JP3922240B2 - ノンハロゲン難燃性電線及びノンハロゲン難燃性ケーブル - Google Patents
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Description
本発明でスチレン系エラストマとしては、SBS(PS(ポリスチレン)−ポリブタジエン−PS)、SIS(PS−ポリイソプレン−PS)、SEBS(PS−ポリエチレン/ブチレン−PS)、SEPS(PS−ポリエチレン/プロピレン−PS)、SBR、水素添加SBR、SEEPS(PS−ポリエチレン/エチレンプロピレン−PS)、スチレン−エチレン共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体およびこれらの完全水素添加物、部分水素添加物などが挙げられる。
本発明でポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン1共重合体、エチレン−ブテン−ヘキセン三元共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−オクテン共重合体(EOR)、ポリプロピレン(PP)、エチレン共重合ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)、ポリ・4・メチル−ペンテン−1、水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(H−SBR)、エチレンと炭素数が4〜20のαオレフィンとの共重合体、エチレン−スチレン共重合体、ブテン−1を主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体などが挙げられ、これらの単独または2種以上をブレンドした材料が挙げられる。ポリオレフィンとしては特に、ポリプロピレンが望ましい。ポリプロピレンとしては、エチレン成分を全く含まないホモポリプロピレンと、エチレンとのランダム共重合体であるランダムポリプロピレン、またはこれらのブロック共重合体であるブロックポリプロピレンが挙げられる。耐熱性が高く可とう性も有するブロックポリプロピレンが最も好適である。
スチレン系エラストマ(A)とポリオレフィン(B)のブレンド比率(A)/(B)は100/0〜10/90が好ましく、さらに50/50〜15/85の場合、樹脂組成物の強度をさらに向上させることができるため、最も好適である。
本発明でマレイン酸もしくはその誘導体で変性されたスチレン系エラストマまたはポリオレフィンとは、重合時または重合後のポリマーにマレイン酸もしくはその誘導体を反応させ、共重合あるいはグラフト変性させたものである。このポリオレフィンおよびスチレン成分を含むエラストマとしては前述したスチレン系エラストマおよびポリオレフィンと同じものを用いることができるが、特にスチレン系エラストマとしてはSEBS、SEEPS、SEPSが好適である。マレイン酸変性に供するポリオレフィンとしては、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン−ブテン・1共重合体、LLDPE、EEA、EVAが好適である。マレイン酸の誘導体としてはマレイン酸の金属塩、アミド、エステル、無水物等があり、中でも無水マレイン酸が最も好ましい。
金属水酸化物としては水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、ハイドロタルサイト、カルシウムアルミネート水和物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ハードクレー等を挙げることができ、これらの単独または2種以上をブレンドして用いることができる。難燃化効果の高い水酸化マグネシウムが最も好適である。
本発明で金属水酸化物の表面処理に用いられるカチオンポリマーは、カチオン性基を有する水溶性ポリマーのうち、無機充填剤や無機顔料の分散剤・表面処理剤として使用できるものであれば特に制限なく使用可能である。好ましくは、例えばジアリルアミン塩基、アルキルジアリルアミン塩基など第二級アミン塩基を有する合成ポリマーである。
金属水酸化物は、カチオンポリマーで表面処理された金属水酸化物と脂肪酸または脂肪酸誘導体またはカップリング剤で表面処理された金属水酸化物を混合して使用することができる。脂肪酸としてはラウリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸などの飽和脂肪酸やオレイン酸、エルカ酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。脂肪酸誘導体としては前記飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の金属塩が挙げられ、特にステアリン酸ナトリウムが好適である。カップリング剤としてはシランカップリング剤やチタネートカップリング剤などが挙げられ、特にビニルシラン、アミノシラン、メタクリルシランが好適である。
この電線は、7本の導体1を撚り合わせて、その外側に絶縁体2を設けたものである。
このような電線を以下の要領で作成した。
EEA(エチルアクリレート含量15%、メルトインデックス0.8g/10min)またはエチレンブテン共重合体(比重0.893、メルトインデックス1.2g/10min)100質量部に対し無水マレイン酸(日本油脂製クリスタルMAN)1.0質量部、ジクミルパーオキサイド0.15質量部をドライブレンドし、240℃に予熱した73mm二軸混練機(神戸製鋼製KTX73)で混練した。得られた変性樹脂を厚さ約100μmにプレス成形した後真空乾燥し、そのフィルムをFT−IR測定した。1786cm-1に現れる無水マレイン酸中のカルボニル基の吸収から次式に従い吸光度Dを求めた。
一方、無水マレイン酸の四塩化炭素溶液を用いて無水マレイン酸濃度対吸光度Dの検量線を作製することにより変性樹脂の無水マレイン酸グラフト量を算出した。その結果、EEA、エチレンブテン共重合体の無水マレイン酸グラフト量はそれぞれ0.8wt%、0.5wt%であることがわかった。無水マレイン酸変性量が既知のSEBS変性物(グラフト変性量2.0wt%)も併せて検討に用いた。
各種樹脂組成物は160℃に予熱した73mm二軸混練機(神戸製鋼製KTX73)で混練、ペレット化し、電線被覆用材料とした。
電線は以下の要領で作製した。0.5SQの銅撚り線圧縮導体に表1に示す樹脂組成物を65mm押出機を用いて被覆厚0.35mmで押出し、電線を作製した(図2)。芯線加熱温度は80℃に設定し、240m/minの速度で製造した。
図5及び図6に示すアルミ製プーリーを2500rpmで回転させ、張力50Nで張った電線を2.5Nの押付け力で2秒間プーリーに押付け、電線表面を高速回転するプーリーで削った。電線がプーリーによって削られた面積を計測し、耐外傷性を評価した。プーリーによる削れの面積が1.0mm2未満を◎、1.0mm2以上3.0mm2未満を○、3.0mm2以上を×と判定し、3.0mm2未満のもの(◎および○)を合格とした。
作製した電線120mmから導体を除去したチューブ形状で、引張速度200mm/min引張試験を行い、破断時の伸び、引張強さを測定した。各配合につき5点行い、その平均を表1に示した。伸びが100%以上、引張強さ10MPa以上のものを合格とした。伸びは100%以上200%未満のものを○、200%以上のものを◎、100%未満を×とし、引張強さは10MPa以上20MPa未満のものを○、20MPa以上のものを◎、10MPa未満のものを×とした。
2 絶縁体
3 絶縁体内層
4 シース
5 介在層
6 押え巻き
7 シールド層
8 対撚り線
Claims (5)
- 金属導体の外周に形成される被覆層が、スチレン系エラストマ100質量部又はスチレン系エラストマとポリオレフィンの混合樹脂100質量部に対して、カチオンポリマーで表面処理された金属水酸化物を含む金属水酸化物を30〜300質量部混和した樹脂組成物からなることを特徴とするノンハロゲン難燃性電線。
- 前記スチレン系エラストマもしくはポリオレフィンのいずれかまたは両方が、マレイン酸もしくはその誘導体で変性され、スチレン系エラストマ中のマイレン酸濃度又はスチレン系エラストマとポリオレフィン混合樹脂中のマレイン酸濃度が0.05〜1.80質量%であることを特徴とする請求項1記載のノンハロゲン難燃性電線。
- 前記スチレン系エラストマに混和される金属水酸化物又はスチレン系エラストマとポリオレフィンの混合樹脂に混和される金属水酸化物が、前記カチオンポリマーで表面処理された金属水酸化物と、脂肪酸または脂肪酸誘導体またはカップリング剤で表面処理された金属水酸化物の混合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のノンハロゲン難燃性電線。
- 前記混合樹脂のうち、スチレン系エラストマの比率が15〜50質量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のノンハロゲン難燃性電線。
- 撚合わせ又は束ねられた複数の絶縁電線の外周に設けられたシースが、スチレン系エラストマ100質量部又はスチレン系エラストマとポリオレフィンの混合樹脂100質量部に対して、少なくともカチオンポリマーで表面処理された金属水酸化物を含む金属水酸化物を30〜300質量部混和した樹脂組成物からなることを特徴とするノンハロゲン難燃性ケーブル。
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