JPH0517202B2

JPH0517202B2 -

Info

Publication number: JPH0517202B2
Application number: JP3089084A
Authority: JP
Inventors: Yoshiharu Tsuji; Makoto Uzuka; Keisuke Nakajima
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1984-02-21
Filing date: 1984-02-21
Publication date: 1993-03-08
Also published as: JPS60174705A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はビタミンD₃またはその誘導体を含有
することを特徴とする白髪予防、治療剤に関す
る。活性型ビタミンD₃は1971年にDeLucaらおよび
Kodicekらによりほぼ同時に発見され、医薬品と
してビタミンＤ代謝異常に伴う諸症状（低カリウ
ム血症、テタニー、骨痛、骨病変等）の改善に使
用されている。しかし、これらは全て内服として
の医薬品であつて、外用としての使用例は全くな
かつた。本発明者らは上記の事情にかんがみ、鋭意研究
の結果、ビタミンD₃またはビタミンD₃誘導体を
頭皮に外用すると、頭皮毛根の毛球部に存在する
メラニン産生細胞であるメラノサイトを活性化
し、もつて白髪予防、治療効果があることを見出
して本発明を完成するに至つた。すなわち、本発明は、ビタミンD₃およびその
誘導体からなる群より選ばれた一種又は二種以上
を含有することを特徴とする白髪予防、治療剤で
ある。以下、本発明の構成について詳述する。本発明に用いられるビタミンD₃としてはコレ
カルシフエロール、ビタミンD₃誘導体として25
−ヒドロキシコレカルシフエロール、1α−ヒド
ロキシコレカルシフエロール、1α−25−ジヒド
ロキシコレカルシフエロール、５，６−trans−
25−ヒドロキシコレカルシフエロール、ジヒドロ
タキステロールなどが挙げられる。これらビタミンD₃およびビタミンD₃誘導体は
全て白色の結晶で無臭である。また、これらはエ
タノール、クロロホルムなどの有機溶媒に溶けや
すく、脂肪油にやや溶けやすく、水にほとんど溶
けない。本発明の白髪予防、治療剤には、ビタミンD₃
およびその誘導体から一種または二種以上が任意
に選ばれて用いられる。配合量は本発明の白髪予防、治療剤中0.001〜
５重量％が好ましい。本発明の白髪予防、治療剤の剤型はクリーム、
ローシヨン、乳液、軟膏など外用できる剤型のも
のであればいずれでも良い。本発明の白髪予防、治療剤の調製は、例えば基
剤に直接有効成分であるビタミンD₃またはビタ
ミンD₃誘導体を配合せしめて、適当な剤型とす
る。また、ビタミンD₃およびその誘導体に加え
て他の薬剤成分として、たとえば、ビタミンＡ、
ビタミンB₆、ビタミンＥ、パントテン酸などの
ビタミン類、メチオニン、システイン、シスチ
ン、チロシンなどのアミノ酸類、サリチル酸、ヒ
ノキチオール、レゾルシン、トリクロロカルバニ
リドなどの殺菌剤、エチニルエストラジオール、
プロゲステロンなどのホルモン類などを配合して
もよい。さらに、本発明の効果を損わない範囲
で、所望により、たとえば、塩化カルプロニウ
ム、スウエルチノーゲン、グリチルリチン酸など
の成分を配合することができる。本発明の白髪予防、治療剤は非常に優れた白髪
の予防、治療効果を有する。次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。本発明はこれにより限定されるものではな
い。配合量は重量％である。実施例１ 95％エタノール 80.0 ビタミンＥアセテート 0.1 ヒノキチオール 0.01 1α−25−ジヒドロキシコレカルシフエロール
0.001 硬化ヒマシ油E.O.40モル付加物 0.5 精製水 19.0 香料、色素適量（製造法） 95％エタノールに1α、25−ジヒドロキシコレ
カルシフエロール、ビタミンＥアセテート、ヒノ
キチオール、硬化ヒマシ油E.O.40モル付加物、香
料および色素を加えて、撹拌溶解し、ついで精製
水を加えて透明液状の白髪予防、治療剤を得た。実施例２（Ａ相）鯨ロウ 0.5 セタノール 2.0 ワセリン 5.0 スクワラン 10.0 ポリオキシエチレン（10モル）モノステアレート
2.0 ソルビタンモノオレエート 1.0 1α−ヒドロキシコレカルフエロール 0.05 1α−25−ジヒドロキシコレカルシフエロール 0.05 （Ｂ相）グリセリン 10.0 精製水 69.4 香料、色素、防腐剤適量（製造法） (A)相および(B)相をそれぞれ加熱して溶解し、80
℃に保つ。両相を混合乳化し、撹拌しながら常温
まで冷却して乳液タイプの白髪予防、治療剤を得
た。実施例３（Ａ相）ワセリン 10.0 流動パラフイン 25.0 密ロウ 3.0 固型パラフイン 4.0 オリーブ油 5.0 ステアリン酸 2.0 ポリオキシエチレン（20モル）セチルエーテル
2.0 ソルビタンモノステアレート 1.0 25−ヒドロキシコレカルシフエロール 0.05 （Ｂ相）ポリエチレングリコール1500 2.0 トリエタノールアミン 1.0 精製水 45.0 香料、色素、防腐剤適量（製造法） (A)相を加熱溶解して70℃に保つ。別に(B)相を加
熱溶解して70℃に保つ。(A)相に(B)相を加えて撹拌
し、得られたエマルジヨンを冷却してクリーム状
の白髪予防、治療剤を得た。実施例４ 95％エタノール 60.0 ５，６−trans−25−ヒドロキシコレカルシフエ
ロール 1.0 硬化ヒマシ油40モル付加物 2.0 精製水 37.0 （製造法） 95％エタノール中に５、６−trans−25−ヒド
ロキシコレカルシフエロールおよび硬化ヒマシ油
E.O.40モル付加物を加えて撹拌溶解し、ついで精
製水を加えて透明液状の白髪予防、治療剤を得
た。実施例５（Ａ相）流動パラフイン 5.0 セトステアリルアルコール 5.5 ワセリン 5.5 グリセリンモノステアレート 3.0 ポリオキシエチレン（20モル）２−オクチルドデ
シルエーテル 3.0 ビタミンＥアセテート 0.1 プロピルパラベン 0.3 （Ｂ相）コレカルシフエロール 5.0 グリセリン 7.0 ジプロピレングリコール 20.0 ポリエチレングリコール4000 5.0 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.005 精製水 40.595 （製造法） (A)相を加熱溶解して70℃に保つ。別に(B)相を加
熱溶解して70℃に保つ。(A)相中に(B)相を加えて撹
拌し、得られたエマルジヨンを冷却して軟膏状の
白髪予防、治療剤を得た。実施例６ジヒドロタキステロール 0.01 95％エタノール 60.0 精製水 37.0 硬化ヒマシ油E.O.40モル付加物 2.0 （製造法） 95％エタノールにジヒドロタキステロールおよ
び硬化ヒマシ油E.O.40モル付加物を加えて撹拌溶
解し、ついで精製水を加えてローシヨンタイプの
白髪予防、治療剤を得た。本発明の白髪予防、治療剤は頭皮に直接適用す
ることにより、白髪を予防し、かつ白髪を黒髪化
する優れた効果を有する。実施例１、２、５を試料として用い、試料使用
前後の頭髪の状態を写真撮影して比較して、白髪
予防、治療効果を評価した。被試験者は１試料の各々ごとに35〜60才の男女
10名とし、本品２ｇを１日２回頭皮に塗擦し、３
カ月間継続使用した。塗擦部位の状態を試料使用
前と後とで、写真撮影して比較し、白髪予防、治
療効果を評価した。なお、判定規準はいずれの場
合も下記のような基準に従つて行つた。著しい効果かなりの効果＋やや効果あり ± 効果なし −

【表】比較例１、２、５はそれぞれ実施例１、２、５
からビタミンD₃およびビタミンD₃誘導体を除い
た（イオン交換水またはエタノールで置換）基剤
のみのものである。表１に示すように、実施例１、２、５のいずれ
の場合も白髪の増加をきたさず、優れた白髪予
防、治療効果を示した。また、皮膚に対する本発明品の安全性について
の実験も行つたが、皮膚刺激性、アレルギー性は
全く認められず、皮膚に対する安全性は極めて高
いものであつた。その一例として人体パツチテス
トの結果を示す。試料として実施例１、２を用いた。被試験者に
は１試料につき成人女子45名を１群として用い、
24時間人体前腕クローズドパツチテストを行つ
た。判定規準は次記の基準に従つた。強紅斑紅斑＋微かな紅斑 ± 陰性 −

【表】以上のように本発明の白髪予防、治療剤は優れ
た効果を有し、しかも皮膚刺激性、アレルギー性
は認められないという結果を得た。

Claims

【特許請求の範囲】

１ビタミンD₃およびその誘導体からなる群よ
り選ばれた一種又は二種以上を含有することを特
徴とする白髪予防、治療剤。