JPH0517105Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、パチンコ機の遊技盤面上に配されて
いる入賞受口の上部に案内部材を設けたパチンコ
機用入賞受口装置に関する。

（従来の技術） 従来、パチンコ機の遊技盤面上に配されている
入賞口の一例としては、第７図に示すように単に
遊技盤１面から手前に突き出て上方に向つて開口
している籠形状の入賞口２およびチユーリツプと
呼ばれる二個の羽根部材３，３を有し、パチンコ
球が入ると開放して、次のパチンコ球が入り易く
なり、入ると閉じてパチンコ球が入り難くなる入
賞口を備えた役物４がある。この役物４の羽根部
材３，３が開いた時は、パチンコ球が羽根部材
３，３の先端に落下して落下方向を変え、近くの
他の入賞口５に入り易くなることもある。各羽根
部材３，３は有色透明のようなプラスチツク材料
によつて形成され、この背面には、ランプが取り
付けられて点灯できるようになつている。このほ
かに開閉板６を備え、この開放によつて形成され
る大入賞口７等がある。この各入賞口の入口付近
には周知の障害釘８…が多数打ち込まれ、そし
て、遊技性を増すために障害釘８…を曲げるよう
な調整作業が行なわれるようになつている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の構成による遊技盤上の入賞口の構造
では、チユーリツプと呼ばれる入賞口の場合、こ
の入賞受口に取り付けられた羽根部材の大きさに
は限度があり、これに対応させてランプを位置さ
せることは、構造が複雑となり、また、羽根部材
は正面から見て表面板に隠れる部分があるために
ランプが点灯表示しても、その装飾の効果が低
く、これを補うために羽根部材にシールを貼つた
り、ダイヤカツトを施したりしているが、その効
果は期待するほどではない。また、羽根部材の構
造は複雑な形状であり、パチンコ球がそこに頻繁
に落下することから破損しやすいものとなつてい
る。さらに、各入賞口の入口付近に打ち込まれて
いる障害釘は多数あるため、その打込作業と共に
調整作業には長時間を必要としている。

そこで、本考案は上記問題点を解決するために
なされたものであつて、遊技盤上に配された入賞
受口の上部に、パチンコ球が通過する間隔と、パ
チンコ球の落下によつてその方向を変える案内面
とを備えると共に、一方に開放した中空を有する
案内部材を設けたことによつて、障害釘の調整作
業が削減でき、装飾効果が増大すると共に、他の
部材の保護機能を備えたパチンコ機用入賞受口装
置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記目的は達成するための本考案の特徴は、パ
チンコ機の遊技盤面上に取り付けるための取付表
面板をパチンコ球が入る入賞受口に設け、入賞受
口とは別体で透光性を有する合成樹脂からなりパ
チンコ球の案内面を形成した一対の中空な案内箱
と一対の案内箱をパチンコ球が通過可能な間隔を
おいて遊技盤面上に配置するための取付板と案内
箱の中空部に臨んだ表示ランプとからなる案内部
材を設け、一対の案内箱の中間位置を入賞受口の
垂直上方に配設するために取付表面板の上縁部お
よび取付板の下縁部を互いに係合可能に形成し
た。

（作用） 上記構成によつて、対向した案内部材の上方か
ら落下して入賞受口に入るべきパチンコ球は、そ
の間を通過して入賞受口に入る。案内部材の案内
面に落下したパチンコ球は、落下方向を変えて他
の入賞口へ向うように落下する。この時、案内部
材の下部にある入賞受口に設けれらた部材へのパ
チンコ球の落下は、遊技性を与える必要最小限と
なつている。そして、入賞受口にパチンコ球が入
つたことによつて点灯される表示ランプの位置は
入賞受口に付随する部材によつて遮られることは
なく、その装飾性は良好となつている。さらに、
案内部材は入賞受口の付近の障害釘に取つて代わ
るので、長時間の遊技によつて障害釘の再調整作
業が削減できる。

また案内部材は下縁部が取付表面板の上縁部に
係合する取付板を設けているので、上記下縁部お
よび上縁部の係合により、入賞受口に対して容易
に位置決めでき、これにより案内部材および入賞
受口の位置決めに係る作業が短縮される。また案
内部材および入賞受口は別体に形成されているの
で、いずれか一方のみを単体で流用でき、さらに
案内箱は中空に形成されており、しかも透光性を
有する合成樹脂から構成されているので、表示ラ
ンプを点灯・消灯またはその組合せによつて視覚
的変化を遊技者に付与する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。なお、第７図をもとにしてすでに説明した従
来の技術の構成と同じ箇所は同符号を付す。第１
図は、本考案の一実施例である入賞受口装置９を
使用したパチンコ機の遊技盤１を示している。こ
の遊技盤１のほぼ中央には、アタツカ１０が位置
し、その横方向には開閉板６が取り付けられてい
る。開閉板６の両側には入賞口１１，１１が配さ
れ、そして、アタツカ１０の中央上部に配された
他の入賞口２，２を含めて、いずれかにパチンコ
球が入ると上記した開閉板６が開放して、そこに
大入賞口７を形成するようになつている。大入賞
口７が形成されて、その中にパチンコ球が入る
と、その数を表示するLEDからなる表示器１２
がアタツカ１０の中央下部に取り付けられ、ま
た、その装飾用の表示として開閉板６の両側には
表示ランプ１３，１３が取り付けられている。さ
らに、アタツカ１０の両側の遊技盤１上には、他
の入賞口１４，１４が開口し、そして、アタツカ
１０の下部には本考案の入賞受口装置９，９，９
が横方向に並べられて開口している。この入賞受
口装置９については、後述するとして、中央に位
置する入賞受口装置９よりも少し下の位置には、
それを挾むように、入賞口５，５が開口し、その
下部には、誘導レール１７に沿つて放たれたパチ
ンコ球が無効球となり、排出されていく外れ孔１
８が位置している。このように各入賞口が配され
ている遊技盤１面には多数の障害釘８…が打ち込
まれ、特に各入賞口の受口付近には複雑な配置と
なつている。

ここで入賞受口装置９について詳述するが、こ
の入賞受口装置９は、第１図に示すように羽根部
材３，３を備えた入賞受口としての役物４と、そ
の上部に位置し、役物４とは別体に設けられた案
内部材１９とからなつている。この詳細を第２図
に示しているが、役物４は、案内枠２０と、この
案内枠２０内の長手方向に直交する方向に回動自
在にピン２１によつて軸支され、第３図に示すよ
うにピン２１の片側に錘部２２を埋め込み、さら
に下方に停止レバ２３を備えた可動部材２４と、
案内枠２０に形成されたフランジ部２５と、フラ
ンジ部２５から間隔をおいてその下部から突き出
た化粧板２６との間に、開閉自在に軸支された中
空状の羽根部材３，３とからなつている。そし
て、羽根部材３，３が閉じた状態で、その間にパ
チンコ球が入ると、パチンコ球は第３図にも示す
ように可動部材２４の一端部２７から、その他端
部２８へ転がり、案内枠２０の切欠部２９を通つ
て落下する。同時に可動部材２４はパチンコ球の
自重によつてピン２１を中心に回動し、可動部材
２４の一端部２７は、カム３０による羽根部材
３，３の固定状態を解除するので、羽根部材３，
３は開放し、羽根部材３，３と同軸上に軸支され
ているカム３０も羽根部材３，３の間を塞ぐよう
に回動すると共に可動部材２４の他端部２８の下
降回動は図示省略されている停止部によつて固定
状態となる。次に羽根部材３，３が開いた状態
で、羽根部材３，３の間にパチンコ球が入るとそ
の自重でカム３０を回動させ、この回動と共に可
動部材２４の一端部２７は回動すると同時に、羽
根部材３，３も閉じた状態になり、カム３０によ
つて羽根部材３，３の閉じた状態を固定状態に維
持し、停止レバ２３は、可動部材２４の一端部２
７がそれ以上下降回動しないようにフランジ部２
５の下縁部に当接するようになつている。このよ
うに形成された役物４は、そのフランジ部２５が
嵌まり込むように開口している取付表面板３１の
取付孔３１ａに取り付けられている。取付表面板
３１の裏側には第４図に示すようにスタツド３２
…が一体に形成され、このスタツド３２…がプリ
ント配線基板３３が螺子止めされている。プリン
ト配線基板３３には表示ランプ３４が取り付けら
れて、案内枠２０のフランジ部２５に形成されて
いるランプ孔３５を通して羽根部材３，３の中空
箇所に対向するようになつている。

役物４の上部に位置する案内部材１９は、第３
図に示すように取付表面板３１の縁部（上縁部）
の傾斜に当接して垂直位置になるように、その取
付板３６の縁部（下縁部）は取付表面板３１の上
縁部に係合するように傾斜して形成されている。
この取付板３６の両側には、第５図および第６図
にも示すように遊技盤１に取り付けられるように
皿孔３７…が形成されている。取付板３６の前面
には透光性を有する合成樹脂からなり、第５図に
示すように略三角柱状の案内箱３８，３８が取付
板３６の垂直軸を中心にして両側に対称に突き出
ている。この両案内箱３８，３８の間隔はパチン
コ球が通過できる程の寸法になつて通路３８ｂを
形成し、対向する、その上縁部は幾分、内方へ傾
斜している。各案内箱３８，３８の上部外側は、
幾分、曲面になつて下方へ傾斜しており、この箇
所にパチンコ球が落下すると落下方向を変えるよ
うに案内面３８ａ，３８ａが形成されている。さ
らに、各案内箱３８，３８は第６図に示すよう
に、その後部が開放した中空になつており、第３
図に示すように、取付表面板３１の裏側にスタツ
ド３２…によつて取り付けられているプリント配
線基板３３の上部に取り付けられた表示ランプ３
９が、その内部に少こし入り込むようになつてい
る。そして、この中空内部から各案内箱３８，３
８にダイヤカツトが施されていることによつて、
表示ランプ３９が点灯した時の装飾効果を良好に
している。このようにしてなる案内部材１９は射
出成形によつて一体に成形される。

案内部材１９と役物４とを組み合わせて遊技盤
１に取り付けた状態を第１図に示したが、案内部
材１９を取り付ける以前の遊技盤１の配置は第７
図に示すように、役物４の入賞受口の付近には障
害釘８…が打ち込まれている。この各障害釘８…
に取つて代わるのが案内部材１９である。

このことから、第１図に示すように、矢印Ａの
経路を辿るパチンコ球は、役物４に入り、矢印Ｂ
の経路では案内部材１９の案内面３８ａ，３８ａ
によつて落下方向が変えられ、入賞口５への入賞
を可能にする。また矢印Ｃの経路のパチンコ球
は、羽根部材３，３の先端によつて落下方向を変
えて入賞口５への入賞を可能にする。そして、矢
印Ｄの経路のパチンコ球は役物４に入る。このよ
うなパチンコ球の落下経路のほかにも、多くの落
下経路があり、これが、ほかの役物４と案内部材
１９との組み合せのものについても行なわれる。
上記のように案内部材１９を役物４と組み合わせ
たことによつて、案内部材１９が有する通路３８
ｂや案内面３８ａ，３８ａによつて遊技性を与
え、役物４に入賞した時は、表示ランプ３９が点
灯し、表示ランプ３９を被うような部材はないの
で、その装飾効果は十分表示される。また、案内
部材１９は役物４の上部で遊技盤１面に固定され
ているので、パチンコ球が役物４の部材特に、羽
根部材３，３への落下は遊技性を損うことのない
程度に保護されることによつて、役物４が長持ち
する。そして、案内部材１９を取り付けたこと
は、障害釘８…に取つて代わるものであるから、
それだけ、障害釘８…の再調整の作業が削減でき
ることになる。

また案内部材１９は下縁部が取付表面板３１の
上縁部に係合する取付板３６を設けているので、
上記下縁部および上縁部の係合により、役物４に
対して容易に位置決めできることから、案内部材
１９および役物４の位置決めに係る作業が短縮さ
れる。また案内部材１９および役物４は別体に形
成されているので、いずれか一方のみを単体で流
用できる。さらに案内箱３８は中空に形成されて
おり、しかも透光性を有する合成樹脂から構成さ
れているので、表示ランプ３９を点灯・消灯また
はその組合せによつて視覚的変化を遊技者に付与
できる。

なお、第１図に示すように、案内部材１９の横
幅は、羽根部材３，３が開放した、両羽根部材
３，３にわたる横幅よりも狭いことが望ましい。

以上述べた実施例は、本考案のうちの一部を述
べただけであつて、本考案による案内部材１９を
他の入賞口の上部、例えば、第１図に矢印Ｅで示
すように、鎖線で囲んだ円内の障害釘８…に取つ
て代えることもできるし、案内部材１９が有する
案内面３８ａの角度を変えて、入賞口付近の障害
釘８…の配置に代えてもよい。

また、案内部材１９を役物４の取付表面板３１
と一体に形成してもよい。

（考案の効果） 以上述べたことから本考案による入賞受口装置
は、役物と、パチンコ球が通過する間隔およびパ
チンコ球が落下した際、その方向を変える案内面
を有する案内部材とを組み合わせて遊技盤面に配
置したことから、従来の障害釘と同様の遊技性を
確保できると共に、障害釘の再調整作業が削減で
き、他の部材への保護をも兼ね備えて装飾効果に
富んでいることから、新たに興味あるパチンコ機
が実現できる。

また案内部材および入賞受口は、案内部材の下
縁部および取付表面板の上縁部間の係合によつて
容易に位置決めできるので、作業時間が短縮され
るために作業能率が向上し、かつ、製品精度を容
易に安定させることができる。また案内部材およ
び入賞受口は別体に形成されているので、いずれ
か一方のみを単体で流用でき、部品コスト上昇を
抑制できる。さらに案内箱は中空、かつ、透光性
を有する合成樹脂から構成されているので、表示
ランプの点灯・消灯またはその組合せによつて、
ランプなどを主構成とする装飾部材の設置が省略
できるので、部品コストを増大を抑止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の入賞受口装置を備えたパチ
ンコ機の遊技盤を示す正面図、第２図は、入賞受
口装置の組付を示す斜視図、第３図は、入賞受口
装置の縦断面図、第４図は、入賞受口装置の背面
を示す斜視図、第５図は、案内部材を示す斜視
図、第６図は、案内部材の背面を示す斜視図、第
７図は、従来の遊技盤の一例を示す正面図であ
る。 １……遊技盤、２，５，１１，１４……入賞
口、９……入賞受口装置、１９……案内部材、３
８ａ……案内面、３８ｂ……間隔（通路）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 パチンコ機の遊技盤面上に取り付けるための取
   付表面板をパチンコ球が入る入賞受口に設け、 前記入賞受口とは別体で透光性を有する合成樹
   脂からなりパチンコ球の案内面を形成した一対の
   中空な案内箱と該一対の案内箱をパチンコ球が通
   過可能な間隔をおいて前記遊技盤面上に配置する
   ための取付板と前記案内箱の中空部に臨んだ表示
   ランプとからなる案内部材を設け、 前記一対の案内箱の中間位置を前記入賞受口の
   垂直上方に配設するために前記取付表面板の上縁
   部および取付板の下縁部を互いに係合可能に形成
   したことを特徴とするパチンコ機用入賞受口装
   置。