JPH05171349A - プレス成形性、焼き付け硬化性および表面性状に優れた冷延鋼板 - Google Patents
プレス成形性、焼き付け硬化性および表面性状に優れた冷延鋼板Info
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- JPH05171349A JPH05171349A JP33902491A JP33902491A JPH05171349A JP H05171349 A JPH05171349 A JP H05171349A JP 33902491 A JP33902491 A JP 33902491A JP 33902491 A JP33902491 A JP 33902491A JP H05171349 A JPH05171349 A JP H05171349A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 C,Mn,P,S,Al,Nを特定した低炭
素冷延鋼板の結晶粒、固溶炭素量を特定の範囲とするこ
とによって極めて良好なプレス成形性、4kgf/mm2 以上
の焼き付け硬化性および良好な表面性状を持たせた冷延
鋼板とすることができる。 【構成】 重量比にてC:0.010〜0.038%、
Si:0.04%以下、Mn:0.05〜0.25%、
P:0.035%以下、S:0.003〜0.020
%、Al:0.010〜0.10%、N:0.0060
%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物を含
有し、平均結晶粒径が20〜45μmの整粒組織を有
し、かつ固溶炭素を2.5〜8.0ppm の範囲内で含有
することを特徴とするプレス成形性、焼き付け硬化性お
よび表面性状に優れた冷延鋼板。
素冷延鋼板の結晶粒、固溶炭素量を特定の範囲とするこ
とによって極めて良好なプレス成形性、4kgf/mm2 以上
の焼き付け硬化性および良好な表面性状を持たせた冷延
鋼板とすることができる。 【構成】 重量比にてC:0.010〜0.038%、
Si:0.04%以下、Mn:0.05〜0.25%、
P:0.035%以下、S:0.003〜0.020
%、Al:0.010〜0.10%、N:0.0060
%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物を含
有し、平均結晶粒径が20〜45μmの整粒組織を有
し、かつ固溶炭素を2.5〜8.0ppm の範囲内で含有
することを特徴とするプレス成形性、焼き付け硬化性お
よび表面性状に優れた冷延鋼板。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焼き付け硬化性に優れた
冷延鋼板に係わり、さらに詳しくは冷間圧延後の焼鈍後
に加工性に富み、プレス加工後の塗装焼き付け処理を行
った後では、降伏点が上昇して硬くなる特性を著しく向
上せしめたプレス加工用冷延鋼板に係わるものである。
冷延鋼板に係わり、さらに詳しくは冷間圧延後の焼鈍後
に加工性に富み、プレス加工後の塗装焼き付け処理を行
った後では、降伏点が上昇して硬くなる特性を著しく向
上せしめたプレス加工用冷延鋼板に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の外板、部品等に使用さ
れる冷延鋼板は深絞り性や張り出し性が高いことが要求
されてきた。そのため、これらの部品には鋼中の炭素含
有量が充分に低減し、さらに固溶炭素を固定する元素を
添加したTi添加極低炭素鋼や、Nb添加極低炭素鋼等
が素材として使用されることが多い。
れる冷延鋼板は深絞り性や張り出し性が高いことが要求
されてきた。そのため、これらの部品には鋼中の炭素含
有量が充分に低減し、さらに固溶炭素を固定する元素を
添加したTi添加極低炭素鋼や、Nb添加極低炭素鋼等
が素材として使用されることが多い。
【0003】一方、近年の省エネルギーの要求から従来
よりも板厚の薄い鋼板を部品として使用し、完成品の重
量の低減がはかられるようになってきた。この場合、板
厚の減少に伴う強度低下を何らかの方法で補償する必要
が生じる。その方法としてプレス成形後の塗装乾燥ライ
ン(一般に170℃〜200℃)を通すことにより生ず
る降伏点の上昇(以下BHと称する)を利用して、完成
品の降伏強度を高める方法が考えられてきた。これは、
鋼板中に固溶するC,Nと鋼中に転位との相互作用に起
因する歪時効硬化性を利用するものであるが、近年はB
H性は概ね4kgf/mm2 以上の大幅な上昇が必要となる。
よりも板厚の薄い鋼板を部品として使用し、完成品の重
量の低減がはかられるようになってきた。この場合、板
厚の減少に伴う強度低下を何らかの方法で補償する必要
が生じる。その方法としてプレス成形後の塗装乾燥ライ
ン(一般に170℃〜200℃)を通すことにより生ず
る降伏点の上昇(以下BHと称する)を利用して、完成
品の降伏強度を高める方法が考えられてきた。これは、
鋼板中に固溶するC,Nと鋼中に転位との相互作用に起
因する歪時効硬化性を利用するものであるが、近年はB
H性は概ね4kgf/mm2 以上の大幅な上昇が必要となる。
【0004】これまでにもこのようなBH性のある鋼板
が検討され、たとえば前述のTi添加極低炭素鋼やNb
添加極低炭素鋼等においては特開平2−197549号
公報、特開昭63−247338号公報に開示されるよ
うに鋼中のC,TiあるいはNb量を特定の範囲とし特
定の条件で焼鈍することでBH性のある鋼板が製造でき
る。
が検討され、たとえば前述のTi添加極低炭素鋼やNb
添加極低炭素鋼等においては特開平2−197549号
公報、特開昭63−247338号公報に開示されるよ
うに鋼中のC,TiあるいはNb量を特定の範囲とし特
定の条件で焼鈍することでBH性のある鋼板が製造でき
る。
【0005】しかし、この極低炭素鋼をベースにしたB
H鋼板は炭化物形成元素であるTiやNb等のわずかな
違い、あるいは焼鈍温度のわずかな変動等により固溶C
量が変化しやすく各ロット間、あるいは一つのコイル間
で安定したBH量を出すことが難しいという問題があ
る。また、総炭素量が少ないためBH量そのものはあま
り高いものは得られず、特開平2−197549号公報
に開示されているように3kgf/mm2 程度であるのが現状
である。さらに、これらの極低炭素鋼は製鋼における脱
炭コストおよびTi,Nb等の添加コストが高いという
問題がある。
H鋼板は炭化物形成元素であるTiやNb等のわずかな
違い、あるいは焼鈍温度のわずかな変動等により固溶C
量が変化しやすく各ロット間、あるいは一つのコイル間
で安定したBH量を出すことが難しいという問題があ
る。また、総炭素量が少ないためBH量そのものはあま
り高いものは得られず、特開平2−197549号公報
に開示されているように3kgf/mm2 程度であるのが現状
である。さらに、これらの極低炭素鋼は製鋼における脱
炭コストおよびTi,Nb等の添加コストが高いという
問題がある。
【0006】また、製鋼におけるコストを低減し、かつ
良好な加工性を得る鋼板の製造方法として、特開平2−
93025号公報に開示されるように、低炭素アルミキ
ルド鋼や連続焼鈍で製造する方法があるが、この方法で
は必ずしも充分なBH量が得られない場合や結晶粒粗大
化に伴い表面性状の劣化を起こす場合がある。このよう
な事情から製鋼段階でのコストアップを招く特別な成分
調整を必要とせず、かつ高いBH量が得られプレス成形
性および表面性状の良好な鋼板が待ち望まれていた。
良好な加工性を得る鋼板の製造方法として、特開平2−
93025号公報に開示されるように、低炭素アルミキ
ルド鋼や連続焼鈍で製造する方法があるが、この方法で
は必ずしも充分なBH量が得られない場合や結晶粒粗大
化に伴い表面性状の劣化を起こす場合がある。このよう
な事情から製鋼段階でのコストアップを招く特別な成分
調整を必要とせず、かつ高いBH量が得られプレス成形
性および表面性状の良好な鋼板が待ち望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好なプレ
ス成形性と同時に高い焼き付け硬化性および良好な表面
性状を有し、かつ常温時効による加工性の劣化が少ない
プレス加工用冷延鋼板を提供するものである。
ス成形性と同時に高い焼き付け硬化性および良好な表面
性状を有し、かつ常温時効による加工性の劣化が少ない
プレス加工用冷延鋼板を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは溶鋼の成分
組成、鋼板の結晶粒および固溶Cについて種々の検討を
重ねた結果、プレス成形性および表面性状に優れ、かつ
焼き付け塗装処理により高い強度を持つ冷延鋼板を容易
にかつ経済的に供給できることを見出した。
組成、鋼板の結晶粒および固溶Cについて種々の検討を
重ねた結果、プレス成形性および表面性状に優れ、かつ
焼き付け塗装処理により高い強度を持つ冷延鋼板を容易
にかつ経済的に供給できることを見出した。
【0009】その要旨は、重量比にてC:0.010〜
0.038%、Si:0.04%以下、Mn:0.05
〜0.25%、P:0.035%以下、S:0.003
〜0.020%、Al:0.010〜0.10%、N:
0.0060%以下を含有し、残部がFeおよび不可避
的不純物を含有し、平均結晶粒径が20〜45μmの整
粒組織を有し、かつ固溶炭素を2.5〜8.0ppm の範
囲内で含有することを特徴とするプレス成形性、焼き付
け硬化性および表面性状に優れた冷延鋼板である。本発
明は、特殊な合金を必要としない極めて合理的なもので
ある。
0.038%、Si:0.04%以下、Mn:0.05
〜0.25%、P:0.035%以下、S:0.003
〜0.020%、Al:0.010〜0.10%、N:
0.0060%以下を含有し、残部がFeおよび不可避
的不純物を含有し、平均結晶粒径が20〜45μmの整
粒組織を有し、かつ固溶炭素を2.5〜8.0ppm の範
囲内で含有することを特徴とするプレス成形性、焼き付
け硬化性および表面性状に優れた冷延鋼板である。本発
明は、特殊な合金を必要としない極めて合理的なもので
ある。
【0010】ところで前述したようにBH性とは鋼中に
固溶したC,Nを利用するものであるが、このうち固溶
Nが残存すると冷延鋼板の時効特性が著しく劣化するた
め、本発明では鋼中のNはAlによって固定され、固溶
CによりBH性を確保する成分設計としている。
固溶したC,Nを利用するものであるが、このうち固溶
Nが残存すると冷延鋼板の時効特性が著しく劣化するた
め、本発明では鋼中のNはAlによって固定され、固溶
CによりBH性を確保する成分設計としている。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。C
含有量は多いほど鋼中のセメンタイト量が増大するため
延性は劣化する。したがって、C量は少ない方がプレス
加工性は良くなる。しかし、C<0.010%の範囲で
は脱炭のコストが高くなること、および鋼中のセメンタ
イト量の制御が難しく適正な固溶Cが得られないという
問題がある。また、C量が0.038%を超えると製品
の延性および深絞り性が著しく劣化する。したがって加
工性、BH性の両面から考えてC量を0.010%〜
0.038%に限定した。
含有量は多いほど鋼中のセメンタイト量が増大するため
延性は劣化する。したがって、C量は少ない方がプレス
加工性は良くなる。しかし、C<0.010%の範囲で
は脱炭のコストが高くなること、および鋼中のセメンタ
イト量の制御が難しく適正な固溶Cが得られないという
問題がある。また、C量が0.038%を超えると製品
の延性および深絞り性が著しく劣化する。したがって加
工性、BH性の両面から考えてC量を0.010%〜
0.038%に限定した。
【0012】Siは微量では問題は無いが、含有量が多
くなると加工性を低下させる。したがって0.04%以
下でなければならない。
くなると加工性を低下させる。したがって0.04%以
下でなければならない。
【0013】Mnは熱間脆性を防止するために必要な成
分であるが、0.05%未満ではFeSが生成しその効
果が無い。また、0.25%を超えると深絞り性が劣化
する。したがってMn量を0.05〜0.25%に限定
した。
分であるが、0.05%未満ではFeSが生成しその効
果が無い。また、0.25%を超えると深絞り性が劣化
する。したがってMn量を0.05〜0.25%に限定
した。
【0014】Pは0.035%より多いと延性を低下さ
せる。したがってP量を0.035%以下に限定した。
せる。したがってP量を0.035%以下に限定した。
【0015】Sは0.003%未満ではMnSの生成量
が少なく、熱延板の結晶粒が粗粒化しやすく肌荒れの原
因となる。また0.02%を超えると熱間脆性の原因と
なる。したがってS量を0.003〜0.020%に限
定した。
が少なく、熱延板の結晶粒が粗粒化しやすく肌荒れの原
因となる。また0.02%を超えると熱間脆性の原因と
なる。したがってS量を0.003〜0.020%に限
定した。
【0016】Alは鋼中の酸素、窒素量をコントロール
するのに必要な元素であり、熱延板の巻取後にNをAl
Nとして析出させるためには最低0.010%は必要で
ある。しかし、0.10%を超えると加工性を劣化させ
る。したがって、0.010〜0.10%に限定した。
特に、析出するAlNのサイズを冷延鋼板の肌荒れが起
きない程度に粗大化させ、加工性を向上させるためには
0.030〜0.080%の範囲が望ましい。
するのに必要な元素であり、熱延板の巻取後にNをAl
Nとして析出させるためには最低0.010%は必要で
ある。しかし、0.10%を超えると加工性を劣化させ
る。したがって、0.010〜0.10%に限定した。
特に、析出するAlNのサイズを冷延鋼板の肌荒れが起
きない程度に粗大化させ、加工性を向上させるためには
0.030〜0.080%の範囲が望ましい。
【0017】また、析出したAlNが多いと加工性を劣
化させるためその量は少ない方が良く、そのためにN量
は0.0060%以下でなければならない。
化させるためその量は少ない方が良く、そのためにN量
は0.0060%以下でなければならない。
【0018】鋼板中の固溶炭素量は多い方が焼き付け硬
化性は高くなるが、常温での時効による材質劣化が大き
くなる。本発明範囲内の化学成分であれば、固溶炭素量
は8.0ppm 以下であれば常温での時効による材質劣化
は問題にならなくなる。しかし、固溶炭素量が2.5pp
m よりも少なくなると焼き付け硬化性が小さくなる。し
たがって、固溶炭素量は2.5〜8.0ppm の範囲でな
ければならない。
化性は高くなるが、常温での時効による材質劣化が大き
くなる。本発明範囲内の化学成分であれば、固溶炭素量
は8.0ppm 以下であれば常温での時効による材質劣化
は問題にならなくなる。しかし、固溶炭素量が2.5pp
m よりも少なくなると焼き付け硬化性が小さくなる。し
たがって、固溶炭素量は2.5〜8.0ppm の範囲でな
ければならない。
【0019】図1は、表1に示す化学組成の鋼を熱延、
冷延後連続焼鈍した場合に、過時効時間を変えることに
より、固溶炭素量を変えた場合の常温で6ケ月経過後の
降伏点伸び量(%)および焼き付け硬化量におよぼす固
溶炭素量の影響を示したものである。図1より明らかな
ように固溶量が2.5〜8.0ppm の範囲であれば、時
効劣化が少なくかつ高い焼き付け硬化量を得ることがで
きる。
冷延後連続焼鈍した場合に、過時効時間を変えることに
より、固溶炭素量を変えた場合の常温で6ケ月経過後の
降伏点伸び量(%)および焼き付け硬化量におよぼす固
溶炭素量の影響を示したものである。図1より明らかな
ように固溶量が2.5〜8.0ppm の範囲であれば、時
効劣化が少なくかつ高い焼き付け硬化量を得ることがで
きる。
【0020】
【表1】 鋼板の結晶粒はプレス成形時における肌荒れを防止する
ために、整粒でかつ平均粒径は45μm以下でなければ
ならない。また、平均粒径が20μm未満ではr平均値
および延性が低下するためプレス成形性が低下する。し
たがって、鋼板の結晶粒は整粒組織を有し平均結晶粒径
が20〜45μmの範囲でなければならない。
ために、整粒でかつ平均粒径は45μm以下でなければ
ならない。また、平均粒径が20μm未満ではr平均値
および延性が低下するためプレス成形性が低下する。し
たがって、鋼板の結晶粒は整粒組織を有し平均結晶粒径
が20〜45μmの範囲でなければならない。
【0021】図2は表1の組成の鋼を焼鈍時間を変える
ことにより、平均結晶粒径を変えた場合のr平均値と表
面性状におよぼす結晶粒径の影響を示したものである。
図2より明らかなように、平均結晶粒径が20〜45μ
mで良好なプレス成形性と表面性状が得られることがわ
かる。
ことにより、平均結晶粒径を変えた場合のr平均値と表
面性状におよぼす結晶粒径の影響を示したものである。
図2より明らかなように、平均結晶粒径が20〜45μ
mで良好なプレス成形性と表面性状が得られることがわ
かる。
【0022】なお、上記調査において組成を本発明の範
囲内で変更した場合でも良好なプレス成形性、焼き付け
硬化性および表面性状が得られることがわかった。以上
のように、本発明は組成、結晶粒径および固溶炭素量を
特定の範囲内にすることで冷延鋼板のプレス成形性、焼
き付け硬化性および表面性状を優れたものとすることが
できる。
囲内で変更した場合でも良好なプレス成形性、焼き付け
硬化性および表面性状が得られることがわかった。以上
のように、本発明は組成、結晶粒径および固溶炭素量を
特定の範囲内にすることで冷延鋼板のプレス成形性、焼
き付け硬化性および表面性状を優れたものとすることが
できる。
【0023】
【実施例】表2に示すような組成の鋼を熱延し、715
℃で巻き取った後、80%の冷延および連続焼鈍を行っ
た。連続焼鈍では試料A〜Sは再結晶焼鈍温度を780
℃とし、過時効を320℃の等温過時効とした。焼鈍後
は1.0%のスキンパス圧延を行った。
℃で巻き取った後、80%の冷延および連続焼鈍を行っ
た。連続焼鈍では試料A〜Sは再結晶焼鈍温度を780
℃とし、過時効を320℃の等温過時効とした。焼鈍後
は1.0%のスキンパス圧延を行った。
【0024】
【表2】 試料A〜Kは組成、結晶粒径および固溶炭素のいずれも
本発明範囲内であり、試料L〜Sは組成が本発明範囲か
ら外れている。また、T,U,Vは組成は本発明範囲で
あるが、特開平2−93025号公報で開示されている
過時効条件を含む連続焼鈍によって焼鈍したものであ
る。すなわち、TおよびUは連続焼鈍における再結晶焼
鈍を、それぞれ830℃で90秒保定および770℃で
36秒保定を行ったものである。いずれもその後300
℃まで100℃/sで冷却し、340℃に再加熱し、2
90℃まで3min で過時効を行い1.2%のスキンパス
圧延を行った。
本発明範囲内であり、試料L〜Sは組成が本発明範囲か
ら外れている。また、T,U,Vは組成は本発明範囲で
あるが、特開平2−93025号公報で開示されている
過時効条件を含む連続焼鈍によって焼鈍したものであ
る。すなわち、TおよびUは連続焼鈍における再結晶焼
鈍を、それぞれ830℃で90秒保定および770℃で
36秒保定を行ったものである。いずれもその後300
℃まで100℃/sで冷却し、340℃に再加熱し、2
90℃まで3min で過時効を行い1.2%のスキンパス
圧延を行った。
【0025】試料TおよびUは結晶粒径が本発明範囲か
ら外れている。Vは780℃で45秒再結晶焼鈍を行っ
た後、300℃まで100℃/sで冷却し、350℃に
再加熱し、280℃まで5min で過時効を行い1.2%
のスキンパス圧延を行った。試料Wは冷延鋼板の固溶炭
素量が本発明範囲から外れている。これらの試料の材質
測定結果を表3に示す。
ら外れている。Vは780℃で45秒再結晶焼鈍を行っ
た後、300℃まで100℃/sで冷却し、350℃に
再加熱し、280℃まで5min で過時効を行い1.2%
のスキンパス圧延を行った。試料Wは冷延鋼板の固溶炭
素量が本発明範囲から外れている。これらの試料の材質
測定結果を表3に示す。
【0026】
【表3】 表2および表3よりわかるように良好なプレス成形性、
焼き付け硬化性および表面性状を得るためには、本発明
範囲内の化学成分、結晶粒径および固溶炭素量が必要で
あることが明白である。
焼き付け硬化性および表面性状を得るためには、本発明
範囲内の化学成分、結晶粒径および固溶炭素量が必要で
あることが明白である。
【0027】なお、結晶粒径はこの例では焼鈍温度およ
び焼鈍時間により変化させているが、成分、鋳片の加熱
温度、熱延後の巻き取り温度、冷延率、焼鈍時の加熱速
度、冷却速度等によっても変えることができる。また、
固溶炭素量は主として総炭素量および焼鈍条件により変
化するが、焼鈍方法は特に制限されるものでは無く、こ
の実施例のように連続焼鈍法でも良くこれ以外に例えば
箱焼鈍法でも良い。
び焼鈍時間により変化させているが、成分、鋳片の加熱
温度、熱延後の巻き取り温度、冷延率、焼鈍時の加熱速
度、冷却速度等によっても変えることができる。また、
固溶炭素量は主として総炭素量および焼鈍条件により変
化するが、焼鈍方法は特に制限されるものでは無く、こ
の実施例のように連続焼鈍法でも良くこれ以外に例えば
箱焼鈍法でも良い。
【0028】
【発明の効果】鋼の組成、結晶粒度および固溶炭素量を
特定の範囲内とした本発明の冷延鋼板は、優れたプレス
成形性、焼き付け硬化性および表面性状を有する。
特定の範囲内とした本発明の冷延鋼板は、優れたプレス
成形性、焼き付け硬化性および表面性状を有する。
【図1】常温時効後の降伏点伸びおよび焼き付け硬化性
におよぼす固溶炭素の影響を示す図表である。
におよぼす固溶炭素の影響を示す図表である。
【図2】表面性状およびr平均値におよぼす結晶粒径の
影響を示す図表である。
影響を示す図表である。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量比にて C :0.010〜0.038%、 Si:0.04%以下、 Mn:0.05〜0.25%、 P :0.035%以下、 S :0.003〜0.020%、 Al:0.010〜0.10%、 N :0.0060%以下、 残部がFeおよび不可避的不純物を含有し、平均結晶粒
径が20〜45μmの整粒組織を有し、かつ固溶炭素を
2.5〜8.0ppm の範囲内で含有することを特徴とす
るプレス成形性、焼き付け硬化性および表面性状に優れ
た冷延鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33902491A JPH05171349A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | プレス成形性、焼き付け硬化性および表面性状に優れた冷延鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33902491A JPH05171349A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | プレス成形性、焼き付け硬化性および表面性状に優れた冷延鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05171349A true JPH05171349A (ja) | 1993-07-09 |
Family
ID=18323554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33902491A Pending JPH05171349A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | プレス成形性、焼き付け硬化性および表面性状に優れた冷延鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05171349A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6267119A (ja) * | 1985-09-19 | 1987-03-26 | Kawasaki Steel Corp | フランジ加工性の良好な焼付硬化性を有するdi缶用鋼板の製造方法 |
JPH01188626A (ja) * | 1988-01-21 | 1989-07-27 | Nippon Steel Corp | 焼付硬化性およびプレス成形性に優れた冷延鋼板の製造方法 |
JPH02125817A (ja) * | 1988-12-28 | 1990-05-14 | Nkk Corp | TSレベルが35〜45kg/mm↑2の高強度冷延鋼板の連続焼鈍による製造方法 |
JPH032329A (ja) * | 1989-05-30 | 1991-01-08 | Nippon Steel Corp | 連続焼鈍による非時効・高焼付硬化・プレス加工用高強度冷延鋼板の製造方法 |
-
1991
- 1991-12-20 JP JP33902491A patent/JPH05171349A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6267119A (ja) * | 1985-09-19 | 1987-03-26 | Kawasaki Steel Corp | フランジ加工性の良好な焼付硬化性を有するdi缶用鋼板の製造方法 |
JPH01188626A (ja) * | 1988-01-21 | 1989-07-27 | Nippon Steel Corp | 焼付硬化性およびプレス成形性に優れた冷延鋼板の製造方法 |
JPH02125817A (ja) * | 1988-12-28 | 1990-05-14 | Nkk Corp | TSレベルが35〜45kg/mm↑2の高強度冷延鋼板の連続焼鈍による製造方法 |
JPH032329A (ja) * | 1989-05-30 | 1991-01-08 | Nippon Steel Corp | 連続焼鈍による非時効・高焼付硬化・プレス加工用高強度冷延鋼板の製造方法 |
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