良く、経済的にも有利である。また、三
酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛等と併用しても良い。また
これら難燃剤の粒径は種類によって異なるが、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム等においては平均粒径
20μm以下が好ましい。
【0034】上記難燃剤の量は(イ)成分のポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対して20〜200重量部、
好ましくは40〜150重量部の範囲である。該難燃剤
の量が20重量部未満では難燃効果が小さく、200重
量部を超えると機械的強度・伸び等が低下し、可撓性が
失われて脆くなり、かつ低温特性も悪化する。本発明に
おいては上記難燃剤の少なくとも1種を用い、必要によ
り有機難燃剤と併用してもよい。また無機充填剤と難燃
剤とを併用することにより、難燃剤の添加量を減少させ
ることもできるし、他の特性を付与させることもでき
る。
【0035】本発明で用いられる無機充填剤としては、
粉粒体、平板状、針状、球状または中空状および繊維状
等が挙げられ、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、
珪藻土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス粉、酸化鉄、
金属粉、三酸化アンチモン、グラファィト、炭化珪素、
窒化珪素、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、カ
ーボンブラックなどの粉粒状充填剤、雲母、ガラス板、
セリサイト、パイロフィライト、アルミフレークなどの
金属箔、黒鉛などの平板状もしくは鱗片状充填剤、シラ
スバルーン、軽石などの中空状充填剤、ガラス繊維、炭
素繊維、グラファィト繊維、ウィスカー、金属繊維、シ
リコーンカーバイト繊維、アスベスト、ウォラストナイ
トなどの鉱物繊維等の例を挙げることができる。これら
の無機充填剤の添加量は(イ)成分のポリオレフィン系
樹脂100重量部に対して、100重量部程度まで適用
される。上記添加量が100重量部を超えると成形品の
衝撃強度等の機械的強度が低下するので好ましくない。
【0036】本発明において、前記無機難燃剤もしくは
無機充填剤等を使用する場合、該難燃剤や充填剤の表面
をステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の脂肪酸
またはその金属塩、パラフィンワックス、ポリエチレン
ワックスまたはそれらの変性物、有機シラン、有機ボラ
ン、有機チタネート等で被覆するなどの表面処理を施す
のが好ましい。
【0037】本発明において、(イ)成分のポリオレフ
ィン系樹脂と(ロ)成分の無機難燃剤からなる組成物の
物性を損なわない範囲で傷付き白化防止剤を添加しても
よい。傷付き白化防止剤としては、鉱油、ワックス、
パラフィン類、高級脂肪酸およびそのエステル、アミ
ドもしくは金属塩、シリコーン、多価アルコールの
部分的脂肪酸エステルまたは脂肪酸アルコール、脂肪
酸、脂肪酸アミノ、脂肪酸アミド、アルキルフェノール
もしくはアルキルナフトールアルキレンオキサイド付加
物の少なくとも1種から選択される。
【0038】上記鉱油、ワックス、パラフィン類とし
ては、プロセスオイル等の鉱油;マイクロワックス、ポ
リエチレンワックス等のワックス類;流動パラフィン、
天然パラフィン等のパラフィン類が挙げられる。
【0039】上記高級脂肪酸およびそのエステル、ア
ミド、金属塩としては、エルカ酸、オレイン酸、ステア
リン酸、パルミチン酸、リノール酸、リノレン酸、ソル
ビタン脂肪酸、ジグリセリン脂肪酸、ペンタエリスリト
ール脂肪酸、ジペンタエリスリトール脂肪酸、ポリオキ
シエチレン脂肪酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸ブチ
ル、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリ
セリド、12−オキシステアリン酸、ポリオキシエチレ
ン(5)グリセリンモノステアレート、ポリオキシエチ
レン(20)グリセリンモノステアレート、ポリオキシ
エチレン(5)モノオ−レート等の高級脂肪酸エステル
類;エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸
アミド、エチレンヒドロキシステアラミド、メチレンビ
スステアロアミド、エチレンビスステアロアミド複合型
アミド等が挙げられる。また、高級脂肪酸の金属塩には
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸バリウム、ラウリル酸亜鉛等が挙げられ
る。
【0040】上記シリコーンとしては、シリコーンオ
イル、シリコーンオリゴマー、シリコーンゴム、シリコ
ンレジン等が挙げられるが、特に高級脂肪酸変性シリコ
ンオイルが最も好ましい。
【0041】上記多価アルコールの部分的脂肪酸エス
テルまたは脂肪酸アルコール、脂肪酸、脂肪酸アミノ、
脂肪酸アミド、アルキルフェノール、アルキルナフトー
ルのアルキレンオキサイド付加物としては、上記の脂肪
酸、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、
脂肪酸アミド等にエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド等の縮合物を付加したものである。上記アルキレ
ンオキサイドの炭素数は2〜4が適当である。またアル
キレンオキサイドの付加率は、エチレンオキサイドでは
1〜10モル位が適当である。これらは単独で、あるい
は混合して付加させても良い。またランダムブロックで
あってもよい。上記傷付き白化防止剤の中でも、オレイ
ン酸アミド、ステアリン酸アミド、高級脂肪酸アミドお
よび高級脂肪酸変性シリコンオイル等のシリコンが好ま
しく、特に高級脂肪酸アミドは安価であることから経済
的にも有利である。
【0042】本発明において、(イ)成分のポリオレフ
ィン系樹脂と(ロ)成分の無機難燃剤からなる組成物の
物性を損なわない範囲で、しかもその使用目的に応じ
て、有機フィラー、酸化防止剤、滑剤、有機あるいは無
機系顔料、紫外線防止剤、分散剤、銅害防止剤、中和
剤、可塑剤、核剤等を添加してもよい。
【0043】本発明においては、前記の基材上にアイオ
ノマー樹脂からなる表面材を設ける。本発明においてア
イオノマー樹脂とは、一般式RCH=CH2(ただし、
Rは水素または1〜8の炭素を持つアルキル基)であら
わされるαオレフィンの少なくとも1種と1〜2個のカ
ルボン酸基および2〜8炭化水素原子を有するα・β−
エチレン性不飽和カルボン酸の少なくとも1種との共重
合体であって、該αオレフィンの含量が50モル%以上
をしめ、さらに該カルボン酸基が陽イオンにより架橋さ
れているものをいう。αオレフィンが50モル%以下で
あると、耐摩耗性や耐熱性は多少高くなるものの、表面
材の強度および可撓性が低くなるので好ましくない。
【0044】α−オレフィンとしてはエチレン、プロピ
レン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙
げることができる。α,β−不飽和カルボン酸の具体的
な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不
飽和カルボン酸類が挙げられる。また、上記α,β−不
飽和カルボン酸の1部が品質保持のためエステル化され
ていてもよい。
【0045】架橋する陽イオンの具体的な例としてはリ
チウムイオン(Li+)、ナトリウムイオン(Na+)、
カリウムイオン(K+)、ルビジュウムイオン(R
+)、セシウムイオン(Cs+)、マグネシウムイオン
(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、ストロンチ
ュウムイオン(Sr2+)、バリウムイオン(Ba2+)、
亜鉛イオン(Zn2+)、銅イオン(Cu2+)、マンガン
イオン(Mn2+)、ニッケルイオン(Ni2+)、コバル
トイオン(Co2+)、鉄イオン(Fe2+、Fe3+)、ク
ロムイオン(Cr3+)、アルミニウムイオン(A
3+)、などがある。
【0046】上記アイオノマー樹脂の酸基に対する中和
度(イオン化度)は、熱成形性と中和度の調製のしやす
さおよび耐久性から酸基100に対して5〜90がよ
い。その具体例としては前述の通りエチレン−アクリル
酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレ
ン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、エチレン−メタク
リル酸−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−
メタクリル酸グリシジル−アクリル酸共重合体などの金
属塩が挙げられる。
【0047】本発明の表面材の形態は、フィルム、シー
トなどがあるが、いずれでもよい。また、アイオノマー
を溶剤に溶かし吹き付けを行ってもよい。ただし、いず
れの場合においても前記基材とはずれないように接合さ
れていなければならない。本発明の表面材のアイオノマ
ーは経済的であること、手に入り易いということ、取り
扱いが易いという理由からエチレンとアクリル酸または
メタクリル酸の共重合体であることが好ましく、その架
橋イオンはNa+ 、Zn2+であることが好ましい。
【0048】本発明の表面材の厚さ、量なども特に限定
されるものではなく、難燃性ポリオレフィン系樹脂組成
物からなる基材に対して耐汚染性、耐摩耗性および耐熱
性を付与するのに充分なものであり、かつシート全体で
基材の難燃性が保てる程度の厚さであればよく、さらに
望ましくは表面材を設けることによって基材の可撓性、
機械的特性、難燃性なども向上するようにデザインする
のがよい。耐汚染性とは人間、荷物、靴その他と表面材
が繰り返し接触しても汚れにくい様な充分な耐汚染性を
有しているということであり、耐摩耗性とは人間、荷
物、車、靴その他と難燃シートの表面材が繰り返し接触
しても傷が付いたり、損耗したり、難燃シート基材と表
面材とが剥離したりしないような充分な耐摩耗性を有し
ているということであり、耐熱性とは湯、タバコの火な
どと難燃シートの表面材が接触しても焦げたり、焼けた
り、膨れを生じたり、難燃シート基材と表面材とが剥離
したりしないという意味である。
【0049】これらの表面材を難燃性ポリオレフィン系
樹脂組成物からなる基材上に設ける方法としては、ラミ
ネート法、接着剤を用いて貼付する方法等を挙げること
ができるが、特に限定されるものではない。難燃性ポリ
オレフィン系樹脂組成物からなる基材の表面を機械的あ
るいは化学的に表面処理したり、接着剤を塗布したりし
て上記の表面材の接着性を向上させてもよい。
【0050】本発明においては、表面材の物性を損なわ
ない範囲で、しかもその使用目的に応じて、他のポリマ
ー、有機フィラー、酸化防止剤、滑剤、有機あるいは無
機系顔料、紫外線防止剤、分散剤、銅害防止剤、中和
剤、可塑剤、防菌剤、核剤等を添加してもよい。
【0051】本発明の難燃シートを製造するには、先ず
ポリオレフィン系樹脂、難燃剤、必要に応じて無機充填
剤、添加剤等を配合し、これらを通常のタンブラー等で
ドライブレンドして作ったり、あるいはバンバリーミキ
サー、加圧ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロール
等の通常の混練機で溶融混練して均一に分散したものを
公知の溶融プレス法、溶融押出法などによってシートを
製造した後、上記表面材を設けても、あるいはシートを
製造する際に同時に表面材を設けてもよい。難燃シート
の厚さ、巾、長さなどは特に限定されるものではない。
長尺ものを製造してから適宜切断してタイル状とした
り、長尺ものを適宜切断して電車やバス、飛行機、家屋
などの床や壁に合わせた所定の大きさにしても、あるい
は始めから特定の大きさのものを作ってもよい。本発明
の耐汚染性、耐摩耗性に優れた表面材を設けた難燃シー
トの裏面に基布、織物、接着層などを更に積層してもよ
く、また発泡体などを積層してクッション性などを付与
することもできる。
【0052】本発明においては以下の実施態様を包含す
る。 (1)前記軟質ポリオレフィンが超低密度ポリエチレ
ン、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−
α,β−不飽和カルボン酸もしくはそのエステル共重合
体およびその金属塩、オレフィン系ゴム、プロピレン−
エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテン−1ラ
ンダム共重合体からなる群から選択されてなる少なくと
も一種である難燃シート。 (2)無機系難燃剤が無機金属化合物の水和物である難
燃シート。 (3)前記無機金属化合物の水和物が水酸化マグネシウ
ムおよび/または水酸化アルミニウムである難燃シー
ト。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳しく述べる
が、本発明の要旨を逸脱しない限り、これらの実施例に
限定されるものではない。 [使用樹脂および材料] (イ)成分のポリオレフィン系樹脂:エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体(EEA)[EA含有量=10重量
%、MFR=0.75g/10分、商品名;日石レクス
ロンA1150 日本石油化学(株)製] エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)[VA含有量
=15%、MFR=1.0g/10分、商品名;日石レ
クスロンV260 日本石油化学(株)製] 変性ポリオレフィン[MFR=0.3g/10分、密度
=0.92g/cm3 、商品名;日石NポリマーL60
31 日本石油化学(株)製] (ロ)成分の無機難燃剤:水酸化マグネシウム[Mg
(OH)2 、商品名;キスマ5B 協和化学(株)製] 水酸化アルミニウム[Al(OH)3 、商品名;ハイジ
ライトH32 昭和軽金属(株)製] アイオノマー樹脂 アイオノマー[エチレン−メタクリル酸系共重合体Zn
中和物、商品名;ニュープレル 三井デュポンケミカル
(株)製]
【0054】[試料作成法] 1)基材物性試験試料 (イ)成分、(ロ)成分をそれぞれ所定量ドライブレン
ドし、50mmφ押し出し機で混練しペレット化した。
上記ペレットをプレスにより厚さ4mmの樹脂シート
(基材)とした。その後Tダイ法により1mmのシート
とした。 2)床材試験用試料 1)の4mm樹脂シート(基材)に、カレンダー法によ
り1mmの厚さとしたアイオノマーを熱融着した。
【0055】[試験法] (1)引張強度(UTS)および伸び(%) 厚さ1mmの基材物性試験用試料から3号ダンベルで打ち
抜いた試験片で、テンシロンを用いて引張速度200mm
/min.の速度で測定した。 (2)酸素指数(O.I) 厚さ1mmの基材物性試験用試料のO.IをJIS K7
201に準拠して行った。 (3)可撓性試験 成形した床材試験用試料を床材としての可撓性をもつか
どうか手で曲げ調べた。 (4)耐汚染性 成形した床材試験用試料を床に敷設し、敷設2週間後に
表面の汚染を目視により観察し、汚れの目立たないもの
を合格とした。 (5)耐摩耗性 成形した床材試験用試料をテーバー式摩耗試験機を用
い、摩耗輪H−22、荷重2kg、1000回転で試験
後、重量減少を測定した。試験結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】上記のように、本発明は(イ)ポリオレ
フィン系樹脂に水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウ
ム等の(ロ)無機難燃剤、あるいは更に必要に応じて各
種の添加剤を配合した難燃性ポリオレフィン系樹脂組成
物からなる基材上にアイオノマー樹脂からなる表面材を
設けた構成の耐汚染性、耐摩耗性および耐熱性に優れた
難燃シートを提供するものである。本発明の難燃シート
は高度の難燃性を有するとともに、燃焼時にハロゲンガ
スなどの有毒ガスの発生がなく、且つ安全性、可撓性、
機械的特性、耐薬品性、電気的特性などにも優れている
うえにアイオノマーの表面材を設けたことにより耐汚染
性、耐摩耗性および耐熱性を有した難燃シートとなるの
で自動車、電車やバス等の車両、船舶、航空機、一般家
屋、腐食ガス量を規定している原子力研究所をはじめと
した各種発電プラント、化学、鉄鋼、石油等のプラン
ト、また、繊維、電気、電子、建築、土木等の分野でな
どの高度な難燃性と耐摩耗性の両方がを要求される場所
での床材、壁材、カバー材などとして利用することがで
きる。また本発明の基材はアイオノマーを含有していて
もよいので、本発明の樹脂シートを回収して溶解し、再
び、基材を作ることも可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(イ)および(ロ)からなる基材の
    片面に、アイオノマー樹脂からなる表面材を設けたこと
    を特徴とする難燃シート。 (イ)ポリオレフィン系樹脂(A1)あるいはa1:カル
    ボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無水基含有モ
    ノマー、a2:エポキシ基含有モノマー、a3:ヒドロキ
    シル基含有モノマー、a4:アミノ基含有モノマー、a
    5:アルケニル環状イミノエーテル誘導体、a6:多官能
    モノマー、a7:不飽和有機チタネート化合物、a8:不
    飽和有機シラン化合物から選ばれた少なくとも1種の反
    応性化合物を含むポリオレフィン系樹脂(A2)または
    その樹脂組成物100重量部と、 (ロ)無機難燃剤20〜200重量部
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