JPH05177297A - 鋳型および鋳造方法 - Google Patents

鋳型および鋳造方法

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JPH05177297A JP173192A JP173192A JPH05177297A JP H05177297 A JPH05177297 A JP H05177297A JP 173192 A JP173192 A JP 173192A JP 173192 A JP173192 A JP 173192A JP H05177297 A JPH05177297 A JP H05177297A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細な凹凸のパターンを有する鋳型と、この
鋳型を用い、表面に微細な凹凸のパターンを有する鋳造
物を製造する鋳造方法とを提供する。 【構成】 基板1にフォトレジストを塗布し(c)、鋳物
に形成しようとする凹凸パターンに対応するパターンの
マスク4を重ねて露光する(d)。そののち、現像して前
記パターンに対応してフォトレジスト3を除去する。そ
して、エッチング液5に浸してエッチングを行ない
(e)、表面に微細な凹凸パターンを有する鋳型6を得る
(f)。鋳造は、この鋳型6を利用して行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳型およびこの鋳型を
使用した鋳造方法に関し、特に、微細なパターンを鋳造
物表面に形成することのできる鋳型と、この鋳型を用い
た鋳造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳造に使用される鋳型は、木や
蝋、金属などの材料を切削して作成された原型を砂・粘
土や金属などで包み込み(必要に応じて焼き固めたりし
て形状を維持し)、そののちこの原型を取り出すことに
よって作成されていた。また、1回限り使用する鋳型に
ついては原型を用いないこともあり、その場合は、鋳物
(鋳造物)に現れる凹凸を逆にしたものをブロック状の
部材に切削で形成することによって、鋳型が作成されて
いた。いずれの場合も、鋳物に現れる凹凸に対応する鋳
型の凹凸は切削などの機械加工で形成されるため、鋳物
の表面に数μm程度の微細な凹凸を形成することは難し
い作業となる。金貨を製造する場合には、偽造防止のた
めにある程度の手間とコストをかけることができるの
で、一般には作成困難な微細な凹凸を鋳型の表面に機械
的な方法で形成している。
【0003】ところで、金属の鋳造の場合、出来上りの
鋳造物に微細な凹凸を設けることは、上述の金貨の場合
などのような特別の場合を除いて、一般には行なわれて
いない。その理由として、微細な凹凸を金属製の鋳型に
形成しても、鋳込まれる金属と鋳型とが合金を作ってし
まい、うまく鋳型から取り出せないことがまず挙げられ
る。合金になるのは鋳物−鋳型界面のμm程度の深さま
でなので、凹凸がある程度以上大きければ、合金になっ
たとしてもむりやり分離することが可能であったが、μ
m程度の微細な凹凸を形成しようとする場合には大きな
問題となる。さらには、鋳型の微細な凹凸の隙間に金属
が鋳込まれにくいことが挙げられる。原因としては、微
細な凹凸の隙間に鋳物材料が入ると表面積が大きくな
り、熱伝導によって急速に冷却されて微細な凹凸の入り
口で流動性がなくなり、凹凸の深部まで鋳物材料が鋳込
まれないためであると考えられている。
【0004】一方、クレジットカードなどには偽造防止
を目的として表面にホログラムが形成されているが、こ
のホログラムは半導体製造技術を利用して高分子フィル
ムに数μm程度の凹凸を設けることによって作成されて
いる。また、同様の凹凸は、プラスチック性の光ディス
クにも設けられている。この場合、このような凹凸は、
鋳造というより熱プレスに近い条件で形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
鋳型は、切削などの機械加工で形成されるため、鋳造物
の表面に微細なパターンを設けるのには適しないという
問題点がある。さらに、鋳型に微細なパターンを設けた
としても、合金形成や湯流れの悪さのために、鋳造物に
その微細パターンを転写することが困難であるという問
題点がある。
【0006】本発明の目的は、微細な凹凸のパターンを
有する鋳型と、この鋳型を用い、表面に微細な凹凸のパ
ターンを有する鋳造物を製造する鋳造方法とを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の鋳型は、金属、
金属化合物、シリコンあるいはシリコン化合物からなる
鋳型部材と、前記鋳型部材の表面にフォトレジストを塗
布し、前記フォトレジストを所定のパターンに露光させ
て現像し、そののち前記フォトレジストをエッチングマ
スクとして前記鋳型部材のエッチングを行なうことによ
り作成された鋳型パターンとを有する。
【0008】本発明の鋳造方法は、本発明の鋳型を利用
し、鋳型部材より低融点である鋳造用の材料を流動状態
として前記鋳型に流し込み、そののち前記鋳造用の材料
を固化させる。
【0009】
【作用】本発明の鋳型は、鋳型部材に半導体製造プロセ
スによって鋳型パターンを設けるので、微細な凹凸を表
面に設けることができる。また本発明の鋳造方法は、本
発明の鋳型を使用するので、微細な凹凸パターンを有す
る鋳造物を鋳造することができる。
【0010】上述したように、微細な凹凸を有する鋳型
を用いて金属材料を鋳造した場合、鋳型と溶融している
金属材料とが合金を形成し型離れが難しくなるが、ここ
で、鋳型部材の表面を酸化物や窒化物からなる中間層で
被覆することにより、鋳込まれる金属との合金の形成が
行なわれ難くなる。この場合、鋳型表面の酸化物や窒化
物は、鋳型パターンの形成後に、鋳型部材の酸化処理あ
るいは窒化処理を行なうことによって形成すればよい。
【0011】従来、鋳型の原材料として耐熱性が高くか
つ安価な硅砂が用いられてきたが、本発明の鋳型を構成
する材料としては、金属、金属化合物、シリコンあるい
はシリコン化合物が使用される。本発明では、半導体製
造プロセスが使用されるので、これらのものの中でも、
表面に二酸化硅素を形成したシリコン基板、石英あるい
はアルミナなどを用いることが好ましい。この他、通常
の金属は当然に使用することができ、また、ゲルマニウ
ム、ガリウム砒素、ニオブ酸リチウムなども用いること
ができる。シリコンなどの基板に銅などをイオン注入し
たり、あるいはヒ素などのガスをドーピングしたりし
て、耐熱性や熱膨張率を調節することが好ましい。
【0012】また、鋳造時に微細な凹凸の中に溶融した
鋳造用の材料が流れ込みやすくするため、鋳型側に、鋳
型パターンに沿って対をなして露出した微細な電極を設
けておき、鋳造時にこの対をなす電極間に電圧を印加す
るようにしてもよい。このようにすることにより電極に
接触した部位の鋳造用の材料が通電により発熱し、この
ため微細な凹凸部分に鋳造用の材料が流れ込むときの急
速な冷却が阻害され、良好に微細な凹凸に鋳造用の材料
が流れ込むようになる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0014】まず、本実施例における鋳型の製造方法に
ついて、図1(a)〜(f)を用いて説明する。
【0015】鋳型原料の形状としては、製造しようとす
る鋳物の形状・大きさに合わせて、立方体状のブロック
でもウェハー状でも構わない(以下、鋳型になるまでの
原料を基板1と呼ぶ)。ここでは、図1(a)に示すよう
に、基板1は平板状のものであるとする。本発明におい
て、微細な凹凸は上記基板1全体に及んでもよいし、部
分的に従来の機械加工と併用しても構わない。鋳造時に
鋳造用の材料を鋳込むためにまず全体を数ミリ程度削る
必要があるが、それには機械加工を用いてもよいしエッ
チングを用いてもよい。その結果、鋳型部材である基板
1の中央部に凹部2が形成される(図1(b))。
【0016】次に、基板1を十分洗浄して汚れを除去し
た後、全面にフォトレジスト3を塗布する(図1
(c))。続いて、鋳造面となる部位のフォトレジスト3
の表面に、鋳造物に形成しようとする凹凸パターンに対
応するパターンを有するマスク4を重ね、露光する(図
1(d))。そして、基板1ごと現像液(不図示)に浸漬
することによって現像を行ない、不要部分のフォトレジ
スト3を剥離する。その結果、マスク4のパターンすな
わち鋳造物に形成しようとする凹凸パターンに応じてフ
ォトレジスト3が除去されたことになる。
【0017】次に、フォトレジスト3で保護されていな
い基板1の部分のみをエッチングして、基板1に凹凸パ
ターンを形成する。エッチングは、図1(e)に示すよう
にエッチング液5に浸すウェットタイプものでもよい
し、プラズマを使うドライタイプでもよい。プラズマを
用いるエッチングの場合、異方性エッチングとすること
ができるので、基板1の側面などに設けるフォトレジス
トを省略することが可能となる。いずれにせよ、μm程
度の深さの凹凸からなる鋳型パターンが基板1の表面に
形成されて、鋳型6が完成したことになる(図1
(f))。
【0018】シリコンやゲルマニウムなどの金属と合金
を作りやすい材料からなる基板1を用いた場合には、そ
の表面を酸化させたり、窒化させたりして合金を作りに
くくする。これら酸化あるいは窒化の工程は、半導体製
造の分野において周知のものである。鋳造時に合金を形
成するのは、表面からせいぜい数μm程度の深さまでな
ので、酸化や窒化処理の対象深さはおよそ数μm程度で
よい。なお、石英(二酸化ケイ素)や窒化ケイ素など、
もともと合金を形成しにくい化合物からなる基板1を用
いたときは、この酸化あるいは窒化処理の過程は省略し
てもよい。
【0019】また、鋳造時に鋳造用の材料が微細な凹凸
に流れ込みやすくするため、図2に示すように、鋳型6
の鋳造面に形成されている凹凸パターンに沿って、互い
に対をなす電極7,8を設けてもよい。これら電極7,8
は、凹凸パターンにおける凹部の両側の側壁部に、それ
ぞれ蒸着などによって形成される。凹部の最底部には電
極が設けられないようにすることにより、各電極7,8
は、鋳込まれていないときには、相互に導通しないよう
になっている。
【0020】次に、この鋳型6を用いた鋳造方法につい
て、図3(a),(b)を用いて説明する。
【0021】上述のようにして得た鋳型6に、鋳造用の
材料10を流動状態で流し込み、鋳造を行なう(図3
(a))。鋳造用の材料としては、金属が一般的である
が、その他、金属化合物やプラスチックなどを用いるこ
とができる。鋳造用の材料10の条件として、鋳型6の
原材料より融点が低く、鋳型6と合金を形成しにくいこ
とが挙げられる。このような組合せとして、鋳型6に用
いる材料として二酸化ケイ素(融点1883℃)と、鋳
造用の材料10として金(融点1063℃)がある。流
動状態とする方法としては加熱・溶解によるのが一般的
であるが、プラスチックの場合には溶剤を加えて溶解・
軟化させてもよい。また、熱硬化性プラスチックの場合
であれば、低温での流動状態のまま流し込むことにな
る。なお、微細な凹凸の隅々まで鋳造用の材料10を流
し込むため、鋳込みを真空中で行なうことが望ましい。
【0022】鋳造用の材料10を鋳込んだのちこれを室
温までゆっくり冷却する。その結果、金属の場合であれ
ば固化して鋳物9ができる。また熱可塑性プラスチック
の場合も、加熱融解したときであれば冷却すればよく、
溶剤で溶解・軟化させたときであれば溶剤を発散させれ
ばよい。逆に熱硬化性プラスチックの場合には低温で鋳
込んで加熱して硬化させることになる。いずれの場合に
も、鋳造用の材料10の体積変化率(加熱融解の場合に
は熱膨張率)が鋳型6と大きく異なると、うまく鋳物9
が形成できないのは従来と同様である。よって、予め鋳
型6の表面にイオンやガスを注入・吸着させて体積膨張
率のマッチングをとることが好ましい。詳述しないが、
鋳型・鋳物・注入吸着の各材料ごとに組み合わせが無数
にある。
【0023】出来上がった鋳物9を鋳型6から取り出す
ときには、鋳型6と鋳物9を強い力で引き離すか、鋳型
6を破壊するか、バックエッチングによって鋳型6を取
り除くかの方法があり、一般的にはこれらの方法を組み
合わせて鋳物9が取り出される(図3(b))。おおまか
な部分は力で剥離あるいは鋳型6を強打して破壊し、微
細な凹凸の隙間に残った鋳型6の断片を、鋳型6を構成
する材料とだけと選択的に反応する物質で除去するのが
好ましい。
【0024】図2に示したように凹凸パターンに沿って
電極7,8を設けた鋳型6を使用する場合、導電性の材
料を鋳込むときに電極7,8間に電圧を印加する。導電
性の材料としては金属が一般的であるが、ある種のプラ
スチックも加熱溶融させたときに導電性を帯びるように
なるから、このようなプラスチックも使用することがで
きる。金属を鋳造する場合、金属が鋳込まれる前には電
極7,8間には電流は流れず、絶縁されている。この隙
間に金属が流れ込むと、電極7,8を介して金属に電流
が流れ、金属の電気抵抗が大きい場合には発熱する。金
属の電気抵抗が小さい場合には、電極7,8と金属との
界面で発熱する。いずれにしても金属が加熱され、凹凸
パターンの入り口で金属が冷却されることが防がれ、微
細な凹凸パターンの奥にまで金属を鋳込むことができる
ようになる。
【0025】次に、本実施例について実際に行なった結
果を説明する。
【0026】実施例1 直径3.5インチ(88.9mm)、厚さ5mmのシリコンウ
ェハー(融点1414℃)を用意し、この表面にダイア
モンドバイトによる切削によって、直径3インチ(7
6.2mm)、深さ3mmの円形の凹部を形成した。表面を
フッ化水素酸で処理した後、基板を1100℃に加熱し
常圧下で水蒸気によって表面を酸化し、表面の100n
mの厚さまでを二酸化ケイ素とした。これにフォトレジ
スト剤のAZ1370(ヘキスト社製)をスピンナーで
全面塗布した。10μmピッチのラインとスペースから
なるマスクを重ね合わせて紫外線に露光し、現像液MF
−312(ヘキスト社製)で現像した。次いで、プラズ
マにより深さ平均10μmまでエッチングし、鋳型を完
成させた。
【0027】加工面が上を向くように、水平な台の上に
この鋳型を置き、純度99.9%の金を1070℃まで
加熱して溶融状態としたものを流し込んだ。凹部の3mm
の高さまで金を流し込み、金が十分冷却するまで静置し
た。シリコンウェハーをハンマーで強打したところ、シ
リコンウェハーは脆いので砕けたが、鋳造された金の塊
はそのまま残った。そののち、金の表面の微細な凹凸に
付着していたシリコンをフッ化水素酸:硝酸:酢酸=
1:4:6の混合液でエッチングして除去した。なお、
金はこの組成のエッチング液には不溶であることはよく
知られている。エッチング液を水洗除去後、120℃で
乾燥して、鋳物を得た。
【0028】実施例2 幅5cm、長さ5cm、厚さ5mmの直方体形状の石英基板
に、フォトレジスト剤としてRD2000N(日立化成
社製)をスピンナーで塗布した。5cm×5cmの面に一辺
3cmの正方形マスクを用いて露光し、専用現像液で現像
した。フッ化水素酸と40%フッ化アンモニウム水溶液
の混合液を用いて、この石英基板を2mmの深さまでエッ
チングして凹部を形成した。再度、上記のフォトレジス
ト剤を塗布し、実施例1で用いたマスクを重ね合わせて
露光し、そののち現像し、深さ10μmまでエッチング
して凹凸を形成し、鋳型を得た。同様の方法で鋳型をも
う1つ作成した。
【0029】次に、加工面が相互に向かい合うようにし
てこの2個の鋳型を万力で両側から押え、予め開けてお
いた湯口から溶融した銀(融点962℃)を流し込み、
冷却するまで静置した。冷却後、鋳型を万力から取り出
し、2つの鋳型を左右に開くと鋳物が取り出せた。表面
に付着する石英の残渣をフッ化水素酸と40%フッ化ア
ンモニウム水溶液の混合液でエッチングして、銀の鋳物
(両面に微細な凹凸を有する銀貨状)を得た。
【0030】実施例3 アルミナ(融点2015℃)を鋳型の材料として使用
し、このアルミナ基板の全面に、二酸化ケイ素をCVD
法で厚さ100nmで堆積させ、その上にフォトレジス
トを塗布した。続いて、このフォトレジストの上に、1
辺が10μmの正方形からなる格子縞模様のマスクを重
ねて露光し、現像し、そののちエッチングを行なって、
二酸化ケイ素の表面に格子縞模様を形成した。次に、格
子縞模様の形成された二酸化ケイ素の全面にクロムを蒸
着し、再びフォトレジストを塗布し、今度は格子縞の各
辺に相当する形状のマスクを用いて露光し、現像、エッ
チングを行なって、クロムからなる電極を形成した。こ
の電極は、格子縞の各辺に沿って設けられ、格子縞の対
向する2辺に設けられた電極間で電圧を印加できるよう
になっている。
【0031】次に、対向する電極間に100Vの電圧を
印加しながら、チタン(融点1675℃)を溶融して流
し込んだ。一般には、チタンのような高融点金属は、微
細な凹凸の間に入るとすぐに固化してしまうが、本実施
例では、電極間に電圧を印加しているので、格子縞から
なる微細な凹凸間に溶融したチタンが入り込むとその途
端に電極を介してチタンに電流が流れ、凹凸部に接して
いる部分のチタンが発熱することになり、微細な凹凸の
奥にまでチタンが入り込んでいることが確認された。
【0032】実施例4 実施例2で作成した鋳型に、硬質ポリ塩化ビニル樹脂
(安定剤入り)を160℃で140Kg/cm2の圧力で流し
込み、冷却後、取り出した。鋳型との体積変化率の違い
により鋳型とプラスチックとは容易に剥離した。
【0033】実施例5 実施例1で作成した鋳型に、ポリスチロール樹脂を酢酸
エチルに溶解したものを流し込み、50℃に保ってゆっ
くりと酢酸エチルを蒸発させ、鋳物を得た。
【0034】実施例6 実施例3で作成した鋳型を使用し、電極間に電圧を印加
しながら、実施例4の硬質塩化ビニルを160℃で大気
圧で流し込んだところ微細な凹凸間にまでプラスチック
が入り込んだ。実施例3の金属に比べて、プラスチック
は電気抵抗が大きく、凹凸間に入ったプラスチック自体
が発熱しているものと思われる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の鋳型は、鋳
型部材に半導体製造プロセスによって鋳型パターンを設
けることにより、微細な凹凸を表面に設けることができ
るので、この鋳型を用いて鋳造を行なった場合、微細な
凹凸パターンを鋳造物表面に設けることができ、金貨な
どの場合であれば偽造防止に役立つという効果がある。
また、鋳型部材の表面に、鋳型用の材料とは反応しない
中間層を設けた場合には、鋳型と鋳型用の材料とが合金
を作ることことが抑えられ、離型性が向上するという効
果がある。さらに、鋳型パターンに沿って対をなして露
出した微細な電極を設けた場合には、鋳込み時にこの電
極間に電圧を印加しておくことにより、導電性の鋳造用
の材料が通電・発熱し、鋳造用の材料の急速な冷却が防
がれて、凹凸の奥にまで鋳造用の材料が流れ込むという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)はそれぞれ本発明の一実施例の鋳型の
製造方法を説明する図である。
【図2】本発明の別の実施例の鋳型の構成を示す模式断
面図である。
【図3】(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施例の鋳造方
法を説明する図である。
【符号の説明】
1 基板 2 凹部 3 フォトレジスト 4 マスク 5 エッチング液 6 鋳型 7,8 電極 9 鋳物 10 鋳造用の材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 33/42 8927−4F C23F 1/00 102 8414−4K

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属、金属化合物、シリコンあるいはシ
    リコン化合物からなる鋳型部材と、 前記鋳型部材の表面にフォトレジストを塗布し、前記フ
    ォトレジストを所定のパターンに露光させて現像し、そ
    ののち前記フォトレジストをエッチングマスクとして前
    記鋳型部材のエッチングを行なうことにより作成された
    鋳型パターンとを有することを特徴とする鋳型。
  2. 【請求項2】 鋳型部材の表面が鋳造用の材料とは反応
    しない材料からなる中間層で被覆され、前記中間層は前
    記鋳型部材を構成する元素の化合物である請求項1記載
    の鋳型。
  3. 【請求項3】 中間層が、鋳型パターンの形成後に前記
    鋳型部材の表面を酸化あるいは窒化処理して形成された
    ものである請求項2記載の鋳型。
  4. 【請求項4】 対をなして露出した微細な電極が鋳型パ
    ターンに沿って設けられている請求項1ないし3いずれ
    か1項記載の鋳型。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3いずれか1項記載の鋳
    型を利用し、鋳型部材より低融点である鋳造用の材料を
    流動状態として前記鋳型に流し込み、そののち前記鋳造
    用の材料を固化させる鋳造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の鋳型を使用し、対をなす
    電極間に電圧を印加しながら、導電性を有しかつ鋳型部
    材より低融点である溶融した鋳造用の材料を前記鋳型に
    流し込み、そののち前記鋳造用の材料を冷却させて固化
    させる鋳造方法。
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