JPH05170896A - 変性ポリアミドの製造法 - Google Patents

変性ポリアミドの製造法

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JPH05170896A
JPH05170896A JP35580891A JP35580891A JPH05170896A JP H05170896 A JPH05170896 A JP H05170896A JP 35580891 A JP35580891 A JP 35580891A JP 35580891 A JP35580891 A JP 35580891A JP H05170896 A JPH05170896 A JP H05170896A
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JP
Japan
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lactam
molecular weight
compound
activator
polymerization
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JP35580891A
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English (en)
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Kenji Yasue
健治 安江
Keizou Kiyuuda
圭三 給田
Kazue Kojima
和重 小島
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ω−ラクタムのアニオン重合により、極めて
短時間の重合で、耐衝撃性や耐熱性が改良された変性ポ
リアミドを得る。 【構成】 実質的に無水のω−ラクタムを、重合触媒と
して、グリニヤール化合物又はハロゲンマグネシウム化
ラクタメートを用い、次の複合活性化剤の存在下でアニ
オン重合する。(イ)アミン類、アミド類、スルホキシ
ド類、チオエーテル類、エーテル類、カルボン酸エステ
ル類、リン酸エステル類からなる群から選ばれた少なく
とも一種類の化合物、(ロ)ラクタムを末端基とする、
少なくとも1500の分子量を有する高分子量活性化剤、及
び必要に応じて、(ハ)分子量 750以下のアシルラクタ
ム化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ω−ラクタム類のアニ
オン重合によって耐衝撃性等の改良された変性ポリアミ
ドを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ω−ラクタム類をアルカリ触媒及び活性
化剤によりアニオン重合し、ポリアミドを製造する方法
は周知である。そして、アニオン重合用アルカリ触媒と
しては、ラクタム類とアルカリ金属、アルカリ土類金
属、グリニヤール試薬等との反応生成物があり、一般的
にはナトリウムカプロラクタム、カリウムカプロラクタ
ム、マグネシウムブロマイドカプロラクタム等が用いら
れる。また、同時に用いられる活性化剤としては、N−
アシルイミノ化合物又はラクタム類やアルカリ触媒と反
応してN−アシルイミノ化合物を生成する化合物があ
り、N−アセチルカプロラクタム、アジポイルビスカプ
ロラクタム、イソシアネート類等が代表例である。この
方法で得られるポリアミドは、一般に結晶化度が高く、
引張強さ、曲げ強さ、弾性率等機械的強度がすぐれてお
り、かつ耐摩耗性や耐疲労性にもすぐれているので、す
でに各種の大型成形品や丸棒、肉厚パイプ、ギア等の機
械部品や工業資材等に使用されている。しかし、このア
ニオン重合法で製造されたポリアミドは伸び及び耐衝撃
性が低く、硬くて脆いという欠点があり、柔軟性が必要
とされる用途には使用できない等、その用途は極めて制
限されたものであった。
【0003】ω−ラクタム類をアニオン重合して得られ
るポリアミドのかかる欠点、すなわち伸びや耐衝撃性を
改良する試みが種々なされており、たとえば、次のよう
な方法が提案さている。 特公昭43−13754号公報:カプロラクタムとラウリルラ
クタムとの混合ラクタムを強塩基性触媒及び重合活性化
剤の存在下に重合する。 特公昭43−20475号公報:側鎖あるいは末端にジイソシ
アネート基を反応させたポリマーの存在下にラクタムを
アルカリ重合する。 特公昭47−22338号公報:カプロラクタムと炭素原子数
7〜12のラクタムとN−アルキルピロリドンとを重合触
媒と促進剤との存在下で重合する。 特公昭48−10954号公報:アニオン重合触媒、促進剤、
ナイロン11及びN,N−ジ置換アミドの存在下でカプロ
ラクタムを重合する方法。 特公昭48−41958号公報:ポリエーテルの存在下でイソ
シアネート化合物を促進剤にラクタムを陰イオン接触重
合する方法。 特公昭49−41354号公報:特定のポリエーテルと数種の
重合助触媒の存在下でラクタムを陰イオン接触重合する
方法。 特公昭54−40118号公報:ビニレン基を有するポリオー
ルの存在下アニオン重合触媒とイオウ及びイソシアネー
ト化合物を配合してラクタムを重合する方法。 特公昭54−40119号公報:アニオン重合触媒、有機過酸
化物、水酸基とビニル基又はビニレン基を有するポリオ
ールとポリイソシアネートとの存在下でラクタムを重合
する方法。 特公昭54−40120号公報:ラクタム、ポリオール、塩基
性ラクタム重合触媒を用いて重合する方法。 特公昭57−17884号公報:変性されていない特定の分子
量のポリアルキレンエーテルの存在下にラクタムを活性
化剤及びアルカリ重合触媒とともに重合する方法。 特開昭58−21425号公報:酸クロライド、ラクタム、ポ
リエーテル又はポリエステル等を反応させて得られるア
シルラクタム官能性物質をプレポリマーとして用いてこ
れにラクタム及び重合触媒を加えて重合する方法。 特開昭59−96132号公報:カルバモイルラクタムとポリ
オールとから得られる予備重合体とアニオン重合触媒の
存在下でラクタムを重合する方法。 特開昭59−197428号公報:特定のビスラクタムを活性化
剤としてラクタムとポリオールとを陰イオン接触重合す
る方法。 特公昭60−43369号公報:末端がアミノ基のポリエーテ
ルとラクタムとをアルカリ触媒及び多官能助触媒の存在
下に陰イオン接触重合する方法。 特開昭60−120721号公報:プレポリマー(ポリエーテル
とアシルラクタム、カルボン酸とポリイソシアネートあ
るいはポリカルバミン酸クロライドを反応させて得る)
の存在下、ラクタムをアニオン重合触媒で共重合する方
法。 特開昭60−192727号公報:ラクタムを重合触媒と活性化
剤との存在下で重合するに際して、活性化剤としてラク
タムを末端基とする高分子量活性化剤(ポリオールと活
性基を有する化合物との反応生成物)を用いる方法。 特公平1−19808号公報:末端に特定の新規官能基を有
するプレポリマーを用いて、これをラクタムとアニオン
重合させる方法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、重合速度が不十分である上に、得られるポリ
アミドの性能、特に伸びや衝撃強度も満足のいくもので
はなかった。かかる事情に鑑み、本発明の課題は、ω−
ラクタムのアニオン重合によってポリアミドを製造する
方法において、重合速度が速く、耐衝撃性等が大きく改
良されたポリアミドを得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アニオン重合
触媒としてグリニヤール化合物又はハロゲン化マグネシ
ウムラクタメートを用い、活性化剤として、特定の化合
物とラクタムを末端基とする高分子量活性化剤と、場合
により一般の低分子量活性化剤とからなる複合活性化剤
系を用いて、ω−ラクタムをアニオン重合することによ
り、本発明の目的が達成されることを見出し、本発明に
到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、次のとおりで
ある。 (1) 実質的に無水のω−ラクタムを、重合触媒としてグ
リニヤール化合物又はハロゲン化マグネシウムラクタメ
ートを用い、 (イ) アミン類、アミド類、スルホキシド
類、チオエーテル類、エーテル類、カルボン酸エステル
類及びリン酸エステル類からなる群から選ばれた1種以
上の活性化助剤及び (ロ) ラクタムを末端基とする分子
量1500以上の高分子量活性化剤からなる複合活性化剤の
存在下でアニオン重合することを特徴とする変性ポリア
ミドの製造法。 (2) 実質的に無水のω−ラクタムを、重合触媒としてグ
リニヤール化合物又はハロゲン化マグネシウムラクタメ
ートを用い、 (イ) アミン類、アミド類、スルホキシド
類、チオエーテル類、エーテル類、カルボン酸エステル
類及びリン酸エステル類からなる群から選ばれた1種以
上の活性化助剤 (ロ) ラクタムを末端基とする分子量15
00以上の高分子量活性化剤及び (ハ) 分子量 750以下の
アシルラクタム化合物(ω−ラクタムと反応してアシル
ラクタム化合物を生成する化合物を含む)からなる複合
活性化剤の存在下でアニオン重合することを特徴とする
変性ポリアミドの製造法。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いられるω−ラクタムの具体例としては、γ−
ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラク
タム、ω−エナントラクタム、ω−カプリルラクタム、
ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウリンラクタム等が挙
げられる。これらω−ラクタムは単独で使用してもよい
し、2種以上併用してもよい。
【0008】本発明でアニオン重合触媒として用いられ
るグリニヤール化合物の具体例としては、メチルマグネ
シウムクロライド、メチルマグネシウムブロマイド、メ
チルマグネシウムアイオダイド、エチルマグネシウムク
ロライド、エチルマグネシウムブロマイド、エチルマグ
ネシウムアイオダイド、プロピルマグネシウムブロマイ
ド、ブチルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシ
ウムアイオダイド、ベンジルマグネシウムブロマイド、
ビニルベンジルマグネシウムアイオダイド等が挙げられ
るが、代表的なものは、エチルマグネシウムブロマイ
ド、フェニルマグネシウムアイオダイドである。
【0009】また、グリニヤール化合物をω−ラクタム
に添加すると反応してハロゲン化マグネシウムラクタメ
ートを生成するので、グリニヤール化合物の代わりに、
アニオン重合触媒として別途合成したハロゲン化マグネ
シウムラクタメートを使用しても同様な結果を得ること
ができる。
【0010】グリニヤール化合物又はハロゲン化マグネ
シウムラクタメートの使用量はω−ラクタムに対して0.
005〜5モル%、好ましくは0.05〜3モル%が適当であ
る。使用量が0.005モル%よりも少ないと重合速度が遅
くて好ましくない。逆に5モル%よりも多いと副反応が
起こり易くなり、得られるポリアミドの性能が低下する
ので好ましくない。
【0011】本発明における活性化助剤 (イ) の具体例
としては、次のような化合物が挙げられる。 アミン類 トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルフェニ
ルアミン、ジメチルブロモフェニルアミン、メチルジフ
ェニルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、メ
チルピリジン、ジメチルピリジン、ブチルピリジン、メ
チルブチルピリジン。 アミド類 ジメチルホルムアミド、メチルエチルホルムアミド、メ
チルブチルホルムアミド、ジイソプロピルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、メチルフェニルアセトアミ
ド、ジメチルプロピオンアミド、ジエチルプロピオンア
ミド、メチルベンジルプロピオンアミド、ジメチルベン
ゾイルアミド。 スルホキシド類 ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、メ
チルフェニルスルホキシド。 チオエーテル類 メチルサルファイド、エチルサルファイド、プロピルサ
ルファイド、テトラヒドロチオフェン、ジチアン、トリ
チアン。 エーテル類 ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルフェニルエー
テル、メチルベンジルエーテル、ジフェニルエーテル、
メチルクロロフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、
メチルテトラヒドロフラン、メチルクロロテトラヒドロ
フラン、メチルジオキサン、エチルジオキサン、メチル
トリオキサン、トリオキサン、アニソール、テトラエチ
レングリコールジメチルエーテル、12−クラウン−4,15
−クラウン−5,18−クラウン−6。 カルボン酸エステル類 ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸フェニル、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジ
ル、クロロ酢酸エチル、フェニル酢酸エチル、トリメチ
ル酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸フェ
ニル、酪酸メチル、酪酸エチル、吉草酸メチル、吉草酸
エチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、安
息香酸エチル、安息香酸フェニル等。 リン酸エステル類 リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸メチルジ
エチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン
酸トリクレジル。上記の化合物のなかで代表的なものは
ピリジン、ジメチルアセトアミド及びジメチルスルホキ
シドである。
【0012】活性化助剤 (イ) の使用量はω−ラクタム
に対して0.01〜5モル%、好ましくは0.03〜3モル%で
ある。使用量が0.01モル%よりも少ない場合には満足す
べき反応速度が得られないので好ましくなく、逆に5モ
ル%よりも多いと副反応が起こり易くなり、得られるポ
リアミドの性能が低下するので好ましくない。
【0013】本発明における活性化剤 (ロ) は、ラクタ
ムを末端基とする分子量1500以上の高分子量活性化剤で
あり、得られるポリアミドの耐衝撃性を著しく向上させ
るものである。この高分子量活性化剤は、ポリマーと活
性化剤基を有する化合物との反応で得られるものであ
り、ポリマーの分子量には特に制限はないが、耐衝撃性
を顕著に向上させるためには、分子量1500以上のものが
好ましい。ポリマーとしては、末端ヒドロキシル化を有
するポリオキシアルキレン又は末端ヒドロキシル化を有
するポリオキシアルキレン共重合体が好ましい。かかる
ポリマーの具体例としては、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリイソブチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等のホモポリマー、
ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、
シロキサンを含むポリオール等がある。
【0014】活性化剤基を有する化合物としては、ラク
タムを末端基とするイソシアネート及びアシルラクタム
化合物がある。ラクタムを末端基とするイソシアネート
はε−カプロラクタムのようなラクタムとイソシアネー
トとを反応させることにより得ることができる。本発明
で使用する特定のポリマーを製造するには、種々のイソ
シアネートを使用することができる。たとえば、脂肪
族、芳香族、脂環式及びこれらの混合体からなるイソシ
アネートが使用できる。かかるイソシアネートの具体例
としては、たとえば、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルイレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、p−フ
ェニルジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシ
アネート及びこれらの水添物がある。また変性4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネートとしてカルボジイミ
ドも用いることができる。
【0015】アシルラクタム化合物はアシル化合物、た
とえば、塩化アシルとラクタムを反応させることによっ
て製造することができる。アシルラクタム化合物の具体
例としては、たとえば、アジポイルビスラクタム、セバ
コイルビスラクタム、テレフタロイルビスラクタム、2
−クロロテレフタロイルビスラクタム、2,5−ジクロロ
テレフタロイルビスラクタム、イソフタロイルビスラク
タム、ジベンゾイルビスラクタム等がある。
【0016】ポリマーと活性化剤基を有する化合物との
反応は、アルカリ金属、アルカリ金属化合物あるいはグ
リニヤール化合物のような適当な触媒の存在下に行われ
る。高分子量活性化剤は、予め製造しておいたものを用
いてもよいが、ω−ラクタムのアニオン重合系にポリマ
ーと活性化剤基を有する化合物とを添加し、重合系内で
生成させてもよい。高分子量活性化剤 (ロ) の使用量
は、ω−ラクタムに対して5〜50重量%が好ましい。使
用量が5重量%よりも少ない場合には満足すべき衝撃強
度が得られず、逆に使用量が50重量%を超えると得られ
るポリアミドの強度や剛性等の機械的性質のみならず、
耐熱性も低下するので好ましくない。
【0017】また、本発明において、分子量 750以下の
アシルラクタム化合物 (ハ) を併用するとω−ラクタム
のアニオン重合反応速度が一層促進され、より高分子量
の変性ポリアミドを短時間で得ることができる。アシル
ラクタム化合物 (ハ) の具体例としては、アセチルラク
タム、アジポイルラクタム、セバコイルラクタム、テレ
フタロイルビスラクタム、2−クロロテレフタロイルビ
スラクタム、2,5−ジクロロテレフタロイルビスラクタ
ム、イソフタロイルビスラクタム、ジベンゾイルビスラ
クタム、ヘキサメチレン−1,6−ビスカルバドラクタ
ム、トリレン−2,4(又は2,6)−ビスカルバドラクタ
ム等を挙げることができる。
【0018】また、これらのアシルラクタム化合物に代
えて、ラクタムと反応してこれらのアシルラクタム化合
物を生成するところの、対応するイソシアネート化合物
を前駆体として用いることも可能である。そのようなイ
ソシアネート化合物の具体例としては、たとえば、脂肪
族、芳香族、脂環式及びこれらの混合体からなるイソシ
アネートを使用することができる。かかるイソシアネー
トの具体例としては、たとえば、テトラメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
トルイレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニルジイソシアネート、ナフタレン−1,5
−ジイソシアネート及びこれらの水添物がある。また、
変性4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとして
カルボジイミドも用いることができる。アシルラクタム
化合物 (ハ) は、分子量が 750以下のものであることが
必要である。分子量が750を超えると活性化助剤として
の効率が低下するので好ましくない。
【0019】本発明におけるω−ラクタムのアニオン重
合反応は、公知の方法に従って行うことができる。重合
温度は重合すべきω−ラクタムの融点以上、生成ポリア
ミドの融点未満の温度である。たとえば、ε−カプロラ
クタムの場合、重合温度は、100〜200℃の範囲が好まし
い。重合時間は、通常2時間以内であり、多くの場合、
数分から数十分の間である。
【0020】本発明において、実質的に重合反応を阻害
しないかぎり、各種の添加物を共存させることができ
る。可塑剤、充填剤、繊維状強化材、発泡剤、染顔料、
酸化防止剤等の存在下にω−ラクタムを重合することも
できる。たとえば、2〜25重量%程度のN−アルキルピ
ロリドン、ジアルキルイミダゾリジノン等の可塑剤、2
〜50重量%程度の炭酸カルシウム、ワラストナイト、カ
オリン、黒鉛、石膏、長石、雲母、アスベスト、カーボ
ンブラック、二硫化モリブデン等の微粉末状充填剤やガ
ラス繊維(ミルド繊維を含む)、繊維状マグネシウム化
合物、チタン酸カリウム繊維、鉱物繊維、グラファイト
繊維、炭素繊維、ボロン繊維、金属繊維、芳香族ポリア
ミド繊維等の繊維状強化材、1〜15重量%程度のベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の発泡剤等を添加することが
できる。この他、必要に応じて、染顔料、酸化防止剤、
耐熱剤、耐候剤、滑剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤及
び他の重合体等を添加することもできる。
【0021】本発明の方法は、キャスティング法又は反
応射出成形法によってω−ラクタムを重合することによ
って直接各種の大型成形品や丸棒、肉厚パイプ、ギア等
の機械部品や工業資材あるいは自動車部品等の成形品を
製造する方法として有用である。さらに本発明の方法で
得られたポリアミドをペレットとし、これを用いて射出
成形や押出成形等によって各種の成形品、シート、フィ
ルム、繊維等に成形することも可能である。
【0022】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、ポリアミドの性能評価は次の方法によ
って行った。 (1) 引張特性 1号ダンベル試験片を用いて、ASTM D638に基づいて測
定した。 (2) 曲げ特性 1/8インチ厚みの試験片を用いASTM D790に基づいて測定
した。 (3) アイゾット衝撃強度 上記と同じ 1/8インチ厚みの試験片を用い、これに所定
のノッチをつけ、ASTMD256に基づいて測定した。 (4) 熱変形温度 上記と同じ 1/8イ厚みの試験片を用い、 4.5kg/cm2
荷重下で、ASTM D648に基づいて測定した。
【0023】 参考例1 (高分子量活性化剤:P1の製造) 還流冷却器と撹拌装置を取り付けた反応缶を窒素置換し
た後、窒素気流下で分子量3000のポリプロピレングリコ
ール、ラクタムを末端基とするヘキサメチレンジイソシ
アネート及びテトラヒドロフランを仕込み、50℃で5時
間反応させた。その後、テトラヒドロフランを除き、ラ
クタムを末端基とする高分子量活性化剤(P1)を製造
した。
【0024】 参考例2 (高分子量活性化剤:P2の製造) ポリプロピレングリコールに代えて分子量3000のポリテ
トラメチレングリコールを用いた他は参考例1と同様に
してラクタムを末端基とする高分子量活性化剤(P2)
を製造した。
【0025】実施例1 実質的に無水のε−カプロラクタムが80重量%と参考例
1で製造した高分子量活性化剤P1が20重量%の混合物
を80℃で加熱溶融し、これにε−カプロラクタムに対
し、エチルマグネシウムブロマイドを0.5モル%、ジメ
チルスルホキシドを同じく0.1モル%加え、均一に混合
した後、直ちに140℃の温度に保持されている試験片の
成形用金型に注入した。重合は短時間で終了し、5分後
には金型より容易に取り出すことができた。ただし、2
分後では重合が完結しておらず、金型から取り出すこと
はできなかった。5分後に取り出した試験片を用いて各
種の性能評価を行った。
【0026】実施例2〜13及び比較例1〜4 表1に示した触媒及び活性化剤を用いて、実施例1と同
様にして重合を行い、得られた試験片の性能評価を行っ
た。
【0027】
【表1】
【0028】なお、表1において、略号は次の化合物を
意味する。 EMgBr:エチルマグネシウムブロマイド DMSO :ジメチルスルホキシド DMAA :ジメチルアセトアミド PD :ピリジン EAc :酢酸エチル TEP :リン酸トリエチル TT :トリチアン AS :アニソール AcCL :N−アセチルカプロラクタム TBCL :テレフタロイルビスカプロラクタム HMDI :ヘキサメチレンジイソシアネート CL :ε−カプロラクタム
【0029】実施例1〜13及び比較例1〜4で得られた
試験片の性能評価結果を表2〜表4に示した。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】表2及び表3から明らかなように、本発明
の実施例で得られた試験片は、引張破断伸びやアイゾッ
ト衝撃強度に示される耐衝撃性にすぐれ、かつ強度・弾
性率に示される機械的強度、また熱変形温度に示される
耐熱性にもすぐれている。これに対して、表4から明ら
かなように、比較例で得られた試験片は、引張強度に代
表される機械特性やアイゾット衝撃強度に示される耐衝
撃性が劣るものであった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、耐衝撃性にすぐれ、か
つその他の機械的性質や耐熱性にもすぐれる変性ポリア
ミドが容易に得られ、しかも極めて短時間で重合を終了
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に無水のω−ラクタムを、重合触
    媒としてグリニヤール化合物又はハロゲン化マグネシウ
    ムラクタメートを用い、 (イ) アミン類、アミド類、ス
    ルホキシド類、チオエーテル類、エーテル類、カルボン
    酸エステル類及びリン酸エステル類からなる群から選ば
    れた1種以上の活性化助剤及び (ロ)ラクタムを末端基
    とする分子量1500以上の高分子量活性化剤からなる複合
    活性化剤の存在下でアニオン重合することを特徴とする
    変性ポリアミドの製造法。
  2. 【請求項2】 実質的に無水のω−ラクタムを、重合触
    媒としてグリニヤール化合物又はハロゲン化マグネシウ
    ムラクタメートを用い、 (イ) アミン類、アミド類、ス
    ルホキシド類、チオエーテル類、エーテル類、カルボン
    酸エステル類及びリン酸エステル類からなる群から選ば
    れた1種以上の活性化助剤 (ロ) ラクタムを末端基とす
    る分子量1500以上の高分子量活性化剤及び (ハ) 分子量
    750以下のアシルラクタム化合物(ω−ラクタムと反応
    してアシルラクタム化合物を生成する化合物を含む)か
    らなる複合活性化剤の存在下でアニオン重合することを
    特徴とする変性ポリアミドの製造法。
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