JPH05171264A - 耐火・耐候性に優れた複層型溶接鋼管の製造方法 - Google Patents

耐火・耐候性に優れた複層型溶接鋼管の製造方法

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JPH05171264A
JPH05171264A JP33531291A JP33531291A JPH05171264A JP H05171264 A JPH05171264 A JP H05171264A JP 33531291 A JP33531291 A JP 33531291A JP 33531291 A JP33531291 A JP 33531291A JP H05171264 A JPH05171264 A JP H05171264A
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JP
Japan
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steel tube
welded steel
steel
welded
refractoriness
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JP33531291A
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English (en)
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Masaaki Obata
正秋 小畠
Naoki Konno
直樹 今野
Motofumi Koyumiba
基文 小弓場
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、建材分野で要求される、耐火・耐
候性に優れた複層型溶接鋼管の製造方法に関するもので
ある。 【構成】 本発明は、2種の成分からなる複層鋼材にお
いて、外層部を耐火・耐候性に優れた成分とし、内層部
を外層部よりも添加合金元素の少ない耐火性に優れた成
分とし、さらに溶接鋼管製造時の冷間加工を組み合わせ
ることにより、鋼全体の添加元素を必要以上に高めるこ
となく、耐火・耐候性に優れた溶接鋼管を提供すること
にある。本発明は鋼全体の成分を必要以上に高めること
なく、耐火・耐震性に優れた溶接鋼管を提供するもので
あり、産業上極めて大きな効果が期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材分野で要求される
耐火・耐候性に優れた複層型溶接鋼管の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】建設省の総合技術開発プロジェクトの1
つとして、昭和62年「新耐火設計法」が発表された。
従来の建築基準法では、不特定多数の人が利用する建築
物及び市街地の建築物について、火災時の構造物の安全
性確保のため、鋼材の温度が350℃以下とされてお
り、このため、厳重な耐火被覆が義務づけられていた。
【0003】しかしこの「新耐火設計法」により、想定
された火災に対し、構造物の安全性が保証されれば、鋼
材の温度規定が外される。従って、耐火特性に優れた鋼
材の使用により、耐火被覆の低減あるいは省略が可能と
なる。
【0004】これによる施工コスト削減、工期短縮のメ
リットから、近年耐火鋼材の需要が高まっている。さら
に鋼材の美観性の観点からも耐火鋼材の使用による耐火
被覆省略を望むユーザーは多い。一方、耐火被覆の省略
が可能となれば、鋼材が剥き出しのまま使用される機会
が増加する。このため、鋼材の耐候性も併せて要求され
始めている。
【0005】従来、厚板等においては、耐火性と耐候性
を併せ持つ鋼材は開発済みである。この場合には、Mo
等の析出強化型元素の添加により耐火性を確保し、さら
に耐候性確保のため、Ni,Cr,Cuを添加してい
る。従って、種々の合金を添加しなければならず、鋼材
の溶接性、靭性等の劣化が問題となる。また一般材に対
する製造コストアップが大きく、収益性の観点から得策
とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
解消し、耐火・耐候性に優れた複層型溶接鋼管の製造方
法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、外層成分が、C:0.01〜0.5wt%、Mn:
0.1〜3.0wt%、Ni:0.05〜2.0wt%、C
r:0.1〜2.0wt%、Cu:0.1〜2.0wt%、
Mo:0.05〜2.0wt%を基本成分とし、Nb:
0.01〜0.10wt%、V:0.01〜0.10wt%
の1種または2種を含有した低合金鋼とし、内層成分材
をC:0.01〜0.5wt%、Mn:0.1〜3.0wt
%、Mo:0.05〜2.0wt%を基本成分とし、N
b:0.01〜0.10wt%、V:0.01〜0.10
wt%の1種または2種を含有した低合金鋼からなるスラ
ブとし、該複層スラブを熱間圧延し溶接鋼管用素材を製
造し、該溶接鋼管用素材を用いて円形に成形後、溶接し
て溶接鋼管とし、次いで管全体に0.1〜10%の冷間
歪を付与することを特徴とする、耐火・耐候性に優れた
複層型溶接鋼管の製造方法である。
【0008】複層スラブの製造方法としては周知の連続
鋳造法、造塊法などの鋳造方法によればよく、例えば、
特開昭63−108947号公報に記載されている連続
鋳造方法によって複層鋼材としてもよく、その手段は特
にこだわるものではない。◎複層スラブとは、図1に示
すように、外層部1と内層部2の成分が異なるスラブ3
である。本発明では、外層部1を耐火・耐候性に優れた
成分、内層部2を耐火性に優れた成分とすることで、鋼
全体の成分を必要以上に増加させることなく、効果的に
耐火・耐候性を付与することが可能となる。この時の外
層部の厚みtは、最終製品の厚みによって適宜設定する
ことができるが、一般的には、全厚みwの5%〜20%
程度が適当である。
【0009】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明は、外層成分材を耐火・耐候性に優れた低合金鋼と
し、内層成分材を耐火性に優れた低合金鋼とした複層ス
ラブを熱間圧延して溶接鋼管用素材を製造し、該溶接鋼
管用素材を用いて円形に成形後、溶接して溶接鋼管と
し、次いで管全体に0.1〜10%の冷間歪を付与する
ことにより、鋼全体の成分を必要以上に増加させること
なく、耐火・耐候性に優れた複層型溶接鋼管を提供する
ものである。
【0010】次に、本発明における鋼の成分の限定理由
について説明する。外層材の成分は、必要強度の確保及
び耐火・耐候性を付与するものである。◎Cは強度を得
るのに必要な元素で、C量が0.01wt%未満では十分
な強度が得られない。一方、C量が0.5wt%を超える
と靭性、耐候性の劣化をもたらす。
【0011】Mnも強度を得るのに必要な元素で、Mn
量の下限0.1wt%より低い量では強化能力が小さい。
一方、Mn量が3.0wt%を超えると中心偏析部が硬化
し、耐候性や靭性を劣化させる。
【0012】さらにNi,Cr,Cuは耐候性向上に有
効な元素である。Niの下限を0.05wt%としたの
は、これ以下では大気中での腐食の抑制に対し、効果が
無くなるためである。一方上限を2.0wt%としたの
は、これ以上添加しても腐食抑制に効果がないためであ
る。Cr,CuについてもNiと同様の理由で下限を
0.1wt%、上限を2.0wt%とした。
【0013】さらにMoは耐火性向上に非常に有効であ
る。これは高温時にMo2 Cとして微細析出し、高温強
度を著しく増加させるためである。Moの下限を0.0
5wt%とするのは、これ以下では耐火特性向上に寄与し
ないためであり、2.0wt%を超えて添加しても効果が
ないため、上限を2.0wt%とする。さらに常温強度及
び耐火特性向上の目的で、NbまたはVの1種または2
種を添加することが有効である。
【0014】Nbは熱間圧延時のオーステナイト粒の微
細化に効果的であり、その後の変態により生成するフェ
ライト粒の微細化をもたらし、常温強度の上昇に有効で
ある。さらに高温時にMoとの複合炭窒化物の微細析出
により、耐火特性向上に有効である。このようなNb添
加効果を得るためには、0.01wt%以上の添加が必要
である。また0.10wt%を超えて添加しても、効果は
変わらないため、上限は0.10wt%とした。
【0015】Vはフェライト変態後に一部炭窒化物とし
て析出し、フェライト粒の粗大化を抑制する効果と析出
物による析出強化により、常温強度の上昇に有効であ
る。さらに高温引張時にMo2 Cの析出を促進する効果
があり、耐火特性向上に有効である。V量の下限0.0
1wt%より低い量では効果がなく、一方V量が0.10
wt%を超えても効果は変わらないため、下限を0.01
wt%、上限は0.10wt%とした。
【0016】Bの添加は本発明の必須の条件ではない
が、この元素の添加は強度の上昇に寄与するので、選択
的に添加することは本発明の主旨に反しない。また脱酸
を目的としたAl,Siの添加や、非金属介在物の形態
制御を目的としたCa,Zrの添加は、本発明の主旨に
反するものではない。
【0017】内層材の成分は、必要強度の確保及び耐火
性を付与するものである。Cは強度を得るのに必要な元
素で、C量が0.01wt%未満では十分な強度が得られ
ない。一方、C量が0.5wt%を超えると靭性の劣化を
もたらす。
【0018】Mnも強度を得るのに必要な元素で、Mn
量の下限0.1wt%より低い量では強化能力が小さく、
Mn量が3.0wt%を超えると中心偏析部が硬化し、靭
性を劣化させる。
【0019】さらに耐火性向上元素としてMoを添加し
ているが、これは先述のように高温時にMo2 Cとして
微細析出し、高温強度を著しく増加させるためである。
Mo量の上下限値の限定理由は、外層成分材の場合と同
様である。
【0020】さらに常温強度上昇及び耐火特性向上の目
的でNbまたはVの1種または2種を添加することが有
効である。この理由及びNb量、V量の上下限値の規定
理由は、外層成分材の場合と同様である。
【0021】Cu,Ni,Cr,Bの添加は本発明の必
須の条件ではないが、これらの元素の添加は強度の上昇
に寄与するので、選択的に添加することは本発明の主旨
に反しない。また脱酸を目的としたAl,Siの添加
や、非金属介在物の形態制御を目的としたCa,Zrの
添加は本発明の主旨に反するものではない。
【0022】次に複層スラブの熱間圧延条件について説
明する。加熱条件は、適宜添加した合金元素の固溶を考
慮して設定する必要があるが、特に限定しない。仕上げ
圧延温度や仕上げ圧延後の冷却速度は、外層、内層の成
分と、狙いとする全体の強度等を考慮して設定する必要
があるが、特に限定しない。
【0023】熱間圧延後の鋼帯を素材とし、成形、溶接
して鋼管を製造し、その後歪を付与するが、以下にこの
時の条件について述べる。歪付与は、歪付与により導入
された転位やすべり帯が、高温強度に寄与するMo2
の析出サイトとなることを利用し、鋼管の耐火特性を上
昇させることを目的として行うものである。但し歪量が
0.1%未満の場合には、Mo2 Cの析出に寄与しない
ため、下限を0.1%とする。また歪量が10%を超え
ても、その効果は変わらないため、上限を10%とす
る。
【0024】
【実施例】表1のA,B,C,Dが本発明の実施例であ
り、E,Fが比較材の単層鋼材である。本発明の複層鋼
材では、単層鋼材と同等以上の耐火性、耐候性が得られ
ている。
【0025】
【表1】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明は、鋼全体の成分を必要以上に高
めることなく、耐火・耐候性に優れた複層型溶接鋼管を
製造可能にした。その結果、従来の単層鋼材と比較し、
溶接性、靭性に優れており、さらに添加合金元素の低減
により、製造コストは安価であり、産業上極めて大きな
効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】複層スラブの外観を示した斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/12 38/26

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外層成分材を C :0.01〜0.5wt% Mn:0.1〜3.0wt% Ni:0.05〜2.0wt% Cr:0.1〜2.0wt% Cu:0.1〜2.0wt% Mo:0.05〜2.0wt% を基本成分とし、 Nb:0.01〜0.10wt% V :0.01〜0.10wt% の1種または2種を含有した低合金鋼とし、内層成分材
    を C :0.01〜0.5wt% Mn:0.1〜3.0wt% Mo:0.05〜2.0wt% を基本成分とし、 Nb:0.01〜0.10wt% V :0.01〜0.10wt% の1種または2種を含有した低合金鋼からなるスラブと
    し、該複層スラブを熱間圧延して溶接鋼管用素材を製造
    し、該溶接鋼管用素材を用いて円形に成形後、溶接して
    溶接鋼管とし、次いで管全体に0.1〜10%の冷間歪
    を付与することを特徴とする耐火・耐候性に優れた複層
    型溶接鋼管の製造方法。
JP33531291A 1991-12-18 1991-12-18 耐火・耐候性に優れた複層型溶接鋼管の製造方法 Withdrawn JPH05171264A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5397654A (en) * 1993-09-13 1995-03-14 Nkk Corporation Abrasion-resistant welded steel pipe
CN102560256A (zh) * 2012-02-29 2012-07-11 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 低温韧性优异的耐火耐候钢及其制备工艺
CN117961446A (zh) * 2024-03-28 2024-05-03 河北汇中管道装备有限公司 一种双金属复合管件及其制备方法

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Effective date: 19990311