JP2735380B2 - 耐時効性、耐面歪み、耐デント性を有する加工用冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

耐時効性、耐面歪み、耐デント性を有する加工用冷延鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は実質非時効が要求され、耐面歪み、耐デント
性を有する加工性に優れた冷延鋼板の製造方法に関する
ものである。
(従来の技術) 耐デント性を向上させるには降伏点を高くすることが
効果的であることが知られているが、この場合逆に面歪
みが生じやすく、降伏点が約250MN/mm2以上になるとプ
レス成形後の形状凍結性が不良となる。従って、耐面歪
み、耐デント性の両方の特性が優れた鋼板は製造できな
いと考えられていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は従来相反する特性である耐面歪みと耐デント
性の両方の特性を有し、かつ実質非時効である冷延鋼板
の製造方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨とする処は二種の成分材からなる複層構
造を有する鋼板の製造において、一層成分(A成分)材
をC:0.01wt%〜0.2wt%、Mn:0.1wt%〜3wt%、Si:3wt%
以下、P:0.1wt%以下を含む鋼とし、他層成分(B成
分)材をC:0.05wt%以下、N:0.01wt%以下でかつ、該C
及びNの添加量がTi,Zr及びNbの一種あるいは二種以上
の添加量の合計とC/12+N/14<1.2(Ti/48+Zr/91+Nb/
93)の関係にある鋼として、二層以上の複層構造を有す
る鋼材となし、該鋼材を両成分鋼のAr3変態点以上で熱
延し、酸洗、冷延後、B成分材の再結晶温度以上の温度
で焼鈍することを特徴とする耐時効性、耐面歪み、耐デ
ント性を有する加工用冷延鋼板の製造方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
発明者らは研究を重ねた結果、耐面歪みと耐デント性
の両方の特性を付加することが、鋼板を異なった成分の
複層構造にすることによって達成できる可能性を見いだ
した。そのうえ、実質非時効でかつ加工性に優れた複層
鋼板として一層がハイテン成分で、他層がIF鋼(極低炭
素鋼にTiなどの炭窒化物形成元素を添加して、鉄中の侵
入型元素を炭窒化物の形で析出処理した鋼)という組み
合わせが有望なことが明らかになった。
次に、以上の知見に基づく本発明の限定理由を述べ
る。
まず、本発明における鋼の成分の限定理由について説
明する。
A成分材の成分はハイテンを製造することを前提とし
たもので、Cは強度を得るのに必要な元素で、Cが0.01
wt%未満である場合は十分な強度が得られない。一方、
Cを0.2%を超えて含有させると溶接性に支障を来た
す。
Mnも強度上昇に寄与する。Mn含有量の下限0.1wt%は
これより低い量では強化能力が小さく、かつ製鋼コスト
が高くなるためで、一方、Mnを3%を超えて含有させる
と加工性が劣化する。
Siの適量の添加は強化には好ましいが、3wt%を超え
て添加すると加工性の劣化が見られる。
Pの適量の添加も二相組織を得るには好ましいが、0.
1%超添加すると熱間加工割れが起きやすくなる。
V,Ni,Cr,Mo,Cu,Ti,Nb,Bの添加は本発明の必須の条件
ではないが、これらの元素の添加は組織の微細化あるい
は鋼材の焼き入れ性の向上に寄与するので、選択的に添
加することは本発明の主旨に反しない。また、脱酸を目
的にしたAlの添加も、同様に本発明の主旨に反しない。
しかし、これらの元素の添加量が過度になるとコスト高
になるので、これらの元素の合計添加量の上限を5wt%
とする。
B成分材の成分はIF鋼を製造することを前提としたも
ので、本発明方法において、C/12+N/14<1.2(Ti/48+
Zr/91+Nb/93)の条件式により鋼の成分を限定する。こ
の理由は、この条件を満たすことにより、実質非時効で
かつ優れた深絞り特性が得られるためである。金属学的
には、諸条件を満足する鋼はTi,Nb,Zrにより炭窒化物が
形成され、固溶C及びNが減少し、これが時効性及び深
絞り性に有利に作用したと考えられる。
また、C量を0.05wt%以下、N量を0.01wt%以下に限
定したのは、これを超えてC,Nが添加されると加工性が
悪くなるばかりでなく、上記の条件式を満足するための
Ti,Nb,Zrの必要量が多くなり高価になるためである。
B成分材の成分はIF鋼にすることが主旨で、強度の調
整にMn,Si,P,Cr,Niなどを添加するのは本発明の趣旨に
反するものではない。また、二次加工割れの防止にBを
添加することも本発明の趣旨に反しない。
本発明で記した複層構造はA−B−AあるいはB−A
−Bのサンドウィッチ構造、A−Bの二層構造又はその
繰り返しの多層構造を総括したものを意味するが、耐デ
ント性には表層成分がA成分材の方がより好ましい。
また、各層の板厚比は必要な強度によって変化するこ
とができ、本発明において特に限定しない。
次に、製造条件の限定理由について説明する。
熱延の仕上温度の下限を両鋼のAr3変態点以上とした
のは、これより低い温度で熱延を終了すると最終製品板
の加工性が著しく劣化するためである。これは、Ar3
態点未満の温度で圧延すると強い集合組織が形成され、
それがその後の冷延、焼鈍後の集合組織にも影響を与
え、深絞り性に好ましい集合組織の発達を抑制するため
と考えられる。
冷延後の焼鈍温度をB成分材の再結晶温度以上と限定
したのは、加工性を高め、深絞り性に好ましい集合組織
を形成させるためである。
(実 施 例) 表1に示す成分の鋼を、表2に示す条件で製造した。
表1中のAr3は1℃/sで降温したときのデータより求め
た。
得られた特性を表2に示す。ここで、層構造とはaか
らhの鋼の層状組織の組み合せを示すもので、その板厚
分率を同表の板厚分率比に示す。板厚は0.8mmである。
本実験の冷延率は80%で、焼鈍条件は800℃で2分
(実験13は720℃)の加熱の後、400℃までの平均冷却速
度を70℃/sで冷却した。
面歪みの指数としてはYPが250MN/mm2になると面歪み
に問題が生じる。また、実質非時効の目安としては、引
張試験時のストレッチャーストレイン(st−st)の生成
の有無で判断した。BH性は170℃で20分の熱処理前後の
降伏点の差によって表した。デント性の指標は第1図に
示す実験装置により鋼板に負荷を与えた後、残った凹み
量でもって表した。
実験番号1,2,3は単層材で1はDP材、2はIF鋼、3は
フェライト−パーライト鋼である。1はYPが高いため面
歪みが大きく、平均r値()も小さいため加工性が悪
い。2は加工性は良いがデント性が悪い。3は若干面歪
みに問題があるだけでなくst−stが生じ製品価値が大き
く低下する。
実験4から7は同じ複層材料を用いて層構造の影響を
検討した結果である。この結果から、本発明の範囲内で
は層構造の如何にかかわらず、耐時効性、BH性、耐デン
ト性、深絞り性の全ての面で優れた特性を示す。実験6
のデント性の試験はa材が下に来るようにして実験を行
なった。
実験8から11は種々の鋼種の組み合わせの結果を示
す。8から10までは本発明の範囲内の鋼種の組み合わせ
で、優れた特性を示す。11は内層が本発明の成分範囲を
満たさない例で加工性の著しい劣化を示す。
実験12は熱延仕上温度が低いため、深絞り性に好まし
い集合組織の形成が妨げられた。
実験13は焼鈍温度が低すぎ、表層はフェライトと炭化
物の再結晶組織を示し、内層は加工組織を呈し、加工性
が劣る。
実験5,6,7,11は圧延の圧着により複層鋼板を製造した
が、他の複層構造は鋳込みにより製造し、それを圧延し
た結果であるが、複層鋼板の製造方法に限定されず、本
発明の範囲を満たすことにより優れた特性が得られるこ
とを示す。
また、実験9の材料については冷延後、溶融亜鉛めっ
き及び合金化処理を行なったがパウダリングは良好であ
った。
以上の結果からも明確に認められるように、本発明鋼
は耐時効性、BH性、耐デント性、深絞り性の全ての面で
優れた特性を示す。
(発明の効果) 本発明は、いままで不可能と考えられていた耐面歪み
性と良デント性の両特性を同時に満足する鋼を、実質非
時効でかつBH性をも備えた形で提供するもので、自動車
用の外板などに広く使用でき、産業上極めて大きな効果
が期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図はデント性の測定の実験方法の概要を示した説明
図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二種の成分材からなる複層構造を有する鋼
    板の製造において、一層成分(A成分)材を C :0.01wt%〜0.2wt%、 Mn:0.1wt%〜3wt%、 Si:3wt%以下、 P :0.1wt%以下 を含む鋼とし、他層成分(B成分)材を C:0.05wt%以下、 N:0.01wt%以下、 かつ、該C及びNの添加量がTi,Zr及びNbの一種あるい
    は二種以上の添加量の合計とC/12+N/14<1.2(Ti/48+
    Zr/91+Nb/93)の関係にある鋼として、二層以上の複層
    構造を有する鋼材となし、該鋼材を両成分鋼のAr3変態
    点以上で熱延し、酸洗、冷延後、B成分材の再結晶温度
    以上の温度で焼鈍することを特徴とする耐時効性、耐面
    歪み、耐デント性を有する加工用冷延鋼板の製造方法。
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DE102014114365A1 (de) * 2014-10-02 2016-04-07 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Mehrschichtiges Stahlflachprodukt und daraus hergestelltes Bauteil

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